JP2000091202A - 走査露光方法及び走査型露光装置 - Google Patents

走査露光方法及び走査型露光装置

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JP2000091202A
JP2000091202A JP10258330A JP25833098A JP2000091202A JP 2000091202 A JP2000091202 A JP 2000091202A JP 10258330 A JP10258330 A JP 10258330A JP 25833098 A JP25833098 A JP 25833098A JP 2000091202 A JP2000091202 A JP 2000091202A
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wafer
distortion
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Naoyuki Kobayashi
直行 小林
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感応基板上の各ショット領域で線幅分布の均
一性を高精度に確保しつつ、パターン転写を行う。 【解決手段】 事前計測又は計算によって求められ、記
憶装置に記憶された、感応基板Wへの投影像に意識的に
歪みを与えない場合に生じるパターン線幅の転写誤差に
応じたデータに基づいて、感応基板Wへのパターン転写
の際に、制御系(19,20,68)が、感応基板Wへ
の投影像の歪みを調整して、走査露光を行い、マスクR
に形成されたパターンを感応基板Wに転写する。この結
果、転写線幅の均一化が図られたパターン転写を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査露光方法及び
走査型露光装置に係り、更に詳しくは、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)又は薄膜磁気
ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用され
る走査露光方法及び走査型露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばマイクロ・プロセッ
サ、DRAM等の集積回路をはじめとする各種半導体デ
バイスを製造する際に、マスク又はレチクル(以下、適
宜「レチクル」と総称する)の回路パターンを投影光学
系を介してレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又は
ガラスプレート等の感応基板(以下、適宜「ウエハ」と
総称する)上の各ショット領域に転写する投影露光装置
が広く使用されている。こうした投影露光装置として、
最近では、半導体素子の高集積化、デバイスルール(最
小線幅)の微細化に伴い、大面積で高精度な露光が可能
なステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(いわゆるスキャニング・ステッパ)が実用化されてい
る。
【0003】かかる走査型露光装置では、レチクル及び
ウエハの投影光学系の光軸方向の直交面内の位置は、レ
ーザ干渉計システム等により高精度に計測されており、
この計測の結果に基づいてレチクルに形成されたパター
ンの感応基板上への転写にあたっての同期移動動作と、
ウエハを次のショット領域の露光のための走査開始位置
へステッピングさせる動作とを繰り返すことにより、ウ
エハ上の複数のショット領域にレチクルのパターンが順
次転写される。また、ウエハ上の露光領域の投影光学系
の光軸方向の位置及び投影光学系の光軸方向の直交面に
対する傾斜は、フォーカスセンサ等により高精度に計測
されており、この計測の結果に基づいてウエハ上の露光
領域の投影光学系の像面に対する合焦制御が行われてい
る。また、投影光学系については各種の収差に関し、総
合的な投影像の歪みが極小となるように結像制御が行わ
れている。そして、上記の同期移動制御及び合焦制御を
前提として、投影光学系の各種の収差に関し、総合的な
投影像の歪みが極小となるように結像特性の調整が行わ
れ、各ショット領域における同期移動方向に関する転写
されたパターンの線幅分布の均一性、すなわちレチクル
上の回路パターンを適切な形状かつ一様な線幅による転
写の確保が図られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の走査型露光装置
では、上記のようにしてショット領域におけるパターン
の線幅分布の均一性の確保が図られていたが、同期移動
制御や合焦制御の精度には限界があり、こうした精度の
限界内で転写されたパターンの線幅分布の均一性の確保
が図られていた。すなわち、ショット領域における線幅
分布の不均一性の要因として、レチクルとウエハとの同
期移動誤差、ウエハに対する合焦制御(フォーカス制御
およびレべリング制御)誤差といった各種ステージ精度
が線幅分布の不均一性の要因として残存していた。ま
た、レチクルのパターンの描画誤差によっても、線幅分
布の不均一が発生していた。
【0005】一方、近年における、特にマイクロ・プロ
セッサをはじめとするロジック系のデバイスにおける動
作の高速化の要請に伴い、安定した高速動作を確保する
ために不可欠な条件である回路パターンの線幅の均一性
への要求が高まっている。これは、回路パターンの線幅
均一性が半導体デバイス内の卜ランジスタ素子の動作速
度を決める重要なパラメータであるので、卜ランジスタ
素子の動作速度を揃えることにより半導体デバイスは動
作速度を均一に保つことが可能になり、ひいてはウエハ
上のデバイスをほぼ一定の動作速度で作成でき、デバイ
スの歩留まりを向上させることが可能になるからであ
る。そして、線幅均一性の要求精度は、上記の同期移動
制御や合焦制御等の精度の限界から決定される線幅の均
一性の精度を上回りつつある。
【0006】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その目的は、感応基板上の被露光領域(各ショット
領域)で線幅分布の均一性を高精度に確保することがで
きる走査露光方法及び走査型露光装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の走査露光
方法は、露光ビームをマスク(R)に照射するととも
に、該マスク(R)と感応基板(W)とを同期移動しつ
つ、前記マスク(R)に形成されたパターンを投影光学
系(PL)を介して前記感応基板(W)上に転写する走
査露光方法において、前記感応基板(W)の露光に際
し、前記感応基板(W)におけるパターン線幅の転写誤
差の分布に応じて、前記感応基板(W)への投影像の歪
みを調整することを特徴とする。
【0008】また、本発明の第2の走査露光方法は、露
光ビームをマスク(R)に照射するとともに、該マスク
(R)と感応基板(W)とを同期移動しつつ、前記マス
ク(R)に形成されたパターンを投影光学系(PL)を
介して前記感応基板(W)上に転写する走査露光方法に
おいて、前記感応基板(W)の露光に際し、前記感応基
板(W)におけるパターン線幅の転写誤差の情報に基づ
いて、前記感応基板(W)への投影像の歪みを調整する
ことを特徴とする。
【0009】なお、上記の本発明の第1及び第2の走査
露光方法における転写誤差には、露光光の単純な光量制
御では補正が困難な、同期移動の方向と直交する方向に
関する誤差が含まれ、また、マスクと感応基板との同期
移動中に生じる同期移動制御誤差によるものが含まれ
る。
【0010】本発明の第1及び第2の走査露光方法によ
れば、感応基板上に転写されるパターンの線幅が感応基
板への投影像の歪みによって変化することを利用し、感
応基板に転写されたパターンにおいて生じるパターン線
幅の転写誤差を、感応基板への投影像の歪みを調整する
ことにより抑制する。したがって、感応基板に転写され
たパターンの線幅分布の均一性を高精度で確保すること
ができる。
【0011】なお、本発明の第1の走査露光方法では、
パターン線幅の転写誤差の分布を測定用露光によって、
デバイス製造用の露光に先立って求めることが可能であ
る。
【0012】また、本発明の第1及び第2の走査露光装
置では、感応基板への投影像の歪みの調整に、投影光学
系の結像特性の調整を含むことができる。この場合、該
投影光学系の結像特性には、対称ディストーションと倍
率との組み合わせを含むことができる。また、本発明の
第1及び第2の走査露光装置では、区画領域内における
線幅分布の均一性が同期移動方向について変化する場合
には、移動感応基板への投影像の歪みの調整を、マスク
及び感応基板の同期移動中の位置に応じて行うことがで
きる。
【0013】本発明の走査露光装置は、マスク(R)と
感応基板(W)とを同期移動しつつ、前記マスク(R)
に形成されたパターンを前記感応基板(W)上の少なく
とも1つの区画領域に転写する走査型露光装置であっ
て、前記感応基板(W)上におけるパターン線幅の転写
誤差に応じたデータを記憶した記憶装置(29)と;前
記データに基づき、前記感応基板(W)への投影像の歪
みを調整する制御系(19、20、68)とを備える。
【0014】これによれば、感応基板へのパターン転写
の際に、制御系が、記憶装置に記憶された感応基板上の
各区画領域内におけるパターン線幅の転写誤差に応じた
データに基づいて、感応基板への投影像の歪みを調整す
る。したがって、本発明の走査露光方法を使用して、マ
スクに形成されたパターンを感応基板上の区画領域に転
写できるので、線幅分布の均一性を確保した高精度のパ
ターン転写を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る露光装置及び
露光方法の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明す
る。
【0016】図1には、一実施形態に係る走査型露光装
置100の概略的な構成が示されている。この走査型露
光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクル
Rを保持するマスクステージとしてのレチクルステージ
RST、投影光学系PL、感応基板としてのウエハWを
保持してXY平面内でXY2次元方向に移動するウエハ
ステージWST、及びこれらを制御する制御系等を備え
ている。
【0017】前記照明系10は、光源、フライアイレン
ズ等からなる照度均一化光学系、リレーレンズ、可変N
Dフィルタ、レチクルブラインド、及びダイクロイック
ミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。
こうした照明系の構成は、例えば、特開平10−112
433号公報に開示されている。この照明系10では、
回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラ
インドで規定されたスリット状の照明領域部分IAR
(図2参照)を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明
する。
【0018】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、ここでは、磁気浮上型の2次元リ
ニアアクチュエータから成る不図示のレチクルステージ
駆動部によって、レチクルRの位置決めのため、照明光
学系の光軸IX(後述する投影光学系PLの光軸AXに
一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるととも
に、所定の走査方向(ここではY方向とする)に指定さ
れた走査速度で駆動可能となっている。さらに、本実施
形態では上記磁気浮上型の2次元リニアアクチュエータ
はX駆動用コイル、Y駆動用コイルの他にZ駆動用コイ
ルを含んでいるため、Z方向にも微小駆動可能となって
いる。
【0019】レチクルステージRSTのステージ移動面
内の位置はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干
渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例
えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レ
チクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置
情報はステージ制御系19に送られ、ステージ制御系1
9はレチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチ
クルステージ駆動部(図示省略)を介してレチクルステ
ージRSTを駆動する。
【0020】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメント60a、60b、……から成る屈折
光学系が使用されている。この投影光学系PLは所定の
投影倍率、例えば1/5(あるいは1/4)を有する縮
小光学系である。このため、照明系10からの照明光I
LによってレチクルRの照明領域IARが照明される
と、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影
光学系PLを介してその照明領域IAR内のレチクルR
の回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォト
レジストが塗布されたウエハW上に形成される。
【0021】前記レンズエレメントのうち、レチクルス
テージRSTに最も近い一番上のレンズエレメント60
aは、リング状の支持部材62により保持され、この支
持部材62は、伸縮可能な駆動素子、例えばピエゾ素子
64a,64b,64c(紙面奥側の駆動素子64cは
図示せず)によって、3点支持されるとともに鏡筒部6
6と連結されている。上記の駆動素子64a,64b,
64cによって、レンズエレメント60aの周辺3点を
独立に、投影光学系PLの光軸AX方向に移動させるこ
とができるようになっている。すなわち、レンズエレメ
ント60aを駆動素子64a,64b,64cの変位量
に応じて光軸AXに沿って平行移動させることができる
とともに、光軸AXと垂直な平面に対して任意に傾斜さ
せることもできる。そして、これらの駆動素子64a,
64b,64cに与えられる電圧が、主制御装置20か
らの指令に基づいて結像特性補正コントローラ68によ
って制御され、これによって駆動素子64a,64b,
64cの変位量が制御されるようになっている。なお、
図1中、投影光学系PLの光軸AXは鏡筒部66に固定
されているレンズエレメント60bその他のレンズエレ
メント(図示省略)の光軸に一致している。
【0022】また、本実施形態においては、投影光学系
PLの光軸方向中央部近傍の特定のレンズエレメント相
互間には密封室69が形成されており、この密封室69
の内圧が不図示の圧力調整機構(例えばべローズポンプ
等)によって調整されるようになっている。この圧力調
整機構も主制御装置20からの指令に基づいて結像特性
補正コントローラ68によって制御され、これによって
密封室69の内圧が調整されるようになっている。
【0023】ここで、レンズエレメント60aの光軸A
X方向の移動や傾斜により投影光学系PLの倍率を変更
させたり、ディストーションや投影光学系PLの結像面
を変更したりできる。また、投影光学系PL内部の密封
室69の内圧を変化させることにより倍率や投影光学系
PLの結像面を変更できる。
【0024】前記ウエハステージWST上には、ウエハ
ホルダ25が載置され、このウエハホルダ25によって
感応基板としてのウエハWが真空吸着によって保持され
ている。このウエハステージWSTは、搭載されたウエ
ハWをX、Y及びZの各方向に移動させる。
【0025】また、ウエハステージWST上にはウエハ
レーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)31か
らのレーザビームを反射する移動鏡27が固定され、外
部に配置されたウエハ干渉計31により、ウエハWのX
Y面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で
常時検出されている。ここで、ウエハWの位置情報(又
は速度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主
制御装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御
装置20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情
報)に基づいてウエハ駆動装置21(これは、X方向、
Y方向、及びZ方向の各方向に関する駆動系の全てを含
む)を介してウエハステージWSTをXY平面内で駆動
制御する。
【0026】また、ウエハステージWST上には、不図
示のオフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心
から投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベース
ライン計測等のための各種基準マークが形成された基準
マーク板FMが固定されている。
【0027】更に、図1の装置には、ウエハW表面の前
記露光領域IA内部分及びその近傍の領域のZ方向(光
軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式のフォ
ーカス検出系(焦点検出系)の一つである多点フォーカ
ス位置検出系が設けられている。この多点フォーカス位
置検出系は、図1に示されるように、照射光学系51と
受光光学系52とから構成されている。この多点フォー
カス位置検出系の詳細な構成等については、例えば特開
平6−283403号公報に開示されている。
【0028】以上のように構成された本実施形態の露光
装置100では、図2に示されるように、レチクルRの
走査方向(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方向を
有する長方形(スリット状)の照明領域IARでレチク
ルRが照明され、レチクルRは露光時に−Y方向に速度
Rで走査(スキャン)される。照明領域IAR(中心
は光軸AXとほぼ一致)は投影光学系PLを介してウエ
ハW上に投影され、照明領域IARに共役なスリット状
の投影領域、すなわち露光領域IAが形成される。ウエ
ハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハ
Wは速度VRの方向とは反対方向(+Y方向)にレチク
ルRに同期して速度VWで走査され、ウエハW上のショ
ット領域SAの全面が露光可能となっている。走査速度
の比VW/VRは正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じ
たものになっており、レチクルRのパターン領域PAの
パターンがウエハW上のショット領域SA上に正確に縮
小転写される。照明領域IARの長手方向の幅は、固定
ブラインドによって、レチクルR上のパターン領域PA
よりも広く、遮光領域STの最大幅よりも狭くなるよう
に設定され、レチクルRを走査(スキャン)することに
よりパターン領域PA全面が照明されるようになってい
る。
【0029】次に、本実施形態の走査型露光装置100
による転写線幅分布の均一化の動作を、図3〜図10を
参照して説明する。
【0030】まず、デバイス製造用の露光(以下、「実
露光」という)に先立って、実露光におけるレチクルR
の種類、レジスト剤の種類、ウエハW上におけるショッ
ト領域割付、同期移動方向等のプロセス条件について、
実露光の際の各ショット領域における投影像の歪みを決
定する。この決定にあたっては、まず、図3のステップ
111において、転写線幅分布測定のための測定用レチ
クルRT(以下、単に「レチクルRT」という)を用い、
積算露光量を一定値制御することを除いて実露光と同一
の条件で、M枚の測定用ウエハWT(以下、単に「ウエ
ハWT」という)上の各ショット領域にレチクルRTに形
成された線幅測定用パターンを転写する。ここで、転写
が行われるウエハWTの枚数Mは、後述する処理におい
て統計学上充分と見なせるだけの数を用意する。また、
線幅測定用パターンは、レチクルRTのパターン領域を
非同期移動方向(X軸方向)を行方向とし、同期移動方
向(Y軸方向)を列方向として、マトリクス状に仮想的
に分割された部分領域のそれぞれに形成された、所定線
幅の1つ以上の線パターン、例えば、X軸方向に延びた
複数の直線パターン(以下、「H線パターン」とい
う)、Y軸方向に延びた複数の直線パターン(以下、
「V線パターン」という)、又はH線パターンとV線パ
ターンとの組み合わせからなる。そして、レチクルRT
上の各部分領域が、ウエハWT上の各ショット領域内の
部分領域に転写される。
【0031】ここで、ウエハWTに転写されるパターン
の線幅分布は、一般的に、同期移動方向が+Y方向であ
るか−Y方向であるかによって僅かではあるが異なる。
そこで、非常に精度良く線幅制御を行う場合には、双方
の同期移動方向についてそれぞれM枚のウエハに転写を
行う。
【0032】なお、H線パターン及びV線パターンの所
定線幅は、実露光において線幅精度の良い転写が行われ
るべき線幅、すなわち線幅の制御対象として特に線幅均
一性を高めたい線幅に応じて設定される。
【0033】また、H線パターンとV線パターンとで
は、一般的にウエハWTに転写される線幅分布が異なる
が、H線パターンとV線パターンとのいずれかのパター
ンについて特に線幅均一性を高めたいときには、着目す
るパターンのみをレチクルRTに形成すればよい。一
方、H線パターンとV線パターンとの双方のパターンに
ついて線幅均一性を高めたいときには、双方のパターン
をレチクルRTに形成すればよい。以下、H線パターン
の転写線幅の均一化を中心に説明する。
【0034】上記の測定用パターンRTの転写におい
て、図4(A)に示されるように、レチクルRTに固定
されたレチクル座標系(XR,YR,ZR)において、H
線パターンの線幅方向すなわちY方向に関して位置YRA
に形成されたH線パターンHPRは、ウエハWTに固定さ
れたウエハ座標系(XW,YW,ZW)における位置YWA1
に転写される。このとき、レチクルRTの照明領域IA
R内にH線パターンHPRがあると、レチクルRTを透過
した時点で、図4(B)に示されるような+YR方向に
ついて強度IRの分布を有する照明光ILが、ウエハWT
への到達時点において、図4(C)に示されるようなY
W方向について強度IWの分布を有する照明光ILとな
り、ウエハWTに到達した照明光ILによってウエハWT
の表面に塗布されたレジスト剤が露光される。なお、ウ
エハWTにおけるH線パターンHPWに関する露光は、レ
チクルRT上のH線パターンHPRが照明領域IAR内に
ある間(以後、この期間の始期を時刻t0とし、終期を
時刻t2とする)にわたって行われる。
【0035】ところで、本実施形態の露光装置100で
は、レチクル上のパターンの転写に際して、前述のよう
にレチクルRTとウエハWTとが互いに逆向きにY軸方向
に同期移動する。かかる同期移動にあたっては、ステー
ジ制御系19の制御の下で、レチクルスレージRSTが
レチクル駆動装置により、また、ウエハステージWST
がウエハ駆動装置21によってそれぞれ駆動される。し
かしながら、元々存在する制御誤差や同期移動に伴う装
置の変形等によって同期移動に誤差が生じる。
【0036】この同期移動に伴う誤差をウエハWTを例
として説明する。同期移動によって、図5に示されるよ
うな、XW軸方向、YW軸方向、及びZ軸方向に関する並
進振動、並びにXW軸回り方向(θX方向)、YW軸回り
方向(θY方向)、及びZ軸回り方向(θZ方向)に関す
る回転振動が発生する。かかる並進振動及び回転振動に
よって、ウエハWTに投影されたH線パターン像HPW
の投影点PA1(XWA1,YWA1,ZWA1)は、XW軸方向、
W軸方向、及びZW軸方向に振動することになる。ここ
で、XW軸方向の振動は、ウエハWTに転写されたH線パ
ターンの線幅を変化させないが、V線パターンの線幅を
変化させる。また、YW軸方向の振動は、ウエハWTに転
写されたV線パターンの線幅を変化させないが、H線パ
ターンの線幅を変化させる。また、ZW軸方向の振動
は、後述するようにウエハWTに転写されたH線パター
ン及びV線パターンの線幅を変化させる。
【0037】ここで、ウエハWTに転写されたH線パタ
ーンの線幅の変化について説明する。
【0038】まず、YW軸方向の振動による転写線幅の
変化について説明する。YW軸方向の振動が無い場合に
は、前述の時刻t0から時刻t2の間、投影点PA1のYW
方向位置YWA1は正確に設計上の投影点PA0のYW方向位
置YWA0に一致し続け、図6(A)〜図6(C)に示さ
れる露光光量IWのYW軸方向に関する分布の露光光によ
って露光がなされる。なお、図6(B)には、時刻t0
と時刻t2との中間の時刻t1における露光光量IWのYW
軸方向に関する分布が示されている。この結果、Y方向
位置YWA0を含むその近傍の積算露光量ITのYW方向位
置に関する分布は露光光量IWの時間積分値となり、図
6(D)に示されるようにシャープなものとなる。
【0039】また、YW軸方向の振動の周期が時間(t2
−t0)と比べて十分に長い場合には、前述の時刻t0
ら時刻t2の間、投影点PA1のYW方向位置YWA1は位置
WA 0とは異なるが、一定のYW方向位置(YWA0+Δ
Y)となり、図7(A)〜図7(C)に示される露光光
量IWのYW軸方向に関する分布の露光光によって露光が
なされる。この結果、YW方向位置YWA1を含むその近傍
の積算露光量ITのYW方向位置に関する分布は、図7
(D)に示されるように、図6(D)の場合と同様にシ
ャープなものとなる。すなわち、投影像のコントラスト
は一致する。したがって、設計値と比べてウエハWT
におけるH線パターンの形成位置は異なるが、設計値と
同様の転写線幅のH線パターンが形成される。
【0040】また、YW軸方向の振動の周期が時間(t2
−t0)と比べて同程度の場合には、前述の時刻t0から
時刻t2の間、投影点PA1のYW方向位置YWA1は変化
し、図8(A)〜図8(C)に示される露光光量IW
W軸方向に関する分布の露光光によって露光がなされ
る。この結果、YW方向位置YWA1を含むその近傍の積算
露光量ITのYW方向位置に関する分布は、図8(D)に
示されるように、図6(D)の場合と比べて、YW軸方
向に広がったものとなる。すなわち、投影像のコントラ
ストが低下する。したがって、設計値と比べてウエハW
T上におけるH線パターンの形成位置は同様となるが転
写線幅が広がったH線パターンが形成される。
【0041】ところで、各投影点のウエハWTのYW軸方
向の振動には、同期移動によって生じたYW軸方向の並
進振動とZW軸回りの回転振動とが主に寄与する。ここ
で、Y W軸方向の並進振動は、XW方向位置に沿った方向
の各投影点に同様のYW軸方向の振動を付与するので、
W方向に関する転写線幅の不均一を発生させることは
ないが、振動の大きさが時間的に変化すると、YW方向
に関する転写線幅の不均一を発生させる。
【0042】また、ZW軸回りの回転振動に伴うYW軸方
向の振動は、振幅が回転中心からのXW方向距離によっ
て異なるので、投影点のXW方向位置が異なれば積算露
光量I Tの分布が異なる。したがって、XW方向に関する
転写線幅の不均一を発生させる。さらに、振動の大きさ
が時間的に変化すると、YW方向に関する転写線幅の不
均一を発生させる。
【0043】なお、V線パターンの転写線幅も、上記の
H線パターンと同様に、XW軸方向の並進振動とZW軸回
りの回転振動の影響を受ける。
【0044】次に、ZW軸方向の振動による転写線幅の
変化について説明する。同期移動に伴いZW軸方向の振
動が生じた場合には、ウエハWT上の投影点がZ軸方向
に移動し、これに応じて合焦制御がなされるが、Z方向
に関する合焦制御が間に合わない合焦制御の誤差分だ
け、Z方向に関する変位が発生する。そして、変位量に
応じたデフォーカスが生じ、投影点における積算露光量
の分布が広がったものとなる。この結果、設計値の転写
線幅よりも広い線幅のパターンがウエハWT上に形成さ
れる。
【0045】ところで、各投影点のウエハWTのZW軸方
向の振動には、同期移動によって生じたZW軸方向の並
進振動とXW軸回り及びYW軸回りの回転振動とが主に寄
与する。ここで、ZW軸方向の並進振動は、ウエハWT
の各投影点に同様のZW軸方向の振動を付与するので、
W方向に関する転写線幅の不均一を発生させることは
ないが、振動の大きさが時間的に変化すると、YW方向
に関する転写線幅の不均一を発生させる。
【0046】また、XW軸回りの回転振動に伴うZW軸方
向の振動は、XW方向に沿った各投影点に同様のYW軸方
向の振動を付与するので、XW方向に関する転写線幅の
不均一を発生させることはないが、振動の大きさが時間
的に変化すると、YW方向に関する転写線幅の不均一を
発生させる。
【0047】また、YW軸回りの回転振動に伴うZW軸方
向の振動は、振幅が回転中心からのXW方向距離によっ
て異なるので、投影点のXW方向位置が異なれば積算露
光量I Tの分布が異なる。したがって、XW方向に関する
転写線幅の不均一を発生させる。さらに、振動の大きさ
が時間的に変化すると、YW方向に関する転写線幅の不
均一を発生させる。
【0048】以上、同期移動に伴うウエハステージWS
Tに発生する振動による転写線幅分布の不均一の発生に
ついて説明したが、レチクステージRSTが同期移動に
伴って振動した場合も、上記のウエハステージWSTの
振動の場合と同様にして転写線幅分布が不均一となる。
【0049】さらに、ウエハステージWST及びレチク
ルステージRSTに振動が発生しなくとも、レチクルR
Tのパターンに描画誤差があれば、結果としてウエハWT
に転写されたパターンにおいて転写線幅の不均一が発生
する。
【0050】したがって、図3のステップ111におい
ては、上述のような各種の転写線幅不均一性の要因が実
露光と同様に含まれた状態で、レチクルRTに形成され
たパターンがウエハWTに転写される。
【0051】次に、ステップ113において、露光が完
了したM枚のウエハを現像する。
【0052】次いで、ステップ115において、現像後
のM枚のウエハ上に転写された各H線パターンの線幅を
測定する。かかる転写線幅の測定は、電子顕微鏡によっ
て行うこともできるし、また、電気配線を行うことがで
きる場合は電気抵抗値測定によって線幅計測を行うこと
もできる。
【0053】そして、各ウエハWTの各ショット領域S
A内の部分領域における線幅値から各ショット領域SA
内の線幅分布を求める。例えば、各ショット領域SA内
の部分領域毎に、転写されたH線パターン測定線幅に基
づいて、H線パターンの線幅値を統計処理(例えば、平
均演算等)して求め、その結果を各部分領域における、
転写されたH線パターンの線幅とし、各ショット領域S
A内の線幅分布を求める。
【0054】引き続き、M枚のウエハWTについて、同
一のショット領域SAにおける線幅分布を統計処理(例
えば、平均演算等)して、転写されたH線パターンに関
する平均的な線幅分布(以後、「平均H線幅分布」とい
う)を各ショット領域SA毎に求める。
【0055】次に、ステップ117において、各ショッ
ト領域SAの平均H線幅分布に基づいて、実露光時に際
して付与すべき投影像の歪みを算出する。ここで、実露
光時に際して、線幅分布を均一化するために付与すべき
ディストーションの算出方法の一例を図9及び図10を
参照して説明する。この例では、上記のステップ115
で求められた平均H線幅分布が、図9(A)に示される
ような、ショット領域SAの中央部の線幅が細く、周辺
部の線幅が太くなるものであるとしている。なお、図1
0において破線で示した格子は、レチクルRT上に仮想
的に形成された理想格子がウエハ上に投影された様子を
示している。
【0056】ここで、図9(A)に示された形状のH線
パターンが、図9(B)に示されるような線幅が均一化
された形状のH線パターンに補正されるディストーショ
ンの算出の説明に先立って、投影光学系PLを制御し
て、投影倍率及び投影像のディストーションを変化させ
たときの線幅の変化について説明する。
【0057】投影倍率が設計値であり、収差を持たない
理想的な投影光学系によりウエハW T表面上に投影像が
結像される場合を考えると、図10(A)に示されるよ
うに、露光領域IA内において、理想格子がそのままの
形で投影される。この場合におけるウエハWTにおける
理想格子上の2点、すなわち設計上の投影点として、図
10(A)における点PA0及び点PB0を考える。なお、
図10(A)においては、露光領域IA中心から点PA0
までのXW軸方向の距離は、露光領域IA中心から点P
B0までのXW軸方向の距離よりも長く、かつ、点PA0
び点PB0のYW方向位置が同一となるように、点PA0
び点PB0を選択している。以下、設計上の投影点PA0
B0と実際の投影点PA1、PB1との位置関係に注目して
説明する。
【0058】このときには、実際の投影点PA1、PB1
点PA0、PB0とは、同期移動により、ウエハWに対して
露光領域IAが移動しても、点PA1、PB1と点PA0、P
B0ととが一致するとことについては変化がなく、投影光
学系PLによる線幅分布の不均一性は発生せず、上述の
図9(A)に示されたパターン形状と同一の形状のパタ
ーンが転写される。
【0059】次に、投影光学系PLに倍率誤差のみがあ
る場合を考える。この場合には、図10(B)に示され
るように、点PA0と点PA1とは一致せず、また、点PB0
と点PB1とは一致しなくなる。ここで、同期移動による
ウエハWに対する露光領域IAの移動を考えると、非同
期移動方向(XW軸方向)に関しては点PA0と点PA1
の位置関係、及び点PB0と点PB1との位置関係が変化し
ない。これは、前述の図7の例と同様である。一方、同
期移動方向(YW軸方向)に関しては、点PA0と点PA1
との位置関係及び点PB0と点PB1との位置関係が、同期
移動に従って刻々と変化していくことになる。この変化
は、前述の図8の例と同様である。したがって、図10
(B)の場合には、YW軸方向に関して線幅変化をもた
らすことになる。この結果、上述の図9(A)に示され
たパターン形状からYW軸方向について一定値だけ線幅
が増加したパターンが転写される。
【0060】次いで、対称ディストーションの一種であ
る低次の糸巻き型のディス卜ーションを発生させた場合
を考える。この場合には、図10(C)に示されるよう
に、図10(B)の場合と同様に、点PA0と点PA1とは
一致せず、また、点PB0と点PB1とは一致しなくなる。
しかし、露光領域IAの中心部により近い点PB1では、
ディストーションの影響は小さく、点PB0と点PB1とは
ほぼ一致する。一方、露光領域IAの中心部からより遠
い点PA1では、ディストーションの影響は大きく、YW
軸方向に関して点PA0と点PA1とは大きく離れる。この
結果、同期移動によるウエハWに対する露光領域IAの
移動によって、点PA1への投影による積算露光量の分布
は、点PB1への投影による積算露光量の分布よりもYW
軸方向に広がったものとなる。このため、XW軸方向に
関して、中央部で線幅が細くなり、周辺部で線幅が太く
なる。したがって、上述の図9(A)に示されたパター
ン形状よりも、中央部の線幅と周辺部の線幅とが大きく
異なる形状のパターンが転写される。
【0061】次に、図10(C)における対称ディスト
ーションに加えて、投影倍率の縮小を発生させた場合を
考える。この場合には、図10(D)に示されるよう
に、図10(B)や図10(C)の場合と同様に、点P
A0と点PA1とは一致せず、また、点PB0と点PB1とは一
致しなくなる。しかし、YW軸方向に関する点PA0と点
A1との差異は、点PB0と点PB1との差異よりも小さく
なる。この結果、同期移動によるウエハWに対する露光
領域IAの移動によって、点PA1への投影による積算露
光量の分布は、点PB1への投影による積算露光量の分布
よりもYW軸方向に狭まったものとなる。このため、XW
軸方向に関して、中央部で線幅が太くなり、周辺部で線
幅が細くなる。したがって、図9(B)に示されるよう
な、線幅が均一化された形状のパターンがが転写され
る。すなわち、図9(A)の形状のパターンは、図10
(D)に示されるようなディストーションを投影像に付
与することにより、線幅が均一化される。
【0062】以上の例では、図9(A)の形状のH線パ
ターンの非同期移動方向に関する線幅均一化を説明した
が、他の形状のH線パターン、さらにはV線パターンの
非同期移動についても、投影倍率及び対称ディストーシ
ョンの少なくとも一方を発生することにより、非同期移
動方向に関する線幅均一化を図ることができる。
【0063】そこで、図3のステップ117において
は、ステップ115における各ショット領域に関する線
幅分布の測定結果に基づき、上述のように非同期移動方
向に関する線幅均一化を図ることができる投影倍率及び
対称ディストーションの少なくとも一方を、各ショット
領域における同期移動方向の各位置について算出する。
なお、同期移動方向の各位置について非同期移動方向に
関する線幅均一化を図ることができる投影倍率及び対称
ディストーション量の少なくとも一方を算出する場合に
は、同期移動方向に関する線幅分布を均一化させるもの
とする。
【0064】次いで、算出された投影倍率及び対称ディ
ストーション量が、ステップ119において、実露光に
おいて付与されるべき投影像の歪みに関する制御データ
として、記憶装置29に格納される。
【0065】以上では、H線パターンに関して線幅を均
一化するための投影像の歪みを求めたが、V線パターン
に関して線幅を均一化するための投影像の歪みも同様に
して求めることができる。さらに、H線パターン及びV
線パターンの双方の線幅を適度に均一化する場合には、
H線パターンの線幅分布とV線パターンの線幅分布と個
別に求めて、所望の重み付けをして平均し、その結果か
ら上述のショット領域内における線幅分布を求めること
にすればよい。また、同期移動方向に応じて異なる投影
像の歪みの調整を行う場合には、各同期移動方向につい
て、上述と同様にして、各ショット領域における投影倍
率及び対称ディストーション量の少なくとも一方を求め
ることにすればよい。
【0066】こうして、投影像の歪み制御データの決定
が終了すると、ステップ121において、実露光が実行
される。かかる実露光にあたっては、まず、不図示のウ
エハローダによって、露光対象となるウエハWがウエハ
ホルダ25にロードされる。これと同時に、不図示のレ
チクルローダによって、デバイス製造用のパターンが形
成されたレチクルRがレチクルステージRST上にロー
ドされる。そして、主制御装置20が、記憶装置29に
記憶された投影像の歪み制御データに基づき、結像特性
補正コントローラ68を介して、駆動素子64及び密封
室69の内圧を制御して、投影光学系PLによるウエハ
Wへの像の歪みを調整する。そして、ステージ制御系1
9が、ウエハ干渉計31及びレチクル干渉計16から供
給された位置情報(速度情報)に基づいて、ウエハ駆動
装置21及びレチクル駆動装置を介して、ウエハWとレ
チクルRとを同期移動させ、レチクルRに形成されたパ
ターンをウエハW上の各ショット領域上に転写する。こ
こで、同期移動中におけるウエハWへの像の歪みの調整
は、密封室69の内圧の制御によって行われる。
【0067】なお、ウエハWへの投影像の歪みの内、同
期移動方向に関する投影倍率の制御は、レチクルRの同
期移動速度VRとウエハWの同期移動速度VWとの比を変
化させることによっても調整することができるので、主
制御装置20が、ステージ制御系19を介して、速度V
R及び速度VWの少なくとも一方を変化させて、同期移動
方向に関する投影倍率の制御を行ってもよい。また、ウ
エハWの同期移動中において、ウエハステージWSTに
関し、Y軸方向への駆動に加えてX軸方向への駆動を行
うことにより、ウエハWにとって投影像の歪みを発生さ
せることにしてもよい。さらに、投影光学系PLの結像
特性の制御、速度VR及び速度VWの少なくとも一方の変
化、及び同期移動中におけるウエハステージWSTのX
軸方向駆動の任意の組み合わせによって、ウエハWへの
投影像の歪みを調整することも可能である。なお、速度
R及び速度VWの少なくとも一方を変化させる場合に
は、ショット領域内において露光位置の積算露光量が均
一となるように、照明系10からの照射光光量を調整す
る。
【0068】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ウエハWへのパターン転写の際に、同期移動制御誤
差等によって発生するパターン線幅の転写誤差に応じ
て、この誤差を相殺するように各ショット領域内におけ
る投影像の歪みを調整するので、線幅均一性を高めたパ
ターン転写を行うことができる。
【0069】なお、上記の実施形態では、パターン線幅
の転写誤差の要因となる、レチクルRに形成されたパタ
ーンの描画誤差、投影光学系PLの像面とウエハW上の
露光領域との合焦制御誤差、及びレチクルRとウエハW
との同期移動制御誤差等の要因の全てが総合されて生じ
るパターン線幅の転写誤差を測定用の露光を行って求
め、その測定結果に基づいて、ウエハWへの投影像の歪
みを調整している。これに対して、上記の各要因のパタ
ーン線幅の転写誤差に対する寄与の特性が既知である場
合には、各要因の特性に基づいてパターン線幅の転写誤
差を算出し、その算出結果に基づいて、ウエハWへの投
影像の歪みを制御することも可能である。
【0070】また、上記の実施形態では、ショット領域
毎に投影像の歪み制御データを個別に管理したが、パタ
ーン線幅の転写誤差にショット領域間で共通性がある場
合には、共通性のあるショット領域のグループ毎に投影
像の歪み制御データを管理することができる。かかる場
合には、管理するデータ量を低減することができる。例
えば、パターン線幅の転写誤差が、主にレチクルRに形
成されたパターンの描画誤差といった、使用する走査型
露光装置自体に由来せず走査型露光装置間で機差が無
く、ショット領域の位置による差異の無いものでであれ
ば、パターン線幅の転写誤差は、全てのショット領域間
で共通性があることになる。この場合には、1つの投影
像の歪み制御データを管理すればよい。また、パターン
線幅の転写誤差が、主にウエハWの径方向で発生するウ
エハW上のレジスト膜の厚さの不均一性や、ウエハW上
のショット領域の位置に応じたものであれば、パターン
線幅の転写誤差に共通性のあるいくつかのグループに分
けることができることになる。この場合には、グループ
の数だけ投影像の歪み制御データを管理すればよい。
【0071】また、上記の実施形態では、投影像に低次
のディス卜ーションを付与することにより、転写線幅の
均一化を行っているが、さらに高次のディス卜ーション
を組み合わせることも可能である。
【0072】なお、本発明の走査型露光装置は、上記実
施形態でも説明したように、基板上の各ショット領域
(区画領域)内で線幅均一性をほぼ同様に高精度に確保
するように、走査型露光装置を構成する各構成要素を、
電気的、機械的又は光学的に連結して組み上げられる。
【0073】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
走査露光方法によれば、パターン線幅の転写誤差の分布
又は情報に基づいて、感応基板への投影像の歪みを調整
するので、同期移動方向に関する線幅分布の均一性を高
精度で確保することができる。
【0074】また、本発明の走査型露光装置によれば、
感応基板へのパターン転写の際に、記憶装置に記憶され
た、感応基板への投影像の歪みに関するデータに基づい
て、感応基板への投影像の歪みを調整する。すなわち、
本発明の走査露光方法を使用して、マスクに形成された
パターンを感応基板上に転写できるので、線幅分布の均
一性を確保した高精度のパターン転写を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る走査型露光装置の概略構成を
示す図である。
【図2】図1の装置による走査露光の原理を説明するた
めの図である。
【図3】図1の装置による露光動作のフローチャートで
ある。
【図4】レチクルに形成されたパターンとウエハに転写
されるパターンとの関係を説明するための図である(A
〜C)。
【図5】ウエハWに発生する振動を説明するための図で
ある。
【図6】振動が無い場合の積算露光量を説明するための
図である(A〜D)。
【図7】振動が有る場合の積算露光量を説明するための
図(その1)である(A〜D)。
【図8】振動が有る場合の積算露光量を説明するための
図(その2)である(A〜D)。
【図9】線幅分布の均一化を説明するための図である
(A、B)。
【図10】線幅分布の均一化を図るために付与される投
影像に歪みを説明するための図である(A〜D)。
【符号の説明】
19…ステージ制御系(制御系の一部)、20…主制御
装置(制御系の一部)、68…結像特性コントローラ
(制御系の一部)、PL…投影光学系、R…レチクル
(マスク)、W…ウエハ(感応基板)。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光ビームをマスクに照射するととも
    に、該マスクと感応基板とを同期移動しつつ、前記マス
    クに形成されたパターンを投影光学系を介して前記感応
    基板上に転写する走査露光方法において、 前記感応基板の露光に際し、前記感応基板におけるパタ
    ーン線幅の転写誤差の分布に応じて、前記感応基板への
    投影像の歪みを調整することを特徴とする走査露光方
    法。
  2. 【請求項2】 前記転写誤差の分布は、所定の感応基板
    上に転写されたパターンの線幅の測定結果に基づいて、
    予め求められることを特徴とする請求項1に記載の走査
    露光方法。
  3. 【請求項3】 露光ビームをマスクに照射するととも
    に、該マスクと感応基板とを同期移動しつつ、前記マス
    クに形成されたパターンを投影光学系を介して前記感応
    基板上に転写する走査露光方法において、 前記感応基板の露光に際し、前記感応基板におけるパタ
    ーン線幅の転写誤差の情報に基づいて、前記感応基板へ
    の投影像の歪みを調整することを特徴とする走査露光方
    法。
  4. 【請求項4】 前記転写誤差は、前記同期移動の方向と
    直交する方向に関する誤差であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の走査露光方法。
  5. 【請求項5】 前記転写誤差には、前記同期移動中に生
    じる前記マスクと前記感応基板との同期移動制御誤差に
    よるものが含まれることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の走査露光方法。
  6. 【請求項6】 前記投影像の歪みの調整には、前記投影
    光学系の結像特性の調整が含まれることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の走査露光方法。
  7. 【請求項7】 前記投影光学系の結像特性は、対称ディ
    ストーションと倍率との組み合わせが含まれることを特
    徴とする請求項6に記載の走査露光方法。
  8. 【請求項8】 前記投影像の歪みの調整は、前記マスク
    の同期移動中の位置に応じて行われることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の走査露光方法。
  9. 【請求項9】 マスクと感応基板とを同期移動しつつ、
    前記マスクに形成されたパターンを前記感応基板上の少
    なくとも1つの区画領域に転写する走査型露光装置であ
    って、 前記感応基板上におけるパターン線幅の転写誤差に応じ
    たデータを記憶した記憶装置と;前記データに基づき、
    前記感応基板への投影像の歪みを調整する制御系とを備
    える走査型露光装置。
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