JP2000092879A - 電動機駆動装置 - Google Patents

電動機駆動装置

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JP2000092879A
JP2000092879A JP10258399A JP25839998A JP2000092879A JP 2000092879 A JP2000092879 A JP 2000092879A JP 10258399 A JP10258399 A JP 10258399A JP 25839998 A JP25839998 A JP 25839998A JP 2000092879 A JP2000092879 A JP 2000092879A
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speed
switch unit
synchronous motor
current
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JP10258399A
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Shigeru Tanaka
茂 田中
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動低速時の断続転流をなくし、電動機の発
生トルクを増やし、トルクリプルを低減させ、且つ、電
動機力率を向上させ変換器および電動機の容量を低減さ
せ、コスト低減を図れる電動機駆動装置を提供する。 【解決手段】 同期電動機SMに電機子電流を供給する
直流/交流変換手段HB−INVを、各相アームが、ス
イッチユニットGuとそれに直列接続された1つ以上の
サイリスタSuで構成し、また当該スイッチユニットG
uを、逆並列ダイオードを備えた自己消弧素子2個と、
直列ダイオード2個とスナバコンデンサで構成し、前記
サイリスタSuを、当該スナバコンデンサの電圧を利用
して転流する。これにより、電動機の速度起電力が小さ
い始動低速時でも、直流/交流変換手段HB−INVの
転流が可能となり、更に、高速運転時でも前記スイッチ
ユニットGuのスナバコンデンサ電圧を利用してサイリ
スタSuを転流させることが可能となり、転流進み角を
小さくして運転できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己消弧機能を有
するスイッチユニットとサイリスタを組み合わせて構成
した電力変換器により同期電動機を駆動する電動機駆動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図24は、従来の負荷転流形インバータ
を用いた同期電動機の駆動装置の構成を示すものであ
る。図中、BUSは3相交流電源、TRは電源側変圧
器、CNVはサイリスタコンバータ、Ldは直流リアク
トル、Thは還流用サイリスタ、INVは負荷転流イン
バータ、SMは同期電動機、PSは回転子位置検出器、
CTdは直流電流検出器、PHCは位相制御回路、AC
Rは直流電流制御回路、SPCは速度制御回路、γCN
Tは制御進み角制御回路を示す。
【0003】サイリスタコンバータCNVは、6個のサ
イリスタを用いて3相グレーツ結線されたAC/DC電
力変換器で、3相交流電力を直流電力に変換する。当該
コンバータを構成するサイリスタは、3相交流電源の電
圧を利用して自然転流し、当該サイリスタの点弧制御角
αを調整することにより、直流出力電圧Vdを制御す
る。点弧制御角α=0゜〜90゜の範囲では、Vd=+
Vdmax〜0となり、α=90゜〜180゜では、V
d=0〜−Vmaxとなる。コンバータは、電動機の速
度制御回路SPCからの出力信号(直流電流指令)Id
*に従って、直流リアクトルに流れる電流Idが当該指
令値Id*に一致するように前記出力電圧Vdを制御す
る。
【0004】インバータINVは、6個のサイリスタを
用いて3相グレーツ結線されたDC/AC電力変換器
で、直流電力を3相交流電力に変換する。当該インバー
タを構成するサイリスタは、3相同期電動機SMの速度
起電力を利用して自然転流する。
【0005】同期電動機SMには、回転子位置検出器P
Sが設置され、界磁(回転子)の位置に同期した信号を
出力する。この回転子位置検出器PSからの信号に基づ
き、インバータINVを構成するサイリスタの点弧信号
を作る。
【0006】図25は、図24の装置の動作を説明する
ための簡易等価回路とベクトル図である。図において、
V1は電動機SMの端子電圧、Xは同期リアクタンス、
Rは電機子抵抗、Ecは無負荷時の速度起電力、Iはイ
ンバータによる電流源、βoは制御進み角の設定値、u
は重なり角、Φoは界磁磁束、をそれぞれ示す。界磁磁
束Φoに対し、無負荷時の速度起電力Ecは図示のよう
に90゜位相が進んでいる。負荷がかかるとインバータ
から電流Iが供給され、同期リアクタンスXや電機子抵
抗Rによる電圧降下が発生し、電動機SMの端子電圧V
1はEcより位相が進んでくる。転流時の重なり期間u
は、電流Iの大きさにほぼ比例して増加し、Ecに対す
る電流Iの位相は、βo−u/2となる。インバータを
構成するサイリスタは電動機SMの端子電圧V1を利用
して転流するもので、当該電圧V1と電流Iの位相差γ
が必要になる。この位相差γを転流余裕角ともいう。
【0007】図26は、図24の装置の動作を説明する
ための動作波形図である。図26(a)において、V
u,Vv,Vwは電動機SMの3相電機子電圧(速度起
電力)、Iu,Iv,Iwは3相電機子電流、の各波形
を示す。また、図26(b)は、1個のサイリスタのア
ノード・カソード間の電圧を示す。U相電流Iuは、1
20゜通電の矩形波電流で、U相の電圧Vuに対し、位
相角γだけ進ませている。同様に、V相、W相の電流I
v,Iwも電圧Vv,Vwに対し、位相角γだけ進ませ
る。このとき、サイリスタの印加電圧は、図26(b)
のようになり、転流余裕角γの期間だけ、逆バイアス電
圧が印加される。この期間にサイリスタがオフする。転
流余裕角γが小さくなり、サイリスタのターンオフ時間
(通常500μsec 程度かかる)より短くなると、ター
ンオフを失敗し、次のサイリスタに転流できなくなる。
これを転流失敗と呼んでいる。インバータINVが転流
失敗すると、必要な交流電流を電動機に供給できなくな
り、電動機に発生トルクも出せなくなる。
【0008】インバータINVは、同期電動機の速度起
電力を利用して、サイリスタを転流させるため、電動機
の速度がゼロあるいは低い時は、転流時に直流電流をゼ
ロにする断続転流法を用いている。
【0009】図27は、図24の装置の断続転流動作を
説明するための動作波形図である。図において、Idは
直流電流、IuはU相電機子電流、IvはV相電機子電
流の各波形を示す。3相ブリッジインバータでは、電動
機の界磁極の回転位相角(電気角)60゜毎に転流する
ため、それに同期して、直流電流Idが一旦ゼロになる
ようにコンバータCNVの出力電圧Vdを制御する。電
流Id=0の期間Δtの間に、インバータのすべてのサ
イリスタがオフし、時間Δt後に再び必要なサイリスタ
2個を点弧して、電動機に電流Iu,Iv,Iwを流
す。
【0010】この断続転流では、転流の度に電機子電流
がゼロになり、その分電動機の発生トルクが低下してし
まう。また、電機子電流の歪みが大きくなり、トルクリ
プルが大きくなる欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の負
荷転流形インバータを用いた同期電動機の駆動装置で
は、インバータは同期電動機の速度起電力を利用して転
流させるため、転流余裕角γを確保する必要があり、そ
の分電動機の力率が悪くなり、トルクリプルも大きくな
る。このため、電動機や変換器の容量が増加して、形状
寸法の増加や、装置コストの増大を招くおそれがある。
【0012】また、転流余裕角γや、転流の重なり期間
は、電動機の定数によるところが大きく、インバータの
設計が電動機に左右され、いきおい、電動機の余裕を大
きくせざるを得ない。その分装置のコストも高くなるお
それがある。
【0013】また、始動低速時に断続転流を行うため、
電動機の発生トルクが低下し、必要なトルクを得るため
には電動機や変換器の容量の大きいものを用意する必要
がある。また、始動低速時のトルク脈動が大きく、振動
や騒音が大きくなるおそれがある。特に、機械系の共振
周波数と上記振動周波数が近い場合、運転ができなくな
ることもある。
【0014】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、始動低速時の断続転流をなくし、電動機の
発生トルクを増やし、トルクリプルを低減させ、且つ、
電動機力率を向上させ変換器および電動機の容量を低減
させ、コスト低減を図れる電動機駆動装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、直流電力を交流電力に変
換して同期電動機の各相に電機子電流を供給して当該同
期電動機を駆動させる装置において、一方の出力端子に
対して逆並列ダイオードを具備した第1の自己消弧素子
のアノード端子および第2のダイオードのアノード端子
が並列接続され、また他方の出力端子に対してアノード
端子が第1の自己消弧素子のカソード端子に接続された
第1のダイオードのカソード端子およびアノード端子が
第2のダイオードのカソード端子に接続された逆並列ダ
イオードを具備した第2の自己消弧素子のカソード端子
が並列接続され、且つ、第1の自己消弧素子のカソード
端子と第2のダイオードのカソード端子との間にコンデ
ンサが接続されたスイッチユニットと、このスイッチユ
ニットの出力端子に直列接続され、当該コンデンサの電
圧を用いて転流せしめられる少なくとも1つのサイリス
タとで各相アームが構成される直流/交流変換手段と、
前記同期電動機の回転子の位置を検出する回転子位置検
出手段と、この回転子位置検出手段で検出した回転子の
位置に基づいて直流/交流変換手段からの電機子電流を
制御する制御手段と、を有することを要旨とする。
【0016】請求項1記載の発明にあっては、同期電動
機に電機子電流を供給する直流/交流変換手段を、各相
アームが、スイッチユニットとそれに直列接続された1
つ以上のサイリスタで構成し、また当該スイッチユニッ
トを、逆並列ダイオードを備えた自己消弧素子2個と、
直列ダイオード2個とスナバコンデンサで構成し、前記
サイリスタを、当該スナバコンデンサの電圧を利用して
転流する。これにより、電動機の速度起電力が小さい始
動低速時(例えば定格速度の5〜10%の回転速度)で
も、直流/交流変換手段の転流が可能となり、従来必要
とされた断続転流が不要となり、この結果、始動・低速
時のトルク低下やトルク脈動の問題が解決される。更
に、高速運転時(例えば定格速度の10%(高用周波数
50Hz)でも前記スイッチユニットのスナバコンデン
サ電圧を利用してサイリスタを転流させることが可能と
なり、転流進み角γを小さくして運転できるようにな
り、その結果、電動機力率がよくなり、発生トルクの増
大が図れる。
【0017】請求項2記載の本発明は、直流電力を交流
電力に変換して同期電動機の各相に電機子電流を供給し
て当該同期電動機を駆動させる装置において、一方の出
力端子に対して逆並列ダイオードを具備した第1の自己
消弧素子のアノード端子および第2のダイオードのアノ
ード端子が並列接続され、また他方の出力端子に対して
アノード端子が第1の自己消弧素子のカソード端子に接
続された第1のダイオードのカソード端子およびアノー
ド端子が第2のダイオードのカソード端子に接続された
逆並列ダイオードを具備した第2の自己消弧素子のカソ
ード端子が並列接続され、且つ、第1の自己消弧素子の
カソード端子と第2のダイオードのカソード端子との間
にコンデンサが接続されたスイッチユニットと、このス
イッチユニットの出力端子に直列接続され、当該コンデ
ンサの電圧を用いて転流せしめられる少なくとも1つの
サイリスタとで各相アームが構成される直流/交流変換
手段と、前記同期電動機の速度起電力または空隙磁束を
検出する起電力検出手段と、この起電力検出手段で検出
した速度起電力または空隙磁束に基づいて直流/交流変
換手段からの電機子電流を制御する制御手段と、を有す
ることを要旨とする。
【0018】請求項2記載の発明にあっては、回転子位
置検出器の代わりに、同期電動機の速度起電力(または
空隙磁束)を検出する手段を用いて、速度起電力を基準
に電機子電流の位相を決めることで、電動機の電機子反
作用の影響で、空隙磁束の位相がずれても常に最適な位
相で運転ができるようにしている。
【0019】請求項3記載の本発明は、直流電力を交流
電力に変換して同期電動機の各相に電機子電流を供給し
て当該同期電動機を駆動させる装置において、一方の出
力端子に対して逆並列ダイオードを具備した第1の自己
消弧素子のアノード端子および第2のダイオードのアノ
ード端子が並列接続され、また他方の出力端子に対して
アノード端子が第1の自己消弧素子のカソード端子に接
続された第1のダイオードのカソード端子およびアノー
ド端子が第2のダイオードのカソード端子に接続された
逆並列ダイオードを具備した第2の自己消弧素子のカソ
ード端子が並列接続され、且つ、第1の自己消弧素子の
カソード端子と第2のダイオードのカソード端子との間
にコンデンサが接続されたスイッチユニットと、このス
イッチユニットの出力端子に直列接続され、当該コンデ
ンサの電圧を用いて転流せしめられる少なくとも1つの
サイリスタとで各相アームが構成される直流/交流変換
手段と、前記同期電動機の回転子の位置を検出する回転
子位置検出手段と、前記同期電動機の速度起電力または
空隙磁束を検出する起電力検出手段と、前記同期電動機
の回転速度が所定速度より低いときには、回転子位置検
出手段で検出した回転子の位置に基づいて直流/交流変
換手段からの電機子電流を制御し、前記同期電動機の回
転速度が所定速度より高いときには、起電力検出手段で
検出した速度起電力または空隙磁束に基づいて直流/交
流変換手段からの電機子電流を制御する制御手段と、を
有することを要旨とする。
【0020】請求項3記載の発明にあっては、始動・低
速運転時は、回転子位置検出手段からの信号に基づいて
電機子電流を制御し、回転速度が所定速度より高くなっ
たところで、起電力検出手段からの信号に基づいて電機
子電流を制御することで、始動・低速時は、位置検知誤
差の影響をなくし、また、高速運転時は電動機の電機子
反作用の影響で空隙磁束の位相がずれても常に最適な位
相で運転ができる。
【0021】請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機が複
数組の電動機巻線を有しているときには、当該電機子巻
線の組数に対応した数の前記直流/交流変換手段を具備
することを要旨とする。
【0022】請求項4記載の発明にあっては、1つの直
流/交流変換手段が故障しても、他の直流/交流変換手
段により継続して運転することが可能となり、システム
の稼動率を高めることができ、また、電動機の電機子巻
線の位相をずらすことにより、多相化が可能となり、電
動機のトルク脈動を低減できる。
【0023】請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4
のいずれかに記載の発明において、前記直流/交流変換
手段と前記同期電動機との間に変圧器を設けることを要
旨とする。
【0024】請求項5記載の発明にあっては、電圧・電
流定格が異なる各種同期電動機にも容量がほぼ同じ電動
機なら、変圧器によって電圧・電流を合わせることが可
能となり、同一の電力変換器で対応することが可能とな
る。
【0025】請求項6記載の本発明は、請求項1乃至5
のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機の回
転速度が前記所定速度より低いときには、前記直流/交
流変換手段を構成するサイリスタを導通状態にしておく
ことを要旨とする。
【0026】請求項6記載の発明にあっては、始動・低
速時、すべてのサイリスタを導通状態にして、自己消弧
能力があるスイッチユニットによりインバータ動作をさ
せて、転流はスイッチユニット間で行い、サイリスタの
ターンオフを待たないでスイッチの切り替えを行うこと
で、直流/交流変換手段においてサイリスタのターンオ
フ時間に左右されない転流を可能にしている。
【0027】請求項7記載の本発明は、請求項6記載の
発明において、前記同期電動機の回転速度が前記所定速
度より低いときには、前記直流/交流変換手段を構成す
るスイッチユニットよりパルス幅変調制御を行うことを
要旨とする。
【0028】請求項7記載の発明にあっては、スイッチ
ユニットの自己消弧能力を活用し、電動機の回転速度が
低い時(始動を含む)、自励式インバータとしてパルス
幅変調制御を行うことで、始動・低速時の電動機のトル
ク脈動を小さくしている。
【0029】請求項8記載の本発明は、請求項7記載の
発明において、前記スイッチユニットのパルス幅変調制
御のために用いられるオンゲート信号に同期して、前記
サイリスタに点弧信号を与えることを要旨とする。
【0030】請求項8記載の発明にあっては、パルス幅
変調制御のための前記直流/交流変換手段のスイッチユ
ニットをオン・オフ制御した場合、スイッチユニットが
オフして直流/交流変換手段の各相アームの電流がゼロ
になることで、当該スイッチユニットに直列接続された
サイリスタがオフしてしまい、再びスイッチユニットに
オン信号を与えてもサイリスタがオフとなっているので
必要なパルス幅変調制御ができなくなることを防止する
ため、パルス幅変調制御に使われるスイッチユニットの
オンゲート信号に同期してサイリスタにオン信号(点弧
信号)を与えて、スイッチユニットとそれに直列接続さ
れたサイリスタが同時にオンして、アーム電流を立ち上
げることができるようにしている。
【0031】請求項9記載の本発明は、請求項1乃至8
のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機の回
転速度が設定速度を越えたときには、前記直流/交流変
換手段を構成するサイリスタを、前記スイッチユニット
のコンデンサの電圧および前記同期電動機の速度起電力
を用いて転流させることを要旨とする。
【0032】請求項9記載の発明にあっては、回転速度
がある程度高くなってくると、電動機の速度起電力が無
視できなくなり、スイッチユニットのスナバコンデンサ
電圧だけで、任意のタイミングで転流させることができ
なくなることから、電動機の回転速度が設定速度より高
くなった場合、同期電動機の速度起電力およびスイッチ
ユニットのコンデンサ印加電圧の両方を利用してインバ
ータを転流させることにより、電動機の力率を維持して
いる。
【0033】請求項10記載の本発明は、請求項1乃至
9のいずれかに記載の発明において、前記直流/交流変
換手段が、前記同期電動機の回転速度が前記所定速度よ
り低いときには、前記同期電動機の空隙磁束とほぼ直交
するように電機子電流を制御することを要旨とする。
【0034】請求項10記載の発明にあっては、空隙磁
束と直交するように電機子電流を制御することにより、
電動機力率をほぼ1とし、電動機のトルク係数を最大と
なるようにしている。
【0035】請求項11記載の本発明は、請求項10記
載の発明において、前記直流/交流変換手段が、前記電
力変換器は、前記同期電動機の回転速度が前記所定速度
を越えたときには、前記同期電動機の速度起電力と同相
または少し位相を進ませるように電機子電流を制御する
ことを要旨とする。
【0036】請求項11記載の発明にあっては、電動機
力率をほぼ1とすると共に、電機子電流の位相を少し進
ませることにより、スイッチユニットのコンデンサ印加
電圧に加えて、電動機の速度起電力がサイリスタの転流
を助けるように作用する。
【0037】請求項12記載の本発明は、請求項1乃至
11のいずれかに記載の発明において、前記スイッチユ
ニットにおける自己消弧素子の点弧タイミングを、前記
ユニットスイッチのコンデンサの電圧が電機子電流の大
きさに関係なく一定となるように制御することを要旨と
する。
【0038】請求項12記載の発明にあっては、スイッ
チユニットのスナバコンデンサに印加される電圧が、電
機子電流の大きさに比例して増減するが、通常、電機子
電流の最大値を基準にして、コンデンサ容量を決定し、
コンデンサに過電圧が印加されないようになっているこ
とから、電機子電流が小さくなると、コンデンサ印加電
圧が小さくなり、その分、サイリスタ印加電圧負担が増
加する。そこで、電機子電流の大きさに応じて、スイッ
チユニットの自己消弧素子の点弧タイミングを調整し、
スナバコンデンサの印加電圧が電機子電流に関係なくほ
ぼ一定になるように制御することで、スイッチユニット
に印加される電圧を一定とし、サイリスタの印加電圧も
電機子電流に左右されないようにしている。
【0039】請求項13記載の本発明は、請求項1乃至
12のいずれかに記載の発明において、前記直流/交流
変換手段を転流させるときには、導通している相アーム
のスイッチユニットの自己消弧素子をオフにしてから所
定時間経過後に、次に転流させる相アームの素子に対し
てオンゲート信号を供給することを要旨とする。
【0040】請求項13記載の発明にあっては、電機子
電流が小さいとき、まず、オンしている相アームのスイ
ッチユニットの自己消弧素子をオフさせると、直流リア
クトルのエネルギーがあるため、スイッチユニットのス
ナバコンデンサの印加電圧は、一定電流で充電されてい
き、この電圧上昇は、次のアームをオンさせない限り継
続する。そして、例えばスナバコンデンサの印加電圧が
設定値に近付く程度の所定時間が経過したところで、次
に転流させるアームのすべての素子にオンゲート信号を
与えることで、前記スナバコンデンサの充電電流を減少
させ、コンデンサ印加電圧をほぼ一定値にし、サイリス
タの印加電圧も出力電流に関係なく一定にしている。
【0041】請求項14記載の本発明は、請求項13記
載の発明において、前記所定時間を、前記直流/交流変
換手段からの電機子電流が大きくなるに従って長く設定
することを要旨とする。
【0042】請求項14記載の発明にあっては、電機子
電流が小さいときは所定時間を長く設定し、電機子電流
が大きいときは所定時間を短く設定することで、スイッ
チユニットのコンデンサ印加電圧をほぼ一定とし、サイ
リスタの印加電圧も出力電流に関係なく一定にしてい
る。
【0043】請求項15記載の本発明は、請求項1乃至
14のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機
における必要なトルクが規定トルク値より小さくなった
ときには、前記直流/交流変換手段への直流電流を所定
の必要最低値に制御することを要旨とする。
【0044】請求項15記載の発明にあっては、直流/
交流変換手段に供給される直流電流が電動機のトルク指
令に比例した電流となるように制御されることから、直
流電流がゼロになると、スイッチユニットのスナバコン
デンサに充電電流が供給されなくなる。そこで、必要な
トルクが小さくなったときでも、直流電流がある必要最
小値だけは流れるように制御して、トルク指令がゼロに
なった場合でも、直流/交流変換手段の上下アームを同
時にオンさせて、直流電流を還流させることで、スイッ
チユニットのコンデンサ印加電圧を確保して、サイリス
タの印加電圧負担を軽減している。
【0045】請求項16記載の本発明は、請求項1乃至
14のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機
における必要なトルクが規定トルク値より小さくなった
ときには、前記直流/交流変換手段への直流電流を所定
の必要最低値に制御すると共に、前記同期電動機の速度
起電力に対する電機子電流の制御進み角を調整すること
を要旨とする。
【0046】請求項16記載の発明にあっては、必要な
トルクが小さくなったときでも、直流電流がある必要最
小値だけは流れるように制御すると共に、トルク指令に
比例したトルクを電動機が発生するように、電動機の速
度起電力に対する電機子電流の制御進み角を変えること
で、直流電流が必要最小値以下にならず、スイッチユニ
ットのコンデンサ充電電流を確保して、コンデンサ印加
電圧をほぼ一定に制御することにより、サイリスタの印
加電圧負担を軽減している。
【0047】請求項17記載の本発明は、請求項1乃至
16のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機
の回転速度が前記所定速度に達したときには、電機子巻
線の端子電圧が一定になるように弱め界磁制御が行われ
ることを要旨とする。
【0048】請求項17記載の発明にあっては、界磁を
一定とした場合、同期電動機の端子電圧が、回転速度に
比例して増加するので、電動機の最高速度のときの端子
電圧に合わせて直流/交流変換手段の耐圧を用意する必
要がある。そこで、電動機の回転速度が高くなった場
合、界磁電流を減らして弱め界磁制御を行うことで、直
流/交流変換手段の耐圧を下げられるようにしている。
【0049】請求項18記載の本発明は、請求項1乃至
17のいずれかに記載の発明において、前記同期電動機
の回転速度が定格速度近傍に達したときには、前記同期
電動機の電機子巻線を商用電源に接続することを要旨と
する。
【0050】請求項18記載の発明にあっては、直流/
交流変換手段を用いて同期電動機をスタートさせて加速
し、回転速度が定格速度(商用周波数)に近付いたとき
には、直流/交流変換手段を同期電動機から切り離し、
商用周波数電源に接続する。ポンプ負荷などでは、ほと
んどが一定速度で回せばよい用途が多いので、直流/交
流変換手段の損失分をなくすことができる利点がある。
【0051】請求項19記載の本発明は、請求項1乃至
18のいずれかに記載の発明において、前記直流/交流
変換手段を構成する前記スイッチユニットは、前記逆並
列ダイオードを具備した自己消弧素子として、逆導通形
自己消弧素子を用いたことを要旨とする。
【0052】請求項19記載の発明にあっては、逆導通
形自己消弧素子を用いることで、逆並列ダイオードの外
付け配線を省略している。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。
【0054】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUSは
3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNVはサイリス
タコンバータ、Ldは直流リアクトル、HB−INVは
ハイブリッドインバータ、SMは同期電動機、PSは回
転子位置検出器、PHCは位相制御回路、ACRは直流
電流制御回路、SPCは速度制御回路、DFは微分器、
γCNTは制御進み角制御回路、PWMCはパルス幅変
調制御回路、SW1は切り替え器、CTdは電流検出器
をそれぞれ示す。
【0055】サイリスタコンバータCNVは、3相交流
を直流に変換するAC/DC電力変換器で、変換器を構
成するサイリスタは電源電圧を利用して自然転流する。
サイリスタの点弧位相を制御することにより、直流出力
電圧Vdを調整することができる。制御位相角αは、電
源電圧Vsに対するコンバータの入力電流Isの位相送
れ角を言うもので、直流電圧Vdは、次式のように表わ
される。ただし、Vdoは、位相角α=0のときの直流
出力電圧とする。
【0056】Vd=Vdo×cos α 制御位相角αは、理論的には0゜<α<180゜の範囲
で利用可能であるが、実用的には、20゜<α<150
゜の範囲で使われる。α>90゜では、直流電圧は負の
値になる。
【0057】コンバータCNVの直流電圧Vdを変える
ことにより、直流リアクトルLdに流れる電流Idを制
御する。直流電流の指令値Id*は、電動機の速度制御
回路SPCから与えられ、当該指令値Id*と直流電流
検出器Idを比較する。電流制御回路ACRは、偏差ε
=Id*−Idを増幅し、次の位相制御回路PHCに電
圧指令値vd*を与える。コンバータCNVは、当該電
圧指令値vd*に比例した直流電圧Vdを発生させる。
【0058】Id*>Idの場合、vd*>0となり、
直流電圧Vdを増加させて、直流電圧Idを増やす。逆
に、Id*<Idの場合、vd*<0となり、直流電圧
Vdを負の値にして、直流電圧Idを減少させる。この
ようにして、直流電流Idは指令値Id*に一致するよ
うに制御される。
【0059】ハイブリッドインバータHB−INVは、
自己消弧素子とサイリスタを組み合わせた変換器で、直
流を3相交流に変換する電力変換器である。
【0060】同期電動機SMには、回転子位置検出器P
Sが設置され、界磁極の位置に同期した信号を出力す
る。この回転子位置検出器PSからの信号に基づき、イ
ンバータの出力電流を制御し、電動機SMを駆動する。
【0061】電動機SMの回転数が低いときは切換え器
SW1はa側に接続され、ハイブリッドインバータHB
−INVの自己消弧能力を活かしてパルス幅変調制御を
行う。
【0062】また、電動機SMの回転速度がある程度高
くなったところで、切換え器SW1をb側に切換え、イ
ンバータを120゜通電して転流進み角γを制御する。
【0063】位置検出器PSの信号θを微分器DFを介
して速度信号ωrに変換し、回転速度制御回路SPCに
フィードバックする。速度制御回路SPCは、指令値ω
r*と前記検出値ωrを比較し、その偏差を増幅して前
記直流の指令値Id*を出力する。
【0064】図2は、図1の装置のハイブリッドインバ
ータHB−INVの具体例を示す主回路構成図である。
3相ブリッジ結線されたインバータHB−INVのU相
の上側アームは、3個のサイリスタSu1〜Su3と、
1つのスイッチユニットGuで構成されている。他の相
の各アームも同様に構成されている。
【0065】図3は、当該ハイブリッドインバータのス
イッチユニットの具体例を示す図である。スイッチユニ
ットGuは、自己消弧素子G1,G2と、直列ダイオー
ドD1,D2と、逆並列ダイオードd1,d2、および
スナバコンデンサCで構成されている。すなわち、逆並
列ダイオードd1を具備する第1の自己消弧素子G1
と、第1の直列ダイオードD1で第1の直列回路を構成
し、第2の直列ダイオードD2と、逆並列ダイオードd
2を具備する第2の自己消弧素子G2で第2の直列回路
を構成する。第1の直列回路の自己消弧素子G1のアノ
ードと第2の直列回路のダイオードD2のアノードが接
続され、スイッチユニットGuの一方の出力端子Aとな
る。また、第1の直列回路のダイオードD1のカソード
と第2の直列回路の自己消弧素子G2のカソードとが接
続され、スイッチユニットGuのもう一方の出力端子K
となる。また、当該第1の自己消弧素子S1と第1のダ
イオードD1との接続点と、当該第2の自己消弧素子S
2と第2のダイオードD2との接続点と、の間にスナバ
コンデンサCが接続される。
【0066】図4は、図3のスイッチユニットの動作を
説明するための動作モード図である。
【0067】(a)は、オン状態のモードを示すもの
で、電流Iは、第1および第2の直列回路に並列に流れ
る。
【0068】(b)は自己消弧素子G1とG2をターン
オフさせたときのモードを示すもので、電流Iは、第2
のダイオードD2→スナバコンデンサC→第1のダイオ
ードD1の経路で流れる。このとき、スナバコンデンサ
は、図示の極性で充電される。ターンオフ時のサージ電
圧はスナバコンデンサCに吸収され、自己消弧素子G
1,G2に過電圧が印加されるのを防止している。スナ
バコンデンサCの印加電圧Vcは、遮断電流I off、転
流に関係する配線インダクタンスLによって、大略次式
のようになる。
【0069】Vc=I off×√(L/C) (c)は、ターンオフが完了し、オフ状態の動作モード
を示す。この状態で、外部から電圧が印加された場合、
次のように動作する。
【0070】すなわち、出力端子A−K間に正の電圧V
akが印加された場合、スナバコンデンサCの電圧Vc
に対し、Vc>Vakでは、各素子はオフ状態を保ち、
スナバコンデンサCの電圧は変化しない。各素子の印加
電圧はスナバコンデンサCの印加電圧を越えない。Vc
<Vakの電圧が印加された場合、ダイオードD2とD
1がオンし、Vc=Vakとなるまでスナバコンデンサ
電圧を充電する。
【0071】また、出力端子A−K間に負の電圧−Va
kが印加された場合、Vc>|Vak|では、各素子は
オフ状態を保つ。Vc<|Vak|となった場合、逆並
列ダイオードd2,d1が導通し、スナバコンデンサC
を充電する。このとき、d2,d1が導通状態にあるの
で、自己消弧素子G2,G1には逆電圧は印加されな
い。
【0072】(d)は、自己消弧素子G1,G2を再び
ターンオンさせた場合の動作を示すもので、まず、G1
→C→G2の経路に電流が流れ、スナバコンデンサCの
電圧を主回路に放電させる。すなわち、ターンオフ時に
蓄積されたスナバコンデンサのエネルギーは、ターンオ
ン時に主回路に放出され、有効に利用される。このスイ
ッチユニットは、スイッチングに伴うスナバ回路の損失
がなく、効率のよい電力変換器を構成できる利点があ
る。
【0073】次に、同期電動機SMを負荷とした場合の
ハイブリッドインバータHB−INVの転流動作を説明
する。
【0074】図5は、本実施形態装置のハイブリッドイ
ンバータHB−INVの転流動作を説明するための等価
回路図である。W相の下側アームがオン状態にあり、U
相上側アームからV相上側アームに転流する場合の等価
回路を示す。
【0075】図中、Ldは直流リアクトル、SuとGu
はU相上側アームサイリスタとスイッチユニット、Sv
とGvはV相上側アームサイリスタとスイッチユニッ
ト、L1,L2は漏れインダクタンス、eu,evは同
期電動機のU相とV相の速度起電力、SzはW相下側ア
ーム(サイリスタとスイッチユニット)をそれぞれ示
す。
【0076】通常の負荷転流インバータでは、同期電動
機SMの速度起電力eu,evが重要な役割をする。す
なわち、スイッチユニットGuとGvが無い場合を考え
ると、サイリスタSuからSvに転流させるには、電動
機の速度起電力eu,evが図示の極性にある時に行
う。サイリスタSvをオンさせると、eu−evの電圧
が漏れインダクタンスL1とL2に印加され、電流I1
を減少させ、電流I2を増加させる。最終的にI1=
0,I2=Idとなって転流が完了する。転流が完了す
る前に電動機の速度起電力eu−evが負の値になって
しまうと、転流失敗を引き起こす。
【0077】本実施の形態のハイブリッドインバータで
は、転流動作にスイッチユニットが重要な働きをする。
図5において、転流直前のスイッチユニットGvのスナ
バコンデンサ電圧Vcvは図示の極性に充電された状態
にある。また、スイッチユニットGuはオン状態にあ
り、当該Guのスナバコンデンサの印加電圧Vcu=0
となっている。ここで、説明を簡略化するため、同期電
動機の回転速度が低い場合を想定し、速度起電力eu,
evが小さいとして動作を説明する。
【0078】図6は、図5の動作を説明するためのタイ
ムチャート図である。時刻toの時点で、スイッチユニ
ットGuの自己消弧素子Gu1,Gu2をターンオフ
し、同時に、サイリスタSvとスイッチユニットGvの
自己消弧素子Gv1,Gv2をオンさせる。スイッチユ
ニットGuのスナバコンデンサCuは、電流I1によっ
て充電され、Cuの電圧Vcuは、図6のように上昇
し、電流I1は減少していく。このとき、サイリスタS
vの電流I2は、I2=Id−I1で増加していく。同
時に、スイッチユニットGvのスナバコンデンサ電圧V
cvは、電流I2によって放電し、スナバコンデンサC
vに蓄積されていたエネルギーは主回路に放出される。
【0079】図6において、電動機の速度起電力eu,
evが十分小さい場合、転流時は、コンデンサCu,C
vと漏れインダクタンスL1,L2の共振現象となる。
従って、転流時の重なり期間uは、u≒(π/2)√
(LC)となる。スナバコンデンサCの容量を小さくす
れば、重なり期間uを短くできるが、コンデンサの印加
電圧Vcoは大きくなる。
【0080】スイッチユニットを構成する素子には、こ
のスナバコンデンサ電圧Vcが印加されるので、最大電
流を遮断したときに充電されるコンデンサ電圧Vcが、
素子の耐圧を越えないようにスナバコンデンサの容量を
設計する。
【0081】一方、スイッチユニットGuに直列接続さ
れたサイリスタSuには、当該アーム全体に印加される
電圧から前記スイッチユニットのコンデンサ電圧Vcu
を差し引いた電圧が印加される。従って、電動機の速度
が高くなり、速度起電力が大きくなってきた場合、電動
機の線間電圧から、前記スイッチユニットGuのコンデ
ンサ電圧Vcuを引いた値がサイリスタに印加される。
その分担を考慮して、スイッチユニットのコンデンサ容
量を設計する。
【0082】次に、同期電動機SMの回転速度が高くな
り、速度起電力が大きくなった場合の動作を説明する。
【0083】図1の装置において、電動機SMの回転速
度がある設定値以上になった場合、切換え器SW1をb
側に接続して、点弧角制御回路γCNTにより、インバ
ータHB−INVの点弧角γを制御する。
【0084】図7は、上記状態の動作を説明するための
動作波形図である。図7(a)において、Vu,Vv,
Vwは電動機SMの3相電機子電圧(速度起電力)、I
u,Iv,Iwは3相電機子電流、の各波形を示す。ま
た、同図(b)は、1個のサイリスタのアノード・カソ
ード間に印加される電圧波形を示す。U相電流Iuは、
120゜通電の矩形波電流で、U相の電圧Vuに対し、
位相角γだけ進ませている。同様に、V相、W相の電流
Iv,Iwも電圧Vv,Vwに対し、位相角γだけ進ま
せる。このとき、サイリスタの印加電圧は、同図(b)
のようになり、転流進み角γによる逆バイアス電圧に加
えて、スイッチユニットのコンデンサ電圧Vcが印加さ
れる。すなわち、サイリスタの印加電圧は、コンデンサ
電圧Vc分だけ負側にバイアスされたことになる。
【0085】図8は、転流進み角γ=0゜の場合の動作
波形図である。サイリスタSuに印加される電圧は、タ
ーンオフ時にスイッチユニットGuのコンデンサ電圧V
cだけ逆バイアスされ、転流することができる。このよ
うに本実施形態装置によれば、転流進み角γ=0゜での
運転も可能となり、電動機の空隙磁束に対して直交する
電機子電流を供給でき、トルク係数最大での運転が可能
となる。この結果、従来装置に比べて、電動機力率が改
善され、その分、電動機の体格を小さくでき、コスト低
減が図れる。また、電動機の回転速度がある程度高くな
った場合、電動機の速度起電力に対して、電動子電流の
位相を同相または少し進ませるように制御する。これに
より、電動機力率がほぼ1となり、電動機の構造を小さ
くできる。また、電流の位相を少し進ませることによ
り、スイッチユニットのコンデンサ印加電圧に加えて、
電動機の速度起電力がサイリスタの転流を助けるように
作用し、結果的に、変換器全体容量に対するスイッチユ
ニットの容量割合を小さくできる。
【0086】次に、低速運転時のインバータのパルス幅
変調制御(PWM制御)について説明する。図1の装置
において、電動機SMの速度が低いとき、切換え器SW
1をa側に接続する。図1のPWM制御回路PWMC
は、回転子位置検出器PSからの位置信号θに同期させ
て、インバータHB−INVをパルス幅変調制御する。
始動、低速運転時は同期電動機の速度起電力は小さく、
インバータを構成するサイリスタはスイッチユニットの
コンデンサ電圧を利用して転流させることは既に述べ
た。サイリスタはすべてオン状態のままでも、スイッチ
ユニットをオン・オフ動作させることによりインバータ
をPWM制御することが可能である。すなわち、低速運
転時には常に全サイリスタにオン信号を与えておき、ス
イッチユニットの自己消弧素子をオン・オフさせること
で、PWM制御を行う。インバータはサイリスタのター
ンオフ時間に左右されないスイッチング動作が可能とな
る。
【0087】図9は、図1の装置の低速運転時のインバ
ータのPWM制御動作図を示す。図(a)は3相インバ
ータを構成する6つのアームの点弧信号を示すもので、
UとXはU相の正側アームと負側アームの点弧信号、V
とYはV相の正側アームと負側アームの点弧信号、Wと
ZはW相の正側アームと負側アームの点弧信号を示す。
また、図(b)はU相電流波形、図(c)はV相電流波
形を示す。また、図(d)はU相上側アームのサイリス
タSuに与える点弧信号を示す。ここでは、PWM制御
をインバータの出力電流Iu,Iv,Iwの高調波を低
減するために利用する。図9は5パルスのPWM制御波
形を示す。U相正側アームのスイッチユニットGuは、
電気角60゜区間をオンとし、その前後の60゜区間の
2つのパルス幅を変えることにより高調波電流を低減す
る。Guが60゜通電の区間では、V相負側アームGy
とW相負側アームGzをオン・オフさせることによりP
WM制御を行う。次の60゜区間では、W相負側アーム
Gzがオンで、U相正側アームGuとV相正側アームを
オン・オフさせることによりPWM制御を行う。このよ
うにして、PWM制御をした結果、インバータ出力電流
はIu,Ivのような波形に制御することができる。W
相電流Iwは示さなかったが、位相が120゜ずれて同
様の波形となる。
【0088】一方、サイリスタコンバータCNVによ
り、直流電流Idの大きさを変えて、インバータの出力
電流Iu,Iv,Iwの大きさを調整する。図(d)
は、スイッチユニットGuのパルス幅変調制御のために
用いられるオンゲート信号に同期して、サイリスタSu
に与える点弧信号を示す。パルス幅変調制御のため前記
ハイブリッドインバータHB−INVのスイッチユニッ
トをオン・オフ制御した場合、スイッチユニットがオフ
してアーム電流がゼロになったときに、当該スイッチユ
ニットに直列接続されたサイリスタはオフしてしまう。
この状態で、再びスイッチユニットにオン信号を与えて
もサイリスタがオフとなっているので必要なパルス幅変
調制御ができなくなる。そこで、パルス幅変調制御に使
われるスイッチユニットのオンゲート信号に同期してサ
イリスタにオン信号(点弧信号)を与える。その結果、
スイッチユニットとそれに直列接続されたサイリスタが
同時にオンして、アーム電流を立ち上げることができ
る。これにより、PWM制御を達成できる。
【0089】以上のように、スイッチユニットの自己消
弧能力を活用し、電動機の回転速度が低い時(始動を含
む)、自励式インバータとしてパルス幅変調制御を行
う。これにより、始動・低速時の電動機のトルク脈動を
格段に小さくすることができ、従来の問題点を大幅に改
善できる。
【0090】図10は、本実施形態装置のインバータを
構成するスイッチユニットの別の動作モードを説明する
ための図である。図中、I1,I2は図5の回路におけ
るU相上側アーム電流と、V相上側アーム電流、Vc
u,Vcvは当該U相上側アームのスイッチユニットG
uのコンデンサ電圧と、V相上側アームのスイッチユニ
ットGvのコンデンサ電圧を示す。前記スイッチユニッ
トのスナバコンデンサに印加される電圧は、インバータ
の出力電流の大きさに比例して増減する。通常、出力電
流の最大値を基準にして、コンデンサ容量を決定し、コ
ンデンサに過電圧が印加されないようにする。従って、
出力電流が小さくなると、コンデンサ印加電圧が小さく
なり、その分、サイリスタの印加電圧負担が増加する。
そこで、出力電流の大きさに応じて、スイッチユニット
の自己消弧素子の点弧タイミングを調整し、スナバコン
デンサの印加電圧が出力電流に関係なくほぼ一定になる
ように制御する。これにより、スイッチユニットに印加
される電圧が一定となり、サイリスタの印加電圧も出力
電流に左右されなくなる。
【0091】すなわち、インバータを転流させるとき、
まず、オンしているアームのスイッチユニットGuの自
己消弧素子をオフさせ、微少時間t1後に、次に転流さ
せるアームのすべての素子Sv,Gvにオンゲート信号
を与える。
【0092】出力電流が小さいとき、まず、オンしてい
るアームのスイッチユニットGuの自己消弧素子をオフ
させる。すると、直流リアクトルのエネルギーがあるた
め、スイッチユニットGuのスナバコンデンサの印加電
圧Vcuは、一定電流で充電されていく。この電圧上昇
は、次のアームをオンさせない限り継続する。
【0093】時間t1が経過したところで(スナバコン
デンサの印加電圧が設定値に近付いたところで)、次に
転流させるアームのすべての素子Sv,Gvにオンゲー
ト信号を与える。時刻t1からt2の間にU相アームか
らV相アームに転流し、電流I1は減少してゼロに、ま
た、電流I2は増加して直流電流Idに落ち着く。この
とき、前記U相アームのスイッチユニットのコンデンサ
CuはさらにI1で充電し、コンデンサ印加電圧Vcu
は一定値Vcoに落ち着く。出力電流が小さいときは、
時刻t1を長く設定し、出力電流が大きいときは、時刻
t1を短く設定する。これにより、スイッチユニットの
コンデンサ印加電圧がほぼ一定となり、サイリスタの印
加電圧も出力電流に関係なく一定にすることができる。
【0094】ところで、直流電流Idは、電動機のトル
ク指令に比例した電流となるようにコンバータによって
制御される。直流電流Idがゼロになると、スイッチユ
ニットのスナバコンデンサに充電電流が供給されなくな
る。そこで、トルク指令が小さくなったときでも、直流
電流がある最小値だけは流れるように制御する。トルク
指令がゼロになった場合、インバータの上下アームを同
時オンさせて、直流電流を還流させる。これにより、前
記同期電動機のトルク指令が小さくなったときでも、直
流電流Idの大きさをある最小値に保つことができ、ス
イッチユニットのコンデンサ印加電圧を確保することが
できる。結果的に、サイリスタの印加電圧負担が軽減で
きる。
【0095】図11は、本実施形態装置における上記制
御動作を説明するための動作特性を示す。前記同期電動
機のトルク指令が、τ*<τ1*となったとき、直流電
流Idの大きさをある最小値Idoに保ち、且つ、前記
電動機の速度起電力に対する電機子電流の制御進み角γ
を変えることにより、前記電動機の発生トルクを制御す
る。直流電流Idは、電動機のトルク指令に比例した電
流となるようにコンバータによって制御される。直流電
流Idがゼロになると、スイッチユニットのスナバコン
デンサに充電電流が供給されなくなる。そこで、トルク
指令τ*が小さくなったときでも、直流電流がある最小
値Idoだけは流れるように制御する。トルク指令τ*
に比例したトルクτを電動機SMが発生するように、電
動機の速度起電力に対する電機子電流の制御進み角γを
変える。電流Idを一定とした場合、電動機SMの発生
トルクτはcos γに比例する。制御進み角γを90゜に
すれば、電動機発生トルクはゼロとなる。トルク指令τ
*に応じて制御進み角γを変えればId=一定の条件
で、トルク指令τ*に比例した発生トルクτを得ること
ができる。これにより、直流電流は最小値以下になら
ず、スイッチユニットのコンデンサ充電電流を確保する
ことができ、コンデンサ印加電圧をほぼ一定に制御する
ことにより、サイリスタの印加電圧負担を軽減できる。
【0096】図12は、本実施形態装置のさらに別の動
作を説明するための動作特性を示す。すなわち、前記同
期電動機SMは、その回転速度ωrが高くなったとき、
電機子巻線端子電圧がほぼ一定になるように、弱め界磁
制御を行うのである。図では、ωr<ω3では界磁電流
If=一定とし、ωr>ω3では界磁電流Ifを回転速
度ωrに反比例させて減少させている。界磁を一定とし
た場合、同期電動機SMの端子電圧は、回転速度ωrに
比例して増加する。従って、電動機の最高速度のときの
端子電圧に合わせて電力変換器の耐圧を用意する必要が
ある。そこで、電動機の回転速度が高くなった場合、界
磁電流を減らして弱め界磁制御を行う。これにより、電
力変換器の耐圧を下げることが可能となり、装置のコス
トを大幅に低減できる。この弱め界磁制御を従来の負荷
転流インバータで行うと、転流余裕角γが小さくなり、
転流失敗を発生してしまう。本発明の装置によってはじ
めて実現できるものである。
【0097】なお、上述した第1の実施の形態に係る制
御動作については、以下に述べる別の実施の形態におい
ても適用可能である。
【0098】図13は、本発明の第2の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUS
は3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNVはサイリ
スタコンバータ、Ldは直流リアクトル、HB−INV
はハイブリッドインバータ、SMは同期電動機、OPS
速度起電力検出器、PHCは位相制御回路、ACRは直
流電流制御回路、SPCは速度制御回路、DFは微分
器、γCNTは制御進み角制御回路、PWMCはパルス
幅変調制御回路、SW1は切り替え器、CTdは電流検
出器をそれぞれ示す。
【0099】速度起電力検出器OPSは、電動機SMの
電機子巻線の端子電圧を検出して、演算により速度起電
力を求めるもので、当該速度起電力に同期した電流をイ
ンバータHB−INVから供給する。
【0100】すなわち、回転子位置検出器PSの代わり
に、同期電動機の速度起電力(または空隙磁束)を検出
する手段OPSを用いる。インバータHB−INVは、
この速度起電力検出手段OPSからの信号に基づき、電
機子電流Iu,Iv,Iwを制御する。電機子電流I
u,Iv,Iwは、電動機の速度起電力Vu,Vv,V
wに同期した電流となり、電動機の発生トルクは、当該
電機子電流の大きさに比例し、直流電動機と同等の外部
特性が得られる。また、速度起電力を基準に電機子電流
の位相を決めているため、電動機の電機子反作用の影響
で、空隙磁束の位相がずれても常に最適な位相で運転が
できる。また、機械的な回転子位置検出器PSが要らな
くなり、当該検出器の保守が不要となる。また、温度変
化や粉塵等、外部環境に影響されない電動機駆動装置を
提供できる。
【0101】図14は、図13の装置の動作を説明する
ための動作波形図を示す。図中、Vu,Vv,Vwは電
動機SMの速度起電力、U+,U−はU相電圧Vuから
作った論理信号、V+,V−はV相電圧Vvから作った
論理信号、W+,W−はW相電圧Vwから作った論理信
号、IuはU相電流をそれぞれ示す。転流進み角γ≒3
0゜で運転する場合、インバータHB−INVのU相上
側アームSu,Guのゲート信号(オン信号)は、信号
U−とV+の論理積(AND)から作ることができる。
同様に、他のアームのゲート信号も求められる。転流進
み角γを任意の値に制御するには、電動機SMの速度起
電力Vu,Vv,Vwから、3相の単位正弦波を作成
し、コンバータの位相制御回路と同じ原理で、インバー
タの各アームのゲート信号を作って転流進み角γを制御
することができる。
【0102】これにより、機械的な回転子位置検出器な
しで電動機SMを駆動制御でき、特殊環境での運転と、
保守の簡素化が達成できる。
【0103】図15は、本発明の第3の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUS
は3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNVはサイリ
スタコンバータ、Ldは直流リアクトル、HB−INV
はハイブリッドインバータ、SMは同期電動機、PSは
電動機SMの回転子位置検出器、OPSは速度起電力検
出器、PHCは位相制御回路、ACRは直流電流制御回
路、SPCは速度制御回路、DFは微分器、γCNTは
制御進み角制御回路、PWMCはパルス幅変調制御回
路、SW1,SW2は切り替え器、CTdは電流検出器
をそれぞれ示す。
【0104】電動機SMの回転速度が低いときは、切換
え器SW2はa側に接続され、回転子位置検出器PSか
らの信号に基づきインバータHB−INVの点弧信号を
作る。また、電動機SMの回転速度がある程度高くなっ
たところで、切換え器SW2をb側に切換え、速度起電
力検出器OPSの信号に基づきインバータHB−INV
の点弧信号を作る。
【0105】すなわち、始動・低速運転時は、回転子位
置検出器PSからの信号に基づいて電機子電流を制御
し、速度起電力がある程度大きくなったところで、速度
起電力検出手段OPSからの信号に基づいて電機子電流
を制御する。始動・低速時は、機械的な回転子位置検出
器の信号を用いることにより、位置検知誤差の影響を無
くすことができる。また、高速運転時は速度起電力を利
用した信号を用いて電動子電流の位相を決めることによ
り、電動機の電機子反作用の影響で、空隙磁束の位相が
ずれても常に最適な位相で運転ができる。電機子電流
は、電動機の速度起電力に同期した電流となり、電動機
の発生トルクは、当該電機子電流の大きさに比例し、直
流電動機と同等の外部特性が得られる。
【0106】図16は、図15の装置の動作を説明する
ための動作モード図を示す。図15の装置において、切
換え器SW1とSW2の動作を示すもので、電動機SM
の回転速度ωrが、ωr>ω1となったところで、切換
え器SW1をaからbに切換え、更に、ωr>ω2とな
ったところで、切換え器SW2をaからbに切換えてい
る。すなわち、ωr<ω1のところでは、インバータH
B−INVをPWM制御し、ωr>ω1では転流進み角
γを制御するように設定している。また、ωr<ω2の
ところでは、回転子位置検出器PSからの信号に基づき
電動子電流Iu,Iv,Iwの位相を制御し、ωr>ω
2では、速度起電力検出器OPSからの信号に基づき電
動子電流Iu,Iv,Iwの位相を制御している。設定
値ω1とω2は同じでもよいが、別々に設定してもよ
い。すなわち、低速運転時は、機械的な位置検出器PS
の信号を用い、パルス幅変調制御で同期電動機SMを駆
動制御することにより、確実な回転子位置検知と、トル
ク脈動の低減を図る。また、ある程度速度が高くなった
ところで、速度起電力検出器OPSからの位置検知信号
を用いて、サイリスタの転流進み角γを制御して電動機
SMを駆動制御する。
【0107】図17は、本発明の第4の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUS
は3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNV1,CN
V2はサイリスタコンバータ、Ldは直流リアクトル、
HB−INV1,HB−INV2はハイブリッドインバ
ータ、SMは同期電動機、PSは電動機SMの回転子位
置検出器、PHCは位相制御回路、ACRは直流電流制
御回路、SPCは速度制御回路、DFは微分器、γCN
Tは制御進み角制御回路、PWMCはパルス幅変調制御
回路、SW1は切り替え器、CTdは電流検出器をそれ
ぞれ示す。
【0108】電源変圧器TRsは、Δ結線とY結線の2
つの2次巻線を持ち、それぞれ3相ブリッジ結線された
サイリスタコンバータCNV1,CNV2の交流側端子
に接続されている。すなわち、12パルスのコンバータ
を構成している。
【0109】また、同期電動機SMは、位相を30゜ず
らした3相電動子巻線が2組用意され、それぞれ3相ブ
リッジ結線された2つのハイブリッドインバータHB−
INV1,HB−INV2に接続されている。これによ
り、12パルスのインバータを構成している。
【0110】図18は、図17のインバータの動作を説
明するための動作波形図を示す。図中、Vu,Vv,V
wは電動機SMの1つの電機子巻線に誘起される電圧、
Vu′,Vv′,Vw′は電動機SMのもう1つの電機
子巻線に誘起される電圧、Iu1,Iu2は2つのイン
バータから電機子巻線に供給されるU相電流を表わす。
転流進み角γ≒0゜の場合を示している。
【0111】このように、同期電動機SMの電機子巻線
を複数組に分割し、それぞれの電機子巻線に電流を供給
するインバータHB−INV1,HB−INV2を用意
する。これにより、1つのインバータが故障しても、他
のインバータにより継続して運転することが可能とな
り、システムの稼動率を高めることができる。また、電
動機の電機子巻線の位相をずらすことにより、多相化が
可能となり、電動機のトルク脈動を低減できる。
【0112】図19は、本発明の第5の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUS
は3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNVはサイリ
スタコンバータ、Ldは直流リアクトル、HB−INV
はハイブリッドインバータ、TRoは出力変圧器、SM
は同期電動機、PSは電動機SMの回転子位置検出器、
OPSは速度起電力検出器、PHCは位相制御回路、A
CRは直流電流制御回路、SPCは速度制御回路、DF
は微分器、γCNTは制御進み角制御回路、PWMCは
パルス幅変調制御回路、SW1,SW2は切り替え器、
CTdは電流検出器をそれぞれ示す。
【0113】インバータHB−INVと同期電動機SM
の間に出力変圧器TRoを設置する。これにより、電圧
・電流定格が異なる各種同期電動機にも容量がほぼ同じ
電動機なら、出力変圧器によって電圧・電流を合わせる
ことが可能となり、同一の電力変換器(コンバータ+イ
ンバータ)で対応することが可能となる。すなわち、電
力変換器の標準化が図れ、システムのコスト低減と信頼
性の向上が図れる。
【0114】同期電動機SMに出力変圧器TRoを介し
て電機子電流を供給する電力変換器(インバータ)は、
各相アームが、スイッチユニットとそれに直列接続され
た1つ以上のサイリスタで構成される。当該スイッチユ
ニットは、逆並列ダイオードを備えた自己消弧素子2個
と、直列ダイオード2個とスナバコンデンサで構成さ
れ、前記サイリスタは、当該スナバコンデンサの電圧を
利用して転流する。これにより、電動機の速度起電力が
小さい始動低速時でも、インバータの転流が可能とな
り、従来必要とされた断続転流が不要となる。この結
果、始動・低速時のトルク低下やトルク脈動の問題が解
決される。更に、高速運転時でも前記スイッチユニット
のスナバコンデンサ電圧を利用してサイリスタを転流さ
せることが可能となり、転流進み角γを小さくして運転
できるようになる。その結果、電動機力率がよくなり、
発生トルクの増大が図れる。ひいては、電動機や変換器
の体格が小さくでき、経済的なシステムを提供できる。
【0115】同期電動機SMの回転速度が低いときは、
切換え器SW2はa側に接続され、回転子位置検出器P
Sからの信号に基づきインバータHB−INVの点弧信
号を作る。また、電動機SMの回転速度がある程度高く
なったところで、切換え器SW2をb側に切換え、速度
起電力検出器OPSの信号に基づきインバータHB−I
NVの点弧信号を作る。すなわち、始動・低速運転時
は、回転子位置検出器PSからの信号に基づいて電機子
電流を制御し、速度起電力がある程度大きくなったとこ
ろで、速度起電力検出手段OPSからの信号に基づいて
電機子電流を制御する。始動・低速時は、機械的な回転
子位置検出器の信号を用いることにより、位置検知誤差
の影響を無くすことができる。また、高速運転時は速度
起電力を利用した信号を用いて電機子電流の位相を決め
ることにより、電動機の電機子反作用の影響で、空隙磁
束の位相がずれても常に最適な位相で運転ができる。電
機子電流は、電動機の速度起電力に同期した電流とな
り、電動機の発生トルクは、当該電機子電流の大きさに
比例し、直流電動機と同等の外部特性が得られる。
【0116】図20は、本発明の第6の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。図中、BUS
は3相交流電源、TRsは電源変圧器、CNV1,CN
V2はサイリスタコンバータ、Ldは直流リアクトル、
HB−INV1,HB−INV2はハイブリッドインバ
ータ、TRoは出力変圧器、SMは同期電動機、PSは
回転子位置検出器、OPSは速度起電力検出器、PHC
は位相制御回路、ACRは直流電流制御回路、SPCは
速度制御回路、DFは微分器、γCNTは制御進み角制
御回路、PWMCはパルス幅変調制御回路、SW1は切
り替え器、CTdは電流検出器をそれぞれ示す。
【0117】電源変圧器TRsは、Δ結線とY結線の2
つの2次巻線を持ち、それぞれ3相ブリッジ結線された
サイリスタコンバータCNV1,CNV2の交流側端子
に接続されている。すなわち、12パルスのコンバータ
を構成している。これにより、電源から供給される入力
電流の高調波が低減され、且つ、直流電流リプルが小さ
くなる。
【0118】また、出力変圧器TRoは、位相を30゜
ずらした3相巻線が2組用意され、それぞれ3相ブリッ
ジ結線された2つのハイブリッドインバータHB−IN
V1,HB−INV2に接続されている。これにより、
12パルスのインバータを構成し、電動機SMに供給さ
れる電流は高調波が小さくなり、トルクリプルが低減さ
れる。
【0119】このように、電力変換器(インバータ)と
同期電動機SMの間に複数の巻線を持つ出力変圧器TR
oを設置し、それぞれに電力変換器を用意する。これに
より、1つの変換器が故障しても、他の変換器により継
続して運転することが可能となり、システムの稼動率を
高めることができる。また、出力変圧器の位相をずらす
ことにより、電力変換器の多重化が可能となり、電動機
の電機子電流が正弦波に近付き、電動機のトルク脈動を
低減できる。
【0120】図21は、図20のインバータの動作を説
明するための動作波形図を示す。図中、Vu,Vv,V
wは電動機SMの1つの電機子巻線に誘起される電圧、
Vu′,Vv′,Vw′は電動機SMのもう1つの電機
子巻線に誘起される電圧、Iu1,Iu2は2つのイン
バータからの出力電流(U相分)、Iuは電動機SMの
電機子巻線に供給されるU相電流を表わす。電動機SM
に供給される電流Iuは、2つのインバータHB−IN
V1とHB−INV2の出力電流Iu1,Iu2の和と
なり、正弦波に近い波形とすることができる。これによ
り、電動機SMのトルク脈動が小さくなり、高調波損失
も低減される。
【0121】このように、同期電動機SMの電機子巻線
を複数組に分割し、それぞれの電機子巻線に電流を供給
するインバータHB−INVを用意する。これにより、
1つのインバータが故障しても、他のインバータにより
継続して運転することが可能となり、システムの稼動率
を高めることができる。また、電動機の電機子巻線の位
相をずらすことにより、多相化が可能となり、電動機の
トルク脈動を低減できる。
【0122】図22は、本発明の第7の実施の形態に係
る電動機駆動装置の構成を示す図である。また、図23
は、図22の動作を説明するための動作特性図である。
【0123】図22において、BUSは3相交流電源、
TRsは電源変圧器、CNVはサイリスタコンバータ、
Ldは直流リアクトル、HB−INVはハイブリッドイ
ンバータ、TRoは出力変圧器、SWoは出力切換えス
イッチ、SMは同期電動機、PSは電動機SMの回転子
位置検出器、OPSは速度起電力検出器、PHCは位相
制御回路、ACRは直流電流制御回路、SPCは速度制
御回路、DFは微分器、γCNTは制御進み角制御回
路、PWMCはパルス幅変調制御回路、SW1,SW2
は切り替え器、CTdは電流検出器をそれぞれ示す。
【0124】インバータHB−INVと同期電動機SM
の間に出力変圧器TRoを設置する。これにより、電圧
・電流定格が異なる各種同期電動機にも容量がほぼ同じ
電動機なら、出力変圧器によって電圧・電流を合わせる
ことが可能となり、同一の電力変換器(コンバータ+イ
ンバータ)で対応することが可能となる。すなわち、電
力変換器の標準化が図れ、システムのコスト低減と信頼
性の向上が図れる。
【0125】本実施の形態に係る電力変換器(コンバー
タCNV+インバータHB−INV)を同期電動機SM
のスタータとして用い、電動機を定格速度ωo付近まで
加速する。図23において、定格速度(商用周波数)ω
oに近付いたとき、電力変換器(コンバータ+インバー
タ)を同期電動機SMから切り離し、出力切換えスイッ
チSWoにより、商用周波数電源に接続する。ポンプ負
荷などでは、ほとんどが一定速度で回せばよい用途が多
いので、電力変換器の損失分を無くすことができる。
【0126】なお、図22は図19の構成をベースとし
たが、本実施の形態は他の実施の形態においても適用で
きることは言うまでもない。
【0127】なお、上記各実施の形態において、スイッ
チユニットは、前記逆並列ダイオードを具備した自己消
弧素子として、逆導通形自己消弧素子を用いることもで
きる。逆導通形自己消弧素子を使用することにより、逆
並列ダイオードの外付け配線が省略でき、装置の実装が
簡単になり、小型軽量化が図れる。
【0128】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1記載の発
明によれば、同期電動機に電機子電流を供給する直流/
交流変換手段を、各相アームが、スイッチユニットとそ
れに直列接続された1つ以上のサイリスタで構成し、ま
た当該スイッチユニットを、逆並列ダイオードを備えた
自己消弧素子2個と、直列ダイオード2個とスナバコン
デンサで構成し、前記サイリスタを、当該スナバコンデ
ンサの電圧を利用して転流するようにしたので、電動機
の速度起電力が小さい始動低速時でも、直流/交流変換
手段の転流が可能となり、従来必要とされた断続転流が
不要となり、この結果、始動・低速時のトルク低下やト
ルク脈動の問題が解決され、更に、高速運転時でも前記
スイッチユニットのスナバコンデンサ電圧を利用してサ
イリスタを転流させることが可能となり、転流進み角γ
を小さくして運転できるようになり、その結果、電動機
力率がよくなり、発生トルクの増大を図ることができ、
ひいては、電動機や変圧器の構造を小型化でき、経済的
なシステムを提供することができる。
【0129】請求項2記載の発明によれば、回転子位置
検出器の代わりに、同期電動機の速度起電力(または空
隙磁束)を検出する手段を用いて、速度起電力を基準に
電機子電流の位相を決めるようにしたので、電動機の電
機子反作用の影響で、空隙磁束の位相がずれても常に最
適な位相で運転できる。加えて、機械的な回転子位置検
出器が要らなくなり、当該検出器の保守が不要となり、
また、温度変化や粉塵等、外部環境に影響されない電動
機駆動装置を提供できる。
【0130】請求項3記載の発明によれば、始動・低速
運転時は、回転子位置検出手段からの信号に基づいて電
機子電流を制御し、回転速度が所定速度より高くなった
ところで、起電力検出手段からの信号に基づいて電機子
電流を制御するようにしたので、始動・低速時は、位置
検知誤差の影響をなくし、また、高速運転時は電動機の
電機子反作用の影響で空隙磁束の位相がずれても常に最
適な位相で運転ができる。
【0131】請求項4記載の発明によれば、1つの直流
/交流変換手段が故障しても、他の直流/交流変換手段
により継続して運転することが可能となり、システムの
稼動率を高めることができ、また、電動機の電機子巻線
の位相をずらすことにより、多相化が可能となり、電動
機のトルク脈動を低減できる。
【0132】請求項5記載の発明によれば、電圧・電流
定格が異なる各種同期電動機にも容量がほぼ同じ電動機
なら、変圧器によって電圧・電流を合わせることが可能
となり、同一の電力変換器で対応することが可能とな
る。すなわち、直流/交流変換手段の標準化を図ること
ができ、システムのコスト低減と信頼性の向上を図るこ
とができる。
【0133】請求項6記載の発明によれば、始動・低速
時、すべてのサイリスタを導通状態にして、自己消弧能
力があるスイッチユニットによりインバータ動作をさせ
て、転流はスイッチユニット間で行い、サイリスタのタ
ーンオフを待たないでスイッチの切り替えを行うように
したので、直流/交流変換手段においてサイリスタのタ
ーンオフ時間に左右されない転流が可能となり、より速
い転流を実現することができる。
【0134】請求項7記載の発明によれば、スイッチユ
ニットの自己消弧能力を活用し、電動機の回転速度が低
い時(始動を含む)、自励式インバータとしてパルス幅
変調制御を行うようにしたので、始動・低速時の電動機
のトルク脈動を従来に比べて格段に小さくすることがで
きる。
【0135】請求項8記載の発明によれば、パルス幅変
調制御に使われるスイッチユニットのオンゲート信号に
同期してサイリスタにオン信号(点弧信号)を与えるよ
うにしたので、スイッチユニットとそれに直列接続され
たサイリスタが同時にオンして、アーム電流を立ち上げ
ることができる。
【0136】請求項9記載の発明によれば、回転速度が
ある程度高くなってくると、電動機の速度起電力が無視
できなくなり、スイッチユニットのスナバコンデンサ電
圧だけで、任意のタイミングで転流させることができな
くなることから、電動機の回転速度が設定速度より高く
なった場合、同期電動機の速度起電力およびスイッチユ
ニットのコンデンサ印加電圧の両方を利用してインバー
タを転流させるようにしたので、電動機の力率を維持で
き、装置の小型軽量化およびコスト低減を図ることがで
きる。
【0137】請求項10記載の発明によれば、空隙磁束
と直交するように電機子電流を制御するようにしたの
で、電動機力率をほぼ1とすることができ、電動機のト
ルク係数を最大とすることができる。これにより、電動
機の構造を小さくでき、直流/交流変換手段の容量を低
減することができる。
【0138】請求項11記載の発明によれば、電動機力
率をほぼ1とすると共に、電機子電流の位相を少し進ま
せることにより、スイッチユニットのコンデンサ印加電
圧に加えて、電動機の速度起電力がサイリスタの転流を
助けるように作用するので、電動機の構造を小さくでき
ると共に、直流/交流変換手段の全体容量に対するスイ
ッチユニットの容量割合を小さくすることができる。
【0139】請求項12記載の発明によれば、電機子電
流の大きさに応じて、スイッチユニットの自己消弧素子
の点弧タイミングを調整し、スナバコンデンサの印加電
圧が電機子電流に関係なくほぼ一定になるように制御す
るようにしたので、スイッチユニットに印加される電圧
が一定となり、サイリスタの印加電圧が電機子電流に左
右されなくなる。
【0140】請求項13記載の発明によれば、例えばス
ナバコンデンサの印加電圧が設定値に近付く程度の所定
時間が経過したところで、次に転流させるアームのすべ
ての素子にオンゲート信号を与えるようにしたので、ス
イッチユニットのスナバコンデンサの充電電流が減少
し、コンデンサ印加電圧をほぼ一定値にすることがで
き、もってサイリスタの印加電圧も出力電流に関係なく
一定にすることができる。
【0141】請求項14記載の発明によれば、電動子電
流が小さいときは所定時間を長く設定し、電機子電流が
大きいときは所定時間を短く設定することで、スイッチ
ユニットのコンデンサ印加電圧をほぼ一定としたので、
サイリスタの印加電圧も出力電流に関係なく一定にする
ことができる。
【0142】請求項15記載の発明によれば、必要なト
ルクが小さくなったときでも、直流電流がある必要最小
値だけは流れるように制御して、トルク指令がゼロにな
った場合でも、直流/交流変換手段の上下アームを同時
にオンさせて、直流電流を還流させるようにしたので、
スイッチユニットのコンデンサ印加電圧を確保すること
ができ、サイリスタの印加電圧負担を軽減することがで
きる。
【0143】請求項16記載の発明によれば、必要なト
ルクが小さくなったときでも、直流電流がある必要最小
値だけは流れるように制御すると共に、トルク指令に比
例したトルクを電動機が発生するように、電動機の速度
起電力に対する電機子電流の制御進み角を変えるように
したので、直流電流が必要最小値以下にならず、スイッ
チユニットのコンデンサ充電電流を確保することがで
き、コンデンサ印加電圧をほぼ一定に制御することによ
り、サイリスタの印加電圧負担を軽減することができ
る。
【0144】請求項17記載の発明によれば、界磁を一
定とした場合、同期電動機の端子電圧が、回転速度に比
例して増加するので、電動機の最高速度のときの端子電
圧に合わせて直流/交流変換手段の耐圧を用意する必要
がある。そこで、電動機の回転速度が高くなった場合、
界磁電流を減らして弱め界磁制御を行うようにしたの
で、直流/交流変換手段の耐圧を下げることが可能とな
り、装置のコストを大幅に低減することができる。特
に、この弱め界磁制御を従来の負荷転流インバータで行
うと、転流余裕角が小さくなり、転流失敗を発生してし
まうが、本発明では、的確な転流を実現することができ
る。
【0145】請求項18記載の発明によれば、直流/交
流変換手段を用いて同期電動機をスタートさせて加速
し、回転速度が定格速度(商用周波数)に近付いたとき
には、直流/交流変換手段を同期電動機から切り離し、
商用周波数電源に接続するようにしたので、特に、ポン
プ負荷などの場合には、ほとんどが一定速度で回せばよ
い用途が多いので、直流/交流変換手段の損失分をなく
すことができる。
【0146】請求項19記載の発明によれば、スイッチ
ユニットの自己消弧素子として逆導通形自己消弧素子を
用いるようにしたので、逆並列ダイオードの外付け配線
を省略することができ、装置の実装が簡単になり、また
小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電動機駆動装
置の構成を示す図である。
【図2】当該電動機駆動装置におけるハイブリッドイン
バータの具体例を示す主回路構成図である。
【図3】当該ハイブリッドインバータのスイッチユニッ
トの具体例を示す図である。
【図4】図3のスイッチユニットの動作を説明するため
の動作モード図である。
【図5】図1の装置のインバータの転流動作を説明する
ための等価回路図である。
【図6】図5の動作を説明するためのタイムチャート図
である。
【図7】図1の装置の電動機駆動動作を説明するための
動作波形図である。
【図8】図1の装置の電動機駆動動作を説明するための
別の動作波形図である。
【図9】図1の装置の低速運転時のインバータのPWM
制御動作図である。
【図10】図1の装置のインバータを構成するスイッチ
ユニットの別の動作を説明するための動作モード図であ
る。
【図11】図1の装置の動作を説明するための動作特性
図である。
【図12】図1の装置の動作を説明するための動作特性
図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図14】図13の装置の動作を説明するための動作波
形図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図16】図15の装置の動作を説明するための動作モ
ード図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図18】図17の装置の動作を説明するための動作波
形図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図21】図20の装置の動作を説明するための動作波
形図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態に係る電動機駆動
装置の構成を示す図である。
【図23】図22の動作を説明するための動作特性図で
ある。
【図24】従来の電動機駆動装置の構成図である。
【図25】図24の装置の動作を説明するための簡易等
価回路とベクトル図である。
【図26】図24の装置の動作を説明するための動作波
形図である。
【図27】図24の装置の断続転流動作を説明するため
の動作波形図である。
【符号の説明】
BUS 3相交流電源 TRs 電源変圧器 CNV サイリスタコンバータ Ld 直流リアクトル HB−INV ハイブリッドインバータ Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz サイリスタ Gu,Gv,Gw,Gx,Gy,Gz スイッチユニッ
ト SM 同期電動機 PS 回転子位置検出器 OPS 速度起電力検出器 PHC 位相制御回路 ACR 直流電流制御回路 SPC 速度制御回路 DF 微分器 γCNT 制御進み角制御回路 PWMC パルス幅変調制御回路 SW1,SW2 切り替え器 CTd 電流検出器 TRo 出力変圧器 SWo 出力切換えスイッチ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力を交流電力に変換して同期電動
    機の各相に電機子電流を供給して当該同期電動機を駆動
    させる装置において、 一方の出力端子に対して逆並列ダイオードを具備した第
    1の自己消弧素子のアノード端子および第2のダイオー
    ドのアノード端子が並列接続され、また他方の出力端子
    に対してアノード端子が第1の自己消弧素子のカソード
    端子に接続された第1のダイオードのカソード端子およ
    びアノード端子が第2のダイオードのカソード端子に接
    続された逆並列ダイオードを具備した第2の自己消弧素
    子のカソード端子が並列接続され、且つ、第1の自己消
    弧素子のカソード端子と第2のダイオードのカソード端
    子との間にコンデンサが接続されたスイッチユニット
    と、このスイッチユニットの出力端子に直列接続され、
    当該コンデンサの電圧を用いて転流せしめられる少なく
    とも1つのサイリスタとで各相アームが構成される直流
    /交流変換手段と、 前記同期電動機の回転子の位置を検出する回転子位置検
    出手段と、 この回転子位置検出手段で検出した回転子の位置に基づ
    いて直流/交流変換手段からの電機子電流を制御する制
    御手段と、 を有することを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 【請求項2】 直流電力を交流電力に変換して同期電動
    機の各相に電機子電流を供給して当該同期電動機を駆動
    させる装置において、 一方の出力端子に対して逆並列ダイオードを具備した第
    1の自己消弧素子のアノード端子および第2のダイオー
    ドのアノード端子が並列接続され、また他方の出力端子
    に対してアノード端子が第1の自己消弧素子のカソード
    端子に接続された第1のダイオードのカソード端子およ
    びアノード端子が第2のダイオードのカソード端子に接
    続された逆並列ダイオードを具備した第2の自己消弧素
    子のカソード端子が並列接続され、且つ、第1の自己消
    弧素子のカソード端子と第2のダイオードのカソード端
    子との間にコンデンサが接続されたスイッチユニット
    と、このスイッチユニットの出力端子に直列接続され、
    当該コンデンサの電圧を用いて転流せしめられる少なく
    とも1つのサイリスタとで各相アームが構成される直流
    /交流変換手段と、 前記同期電動機の速度起電力または空隙磁束を検出する
    起電力検出手段と、 この起電力検出手段で検出した速度起電力または空隙磁
    束に基づいて直流/交流変換手段からの電機子の電流を
    制御する制御手段と、 を有することを特徴とする電動機駆動装置。
  3. 【請求項3】 直流電力を交流電力に変換して同期電動
    機の各相に電機子電流を供給して当該同期電動機を駆動
    させる装置において、 一方の出力端子に対して逆並列ダイオードを具備した第
    1の自己消弧素子のアノード端子および第2のダイオー
    ドのアノード端子が並列接続され、また他方の出力端子
    に対してアノード端子が第1の自己消弧素子のカソード
    端子に接続された第1のダイオードのカソード端子およ
    びアノード端子が第2のダイオードのカソード端子に接
    続された逆並列ダイオードを具備した第2の自己消弧素
    子のカソード端子が並列接続され、且つ、第1の自己消
    弧素子のカソード端子と第2のダイオードのカソード端
    子との間にコンデンサが接続されたスイッチユニット
    と、このスイッチユニットの出力端子に直列接続され、
    当該コンデンサの電圧を用いて転流せしめられる少なく
    とも1つのサイリスタとで各相アームが構成される直流
    /交流変換手段と、 前記同期電動機の回転子の位置を検出する回転子位置検
    出手段と、 前記同期電動機の速度起電力または空隙磁束を検出する
    起電力検出手段と、 前記同期電動機の回転速度が所定速度より低いときに
    は、回転子位置検出手段で検出した回転子の位置に基づ
    いて直流/交流変換手段からの電機子電流を制御し、前
    記同期電動機の回転速度が所定速度より高いときには、
    起電力検出手段で検出した速度起電力または空隙磁束に
    基づいて直流/交流変換手段からの電機子電流を制御す
    る制御手段と、 を有することを特徴とする電動機駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の電動
    機駆動装置において、前記同期電動機が複数組の電機子
    巻線を有しているときには、当該電機子巻線の組数に対
    応した数の前記直流/交流変換手段を具備することを特
    徴とする電動機駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の電動
    機駆動装置において、前記直流/交流変換手段と前記同
    期電動機との間に変圧器を設けることを特徴とする電動
    機駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の電動
    機駆動装置において、前記同期電動機の回転速度が前記
    所定速度より低いときには、前記直流/交流変換手段を
    構成するサイリスタを導通状態にしておくことを特徴と
    する電動機駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電動機駆動装置におい
    て、前記同期電動機の回転速度が前記所定速度より低い
    ときには、前記直流/交流変換手段を構成するスイッチ
    ユニットよりパルス幅変調制御を行うことを特徴とする
    電動機駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電動機駆動装置におい
    て、前記スイッチユニットのパルス幅変調制御のために
    用いられるオンゲート信号に同期して、前記サイリスタ
    に点弧信号を与えることを特徴とする電動機駆動装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の電動
    機駆動装置において、前記同期電動機の回転速度が設定
    速度を越えたときには、前記直流/交流変換手段を構成
    するサイリスタを、前記スイッチユニットのコンデンサ
    の電圧および前記同期電動機の速度起電力を用いて転流
    させることを特徴とする電動機駆動装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の電
    動機駆動装置において、前記直流/交流変換手段は、前
    記同期電動機の回転速度が前記所定速度より低いときに
    は、前記同期電動機の空隙磁束とほぼ直交するように電
    機子電流を制御することを特徴とする電動機駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電動機駆動装置にお
    いて、前記直流/交流変換手段は、前記電力変換器は、
    前記同期電動機の回転速度が前記所定速度を越えたとき
    には、前記同期電動機の速度起電力と同相または少し位
    相を進ませるように電機子電流を制御することを特徴と
    する電動機駆動装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記スイッチユニットにおけ
    る自己消弧素子の点弧タイミングを、前記ユニットスイ
    ッチのコンデンサの電圧が電機子電流の大きさに関係な
    く一定となるように制御することを特徴とする電動機駆
    動装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記直流/交流変換手段を転
    流させるときには、導通している相アームのスイッチユ
    ニットの自己消弧素子をオフにしてから所定時間経過後
    に、次に転流させる相アームの素子に対してオンゲート
    信号を供給することを特徴とする電動機駆動装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の電動機駆動装置にお
    いて、前記所定時間を、前記直流/交流変換手段からの
    電機子電流が大きくなるに従って長く設定することを特
    徴とする電動機駆動装置。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記同期電動機における必要
    なトルクが規定トルク値より小さくなったときには、前
    記直流/交流変換手段への直流電流を所定の必要最低値
    に制御することを特徴とする電動機駆動装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至14のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記同期電動機における必要
    なトルクが規定トルク値より小さくなったときには、前
    記直流/交流変換手段への直流電流を所定の必要最低値
    に制御すると共に、前記同期電動機の速度起電力に対す
    る電機子電流の制御進み角を調整することを特徴とする
    電動機駆動装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記同期電動機の回転速度が
    前記所定速度に達したときには、電機子巻線の端子電圧
    が一定になるように弱め界磁制御が行われることを特徴
    とする電動機駆動装置。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記同期電動機の回転速度が
    定格速度近傍に達したときには、前記同期電動機の電機
    子巻線を商用電源に接続することを特徴とする電動機駆
    動装置。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれかに記載の
    電動機駆動装置において、前記直流/交流変換手段を構
    成する前記スイッチユニットは、前記逆並列ダイオード
    を具備した自己消弧素子として、逆導通形自己消弧素子
    を用いたことを特徴とする電動機駆動装置。
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