JP2000091591A - 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタを用いたc−mosインバータ回路、及びそれらの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタを用いたc−mosインバータ回路、及びそれらの製造方法

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JP2000091591A
JP2000091591A JP26276298A JP26276298A JP2000091591A JP 2000091591 A JP2000091591 A JP 2000091591A JP 26276298 A JP26276298 A JP 26276298A JP 26276298 A JP26276298 A JP 26276298A JP 2000091591 A JP2000091591 A JP 2000091591A
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gate electrode
thin film
film transistor
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JP26276298A
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English (en)
Inventor
Yutaka Minamino
裕 南野
Kazufumi Ogawa
小川  一文
Keizaburo Kuramasu
敬三郎 倉増
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 OFF電流を抑えるとともにON電流の減少
がなく、低濃度不純物領域(LDD領域)とゲート電極
を自己整合的に形成して寄生容量を小さくし、占有面積
を小さくすることができる薄膜トランジスタ、薄膜トラ
ンジスタを用いたC−MOSインバータ回路、及びそれ
らの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 ソース領域3aとチャネル領域3cとの
間に低濃度不純物領域3dが形成され、ドレイン領域3
bとチャネル領域3cとの間に低濃度不純物領域3eが
形成さている。ゲート電極5は、第1サブゲート電極5
aと、第1サブゲート電極を覆うように第1サブゲート
電極上面に固着された第2サブゲート電極5bとから構
成されている。低濃度不純物領域3d,3eは、ゲート
電極5に覆われている。ソース領域3aとゲート電極5
との重なり、並びに、ドレイン領域3bとゲート電極5
との重なりは、無視できる程度に小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示装
置の画素スイッチング素子や駆動回路などに応用される
薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタを用いたC−MO
Sインバータ回路、及びそれらの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶パネルの画素電極ごとに薄膜
トランジスタ(Thin Film Transistor:TFTと称す
る)を備えたアクティブマトリックス型表示基板を用い
た表示装置は、単純マトリックス型表示装置に比べて高
い画質が得られるため盛んに研究されている。
【0003】ところで、ポリシリコン(p−Si)TF
Tの移動度が、非晶質シリコン(a−Si)TFTと比
較して1桁から2桁以上高いことに着目して、画素スイ
ッチング素子としてのTFTと駆動回路を同一ガラス基
板上に形成した、いわゆる駆動回路内蔵型の液晶表示装
置が提案されている。しかしながら、駆動回路を内蔵化
する場合に、p−SiTFTはa−SiTFTやMOS
型電解効果トランジスタに比較してOFF電流が大きい
という欠点を有している。そこで、OFF電流低減のた
め、TFTのソース領域またはドレイン領域の少なくと
も一方の領域に隣接して、低濃度不純物領域(LDD:
Lightly Doped Drain)を設けた薄膜トランジスタの構造
が、特開平5−136417号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
LDD構造のTFTでは、OFF電流を低減することは
できるけれども、ON電流が低下するという新たな問題
が生じる。これは、TFTのゲート電極下のチャネルが
反転するON状態において、比較的高抵抗層である低濃
度不純物領域がチャネル領域に直列に挿入されることに
よりON電流が低下するからである。
【0005】そこで、ON電流の低下を抑えたLDD構
造のTFTが提案されている。〔SID96 DIGEST pp25 :
Samsung 電子(第1従来例と称する)、Euro Display'9
6 pp555 、ASIA Display'95 pp335 : Philips ( 第2従
来例と称する) 〕。
【0006】第1従来例では、図18に示すように、ゲ
ート電極100を覆うようにサブゲート電極101を設
け、サブゲート電極101の下部に低濃度不純物領域1
02a,102b(LDD領域:n−層)を形成した構
造となっている。尚、図18において、103はガラス
基板、104はソース領域(n+層)、105はドレイ
ン領域(n+層)、106はチャネル領域である。この
ようなサブゲート電極101を設けることにより、OF
F時には、サブゲート電極101下の低濃度不純物領域
102a,102bがキャリアの枯渇する高抵抗層とな
るため、OFF電流は低く抑えられる。一方、ON時に
は、低濃度不純物領域102a,102bはキャリアと
なる電子が蓄積して低抵抗領域となるため、ON電流の
減少は起こらない。
【0007】第2従来例は、GOLD(gate-drain oer
lapped lightly-doped drain) 構造のTFTであり、具
体的には図19に示すように、ゲート電極110が低濃
度不純物領域111a,111b(LDD領域:n−
層)を覆う構造となっている。尚、図19において、1
12はガラス基板、113はソース領域(n+層)、1
14はドレイン領域(n+層)、115はチャネル領域
である。このような構造によってもまた、上記第1従来
例と同様に、OFF時には、ゲート電極110下の低濃
度不純物領域111a,111bがキャリアの枯渇する
高抵抗層となるため、OFF電流は低く抑えられる。一
方、ON時には、低濃度不純物領域111a,111b
はキャリアとなる電子が蓄積して低抵抗領域となるた
め、ON電流の減少は起こらない。
【0008】このように、上記第1及び第2従来例は、
OFF電流を低減させると共に、ON電流の減少を招か
ないという利点を有する。しかしながら、第1及び第2
従来例には、以下の問題が存在する。
【0009】(第1従来例の問題点)ON電流の減少を
抑えるためには、サブゲート電極により低濃度不純物領
域をすべて電界制御させる必要がある。ところが、第1
従来例の構造では、サブゲート電極と低濃度不純物領域
との重ね合わせを自己整合的に形成することができな
い。そこで、低濃度不純物領域に対しマスク合わせによ
りサブゲート電極を作成する必要があるが、この際、サ
ブゲート電極とn+層(ソース領域、ドレイン領域)の
合わせマージンを確保する必要がある。従って、寄生容
量が大きくなり、また、合わせマージンを確保する分だ
けTFTの面積が大きくなる。
【0010】(第2従来例の問題点)第2従来例の構造
を、自己整合的に製造することができれば、上記の効果
を達成することができる。ところが、第2従来例では、
メカニズムに関する原理的な記述がなされているに過ぎ
ず、GOLD構造をとるための具体的な製造プロセスに
ついての記述はなされていない。寧ろ、現在の公知技術
から判断すれば、第2従来例の構造を、自己整合的に製
造することは困難であると考えられる。従って、上記第
1従来例と同様な問題を有する。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、OFF電流を抑えるとともにON電流の減少が
なく、低濃度不純物領域(LDD領域)とゲート電極を
自己整合的に形成して寄生容量を小さくし微細化可能な
構成をとるとともに、高い信頼性が得られ、さらに占有
面積を小さくすることができる薄膜トランジスタ、薄膜
トランジスタを用いたC−MOSインバータ回路、及び
それらの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1記載の発明は、チャネル領域
と、チャネル領域の両側に配置されたソース領域及びド
レイン領域とが形成された多結晶シリコン半導体層を有
し、前記チャネル領域の上方には、ゲート絶縁膜を介し
てゲート電極が配置された薄膜トランジスタにおいて、
前記ソース領域とチャネル領域との間、またはドレイン
領域とチャネル領域との間の少なくともいずれか一方
に、不純物濃度がソース領域及びドレイン領域よりも低
い低濃度不純物領域が形成されており、前記ゲート電極
は、第1サブゲート電極と、第1サブゲート電極を覆う
ように第1サブゲート電極上面に固着された第2サブゲ
ート電極とから構成され、前記チャネル領域の両側接合
面がそれぞれ第1サブゲート電極の両端面のほぼ直下に
位置するように、チャネル領域が第1サブゲート電極に
覆われ、前記低濃度不純物領域の両側接合面のうちの、
チャネル領域側の接合面とは反対側の接合面が、前記第
2サブゲート電極の端面のほぼ直下に位置するように、
低濃度不純物領域が第2サブゲート電極に覆われている
ことを特徴とする。
【0013】上記構成により、薄膜トランジスタのOF
F時には、ゲート電極下の低濃度不純物領域がキャリア
の枯渇する高抵抗層となるためOFF電流の低減を図る
ことができる。一方、薄膜トランジスタのON時には、
ゲート電極からの電界の作用により、ゲート電極下の低
濃度不純物領域はキャリアとなる電子が蓄積して低抵抗
領域となる。そのため、ON電流の減少は起こらない。
また、ゲート電極とソース領域、並びに、ゲート電極と
ドレイン領域のそれぞれの重なり部分が殆ど無視できる
程度であるので、寄生容量を極めて小さく抑えることが
可能となり、微細化が可能となり、更に、薄膜トランジ
スタの占有面積を小さくすることができる。また、低濃
度不純物領域により、電界集中の緩和を達成できるの
で、ホットキャリアによる劣化を防止でき、信頼性の向
上を図ることができる。
【0014】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の薄膜トランジスタであって、前記低濃度不純物領域
が、チャネル領域に向かうに連れて不純物濃度が段階的
に低下していく複数の接合領域から構成され、これら複
数の接合領域にそれぞれ対応して複数の第2サブゲート
電極が、設けられ、これら複数の第2サブゲート電極
は、下部に位置する第2サブゲート電極を覆うように、
積み重ねられた構造となっており、前記接合領域の両側
接合面のうちの、不純物濃度が高い側の隣接接合領域と
の接合面が、対応する第2サブゲート電極の端面のほぼ
直下に位置するように、各接合領域が第2サブゲート電
極に覆われていることを特徴とする。
【0015】上記構成の如く、低濃度不純物領域は、チ
ャネル領域に向かうに連れて不純物濃度が段階的に低下
していく複数の接合領域により構成されているので、ソ
ース領域からチャネル領域に向けて、或いはドレイン領
域からチャネル領域に向けて、それぞれ不純物濃度が多
段階的に変化する。よって、低濃度不純物領域が1種類
の不純物濃度に設定されている場合に比べて、半導体層
での電界集中をより緩和することが可能となる。
【0016】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
請求項2記載の薄膜トランジスタであって、前記低濃度
不純物領域が、ドレイン領域とチャネル領域との間にの
み形成されていることを特徴とする。
【0017】低濃度不純物領域を設けるのは、本来的に
はドレイン領域に作用する電界を緩和するためであり、
かかる観点からすれば、ドレイン領域とチャネル領域の
双方に低濃度不純物領域を設ける必要はない。そこで、
ドレイン領域とチャネル領域との間にのみ低濃度不純物
領域を形成すれば、OFF電流の低減等の効果を奏する
と共に、薄膜トランジスタの面積を小さくすることが可
能となる。
【0018】また請求項4記載の発明は、C−MOSイ
ンバータ回路であって、pチャネル薄膜トランジスタと
nチャネル薄膜トランジスタのうち、少なくともnチャ
ネル薄膜トランジスタを、前記請求項1又は請求項2に
記載の薄膜トランジスタで構成したことを特徴とする。
【0019】少なくともnチャネル薄膜トランジスタを
請求項1又は請求項2に記載の薄膜トランジスタで構成
するのは、以下の理由による。即ち、pチャネル薄膜ト
ランジスタのキャリアであるホールと、nチャネル薄膜
トランジスタのキャリアである電子の各移動度を比較す
ると、電子の方が格段に大きい。従って、pチャネルト
ランジスタとnチャネルトランジスタとに、同じ電界が
印加された場合、nチャネルトランジスタの方がキャリ
アにって受ける衝撃が大きく、そのためnチャネルトラ
ンジスタの方が劣化し易い。よって、ドレイン領域での
電界集中を緩和して、トランジスタの劣化を防止して信
頼性の向上を図る観点からすると、nチャネルトランジ
スタの方をLDD構造とするのが望ましいからである。
【0020】また請求項5記載の発明は、C−MOSイ
ンバータ回路であって、pチャネル薄膜トランジスタと
nチャネル薄膜トランジスタのうち、少なくともnチャ
ネル薄膜トランジスタを、前記請求項3に記載の薄膜ト
ランジスタで構成したことを特徴とする。
【0021】少なくともnチャネル薄膜トランジスタを
請求項3記載の薄膜トランジスタで構成するのは、以下
の理由による。例えば、nチャネルトランジスタとpチ
ャネルトランジスタから構成されるトランスファゲート
回路のような場合には、入力側あるいは出力側から見る
と、チャネル領域の両側に配置された高濃度不純物領域
(n+層)は、それぞれドレイン領域として機能した
り、ソース領域として機能したりして、常に固定的に定
まっていない。ところが、C−MOSインバータ回路で
は、nチャネルトランジスタにおいては、マイナス側の
電源に対しゲート電極の極性は常に0Vより高い電圧で
動作する。したがってマイナス側の電源は常にn−ch
TFTのソース電極となって作用し、出力側は常にドレ
イン電極となって作用する。従って、常にソース−ドレ
イン領域が固定されている。一方、本来的には、低濃度
不純物領域を設けるのは、OFF電流の低減を図るため
である。このためには、ドレインにかかる電界を緩和す
ることが必要である。従って、かかる観点からすれば、
本来的にはソース領域及びドレイン領域の双方に、低濃
度不純物領域を設ける必要はない。よって、C−MOS
インバータ回路のnチャネルトランジスタのドレイン領
域側に低濃度不純物領域を設けることにより、C−MO
Sインバータ回路のアレイ基板に占める面積を小さくで
き、寄生容量の減少をも図ることができる。
【0022】また請求項6記載の発明は、チャネル領域
と、チャネル領域の両側に配置されたソース領域及びド
レイン領域とが形成された多結晶シリコン半導体層を有
し、前記チャネル領域の上方には、ゲート絶縁膜を介し
てゲート電極が配置された薄膜トランジスタの製造方法
であって、基板上に多結晶シリコン半導体層を形成する
工程と、多結晶シリコン半導体層の所定領域に不純物を
ドープする第1の不純物ドープ工程と、前記第1の不純
物ドープ工程により、不純物がドープされた半導体領域
上に金属の遮蔽膜を形成し、この状態で不純物をドープ
して、金属遮蔽膜の下部領域とそれ以外の領域で不純物
濃度差が存在するようにして、ソース領域とチャネル領
域との間、またはドレイン領域とチャネル領域との間の
少なくともいずれか一方に、不純物濃度がソース領域及
びドレイン領域よりも低い低濃度不純物領域を形成する
第2の不純物ドープ工程と、を有することを特徴とす
る。
【0023】上記構成により、自己整合的にソース領
域、低濃度不純物領域、チャネル領域、ドレイン領域を
形成することができる。また、2回目のドーピングの遮
蔽が金属膜となるため、レジスト膜あるいは絶縁膜等で
遮蔽した場合と比較して、金属膜の遮蔽能が高いため、
最初にドーピングされた部分が2回目のドーピングによ
りダメージを受けることがなく、特性の向上が図れる。
尚、第1の不純物ドープ工程においては、多結晶シリコ
ン半導体層上にレジストを形成し、このレジストをマス
クとして不純物をドープしてもよく、また、多結晶シリ
コン半導体層上に金属層(第1サブゲート電極に相当)
を形成し、この金属層をマスクとして不純物をドープし
てもよい。また、基板はガラス基板であってもよく、ま
た、石英基板であってもよい。尚、第1及び第2の不純
物ドープ工程では、イオンドーピング法によってもよ
く、またイオンドーピング装置で発生した水素イオンを
予め磁場で補足するようにしてもよい。
【0024】また請求項7記載の発明は、請求項6記載
の薄膜トランジスタの製造方法であって、前記第1の不
純物ドープ工程では、第1サブゲート電極を多結晶シリ
コン半導体層上に形成し、この第1サブゲート電極をマ
スクとして、不純物をドープし、前記第2の不純物ドー
プ工程では、前記第1サブゲート電極上を覆って第2サ
ブゲート電極を形成し、この第2サブゲート電極をマス
クとして、不純物をドープすることを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、第1サブゲート電極の
直下にチャネル領域を形成し、第2サブゲート電極の第
1サブゲート電極から突出した部分の直下に低濃度不純
物領域を形成することができる。このため、薄膜トラン
ジスタがON状態になった場合、低濃度不純物領域では
キャリアとなる電子が蓄積し低抵抗領域となる。よっ
て、ON電流の減少が起こらない。また、第1及び第2
の不純物ドープ工程において、チャネル領域が常に金属
層で遮蔽される構成となるため、チャネル領域中に水素
などが注入されることがなく、特性の安定化が図れる。
【0026】また請求項8記載の発明は、請求項6又は
請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記第2の不純物ドープ工程を複数回行って、前記低濃
度不純物領域が、チャネル領域に向かうに連れて不純物
濃度が段階的に低下していく複数の接合領域を形成する
工程を有することを特徴とする。
【0027】上記構成により、ソース領域からチャネル
領域に向けて、或いはドレイン領域からチャネル領域に
向けて、それぞれ不純物濃度が多段階的に変化する低濃
度不純物領域が形成される。これにより、半導体層での
電界集中をより緩和することが可能となり、ホットキャ
リアによる特性劣化のない薄膜トランジスタが得られ
る。
【0028】また請求項9記載の発明は、請求項6乃至
8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法であ
って、前記多結晶シリコン半導体層を形成する工程が、
ガラス基板上に非晶質シリコン層を形成し、この非晶質
シリコン層をレーザーアニールにより溶融再結晶化して
多結晶シリコン半導体層を形成することを特徴とする。
【0029】上記構成により、高移動度の薄膜トランジ
スタを作成することが可能となる。
【0030】また請求項10記載の発明は、請求項6乃
至8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法で
あって、前記多結晶シリコン半導体層を形成する工程
が、気相成長法を用いてガラス基板上に多結晶シリコン
半導体層を直接形成することを特徴とする。
【0031】上記構成により、さほど高い移動度を必要
としない小型の液晶パネルに適用される薄膜トランジス
タを作製することができる。
【0032】また請求項11記載の発明は、請求項6乃
至8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法で
あって、前記多結晶シリコン半導体層を形成する工程
が、触媒法を用いてガラス基板上に多結晶シリコン半導
体層を直接形成することを特徴とする。
【0033】上記構成の如く、触媒法を用いることによ
っても、多結晶シリコン半導体層を形成することができ
る。特にニッケルなどの触媒を用いた場合は、レーザー
アニール法に比べて、特性面において同等或いはそれ以
上の多結晶シリコン半導体層を形成することも可能であ
る。
【0034】また請求項12記載の発明は、請求項6乃
至12のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法
であって、前記第1の不純物ドープ工程では、加速電圧
を10kV以上、30kV以下とし、ビーム電流密度を
0.05μA/cm2 以上、1μA/cm2 以下とした
低速イオンドーピング法を用いて不純物をドープするこ
とを特徴とする。
【0035】上記構成によれば、イオンドーピング時で
のイオンの加速電圧が低いために、ドーピング時におけ
る半導体層の損傷を少なくすることができる。また、仮
に、一回目の不純物ドーピング時でレジストをマスクと
した場合でも、レジストが変質することなくきれいに除
去できる。
【0036】また請求項13記載の発明は、請求項6乃
至13のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法
であって、前記第2の不純物ドープ工程では、加速電圧
を30kV以上とし、ビーム電流密度を1μA/cm2
以上とした高速イオンドーピング法を用いて不純物をド
ープすることを特徴とする。
【0037】上記構成によれば、2回目のイオンドーピ
ング時でも十分なイオンを多結晶シリコン半導体層に注
入することが可能となる。尚、高速イオンドーピングを
用いる場合は、2回目の不純物ドーピングのマスクは金
属膜とすることが望ましい。
【0038】また請求項14記載の発明は、nチャネル
トランジスタとpチャネルトランジスタとから構成され
るC−MOSインバータ回路の製造方法において、基板
上に、nチャネル薄膜トランジスタ用の多結晶シリコン
半導体層と、pチャネル薄膜トランジスタ用の多結晶シ
リコン半導体層とを形成する工程と、前記基板上に、前
記2つの多結晶シリコン半導体層を覆うように、第1金
属層を形成し、この第1金属層を所定形状にエッチング
して、前記nチャネルトランジスタ用多結晶シリコン半
導体層上に第1サブゲート電極を形成すると共に、前記
pチャネルトランジスタ用多結晶シリコン半導体層を完
全に覆う第1遮蔽層を形成する工程と、前記第1サブゲ
ート電極及び前記第1遮蔽層をマスクとして、ドナーと
なる不純物をドープする第1の不純物ドープ工程と、前
記第1遮蔽層を所定形状にエッチングしてpチャネルト
ランジスタのゲート電極を形成すると共に、nチャネル
トランジスタ領域を完全にレジストで覆い、この状態で
前記ゲート電極及びレジストをマスクとして、アクセプ
タとなる不純物をドープする第2の不純物ドープ工程
と、前記nチャネルトランジスタ領域を覆うレジストを
除去した後、第1サブゲート電極を覆うように第2サブ
ゲート電極を第1サブゲート電極上面に形成すると共
に、pチャネル薄膜トランジスタ領域を完全にレジスト
で覆い、この状態で、前記第2サブゲート電極及びレジ
ストをマスクとして、ドナーとなる不純物をドープする
第3の不純物ドープ工程と、を有することを特徴とす
る。
【0039】上記構成によれば、自己整合的なLDD構
造のnチャネルトランジスタを有すC−MOSインバー
タ回路が得られる。
【0040】また請求項15記載の発明は、請求項14
記載のC−MOSインバータ回路の製造方法であって、
前記第3の不純物ドープ工程において、nチャネル薄膜
トランジスタ領域を覆うレジストを除去した後、第1サ
ブゲート電極材料と選択エッチング可能な材料から成る
第2金属層を基板全面に形成し、この第2金属層を所定
形状にエッチングして、前記nチャネルトランジスタの
第1サブゲート電極を覆うように第2サブゲート電極を
第1サブゲート電極上面に形成すると共に、前記pチャ
ネルトランジスタ用多結晶シリコン半導体層を完全に覆
う第2遮蔽層を形成し、この状態で前記第2サブゲート
電極及び第2遮蔽層をマスクとして、ドナーとなる不純
物をドープし、この第3の不純物ドープ工程後に、前記
第2遮蔽層をエッチングにより除去することを特徴とす
る。
【0041】上記構成によれば、第3の不純物ドープ工
程後に、前記第2遮蔽層をエッチングにより除去する際
に、第2遮蔽層(第2金属層)が、pチャネルトランジ
スタのゲート電極(第1金属層)と選択エッチング性が
あるため、pチャンネルトランジスタに損傷を与えるこ
とがない。また、第2金属層が第1金属層と選択エッチ
ング性があるため、第2サブゲート電極を第1サブゲー
ト電極の一方側のみを覆うように形成することが可能と
なる。これにより、第2サブゲート電極をマスクした不
純物のドーピングにより、例えばドレイン領域側のみに
低濃度不純物領域を設けるようにすることが可能とな
る。なぜなら、第2金属層が第1金属層と選択エッチン
グ性がない場合(例えば同一材料である場合)には、仮
に、第1サブゲート電極上の第2金属層を第2サブゲー
ト電極形状にエッチングすると、第1サブゲート電極が
同時にエッチングされることになるため、第2サブゲー
ト電極は第1サブゲート電極を完全に覆う(第1サブゲ
ート電極の上面から両側を包み込むように覆う)構造を
とる必要がある。よって、第2サブゲート電極が第1サ
ブゲート電極を完全に覆う構造であれば、第2サブゲー
ト電極をマスクとして使用して不純物のドーピングによ
り、例えばドレイン領域側のみに低濃度不純物領域を設
けるようにすることは不可能となるからである。
【0042】更に、第2金属層が第1金属層と選択エッ
チング性があれば、第1サブゲート電極と第2サブゲー
ト電極のパターニング精度の観点からも好ましい。
【0043】また請求項16記載の発明は、請求項13
又は請求項15記載のC−MOSインバータ回路の製造
方法であって、前記第3の不純物ドープ工程を複数回行
って、前記低濃度不純物領域が、チャネル領域に向かう
に連れて不純物濃度が段階的に低下していく複数の接合
領域を形成する工程を有することを特徴とする。
【0044】上記構成によれば、ソース領域からチャネ
ル領域に向けて、或いはドレイン領域からチャネル領域
に向けて、それぞれ不純物濃度が多段階的に減少する薄
膜トランジスタを有するC−MOSインバータ回路が得
られる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0046】(実施の形態1) (薄膜トランジスタの構成)図1は実施の形態1に係る
薄膜トランジスタの簡略化した断面図である。本実施の
形態1では、本発明をnチャネル薄膜トランジスタに適
用した例が示されている。この薄膜トランジスタ(以
下、TFTと称する)1は、ガラス基板2上に、膜厚が
500Åの多結晶シリコン層3、膜厚が1000ÅのS
iO2 (二酸化シリコン)から成るゲート絶縁層4、ア
ルミニウムから成るゲート電極5、及びSiO2 から成
る層間絶縁層6が、順に積層されて構成されている。前
記ゲート電極5は、第1サブゲート電極5aと、該第1
サブゲート電極5aの上面を覆って形成されている第2
サブゲート電極5bとから構成されている。また、前記
多結晶シリコン層3は、第1サブゲート電極5aの直下
に位置するチャネル領域3cと、不純物濃度が高いソー
ス領域3a(n+層)と、不純物濃度が高いドレイン領
域(n+層)3bと、不純物濃度が低い低濃度不純物領
域(LDD領域:n−層)3d,3eとから構成されて
いる。低濃度不純物領域3dは、ソース領域3aとチャ
ネル領域3cとの間に介在し、低濃度不純物領域3e
は、ドレイン領域3bとチャネル領域3cとの間に介在
している。これら低濃度不純物領域3d,3eは、第2
サブゲート電極5bの第1サブゲート電極5aからはみ
出た部分5b1 ,5b2 の直下に位置している。従っ
て、低濃度不純物領域3dとソース領域3aとの接合面
は、第2サブゲート電極5bの端面(図1の左側端面)
とほぼ一致しており、低濃度不純物領域3dとチャネル
領域3cとの接合面は、第1サブゲート電極5aの端面
(図1の左側端面)とほぼ一致している。また、低濃度
不純物領域3eとドレイン領域3bとの接合面は、第2
サブゲート電極5bの端面(図1の右側端面)とほぼ一
致しており、低濃度不純物領域3dとチャネル領域3c
との接合面は、第1サブゲート電極5aの端面(図1の
右側端面)とほぼ一致している。また、TFT1には、
さらに、例えばアルミニウムから成るソース電極7及び
ドレイン電極8が設けられており、ソース電極7は、ゲ
ート絶縁層4及び層間絶縁層6に形成されているコンタ
クトホール9aを介して、ソース領域3aに接続され、
また、ドレイン電極8は、ゲート絶縁層4及び層間絶縁
層6に形成されているコンタクトホール9bを介して、
ドレイン領域3bに接続されている。
【0047】(薄膜トランジスタのの製造方法)図2は
TFT1の製造方法を示すフローチャートである。図2
を参照して、TFT1の製造方法について説明する。
【0048】(1)先ず、プラズマCVD法あるいは減
圧CVD法により、ガラス基板2上に膜厚が500Åの
a−Si層15を堆積させ、次いで400℃で脱水素処
理を行なう(図2(a))。この脱水素処理は、結晶化
を行う際に水素の脱離によるSi膜のアブレーションの
発生を防ぐことを目的としている。
【0049】(2)次いで、波長308nmのエキシマ
レーザーを用いたレーザーアニールによりa−Si層1
5の溶融再結晶化(p−Si化)を行ない、多結晶シリ
コン層16を形成する。((図2(b))。
【0050】(3)次いで、多結晶シリコン層16を所
定形状に島化して、多結晶シリコン層3を形成する(図
2(c))。
【0051】(4)次いで、ガラス基板2上に、多結晶
シリコン層3を覆うようにして、ゲート絶縁層4とな
る、厚さが1000ÅのSiO2(二酸化シリコン) 層
を、形成する(図2(d))。
【0052】(5)次いで、第1サブゲート電極5aと
なる、アルミニウムから成る第1金属層17を製膜する
(図2(e))。
【0053】(6)次いで、金属層17を所定形状にパ
ターニングして第1サブゲート電極5aを形成する(図
2(f))。
【0054】(7)次いで、第1サブゲート電極5aを
マスクとして使用し、第1回目の不純物のドープを行な
う(図2(g))。具体的にはイオンドーピング法によ
り不純物としてリンイオンをドーピングする。これによ
り、第1サブゲート電極5aの直下に位置するチャネル
領域3cは、不純物がドープされない領域となる。そし
て、多結晶シリコン層3のチャネル領域3cを除く領域
A,Bは、不純物がドープされたn−層となる。
【0055】(8)次いで、第1サブゲート電極5aを
覆って、アルミニウムから成る第2金属層18を製膜す
る(図2(h))。
【0056】(9)次いで、第2金属層18をパターニ
ングして第2サブゲート電極5bを形成する(図3
(a))。
【0057】(10)次いで、第2サブゲート電極5b
をマスクとして使用し、第2回目の不純物のドープを行
なう(図3(b))。具体的にはイオンドーピング法に
より不純物としてリンイオンをドーピングする。これに
より、多結晶シリコン層3のうち、第2サブゲート電極
5bの直下に位置する領域を除く領域にイオンがドープ
される。よって、1回目のイオンドーピングにより不純
物が既にドープされている領域A,Bのうち、第2サブ
ゲート電極5bに覆われていない領域(ソース領域3
a、ドレイン領域3bに相当する)では、さらに不純物
がドープされることになり、不純物高濃度領域(n+
層)となる。一方、領域A,Bのうち、第2サブゲート
電極5bに覆われている領域(低濃度不純物領域3d,
3eに相当する)では、2回目のイオンドーピングによ
っては、不純物がドープされず、低濃度不純物領域(n
−層)となる。こうして、ソース領域3a(n+層)と
チャネル領域3cの間に、低濃度不純物領域3d(n−
層)を形成し、また、ドレイン領域3b(n+層)とチ
ャネル領域3cの間に、低濃度不純物領域3e(n−
層)を形成することができる。しかも、第1サブゲート
電極5aをマスクとして第1回目のイオンドーピングを
行ない、更に、第2サブゲート電極5bをマスクとして
第2回目のイオンドーピングを行なうので、ソース領域
3a、低濃度不純物領域3d,3e及びドレイン領域3
bを自己整合的に形成することができ、ゲート電極5と
ソース領域3aの重なり部分、並びにゲート電極5とド
レイン領域3bの重なり部分を、考慮にいれない程度に
小さく抑えることができる。よって、寄生容量を小さく
抑え、OFF電流を低くすることができると共に、ON
電流の低下を可及的に抑えることができる。
【0058】(11)次いで、層間絶縁層(SiOx )
6を製膜する(図3(c))。
【0059】(12)次いで、、層間絶縁層6及びゲー
ト絶縁層4にコンタクトホール9a,9bを開口する
(図3(d))。
【0060】(13)そして、スパッタ法により、例え
ばAlなどの金属層をコンタクトホール9a,9bに充
填し、金属層の上部を所定形状にパターニングしてソー
ス電極7及びドレイン電極8を形成する(図3
(e))。こうして、TFT1が作製される。
【0061】上記の例では、nチャネルTFTについて
説明したけれども、pチャネルTFTについても同様の
製造プロセスにより製造することができる。
【0062】次に、上記製造プロセスにより作成したT
FT1の電圧/電流特性を図4に示す。図4において、
ラインL1は従来の通常(LDD構造でない)TFTの
電圧/電流特性を示し、ラインL2は従来のLDD構造
のTFTの電圧/電流特性を示し、ラインL3は本実施
の形態に係るTFTの電圧/電流特性を示す。尚、図4
において、Vg >0でラインL1とラインL3とは、重
なっている。図4のラインL1とラインL2とから明ら
かなように、従来構造のTFTでは、LDD構造とする
ことにより、OFF電流を低下させることができる。し
かしながら、LDD構造とすることにより、却って、O
N電流が低下することになる。一方、ラインL3から明
らかなように、本実施の形態では、OFF電流の低下を
実現でき、しかも、ON電流の低下を招かない。このよ
うに、本実施の形態のTFTが、LDD構造でありなが
ら、上記効果を奏するのは、以下の理由による。即ち、
本実施の形態のTFTでは、高抵抗領域である低濃度不
純物領域がゲート電極下に位置するために、飽和領域並
びに不飽和領域において、低濃度不純物領域、チャネル
領域ともに、キャリアである電子が蓄積するため、ON
電流の低下が発生しないからである。
【0063】このような構造において、各ゲートバイア
ス状態のTFT1内部のキャリア分布並びに、チャネル
領域、低濃度不純物領域及びドレイン領域におけるエネ
ルギーバンドを図5に示す。この図5を参照して、OF
F電流が低下し、ON電流が低下しない理由を詳述す
る。ゲート電極に電圧を印加しない状態(Vg=0V)
においてはチャネル領域(真性層)、低濃度不純物領域
(n−層)及びドレイン領域(n+層)のフェルミレベ
ルは一致している(図5(a))。ゲート電極に負の電
圧(Vg<0)を印加した状態では通常のLDD構造と
同様に低濃度不純物領域が存在するために、チャネル領
域とドレイン領域間のトンネリングによるリーク電流は
小さい(図5(b))。これに対し低濃度不純物領域が
存在しない構成においては急激にチャンネル領域とドレ
イン領域の接合部に電界が集中し、チャネル領域からド
レイン領域に電子のトンネリングが発生しリーク電流が
大きい(図5(b’))。このように、本発明における
TFTでは、OFF時のリーク電流が小さく、従って、
従来例に比べてOFF電流を格段に低下させることがで
きる。一方、ゲート電極が正の電圧(Vg>0V)の状
態ではチャネル領域及び低濃度不純物領域共に電子が誘
起されるためソース−ドレイン間には高抵抗領域がな
く、誘起された電子がキャリアとなってソース−ドレイ
ン間の電界に引かれて電流が流れる(図5(c))。従
って、ON電流が低下することがない。
【0064】こうして、本発明に係るTFTでは、OF
F電流を低減でき、しかもON電流の低下を抑えること
ができる。
【0065】(実施の形態2)図6は本発明に係る薄膜
トランジスタを用いたC−MOSインバータの配線パタ
ーンを示す平面図であり、図7はその等価回路図であ
り、図8は図6の矢視X−X’断面図である。C−MO
Sインバータ21は、例えば液晶表示装置の駆動回路を
構成する。このC−MOSインバータ21は、nチャネ
ルTFT22とpチャネルTFT23とから構成されて
いる。nチャネルTFT22は、上記実施の形態1のn
チャネルTFT1と同様の構成を有しており、対応する
部分には同一の参照符号を付す。
【0066】pチャネルTFT23は、LDD構造でな
い通常タイプのTFTである。即ち、TFT23は、ガ
ラス基板2上に、多結晶シリコン層24、SiO2 (二
酸化シリコン)から成るゲート絶縁層4、アルミニウム
から成るゲート電極25、及びSiO2 から成る層間絶
縁層6が、順に積層されて構成されている。多結晶シリ
コン層24は、ゲート電極25の直下に位置するチャネ
ル領域24c、チャネル領域24cの両側に配置される
ソース領域24a(p+層)及びドレイン領域24b
(p+層)とから構成されている。さらに、このTFT
23には、例えばアルミニウムから成るソース電極26
及びドレイン電極27が設けられている。ソース電極2
6は、ゲート絶縁層4及び層間絶縁層6に形成されてい
るコンタクトホール28aを介して、ソース領域24a
に接続されている。また、ドレイン電極27は、ゲート
絶縁層4及び層間絶縁層6に形成されているコンタクト
ホール28bを介して、ドレイン領域24bに接続され
ている。そして、nチャネルTFT22のゲート電極5
及びpチャネルTFT23のゲート電極25は、図6及
び図7に示すように入力端子30に共通に接続されてい
る。また、nチャネルTFT22のドレイン電極8及び
pチャネルTFT23のドレイン電極27は、図6及び
図7に示すように出力端子31に共通に接続されてい
る。
【0067】(C−MOSインバータ回路の作製)図9
はC−MOSインバータ回路の製造工程を示すフローチ
ャートであり、図10及び図11はインバータ回路の製
造工程を示す断面図である。図9及び図10を参照しな
がら、本実施の形態に係るインバータの製造方法につい
て、以下に説明する。
【0068】(1)a−Si堆積工程(図9のステップ
S1) ガラス基板上31に後に多結晶シリコンとなる前駆体で
あるa−Si層32を膜厚500Åとなるように、プラ
ズマCVDを用いて形成する(図10(a))。尚、a
−Si層32を形成する工程としては、プラズマCVD
以外でも、減圧CVDやスパッタなどのプロセスを用い
ることは可能である。また、プラズマCVD法あるいは
その他の方法を用いてポリシリコン膜を、ガラス基板3
1上に直接堆積するようにしてもよく、このようにすれ
ば、後に述べるレーザーによるアニール工程が不要とな
る。
【0069】(2)脱水素およびエキシマレーザー照射
工程(図9のステップS2) 400℃で脱水素処理を行い、次いで、波長308nm
のエキシマレーザーによりレーザー光を上記a−Si層
32に照射し、溶融再結晶化を行ない多結晶シリコン層
33を形成する(図10(b))。
【0070】(3)多結晶シリコン層33のパターンニ
ング工程(図9のステップS3) 上記多結晶シリコン層33を、nチャネルTFTとして
必要とされ多結晶シリコン層3と、pチャネルTFTと
して必要とされ多結晶シリコン層24とにパターンニン
グする(図10(c))。
【0071】(4)ゲート絶縁層(SiO2)堆積工程
(図9のステップS4) 上記パターンニングされた多結晶シリコン層3,24を
覆ってゲート絶縁膜4となる酸化シリコンを減圧CVD
法で膜厚が1000Åとなるようにして積層する(図1
0(d))。
【0072】(5)第1ゲート電極(Al)の堆積及び
パターンニング工程(図9のステップS5) Alから成る第1金属層39を1000Åの膜厚でスパ
ッタ法により全面に形成した後、第1金属層39をパタ
ーンニングして、第1サブゲート電極5a及び多結晶シ
リコン層24を完全に遮蔽する第1遮蔽膜40を形成す
る。(図10(d))。
【0073】(6)リンイオンドーピング工程(図9の
ステップS6) 上記第1のゲート電極5aをマスクとして、イオンドー
ピング法を用いてリンイオンをドーピングする(図10
(e))。これにより、nチャネルTFT22側では、
第1サブゲート電極5aの直下に位置するチャネル領域
3cは、不純物がドープされない領域となる。そして、
多結晶シリコン層3のチャネル領域3cを除く領域A,
Bは、不純物がドープされたn−層となる。一方、pチ
ャネルTFT23側では、第1遮蔽膜40によって覆わ
れているため、多結晶シリコン層24には不純物がドー
プされない。 (7)pチャンネルゲート電極形成およびボロンイオン
ドーピング工程(図9のステップS7) 前記第1遮蔽膜40をpチャネルTFT23のゲート電
極25の形状にパターンニングした後、先に形成された
n型の不純物領域上に、レジスト膜41を形成する。そ
して、このような状態でイオンドーピング法を用いてボ
ロンイオンをドーピングする(図10(g))。これに
より、nチャネルTFT22側では、レジスト膜41に
よって覆われているため、多結晶シリコン層3には不純
物がドープされない。一方、pチャネルTFT23側で
は、ゲート電極25がマスクとして作用するため、ゲー
ト電極25の直下に位置するチャネル領域24cは、不
純物がドープされない領域となる。そして、多結晶シリ
コン層24のチャネル領域24cを除く領域に、不純物
がドープされ、ソース領域24a(p+層)及びドレイ
ン領域24b(p+層)が形成されることになる。しか
も、ゲート電極25をマスクとしてイオンをドーピング
するようにしているため、チャネル領域25c、ソース
領域25a及びドレイン領域25bを、自己整合的に形
成することができる。尚、ドーピング処理後、レジスト
膜41を除去する。
【0074】(8)第2ゲート電極(Ta)の堆積及び
パターンニング工程(図9のステップS8) レジスト膜42を全面に塗布する。次いで、nチャンネ
ルTFT22の第1サブゲート電極5a上のレジスト膜
42を除去した後、第2サブゲート電極5bとなるタン
タル(Ta)から成る第2金属層43を、レジスト膜4
2及び第1サブゲート電極5aを覆うように形成する
(図11(a))。そして、レジスト膜42をリフトオ
フして、第2金属層43を第2サブゲート電極5bとな
るように所定形状にパターンニングする(図11
(b)。
【0075】このように、第2金属層(第2サブゲート
電極)と第1金属層(第1サブゲート電極)とが選択エ
ッチング性を有する材料とすることにより、第2金属層
のエッチングにより第1金属層(第1サブゲート電極)
が影響を受けないため、パターニング精度向上を図るこ
とができる。
【0076】また、レジスト膜42を省略して、第2金
属層を全面に形成した後に、この第2金属層をエッチン
グして、第2サブゲート電極及びpチャネルTFT23
を完全に覆う第2遮蔽膜を形成して、この状態で後述す
るリンイオンのドーピングを行なうようにしてもよい。
このような場合に、第2金属層と第1金属層とが選択エ
ッチング性を有すると(例えば第1サブゲート電極5a
をアルミニウム(Al)とし、第2サブゲート電極5b
をクロム(Cr)あるいはタンタル(Ta)とする場
合)、pチャネルTFT23側の第2遮蔽膜を、ゲート
電極25に影響を与えることなく、エッチングにより除
去することが可能となる。
【0077】更に、第2金属層と第1金属層とが選択エ
ッチング性を有すると、nチャネルTFT22側におい
て、第2金属層をエッチングにより、第2サブゲート電
極えbが第1サブゲート電極5aのドレイン側のみ覆う
ようにすることが可能となる。よって、後述する実施の
形態6のように、ドレイン領域側のみ低濃度不純物領域
化することも可能となる。
【0078】勿論、本実施の形態に示す方法であれば、
第1金属層と第2金属層とを同一材料(例えばアルミニ
ウム)とするようにしても、特性の劣化を招くことなく
C−MOSインバータ回路を製造することができる。
【0079】(9)リンイオンドーピング工程(図9の
ステップS9) nチャネルTFT22上の第2サブゲート電極5b及び
pチャネル23上のレジスト膜42をマスクして、イオ
ンドーピング法を用いてリンイオンを再度ドーピングす
る(図11(b))。これにより、nチャネルTFT2
2側では、多結晶シリコン層3のうち、第2サブゲート
電極5bの直下に位置する領域を除く領域にイオンがド
ープされる。よって、1回目のリンイオンのドーピング
により不純物が既にドープされている領域A,Bのう
ち、第2サブゲート電極5bに覆われていない領域(ソ
ース領域3a、ドレイン領域3bに相当)では、さらに
不純物がドープされることになり、不純物高濃度領域
(n+層)となる。一方、領域A,Bのうち、第2サブ
ゲート電極5bに覆われている領域(低濃度不純物領域
3d,3eに相当する)では、2回目のリンイオンのド
ーピングによっては、不純物がドープされず、低濃度不
純物領域(n−層)となる。こうして、ソース領域3a
(n+層)とチャネル領域3cの間に、低濃度不純物領
域3d(n−層)を形成し、また、ドレイン領域3b
(n+層)とチャネル領域3cの間に、低濃度不純物領
域3e(n−層)を形成することができる。しかも、第
1サブゲート電極をマスクとして1回目のイオンドーピ
ングを行ない、さらに第2サブゲート電極をマスクとし
て2回目のイオンドーピングを行なうので、ソース領域
3a、接合領域3d,3e及びドレイン領域3bを自己
整合的に形成することができる。従って、ゲート電極5
とソース領域3aの重なり部分、並びにゲート電極5と
ドレイン領域3bの重なり部分を、考慮にいれない程度
に小さく抑えることができる。よって、寄生容量を小さ
く抑え、OFF電流を低くすることができると共に、O
N電流の低下を可及的に抑えることができる。
【0080】(10)層間絶縁膜(SiO2)堆積工程
(図9のステップS10) 層間絶縁層(SiOx )6を製膜する。
【0081】(11)コンタクトホール形成及びソース
電極、ドレイン電極形成工程(図9のステップS11) 活性化アニール後コンタクトホール9a,9b,28
a,28bを開口して、ソース電極7,26、ドレイン
電極8,27を形成する。
【0082】こうして、自己整合的構造で、且つ低濃度
不純物領域を有するnチャネルTFT22と、自己整合
的構造のpチャネルTFT23とを有するC−MOSイ
ンバータ21が作製される。よって、寄生容量がすくな
く、占有面積の小さいC−MOSインバータ回路を実現
することができる。
【0083】この実施の形態2においては、nチャネル
TFT側のみをLDD構造としたけれども、nチャネル
TFT及びpチャネルTFTの両者ともLDD構造とす
るようにしてもよい。但し、アレイ基板に占める回路面
積を小さく抑えるために、nチャネルTFT及びpチャ
ネルTFTのいずれか一方のみをLDD構造とする場合
には、nチャネルTFT側とするのが望ましい。なぜな
ら、pチャネルTFTのキャリアであるホールと、nチ
ャネルTFTのキャリアである電子の各移動度を比較す
ると、電子の方が格段に大きい。従って、pチャネルT
FTとnチャネルTFTとに、同じ電界が印加された場
合、nチャネルTFTの方がキャリアによって受ける衝
撃が大きく、そのためnチャネルTFTの方が劣化し易
い。よって、TFTの劣化を防止して信頼性の向上を図
る観点からすると、nチャネルTFTの方をLDD構造
とするのが望ましいからである。
【0084】(実施の形態3)図12は本発明に係る実
施の形態3の製造方法の工程を示すフローチャートであ
る。この実施の形態3の製造方法は、実施の形態2の製
造方法と類似し、対応するステップには、同一の参照符
号を付す。実施の形態3では、実施の形態2のステップ
S1,S2に代えて、ステップm1の処理がなされる。
即ち、ステップm1では、多結晶シリコン層を形成する
工程を、半導体層である多結晶シリコン層をCVD法を
用いて直接形成することを特徴とする。具体的な製造方
法としては、プラズマ発振周波数が27.12MHz以
上ののプラズマ源を使用する。このようにプラズマ源を
27.1MHzあるいはそれ以上とすることにより原料
ガスの分解効率が上がり、これによりSiのネットワー
ク形成において広範囲での規則性が増し、多結晶シリコ
ン化するものと予想される。これによりTFTの移動度
は20cm2 /V・sec程度と実施の形態2に比較し
て低いが、レーザーアニール等の工程が必要ではないの
でプロセスコストを低く押さえることができる。
【0085】尚、レーザーアニール法を使わずにCVD
法で直接薄膜を形成する方法としては、上記の高周波プ
ラズマ源を用いる方法以外にニッケル(Ni)、パラジ
ウム(Pd)などの触媒を用いて形成してもよい。ま
た、パラジウム(Pd)の薄膜を種結晶としてプラズマ
CVD法により形成するようにしてもよい。
【0086】(実施の形態4)図13は本発明に係る実
施の形態4の製造方法の工程を示すフローチャートであ
る。この実施の形態4の製造方法は、実施の形態2の製
造方法と類似し、対応するステップには、同一の参照符
号を付す。実施の形態4では、実施の形態2と異なり、
ステップS6において、第1ゲート電極を遮蔽膜として
イオンドーピング法を用いてリンイオンを半導体中にド
ーピングする際に、不純物ドーピングは加速電圧を10
kV以上30kV以下、及びビーム電流密度が0.05
μA/cm2 以上1μA/cm2 以下の低速でのイオン
ドーピング法を用いる。このような方法であれば、イオ
ンドーピング時でのイオンの加速電圧が低いため、ドー
ピングによる多結晶シリコン層の損傷を少なくすること
ができる。また、第1回目の不純物ドーピング時におい
て、レジストをマスクとして使用した場合、レジストが
変質せず、レジストを容易に剥離することが可能とな
る。尚、イオンドーピングに際して、イオンドーピング
装置で発生した水素イオンを磁場で補足するようにして
もよい。
【0087】(実施の形態5)図14は本発明に係る実
施の形態4の製造方法の工程を示すフローチャートであ
る。この実施の形態5の製造方法は、実施の形態4の製
造方法と類似し、対応するステップには、同一の参照符
号を付す。実施の形態5では、実施の形態4と異なり、
ステップS9において、不純物ドーピングは加速電圧を
30kV以上及びビーム電流密度が1μA/cm2 以上
の高速でのイオンドーピング法を用いる。このような高
速のイオンドーピング法を用いるのは、2回目のイオン
ドーピングはゲート絶縁膜を通してソース−ドレイン領
域にイオンをドーピングする必要があるためである。こ
の高速イオンドーピング法により、ソース−ドレイン領
域に十分なイオンがドーピングされて低抵抗化を達成で
きる。尚、このような高速でのイオンドーピング法を使
用する場合は、レジストをマスクとして使用することは
適切でなく、金属膜をマスクとして使用することが必要
である。尚、イオンドーピングに際して、イオンドーピ
ング装置で発生した水素イオンを磁場で補足するように
してもよい。
【0088】(実施の形態6)図15はC−MOSイン
バータ回路の他の変形例の配線パターンを示す平面図で
あり、図16は図15の矢視Y−Y’断面図である。こ
の実施の形態6のC−MOSインバータ回路50は、実
施の形態2のC−MOSインバータ回路21に類似し、
対応する部分には同一の参照符号を付す。このC−MO
Sインバータ50では、ドレイン領域側の低濃度不純物
領域3eのみが設けられており、ソース領域側の低濃度
不純物領域3dは省略されている。即ち、本実施の形態
6の特徴は、nチャネルTFT22のドレイン領域側に
のみ低濃度不純物領域を設けるようにするものである。
これは、C−MOSインバータ回路では、トランスファ
ゲート回路のような場合と異なり、常にソース領域、ド
レイン領域が固定的に定まっている。従って、電界集中
するドレイン領域側にのみ低濃度不純物領域を設けるこ
とにより、電界集中緩和の効果を達成することができる
と共に、ソース領域及びドレイン領域の双方に低濃度不
純物領域を設ける構成に比べて、回路面積を小さくでき
る。ここで、C−MOSインバータ回路において、常に
ソース領域、ドレイン領域が固定的に定まっている理由
を以下に説明する。C−MOSインバータ回路では、入
力端子30(ゲート電極に相当)の電圧レベルが高い
と、nチャネルTFT22は導通し、pチャネルTFT
23は遮断する。一方、入力端子30(ゲート電極に相
当)の電圧レベルが低いと、nチャネルTFT22は遮
断し、pチャネルTFT23は導通する。このように、
入力端子30(ゲート電極に相当)の電圧レベルの高低
に応じて、nチャネルTFT22かpチャネルTFT2
3のいずれか一方のみが導通して、出力レベルが入力レ
ベルを反転したものとなる。このことは、nチャネルT
FT22側では、マイナス側の電源Vssに対しゲート電
極の極性は常に0Vより高い電圧で動作する。従って、
マイナス側の電源Vssは常にnチャネルTFTのソース
電極側となって作用し、出力端子31側は常にドレイン
電極側となって作用することを意味する。一方、pチャ
ネルTFT23側では、プラス側の電源Vddに対しゲー
ト電極の極性は常にVddより低い電圧で動作する。従っ
て、プラス側の電源Vddは常にpチャネルTFTのソー
ス電極側となって作用し、出力端子31側は常にドレイ
ン電極側となって作用することを意味する。このよう
に、C−MOSインバータ回路においては、常にソース
−ドレイン領域が固定されている。
【0089】上記構成のC−MOSインバータ50の製
造方法は、基本的には実施の形態2のC−MOSインバ
ータ回路21の製造方法と同一である。但し、ドレイン
領域側の低濃度不純物領域3eのみ設けるため、図16
に示すように、第2サブゲート電極5bは、第1サブゲ
ート電極5aのドレイン側のみを覆うように形成する必
要がある。このような形状に第2サブゲート電極5bを
形成するためには、前述したように、第1サブゲート電
極5aを構成する第1金属層39と第2サブゲート電極
5bを構成する第2金属層は、選択エッチング性を有す
るものとする。例えば、第1金属層をアルミニウムと
し、第2金属層43をタンタルとする。これにより、第
1サブゲート電極5a(アルミニウム)を完全に覆って
第2金属層(タンタル)を形成した後、エッチングによ
り上記形状の第2サブゲート電極5bを形成することが
できる。
【0090】ここで、ソース領域及びドレイン領域の双
方に低濃度不純物領域を設ける実施の形態2の構成(図
17(a))と、ドレイン領域側にのみ低濃度不純物領
域を設ける実施の形態6の構成(図17(b))のそれ
ぞれのソース−ドレイン間の距離を比較した。チャネル
領域は4μmとし、低濃度不純物領域は2μmとした。
ソース−ドレイン間の距離は、実施の形態2では8μm
となり、実施の形態6では6μmとなった。よって、本
実施の形態6では、実施の形態2の75%のソース−ド
レイン間の距離となり、その分だけ回路面積を小さくで
きることが理解される。
【0091】(その他の事項)上記実施の形態1〜6で
は、1種類の濃度を有する低濃度不純物領域について説
明したけれども、本発明はこれに限定されるものではな
く、濃度差が異なる複数の低濃度不純物領域を設けるよ
うにしてもよく、このようにすれば、多段階的に不純物
濃度を変化させることができるので、半導体層での電界
集中をより緩和することができる。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、LDD構
造を有し、かつ、ソース領域、低濃度不純物領域、チャ
ネル領域、ドレイン領域を自己整合的に形成することが
できる薄膜トランジスタを実現できる。よって、OFF
電流の低減を図り、且つON電流の低下を抑えることが
できる。また、自己整合的構造であるため、寄生容量を
小さくすることができ、そのため微細化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るTFTの簡略化した断面図
である。
【図2】実施の形態1に係るTFTの製造工程を示す断
面図である。
【図3】実施の形態1に係るTFTの製造工程を示す断
面図である。
【図4】実施の形態1に係るTFTの電圧/電流特性を
示す図である。
【図5】各ゲートバイアス状態のTFT内部のキャリア
分布並びに、チャネル領域、低濃度不純物領域及びドレ
イン領域におけるエネルギーバンドを示す図である。
【図6】本発明に係るTFTを用いたC−MOSインバ
ータの配線パターンを示す平面図である。本発明の第2
の実施形態に係る薄膜トランジスタを用いたアレイ基板
のプロセスのフローチャートである。
【図7】本発明に係るTFTを用いたC−MOSインバ
ータの等価回路図である。
【図8】図6の矢視X−X’断面図である。
【図9】C−MOSインバータ回路の製造工程を示すフ
ローチャートである。C−MOSインバータ部の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。本発明の第5の
実施形態に係るインバータの平面図である。
【図10】C−MOSインバータ回路の製造工程を示す
断面図である。
【図11】C−MOSインバータ回路の製造工程を示す
断面図である。
【図12】本発明に係る実施の形態3の製造方法の工程
を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る実施の形態4の製造方法の工程
を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る実施の形態5の製造方法の工程
を示すフローチャートである。ウイングTFTにおける
各種レイヤーの重ね合わせの具体的な例。
【図15】C−MOSインバータ回路の他の変形例の配
線パターンを示す平面図である。
【図16】図15の矢視Y−Y’断面図である。
【図17】低濃度不純物領域をチャネル領域の両側に設
けた場合と、チャネル領域の片側に設けた場合の、それ
ぞれのソース−ドレイン間距離を説明するための図であ
る。
【図18】第1従来例の断面図である。
【図19】第2従来例の断面図である。
【符号の説明】
1:TFT 2:ガラス基板 3:多結晶シリコン層 3a:ソース領域 3b:ドレイン領域 3c:チャネル領域 3d,3e:低濃度不純物領域 5:ゲート電極 5a:第1サブゲート電極 5b:第2サブゲート電極 17,39:第1金属層 18,43:第2金属層 21,50:C−MOSインバータ回路 22:nチャネルTFT 23:pチャネルTFT 40:第1遮蔽膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャネル領域と、チャネル領域の両側に
    配置されたソース領域及びドレイン領域とが形成された
    多結晶シリコン半導体層を有し、前記チャネル領域の上
    方には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が配置された
    薄膜トランジスタにおいて、 前記ソース領域とチャネル領域との間、またはドレイン
    領域とチャネル領域との間の少なくともいずれか一方
    に、不純物濃度がソース領域及びドレイン領域よりも低
    い低濃度不純物領域が形成されており、 前記ゲート電極は、第1サブゲート電極と、第1サブゲ
    ート電極を覆うように第1サブゲート電極上面に固着さ
    れた第2サブゲート電極とから構成され、 前記チャネル領域の両側接合面がそれぞれ第1サブゲー
    ト電極の両端面のほぼ直下に位置するように、チャネル
    領域が第1サブゲート電極に覆われ、 前記低濃度不純物領域の両側接合面のうちの、チャネル
    領域側の接合面とは反対側の接合面が、前記第2サブゲ
    ート電極の端面のほぼ直下に位置するように、低濃度不
    純物領域が第2サブゲート電極に覆われていることを特
    徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記低濃度不純物領域が、チャネル領域
    に向かうに連れて不純物濃度が段階的に低下していく複
    数の接合領域から構成され、 これら複数の接合領域にそれぞれ対応して複数の第2サ
    ブゲート電極が、設けられ、これら複数の第2サブゲー
    ト電極は、下部に位置する第2サブゲート電極を覆うよ
    うに、積み重ねられた構造となっており、 前記接合領域の両側接合面のうちの、不純物濃度が高い
    側の隣接接合領域との接合面が、対応する第2サブゲー
    ト電極の端面のほぼ直下に位置するように、各接合領域
    が第2サブゲート電極に覆われていることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記低濃度不純物領域が、ドレイン領域
    とチャネル領域との間にのみ形成されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の薄膜トランジスタ。
  4. 【請求項4】 pチャネル薄膜トランジスタとnチャネ
    ル薄膜トランジスタのうち、少なくともnチャネル薄膜
    トランジスタを、前記請求項1又は請求項2に記載の薄
    膜トランジスタで構成したことを特徴とするC−MOS
    インバータ回路。
  5. 【請求項5】 pチャネルト薄膜ランジスタとnチャネ
    ル薄膜トランジスタのうち、少なくともnチャネル薄膜
    トランジスタを、前記請求項3に記載の薄膜トランジス
    タで構成したことを特徴とするC−MOSインバータ回
    路。
  6. 【請求項6】 チャネル領域と、チャネル領域の両側に
    配置されたソース領域及びドレイン領域とが形成された
    多結晶シリコン半導体層を有し、前記チャネル領域の上
    方には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が配置された
    薄膜トランジスタの製造方法であって、 基板上に多結晶シリコン半導体層を形成する工程と、 多結晶シリコン半導体層の所定領域に不純物をドープす
    る第1の不純物ドープ工程と、 前記第1の不純物ドープ工程により、不純物がドープさ
    れた半導体領域上に金属の遮蔽膜を形成し、この状態で
    不純物をドープして、金属遮蔽膜の下部領域とそれ以外
    の領域で不純物濃度差が存在するようにして、ソース領
    域とチャネル領域との間、またはドレイン領域とチャネ
    ル領域との間の少なくともいずれか一方に、不純物濃度
    がソース領域及びドレイン領域よりも低い低濃度不純物
    領域を形成する第2の不純物ドープ工程と、 を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1の不純物ドープ工程では、第1
    サブゲート電極を多結晶シリコン半導体層上に形成し、
    この第1サブゲート電極をマスクとして、不純物をドー
    プし、 前記第2の不純物ドープ工程では、前記第1サブゲート
    電極上を覆って第2サブゲート電極を形成し、この第2
    サブゲート電極をマスクとして、不純物をドープするこ
    とを特徴とする請求項6記載の薄膜トランジスタの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の不純物ドープ工程を複数回行
    って、前記低濃度不純物領域が、チャネル領域に向かう
    に連れて不純物濃度が段階的に低下していく複数の接合
    領域を形成する工程を有することを特徴とする請求項6
    又は請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記多結晶シリコン半導体層を形成する
    工程が、ガラス基板上に非晶質シリコン層を形成し、こ
    の非晶質シリコン層をレーザーアニールにより溶融再結
    晶化して多結晶シリコン半導体層を形成することを特徴
    とする請求項6乃至8のいずれかに記載の薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多結晶シリコン半導体層を形成す
    る工程が、気相成長法を用いてガラス基板上に多結晶シ
    リコン半導体層を直接形成することを特徴とする請求項
    6乃至8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記多結晶シリコン半導体層を形成す
    る工程が、触媒法を用いてガラス基板上に多結晶シリコ
    ン半導体層を直接形成することを特徴とする請求項6乃
    至8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の不純物ドープ工程では、加
    速電圧を10kV以上、30kV以下とし、ビーム電流
    密度を0.05μA/cm2 以上、1μA/cm2 以下
    とした低速イオンドーピング法を用いて不純物をドープ
    することを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の不純物ドープ工程では、加
    速電圧を30kV以上とし、ビーム電流密度を1μA/
    cm2 以上とした高速イオンドーピング法を用いて不純
    物をドープすることを特徴とする請求項6乃至13のい
    ずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 nチャネル薄膜トランジスタとpチャ
    ネル薄膜トランジスタとから構成されるC−MOSイン
    バータ回路の製造方法において、 基板上に、nチャネル薄膜トランジスタ用の多結晶シリ
    コン半導体層と、pチャネル薄膜トランジスタ用の多結
    晶シリコン半導体層とを形成する工程と、 前記基板上に、前記2つの多結晶シリコン半導体層を覆
    うように、第1金属層を形成し、この第1金属層を所定
    形状にエッチングして、前記nチャネル薄膜トランジス
    タ用多結晶シリコン半導体層上に第1サブゲート電極を
    形成すると共に、前記pチャネル薄膜トランジスタ用多
    結晶シリコン半導体層を完全に覆う第1遮蔽層を形成す
    る工程と、 前記第1サブゲート電極及び前記第1遮蔽層をマスクと
    して、ドナーとなる不純物をドープする第1の不純物ド
    ープ工程と、 前記第1遮蔽層を所定形状にエッチングしてpチャネル
    薄膜トランジスタのゲート電極を形成すると共に、nチ
    ャネル薄膜トランジスタ領域を完全にレジストで覆い、
    この状態で前記ゲート電極及びレジストをマスクとし
    て、アクセプタとなる不純物をドープする第2の不純物
    ドープ工程と、 前記nチャネル薄膜トランジスタ領域を覆うレジストを
    除去した後、第1サブゲート電極を覆うように第2サブ
    ゲート電極を第1サブゲート電極上面に形成すると共
    に、pチャネル薄膜トランジスタ領域を完全にレジスト
    で覆い、この状態で、前記第2サブゲート電極及びレジ
    ストをマスクとして、ドナーとなる不純物をドープする
    第3の不純物ドープ工程と、 を有することを特徴とするC−MOSインバータ回路の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第3の不純物ドープ工程におい
    て、nチャネル薄膜トランジスタ領域を覆うレジストを
    除去した後、第1サブゲート電極材料と選択エッチング
    可能な材料から成る第2金属層を基板全面に形成し、こ
    の第2金属層を所定形状にエッチングして、前記nチャ
    ネル薄膜トランジスタの第1サブゲート電極を覆うよう
    に第2サブゲート電極を第1サブゲート電極上面に形成
    すると共に、前記pチャネル薄膜トランジスタ用多結晶
    シリコン半導体層を完全に覆う第2遮蔽層を形成し、こ
    の状態で前記第2サブゲート電極及び第2遮蔽層をマス
    クとして、ドナーとなる不純物をドープし、 この第3の不純物ドープ工程後に、前記第2遮蔽層をエ
    ッチングにより除去することを特徴とする請求項14記
    載のC−MOSインバータ回路の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第3の不純物ドープ工程を複数回
    行って、前記低濃度不純物領域が、チャネル領域に向か
    うに連れて不純物濃度が段階的に低下していく複数の接
    合領域を形成する工程を有することを特徴とする請求項
    13又は請求項15記載のC−MOSインバータ回路の
    製造方法。
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