JP2000093055A - 糸用スプール - Google Patents

糸用スプール

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JP2000093055A
JP2000093055A JP10281967A JP28196798A JP2000093055A JP 2000093055 A JP2000093055 A JP 2000093055A JP 10281967 A JP10281967 A JP 10281967A JP 28196798 A JP28196798 A JP 28196798A JP 2000093055 A JP2000093055 A JP 2000093055A
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radius
thread
line
annular
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JP10281967A
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E Styner Roy
イー スタイナー ロイ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より軽量でより遠投性を有するリールを提供
する。 【解決手段】 魚釣用リール用の回転可能な糸用スプー
ル12であって、スプール12は回転軸56を定める糸
巻回面66を有する。面66は半径方向に外側へ延伸
し、その延伸部はスプール12に巻き取られた釣糸にと
って軸方向の境界をなす。また面66の延伸部は、軸5
6から半径Rだけ離れた外側リム64で終わる。外側リ
ム64は糸巻回面66から軸方向外側へ延在し、面66
から軸方向に外側へ間隔をおいた第一環状面74で終わ
る。はずみ車式の重量物80が外側リム64から半径方
向内側へ延在し、軸から半径R2(Rの55%〜85
%)のところで終わる。重量物80は糸巻回面から軸方
向に外側へ延在して、第一環状面74から軸方向内側に
距離X(Rの0%〜5%)だけ離れた第二環状面82で
終わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の属する技術分野)本発明は魚釣用
リールに関し、さらに詳しくは、ベイトキャスト(投
餌)型リールの如く、釣糸が繰り出される際に回転する
糸用スプールを有する魚釣用リールに関する。
【0002】(発明の背景)釣糸が繰り出される際に回
転する糸用スプールを有する魚釣用リールはよく知られ
ている。このようなリールの一つの通常の形態は、ベイ
トキャスト型リールとして知られ、そのリールが付属し
ている釣り竿の長手方向に垂直な軸の回りに回転可能に
ローラベアリング又はブッシングにより支持されている
糸用スプールを利用するものである。
【0003】魚釣用リールにとって望ましい2つの特徴
は軽量性と遠投性である。軽量のリールが好ましいの
は、魚釣用具の共通点として遠い湖や川へ出かけるとき
に比較的長い距離を手で運搬しなければならないこと
と、リールの共通点として釣り竿に取り付けて使用中、
比較的長時間保持して操作しなければならないことによ
る。リールの遠投性により、釣り人はルアー又は餌を自
分の体の位置から離れたポイントに配置することができ
る。これによって釣り人は位置を変える必要なくルアー
又は餌の配置に最大の選択の自由を得る。従って、より
軽量でより遠投性を有するリールが絶えず求められてい
る。
【0004】産業界は、軽量のリールを供給すること
と、遠投性を有するリールを供給することには成功して
きたが、これら2つの望ましい特徴を兼ね備えたリール
を供給することには比較的成功しなかった。これは部分
的には、比較的重い材料で製造された釣糸用のスプール
は遠投性を提供できるがリールを好ましくないほどに重
くしてしまう傾向があるし、比較的軽い材料で製造され
た釣糸用のスプールは軽量性のリールを提供できるが遠
投性を提供しない傾向があるためである。
【0005】(発明の概要)本発明に従い、魚釣用リー
ルに用いられる回転可能な糸用スプールが提供される。
当該スプールは、当該スプールの回転軸を定める糸巻回
面を有する。該糸巻回面は、半径方向に外側へ延伸して
当該スプールに巻き取られた釣糸にとっての軸方向の境
界を定め、半径方向には上記軸から半径Rを隔てた外側
リムで終わる。該外側リムは上記糸巻回面から軸方向に
外側へ延在して上記糸巻回面から軸方向に外側へ間隔を
おいた第一環状面で終わる。はずみ車式の重量物が、上
記外側リムから半径方向内側へ延在し、半径Rの55%
〜85%の範囲内の半径R2だけ上記軸から離れたとこ
ろで終わる。上記重量物は、軸方向に上記糸巻回面から
外側へ延在して、半径Rの0%〜5%の範囲内の距離X
だけ第一環状面から軸方向内側に離れた第二環状面で終
わる。
【0006】本発明の一形態において、上記糸巻回面と
上記外側リムと上記重量物とは一体の材料で形成されて
いる。
【0007】本発明の一形態において、半径R2は半径
Rの65%〜75%の範囲内である。
【0008】本発明の一形態において、半径R2は半径
Rの約70%である。
【0009】本発明の一形態において、距離Xは近似的
にゼロに等しい。
【0010】本発明の一態様に従えば、魚釣用リールに
用いられる回転可能な糸用スプールが提供される。当該
スプールは、当該スプールの回転軸を定める糸巻回体
と、間隔をあけて逆向きに設けられた一対の環状フラン
ジとを有する。上記一対の環状フランジは当該スプール
の最大半径Rを定め、また、軸からRの65%以上の半
径において軸回りのスプールの全慣性モーメントの少な
くとも70%を備えるために十分な重量を有する構造を
含む。
【0011】本発明の一形態において、上記糸巻回体と
上記一対の環状フランジとは一体の材料で形成されてい
る。
【0012】本発明の一形態において、上記一対の環状
フランジは互いに形状が異なる。
【0013】(図面の簡単な説明)図1は、投擲中に回
転する糸用スプールを有するベイトキャスト型魚釣用リ
ールの斜視図である。図2は、リールの図1の2−2矢
視部分断面図である。図3は、本発明の実施例である糸
用スプールの斜視図である。図4は、図3に示された糸
用スプールの断面図である。図5は、従来の糸用スプー
ルの図4と同様の断面図である。
【0014】(好適な実施例の詳細な説明)図1及び2
は、ローラベアリング又はブッシング14上で回転し得
るようにスプール軸13に設けられた回転可能な糸用ス
プール12を有するベイトキャスト型リール10を示
す。糸用スプール12は、いずれも後述する従来の構成
12A(図5)、又は、本発明の実施形態である構成1
2B(図4)のいずれであってもよい。リール10は、
ベアリング又はブッシング14を支持するフレーム15
を有する。フレーム15は横方向に間隔を有するサイド
部材16、18を有し、サイド部材16、18は協働し
て釣糸貯蔵空間20を区画する。両サイド部材16、1
8の間隔は複数の横方向の支持部材22により維持され
ている。図2に最も良く見られるように、各々のサイド
部材16、18は空間を囲い込み、その空間は、ベアリ
ング14を含めた従来のリール操作機構26により占め
られている。リール10の後部には、両サイド部材1
6、18の間に親指ボタン機構28が設けられている。
リール10の前部には、釣糸ガイド機構30が両サイド
部材16、18間に往復運動可能に設けられている。サ
イド部材18にはクランクハンドル機構32が回転可能
に設けられている。図示したリールの構造上の細部をさ
らに記述することは本発明を理解するためには必要な
い。釣糸が繰り出される際に回転する糸用スプールを利
用する魚釣用リールならばどのようなリールについても
本発明は実施できるということは理解されるであろう。
【0015】操作のためには、釣糸34が糸用スプール
12に巻きつけられる。釣糸34の自由端は釣糸ガイド
機構30の開口部を通じて前方へ向けられる。投擲を行
うためには、親指ボタン28を押圧すればスプール12
は解放されてベアリング14上で自由回転できる。次い
で釣り人は釣り竿とリールの組合せを鞭のように動かし
て釣糸34の自由端に取り付けられたルアー(図示せ
ず)を投擲方向に加速し、一定量の運動エネルギーをル
アーにインプットする。これによってルアーの運動量が
釣糸34をリール10から投擲方向Xに引き出すことが
許容され、糸用スプール12はベアリング14上で最大
回転速度まで加速されて糸用スプール12に運動エネル
ギーがインプットされる。糸用スプール12へインプッ
トされた運動エネルギーは次いで釣糸34が糸用スプー
ル12から繰り出される際に主にベアリング14内のこ
ろがり摩擦により消費される。
【0016】図5に最もよく見られるように、従来技術
による糸用スプール12Aは、円筒状の釣糸貯蔵部(ハ
ブ)50と、そのハブ50の両端から半径方向に外側へ
延在する一対の横方向に面した環状のフランジ52、5
4とを有している。ハブ50はスプール12Aの回転軸
56を定める。円筒状の開口58がハブ50の中心を貫
通し、スプール軸13(図2に示す)を受容する。スプ
ール軸13は、ベアリング14により回転可能に支持さ
れた両端を有する。フランジ52、54はそれぞれ環状
の外側リム62、64を有する。外側リム62、64の
半径方向の外側の面は、スプールにとっての軸56から
の最大半径Rを定める。図2に最もよく見られるよう
に、外側リム62、64はサイド部材16、18のそれ
ぞれに設けられた環状フランジ65と協働して、釣糸3
4がスプール12とサイド部材16、18との間へ移動
してそれらの間で引っ掛かったり縺れたりすることを防
ぐ。
【0017】図5に最もよく見られるように、従来技術
による糸用スプール12Aは平面Pについて対称であ
り、フランジ54はフランジ52の鏡像となっている。
それとともに、ハブ50とフランジ52、54は糸巻回
面66を形成する。糸巻回面66はハブ50から半径方
向に外側にフランジ52、54の各々まで延伸し、スプ
ール12上に収容された釣糸34にとって軸方向の境界
をなす。面取りされた角部68、70は、それぞれ外側
リム62、64と糸巻回面66の半径方向最外部とを接
続する。外側リム62、64は糸巻回面66から軸方向
外側へ、即ち互いに逆向きに突出し、それぞれ、横方向
に互いに逆向きに面している環状面72、74で終わ
る。環状面72、74はそれぞれ糸巻回面66から軸方
向外側へ間隔を置いて配置されている。フランジ52、
54は、さらに糸巻回面66の反対側にそれぞれ面(fa
ce surface)76、78を有する。
【0018】この技術分野に習熟した者には理解される
ことであるが、従来の糸用スプール12Aは、製造と使
用を通じて構造上の本来の姿を維持するために必要でな
いどのような重量も除去するように設計されている。こ
のことは、軽量の魚釣用リールという望ましい特徴を達
成することの助けとなる。
【0019】本発明の実施形態である糸用スプール12
Bを図3及び4に示す。糸用スプール12Bは従来の糸
用スプール12Aの主要な特徴の全てを具備し、下記の
例外を除いて糸用スプール12Aと本質的に同一であ
る。例外は、はずみ車式の重量物80が外側リム64の
半径方向内側において面78に隣接してフランジ54に
付加されていることである。図4に最も良く見られるよ
うに、はずみ車式の重量物80は外側リム64から半径
方向内側へ延在し、半径R2だけ軸56から離れたとこ
ろで終わる(外側リム64から半径方向内側へわたっ
て、半径R2だけ軸56から離れたところに達する)。
はずみ車式の重量物80はまた糸巻回面66から軸方向
外側へ延在して、環状面74から距離Xだけ軸方向内側
に離れた軸方向に面する環状面82で終わる(糸巻回面
66から軸方向外側へわたって、環状面74から距離X
だけ軸方向内側に離れた軸方向に面する環状面82に達
する)。
【0020】はずみ車式の重量物80は糸用スプール1
2Bの軸56回りの全体の慣性モーメントを従来の糸用
スプール12Aと比較して増加させ、それによって投擲
の初期部分を通じて糸用スプール12Bに蓄えられる運
動エネルギーの量がより大量になることを許容する。こ
のことにより、ベアリング14内の摩擦が運動エネルギ
ーの増加分を消費させるために要する時間が長くなるの
で、投擲中のスプール12Bの回転時間と回転数は増加
する。このことにより、また、スプール12Bから繰り
出される釣糸の量がスプールの回転数の増加に略比例し
て増加するので、投擲距離は延長される。
【0021】しかしながら、遠投性は軽量のリールへの
願望とバランスしなければならない。この考慮から、糸
用スプール12Bに付加されることが望ましいはずみ車
式の重量物80の重量と大きさが制限される。軽量性と
遠投性との望ましいバランスを達成するために、Xは近
似的にゼロに等しいことが好ましく、R2は半径Rの5
5%〜85%の範囲が好ましいと決定した。より好まし
い実施形態において、R2は半径Rの65%〜75%の
範囲である。境界面はリールの他の部品と関わるので、
Xは半径Rの0%〜5%の範囲が好ましいことに注意す
べきである。
【0022】糸用スプール12Bの好ましい実施形態に
おいて、R2は半径Rの約70%であり、Xは半径Rの
約2.7%である。
【0023】糸用スプール12Bに課された寸法上の限
界内ではずみ車式の重量物80を可能な限り半径Rに近
接させて設けることにより、糸用スプール12Bの全体
としての重量は容認可能な値に保たれながら、糸用スプ
ール12Bの投擲性能は最大となる。
【0024】従って、糸用スプール12Bの好ましい実
施形態において、フランジ52及び54は、はずみ車式
の重量物80を含んで、軸56からRの65%以上の半
径において軸56回りのスプール12Bの全慣性モーメ
ントの少なくとも70%を備えるために十分な重量を有
する。
【0025】フランジ52に追加的なはずみ車式の重量
物80を付加してもよいことを理解すべきである。2つ
のはずみ車式の重量物は形状、寸法において同一として
もよいし、異なるものとしてもよい。
【0026】請求の範囲は、下記の通りである。 1.魚釣用リールに用いられる回転可能な糸用スプール
であって、はずみ車式の重量物と当該スプールの回転軸
を定める糸巻回面とを有し、該糸巻回面は、半径方向に
外側へ延伸して当該スプールに巻き取られた釣糸にとっ
ての軸方向の境界を定め、半径方向には上記軸から半径
Rを隔てた外側リムで終わり、該外側リムは上記糸巻回
面から軸方向に外側へ延在し、上記糸巻回面から軸方向
に外側へ間隔をおいた第一環状面で終わり、上記はずみ
車式の重量物は、上記外側リムから半径方向内側へ延在
し、半径Rの55%〜85%の範囲内の半径R2だけ上
記軸から離れたところで終わり、また、上記はずみ車式
の重量物は、軸方向に上記糸巻回面から外側へ延在し
て、半径Rの0%〜5%の範囲内の距離Xだけ第一環状
面から軸方向内側に離れた第二環状面で終わることを特
徴とする糸用スプール。 2.上記糸巻回面は一体の材料で形成されていることを
特徴とする請求項1記載の糸用スプール。 3.上記糸巻回面と上記外側リムと上記重量物とが一体
の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載
の糸用スプール。 4.半径R2は半径Rの65%〜75%の範囲内である
ことを特徴とする請求項1記載の糸用スプール。 5.半径R2は半径Rの約70%であることを特徴とす
る請求項1記載の糸用スプール。 6.距離Xは近似的にゼロに等しいことを特徴とする請
求項1記載の糸用スプール。 7.魚釣用リールに用いられる回転可能な糸用スプール
であって、当該スプールの回転軸を定める糸巻回体と、
間隔をあけて逆向きに設けられた一対の環状フランジと
を有し、上記一対の環状フランジは当該スプールの最大
半径Rを定め、上記一対の環状フランジは、軸からRの
65%以上の半径において軸回りのスプールの全慣性モ
ーメントの少なくとも70%を備えるために十分な重量
を有する構造を含むことを特徴とする糸用スプール。 8.上記糸巻回体と上記一対の環状フランジとは一体の
材料で形成されていることを特徴とする請求項7記載の
糸用スプール。 9.上記一対の環状フランジは互いに形状が異なること
を特徴とする請求項7記載の糸用スプール。
【図面の簡単な説明】
【図1】投擲中に回転する糸用スプールを有するベイト
キャスト型魚釣用リールの斜視図である。
【図2】リールの図1の2−2矢視部分断面図である。
【図3】本発明の実施例である糸用スプールの斜視図で
ある。
【図4】図3に示された糸用スプールの断面図である。
【図5】従来の糸用スプールの図4と同様の断面図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月17日(1999.11.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 糸用スプール
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】(発明の属する技術分野)本発明は魚釣用
リールに関し、さらに詳しくは、ベイトキャスト(投
餌)型リールの如く、釣糸が繰り出される際に回転する
糸用スプールを有する魚釣用リールに関する。
【0002】(発明の背景)釣糸が繰り出される際に回
転する糸用スプールを有する魚釣用リールはよく知られ
ている。このようなリールの一つの通常の形態は、ベイ
トキャスト型リールとして知られ、そのリールが付属し
ている釣り竿の長手方向に垂直な軸の回りに回転可能に
ローラベアリング又はブッシングにより支持されている
糸用スプールを利用するものである。
【0003】魚釣用リールにとって望ましい2つの特徴
は軽量性と遠投性である。軽量のリールが好ましいの
は、魚釣用具の共通点として遠い湖や川へ出かけるとき
に比較的長い距離を手で運搬しなければならないこと
と、リールの共通点として釣り竿に取り付けて使用中、
比較的長時間保持して操作しなければならないことによ
る。リールの遠投性により、釣り人はルアー又は餌を自
分の体の位置から離れたポイントに配置することができ
る。これによって釣り人は位置を変える必要なくルアー
又は餌の配置に最大の選択の自由を得る。従って、より
軽量でより遠投性を有するリールが絶えず求められてい
る。
【0004】産業界は、軽量のリールを供給すること
と、遠投性を有するリールを供給することには成功して
きたが、これら2つの望ましい特徴を兼ね備えたリール
を供給することには比較的成功しなかった。これは部分
的には、比較的重い材料で製造された釣糸用のスプール
は遠投性を提供できるがリールを好ましくないほどに重
くしてしまう傾向があるし、比較的軽い材料で製造され
た釣糸用のスプールは軽量性のリールを提供できるが遠
投性を提供しない傾向があるためである。
【0005】(発明の概要)本発明に従い、魚釣用リー
ルに用いられる回転可能な糸用スプールが提供される。
当該スプールは、当該スプールの回転軸を定める糸巻回
面を有する。該糸巻回面は、半径方向に外側へ延伸して
当該スプールに巻き取られた釣糸にとっての軸方向の境
界を定め、半径方向には上記軸から半径Rを隔てた外側
リムで終わる。該外側リムは上記糸巻回面から軸方向に
外側へ延在して上記糸巻回面から軸方向に外側へ間隔を
おいた第一環状面で終わる。はずみ車式の重量物が、上
記外側リムから半径方向内側へ延在し、半径Rの55%
〜85%の範囲内の半径R2だけ上記軸から離れたとこ
ろで終わる。上記重量物は、軸方向に上記糸巻回面から
外側へ延在して、半径Rの0%〜5%の範囲内の距離X
だけ第一環状面から軸方向内側に離れた第二環状面で終
わる。
【0006】本発明の一形態において、上記糸巻回面と
上記外側リムと上記重量物とは一体の材料で形成されて
いる。
【0007】本発明の一形態において、半径R2は半径
Rの65%〜75%の範囲内である。
【0008】本発明の一形態において、半径R2は半径
Rの約70%である。
【0009】本発明の一形態において、距離Xは近似的
にゼロに等しい。
【0010】本発明の一態様に従えば、魚釣用リールに
用いられる回転可能な糸用スプールが提供される。当該
スプールは、当該スプールの回転軸を定める糸巻回体
と、間隔をあけて逆向きに設けられた一対の環状フラン
ジとを有する。上記一対の環状フランジは当該スプール
の最大半径Rを定め、また、軸からRの65%以上の半
径において軸回りのスプールの全慣性モーメントの少な
くとも70%を備えるために十分な重量を有する構造を
含む。
【0011】本発明の一形態において、上記糸巻回体と
上記一対の環状フランジとは一体の材料で形成されてい
る。
【0012】本発明の一形態において、上記一対の環状
フランジは互いに形状が異なる。
【0013】(図面の簡単な説明)図1は、投擲中に回
転する糸用スプールを有するベイトキャスト型魚釣用リ
ールの斜視図である。図2は、リールの図1の2−2矢
視部分断面図である。図3は、本発明の実施例である糸
用スプールの斜視図である。図4は、図3に示された糸
用スプールの断面図である。図5は、従来の糸用スプー
ルの図4と同様の断面図である。
【0014】(好適な実施例の詳細な説明)図1及び2
は、ローラベアリング又はブッシング14上で回転し得
るようにスプール軸13に設けられた回転可能な糸用ス
プール12を有するベイトキャスト型リール10を示
す。糸用スプール12は、いずれも後述する従来の構成
12A(図5)、又は、本発明の実施形態である構成1
2B(図4)のいずれであってもよい。リール10は、
ベアリング又はブッシング14を支持するフレーム15
を有する。フレーム15は横方向に間隔を有するサイド
部材16、18を有し、サイド部材16、18は協働し
て釣糸貯蔵空間20を区画する。両サイド部材16、1
8の間隔は複数の横方向の支持部材22により維持され
ている。図2に最も良く見られるように、各々のサイド
部材16、18は空間を囲い込み、その空間は、ベアリ
ング14を含めた従来のリール操作機構26により占め
られている。リール10の後部には、両サイド部材1
6、18の間に親指ボタン機構28が設けられている。
リール10の前部には、釣糸ガイド機構30が両サイド
部材16、18間に往復運動可能に設けられている。サ
イド部材18にはクランクハンドル機構32が回転可能
に設けられている。図示したリールの構造上の細部をさ
らに記述することは本発明を理解するためには必要な
い。釣糸が繰り出される際に回転する糸用スプールを利
用する魚釣用リールならばどのようなリールについても
本発明は実施できるということは理解されるであろう。
【0015】操作のためには、釣糸34が糸用スプール
12に巻きつけられる。釣糸34の自由端は釣糸ガイド
機構30の開口部を通じて前方へ向けられる。投擲を行
うためには、親指ボタン28を押圧すればスプール12
は解放されてベアリング14上で自由回転できる。次い
で釣り人は釣り竿とリールの組合せを鞭のように動かし
て釣糸34の自由端に取り付けられたルアー(図示せ
ず)を投擲方向に加速し、一定量の運動エネルギーをル
アーにインプットする。これによってルアーの運動量が
釣糸34をリール10から投擲方向Xに引き出すことが
許容され、糸用スプール12はベアリング14上で最大
回転速度まで加速されて糸用スプール12に運動エネル
ギーがインプットされる。糸用スプール12へインプッ
トされた運動エネルギーは次いで釣糸34が糸用スプー
ル12から繰り出される際に主にベアリング14内のこ
ろがり摩擦により消費される。
【0016】図5に最もよく見られるように、従来技術
による糸用スプール12Aは、円筒状の釣糸貯蔵部(ハ
ブ)50と、そのハブ50の両端から半径方向に外側へ
延在する一対の横方向に面した環状のフランジ52、5
4とを有している。ハブ50はスプール12Aの回転軸
56を定める。円筒状の開口58がハブ50の中心を貫
通し、スプール軸13(図2に示す)を受容する。スプ
ール軸13は、ベアリング14により回転可能に支持さ
れた両端を有する。フランジ52、54はそれぞれ環状
の外側リム62、64を有する。外側リム62、64の
半径方向の外側の面は、スプールにとっての軸56から
の最大半径Rを定める。図2に最もよく見られるよう
に、外側リム62、64はサイド部材16、18のそれ
ぞれに設けられた環状フランジ65と協働して、釣糸3
4がスプール12とサイド部材16、18との間へ移動
してそれらの間で引っ掛かったり縺れたりすることを防
ぐ。
【0017】図5に最もよく見られるように、従来技術
による糸用スプール12Aは平面Pについて対称であ
り、フランジ54はフランジ52の鏡像となっている。
それとともに、ハブ50とフランジ52、54は糸巻回
面66を形成する。糸巻回面66はハブ50から半径方
向に外側にフランジ52、54の各々まで延伸し、スプ
ール12上に収容された釣糸34にとって軸方向の境界
をなす。面取りされた角部68、70は、それぞれ外側
リム62、64と糸巻回面66の半径方向最外部とを接
続する。外側リム62、64は糸巻回面66から軸方向
外側へ、即ち互いに逆向きに突出し、それぞれ、横方向
に互いに逆向きに面している環状面72、74で終わ
る。環状面72、74はそれぞれ糸巻回面66から軸方
向外側へ間隔を置いて配置されている。フランジ52、
54は、さらに糸巻回面66の反対側にそれぞれ面(fa
ce surface)76、78を有する。
【0018】この技術分野に習熟した者には理解される
ことであるが、従来の糸用スプール12Aは、製造と使
用を通じて構造上の本来の姿を維持するために必要でな
いどのような重量も除去するように設計されている。こ
のことは、軽量の魚釣用リールという望ましい特徴を達
成することの助けとなる。
【0019】本発明の実施形態である糸用スプール12
Bを図3及び4に示す。糸用スプール12Bは従来の糸
用スプール12Aの主要な特徴の全てを具備し、下記の
例外を除いて糸用スプール12Aと本質的に同一であ
る。例外は、はずみ車式の重量物80が外側リム64の
半径方向内側において面78に隣接してフランジ54に
付加されていることである。図4に最も良く見られるよ
うに、はずみ車式の重量物80は外側リム64から半径
方向内側へ延在し、半径R2だけ軸56から離れたとこ
ろで終わる(外側リム64から半径方向内側へわたっ
て、半径R2だけ軸56から離れたところに達する)。
はずみ車式の重量物80はまた糸巻回面66から軸方向
外側へ延在して、環状面74から距離Xだけ軸方向内側
に離れた軸方向に面する環状面82で終わる(糸巻回面
66から軸方向外側へわたって、環状面74から距離X
だけ軸方向内側に離れた軸方向に面する環状面82に達
する)。
【0020】はずみ車式の重量物80は糸用スプール1
2Bの軸56回りの全体の慣性モーメントを従来の糸用
スプール12Aと比較して増加させ、それによって投擲
の初期部分を通じて糸用スプール12Bに蓄えられる運
動エネルギーの量がより大量になることを許容する。こ
のことにより、ベアリング14内の摩擦が運動エネルギ
ーの増加分を消費させるために要する時間が長くなるの
で、投擲中のスプール12Bの回転時間と回転数は増加
する。このことにより、また、スプール12Bから繰り
出される釣糸の量がスプールの回転数の増加に略比例し
て増加するので、投擲距離は延長される。
【0021】しかしながら、遠投性は軽量のリールへの
願望とバランスしなければならない。この考慮から、糸
用スプール12Bに付加されることが望ましいはずみ車
式の重量物80の重量と大きさが制限される。軽量性と
遠投性との望ましいバランスを達成するために、Xは近
似的にゼロに等しいことが好ましく、R2は半径Rの5
5%〜85%の範囲が好ましいと決定した。より好まし
い実施形態において、R2は半径Rの65%〜75%の
範囲である。境界面はリールの他の部品と関わるので、
Xは半径Rの0%〜5%の範囲が好ましいことに注意す
べきである。
【0022】糸用スプール12Bの好ましい実施形態に
おいて、R2は半径Rの約70%であり、Xは半径Rの
約2.7%である。
【0023】糸用スプール12Bに課された寸法上の限
界内ではずみ車式の重量物80を可能な限り半径Rに近
接させて設けることにより、糸用スプール12Bの全体
としての重量は容認可能な値に保たれながら、糸用スプ
ール12Bの投擲性能は最大となる。
【0024】従って、糸用スプール12Bの好ましい実
施形態において、フランジ52及び54は、はずみ車式
の重量物80を含んで、軸56からRの65%以上の半
径において軸56回りのスプール12Bの全慣性モーメ
ントの少なくとも70%を備えるために十分な重量を有
する。
【0025】フランジ52に追加的なはずみ車式の重量
物80を付加してもよいことを理解すべきである。2つ
のはずみ車式の重量物は形状、寸法において同一として
もよいし、異なるものとしてもよい。
【0026】請求の範囲は、下記の通りである。 1.魚釣用リールに用いられる回転可能な糸用スプール
であって、はずみ車式の重量物と当該スプールの回転軸
を定める糸巻回面とを有し、該糸巻回面は、半径方向に
外側へ延伸して当該スプールに巻き取られた釣糸にとっ
ての軸方向の境界を定め、半径方向には上記軸から半径
Rを隔てた外側リムで終わり、該外側リムは上記糸巻回
面から軸方向に外側へ延在し、上記糸巻回面から軸方向
に外側へ間隔をおいた第一環状面で終わり、上記はずみ
車式の重量物は、上記外側リムから半径方向内側へ延在
し、半径Rの55%〜85%の範囲内の半径R2だけ上
記軸から離れたところで終わり、また、上記はずみ車式
の重量物は、軸方向に上記糸巻回面から外側へ延在し
て、半径Rの0%〜5%の範囲内の距離Xだけ第一環状
面から軸方向内側に離れた第二環状面で終わる糸用スプ
ールであって、上記糸巻回面と上記外側リムと上記重量
物とが一体の材料で形成されていることを特徴とする糸
用スプール。 2.上記糸巻回面は一体の材料で形成されていることを
特徴とする請求項1記載の糸用スプール。 .半径R2は半径Rの65%〜75%の範囲内である
ことを特徴とする請求項1記載の糸用スプール。 .半径R2は半径Rの約70%であることを特徴とす
る請求項1記載の糸用スプール。 .距離Xは近似的にゼロに等しいことを特徴とする請
求項1記載の糸用スプール。 .魚釣用リールに用いられる回転可能な糸用スプール
であって、当該スプールの回転軸を定める糸巻回体と、
間隔をあけて逆向きに設けられた一対の環状フランジと
を有し、上記一対の環状フランジは当該スプールの最大
半径Rを定め、上記一対の環状フランジは、軸からRの
65%以上の半径において軸回りのスプールの全慣性モ
ーメントの少なくとも70%を備えるために十分な重量
を有する構造を含む糸用スプールであって、上記糸巻回
体と上記一対の環状フランジとは一体の材料で形成され
ていることを特徴とする糸用スプール .上記一対の環状フランジは互いに形状が異なること
を特徴とする請求項記載の糸用スプール。
【図面の簡単な説明】
【図1】投擲中に回転する糸用スプールを有するベイト
キャスト型魚釣用リールの斜視図である。
【図2】リールの図1の2−2矢視部分断面図である。
【図3】本発明の実施例である糸用スプールの斜視図で
ある。
【図4】図3に示された糸用スプールの断面図である。
【図5】従来の糸用スプールの図4と同様の断面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598066499 6101 East Apache Stre et Tulsa, Oklahoma 74115 United States o f America

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚釣用リールに用いられる回転可能な糸
    用スプールであって、はずみ車式の重量物と当該スプー
    ルの回転軸を定める糸巻回面とを有し、 該糸巻回面は、半径方向に外側へ延伸して当該スプール
    に巻き取られた釣糸にとっての軸方向の境界を定め、半
    径方向には上記軸から半径Rを隔てた外側リムで終わ
    り、該外側リムは上記糸巻回面から軸方向に外側へ延在
    し、上記糸巻回面から軸方向に外側へ間隔をおいた第一
    環状面で終わり、 上記はずみ車式の重量物は、上記外側リムから半径方向
    内側へ延在し、半径Rの55%〜85%の範囲内の半径
    R2だけ上記軸から離れたところで終わり、また、上記
    はずみ車式の重量物は、軸方向に上記糸巻回面から外側
    へ延在して、半径Rの0%〜5%の範囲内の距離Xだけ
    第一環状面から軸方向内側に離れた第二環状面で終わる
    ことを特徴とする糸用スプール。
  2. 【請求項2】 上記糸巻回面は一体の材料で形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の糸用スプール。
  3. 【請求項3】 上記糸巻回面と上記外側リムと上記重量
    物とが一体の材料で形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の糸用スプール。
  4. 【請求項4】 半径R2は半径Rの65%〜75%の範
    囲内であることを特徴とする請求項1記載の糸用スプー
    ル。
  5. 【請求項5】 半径R2は半径Rの約70%であること
    を特徴とする請求項1記載の糸用スプール。
  6. 【請求項6】 距離Xは近似的にゼロに等しいことを特
    徴とする請求項1記載の糸用スプール。
  7. 【請求項7】 魚釣用リールに用いられる回転可能な糸
    用スプールであって、当該スプールの回転軸を定める糸
    巻回体と、間隔をあけて逆向きに設けられた一対の環状
    フランジとを有し、 上記一対の環状フランジは当該スプールの最大半径Rを
    定め、上記一対の環状フランジは、軸からRの65%以
    上の半径において軸回りのスプールの全慣性モーメント
    の少なくとも70%を備えるために十分な重量を有する
    構造を含むことを特徴とする糸用スプール。
  8. 【請求項8】 上記糸巻回体と上記一対の環状フランジ
    とは一体の材料で形成されていることを特徴とする請求
    項7記載の糸用スプール。
  9. 【請求項9】 上記一対の環状フランジは互いに形状が
    異なることを特徴とする請求項7記載の糸用スプール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018050587A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社シマノ 両軸受リールのスプール、及び両軸受リール

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