JP2000095439A - ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置 - Google Patents

ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置

Info

Publication number
JP2000095439A
JP2000095439A JP10265391A JP26539198A JP2000095439A JP 2000095439 A JP2000095439 A JP 2000095439A JP 10265391 A JP10265391 A JP 10265391A JP 26539198 A JP26539198 A JP 26539198A JP 2000095439 A JP2000095439 A JP 2000095439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
bobbin
loop
wire rod
gripping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10265391A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Iwasaki
哲男 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wada Industries Co Ltd
Original Assignee
Wada Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wada Industries Co Ltd filed Critical Wada Industries Co Ltd
Priority to JP10265391A priority Critical patent/JP2000095439A/ja
Publication of JP2000095439A publication Critical patent/JP2000095439A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボビンに巻回済みの線材の緩みを効果的に防
止しつゝ、線材の端末近傍を迅速かつ確実に結んで線材
をボビンに締め付けることができるボビンの線材端末タ
イイング方法、およびその装置を提供すること。 【解決手段】 ボビンの胴面に巻回された線材の端末を
処理するに際して、ループ形成、端末近傍の線材の掴
持、ループへの線通しを行ってから、ループを外した後
に引き続いて当該ループ部分の緊張が緩む前に線材の引
張動作を行うことにより、線材を当該ループ部分におい
て交差せしめてボビンの胴面に締め付けるという方法的
手段を採用した。また、かゝるタイイング方法を実現す
るために、線材供給部、トラバースガイド、ボビン支承
機構部、線材切断機構部に加えて、ループ形成体、ルー
プ外し部材、掴持部を有する線材締付部材から成る端末
処理機構部を包含するという装置的手段を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボビンに巻回され
た線材の端末処理技術の改良、更に詳しくは、ボビンに
巻回済みの線材の緩みを効果的に防止しつゝ、線材の端
末近傍を迅速かつ確実に結んで線材をボビンに締め付け
ることができるボビンの線材端末タイイング方法、及び
同方法に用いるタイイング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属線や合成樹脂線等の線材、糸や紐等
の条材を扱う分野においては、これらの線材や条材をボ
ビンに巻き取るワインディング(winding )作業があ
り、この作業を正確に行うことは、線材等を用いた製品
の生産能率や品質の向上を図るのに重要である。
【0003】ところで、上記のワインディング作業にあ
っては、所要長さの線材をボビンの胴面に一定の張力で
斑なく巻回する必要があるが、線材の巻始めと巻終りを
ボビン胴面に確実に固定しないと、折角線材を斑なく巻
回しても巻端側から線材が徐々に緩んだり解けたりして
しまうという問題があった。
【0004】そこで、本件出願人は、嘗て「糸や線のボ
ビン巻付け装置」(特許第1592706号)を提案し、線材
の巻始めの問題を解決した。ところが、線材の巻終りの
問題に関しては、これといった良い方法が無く、粘着テ
ープ等を線材の端末部分に機械的に又は手作業で貼り付
けるという方法を採用していた。このため、次工程で粘
着テープを剥がす際に、特に極細の線材の場合には線材
が切れ易いという欠点があり、また、線材に油等が付着
している場合には粘着テープを付着させ難いという欠点
があった。
【0005】そこで、粘着テープ等を使用せずに、巻終
り側の線材部分をループ状に形成しこのループ内に線材
端末を通して交差状に結ぶという方法も作業現場では機
械又は手作業により採用されている。かゝる線材端末の
タイイング(tying )方法にあっては、ボビンに巻回済
みの線材が緩まないように、線材の端末側を常に引っ張
りながらループ形成や線通し等の端末処理作業を行う必
要がある。ところが、この作業を緩みなく確実に行うこ
とは非常に困難であり、特に線材の端末近傍を棒や指等
の周面に引っ掛けてループを形成した後このループから
棒等を抜き出した際に当該ループ部分が大きく緩んでし
まい、其処から巻回済みの線材が緩み始めてしまうとい
う難点があった。
【0006】また、端末側の線材をループ内に通して引
っ張りボビンに締め付ける際に、線材を引っ張り過ぎる
と、極細の線材の場合には線材が切れてしまう虞れがあ
り、逆に線材の引っ張りが弱過ぎると、線材が解け易く
なって、その力加減を適度に調節することは非常に難し
いので、線材端末の締付作業にあっては熟練作業者の経
験と勘を要した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の線材
端末の処理技術に上記の如き難点があったことに鑑みて
為されたものであり、ボビンに巻回済みの線材の緩みを
効果的に防止しつゝ、線材の端末近傍を迅速に結んで線
材をボビンに締め付けることができるボビンの線材端末
タイイング方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】また、本発明の他の技術的課題は、上記の
タイイング方法を確実に実現することができるボビンの
線材端末タイイング装置を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の他の技術的課題は、線材
の種類に応じて適度な線材締付力を得ることができるボ
ビンの線材端末タイイング装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者が上記技術的課
題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照し
て説明すれば、次のとおりである。
【0011】即ち、本発明は、ボビンの胴面に巻回され
た線材の端末を処理するに際して、線材の巻終り側の所
要部分をループ形成体の周面に緊張状態で引っ掛けてル
ープを形成し、このループ部分の線材をボビンの胴面に
少なくとも一巻きしてから、端末とすべき線材の近傍を
掴持して線材を切断しこの掴持部分を前記ループ内に通
すか、あるいは、端末とすべき線材の近傍を掴持してこ
の掴持部分を前記ループ内に通し線材を切断して、線材
のループ部分を前記ループ形成体の周面から外し、この
外し動作に引き続いて当該ループ部分の緊張が緩む前に
線材の掴持部分を線材巻回方向へボビン胴面に沿って引
っ張るか、および/または線材を掴持した状態でボビン
を回転させて線材のループ部分を線材巻回方向と逆方向
へボビン胴面に沿って引っ張ることにより、線材を当該
ループ部分において交差せしめてボビンの胴面に締め付
けるという方法的手段を採用することによって、上記課
題を解決した点に特徴がある。ここに線材とは、ボビン
に巻回可能な細長い素材をいい、具体的には金属線、合
成樹脂線、光ファイバー、糸、紐等を含む。
【0012】また、本発明は、ボビンの胴面に巻回すべ
き線材を供給する線材供給部と;この線材供給部側に配
設され、ボビン胴面の幅方向へ線材を往復的に振り動か
すトラバースガイドと;前記ボビンを回動自在に支承す
るボビン支承機構部と;前記ボビンの胴面に巻回された
線材の所要部分を切断する線材切断機構部と;前記線材
の巻終り側の所要部分をループ形成体の周面に緊張状態
で引っ掛けてループを形成し、端末とすべき線材の近傍
を掴持しこの掴持部分を前記ループ内に通して、線材の
ループ部分を前記ループ形成体の周面から外し、切断さ
れた線材の掴持部分を線材巻回方向へボビン胴面に沿っ
て引っ張るか、および/または線材を掴持した状態でボ
ビンを回転させて線材のループ部分を線材巻回方向と逆
方向へボビン胴面に沿って引っ張ることにより、線材を
当該ループ部分において交差せしめてボビンの胴面に締
め付ける端末処理機構部とを包含するという装置的手段
を採用することによって、上記課題を解決した点に特徴
がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添附図面に示す実
施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、図1は本発
明の実施形態である線材端末タイイング装置の主要部の
構造を示した平面図、図2は本実施形態装置の端末処理
機構部の一部を示した断面説明図、図3〜図13は本発明
の実施形態である線材端末タイイング方法を段階的に示
した斜視説明図である。
【0014】まず、本発明の実施形態である線材端末タ
イイング装置の構造を図1〜図3に基いて説明する。図
中、符号Wで指示するものは、ボビンBの胴面Bdに巻回
される線材であり、本実施形態においては、電磁波シー
ルド用の軟銅線を使用している。
【0015】符号1で指示するものは、上記の軟銅製線
材WをボビンBに供給する線材供給部である。この線材
供給部1としては、線材Wを一定の張力でボビンBの方
へ送出可能な従来公知のものを採用している。そして、
符号2で指示するものは、ボビン胴面Bdの幅方向へ線材
Wを往復的に振り動かすトラバースガイドであり、前記
線材供給部1側に配設されている。このトラバースガイ
ド2は、図示しないカム機構部によって長手方向に進退
移動される連接バー21と、この連接バー21の所要箇所に
固定された略立方体の連結部22と、この連結部22から連
接バー21に対し垂直に持ち出され自由端側にガイド孔23
aを有する支持プレート23とから構成されている。この
ガイド孔23aには、線材供給部1から供給された線材W
が挿通されており、挿通状態の線材Wが連接バー21の進
退移動に応じてボビン胴面Bdの幅方向へ往復的に振り動
かされる。このトラバースガイド2により、所要長さの
線材Wをボビン胴面Bdの幅方向全体に亘って万遍無く巻
回することができる。
【0016】符号3で指示するものは、前記ボビンBを
回動自在に支承するボビン支承機構部である。このボビ
ン支承機構部3は、ボビンBの一方の端面Beに接触して
ボビンBを回転させる回転駆動部3aと、ボビンBの他
方の端面Beに接触・離脱してボビンBを着脱する進退着
脱部3bとから構成されており、これらの回転駆動部3
aと進退着脱部3bとによってボビンBの両端面Be・Be
を挟持してボビンBを支承している。そして、前記回転
駆動部3aは、中心に伝動軸31aを有する回転体31と、
この伝動軸31aに嵌合されたベルト車32と、このベルト
車32ともう一方のベルト車32との間に掛けられたベルト
33と、このベルト33に回転循環運動を付与するモーター
(図示せず)とから構成されている。また、前記進退着
脱部3bは、ボビンBの一方の端面Beに接触する受け部
34と、この受け部34の他端に固定された進退軸35と、こ
の進退軸35の他端に嵌合固定された連結部36とから構成
されており、この連結部36をカム機構部(図示せず)に
よって前記進退軸35の軸方向に進退移動させることによ
り、ボビンBの着脱操作が可能となっている。
【0017】符号4で指示するものは、前記ボビンBの
胴面Bdに巻回された線材Wの端末となるべき部分を切断
する線材切断機構部である。この線材切断機構部4は、
線材Wを切断する鋏部41と、この鋏部41を支える鋏支持
部42とから構成されており、この鋏支持部42をカム機構
部(図示せず)によって切断すべき線材W部分まで進退
移動させることにより、鋏部41にて線材Wを掴んで切断
可能となっている。なお、本実施形態においては、次の
空ボビンBに線材Wをスムーズに巻き始めることができ
るように、線材Wの切断状態において線材供給側の線材
Wの始端部を鋏部41で掴持可能に構成されている。
【0018】符号5で指示するものは、前記線材Wの巻
終り側の所要部分を引っ掛けてループを形成するための
ループ形成体であり、筒状に構成されている。この筒状
ループ形成体5の外周面のうち先端側の所要長さが引掛
部51を成しており、この引掛部51に線材Wを緊張状態で
引っ掛けてループを形成可能となっている。
【0019】符号6で指示するものは、上記ループ形成
体5をボビンBの胴面Bdの周りに公転させるための公転
機構部である。この公転機構部6は、前記ループ形成体
5の後端部が挿入固定される支持孔61aと後述のガイド
筒が挿入固定される支持孔61bとを有する板状の持出部
61と、この持出部61の一端に固定され上記進退着脱部3
bの進退軸35に枢支された筒状の回転連結部62と、この
回転連結部62に嵌合固定されたスプロケット63と、この
スプロケット63ともう一方のスプロケット63との間に掛
けられたチェーン64と、このチェーン64に回転循環運動
を付与するモーター(図示せず)とから構成されてい
る。このモーターを回転駆動させることにより、前記回
転連結部62を介してループ形成体5をボビン胴面Bdの周
りに公転させることができる。
【0020】符号7で指示するものは、上記ループ形成
体5の引掛部51に引っ掛けられたループ状の線材Wをル
ープ形成体5の先端側へ押し出してループ部分を外すた
めの外しスリーブである。この外しスリーブ7は、図2
に示すように、前記ループ形成体5の引掛部51より後端
側の外周面に進退動自在に装着されたスリーブ71と、こ
のスリーブ71の後端部に固定された持出部72と、この持
出部72に挿通固定された外し用進退ロッド73と、この進
退ロッド73に挿嵌され上記公転機構部6の支持孔61bに
挿入固定されたガイド筒74と、このガイド筒74の内周面
に形成された規制段部74aにて一端が規制状態に前記進
退ロッド73に挿嵌された外し用スプリング75と、前記進
退ロッド73の後部周面に刻設された雄ネジ73aに嵌めて
前記スプリング75の他端が当接するナット76と、このナ
ット76の後端側の雄ネジ73aに螺合されたワッシャ77a
と袋ナット77bとから成る留め具77と、この袋ナット77
bの端部を押圧する揺動プレート78とから構成されてお
り、この揺動プレート78がカム機構部(図示せず)によ
って揺動される。そして、前記揺動プレート78で袋ナッ
ト77bの端部を押圧して進退ロッド73を外し用スプリン
グ75の付勢力に逆らって進出させると、この進退ロッド
73に固定された持出部72を介してスリーブ71がループ形
成体5の先端側へ引掛部51上をスライドして、当該スリ
ーブ71の先端側端面71aでループ状の線材Wがループ形
成体5から押し出されて外れることになる。その後、揺
動プレート78による袋ナット77b端部の押圧を解除する
と、進出時に圧縮されたスプリング75の復元力によって
ナット76が押圧され進退ロッド73が後退することにな
る。なお、本実施形態においては、後述の線通しをスム
ーズに行うためにスリーブ71先端側の端面71aの形状が
略半円形を成しており、また、外し用スプリング75とし
て圧縮コイルスプリングを使用している。
【0021】符号8で指示するものは、前記線材Wの端
末近傍を掴持して線材巻回方向へボビンBの胴面Bdに沿
って引っ張ることにより線材Wを交差状態にボビン胴面
Bdに締め付けるための線材締付部材である。この線材締
付部材8は、図2に示すように、前記筒状ループ形成体
5の筒内に進退動自在に装着され先端に略円錐形の掴持
部81aを有する掴持用進退ロッド81と、前記ループ形成
体5の内周面に形成された規制段部52にて一端が規制状
態に前記進退ロッド81に挿嵌された掴持用スプリング82
と、前記進退ロッド81の後部周面に所要長さ刻設された
雄ネジ81bに嵌めて前記スプリング82の他端が当接する
調節ナット83と、この調節ナット83の後端側の雄ネジ81
bに螺合されたワッシャ84aと袋ナット84bとから成る
留め具84と、この袋ナット84bの端部を押圧する揺動プ
レート85とから構成されており、この揺動プレート85が
カム機構部(図示せず)によって揺動される。そして、
前記揺動プレート85で袋ナット84bの端部を押圧して掴
持用進退ロッド81を掴持用スプリング82の付勢力に逆ら
って進出させると、その進退ロッド81先端の略円錐形掴
持部81aの底面とループ形成体5の先端面との間に線材
Wを差入可能な隙間が生じる一方、この隙間に線材Wを
差し入れた後に揺動プレート85による袋ナット84b端部
の押圧を解除すると、進出時に圧縮されたスプリング82
の復元力によって調節ナット83が押圧され進退ロッド81
が後退するため、前記隙間に差し入れた線材Wが掴持部
81aによって掴持されることになる。また、掴持用進退
ロッド81は、ボビンBの胴面Bdの周りに公転可能なルー
プ形成体5の筒内に装着されているので、そのループ形
成体5を公転させることによって、進退ロッド81先端の
掴持部81aに掴持された線材Wをボビン胴面Bdに沿って
引っ張ることができる。なお、本実施形態においては、
掴持用スプリング82として圧縮コイルスプリングを使用
している。
【0022】また、上記線材締付部材8にあっては、掴
持用進退ロッド81先端の掴持部81a底面とループ形成体
5の先端面との隙間に線材Wを掴持するための力が掴持
用スプリング82によって付与されており、このスプリン
グ82が調節ナット83および留め具84にて進退ロッド81に
着脱自在に挿嵌されているので、弾性力の異なる複数本
のスプリング82・82・・・・を予め準備しておき、線材Wの
種類に応じて適度な弾性力のスプリング82に交換するこ
とにより、当該スプリング82による掴持力を調節するこ
とができる。このような掴持力調節を行うことによっ
て、後述のように線材Wの引張動作中に適度な線材締付
力が得られた時点で線材Wが掴持部81aから放れるよう
にするといった巧みな締付方法を採用することが可能と
なる。さらに、スプリング82の交換以外に、掴持用進退
ロッド81の雄ネジ81b上における調節ナット83の締結位
置を調節することにより、スプリング82の圧縮の程度を
変えて掴持力を調節することもできる。
【0023】上記の如きループ形成体5、公転機構部
6、外しスリーブ7および線材締付部材8から端末処理
機構部が構成されている。この端末処理機構部を用い
て、前記線材Wの巻終り側の所要部分をループ形成体5
の外周面に緊張状態で引っ掛けてループを形成し、端末
とすべき線材Wの近傍を掴持しこの掴持部分を前記ルー
プ内に通して、線材Wのループ部分を前記ループ形成体
5の外周面から外し、切断された線材Wの端末側掴持部
分を線材巻回方向へボビン胴面に沿って引っ張ることに
より、線材Wを当該ループ部分において交差せしめてボ
ビンBの胴面Bdに締め付けることができる。
【0024】つぎに、上記の如く構成された本実施形態
装置を用いて、線材Wの端末をボビンBにタイイング
(tying )する方法を図3〜図13に基いて説明する。
【0025】まず、図3は、線材WをボビンBの胴面Bd
に巻回している途中の状態が示してある。この状態にお
いては、線材供給部1からトラバースガイド2のガイド
孔23aを通って供給された線材Wが、トラバースガイド
2の往復運動によりボビン胴面Bdの幅方向全体に亘って
万遍無く一定の張力で巻回されており、この線材巻回方
向は、ボビンBの回転と逆方向の反時計回り方向となっ
ている。そして、ボビン胴面Bdに巻回された線材Wが所
要の巻長に達すると、ボビンBの回転が停止する。この
停止時点におけるトラバースガイド2の停止位置は線材
Wの巻長により変わるので、図4に示すように、停止後
再度ボビンBを低速で数回転させつゝトラバースガイド
2をボビン胴面Bdの幅方向の略中央まで移動させて停止
させる。この位置決めにより、トラバースガイド2のガ
イド孔23aを通る線材Wをループ形成体5の引掛部51の
位置に合わせている。
【0026】図5および図6は、線材Wの巻終り側の所
要部分を引っ掛けてループを形成する状態が示してあ
る。この状態においては、上記の如く位置決めされたト
ラバースガイド2のガイド孔23aの略真下まで前記ルー
プ形成体5を公転機構部6にてボビン胴面Bdの周りに公
転させ、このループ形成体5の先端側外周面の引掛部51
にトラバースガイド2とボビンBとの間の線材W部分を
引っ掛けている(図5参照)。この場合、線材供給部1
に繋がっている線材Wは緊張状態を保っているので、ボ
ビン胴面Bdに巻回済みの線材Wが緩むことはない。そし
て、前記線材Wを引っ掛けた状態でループ形成体5を更
に公転させて略U字状のループ部分Wpを形成し(図6参
照)、線材供給部1から送出される線材Wを前記ループ
部分Wpからボビン胴面Bdに略一巻きすると共に、トラバ
ースガイド2を図6中の矢印方向に若干移動させる。こ
のトラバースガイド2の移動により、図6の状態から更
にループ形成体5を前記ガイド孔23aの略真下まで公転
させた際に、そのガイド孔23aを通る線材Wにループ形
成体5の引掛部51が当接するのを防止している。
【0027】図7および図8は、端末とすべき線材Wの
近傍を掴持する状態が示してある。この状態において
は、前記ループ形成体5の筒内に進退動自在に装着され
た掴持用進退ロッド81先端の略円錐形掴持部81aの頂点
位置を前記ガイド孔23a下部の線材Wが若干通過した時
点でそのループ形成体5の公転運動を停止させてから、
前記掴持用進退ロッド81を進出させてその進退ロッド81
先端の掴持部81a底面とループ形成体5の先端面との間
に隙間を生成している(図7参照)。そして、トラバー
スガイド2を図8中の矢印方向に戻すことにより、ガイ
ド孔23a下部の線材W部分を掴持部81aの円錐面に沿っ
てスライドさせて当該隙間に差し入れる。その後、前記
進退ロッド81を後退させると、差し入れた線材Wがルー
プ形成体5内部の掴持用スプリング82による復元力によ
って掴持される(図8参照)。
【0028】図9は、線材Wを切断する状態が示してあ
る。この状態においては、上記の如く掴持した線材Wの
掴持部分とトラバースガイド2との間の線材W部分を、
線材切断機構部4の鋏部41で切断しており、この切断部
分が線材Wの端末となる。この場合、次の線通し作業を
スムーズに行うために、前記掴持部分に出来るだけ近い
位置で線材Wを切断することが好ましい。また、線材供
給側の線材Wの始端部は、鋏部41で掴持されている。
【0029】図10は、切断された線材Wの掴持部分をル
ープ内に通すと同時に、線材Wのループ部分Wpをループ
形成体5の外周面から外す状態が示してある。この状態
においては、切断された線材Wの端末近傍が掴持部81a
にて掴持された状態で、ループ形成体5の外周面に進退
動自在に装着された外しスリーブ7をその先端側端面71
aが掴持部81aの円錐頂点を確実に通過する位置まで進
出させることにより、ループ形成体5の引掛部51に引っ
掛けられた線材Wのループ部分Wpをその引掛部51から外
している。これと同時に、線材Wの掴持部分がループ内
を自ずから潜り抜けて挿通状態となる。この場合、スリ
ーブ71先端側の端面71aの形状がボビンB対向側に略半
円形を成しているので、掴持された線材Wが挿通時に交
差する2点のループ部分Wpは押し出されることなく、こ
の交差点よりボビンB対向側のループ部分Wpのみが半円
形端面71aにより押し出されて、線通し作業を確実かつ
スムーズに行うことが可能となる。
【0030】上記の如く線材Wのループ部分Wpをループ
形成体5から一旦外すと、当該ループ部分Wpの緊張状態
が大きく緩んでしまい、其処から巻回済みの線材Wが緩
み始めることになるため、ループ部分Wpの緊張が緩む前
に図11に示す線材Wの引張動作を迅速に行う必要があ
る。図11においては、ループ形成体5を線材巻回方向
(反時計回り方向)へ公転させることにより、線材Wの
掴持部分をボビン胴面Bdに沿って引っ張り線材Wをルー
プ部分Wpにおいて交差せしめている。このようにループ
外し動作後に切断等の他の操作を入れることなく線材W
の引張動作を迅速に行うことにより、ボビンBに巻回済
みの線材Wの緩みを従来装置と比べて効果的に防止する
ことができる。なお、本実施形態においては、線材Wの
ループ外し動作から引張動作までの時間は約0.5 秒〜1.
0 秒である。そして、ループ形成体5を線材巻回方向へ
更に公転させると、交差された線材Wがボビン胴面Bdに
巻き付くと共に、図12に示すように、掴持部81aによる
線材Wの掴持力よりもループ形成体5の公転運動による
線材Wの引張力が大きくなって当該掴持部81aから線材
Wが放れることになる。この場合、線材Wの掴持力をそ
の線材Wの種類に応じて掴持用スプリング82で予め調節
してあるので、放れる前に線材Wが切れたり、放れた時
点で線材Wの締付具合が弱過ぎたりすることなく、適度
な線材締付力を得ることが可能となる。
【0031】最後に、図13においては、線材Wの締付が
完了したボビンBを、進退着脱部3bを図中の矢印方向
に後退させて下方に排出してから、待機中の空のボビン
Bをセットする状態が示してある。
【0032】本発明の実施形態は概ね上記のとおりであ
るが、本発明は前述の実施形態に限定されるものでは決
してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の
変更が可能であって、例えば、本実施形態においては、
筒状のループ形成体5の内外面に外しスリーブ7と線材
締付部材8とが各々装着されて一体に構成されている
が、ループ形成体5からループを外した後すぐに線材W
の締付を行える構造であれば、これら構成部材5・7・
8を別々に構成することも可能であり、また、本実施形
態においては、線材Wを切断してから端末側の線材Wを
ループ内に通しているが、線材Wをループ内に通してか
ら線材Wの切断を行うことも可能であり、さらに、本実
施形態においては、線材締付時に線材Wの掴持部分を線
材巻回方向(反時計回り方向)へボビン胴面Bdに沿って
引っ張っているが、線材Wを掴持した状態でボビンBを
回転させることによって、線材Wのループ部分Wpを線材
巻回方向と逆方向(時計回り方向)へボビン胴面Bdに沿
って引っ張ることも可能であり、あるいは線材Wの掴持
部分とループ部分Wpの双方の引張動作を同時に行うこと
も可能であり、これら何れの変更態様も本発明の技術的
範囲に属することは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上実施形態を挙げて説明したとおり、
本発明のタイイング方法にあっては、ボビンの胴面に巻
回された線材の端末を処理するに際して、ループ形成、
端末近傍の線材の掴持、線材の切断、ループへの線通し
を行ってから、ループを外した後に引き続いて当該ルー
プ部分の緊張が緩む前に線材の引張動作を行っているの
で、ボビンに巻回済みの線材の緩みを効果的に防止しつ
ゝ、線材の端末近傍を迅速に結んで線材をボビンに締め
付けることができる。
【0034】また、本発明のタイイング装置にあって
は、線材供給部、トラバースガイド、ボビン支承機構
部、線材切断機構部に加えて、ループ形成体、ループ外
し部材、掴持部を有する線材締付部材から成る端末処理
機構部を採用したので、上記の如きタイイング方法を確
実に実現することができる。さらに、線材の掴持力を付
与する掴持用スプリングが前記線材締付部材に着脱自在
に設けられているので、線材の種類に応じて前記スプリ
ングによる掴持力を調節することによって、掴持された
線材の引張動作中に適度な線材締付力が得られた時点で
線材が掴持部から放れるように構成することができ、線
材の放し操作を別個に行う必要はない。したがって、線
材をボビンに巻き取るワインディング分野における実用
価値は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である線材端末タイイング装
置の主要部の構造を示した平面図である。
【図2】本実施形態装置の端末処理機構部の一部を示し
た断面説明図である。
【図3】本発明の実施形態である線材端末タイイング方
法の初期状態を示した斜視説明図である。
【図4】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図5】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図6】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図7】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図8】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図9】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図10】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図11】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図12】本実施形態方法の一部を示した斜視説明図であ
る。
【図13】本実施形態方法のボビン交換状態を示した斜視
説明図である。
【符号の説明】
B ボビン Bd 胴面 Be 端面 W 線材 Wp ループ部分 1 線材供給部 2 トラバースガイド 21 連接バー 22 連結部 23 支持プレート 23a ガイド孔 3 ボビン支承機構部 3a 回転駆動部 3b 進退着脱部 31 回転体 31a 伝動軸 32 ベルト車 33 ベルト 34 受け部 35 進退軸 36 連結部 4 線材切断機構部 41 鋏部 42 鋏支持部 5 ループ形成体 51 引掛部 52 規制段部 6 公転機構部 61 持出部 62 回転連結部 63 スプロケット 64 チェーン 7 外しスリーブ 71 スリーブ 72 持出部 73 外し用進退ロッド 74 ガイド筒 75 外し用スプリング 76 ナット 77 留め具 78 揺動プレート 8 線材締付部材 81 掴持用進退ロッド 81a 掴持部 81b 雄ネジ 82 掴持用スプリング 83 調節ナット 84 留め具 85 揺動プレート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンの胴面に巻回された線材の端末を
    処理するに際して、線材の巻終り側の所要部分をループ
    形成体の周面に緊張状態で引っ掛けてループを形成し、
    このループ部分の線材をボビンの胴面に少なくとも一巻
    きしてから、端末とすべき線材の近傍を掴持して線材を
    切断しこの掴持部分を前記ループ内に通すか、あるい
    は、端末とすべき線材の近傍を掴持してこの掴持部分を
    前記ループ内に通し線材を切断して、線材のループ部分
    を前記ループ形成体の周面から外し、この外し動作に引
    き続いて当該ループ部分の緊張が緩む前に線材の掴持部
    分を線材巻回方向へボビン胴面に沿って引っ張るか、お
    よび/または線材を掴持した状態でボビンを回転させて
    線材のループ部分を線材巻回方向と逆方向へボビン胴面
    に沿って引っ張ることにより、線材を当該ループ部分に
    おいて交差せしめてボビンの胴面に締め付けたことを特
    徴とするボビンの線材端末タイイング方法。
  2. 【請求項2】 ボビンの胴面に巻回すべき線材を供給す
    る線材供給部と;この線材供給部側に配設され、ボビン
    胴面の幅方向へ線材を往復的に振り動かすトラバースガ
    イドと;前記ボビンを回動自在に支承するボビン支承機
    構部と;前記ボビンの胴面に巻回された線材の所要部分
    を切断する線材切断機構部と;前記線材の巻終り側の所
    要部分をループ形成体の周面に緊張状態で引っ掛けてル
    ープを形成し、端末とすべき線材の近傍を掴持しこの掴
    持部分を前記ループ内に通して、線材のループ部分を前
    記ループ形成体の周面から外し、切断された線材の掴持
    部分を線材巻回方向へボビン胴面に沿って引っ張るか、
    および/または線材を掴持した状態でボビンを回転させ
    て線材のループ部分を線材巻回方向と逆方向へボビン胴
    面に沿って引っ張ることにより、線材を当該ループ部分
    において交差せしめてボビンの胴面に締め付ける端末処
    理機構部とを包含することを特徴としたボビンの線材端
    末タイイング装置。
  3. 【請求項3】 端末処理機構部が、線材の巻終り側の所
    要部分を引っ掛けてループを形成すべき引掛部を外周面
    に有しており、かつ、ボビン胴面の周りを公転可能なる
    如く配設されたループ形成体と;このループ形成体の外
    周面に進退動自在に装着されており、前記引掛部に引っ
    掛けられたループ状の線材をループ形成体の先端側へ押
    し出してループ外し可能な外しスリーブと;線材の端末
    近傍を掴持すべき掴持部を先端に有しており、かつ、前
    記ループ内に通された端末側の線材を前記掴持部で掴持
    して線材巻回方向へボビン胴面に沿って引っ張ることに
    より線材を交差状態にボビン胴面に締付可能な線材締付
    部材とから構成されている請求項2記載の、ボビンの線
    材端末タイイング装置。
  4. 【請求項4】 線材の掴持力を付与する掴持用スプリン
    グが線材締付部材に着脱自在に設けられており、線材の
    種類に応じて前記スプリングによる掴持力を調節するこ
    とによって、掴持された線材の引張動作中に適度な線材
    締付力が得られた時点で線材が掴持部から放れるように
    した請求項2または3記載の、ボビンの線材端末タイイ
    ング装置。
JP10265391A 1998-09-18 1998-09-18 ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置 Pending JP2000095439A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10265391A JP2000095439A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10265391A JP2000095439A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000095439A true JP2000095439A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17416533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10265391A Pending JP2000095439A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000095439A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011131950A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Imai Sekkei Jimusho:Kk 線材のボビン結束装置及びその装置を用いたボビン自動巻取装置
CN109678003A (zh) * 2019-01-31 2019-04-26 武汉同力智能系统股份有限公司 一种金属丝缠绕自动打结装置及其打结方法
CN111559668A (zh) * 2020-05-29 2020-08-21 无锡巨一同创科技有限公司 一种漆包线线头处理方法及其线头处理装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011131950A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Imai Sekkei Jimusho:Kk 線材のボビン結束装置及びその装置を用いたボビン自動巻取装置
CN109678003A (zh) * 2019-01-31 2019-04-26 武汉同力智能系统股份有限公司 一种金属丝缠绕自动打结装置及其打结方法
CN111559668A (zh) * 2020-05-29 2020-08-21 无锡巨一同创科技有限公司 一种漆包线线头处理方法及其线头处理装置
CN111559668B (zh) * 2020-05-29 2021-11-23 无锡巨一同创科技有限公司 一种漆包线线头处理方法及其线头处理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108374245B (zh) 缝纫机的夹线装置的作业方法
EP0379504A1 (en) DENTAL WIRE APPLICATOR.
US6321519B1 (en) Jigs for creating coiled craft stock, and methods of using same
JP2000095439A (ja) ボビンの線材端末タイイング方法、及びそれに用いる装置
US4049006A (en) Hair-weaving device
US6465721B2 (en) Musical instrument string with auto wound cover wire
JP2002078997A (ja) 下糸巻回装置
EP0332532B1 (fr) Dispositif pour la ligature de barres, tiges ou analogue au moyen d'un fil métallique souple
WO2022066000A1 (en) System and method for tying a knot
US4444004A (en) Hand-held traversable yarn splicer
JPH02214445A (ja) ステータコイルの結束装置
CN110714244B (zh) 一种纺纱设备
US4114931A (en) Knotting device
JPH03236897A (ja) ネクタイ縫合機の針に糸を通す装置
JP2747776B2 (ja) ミシンの自動糸切り装置
JPS61162469A (ja) 端線締結方法及びその装置
JP2836513B2 (ja) 糸巻ボールの糸巻方法及び糸巻装置
JPS6037105Y2 (ja) ミシンにおける下糸制御装置
US4917051A (en) Floating needle sewing machine for simulating hand stitching
JP2000225281A (ja) 下糸巻回装置
US1348929A (en) Knotter
JP2004215740A (ja) ミシンの糸繰出装置
JPH0640663A (ja) 線材端末処理方法及びその装置
JP2822312B2 (ja) 釣り糸の結着具
JP2022548002A (ja) スキンタグの周りに糸ループを取り付けるための装置および方法