JP2001320062A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法並びに液晶表示装置

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JP2001320062A
JP2001320062A JP2001079800A JP2001079800A JP2001320062A JP 2001320062 A JP2001320062 A JP 2001320062A JP 2001079800 A JP2001079800 A JP 2001079800A JP 2001079800 A JP2001079800 A JP 2001079800A JP 2001320062 A JP2001320062 A JP 2001320062A
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tft
thickness
insulating film
region
film
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Atsushi Yoshinouchi
淳 芳之内
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTのオフ電流を低くし信頼性を高くす
る。また、TFTを製造工程を複雑にすることなく作製
できるようにする。 【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明は、
半導体層とゲート電極8との間に形成されるゲート絶縁
膜が、ソース領域5aとドレイン領域5bとの間の半導
体層部分の上で、膜厚の異なる第1部分6aと第2部分
6bとを有している。よって、ソース領域5aとドレイ
ン領域5bとで挟まれているチャネル領域に部分的にゲ
ート電圧印加による影響を受けにくい領域が形成され、
ソース/ドレイン間に印加された電圧がドレイン端に集
中せずに分割される。また、この領域で電界が緩和さ
れ、ソース/ドレイン間にかかる電界の急峻的に高くな
る部分の発生が緩和される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
ックス液晶ディスプレイ等の表示装置に好適に用いられ
る薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに薄膜ト
ランジスタを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイやイメージセン
サ等の表示装置に用いられる外部実装駆動回路をディス
プレイやイメージセンサ等と同一基板上に作り込むこと
が行われている。そのために、透明絶縁性基板上に薄膜
トランジスタ(以下、TFTと称する。)を作製する必
要が高まってきている。この場合、大面積のガラス基板
を使用することが可能なように、600℃以下のプロセ
ス温度でTFTの作製を行う必要がある。
【0003】一般にTFTの特性は、チャネルとなる半
導体膜の状態と、半導体膜とゲート絶縁膜との界面の状
態とに非常に大きく影響され、プロセス温度が高いほど
改善される傾向にある。したがって、上述した600℃
以下のプロセス温度では良好な特性を得ることが困難で
ある。特に、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ
における絵素部にTFTを用いる場合、逆バイアス時の
オフ電流を低く抑える必要があるが、通常のTFT構造
ではオフ電流を低減させることが困難である。
【0004】この理由として、高濃度にドープされたド
レイン領域の端では空乏層領域が狭く高電界がかかり、
その結果、空乏層領域のpoly−Siの結晶欠陥準位
を介して電流が流れるというモデルが提唱されている
(IEEE TRANSACTIONS ON ELE
CTRON DEVICES,VOL.ED−32,N
O.9,SEPTEMBER 1985)。
【0005】上記の問題点を解決するための具体例とし
ては、一般には以下の3つの構造が知られている。その
一つは、特公平3−34669号に開示されている図1
5に示すようなオフセットゲート構造である。他の一つ
は、特公平3−38755号に開示されている図16に
示すようなLDD(Lightly Doped Dr
ain)構造であり、残る一つは特公平5−44195
号や特公平5−44196号に開示されている図17に
示すようなデュアルゲート構造(またはマルチゲート構
造)である。このような構造とすることにより、ドレイ
ン端にかかる電界を緩和してオフ電流を低減している。
【0006】なお、図15のオフセットゲート構造は、
基板101の上に半導体層が形成され、更にその半導体
層の上に形成されたゲート絶縁膜107の上にゲート電
極108が形成されており、上記半導体層がゲート電極
108の下方部分をTFTのチャネル部となる活性層1
02となし、その両側を不純物が導入されていないオフ
セット部103となし、更にオフセット部103の外側
を不純物が多量に導入されて低抵抗となっているソース
/ドレイン領域105となした構成となっている。
【0007】図16のLDD構造は、基板101上に半
導体層が形成され、更にその半導体層の上に形成された
ゲート絶縁膜107の上にゲート電極108が形成され
ており、上記半導体層がゲート電極108の下方部分を
TFTのチャネル部となる活性層102となし、活性層
102の両側を不純物が微量に導入されているLDD部
104となし、更にLDD部104の外側を不純物が多
量に導入されて低抵抗となっているソース/ドレイン領
域105となした構成となっている。
【0008】図17のデュアルゲート構造は、基板10
1上に半導体層が形成され、更にその半導体層の上に形
成されたゲート絶縁膜107の上にゲート電極108が
2つ形成されており、上記半導体層が両ゲート電極10
8の下方部分をTFTのチャネル部となる活性層102
となし、他の部分を不純物が多量に導入されて低抵抗と
なっているソース/ドレイン領域105となした構成と
なっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た3つの構造においては、以下のような問題があった。
上記オフセットゲート構造については、図15に示すよ
うに、オフセット部103の長さであるオフセット長L
offが長くなると、オフ電流だけでなくオン電流も極端
に低下するので、Loffの長さ変動により素子特性が大
きく変化するという問題がある。また、オフセット部1
03のように不純物のドーピングされていない部分を形
成するためにはマスキングが必要であり、そのマスキン
グのための位置合わせにズレが生じる。つまり、マスキ
ングの方法としては、フォトレジストを用いてフォトリ
ソグラフィーにより形成する方法や絶縁膜をエッチング
する方法などがあるが、これらの方法は、自己整合によ
りマスキングを行うものではないので、位置合わせにズ
レが生じる。その結果として、TFTの特性にばらつき
が生じるという問題がある。更に、マスキングを自己整
合的に行う場合は、ゲート電極の側壁にサイドウォール
と称される絶縁膜を形成する必要があり、歩留りの低下
とコストアップの原因となる。その理由は、サイドウォ
ールは、通常、絶縁膜を成膜した後、異方性エッチング
を行うことにより形成されるので、成膜工程とエッチン
グ工程とが増加するからである。また、サイドウォール
を用いて形成されるオフセット長Loffは成膜した絶縁
膜の膜厚程度であり、通常300〜500nm程度の短
いものになってしまうので十分なオフ電流の低減効果が
得られない場合がある。そして、更に、このオフセット
ゲート構造のTFTは、オフセット部103の活性層の
抵抗変化が素子特性の変化となって現れるので信頼性が
低く、特性劣化が生じる場合が多い。
【0010】また、上記LDD構造においては、信頼性
の点では優れているが、マスキングを必要とするので上
述のオフセット構造のTFTと同様の問題があり、ま
た、不純物のドーピング濃度が低いLDD領域104を
形成するためのドーピング工程を追加する必要があるの
で、さらに工程が複雑になるという問題がある。
【0011】また、上記デュアルゲート構造において
は、多少の効果はあるものの十分にオフ電流を低減でき
ないという問題がある。
【0012】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、オフ電流が低く信頼性が
高い薄膜トランジスタ、およびその薄膜トランジスタを
製造工程を複雑にすることなく作製することができる薄
膜トランジスタの製造方法、並びに表示品位が高く信頼
性が高い、その薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜トランジス
タは、ソース領域とドレイン領域とを有する半導体層上
に形成されたゲート絶縁膜の上にゲート電極が形成さ
れ、該ソース領域とドレイン領域との間の半導体層部分
の上のゲート絶縁膜が、第1の膜厚の第1部分と、該第
1の膜厚とは異なる第2の膜厚の第2部分とを有し、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0014】本発明の薄膜トランジスタにおいて、前記
第2部分が、前記第1部分の1.2倍〜8.0倍の膜厚
である構成とすることができる。
【0015】本発明の薄膜トランジスタにおいて、前記
第2部分は、第1の膜厚の絶縁膜と、該第1の膜厚の
0.2〜7.0倍の膜厚からなる絶縁膜との積層構造か
らなる構成とすることができる。
【0016】本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
ソース領域とドレイン領域とを有する半導体層上に形成
されたゲート絶縁膜の上にゲート電極が形成された薄膜
トランジスタの製造方法であって、該ソース領域とドレ
イン領域との間の半導体層部分の上のゲート絶縁膜を、
第1の膜厚の第1部分と、該第1の膜厚とは異なる第2
の膜厚の第2部分とを有するように形成するので、その
ことにより上記目的が達成される。
【0017】本発明の薄膜トランジスタの製造方法にお
いて、前記第2部分を、前記第1部分の1.2倍〜8.
0倍の膜厚となるように形成するのが望ましい。
【0018】本発明の薄膜トランジスタの製造方法にお
いて、前記半導体層上に第1の膜厚の絶縁膜を形成する
工程と、該第1の膜厚の絶縁膜の形成前または後に、前
記第2部分の形成領域に該第1の膜厚の0.2〜7.0
倍の膜厚を有する絶縁膜を積層する工程とを含んでいて
もよい。
【0019】本発明の薄膜トランジスタの製造方法にお
いて、前記半導体層上に第2の膜厚の絶縁膜を形成する
工程と、前記第1部分の形成領域に形成された該第2の
膜厚の絶縁膜をエッチングして厚みを薄くする工程とを
含んでいてもよい。
【0020】本発明の液晶表示装置は、前記薄膜トラン
ジスタを絵素部に用いており、そのことにより上記目的
が達成される。
【0021】本発明においては、ソース領域とドレイン
領域とを有する半導体層とゲート電極との間に存在する
ゲート絶縁膜が、ソース領域とドレイン領域との間の半
導体層部分の上で、膜厚の異なる第1部分と第2部分と
を有している。よって、ソース領域とドレイン領域とで
挟まれているチャネル領域に部分的にゲート電圧印加に
よる影響を受けにくい領域が形成される。この領域によ
りソース/ドレイン間に印加された電圧がドレイン端に
集中せずに分割される。また、この領域で電界が緩和さ
れるので、ソース/ドレイン間にかかる電界の急峻的に
高くなる部分の発生が緩和される。従って、逆バイアス
側のオフ電流が低減され、かつ、特性劣化の小さいTF
Tを得ることができる。この効果を十分に得るために
は、第2の膜厚を第1の膜厚の1.2倍〜8.0倍にす
るのが望ましい。
【0022】このような2つの膜厚部分を有するゲート
絶縁膜を形成するに際し、第1の膜厚の絶縁膜を形成
し、第2部分の形成領域に第1の膜厚の0.2〜7.0
倍の膜厚を有する絶縁膜を積層して第2部分を積層構造
とすると、非常に容易に作製することができる。この場
合、第1の膜厚を有する絶縁膜と第1の膜厚の0.2〜
7.0倍の膜厚を有する絶縁膜との形成順序はいずれを
先に行ってもよい。この方法によれば、オフ電流を低く
する必要がある部分には本発明のTFTを作製し、同一
基板上のオフ電流低減を必要としない部分には従来のT
FTを共存させて作製することができる。
【0023】また、半導体層上に第2の膜厚の絶縁膜を
形成し、第1部分の形成領域をエッチングして厚みを薄
くしても容易に作製することができる。この方法でも、
オフ電流を低くする必要がある部分には本発明のTFT
を作製し、同一基板上のオフ電流低減を必要としない部
分には従来のTFTを共存させて作製することができ
る。
【0024】このような2つの膜厚部分を有するゲート
絶縁膜が形成されたTFTを液晶表示装置の絵素部に形
成すると、絵素部TFTのオフ電流を低減することがで
き、表示画像の保持能力を高めて表示品位を向上させる
ことができる。また、このTFTは信頼性が高いので、
液晶表示装置の信頼性も高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。尚、以下の図につい
て同様の機能を有する部分は同じ番号を用いて示した。 (実施の形態1)図1に、本実施の形態のTFTの概略
断面図を示す。このTFTは、基板1上に、間に半導体
層3を挟んでゲート絶縁膜7が形成され、そのゲート絶
縁膜7の上にゲート電極8が形成されている。上記ゲー
ト絶縁膜7は、ゲート電極8の下部分の中央部を除く領
域が第1の膜厚の第1部分6aとなっており、ゲート電
極8の下部分の中央部が第1の膜厚の1.2〜8.0倍
である膜厚の第2部分6bとなっている。
【0026】上記半導体層3は、ゲート電極8の下部分
であって、第2部分6bの下方にチャネル領域12、第
1部分6aの下方にチャネル領域2を有する。更に、チ
ャネル領域12、2を挟んで両側には、不純物が高濃度
に導入されて低抵抗になっているソース領域5aおよび
ドレイン領域5bとを有する。この構成のTFTは、図
2(a)〜(c)に示すような製造工程に従って作製す
ることができる。
【0027】まず、図2(a)に示すように、基板1上
に半導体層3を形成する。この基板1としては、例えば
石英基板、ガラス基板、または絶縁性膜で被覆されたガ
ラス基板などを用いることができる。半導体層3として
は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン
等の半導体膜を用いることができる。また、基板1とし
て単結晶シリコンを用いた場合には半導体層3を形成す
る必要がなく、その単結晶シリコンをそのまま半導体層
として用いることができる。さらに、半導体層は上記材
料にゲルマニウム、ニッケル、リン、ボロン、ひ素等を
含有する材料を用いて形成してもよい。
【0028】上記半導体層3を成膜する場合には、膜厚
10nm〜200nmの膜をプラズマCVD(Chem
ical Vapor Deposition)法やL
PCVD(Low Pressure CVD)法等の
成膜方法により形成することができる。例えば、多結晶
シリコン膜は、LPCVD法により基板温度580〜6
50℃で直接基板上に成膜することができる。また、L
PCVD法により基板温度400〜600℃で成膜した
非晶質シリコン膜を真空中または不活性ガス中、500
〜650℃で6〜48時間アニールすると、一層良好な
多結晶シリコン膜が得られる。非晶質シリコン膜はプラ
ズマCVD法により形成することができ、原料ガスとし
てはSiH4、Si26を用いる。また、非晶質シリコ
ン膜のアニールは、ランプアニール法やレーザーアニー
ル法で行ってもよい。
【0029】次に、半導体層3の上に絶縁膜を成膜し、
エッチングにより島状の絶縁膜60とする。この絶縁膜
は、スパッタ法、常圧CVD法、LPCVD法、プラズ
マCVD法、リモートプラズマCVD法等により成膜す
ることができ、この実施の形態では、膜厚30〜150
nmのSiO2膜を形成した。その他、窒化シリコン
膜、酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁膜を
用いてもよい。
【0030】続いて、図2(b)に示すように、島状の
絶縁膜60の上に絶縁膜を成膜して第1部分6aと第1
部分6aより膜厚が厚い第2部分6bとを形成する。こ
の場合における絶縁膜の成膜は、スパッタ法、常圧CV
D法、LPCVD法、プラズマCVD法、リモートプラ
ズマCVD法等を用いることができ、この実施の形態で
は膜厚60〜150nmのSiO2膜を形成した。原料
ガスとしては、SiH4ガスとO2ガス、またはTEOS
(Tetra−Ethyl−Ortho−Silica
te、Si(OC254)ガスと02ガス等を用いる。
その他、窒化シリコン膜、酸化タンタル膜、酸化アルミ
ニウム膜等の絶縁膜を用いてもよい。
【0031】このようにして膜厚の厚い第2部分6bを
作製すると、本実施の形態のTFTと従来のTFTとを
同様のプロセスで非常に容易に作製することができる。
例えば、本実施の形態のTFTと従来のTFTとを同一
基板上に作製する場合、第1の膜厚の0.2〜7.0倍
の膜厚を有する島状絶縁膜60をパターニングして本実
施の形態のTFTの第2部分にのみ形成し、第1の膜厚
を有する絶縁膜をパターニングして本実施の形態のTF
Tのゲート絶縁膜形成部分および従来のTFTのゲート
絶縁膜形成部分に形成する。この方法により作製する
と、本実施の形態のTFTと従来のTFTとを容易に同
一基板上に共存させることができるので、低OFF電流
が必要とされる部分には本実施の形態のTFTを作製
し、低OFF電流が必要とされない部分には従来のTF
Tを作製することができる。この場合、第1の膜厚を有
する絶縁膜と、第1の膜厚の0.2〜7.0倍の膜厚を
有する絶縁膜との積層順序は、いずれを先に行ってもよ
い。以上の説明では第2部分を2層の絶縁膜の積層構造
として形成したが、第2の膜厚を有する絶縁膜をゲート
絶縁膜形成部分に成膜した後、第1部分の厚みをフォト
リソグラフィーとエッチングにより薄くしても第1部分
6aと第2部分6bとを有するゲート絶縁膜7を形成す
ることができる。この場合でも、第2の膜厚の絶縁膜を
本実施の形態のTFTの第2部分を残して、第1部分お
よび従来のTFTのゲート絶縁膜形成部分をエッチング
することにより、本実施の形態のTFTおよび従来のT
FTを同一基板上に共存させることができる。
【0032】次に、図2(c)に示すように、ゲート電
極8を形成した後、自己整合的に不純物イオン100を
注入し、半導体層3にソース領域5aおよびドレイン領
域5bを形成する。この時、ゲート電極8下の半導体層
部分には不純物が注入されないのでチャネル領域2、1
2が形成される。この実施の形態では、不純物イオン1
00としてリンイオンを用い、エネルギー80〜100
keVでドーズ量2×1015ions/cm2の注入を
行った。注入後、不純物イオンを活性化して低抵抗化す
ることによりソース領域5aおよびドレイン領域5bを
形成した。不純物イオンの活性化は、炉アニール法、ラ
ンプアニール法、レーザーアニール法や以下に示す自己
活性法を用いることができる。自己活性法は、特願平4
−307350号に記載されているイオンドーピング法
を用い、原料ガスの水素濃度を高くしてソース/ドレイ
ン領域に注入する。例えば、水素濃度が95%のPH3
ガスを原料ガスとしてプラズマを発生させ、リンイオン
と同時に水素イオンを注入すると、水素イオンにアシス
トされて注入と同時に不純物イオンが活性化される。よ
って、不純物イオン活性化のための熱アニールが不要に
なるので、300℃以下の低温プロセスでソース/ドレ
イン領域を形成することができ、ゲート電極材料に比較
的低融点の金属を使用することができる。例えば低融点
金属であるアルミニウムを使用することができ、アルミ
ニウムは低抵抗材料であるので低抵抗な配線を実現する
ことができる。
【0033】以上のようにして得られる本実施の形態の
TFTの動作原理を図3(a)〜(c)を用いて説明す
る。尚、図3(a)〜(c)において、第1部分6aの
膜厚をd1、第2部分6bの膜厚をd2とする。
【0034】図3(a)のTFTは、d2>>d1の
時、第2の膜厚部分6上のゲート電極8のトランジスタ
ゲートとしての作用が第1の膜厚部分7上のゲート電極
8に比べて極めて小さくなるので、近似的に図3(b)
のTFTと同様な動作を示す。
【0035】図3(b)のTFTは、ゲート8aおよび
ゲート8bの2つのゲートを備えたデュアルゲート構造
のTFTであり、ソース領域5aとドレイン領域5bと
の間にかかる電界を分割することにより電界を緩和する
ことができる。また、ゲート8aとゲート8bの間の下
にあるチャネル層12は不純物がドーピングされていな
い領域であるので、実質的にオフセットゲート構造とな
る。このため、ゲート8aを有するTFTのドレイン部
にオフセット部12が形成されることになり、ドレイン
端部での電界が緩和される。このデュアルゲート構造お
よびオフセットゲート構造の2つの電界緩和効果によっ
て逆バイアス側のオフ電流が低減され、かつ、特性劣化
の小さいTFTが得られる。さらに、ソース領域5aと
ドレイン領域5bとが入れ替わって用いられてもゲート
2を有するTFTのドレイン部にオフセット部が位置す
ることになるので、必ずいずれか一方のTFTのドレイ
ン端部での電界が緩和される。特に、アクティブマトリ
ックス液晶ディスプレイの絵素部のTFTは、信号状態
に応じてソース領域またはドレイン領域として機能する
必要があるので、このように必ずいずれか一方のTFT
のドレイン端部での電界が緩和される構造は非常に望ま
しいものである。
【0036】図3(a)のTFTは、d2>d1の時、第
2の膜厚部分6上のゲート電極8が第1の膜厚部分7に
近付いてくるとTFTのオン動作時にトランジスタゲー
トとしての作用が若干影響するので、近似的に図3
(c)のTFTと同様な動作を示す。
【0037】図3(c)のTFTは、ゲート8aおよび
ゲート8bの2つのゲートを備えたデュアルゲート構造
のTFTであり、ソース領域5aとドレイン領域5bと
の間にかかる電界を分割することにより電界を緩和する
ことができる。また、ゲート8aとゲート8bの間の下
にあるチャネル層12は不純物がドーピングされていな
い領域であるが、TFTのオン動作時にはチャネルが誘
起され易く、低濃度の不純物ドーピングがなされた領域
のような作用を示すので、実質的にLDD構造と同様な
作用を示す。このため、ゲート8aを有するTFTのド
レイン部に疑似LDD部12が形成されることになり、
ドレイン端部での電界が緩和される。このデュアルゲー
ト構造および疑似LDD構造の2つの電界緩和効果によ
って逆バイアス側のオフ電流が低減され、かつ、特性劣
化の小さいTFTが得られる。さらに、ソース領域5a
とドレイン領域5bとが入れ替わって用いられてもゲー
ト2を有するTFTのドレイン部にオフセット部が位置
することになるので、必ずいずれか一方のTFTのドレ
イン端部での電界が緩和される。特に、アクティブマト
リックス液晶ディスプレイの絵素部のTFTは、信号状
態に応じてソース領域またはドレイン領域として機能す
る必要があるので、このように必ずいずれか一方のTF
Tのドレイン端部での電界が緩和される構造は非常に望
ましいものである。さらに、この場合、d2>>d1の
時に比べてオン電流も増加させることができる。
【0038】このように、本実施の形態のTFTは、ゲ
ート絶縁膜に第2部分6bが形成されていることによ
り、電界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、
かつ特性劣化の小さいTFTとすることができる。ま
た、第2部分6bは、チャネル層2、12とゲート電極
8とに挟まれた領域であれば、ソース領域5a側または
ドレイン領域5b側にずれても得られる効果がほとんど
変わらないので、TFTを作製する場合の位置合わせ精
度のマージンを大きく取ることができる。
【0039】このTFTは、図4に示すように、ゲート
絶縁膜7にソース領域5およびドレイン領域5bに達す
るようにコンタクトホールを形成し、ソース電極50a
およびドレイン電極50bと接続した構成とすることが
できる。このTFTのサイズは、L1=10μm、L2=
4μm、W=15μmとしたが、用途によって適当に設
定することができる。例えば、オン電流を増加させるた
めには、L1とL2との差(L1−L2)を小さくするか、
またはWを大きくすればよい。
【0040】(実施の形態2)図5に本実施の形態のT
FTを示す。このTFTは、第1部分6aの1.2〜
8.0倍の膜厚を有する第2部分6b、6bが、ソース
領域5aおよびドレイン領域5bに隣接するチャネル領
域12、12の上に形成されている。
【0041】このTFTは、第2部分6b、6bをソー
ス端およびドレイン端に位置するように形成することに
より実施の形態1と同様にして作製することができる。
【0042】本実施の形態のTFTは、ゲート絶縁膜に
第2部分6bが形成されていることにより、実施の形態
1と同様に、第2部分6bに接するチャネル領域12、
12にオフセット部または疑似LDD部が形成されるの
で、電界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、
かつ特性劣化の小さいTFTとすることができる。 (実施の形態3)図6に本実施の形態のTFTを示す。
このTFTは、第1部分6aの1.2〜8.0倍の膜厚
を有する第2部分6b、6bが半導体層のソース領域5
aおよびドレイン領域5bに隣接する半導体層上にゲー
ト電極8の内側から外側にかけて形成されている。ま
た、ゲート電極8の外側の第2部分6b、6bの下は不
純物濃度が低いLDD領域4a、4bとなっている。
【0043】このTFTは、図7(a)〜(c)に示す
ような製造工程に従って作製することができる。
【0044】まず、図7(a)に示すように、基板1上
に半導体層3を形成する。この基板1としては、例え
ば、石英基板、ガラス基板または絶縁性膜で被覆された
ガラス基板などを用いることができる。半導体層3とし
ては、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコ
ン等の半導体膜を用いることができる。また、基板1と
して単結晶シリコンを用いた場合には半導体層3を形成
する必要がなく、その単結晶シリコンをそのまま半導体
層として用いることができる。さらに、半導体層は上記
材料にゲルマニウム、ニッケル、リン、ボロン、ひ素等
を含有する材料を用いて形成してもよい。
【0045】半導体層3を成膜する場合には、膜厚10
nm〜200nmの膜をプラズマCVD法やLPCVD
法等の成膜方法により形成することができる。例えば、
多結晶シリコン膜は、LPCVD法により基板温度58
0〜650℃で直接基板上に成膜することができる。ま
た、LPCVD法により基板温度400〜600℃で成
膜した非晶質シリコン膜を真空中または不活性ガス中、
500〜650℃で6〜48時間アニールすると、一層
良好な多結晶シリコン膜が得られる。非晶質シリコン膜
はプラズマCVD法により形成することができ、原料ガ
スとしてはSiH4、Si26を用いる。また、非晶質
シリコン膜のアニールは、ランプアニール法やレーザー
アニール法で行ってもよい。
【0046】次に、半導体層3の上に絶縁膜を成膜し、
エッチングにより島状の絶縁膜60、60とする。この
絶縁膜は、スパッタ法、常圧CVD法、LPCVD法、
プラズマCVD法、リモートプラズマCVD法等により
成膜することができ、この実施の形態では、膜厚30〜
150nmのSiO2膜を形成した。その他、窒化シリ
コン膜、酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁
膜を用いてもよい。
【0047】続いて、図7(b)に示すように、島状の
絶縁膜60の上に絶縁膜を成膜して第1部分6aと、第
1部分6aより膜厚が厚い第2部分6b、6bとを有す
る絶縁膜を形成する。この絶縁膜は、スパッタ法、常圧
CVD法、LPCVD法、プラズマCVD法、リモート
プラズマCVD法等により成膜することができ、この実
施の形態では膜厚60〜150nmのSiO2膜を形成
した。原料ガスとしては、SiH4ガスとO2ガス、また
はTEOS(Tetra−Ethyl−Ortho−S
ilicate、Si(0C254)ガスと02ガス等
を用いる。その他、窒化シリコン膜、酸化タンタル膜、
酸化アルミニウム膜等の絶縁膜を用いてもよい。以上の
説明では第2部分を2層の絶縁膜の積層構造として形成
したが、第2の膜厚の絶縁膜をゲート絶縁膜形成部分に
成膜した後、第1部分の厚みをフォトリソグラフィーと
エッチングにより薄くしても第1部分6aと第2部分6
b、6bとを有するゲート絶縁膜を形成することができ
る。
【0048】次に、図7(c)に示すように、ゲート電
極8を形成した後、自己整合的に不純物イオン100を
注入し、半導体層3にソース領域5aおよびドレイン領
域5bを形成する。この時、ゲート電極8下の半導体層
部分は不純物が注入されないのでチャネル領域2、12
が形成される。また、ゲート電極8の外側の第2部分6
b、6bの下は第1部分6aに比べて不純物が注入され
にくいので、不純物濃度が低いLDD領域4a、4bと
なる。この実施の形態では、不純物イオン100として
リンイオンを用い、エネルギー80〜100keVでド
ーズ量2×10 15ions/cm2の注入を行った。注
入後、不純物イオンを活性化して低抵抗化することによ
りソース領域およびドレイン領域を形成した。不純物イ
オンの活性化は、炉アニール法、ランプアニール法、レ
ーザーアニール法や自己活性法を用いることができる。
【0049】本実施の形態のTFTは、ゲート絶縁膜に
第2部分6b、6bが形成されていることにより、実施
の形態1と同様に、第2部分6bに接するチャネル領域
12にオフセット部または疑似LDD部が形成されるの
で、電界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、
かつ特性劣化の小さいTFTとすることができる。ま
た、ソース領域5aおよびドレイン領域5bに不純物イ
オンを注入する際にソース領域5aおよびドレイン領域
5bより高抵抗なLDD領域4a、4bが形成されるの
で、さらにソース/ドレイン端部での電界を緩和するこ
とができ、逆バイアス側のオフ電流を低減し、かつ特性
劣化の小さいTFTとすることができる。 (実施の形態4)図8に本実施の形態のTFTを示す。
このTFTは、第1部分6aの1.2〜8.0倍の膜厚
を有する第2部分6bが、半導体層3のドレイン領域5
bに隣接するチャネル領域12上に形成されている。
【0050】このTFTは、第2部分6bをドレイン端
に位置するように形成することにより実施の形態1と同
様にして作製することができる。
【0051】本実施の形態のTFTは、ゲート絶縁膜に
第2部分6bが形成されていることにより、実施の形態
1と同様に、第2部分6bに接するチャネル領域12に
オフセット部または疑似LDD部が形成されるので、電
界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、かつ特
性劣化の小さいTFTとすることができる。このTFT
は、第2部分6bが電界強度の高まるドレイン端部にの
み位置しているので、ソース端およびドレイン端の両方
に形成された実施の形態2のTFTとは異なり、オン電
流が大きくとれるがソース/ドレインが場合によって入
れ換わる液晶ディスプレイの絵素部TFTには用いにく
いという違いがある。 (実施の形態5)図9に本実施の形態のTFTを示す。
このTFTは、第1部分6aの1.2〜8.0倍の膜厚
を有する第2部分6bが、半導体層3のドレイン領域5
bに隣接するチャネル領域12上にゲート電極8の内側
から外側にかけて形成されている。また、ゲート電極8
の外側の第2部分6bの下は不純物濃度が低いLDD領
域4bとなっている。
【0052】このTFTは、第2部分6bをドレイン端
に位置するように形成することにより実施の形態3と同
様にして作製することができる。
【0053】本実施の形態のTFTは、ゲート絶縁膜7
に第2部分6bが形成されていることにより、実施の形
態1と同様に、第2部分6bに接するチャネル領域12
にオフセット部または疑似LDD部が形成されるので、
電界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、かつ
特性劣化の小さいTFTとすることができる。また、ソ
ース領域5aおよびドレイン領域5bに不純物イオンを
注入する際にソース領域5aおよびドレイン領域5bよ
り高抵抗なLDD領域4bが形成されるので、さらにソ
ース/ドレイン端部での電界を緩和することができ、逆
バイアス側のオフ電流を低減し、かつ特性劣化の小さい
TFTとすることができる。このTFTは、第2部分6
bが電界強度の高まるドレイン端部にのみ位置している
ので、ソース端およびドレイン端の両方に形成された実
施の形態3のTFTとは異なり、オン電流が大きくとれ
るがソース/ドレインが場合によって入れ換わる液晶デ
ィスプレイの絵素部TFTには用いにくいという違いが
ある。 (実施の形態6)図10に本実施の形態のTFTを示
す。このTFTは、第1部分6aの1.2〜8.0倍の
膜厚を有する第2部分6bが、ソース領域5aおよびド
レイン領域5bの間でゲート電極8の下のチャネル層1
2部分の上に形成されている。この第2部分6bは、第
1の膜厚の絶縁膜6dと、第1の膜厚の0.2〜7.0
倍の膜厚からなる絶縁膜6cとの積層構造からなってい
る。この絶縁膜6cと6dとは同一材料で形成してもよ
く、別材料で形成してもよい。また、積層順序もどちら
が下に形成されていてもよい。
【0054】このTFTは、実施の形態1と同様に図2
に示した方法により作製することができる。
【0055】本実施の形態のTFTは、ゲート絶縁膜に
第2部分6bが形成されていることにより、実施の形態
1と同様に、第2部分6bに接するチャネル領域12、
12にオフセット部または疑似LDD部が形成されるの
で、電界を緩和して逆バイアス側のオフ電流を低減し、
かつ特性劣化の小さいTFTとすることができる。ま
た、第2部分6bは、チャネル層2、12とゲート電極
8とに挟まれた領域であれば、ソース領域5a側または
ドレイン領域5b側にずれても得られる効果がほとんど
変わらないので、TFTを作製する場合の位置合わせ精
度のマージンを大きく取ることができる。
【0056】図11は、以上のようにして得られた実施
の形態1のN型TFTについて、膜厚の薄い第1部分6
aに対する膜厚の厚い第2部分6bの膜厚比Rを変化さ
せて逆バイアス時のオフ電流を測定した結果を示す。
尚、オフ電流は、ドレイン/ソース電圧VDS=14V、
ゲート電圧VG=−3.5Vにおけるドレイン電流IDを
測定した。トランジスタサイズはL1/W=10μm/
10μmとし、半導体層上でゲート電極8の内側に形成
された第2部分6bの長さL2は4μmとした。L2が1
〜6μmの範囲では、オフ電流には大きな差はなかっ
た。
【0057】この図から理解されるように、膜厚比R=
1.2の時に1桁程度の効果が現れ、R=1.5の時に
は2桁以上の顕著な効果が現れる。R=4程度まではオ
フ電流が単調に減少し、R≧5では効果が飽和する。従
って、第2部分6bは第1部分6aの1.2倍以上の膜
厚とするのが望ましい。また、R≧5以上ではオフ電流
が飽和しているが効果は得られる。しかし、R>8では
第2部分6bが非常に厚くなって作製効率が悪くなる上
に、第2部分の上に形成するゲート電極8のステップカ
バレッジが困難になるので好ましくない。例えば、絶縁
耐圧や歩留りを十分確保したゲート絶縁膜を得るために
は、第1の膜厚は50〜150nm程度で形成する必要
がある。よって、R=8では第2の膜厚は400〜12
00nmになって作製効率が悪くスループットが低下す
る。また、第2の膜厚が400〜1200nmとなる
と、その上に形成するゲート電極8のステップカバレッ
ジが困難になって、第2の膜厚以上のゲート電極を形成
する必要が生じる。従って、本発明のTFTにより実質
的な効果を得るためには、1.2≦R≦8.0であるの
が望ましい。さらに、図11によれば、効果が非常に効
率よく現れるのはRが1.5〜4.0の時であるので、
特に1.5≦R≦4.0であるのが望ましい。また、こ
の時のTFTのオン電流の低下はきわめて小さく問題な
く使用可能であった。 (実施の形態7)この実施の形態では、本発明のTFT
を絵素部に用いた液晶表示装置を示す。
【0058】図12は本実施の形態の液晶表示装置の構
成図であり、図13はディスプレイ部の斜視図であり、
図14はディスプレイ部の断面図である。この液晶表示
装置は、図12に示すように、ディスプレイ部1001
にゲート線1004およびデータ線1005が互いに交
差して形成され、各交差部近傍にはTFT1006が液
晶部1007および補助容量1008に接続して形成さ
れている。ディスプレイ部1001の周辺にはゲート線
駆動回路1002およびデータ線駆動回路1003が設
けられ、各々ゲート線1004およびデータ線1005
によりTFT1006と接続されている。
【0059】図13に示すように、TFT1006、走
査線1004、データ線1005および画素電極200
7は基板2001上に形成されており、TFT1006
のゲート電極8がゲート線1004と接続され、ソース
領域5a(図14参照)がデータ線1005と接続さ
れ、ドレイン領域5b(図14参照)はコンタクト用バ
ッファ金属3009を介して画素電極2007と接続さ
れている。この基板2001には、さらに液晶配向膜3
012が形成され、共通電極2008、カラーフィルタ
ー2009および第2の液晶配向膜3015が形成され
た対向基板2002と対向配設されている。両基板の間
隙には液晶層2003が設けられて液晶パネルとなって
おり、画素電極2007と共通電極2008との対向部
分が各絵素(液晶部1007)となっている。
【0060】液晶パネルの両外側には偏光板2010、
2011が設けられ、基板2001側から白色光201
2が照射されて透過光が表示される。TFT1006
は、基板2001上にソース領域5a、ドレイン領域5
bおよびチャネル領域2、12を有する半導体層が形成
され、その上にゲート絶縁膜を間に介してゲート電極8
が形成されている。ゲート電極8の上には層間絶縁膜3
006が形成され、その上にデータ線1005が形成さ
れている。データ線1005は層間絶縁膜3006に設
けられたコンタクトホールを通ってソース領域5aに接
続されている。
【0061】データ線1005および補助容量用線10
05aの上には第2の層間絶縁膜3008が設けられ、
その上にコンタクト用バッファ金属3009および画素
電極2007が設けられている。画素電極2007は層
間絶縁膜3006および第2の層間絶縁膜3008に設
けられたコンタクトホールを通り、コンタクト用バッフ
ァ金属3009を間に介してドレイン領域5bに接続さ
れている。また、補助容量用線1005と第2の層間絶
縁膜3006と画素電極2007の重畳部分は補助容量
部1008となっている。さらにその上に保護膜301
1および液晶配向膜3012が形成されている。
【0062】TFT1006のゲート絶縁膜は、ソース
領域5aとドレイン領域5bとの間に第1部分6aと第
1部分6aの1.2〜8.0倍の膜厚を有する第2部分
6bとを有しており、ゲート電極8と半導体層との間に
形成されている。
【0063】上記TFT1006は、実施の形態1〜6
で説明したように電界を緩和して逆バイアス側のオフ電
流を低減し、かつ特性劣化の小さいTFTとすることが
できる。液晶表示装置の絵素部にこのようなTFTを設
けることにより、表示画の保持能力を高めて表示品位を
向上させることができ、かつ信頼性の高い液晶表示装置
とすることができる。
【0064】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、各種の変形が可能である。上記実施の形態において
は、不純物が高濃度に導入されたソース領域5aおよび
ドレイン領域5bをn+、不純物が低濃度に導入された
LDD領域をn-としてN型TFTについて説明した
が、P型TFTにも同様に適用することができる。ま
た、ゲート絶縁膜を構成する絶縁膜材料としては、酸化
シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル、酸化アルミニ
ウム等、種々の絶縁膜材料を用いることができる。ゲー
ト絶縁膜の第1の膜厚、第2の膜厚、第1部分の長さL
1、第2部分の長さL2および半導体層の幅W等、TFT
の各部分のサイズも用途によって適宜変更することがで
きる。第2部分は、ゲート電極と半導体層との間に1ヶ
所または2ヶ所形成したが、それ以上形成してもよい。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ゲート絶縁膜が、半導体層のソース領域とド
レイン領域との間の部分上で膜厚の異なる第1部分と第
2部分とを有しているので、チャネルの途中にゲート電
圧印加による影響を受けにくい領域が形成される。この
領域によりソース/ドレイン間に印加された電圧がドレ
イン端に集中せずに分割されるので、逆バイアス側のオ
フ電流が低減され、この領域で電界が緩和されるので、
ソース/ドレイン間にかかる電界の急峻に高い部分が緩
和されて特性劣化の小さいTFTを得ることができる。
特に、第2の膜厚を第1の膜厚の1.2倍〜8.0倍に
すると、この効果が十分に得られる。
【0066】このような2つの膜厚部分を有するゲート
絶縁膜を形成するに際し、第1の膜厚の絶縁膜を形成
し、第2部分の形成領域に第1の膜厚の0.2〜7.0
倍の膜厚を有する絶縁膜を積層して第2部分を積層構造
とすると、非常に容易に作製することができる。また、
半導体層上に第2の膜厚の絶縁膜を形成し、第1部分の
形成領域をエッチングして厚みを薄くしても容易に作製
することができる。また、これらの方法によれば、オフ
電流を低くする必要がある部分には本発明のTFTを作
製し、同一基板上のオフ電流低減を必要としない部分に
は従来のTFTを共存させて作製することができる。
【0067】このような2つの膜厚部分を有するゲート
絶縁膜が形成されたTFTを液晶表示装置の絵素部に形
成すると、絵素部TFTのオフ電流を低減することがで
き、表示画像の保持能力を高めて表示品位を向上させる
ことができる。また、このTFTは信頼性が高いので、
液晶表示装置の信頼性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のTFTの概略断面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態1のTFTの製造工程を示
す断面図である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、本発明の実施
の形態1のTFTの動作原理を説明するための断面図で
ある。
【図4】(a)は本発明の実施の形態1のTFTの概略
平面図、(b)はその断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2のTFTの概略断面図で
ある。
【図6】本発明の実施の形態3のTFTの概略断面図で
ある。
【図7】(a)、(b)および(c)は、本発明の実施
の形態3のTFTの製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4のTFTの概略断面図で
ある。
【図9】本発明の実施の形態5のTFTの概略断面図で
ある。
【図10】本発明の実施の形態6のTFTの概略断面図
である。
【図11】本発明のTFTについて、膜厚の薄い第1部
分6aに対する膜厚の厚い第2部分6bとの膜厚比Rを
変化させて逆バイアス電圧を測定した結果を示すグラフ
である。
【図12】本発明の一実施の形態である液晶表示装置の
構成図である。
【図13】本発明の一実施の形態である液晶表示装置の
斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態である液晶表示装置の
断面図である。
【図15】従来のオフセットゲート構造のTFTの断面
図である。
【図16】従来のLDD構造のTFTの断面図である。
【図17】従来のデュアルゲート構造のTFTの断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 チャネル領域 12 チャネル領域 3 半導体層 4a LDD領域 4b LDD領域 5a ソース領域 5b ドレイン領域 50a ソース電極 50b ドレイン電極 6a 第1部分 6b 第2部分 7 ゲート絶縁膜 8 ゲート電極 1001 ディスプレイ部 1002 ゲート線駆動回路部 1003 データ線駆動回路 1004 ゲート線 1005 データ線 1006 TFT 1007 液晶部 1008 補助容量 2001 基板 2002 対向基板 2003 液晶層 2007 画素電極 2008 共通電極 2009 カラーフィルター 2010、2011 偏光板 2012 白色光 3006 層間絶縁膜 3008 第2の層間絶縁膜 3009 コンタクト用バッファ金属 3011 保護膜 3012 液晶配向膜 3015 第2の液晶配向膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 617A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース領域とドレイン領域とを有する半
    導体層上に形成されたゲート絶縁膜の上にゲート電極が
    形成され、 該ソース領域とドレイン領域との間の半導体層部分の上
    のゲート絶縁膜が、 一定の膜厚の第1部分と、前記ゲート電極の内側から外
    側にかけて該第1の膜厚より厚い一定の膜厚の第2部分
    とを有し、かつ前記ゲート電極の外側の前記ゲート絶縁
    膜の第2部分の下の半導体層は不純物濃度の低い領域を
    有する薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記第2部分が、前記第1部分の1.2
    倍〜8.0倍の膜厚である請求項1に記載の薄膜トラン
    ジスタ。
  3. 【請求項3】 前記第2部分は、第1の膜厚の絶縁膜
    と、該第1の膜厚の0.2〜7.0倍の膜厚からなる絶
    縁膜との積層構造からなる請求項2に記載の薄膜トラン
    ジスタ。
  4. 【請求項4】 ソース領域とドレイン領域とを有する半
    導体層上に形成されたゲート絶縁膜の上にゲート電極が
    形成された薄膜トランジスタの製造方法であって、該ソ
    ース領域とドレイン領域との間の半導体層部分の上のゲ
    ート絶縁膜を、一定の膜厚の第1部分と、前記ゲート電
    極の内側から外側にかけて該第1の膜厚より厚い一定の
    膜厚の第2部分とを有するように形成する工程と、 半導体層に自己整合的に不純物を注入し、不純物濃度の
    低い領域を形成する工程と、 を含む薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜トランジスタを絵素部に用いた
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導体装
    置。
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