JP2000088383A - スターリングエンジン - Google Patents

スターリングエンジン

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JP2000088383A
JP2000088383A JP10257694A JP25769498A JP2000088383A JP 2000088383 A JP2000088383 A JP 2000088383A JP 10257694 A JP10257694 A JP 10257694A JP 25769498 A JP25769498 A JP 25769498A JP 2000088383 A JP2000088383 A JP 2000088383A
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piston
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Tetsuyuki Okano
哲之 岡野
Kazuhiko Ueda
和彦 上田
Takashi Toyoda
隆 豊田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリングのアキシャル方向変位に対するス
プリング中心部での回転を抑制し、更に支持する腕を十
分長くするスプリングを提供する。 【解決手段】 スプリングを内周部、中間部、外周部よ
り構成し、それぞれ螺旋状の腕により、回転角度が相殺
されるように連結することにより、回転を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリーピストン形
のスターリングエンジンに関するものであり、特に、シ
リンダ内で往復運動するピストン、ディスプレーサを支
持するスプリングやスターリングエンジンの防振として
機能するスプリングの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から極低温の小型冷凍機の一種とし
て用いられているフリーピストン形のスターリングエン
ジンの模式図を図1に示す。
【0003】図1に示すように、圧力容器10内にシリ
ンダ1が形成され、このシリンダ1内をピストン4とデ
ィスプレーサ2とが往復運動しており、各々スプリング
(5、6)に支持されている。更にこれらのスプリング
(5、6)は、圧力容器10本体に固定されている。ピ
ストン4は図示しないピストン駆動体により所定の周波
数で往復運動し、ディスプレーサ2とディスプレーサロ
ッド3はディスプレーサスプリング6の共振効果を利用
して往復運動をしている。
【0004】スターリングエンジン内のシリンダ1とピ
ストン4により形成された作動空間8は、ディスプレー
サ2を挟んで圧縮空間8a、膨張空間8bが形成されて
いる。この圧縮空間8aと膨張空間8bとは、再生器9
を介して連結されている。この膨張空間8bで圧力容器
10内に充填した冷媒ガスが冷却され、膨張空間8bの
外部に設けられた熱伝達板21を介し、冷熱を外部に伝
達することができる構造となっている。
【0005】上記の圧縮空間8aと膨張空間8bとの間
には圧力差が生じ、ディスプレーサ2はピストン4とあ
る一定の位相差で往復運動をする。これらのピストン4
とディスプレーサ2との運動関係を図9に示す。
【0006】図9に示すように、ピストン4とディスプ
レーサ2の往復運動のピークは時間に対して異なってお
り、これらがすなわち位相差である。これらの往復運動
は、バネの共振現象を利用している。ピストン4に関し
ては主にピストンスプリング5と作動空間8内の作動媒
体のバネ効果による共振であり、ディスプレーサ2に関
しては、主にディスプレーサスプリング6による共振で
ある。従って、ピストン4を往復動させる場合、ピスト
ン4のバネ系を考慮した駆動周波数に設定されているの
と同時に、ディスプレーサ2のバネ系はこのピストン駆
動周波数にあわせて設定されている。
【0007】また、圧力容器10外側には、シリンダ1
内でピストン4とディスプレーサ2が往復運動すること
により生じる振動を吸収するために、防振スプリング7
aと質量体7bから構成される動吸振器7が設けられて
いる。この動吸振器7が圧力容器10に生じている運動
エネルギを吸収して、振動を低減させている。
【0008】次に、スターリングエンジンの出力を制御
する方式について説明する。例えば、冷却領域の温度を
急速に低下させたい場合は出力を大きくする。そのため
には、ピストン駆動体への入力を増加させ、ピストン4
の往復運動の振幅を増大させる。これにより、作動空間
8の圧力変動も増大し、それに伴いディスプレーサ2の
往復運動の振幅も増大し、スターリングエンジンの出力
は大きくなる。さらに冷却領域の温度を一定に保持する
ため、エンジンを低出力にしたい場合については、ピス
トン駆動体への入力を低減させる。このような制御方式
を採用することにより、ピストン4やディスプレーサ2
は一定の周波数で往復運動し、その際の往復運動の振幅
を変化させることにより、エンジン出力を制御してい
る。
【0009】このようなフリーピストン型スターリング
エンジンに用いられているスプリングを図10に示す。
このスプリングはピストン4とディスプレーサ2の運転
の位相差や往復運動の振幅を決定する際に重要な因子で
ある。
【0010】図10に示すスプリング構造は、薄板円状
の材料に複数箇所に螺旋状の溝11を形成し、この溝1
1間の腕12によってアキシャル方向への変形を可能と
しており、所定のバネ定数及びバネの線形性を得てい
る。なお、このバネの線形性とは、スプリングの中心部
11aに負荷されるアキシャル方向の応力とアキシャル
方向変位量が比例関係を有していることを意味する。
【0011】図10とは異なる、他のスプリング構造に
関しては、特開平4―347460号公報に開示されて
いる。
【0012】これは図11に示すように、薄板円状の材
料にマススプリング中心部18と外周部19とを連結す
る腕20を半径方向に対して腕を線対称(図中C)に湾
曲させる構造となっている。このような構造にすること
で、スプリング回転方向に力が生じず、アキシャル方向
のみの変位が可能であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フリー
ピストン形のスターリングエンジンに上記従来の技術に
記載した図10に示す線形スプリングを適応した場合、
以下の問題がある。
【0014】運転条件によりピストンとディスプレー
サの位相差が一定とならず、運転効率が低下する。
【0015】スプリングをスプリング固定用穴11b
で圧力容器に固定し、スプリングの中心部11aにアキ
シャル方向に応力が働いた時、アキシャル方向の変位と
共に、図中の矢印の方向へ回転が生じ、スプリングの中
心部に固定されたピストン4やディスプレーサ2にも回
転運動が伝達される。その結果、スプリングの固定部1
1bにも、スプリングの中心部が回転することによる反
力により圧力容器10に捻りを発生させ、新たに振動や
騒音を発生する場合があり、またピストン4、ディスプ
レーサ2とシリンダ1間やピストン4とディスプレーサ
ロッド3間の軸心がずれ、摺動部に激しい摩擦を生じさ
せる場合がある。
【0016】この構造のスプリングを圧力容器の外側
の振動吸収として使用した場合(図1参照)、防振スプ
リング7aの中心部には回転が生じ、それに取付けられ
ている質量体7bも同時に回転運動が生じる。その回転
運動がエンジン全体にねじりを発生させ、新たに振動や
騒音が発生する。
【0017】一方、特開平4−347460号公報、す
なわち図11に示すスプリング構造の場合については以
下の問題がある。
【0018】腕20は互いに隣り合う腕と干渉しない
必要があり、腕長さには制約があった。そのため、腕の
長さが十分でなく、スプリングのアキシャル方向へ十分
なストロークがとれないという問題があり、エンジンの
性能を十分に発揮することができない。
【0019】そこで、本発明は、ピストン駆動体への入
力変化により生じるピストン4とディスプレーサ2の位
相差変化を抑制することにより運転効率を向上させる。
更に運転中にスプリングの構造に起因するスプリング中
心部での回転運動を低減させることにより振動や騒音を
抑制し、更にバネのアキシャル方向へのストロークを大
きくすることができ、運転効率を向上させることを目的
としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
させるためになされたものであって、請求項1記載の発
明は、圧力容器内に形成されているシリンダ内を同軸で
往復運動するピストンとディスプレーサとを有し、ピス
トンとディスプレーサの少なくとも一方はスプリングに
支持されて往復運動するスターリングエンジンにおい
て、前記スプリングは、円形の内周部、円形の中間部、
円形の外周部を有し、前記内周部と中間部とは螺旋形状
の第1の腕により複数箇所で連結され、中間部と外周部
とは第1の腕と逆回転の螺旋形状をした第2の腕により
連結されていることを特徴とするスターリングエンジン
である。
【0021】また、請求項2記載の発明は、前記スプリ
ングを圧力容器の振動を吸収する防振スプリングに用い
ることを特徴とする請求項1記載のスターリングエンジ
ンである。
【0022】また、請求項3記載の発明は、前記スプリ
ングは、変位の増加に対してバネ定数が低下する非線形
挙動を示すことを特徴とする請求項1記載のスターリン
グエンジンである。
【0023】また、請求項4記載の発明は、前記スプリ
ングは、超弾性材料を含むことを特徴とする請求項3記
載のスターリングエンジンである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図を用いて
説明する。フリーピストン型スターリングエンジンの主
要構造は従来技術で説明した図1と同様であるので、こ
こでは従来との相違点のみ述べることとし、スターリン
グエンジンについての詳細な説明を割愛する。
【0025】図1において、ピストン4はピストンスプ
リング5に支持されており、ピストン4は図示しないピ
ストン駆動体によりリニア駆動され、作動空間8内で圧
縮、膨張されるガスの圧力変動によるバネ効果とピスト
ンスプリング5によって決定される共振周波数でシリン
ダ1内を往復運動している。
【0026】また、ディスプレーサ2とディスプレーサ
ロッド3はディスプレーサスプリング6の共振効果を利
用して、ある位相差を持って往復運動をしている。
【0027】本発明のピストンスプリング5、ディスプ
レーサスプリング6のスプリング構造は、図2に示すよ
うに、内周部13、中間部14、外周部15にドーナツ
状の連結部材を有しており、内周部13と中間部14と
は螺旋形状の第1の腕16により複数箇所で連結されて
おり、中間部14と外周部15とは第1の腕16と逆回
転の螺旋形状をした第2の腕17により連結している。
【0028】このように形成されたスプリングは、スプ
リング固定用穴19にて圧力容器10内に固定されてい
る。
【0029】図2では、第1の腕16、第2の腕17の
両方とも4本ずつ形成している。この腕の本数は、内周
部13、中間部14、外周部15が力学的に安定して支
持されていれば特に何本でも問題はない。
【0030】また、このような形状のスプリングは、プ
レス加工やレーザ加工により容易に形成することができ
る。
【0031】このような構造で形成されたスプリング
は、スプリングの内周部13にアキシャル方向の力が加
えられた時、第1の腕16と第2の腕17にはアキシャ
ル方向の変位と同時に、ラジアル方向への変位も生じ
る。この各々の腕に生じたラジアル方向の変位は、腕を
支持している内周部13と中間部14に図2中の矢印の
向きに互いに反対方向の回転を生じさせる。従ってこれ
らの回転角度が互いに等しくなるように、力学的な算出
を行い、腕の長さや、螺旋形状を決定する。
【0032】また、このような構造にすることにより、
スプリングの中心部にアキシャル方向の変位が生じた場
合においても、内周部13と中間部14、中間部14と
外周部15に発生する回転角度は等しいため、スプリン
グ内に生じる回転方向の変位は相殺され、内周部13は
アキシャル方向の変位のみ生じる。
【0033】そのため、スプリングに支持されているピ
ストン4、ディスプレーサ2に図示しないピストン駆動
体にてアキシャル方向に駆動した場合においても、スプ
リングのアキシャル方向の変位に伴う回転が発生しない
ため、スプリングを固定している圧力容器10には、不
要な力の発生を抑制できるため、エンジンの新たな振動
や騒音の発生を抑制可能となる。
【0034】更に、ピストン4やディスプレーサ2のシ
リンダ1に対する軸心のズレの可能性が減少し、摺動部
での激しい摩擦の可能性を低減させることが可能であ
る。
【0035】また作動ガスの流動に複雑な動きが生じさ
せず効率の向上につながる。
【0036】また、バネの耐疲労性に関しては、第1、
第2の腕(16、17)の長さが十分であり問題が無
く、更にアキシャル方向のストロークを大きくすること
ができるため、性能の向上につながる。
【0037】さらに、本発明では図1に示すように、従
来技術と同様に、本スターリングエンジンは、圧力容器
10内部で往復運動しているピストン4、ディスプレー
サ2を有しているために、圧力容器10にはピストン
4、ディスプレーサ2の往復運動の反作用力として振動
が生じる。そこで、この振動を抑制するために、圧力容
器10外部に振動吸収用として防振スプリング7aを設
け、エンジン本体と反対側のバネの一端に、力学的な関
係から決定された質量を有する質量体7bを形成する。
これにより、エンジン本体で生じている振動を動吸振器
7が全ての運動エネルギを吸収し、エンジン本体の振動
を低減することができる。
【0038】本発明では、防振スプリング7aの構造
を、図2に示すスプリング構造とする。これにより、動
吸振器7はアキシャル方向へのみ変形し、新たな振動や
騒音が発生するのを抑制する。
【0039】このスプリングは、例えば図1に示すよう
に圧力容器の後端部に配置するのが、質量体7bを容易
に取り付けられるために良い。
【0040】この様なスターリングエンジンの運転中に
この防振スプリングは、2〜3mmの振幅をして振動
し、従来の螺旋状に溝が形成されているスプリングに比
較して、騒音が低減した。
【0041】なお、今回の発明においてスプリングの腕
を連結するために設けた中間部14は1つであるが、こ
の中間部は複数個設けても腕のアキシャル方向変位によ
る回転を抑制するように構成されていれば、同等の効果
を得ることができるのは明白である。
【0042】次に、図2に示すスプリングの材料につい
て説明する。
【0043】スターリングエンジンの冷却性能を決定す
る重要な要素として成績係数があり、COP値(Coe
fficient Of Performance)で
表される。図3には、ピストン4とディスプレーサ2の
運動位相差φとCOP値の関係を示す。
【0044】この位相差は90度付近にCOP値がピー
クになる曲線であり、位相差φ0でピークを示し、位相
差が大きくなり、φ1になるとCOP値は低下する。そ
のため、エンジンの位相差はこのCOP値が最大となる
位相差φ0(特にφ≒90度付近にピーク)を理想状態
として設計されている。
【0045】しかしながら運転条件によりピストン及び
ディスプレーサの振幅が変化すると位相差も変化するこ
とを実験により確認した。
【0046】図4にピストン駆動体への入力とピストン
4とディスプレーサ2との位相差の関係を示す。
【0047】この結果ではピストン駆動体への入力、す
なわちピストンの往復運動の振幅を増加させるとピスト
ン4、ディスプレーサ2の位相差は増加している。この
ことは、エンジンをピストン駆動体に入力W0を加え位
相差φ0を示す(図中A点)ように設計した場合、運転
条件によっては位相差にずれが生じるため、理想的な一
定の位相差での運転が困難になり、その結果COP値が
低下することになる。
【0048】図5には駆動周波数/ディスプレーサスプ
リングの共振周波数とピストンとディスプレーサの位相
差の関係を示す。
【0049】例えば、ここで用いたエンジンの駆動周波
数は一定であるため、ディスプレーサスプリング6の共
振周波数が低下した場合、図中の横軸(駆動周波数/デ
ィスプレーサスプリングの共振周波数)の値は大きくな
る。それに伴い縦軸に示す位相差は小さくなる。従っ
て、ピストン4の往復運動の振幅を変化させた際の位相
差の変化は、ディスプレーサスプリング6の共振周波数
を変化させることにより制御可能である。すなわちディ
スプレーサスプリング6のバネ定数を変化させることに
より可能である。
【0050】従って、ピストン駆動体への入力を増加さ
せ、ピストンの往復運動の振幅が増加したことによるピ
ストン4とディスプレーサ2の位相差の上昇を低減させ
るためには、図5で示すようにディスプレーサスプリン
グ6の共振周波数が低下するという非線形特性を有する
スプリングであれば、位相差を理想状態のφ0(図中A
点)に近づけることが可能となる。
【0051】上記で説明した理由により、この非線形特
性を得るために超弾性材料のTi―Ni系合金をスプリ
ング材料に適用した。この超弾性材料は、図6の応力―
変位曲線に示すように応力を加えると、ある応力で伸び
が著しく増加し、除荷すると歪みがゼロの状態に戻る現
象を示す。
【0052】ここで、図6中で応力に対する変位が著し
く増加する点を、位相差が理想的な状態A点として設定
する。従来の変位の大きさによらず一定のバネ定数を有
する線形バネは、ピストンの移動量を増加させるとディ
スプレーサスプリング6の共振を利用して往復運動する
ディスプレーサ2はそれに伴いB点へ移動する。超弾性
特性を有する材料にした場合においてはB1点に移動
し、バネ定数(=応力/変位)は線形バネに対して低下
する。
【0053】以上のようにして変位の増加に対してバネ
定数が低下傾向を示すという非線形特性を有する材料を
用いて、位相差を理想状態からかけ離れずに運転するこ
とができる。
【0054】なお、このスプリングに用いたTi―Ni
系合金のNiがほぼ51〜52at%のNi―Ti合金
であり、十分硬化させて、所定の形状に加工し、そのま
まの形に固定し、400〜600℃の温度範囲で数十分
から数時間熱処理することによって超弾性を示すものと
なり、この時のNi含有率が高いほど超弾性の特性を示
す温度が低くなる。
【0055】また、本エンジンを使用する環境は、圧力
容器内のスプリングの存在する空間の温度は、モータに
よる発熱や圧縮空間からのガスからの発熱により室温〜
40℃程度まで温度が変化する。そこで、室温よりも高
い温度で超弾性を示すスプリングとすることにより、本
エンジンの入力に対するピストン4とディスプレーサ2
の位相差の変化を緩和し、理想的な状態での運転を行
う。
【0056】ここで、一般的に超弾性材料の剛性は低い
ため、所定のバネ定数を得るために、2枚重ね合わせて
使用する、或いは、図7に示すように所定形状のバネ鋼
に超弾性材料を溶接して一体化する、ことにより高剛性
のスプリングでかつ非線形特性を有する。この様に超弾
性材料をバネ鋼に溶接して作製されたスプリングにおい
ても、図8に示すように線形特性を有するバネ鋼と非線
形特性を有する材料の組合せによって応力と変位曲線の
特性が決定されるため、非線形性特性を有するスプリン
グを得ることができる。材料の厚さの比を変えることで
所望の非線形特性をもつスプリングを得ることができ
る。
【0057】また、上記2枚の積層バネ構造を3層構造
にし、異種材料間にかかる応力を低減できるため信頼性
が向上できる。
【0058】次に、上記3層構造のスプリングをエンジ
ンに組込み、ピストン駆動体の入力変化に対する位相差
とCOP値の変動を測定した結果を表1に示す。ピスト
ン駆動体への入力変化は、それぞれ同じ条件とした。
【0059】
【表1】
【0060】この結果から明らかなように、ピストンス
プリング5とディスプレーサスプリング6に線形特性を
有する材料を用いた場合、入力変化に伴い約10度の位
相差の変化があったのに対して、ディスプレーサスプリ
ング6のみ非線形特性を有するスプリングに交換したと
ころ、入力変化に対して位相差はほとんど変化が無かっ
た。更にCOP値に関しても入力変化に対して性能が減
少することが無く、ディスプレーサスプリング6に非線
形特性を配したことの効果を確認することができた。
【0061】
【発明の効果】以上の説明で明らかにしたように、請求
項1記載の発明では、圧力容器内に形成されているシリ
ンダ内を同軸で往復運動するピストンとディスプレーサ
とを有し、ピストンとディスプレーサの少なくとも一方
はスプリングに支持されて往復運動するスターリングエ
ンジンにおいて、前記スプリングは、円形の内周部、円
形の中間部、円形の外周部を有し、前記内周部と中間部
とは螺旋形状の第1の腕により複数箇所で連結され、中
間部と外周部とは第1の腕と逆回転の螺旋形状をした第
2の腕により連結されている構造、つまり、スプリング
形状をスプリングのアキシャル方向の変位に対してスプ
リング中心部での回転を抑制する構造にすることによ
り、作動空間のガスに複雑な動きを低減させ、更に、振
動や騒音を低減することができる。また、本スプリング
構造は腕の長さが十分長く、アキシャル方向に大きく変
位することが可能であり、COPの向上につながる。
【0062】また、請求項2記載の発明では、前記スプ
リングを圧力容器の振動を吸収する防振スプリングに用
いることにより、エンジンに回転方向の変形を生じるこ
とを抑制し、振動や騒音の低減につながる。
【0063】また、請求項3記載の発明では、前記スプ
リングは、変位の増加に対してバネ定数が低下する非線
形挙動を示す、請求項4記載の発明では、前記スプリン
グは、超弾性材料を含むので、エンジンのCOP値に大
きく影響を及ぼすピストン、ディスプレーサの位相差の
変動を抑制することが可能であり運転効率の変動を低減
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スターリングエンジンの概略図である。
【図2】本発明のスプリング形状の説明図である。
【図3】ピストンとディスプレーサの位相差とCOP値
の関係の説明図である。
【図4】線形スプリングを用いた場合の入力と位相差の
関係の説明図である。
【図5】ピストンとディスプレーサの位相差と共振周波
数の関係の説明図である。
【図6】本発明の超弾性特性の説明図である。
【図7】本発明の超弾性材料をスプリングに適応した図
である。
【図8】本発明のの線形バネと非線形バネの一体化時の
特性を示す図である。
【図9】ピストンとディスプレーサの位相差の説明図で
ある。
【図10】従来のスプリング構造の概略図である。
【図11】従来のスプリング構造の概略図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ディスプレーサ 3 ディスプレーサロッド 4 ピストン 5 ピストンスプリング 6 ディスプレーサスプリング 7 動吸振器 7a 防振スプリング 7b 質量体 10 圧力容器 13 内周部 14 中間部 15 外周部 16 第1の腕 17 第2の腕 21 熱伝達板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力容器内に形成されているシリンダ内
    を同軸で往復運動するピストンとディスプレーサとを有
    し、ピストンとディスプレーサの少なくとも一方はスプ
    リングに支持されて往復運動するスターリングエンジン
    において、 前記スプリングは、円形の内周部、円形の中間部、円形
    の外周部を有し、前記内周部と中間部とは螺旋形状の第
    1の腕により複数箇所で連結され、中間部と外周部とは
    第1の腕と逆回転の螺旋形状をした第2の腕により連結
    されていることを特徴とするスターリングエンジン。
  2. 【請求項2】 前記スプリングを圧力容器の振動を吸収
    する防振スプリングに用いることを特徴とする請求項1
    記載のスターリングエンジン。
  3. 【請求項3】 前記スプリングは、変位の増加に対して
    バネ定数が低下する非線形挙動を示すことを特徴とする
    請求項1記載のスターリングエンジン。
  4. 【請求項4】 前記スプリングは、超弾性材料を含むこ
    とを特徴とする請求項3記載のスターリングエンジン。
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