JP2000089149A - 走査光学装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレアによる画質劣化を防止する。 【解決手段】 成型レンズ７のエッジ部７ａは、このレ
ンズ７を取り付けるための環状の取り付け部材１５ａに
取り付けられ、また、取り付け部材１５ａは、光センサ
９により反射された光束２０が成型レンズ７のエッジ部
７ａに入り込むことを防止する遮光手段を構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームを走
査する走査光学装置に関し、例えばレーザプリンタ、デ
ジタル複写機、ファクシミリ等の画像形成装置において
光走査により画像を形成する場合に好適な走査光学装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の走査光学装置を示してい
る。半導体レーザ１から出射されたレーザ光束は、コリ
メートレンズ２により平行光束又は略平行光束に整形さ
れ、次いでアパーチャ３、シリンダレンズ４を介して回
転多面鏡５の反射面に入射する。回転多面鏡５により反
射されたレーザ光束は、結像系であってｆθ特性を有す
る光学素子６と、回転多面鏡５により構成される光偏向
器５’の面倒れを補正する成型レンズ７により収束光と
なる。被走査面１０はこのビームウェスト位置に配置さ
れ、また、光学系６、７の有効光路外には、同期検知位
置１１においてレーザ光束を１走査毎に検知して画像書
き込み開始位置のタイミングをとるために、反射ミラー
８と反射ミラー８により反射されたレーザ光束を受光す
るフォトダイオード等の光センサ９が配置されている。
図６は半導体レーザ１の点灯周期と同期検知タイミング
を示し、横軸が時間を、縦軸が半導体レーザ１の点滅を
示している。半導体レーザ１は画像書き込み開始前に一
定時間点灯して光センサ９により検知され、その後消灯
して画像書き込み開始位置から画像範囲において画像デ
ータに応じて点滅する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ｆθ特性を
有する光学素子６と、光偏向器５’の面倒れを補正する
成型レンズ７は、微細なビームスポットにより高密度、
高画質を得るために設けられているが、成型レンズ７は
製作面とコスト面の理由によりプラスチック等の長尺レ
ンズが用いられている。このため、成型レンズ７にはプ
ラスチックを射出するためのゲートが設けられるが、面
精度を確保し、また、複屈折の悪化を避けるために光学
的有効部はそのゲートより一定距離を置くことにより確
保される。また、成型レンズ７は長尺であるので、強度
を確保するために通常、図７に示すようにエッジ部７ａ
が設けられ、このエッジ部７ａに上記のゲートが形成さ
れる。また、一般的にはこのエッジ部７ａにおいて成型
レンズ７が位置決めされて固定、支持される。

【０００４】しかしながら、同期検知光学系８、９はｆ
θ光学系６の光束の一部を利用するが、ｆθ光学系
（６）の有効光路外に配置しなければならない。また、
光センサ９は交換、保守を考慮すると、同じく交換、保
守が考慮されるレーザ光源ユニット１、２、３の近傍に
配置すれば作業効率が向上し、更にレーザ光源ユニット
１、２、３と光センサ９を１つのユニットにすれば構成
部品点数が減少する。また、同期検知光学系８、９も被
走査面１０に応じた共役長を必要とするので、ミラー８
により同期検知光束を反射させることにより同期検知光
学系８、９の光路をコンパクトにすることができる。

【０００５】したがって、以上の理由により、同期検知
光学系８、９を構成するミラー８が成型レンズ７と光学
素子６の間に配置されるので、図７に示すように光セン
サ９により反射された光束２０が成型レンズ７のエッジ
部７ａに入り込む場合があり、この場合には光束２０が
エッジ部７ａにより拡散され、この拡散された不必要な
光束２０ａ、２０ｂ（フレア）が被走査面１０に入り込
んで感光体に到達するという問題点がある。特に近年で
は、感光体の感度が向上して感光体上において必要な光
量が減少する傾向があるので、フレアが弱い光パワーで
あっても感光体が感光し、黒筋やカブリが生じて印字画
像の品質を悪化させる。

【０００６】なお、この種の従来例としては、例えば特
開平６−３６０９号公報に示すように一部もしくは全部
が成型レンズからなる光学系と偏向素子の間に前記光学
系の光学有効域外を通過する光束を遮光する遮光部材を
設けた構造が提案されている。また、他の従来例として
は、例えば特開平６−５９２０６号公報に示すように水
平同期を検知するミラーを支持する部材によりレーザ光
が不要に反射して感光体が露光されることを防止する構
造が提案されている。

【０００７】本発明は上記従来例の問題点に鑑み、フレ
アによる画質劣化を防止することができる走査光学装置
を提供することを目的とする。

【０００８】本発明はまた、簡単な構成で安価に、保守
作業効率を損なうことなくフレアによる画質劣化を防止
することができる走査光学装置を提供することを目的と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１の手段は、レーザ光束を偏向走査する第１の光
学系と、前記第１の光学系により走査されたレーザ光束
を被走査面上に結像する第２の光学系と、前記第１の光
学系により走査されたレーザ光束を前記第２の光学系の
有効光路外で検知する第３の光学系を備えた走査光学装
置において、前記第２の光学系の有効光路外を通過する
前記第３の光学系による反射光束を遮光する遮光手段を
備えていることを特徴とする。

【００１０】第２の手段は、第１の手段における前記遮
光手段が、画像書き出し位置側に設けられていることを
特徴とする。

【００１１】第３の手段は、第１または第２の手段にお
いて、前記遮光手段が前記第２または第３の光学系の取
付部材からなることを特徴とする。

【００１２】第４の手段は、第１または第２の手段にお
いて、前記遮光手段が前記第２または第３の光学系の光
学素子からなることを特徴とする。

【００１３】第５の手段は、第３の手段において、前記
取付部材の遮光部分には遮光部材が貼付または塗布され
ていることを特徴とする。

【００１４】第６の手段は、第４の手段において、前記
光学素子の遮光部分には遮光部材が貼付または塗布され
ていることを特徴とする。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１は本発明に係る走査光学装置
の一実施形態を示す構成図である。

【００１６】図１において、半導体レーザ１から出射さ
れたレーザ光束は、コリメートレンズ２により平行光束
又は略平行光束に整形され、次いでアパーチャ３、シリ
ンダレンズ４を介して回転多面鏡５の反射面に入射す
る。回転多面鏡５とこの多面鏡５を反時計回り方向Ａに
回転するモータは光偏向器５’を構成し、レーザ光束を
感光体等の被走査面１０において走査方向Ｂにライン毎
に繰り返して走査する。半導体レーザ１から回転多面鏡
５までの偏向走査光学系は第１の光学系１〜５を構成し
ている。

【００１７】回転多面鏡５により反射されたレーザ光束
は、結像系であってｆθ特性を有する光学素子６と、光
偏向器５’の面倒れを補正する成型レンズ７により収束
光となる。被走査面１０はこのビームウェスト位置に配
置され、したがって、被走査面１０上に光スポットとし
て投影される。この結像光学系は第２の光学系６、７を
構成している。

【００１８】また、第２の光学系６、７の有効光路外に
は、同期検知位置１１においてレーザ光束を１走査毎に
検知して画像書き込み開始位置のタイミングをとるため
に、反射ミラー８と反射ミラー８により反射されたレー
ザ光束を受光するフォトダイオード等の光センサ９が配
置されている。この同期検知光学系は第３の光学系８、
９を構成している。

【００１９】そして、成型レンズ７のエッジ部７ａは、
このレンズ７を取り付けるための環状の取り付け部材１
５ａに取り付けられ、また、取り付け部材１５ａは、光
センサ９により反射された光束２０が成型レンズ７のエ
ッジ部７ａに入り込むことを防止するための遮光部を構
成している。なお、取り付け部材１５ａは図のような構
造に限定されず、例えば成型レンズ７を固定するための
板バネ等の他の部材でもよく、この場合には安価に構成
することができる。

【００２０】図２は第２の実施形態を示し、光センサ９
で反射した光束２０が成型レンズ７のエッジ部７ａに入
り込むことを防止するために、成型レンズ７のエッジ部
７ａに遮光部材１６を直接貼付したものである。なお、
この貼付に代えて遮光部材１６を塗布するようにしても
よい。この遮光部材１６としては、例えば光が透過しな
いマイラ、モルトプレーン、遮光用塗料等を使用でき
る。

【００２１】図３は第３の実施形態を示し、光センサ９
で反射した光束２０が成型レンズ７のエッジ部７ａに入
り込むことを防止するために、反射ミラー８の取り付け
部材１７が光センサ９で反射した光束２０の光路まで延
長されている。なお、この取り付け部材１７は第１の実
施形態と同様に、反射ミラー８を固定するための板バネ
等の他の部材でもよく、反射ミラー８以外の板バネ等を
使用した場合には安価に構成することができる。

【００２２】図４は第４の実施形態を示し、光センサ９
で反射した光束２０が成型レンズ７のエッジ部７ａに入
り込むことを防止するために、反射ミラー８自体が光セ
ンサ９で反射した光束２０の光路まで延長され、延長部
が遮光部を構成している。この場合には、反射ミラー８
の延長部に第２の実施形態において説明した遮光部材１
６を塗布又は貼付するようにしてもよく、また、反射ミ
ラー８の延長部（遮光部）を非反射面にしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
によれば、遮光部材を設けたので、フレアによる画質劣
化を防止することができる。

【００２４】請求項２記載の発明によれば、遮光手段は
第３の光学系が配置される画像書き出し位置側に設けら
れているので、フレアによる画質劣化を防止することが
できる。

【００２５】請求項３記載の発明によれば、遮光手段が
第２または第３の光学系の取付部材からなるので、簡単
な構成で安価に、保守作業効率を損なうことなくフレア
による画質劣化を防止することができる。

【００２６】請求項４記載の発明によれば、遮光手段が
第２または第３の光学系の光学素子からなるので、簡単
な構成で安価に、保守作業効率を損なうことなくフレア
による画質劣化を防止することができる。

【００２７】請求項５記載の発明によれば、取付部材の
遮光部分には遮光部材が貼付または塗布されているの
で、簡単な構成で安価に、保守作業効率を損なうことな
くフレアによる画質劣化を防止することができる。

【００２８】請求項６記載の発明によれば、光学素子の
遮光部分には遮光部材が貼付または塗布されているの
で、簡単な構成で安価に、保守作業効率を損なうことな
くフレアによる画質劣化を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る走査光学装置の一実施形態を示す
構成図である。

【図２】第２の実施形態の走査光学装置を示す構成図で
ある。

【図３】第３の実施形態の走査光学装置を示す構成図で
ある。

【図４】第４の実施形態の走査光学装置を示す構成図で
ある。

【図５】従来の走査光学装置を示す構成図である。

【図６】走査光学装置における半導体レーザの点灯周期
と同期検知タイミングを示す説明図である。

【図７】従来の走査光学装置におけるフレアを示す説明
図である。

【符号の説明】

１〜５ 第１の光学系（偏向走査光学系） ６，７ 第２の光学系（結像光学系） ８，９ 第３の光学系（同期検知光学系）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レーザ光束を偏向走査する第１の光学系
   と、前記第１の光学系により走査されたレーザ光束を被
   走査面上に結像する第２の光学系と、前記第１の光学系
   により走査されたレーザ光束を前記第２の光学系の有効
   光路外で検知する第３の光学系を備えた走査光学装置に
   おいて、 前記第２の光学系の有効光路外を通過する前記第３の光
   学系による反射光束を遮光する遮光手段を備えているこ
   とを特徴とする走査光学装置。
2. 【請求項２】 前記遮光手段は、画像書き出し位置側に
   設けられていることを特徴とする請求項１記載の走査光
   学装置。
3. 【請求項３】 前記遮光手段が、前記第２または第３の
   光学系の取付部材からなることを特徴とする請求項１ま
   たは２記載の走査光学装置。
4. 【請求項４】 前記遮光手段が、前記第２または第３の
   光学系の光学素子からなることを特徴とする請求項１ま
   たは２記載の走査光学装置。
5. 【請求項５】 前記取付部材の遮光部分には遮光部材が
   貼付または塗布されていることを特徴とする請求項３記
   載の光学走査装置。
6. 【請求項６】 前記光学素子の遮光部分には遮光部材が
   貼付または塗布されていることを特徴とする請求項４記
   載の光学走査装置。