JP2000088235A - 溶融スラグ徐冷方法及び装置 - Google Patents

溶融スラグ徐冷方法及び装置

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JP2000088235A
JP2000088235A JP10274328A JP27432898A JP2000088235A JP 2000088235 A JP2000088235 A JP 2000088235A JP 10274328 A JP10274328 A JP 10274328A JP 27432898 A JP27432898 A JP 27432898A JP 2000088235 A JP2000088235 A JP 2000088235A
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cooling
cooling surface
molten
molten slag
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Katsutoshi Naruse
克利 成瀬
Takahiro Oshita
孝裕 大下
Tetsuhisa Hirose
哲久 廣勢
Manabu Yoshioka
学 吉岡
Kazuo Takano
和夫 高野
Yutaka Hashimoto
裕 橋本
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融炉からのスラグを直接供給することが可
能であり、かつ簡単で占有面積の小さいコンパクトな装
置で、完全結晶化までいかなくとも水砕処理に比べより
広範囲な用途で再利用可能な適度な強度と再利用し易い
粒状形状を有するスラグ、例えば天然砂利としてそのま
ま利用可能なスラグを、新たな熱エネルギー使用や複雑
な処理を行うことなく生成可能な溶融スラグの徐冷方法
及び装置を提供する。 【解決手段】 溶融プロセスから排出される溶融スラグ
2をジャケット10等の冷却部を設けたスラグ冷却面1
を備えた装置9に直接受け、当該スラグをスラグ冷却面
1との接触により冷却しつつ、冷却面1上をスラグが転
動することにより粒状スラグを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の処理に係
り、特に溶融炉から排出される溶融スラグを冷却し、粒
状スラグを生成する溶融スラグ除冷方法及び装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物や産業廃棄物などの焼却処理
によって生じる灰などのスラグ化技術は、処理物の無害
化と埋立処分地の延命化を目的とする技術であるが、埋
立処分地は年々残り少なくなっていることから、処理物
再利用の用途開発や製品開発が盛んに行われるようにな
った。
【0003】廃棄物処理により生じるスラグの有効利用
用途として有望視されているもののひとつは、人工骨材
としての利用である。たとえばコンクリート用骨材とし
て使用されている砂利の代替品としての用途がある。天
然砂利が骨材として優れている点は、河砂利に代表され
るように表面が摩耗し角がとれているため、セメントと
の混練性に優れ、密着性も高くなる点にある。この結
果、コンクリートと骨材との空隙が生じにくいという特
徴があり、これまでコンクリート構造材の形成等に利用
されてきた。しかし、近年では環境破壊に対する関心が
高まり、自然破壊につながる天然砂利の採取は難しくな
ってきている。そのため現状では代替品として天然岩石
を破砕したものが使用されるようになってきており、強
度はともかく上記のような形状に依存する利点は失われ
つつあるばかりか、表面積の増大によりコンクリート使
用量の増加を招いている。
【0004】一方、溶融スラグの冷却方法としては、一
般に水による直接冷却(水砕化)方法が用いられてい
る。この方法は、溶融スラグを水が張られた容器やコン
ベヤなどの排出装置で受けて冷却固化し排出するもの
で、冷却固化装置の構造がシンプル(簡易)であり、排
出される水砕スラグはある程度細かく粒状化されて形状
が整ったものが多い。また水砕スラグの性状は重金属の
溶出等が無く極めて安定していることから、さらに破砕
し砂として利用することや、緑地化や道路舗装への利用
が検討されている。しかし水砕スラグは急冷されている
ために非晶質のガラス構造の上、気泡も入ってしまう。
そのため非常に脆く、強度が要求される骨材への利用は
難しかった。また、形状も鋭利なものが多くなるため、
取り扱い上好ましくなかった。
【0005】すでに公知の技術として、水砕スラグのよ
うに非晶質であったり結晶化が進んでいないスラグを結
晶化させて硬度をあげる方法がある。これは鋳造岩の焼
戻処理と同じで水砕スラグを熱処理して強度を改善しよ
うとするものである。この方法で生成されたものは結晶
質の鉱滓となるため骨材等への利用には十分な強度を有
するが、結晶化のために新たな熱エネルギーを消費する
という欠点があり、その製造段階で人工骨材にふさわし
い形状にするには極めて多くの手間と費用を要する。こ
の新たな熱エネルギーを消費する問題を解決するための
技術も提案されており、例えば回転炉にスラグと廃プラ
スチックのような灰分の少ない可燃廃棄物を混ぜて投入
し、可燃廃棄物の燃焼熱で加熱して再結晶させる技術が
あるが、混合廃棄物の種類が灰分が少なく成分の安定し
たものに特定されること、スラグを十分再結晶させて回
収するには占有面積の大きな回転炉が必要になることと
いった欠点がある。
【0006】また水砕処理以外にスラグを冷却固化する
技術としては、冷却段階で水砕処理せず直接空冷で徐冷
することにより結晶化させる技術が公知である。この技
術によって得られるスラグは前記技術と同様に結晶化し
鋳造岩となるため、強度があり、鋳型使用によって成形
品の大きさもそろえることが可能である。さらに新たな
熱エネルギーを必要としないというのも利点である。し
かし十分徐冷し完全結晶化させるには、非常に多くの時
間を必要とするため、徐冷スペースを大きくとる必要が
あり、スラグ量が多い場合にはたくさんの鋳型や大きな
鋳型が必要となり、さらに回収装置が大型化する。また
鋳造岩のままでは利用しにくいという欠点もある。例え
ば徐冷に適した温度に保たれた保温室内の移動可能なス
ラグ受け容器で溶融スラグを受けて徐冷する方法や多数
の鋳込みカップを有するベルトコンベヤを利用した連続
鋳銃機のような造塊装置を利用する方法では、成形形状
や寸法は容易にそろえられるものの、保温室やコンベヤ
設置スペースにかなりの広さを必要とし、装置占有面積
が増大するだけでなく、結晶化スラグの大きさを骨材向
けに小さくして形成するのも難しいという欠点がある。
骨材利用するには破砕が必要となるが、硬度がある分破
砕に要するエネルギーは増大する上、角が多い破砕物を
丸みを帯びた形状にするには、再度熱を加えて粒状に成
形するなど、さらに新たな熱エネルギーを消費しなけれ
ばならない。
【0007】こうした強度や形状の問題を解決しようと
する技術も提案されている。例えば、水冷回転ドラム式
造粒機にスラグを送り込み、スラグの外殻を形成させ整
粒した後、調質炉で復熱させて結晶化し高強度粒状スラ
グを得る方法がある。こうした傾斜回転ドラムを利用し
たスラグ粒状化技術はこの他にも非常に多く提案されて
いる。しかし、スラグが生成される溶融炉はそのほとん
どが自由落下を利用してスラグを排出するタイプのもの
であり、回転ドラムではスラグを直接供給することが困
難であるために冷却装置との間にスラグ溜め桶やスラグ
供給装置を介さねばならない。これらスラグ溜め桶やス
ラグ供給装置には冷却固化を防ぐために温度を融点以上
に保つ機構が必要であり、スラグ供給装置にはさらにス
ラグを分散させる機構と相互付着を防止する機構が必要
になる。そのため装置数が多くなって占有面積が大きく
なるばかりでなく、各装置の構造も複雑にならざるを得
ない。また前記のように復熱による再結晶まで行う場合
には復熱時に熱エネルギーも必要とするため、例えば流
動床ガス化溶融システムのように廃棄物のもつエネルギ
ーを有効利用してスラグを生成回収するようなプロセス
では、その意義を少なからず失うことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、最近では
水砕処理したスラグは無害化され極めて安定した性状の
ものとなることから、その再利用が注目されている。し
かし水砕処理して得られるものは非結晶であるがゆえに
脆弱であり、強度を必要とする用途に向かないため、そ
の再利用先が限られてしまうという欠点があった。一
方、徐冷による塊状スラグは強度の問題は解決される
が、装置が大型化し占有面積も大きくなる上、再利用へ
の形状調整が難しいという欠点もある。また回転ドラム
を利用した粒状スラグ生成技術は溶融炉から排出される
スラグを直接供給するのが困難である。さらに復熱結晶
化による高強度スラグ生成は再度熱エネルギーを必要と
し、溶融から粒状スラグ生成まで一環したプロセスで行
おうとすれば、プロセスは複雑になり必要装置数も増加
する。
【0009】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、溶融炉からのスラグを直接供給することが可能で
あり、かつ簡単で占有面積の小さいコンパクトな装置
で、完全結晶化までいかなくとも水砕処理に比べより広
範囲な用途で再利用可能な適度な強度と再利用し易い粒
状形状を有するスラグ、例えば天然砂利としてそのまま
利用可能なスラグを、新たな熱エネルギー使用や複雑な
処理を行うことなく生成可能な溶融スラグの徐冷方法及
び装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、スラグ徐冷方
法にかかるものであり、一般廃棄物や産業廃棄物、下水
汚泥や固形化ごみ燃料などのガス化溶融処理等の廃棄物
処理や、焼却飛灰や焼却残渣の溶融処理によって生じる
高温の溶融スラグを、供給装置を介さずにそのまま直接
冷却固化して、再利用しやすい形態である粒状スラグと
して回収する場合に適用する。
【0011】本発明の溶融スラグ除冷方法は、溶融プロ
セスから排出される溶融スラグをジャケット等の冷却部
を設けたスラグ冷却面を備えた装置に直接受け、当該ス
ラグをスラグ冷却面との接触により冷却しつつ、冷却面
上をスラグが転動することにより粒状スラグを生成する
ことを特徴とするものである。また本発明の溶融スラグ
除冷装置は、溶融プロセスから排出させる溶融スラグを
直接受ける面と、この面の下方に形成され冷却媒体を供
給して前記面を冷却してスラグ冷却面とするジャケット
を備え、前記スラグ冷却面上をスラグが転動することに
より粒状スラグを生成するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0012】次に、本発明の基本構成を図1および図2
を参照して説明する。図1に示すように、本発明は、ジ
ャケット構造を有するスラグ冷却面1を備えたスラグ徐
冷装置9にて、直接溶融スラグ2を受け、冷却面との衝
突と表面張力によってスラグを液滴状に分散させ、溶融
スラグ2の周囲の雰囲気ガス3による直接冷却に加え、
冷却面下に備えられたジャケット10内に流通している
冷却媒体4との間接熱交換により冷却面上のスラグ2A
を冷却するとともに、冷却面がもつ傾斜によって生じる
重力転動作用によってスラグを粒状スラグ5として排出
することである。
【0013】本発明の1態様によれば、前記スラグ冷却
面は、一様な傾斜あるいは溶融スラグの流路に応じて変
化させた傾斜と形状を有している。スラグ冷却面1の水
平に対する傾斜角度は、スラグが重力転動するよう30
°以上、好ましくは35°以上の角度とするが、冷却面
に一様な傾斜を与える場合は、不要に装置長さを長くし
ないために、前記傾斜角度は45°までに抑えた方がよ
い。ただし、装置占有面積に制約がなく且つスラグの粘
性が高いために粒状化するのに大きな転動力を必要とす
る場合や、スラグの流路に合わせて逐次傾斜角度を変化
させるような場合はこの限りではなく、水平に対し80
°以下の角度で冷却面を設けることもできる。例えば垂
直に落ちてくるスラグに対し、水平に対する傾斜角度を
80°から10°まで、あるいは水平まで段階的に小さ
くなるように冷却面を配置すれば、当該スラグはその流
路が垂直から水平に変化しながら粒状化する。10°と
いう角度は粒状化したスラグが通常は転動しない角度で
あるが、この冷却面配置では流路を少しづつ変化させな
がら転動させるため、粒状化したスラグは重力によって
加速され、10°の傾斜面、さらには水平面でも転動が
可能となる。30°以下の傾斜面は摩擦力の影響が大き
く、逆にスラグの転動速度を抑えるために、こうした3
0°以下の斜面、あるいは水平面を適切な長さで設ける
ことで、粒状化に必要な転動力は重力による加速で与え
つつ回収する粒状スラグの速度は不必要に速めることな
く抑えることが可能である。
【0014】スラグ徐冷装置9は、廃棄物処理プロセス
から排出される溶融スラグ2を直接受けるスラグ冷却面
1が備えられている。この冷却面の下はジャケット構造
からなる冷却部となっており、スラグと間接的に熱交換
を行う冷却媒体が必要量滞留し、あるいは流通してい
る。この冷却媒体には液体又は気体を用い、通常、水、
蒸気、空気、燃焼ガス、あるいはこれらの混合ガスを用
いる。この冷却媒体によって当該冷却面が少なくとも7
00℃以下に冷却されていることにより、冷却面上に供
給された溶融スラグ2は、当該冷却面に固着することな
く弾かれ、その粘性と供給温度に応じて塊状、帯状、あ
るいは液滴状となって冷却面上に分散する。冷却面は、
水平に対し30°以上45°以下の一様な傾斜角度ある
いはスラグの流路や性状、供給状態に応じた形状が与え
られており、分散した高温の溶融スラグは冷却面上で衝
突と落下を繰り返しながら転動し始め、その熱が冷却面
を介して冷却媒体に奪われ、かつ雰囲気ガス3にも熱が
奪われて表面が固化し外殻を形成する。外殻が形成され
たスラグ2Aは装置出口へと転がり落ちていき、最終的
に系外へ排出される。
【0015】傾斜した冷却面を備えたスラグ徐冷装置で
良質の粒状スラグを得るためには、液滴状にスラグを分
散させるのが良い。塊状や帯状のスラグでは、粒状化す
るのが困難になるばかりでなく、大きさのばらつきが激
しくなり、徐冷に要する滞留時間も異なるため均質なス
ラグを得られなくなるからである。液滴状に分散させる
には、当該溶融スラグの温度を冷却面に接触させるまで
1000℃以上に保ち、スラグの粘度を低く保つのが良
い。このためには雰囲気ガス温度は少なくとも400℃
以上の高温に保つ必要がある。またスラグ粘度には塩基
度(CaO/SiO2 )が関係するため、スラグの塩基
度は小さいほうが好ましい。さらに強度のある粒状スラ
グを生成するためには急冷を避けて非晶質のまま固化し
てしまうのを避けねばならない。そのため冷却媒体とス
ラグとの温度差も小さいことが望ましく、冷却媒体の流
通方向は、溶融スラグの流通方向に対して向流となるよ
うにする。即ち、図1に示すように、冷却媒体4は、ス
ラグ冷却面1の下流側から上流側に沿って流れるように
設定されている。さらにスラグの流路に応じてジャケッ
トを複数に分割し、スラグとの温度差に応じて冷却媒体
を使い分けるとさらに良い。
【0016】一方、スラグの熱を奪う雰囲気ガスや冷却
媒体との温度差を小さくすると、外殻が形成されるまで
に要する時間は長くなる。さらに外殻形成後のスラグを
急冷することなく十分徐冷し、結晶質で強度のある粒状
スラグを得るためには、スラグ徐冷装置に備えられた冷
却面は、供給されるスラグ温度によって決まる徐冷に要
する時間に相応してスラグ流通方向における距離を必要
とする。したがって冷却面の傾斜による重力転動のみ
で、十分な強度を持つ粒状スラグを得ようとするなら
ば、装置が大型化するという欠点がある。装置の小型化
のために冷却面のスラグ流通方向における距離を少しで
も短くするならば冷却面に与える水平に対する傾斜角度
を30°から35°程度に抑えて、当該スラグの転動速
度を遅くして滞留時間が増加するようにすればよく、こ
れにより装置高さも抑えることができる。さらに装置高
さを抑え、かつ転動速度を遅くして冷却面距離も抑えよ
うとすれば、冷却面の角度は30°以下になり冷却面と
の間に生じる摩擦力が転動力に等しくなってスラグは転
動しなくなってしまう。冷却面を滑らかにすることで改
善はできるが、その効果はわずかである。そこで傾斜角
度の調整だけでは装置の小型化が難しい場合は、重力に
よる転動力ではなく、外部から転動エネルギーを与える
ことで、さらなる小型化が可能となる。
【0017】本発明の1態様によれば、前記スラグ冷却
面またはスラグ冷却面を含む装置全体に振動を与えて当
該スラグの転動を可能とし、振動の強度を調整すること
により当該冷却面上のスラグ滞留時間を調整し当該スラ
グの性状を調整する。この場合、前記スラグ冷却面また
は系全体に与える振動の振幅、振動数および振動の方向
を、当該冷却面上の溶融スラグの最終温度および/又は
粒状に応じて調整する。
【0018】転動エネルギーとして振動を加えた場合、
振動の加え方(振幅、振動数、振動の方向など)によっ
て、転動力を増加させたり減少させたりすることができ
る。転動力を増加させる場合、すなわち振動を該スラグ
に対しスラグの流通方向に力のベクトルが加わるように
付加した場合には、冷却面が水平に対し30°以上の傾
斜を有していると、重力による転動力にさらに振動によ
る転動力が加わり、スラグの移動速度が速くスラグ流通
方向に対して必要となる冷却面の距離はむしろ増加して
しまう。そのため冷却面の傾斜は重力だけでは転動しな
い30°以下の角度に抑えねばならず、好ましくは10
°以下の傾斜に抑える。振動による転動力のみで十分な
場合は、冷却面は水平にすればよい。振動付加によって
転動力を増加させるスラグ徐冷装置では、スラグの移動
速度は付加する振動によるベクトルが大きくなるほど増
加するため、スラグの移動速度の最高値は付加できる振
動力の上限によって決まり、最低値はゼロ、すなわち停
止させた状態となる。従って、振動を適宜調整すること
により、スラグを移動させたり停止に近い状態に持って
いくことが可能であるが、移動させるベクトルが振動力
に依存するため、移動させられるスラグの大きさに限界
がある。従って、スラグの絶対量が少ない場合や、スラ
グの温度が高温であるためにスラグの分散性が良い反
面、徐冷に要する時間を多く必要とする場合において装
置を小型化するのに有効である。
【0019】一方、転動力を減少させる方向、すなわち
振動をスラグの流通方向とは逆向きの力のベクトルが該
スラグに加わるようにした場合は、冷却面の傾斜角度は
重力ベクトルだけで転動排出できるだけの角度、すなわ
ち水平に対し30°から35°以上の角度がまず必要と
なる。この傾斜角度による重力ベクトルに対して逆方向
となる振動によるベクトルを調整することによって転動
速度を調整できる。振動付加によって転動力を減少させ
るスラグ徐冷装置では、スラグの移動速度は付加する振
動によるベクトルが大きくなるほど減少するため、スラ
グの移動速度の最高値は振動付加がない状態、すなわち
重力のみによる転動速度となり、最低値はその最高速度
から振動力を上限まで加えた時の振動によるベクトル分
を差し引いた値となる。従って、分散しにくい粘性の高
いスラグやスラグの絶対量が多い場合に装置の占有面積
を抑えるのに有効である。
【0020】加振機の振幅及び振動数は、徐冷装置から
排出されるスラグの最終温度や粒状に応じて調節可能で
ある。振幅調節はウェイト調整により行い、振動数調節
は加振機のモーター回転数を可変速機によって変えるこ
とで行う。当該溶融スラグの移動速度が速すぎるため
に、最終温度が400℃以上の高温となり、赤熱したま
ま外殻を形成せずに徐冷装置から排出されるような場
合、すなわち徐冷装置にて十分冷却できない場合は、振
動数を少なくして移動速度を抑えることで滞留時間を増
加させる。逆に速度が遅すぎて、400℃以下に徐冷し
たスラグが新たに落下してくる高温スラグの落下点付近
に滞留し、高温スラグに取りこまれて融合してしまうよ
うな場合は、振動数を増加させてスラグの移動速度を速
めて融合を防ぐ。また、転動力が不足していると、当該
スラグと冷却面との接触面が限定され、均一に冷却する
ことができず半球状のまま移動する。このような場合
は、振幅を大きくして当該スラグを跳躍させることで転
動力を増加し粒状化を促進するとともに、冷却面との接
触面を常に変化させて均一な冷却を図る。逆に振幅が大
きすぎる場合は、当該スラグの跳躍が激しいために冷却
面との接触回数が減少してしまうため十分な冷却効果が
得られなくなるため、振幅を抑えるようにする。
【0021】加振機の取り付け角度も重要である。通常
は冷却面の水平に対し45°の角度で取り付ける。45
°の取り付け角度では、加振機による力は鉛直方向と水
平方向に2分される。しかし前記の振幅及び振動数調整
だけでは移動速度を調整できない場合は、加振機の取り
付け角度を変えることでさらに調節が可能となる。すな
わち冷却面長さが短く、振幅や振動数だけでは当該スラ
グの移動速度を抑えきれない場合は、取り付け角度を水
平に対し45°以上80°以下の角度にすることで、水
平方向の力を抑えて移動速度を調整する。ただし水平方
向の力が抑えられるのに応じて鉛直方向の力が増すた
め、前記のごとくスラグの跳躍が激しすぎて逆効果とな
ることもあるため、好ましくは取り付け角度は60°ま
でに抑えるべきである。一方、移動速度が足りない場合
は、加振機の取り付け角度を45°以下の角度にして水
平方向の力を増すようにすれば良い。
【0022】スラグ徐冷装置に供給されるスラグ量が時
間当たり100kgに満たないような少量の場合、あるい
はスラグが自由落下によって冷却面に供給され、落下開
始点から冷却面までの距離が十分長い場合は、スラグ徐
冷装置にスラグが到達するまでに液滴状に分裂した状態
で冷却面に達する場合がある。この場合スラグの落下点
が1点に集中していると、冷却面はスラグ落下点と排出
口を結ぶ直線上しか利用されない。こうした場合は、振
動によるベクトルはスラグ流通方向に加え、溶融炉から
の当該スラグが最初に達する冷却面は15°以下、好ま
しくは5°以下の傾斜を与え、排出口に向かっていくに
従って水平にし排出口付近で15°以下、好ましくは5
°以下で且つ前記傾斜面の角度以下の逆傾斜を与えると
冷却面をより有効利用でき、必要な冷却面の大きさをさ
らに抑えることができる。1点集中落下によって液滴状
に供給された溶融スラグは、スラグ落下点から水平部分
に到達するまでは比較的速い速度で転動していき、この
間スラグの表面が冷却固化して外殻が形成される。水平
部分から先の逆傾斜面では、スラグの転動速度が遅くな
るため、外殻形成したスラグは冷却面の横幅方向に広が
りお互いに接しながら進んでいくが、外殻形成されたス
ラグであるため、スラグ同士が固着することはない。同
様に傾斜面を15°以下、好ましくは5°以下に抑え、
逆傾斜面が5°以下の場合は逆傾斜面の長さが傾斜面の
長さの1/2以下、5°以上15°以下の場合は1/4
以下になるようにして、適当な振動によるベクトルを与
えれば、傾斜面で転動する間に外殻が形成されたスラグ
は固着することなく水平から逆傾斜面にかけて堆積し、
落下点から転がり落ちてくる新たなスラグと衝突して、
その運動エネルギーを受けて逆傾斜面先端に堆積してい
るスラグから排出されるオーバーフロー型の徐冷装置に
することもできる。この場合は逆傾斜面の角度が傾斜面
の角度以上であってもよい。
【0023】本発明の1態様によれば、前記溶融スラグ
冷却面に堰および/又は突起物あるいは逆傾斜面を単独
または複数組み合わせて設けることにより、当該溶融ス
ラグの当該冷却面上の滞留時間を増加させ、徐冷に要す
る距離を短縮するとともに、当該冷却面上にスラグを分
散させるようにした。即ち、図2に示すように、溶融ス
ラグ冷却面に堰または突起物6を設ける。冷却面が水平
な場合は、堰を乗り越えるようなベクトルでは転動力が
大きすぎてその効果が薄れてしまうため突起物の方が望
ましい。例えば、図2に示すような堰6の場合は、堰と
の衝突によって運動エネルギーの一部が奪われるため
に、堰の数に応じて平均転動速度は遅くなり、同じ滞留
時間における排出口までの直線距離を短くすることがで
きる。また、排出口近傍に堰を設ければ、逆傾斜面と同
様に外殻が形成されたスラグを堆積させるオーバーフロ
ー型も可能である。スラグの量が比較的少量ならば、図
2に示すように堰6を冷却面1上に交互に設けるように
すれば、同じ冷却面長さにおけるスラグの滞留時間を増
加させることもできる。これは突起物でも同じ効果が得
られる。すなわち当該溶融スラグ2は落下点から直接的
に転動していこうとするが、堰または突起物6によって
迂回させられるために移動する距離が長くなり、同じ長
さの冷却面でも冷却面に接している時間を長くすること
ができ、冷却面の利用率が上がって装置を小型化でき
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。図3は、本発明が適用されるガス化
溶融システムの1例を示すものである。同図に示すよう
に、ガス化溶融システムは、定量供給装置21、流動層
ガス化炉22及び旋回式溶融炉7から構成されている。
前記流動層ガス化炉22の下部には、空気分散板24を
上方に備えた空気室25が設けられ、この空気分散板2
4の上に硅砂の流動層26が形成されている。流動層2
6の上方には硅砂の飛散防止と圧力変動の吸収のためフ
リーボード27が設けられている。一方、溶融炉7に
は、一次燃焼室28、二次燃焼室29及びスラグ分離部
30が設けられている。
【0025】前記流動層ガス化炉22内の空気分散板2
4上には硅砂が充填されており、空気室25に供給され
た空気bを空気分散板24の上方へ噴出させることによ
り、空気分散板24上に硅砂の流動層26が形成され
る。この硅砂には、粒径0.5mm程度の川砂が用いられ
る。
【0026】スクリュー式の定量供給装置21により流
動層ガス化炉22に供給された可燃性廃棄物aは、45
0〜850℃に保持された前記流動層26の中に落下す
ることにより、熱せられた硅砂と接触して速やかに熱分
解され、ガス、タール、固形カーボンとなる。次いで、
これらの熱分解生成物は、空気b中の酸素と接触してガ
ス化される。この間、固形カーボンは酸化と流動層の粉
砕作用により徐々に微粉化される。
【0027】流動層ガス化炉22のフリーボード27に
は、必要に応じて空気bが吹き込まれ、650〜850
℃にて炭化水素、タール、固形カーボンの部分燃焼が行
われる。流動層ガス化炉22の炉底からはサイズの大き
な不燃物dが硅砂と共に排出される。この不燃物dに
は、鉄、銅、アルミニウムといった金属が含まれるが、
流動層内が還元雰囲気であるため、これらの金属は未酸
化でクリーンな状態で回収される。排出された不燃物と
硅砂は、図示していない分級装置により分別後、サイズ
の大きな不燃物は外部に排出され、一方、サイズの小さ
い硅砂は流動層ガス化炉22に戻される。
【0028】微細化した固形カーボンを同伴して流動層
ガス化炉22を出た生成ガスcは、溶融炉7に供給さ
れ、垂直の一次燃焼室28と水平で僅かに傾斜した二次
燃焼室29にて、予熱された空気bと旋回流中で混合し
ながら、1200〜1600℃の高温で高速燃焼する。
燃焼は二次燃焼室29で完了する。
【0029】固形カーボン中の灰分は、高温のためにス
ラグミストとなるが、スラグミストの大部分は、旋回流
による遠心力の作用により、燃焼室の炉壁上の溶融スラ
グ相に捕捉される。炉壁面を流れ下った溶融スラグ2
は、スラグ分離部30の底部より排出される。
【0030】一方、燃焼排ガスeは、スラグ分離部30
の頂部より排出され、図示していない一連の熱回収装置
や脱塵装置を通過した後に、大気放出される。こうし
て、灰分の約90%が溶融スラグ2として排出され、残
りの約10%は飛灰として主にバグフィルタで捕集され
る。
【0031】図4は本発明を実施する形態の一例であ
り、一般廃棄物や廃プラスチック、シュレッダーダスト
などの産業廃棄物、汚泥やRDFなどをガス化溶融処理
する際に生成される高温溶融スラグを水砕スラグより高
強度を有しつつ、さらに粒状スラグとして排出する装置
の例であり、その主たる構成は溶融炉7(図3に全体構
造を示す)と、加振機8を有するスラグ徐冷装置9から
なる。
【0032】ガス化溶融方法には様々な方法があるが、
図4に示す例では、図示しない前段のガス化装置から供
給される生成ガスや同伴未燃分を高温燃焼させつつ灰分
を溶融する溶融炉のスラグ排出口7Aの周辺のみを描い
ている。また、この例では溶融炉7から排出口7Aを介
して排出されるスラグ量は時間当たり50kg程度と比較
的少量であるために、徐冷装置9内の溶融スラグ冷却面
1は水平にしており、重力による移動はなく加振機8に
よって与えられるベクトルのみで該冷却面上の溶融スラ
グ2を移動させている。この移動の間に外殻が形成され
粒状スラグ2Aとなる。加振機8は水平面に対し45°
程度の角度になるよう取付けられており、可変速機によ
る振動サイクルの調整が可能である。また加振機のウェ
イトの調整によって振幅の調整も可能となっているが、
通常は5mm程度の振幅を使用する。
【0033】溶融炉7で生成する溶融スラグ2は、炉壁
や炉底を伝ってスラグ排出口7Aから自由落下しスラグ
徐冷装置9へ供給される。スラグ徐冷装置9に設置され
たスラグ冷却面1下のジャケット10には、ポンプや送
風機などの冷却媒体供給装置11によって冷却媒体供給
管12より冷却媒体4が必要量流入し、冷却面や冷却面
上の溶融スラグ2の熱を奪った後、冷却媒体戻り管13
に流出している。この冷却媒体によって前記冷却面1は
常に冷却されているため、適当な冷却媒体を選定するこ
とによって、溶融炉7からの輻射によって高温化してい
るスラグ徐冷装置内の雰囲気ガス3が、例えば400℃
以上であっても、冷却面1を300℃以下に抑えること
ができるため、冷却面1に通常の鋼板を使用できる上、
1300℃以上の高温溶融スラグを受けても固着トラブ
ルや鋼板の損傷なく徐冷することができる。また、図示
した装置では、徐冷装置9の排出口9A側に設けた吸引
ノズル14から誘引送風機15によって徐冷装置9内の
雰囲気ガス3を吸引し、溶融炉7内の1300℃以上の
高温燃焼ガスを一部徐冷装置9内に流すことにより、雰
囲気ガス3の温度の調整が可能で、冷却面1に到達する
までのスラグ温度をより高温で粘性の低い状態にするこ
とができる。
【0034】冷却媒体4には通常水を使用すれば良い。
装置の大きさに制約がなくジャケットの容積を大きくと
れる場合には自然循環型の徐冷装置も可能であるが、図
示した例ではより装置を小型化するために強制循環型の
徐冷装置としている。冷却媒体4に水を使用し強制循環
させる場合には、ジャケット内での蒸気発生を防ぐため
に、十分な流量を確保しジャケット内の冷却媒体は温度
100℃以下好ましくは80℃以下であることが望まし
い。また、内部で蒸気が発生するような場合は、5°以
下の傾斜ジャケットとして冷却媒体出口を高くする方が
発生蒸気の排出がスムーズになる。
【0035】冷却媒体4に水を使用すると、ジャケット
内の媒体流速不足によるベーパライズ現象が起きなけれ
ば冷却媒体戻り管13内の媒体温度は100℃以下であ
り、冷却面1の温度もこれに相応して低くなるため、供
給スラグが冷却面と衝突する際にスラグ接触面が急冷さ
れて目標とする強度が得られないことも考えられる。こ
うした場合は、冷却面1の材質をより高温仕様のものに
変更し、冷却媒体4に、より高温の空気や蒸気を使用す
ることで、冷却条件をより緩慢にすればよい。
【0036】図示例では加振機8はウェイトによる振幅
調整や可変速機によるモータ回転数調整による周期調整
が可能となっている。これにより冷却面1上の溶融スラ
グの移動速度を調節することが可能であり、1300℃
以上の高温溶融スラグを直接受けても占有面積の小さな
装置でスラグ内部を400℃以下まで徐冷し排出でき
る。徐冷装置9から排出されるスラグの外殻はすでに形
成されているので、徐冷装置9の後段にさらにスクレー
パー式のコンベヤ等の徐冷搬送装置を設置すれば、スラ
グ相互固着やコンベヤとの固着なしにさらなる徐冷効果
が可能となる。また加振機8の台数が一台の場合は、装
置に加えられる運動は円運動となるが、二台にすること
で直線運動となりスラグに与えるベクトルの方向性を強
めることができるため、図示例では加振機数は二台とし
ている。また振動機であることから、徐冷装置9と溶融
炉7との接続部、徐冷装置9と排出口16との接続部に
それぞれエキスパンション17を設けて、徐冷装置9自
身も架台との間に制振装置を設けて他の機器への振動の
影響をなくしている。
【0037】図5は、図4に示す例と同様に50kg/h
程度の比較的少量のスラグが1点集中で落下する溶融炉
のスラグ排出口下に設けるスラグ徐冷装置の実施例であ
り、図5(a)は断面図、図5(b)は図5(a)のA
−A線断面図である。図4に示す装置と同様に加振機8
とジャケット構造のスラグ冷却面1を備えており、振動
によって冷却面1上の当該スラグを移動させる。溶融炉
から排出される溶融スラグ2が最初に達する冷却面1A
は図示例のように5°以下の緩やかな傾斜になってお
り、当該スラグは該傾斜面を転動する間に外殻が形成さ
れ粒状スラグ2Aとなる。一方、冷却面1Aに続く冷却
面1Bは曲線を描きながらスラグ排出口9Aに向かって
冷却面1Aとは逆向きの傾斜になっているため、冷却面
1Aで外殻形成された溶融スラグ2Aは、この冷却面1
Bで冷却面横幅方向に広がりながら滞留し、さらに徐冷
されて最終的にスラグ排出口9Aより排出される。従っ
て1点集中で落下するスラグを冷却面上に分散させるこ
とができるため、冷却面有効利用による冷却効率の向上
と冷却面長さ短縮による装置小型化が可能である。な
お、本発明のスラグ徐冷方法及び装置は、上述の図示例
にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、溶
融炉からの溶融スラグをスラグ冷却面に直接供給するこ
とが可能であり、当該スラグをスラグ冷却面との接触に
より冷却しつつ、冷却面上をスラグが転動することによ
り粒状スラグを生成できる。また本発明によれば、簡単
で占有面積の小さいコンパクトな装置により、完全結晶
化までいかなくとも水砕処理に比べより広範囲な用途で
再利用可能な適度な強度と再利用し易い粒状形状を有す
るスラグを、新たな熱エネルギー使用や複雑な処理を行
うことなく生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す断面図である。
【図2】本発明の基本構成を示す斜視図である。
【図3】本発明が適用されるガス化溶融システムの一例
を示す図である。
【図4】本発明の一態様を示す断面図である。
【図5】本発明の他の態様を示す図であり、図5(a)
は概略断面図、図5(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 スラグ冷却面 1A 傾斜スラグ冷却面 1B 逆傾斜スラグ冷却面 2 溶融スラグ 2A 外殻形成スラグ 3 雰囲気ガス 4 冷却媒体 5 粒状徐冷スラグ 6 堰または突起物 7 溶融炉 7A 溶融炉スラグ排出口 8 加振機 9 スラグ徐冷装置 9A スラグ徐冷装置排出口 10 ジャケット 11 冷却媒体供給装置 12 冷却媒体供給管 13 冷却媒体戻り管 14 吸引ノズル 15 誘引送風機 16 スラグ排出口 17 エキスパンション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣勢 哲久 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 吉岡 学 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 高野 和夫 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 橋本 裕 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3K061 NB15 NB16 NB17 NB24 NC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融プロセスから排出される溶融スラグ
    をジャケット等の冷却部を設けたスラグ冷却面を備えた
    装置に直接受け、当該スラグをスラグ冷却面との接触に
    より冷却しつつ、冷却面上をスラグが転動することによ
    り粒状スラグを生成することを特徴とする溶融スラグ徐
    冷方法。
  2. 【請求項2】 前記スラグ冷却面は、一様な傾斜あるい
    は溶融スラグの流路に応じて変化させた傾斜と形状を有
    していることを特徴とする請求項1記載の溶融スラグ徐
    冷方法。
  3. 【請求項3】 前記スラグ冷却面またはスラグ冷却面を
    含む装置全体に振動を与えて当該スラグの転動を可能と
    し、振動の強度を調整することにより当該冷却面上のス
    ラグ滞留時間を調整し当該スラグの性状を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の溶融スラグ徐冷方法。
  4. 【請求項4】 前記スラグ冷却面または系全体に与える
    振動の振幅、振動数および振動の方向を、当該冷却面上
    の溶融スラグの最終温度および/又は粒状に応じて調整
    することを特徴とする請求項3記載の溶融スラグ徐冷方
    法。
  5. 【請求項5】 前記溶融スラグ冷却面に堰および/又は
    突起物あるいは逆傾斜面を単独または複数組み合わせて
    設けることにより、当該溶融スラグの当該冷却面上の滞
    留時間を増加させ、徐冷に要する距離を短縮するととも
    に、当該冷却面上にスラグを分散させるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の溶融スラグ徐冷方法。
  6. 【請求項6】 前記スラグ冷却面を冷却する冷却媒体に
    液体または気体を使用することを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1項に記載の溶融スラグ徐冷方法。
  7. 【請求項7】 溶融プロセスから排出させる溶融スラグ
    を直接受ける面と、この面の下方に形成され冷却媒体を
    供給して前記面を冷却してスラグ冷却面とするジャケッ
    トを備え、前記スラグ冷却面上をスラグが転動すること
    により粒状スラグを生成するようにしたことを特徴とす
    る溶融スラグ徐冷装置。
  8. 【請求項8】 前記スラグ冷却面に振動を付与する加振
    機を設けたことを特徴とする請求項7記載の溶融スラグ
    徐冷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108766590A (zh) * 2018-08-20 2018-11-06 中机中联工程有限公司 振动方向角连续调节机构及芯块振动装管机
CN113758830A (zh) * 2021-08-24 2021-12-07 苏州达储能源科技有限公司 一种用于测量灰渣流动特性的设备及测量方法

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