JP2000093208A

JP2000093208A - ボタン止め構造

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Publication number: JP2000093208A
Application number: JP10285940A
Authority: JP
Inventors: Hisashi Yamaguchi; 日佐志山口
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-09-22
Filing date: 1998-09-22
Publication date: 2000-04-04
Anticipated expiration: 2018-09-22
Also published as: JP2975354B1

Abstract

(57)【要約】【課題】クリーニング時などの場合に被服からボタンを
容易に取り除くことができ、かつ装飾的に優れたボタン
およびボタン止めの構成を開示する。【解決手段】打合部の双方に複数のボタンホールを対に
設け、この打合部をその裏側から上記ボタンホールに係
脱自在な複数のボタンを紐状部材で連結してなるボタン
列によってボタン止めする構造であって、打合部のうち
少なくとも一方の打合部の裏側に止め孔を有する裏布を
縫合し、この裏布と一方の打合部との間に袋部を形成す
る。ボタン列の紐状部材には上記止め孔に係脱自在な係
止片を設け、ボタン止め時には上記紐状部材を上記袋部
に収容する。襟腰に第一ボタンホールが形成された衣服
では、襟腰は２枚の布を重ね合わせてなり、当該襟腰に
前立ておよび裏布の上部を縫合して袋部を形成すると共
に、その縫合部に袋部と襟腰内部とを連通してボタン列
の第一ボタンが挿通可能な通孔を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被服のボタンホー
ルおよびボタンの改良に係り、特にクリーニングに適し
た被服を実現するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から一般に普及しているカッターシ
ャツなどの前あき被服は、ボタン止めされることが多い
が、一方の身頃の前立て部分にボタンを縫合し、これに
対応する前立てにはボタン位置に対してボタンホールが
縫製されている。ところで、従来のようにボタンを身頃
に直接縫合する場合には、クリーニング時にボタンが割
れるという事故が発生することがある。これは、クリー
ニング店では専用のプレス機を採用して高圧でプレスを
行うことが一要因であり、完全に回避することはできな
い。従って、この種のボタンは熱に強く、割れにくいも
のを採用する必要があるので、自由に好みのボタンを縫
合することができないという装飾面における制約もあ
る。

【０００３】このような現状に鑑みて、ボタンを被服か
ら独立させて紐やチェーンで連結し、両方の身頃に設け
たボタンホールに同時にボタン止めを行う技術が提案さ
れている（実開昭５９−１７４０１１号公報、実開平１
−１７０１１２号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の公知技
術はボタンの脚を被服の外面から差し込むものであり、
裏側の身頃に対してどのように前身頃を止めるのかとい
う技術は十分に解決されていない。また、後者の技術は
ボタンホールが設けられた両身頃を重ねあわせて、その
裏側からボタン止めを行うものであるが、ボタン止めが
困難であるという問題がある。

【０００５】本発明は、これらの従来技術の課題をも解
決するものであり、簡単な装置を採用することによって
クリーニング時などの場合に被服からボタンを容易に取
り除くことができ、かつ装飾的に優れたボタンおよびボ
タン止めの構成を開示することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、上述した目
的を達成するために、打合部の双方に複数のボタンホー
ルを対に設け、この打合部をその裏側から上記ボタンホ
ールに係脱自在な複数のボタンを紐状部材で連結してな
るボタン列によってボタン止めする構造であって、上記
打合部のうち少なくとも一方の打合部の裏側に止め孔を
有する裏布を縫合し、この裏布と上記一方の打合部との
間に袋部を形成すると共に、上記ボタン列の紐状部材に
は上記止め孔に係脱自在な係止片を設け、ボタン止め時
には上記紐状部材を上記袋部に収容するという手段を用
いた。

【０００７】上記手段によれば、ボタン列を袋部に収納
した状態で一方の打合部の裏側からボタンをボタンホー
ルを介して表出させ、同時に係止片を止め孔に係止する
ことで、当該ボタン列は一方の打合部に着脱あるいは交
換自在に取り付けられる。そして、このように取り付け
られたボタン列は通常のボタンと何ら変わりなく機能
し、他方の打合部のボタンホールに止めることで、打合
部をボタン止めするものである。このとき裏布は紐状部
材が直接肌に触れることを回避し、当該紐状部材による
違和感をなくために機能する。また、ボタン列の係止片
と裏布に形成された止め孔は、両者を係止することで袋
部の開きを規制するために機能する。なお、本発明は被
服においてボタン止めする箇所であれば何れに対しても
適用でき、本発明でいう打合部は、通常のカッターシャ
ツであっても、前開きの開襟シャツであっても、これら
の左右の前立てを示す概念である。

【０００８】また請求項２に係る発明では、襟腰に第一
ボタンホールが形成された衣服において、上記襟腰は２
枚の布を重ね合わせてなり、当該襟腰に前立ておよび裏
布の上部を縫合して袋部を形成すると共に、その縫合部
に上記袋部と襟腰内部とを連通してボタン列の第一ボタ
ンが挿通可能な通孔を設けるという手段を用いた。この
手段によれば襟腰の縫合時に前立ておよび裏布を同時に
縫合できるという利点がある。そして、ボタン列の第一
ボタンは襟腰の内部から表側に突出する。

【０００９】さらに請求項３に係る発明では、襟を身頃
にボタン止めするボタンダウンのシャツにおいて、当該
シャツの身頃側、即ち身頃自体あるいは襟腰には襟のボ
タンホールと対応して係止環を設け、ボタンの裏側に上
記係止環に係脱自在な係止片を設けた係止片付きボタン
により襟を身頃にボタン止めするという手段を用いた。
当該手段においてもボタンは着脱・交換自在となる。ま
た、ボタンが交換自在であるので、使用者の好みに応じ
てボタンを随時交換することができる。さらに、クリー
ニング時にはボタンを取り外すことができるのでクリー
ニングによるボタン割れを未然に防ぐことができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付した図面に従って説明する。図１は本発明をカ
ッターシャツに適用した一実施形態に係る正面図であっ
て、このシャツの打合部である左右の前立て１・２には
それぞれ複数のボタンホール３…３が対応して設けられ
ている。４は２枚の布を縫合してなる襟腰であって、こ
の襟腰４には第一ボタンホール３ａが形成されている。
上記打合部のうち、男性用として合わせたときに下側と
なる右前立て２の裏側には、図２に示したように、裏布
５が設けられている。この裏布５は、その上部を襟腰４
に縫合する一方（縫合線Ａ）、縦方向の一辺を右前立て
２と共に縫合する（縫合線Ｂ）ことで、右前立て２との
間に袋部６を形成している。ただし、縫合線Ａには袋部
６と襟腰４内部とを連通する通孔（図示せず）が形成さ
れている。また、裏布５には複数の止め孔７が適宜間隔
で形成されている。

【００１１】一方、図２において、８はボタン列であっ
て、前立てのボタンホール３…３に対応する数および間
隔のボタン９…９と、裏布５の止め孔７に対応する係止
片１０とを、１本の紐状部材１１に連結している。そし
て、当該ボタン列８は、先ず最上段の第一ボタン９ａを
袋部６に挿入し、さらに縫合線Ａに形成された上記通孔
を通して襟腰４内部から第一ボタンホール３ａを介して
表に突出させる。そして、他のボタン９…９をボタンホ
ール３…３から右前立て２の表側に突出させ、次に係止
片１０を止め孔７に係止することで、ボタン列８の右前
立て２に対する取り付けが完了する。

【００１２】上記要領で右前立て２にボタン列８を取り
付けたシャツは、通常のボタン付きシャツと同様に、左
右の前立て１・２を打ち合わせ、ボタン９…９を左前立
て１のボタンホール３…３に止めることで、両前立て１
・２をボタン止めすることができる。このとき紐状部材
１１は、図３に示したように袋部６に収容されるため、
裏布５によって直接肌に触れることがない。このため、
当該紐状部材１１による違和感をなくすことができる。
さらに、裏布５は係止片１０によりボタン止めされるた
め、袋部６の開きが規制される。従って、袋部６の開き
による嵩張りやゴワつきがない上、紐状部材１１が袋部
６の開きから飛び出して絡んだりすることもない。

【００１３】なお、上記係止片１０は通常のボタンによ
り構成しても良いが、本実施形態のように薄い平板を用
いることで、肌側の違和感をなくすことができる。ま
た、袋部６の開きは、係止片１０を３つほど設ければ十
分規制されるが、係止片１０の数は止め孔７と共に限定
されない。また、紐状部材１１は単なる紐や糸、あるい
はチェーンなどが該当するが、その素材は釣りで用いる
テグスのような切れ難い素材のものが好ましい。また、
紐状部材１１を３本組にし、これを編んでボタン９を紐
状部材１１に固定することもできる。

【００１４】さらに上記実施形態では、裏布５を右の前
立て２に対応して縫合したが、左の前立て１の裏側にも
同様の裏布５を縫製しておくことで、止め合わせを左前
・右前の何れともすることができ、男女兼用のシャツと
することができる。また、上記実施形態ではカッターシ
ャツについて説明したが、開襟シャツであってもその第
１ボタン以下に裏布を設けることによって、同様の技術
を達成できることはもちろんである。

【００１５】更に又、上記実施形態では本発明のボタン
止め構造をシャツの前立てに適用したが、ボタン止めす
る打合部であれば、この他、図４に示したように、カフ
スに適用することも可能である。即ち、カフスの打合部
１２・１３のそれぞれに、円周に沿って複数のボタンホ
ール１４…１４を列設し、さらに一方の打合部１３の裏
側には止め孔１５…１５を形成した裏布１６を縫製して
袋部１７を形成する。そして、ボタン１８と係止片１９
を紐状部材２０で連結したボタン列２１を用意すること
で、上記実施形態と全く同じ要領でカフスをボタン止め
することができる。この場合は、連設したボタンによる
装飾性・ファッション性が得られる他、ボタン止め位置
を変えることでカフスの締め具合を調整することもでき
る。

【００１６】次に図５は本発明の第二実施形態を示した
もので、ボタンダウンシャツにおけるボタン止め構造を
示したものである。当該シャツは、襟腰２２に襟２３の
ボタンホール２４に対応して係止環２５が縫製されてお
り、ボタン２６の裏側に係止片２７を設けた係止片付き
ボタン２８により襟２３をボタン止めするように構成し
たものである。なお、この実施形態においても係止片２
７は通常のボタンであって良い。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るボタ
ン止め構造によればボタンを着脱できるので、ボタンを
外しておけばクリーニング時のプレスでボタンが割れる
ことを防止することができる。また、使用するボタンを
自由に選択できるので、被服のファッション性に幅が広
がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のボタン止め構造を適用したシャツの正
面図

【図２】同シャツの右前立てとボタン列を示した斜視図

【図３】同シャツをボタン止めした状態を示した断面図

【図４】本発明を適用したカフスの断面図

【図５】本発明を適用したダウンボタン構造を示した斜
視図

【符号の説明】

１左前立て２右前立て３ボタンホール３ａ第１ボタンホール４襟腰５裏布６袋部７止め孔８ボタン列９ボタン９ａ第１ボタン１０係止片１１紐状部材１２・１３カフスの打合部１４ボタンホール１５止め孔１６裏布１７袋部１８ボタン１９係止片２０紐状部材２１ボタン列

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】打合部の双方に複数のボタンホールを対に
設け、この打合部をその裏側から上記ボタンホールに係
脱自在な複数のボタンを紐状部材で連結してなるボタン
列によってボタン止めする構造であって、上記打合部の
うち少なくとも一方の打合部の裏側に止め孔を有する裏
布を縫合し、この裏布と上記一方の打合部との間に袋部
を形成すると共に、上記ボタン列の紐状部材には上記止
め孔に係脱自在な係止片を設け、ボタン止め時には上記
紐状部材を上記袋部に収容することを特徴としたボタン
止め構造。
【請求項２】襟腰に第一ボタンホールが形成された衣服
において、上記襟腰は２枚の布を重ね合わせてなり、当
該襟腰に前立ておよび裏布の上部を縫合して袋部を形成
すると共に、その縫合部に上記袋部と襟腰内部とを連通
してボタン列の第一ボタンが挿通可能な通孔を設けた請
求項１記載のボタン止め構造。
【請求項３】襟にボタンホールを設けたボタンダウンの
シャツにおいて、当該シャツの身頃側には襟の上記ボタ
ンホールと対応して係止環を設け、ボタンの裏側に上記
係止環に係脱自在な係止片を設けた係止片付きボタンに
より襟を止める請求項１または２記載のボタン止め構
造。