JP2000087724A - 自動二輪車のマフラ構造 - Google Patents

自動二輪車のマフラ構造

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JP2000087724A
JP2000087724A JP10254314A JP25431498A JP2000087724A JP 2000087724 A JP2000087724 A JP 2000087724A JP 10254314 A JP10254314 A JP 10254314A JP 25431498 A JP25431498 A JP 25431498A JP 2000087724 A JP2000087724 A JP 2000087724A
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JP
Japan
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expansion chamber
pipe
cover
air
expansion
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JP10254314A
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Tasuke Sakurai
太輔 櫻井
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マフラ本体を大型化することなく膨張室容量
を増やすことができる自動二輪車のマフラ構造を提供す
る。 【解決手段】 排気管94a,94bの下流端に接続さ
れたマフラ本体95a,95aを上流側から順に第1膨
張室A1,第3膨張室A3,及び第2膨張室A2に画成
し、該第1膨張室A1と第2膨張室A2とを第3膨張室
A3を通過する第1パイプ112により連通し、該第2
膨張室A2と第3膨張室A3とを第2パイプ113a,
113bで連通し、該第3膨張室A3と外部とを第3,
第2膨張室A2を通過するパイプ114で連通した自動
二輪車のマフラ構造において、上記マフラ本体95a,
95bの外周部に外周壁119と内周壁118との2重
壁構造からなる膨張空間部120を形成し、該内周壁1
18の第3膨張室A3部分に該第3膨張室A3内に流入
した排気ガスの一部を膨張空間部120内に導入する流
入孔122を形成するとともに、該膨張空間部120内
に導入された排気ガスを第3膨張室A3内に流出させる
流出孔123を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車のマフ
ラ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車は、排気音の低減を図るため
に排気管の下流端にマフラを接続した排気装置を備えて
いる。このマフラは、マフラ本体を複数の膨張室に画成
するとともに、各膨張室をそれぞれパイプにより連通し
た構造が一般的である。
【0003】この種のマフラ本体では、消音効果を高め
る観点から各膨張室の容量をできるだけ大きく設定する
のが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置のように膨張室の容量を大きくするにもマフラ本
体が大型化することから限度があり、マフラ本体の大型
化を回避しながら容量を拡大できることが要請されてい
る。
【0005】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、マフラ本体を大型化することなく膨張室容量を
増やすことができる自動二輪車のマフラ構造を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、排気
管の下流端に接続されたマフラ本体を上流側から順に第
1膨張室,第3膨張室,及び第2膨張室に画成し、該第
1膨張室と第2膨張室とを第3膨張室を通過する第1パ
イプにより連通し、該第2膨張室と第3膨張室とを第2
パイプで連通し、該第3膨張室と外部とを第2膨張室を
通過する第3パイプで連通した自動二輪車のマフラ構造
において、上記マフラ本体の外周部に外周壁と内周壁と
の2重壁構造からなる膨張空間部を形成し、上記内周壁
の上記第3又は第2膨張室部分に、該第3又は第2膨張
室内に流入した排気ガスの一部を膨張空間部に導入する
流入孔を形成するとともに、該膨張空間部内に導入され
た排気ガスを第3又は第2膨張室内に流出させる流出孔
を形成したことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、上
記流入孔,流出孔が第3膨張室に形成されており、上記
流入孔の近傍に上記第2パイプの吐出口が位置し、上記
流出孔に近接する位置を上記第1パイプが挿通している
ことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は、請求項1において、上
記流入孔,流出孔が第2膨張室に形成されており、上記
流入孔の近傍に上記第1パイプの吐出口が位置し、上記
流出孔に近接する位置を上記第3パイプが挿通している
ことを特徴としている。
【0009】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記流入孔,流出孔は上記内周壁の車体
内側に面する部分に形成されていることを特徴としてい
る。
【0010】
【発明の作用効果】本発明にかかるマフラ構造によれ
ば、マフラ本体の外周部に、排気ガスの熱による周壁の
焼けが外観上に現われないようにするために設けられた
外周壁と内周壁との間の空間を膨張空間部として利用
し、該内周壁の第3又は第2膨張室部分に流入孔を形成
するとともに流出孔を形成したので、第3又は第2膨張
室に流入した排気ガスの一部は上記膨張室空間部に流入
することから上記膨張空間部も膨張室として機能するこ
ととなり、それだけ膨張室容量を増やすことができ、マ
フラ本体を大型化することなく排気音を低減できる効果
がある。
【0011】請求項2又は3の発明では、上記流入孔の
近傍に第2又は第1パイプの吐出口を配置し、上記流出
孔の近傍に第1又は第3パイプを挿通させたので、上記
流入孔付近は第2又は第1パイプから吐出される排気の
圧力により他の部分より高圧となり、また流出孔付近は
第1又は第3パイプで覆われていることにより上記吐出
される排気の圧力が作用しにくく他の部分より低圧とな
る。これにより排気は流入孔から膨張空間部を通って流
出孔からスムーズに流れることとなり、その結果、排気
が膨張室空間部によどむのを防止でき、この点からより
一層排気音を低減できる効果がある。
【0012】請求項4の発明では、外周壁の流入孔,流
出孔近傍部分が排気の熱で焼けて変形したとしても該変
色部は外側方からは見え難いため、外観に影響を及ぼす
ことはない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1ないし図40は、本発明
の一実施形態による自動二輪車のマフラ構造を説明する
ための図であり、図1〜図3はそれぞれ自動二輪車の側
面図,平面図,正面図、図4はリヤアームの側面図、図
5,図6はエンジンユニットの平面図,右側面図、図7
〜図9はエンジンユニットのユニットケースカバーの右
側面図,要部拡大図,断面図、図10,図11はシリン
ダヘッドのヘッドカバーの平面図,断面側面図、図1
2,図13はヘッドカバーのプラグ側カバーの平面図,
側面図、図14,図15はプラグ側カバーのカバーブラ
ケットの平面図,側面図、図16,図17はヘッドカバ
ーの固定側カバーの平面図,断面図、図18,図19は
固定側カバーのカバーブラケットの平面図,側面図、図
20はシャフトドライブ機構の後輪側入力部の断面図、
図21はシャフトドライブ機構のエンジン側出力部の断
面図、図22はエンジン側出力部に配設された車速検出
装置の背面図、図23はエンジンユニットの始動装置を
示す断面図、図24はエンジンユニットのクランクケー
スの側面図、図25,図26は始動装置の要部を示す
図、図27,図28は二次空気供給装置の左側面図,平
面図、図29,図30は二次空気供給装置の供給パイプ
の配索図、図31〜図34はマフラ構造を説明するため
の断面図,断面正面図、図35,図36はエアクリーナ
装置の断面側面図,断面正面図、図37〜図39はエア
クリーナ装置のクリーナ本体の側面図,断面図、図40
はエアクリーナ装置のサイレンサ部の平面図である。な
お、本実施形態でいう前後,左右とは、シートに着座し
た状態で見た前後,左右をいう。
【0014】図において、1はアメリカンスポーツタイ
プの自動二輪車であり、これはクレードル型の車体フレ
ーム2の前端のヘッドパイプ3でステアリングシャフト
4を枢支し、該車体フレーム2内にエンジンユニット5
を搭載するとともに、後端部でリヤアーム6を枢支し、
さらに上記車体フレーム2の上部に大型の燃料タンク7
及びシート8を搭載した概略構造のものである。この燃
料タンク7の上面中央部にはスピードメータ7aが配設
されている。
【0015】上記ステアリングシャフト4には左, 右一
対のフロントフォーク4a,4aが上,下ブラケット4
b,4bにより固定され、該フロントフォーク4aの上
端には操向ハンドル9が固定されており、下端間には前
輪10が軸支されている。
【0016】上記車体フレーム2は、ヘッドパイプ3か
ら車体後方に略直線状に傾斜して延びる左,右一対のメ
インチューブ2aと、車体後方下方に延び該下端から後
方に略直線状に延びるダウンチューブ2bと、該ダウン
チューブ2bの後端とメインチューブ2aの後端とを結
合する結合部材2cとから構成されている。
【0017】上記シート8の下方のメインチューブ2a
の前後方向中間部とダウンチューブ2bの中間部とは上
下方向に延びる懸架ブラケット2dにより結合されてい
る。また上記シート8下方のメインチューブ2aとダウ
ンチューブ2bとの間には後述する車体カバー13が配
設されており、該車体カバー13により上記懸架ブラケ
ット2dは覆われている。
【0018】上記リヤアーム6は、図4に示すように、
平面視大略U字形状に屈曲形成されたアッパアーム6a
の左, 右後端部と、左, 右のアンダアーム6b,6bの
後端部とをリヤブラケット6cで結合し、該アッパアー
ム6aの前端部とアンダアーム6bの前端部とを複数本
の連結パイプ6dで結合した概略構造のものであり、上
記左, 右のリヤブラケット6c間に後輪11の車軸11
aが挿入支持されている。
【0019】上記両リヤブラケット6cには後方に開口
する凹部6eが前後方向に切り欠き形成されており、該
凹部6e内に上記車軸11aが挿入固定されている。こ
の凹部6eにより後輪11とともに車軸11aを車両後
方に取り外すことが可能となっている。
【0020】上記左, 右のアンダアーム6bの前端部は
ピボット軸12を介して上記懸架ブラケット2dにより
上下揺動自在に枢支されている。また上記車体フレーム
2とリヤアーム6との間にはリヤサスペンション15が
配設されている。このリヤサスペンション15は略起立
させて配置されたクッション16の上端部を懸架ブラケ
ット2dに軸支し、下端部をリヤアーム6と懸架ブラケ
ット2dとの間に介設されたリンク機構17に連結した
構造となっている。
【0021】車体側方から見ると上記アッパアーム6
a,及びアンダアーム6bはそれぞれメインチューブ2
a,及びダウンチューブ2bと同一線をなすように配置
されている。このようにして車体フレーム2は外観上リ
ジット型フレームとなっている(図1参照)。
【0022】上記メインチューブ2a,ダウンチューブ
2b,懸架ブラケット2dで囲まれたクレードル内に上
記エンジンユニット5が懸架支持されている。このエン
ジンユニット5は、水冷式V型2気筒4サイクルエンジ
ンであり、これのユニットケース18はクランクケース
20とミッションケース19とを一体化し、下面にオイ
ルパン18aを接続した概略構造を有している。
【0023】上記クランクケース20の前部には前方に
傾斜する前側シリンダブロック21aが接続固定されて
おり、該前側シリンダブロック21aの上面には前側シ
リンダヘッド22aが接続固定されている。また上記ク
ランクケース20の後部には後方に傾斜する後側シリン
ダブロック21b,後側シリンダヘッド22bが接続固
定されており、この前側シリンダブロック21a,シリ
ンダヘッド22aと後側シリンダブロック21b,シリ
ンダヘッド22bはクランク軸23の軸方向に見てV字
状をなすように配置され、かつ車両前後方向に見て左,
右に若干オフセットさせて配置されている。
【0024】上記前側,後側シリンダブロック21a,
21b内に挿入配置された各ピストン24はコンロッド
25でクランク軸23のクランクピン23aに連結され
ている。このクランク軸23のクランクピン23aは2
本のコンロッド25に共用されており、これによりクラ
ンク軸23の軸長が短くなっており、またエンジン幅が
狭くなっている。また上記前側,後側シリンダヘッド2
2a,22bの燃焼凹部には点火プラグ26が挿着され
ており、該点火プラグ26は車幅方向外側に向けて配置
されている(図5参照)。
【0025】上記ユニットケース18の右側壁にはクラ
ンクケース20,ミッションケース19の略全域に渡る
大きさのケース開口18bが形成され、該開口18bに
はユニットケースカバー27が装着されている。
【0026】上記ユニットケースカバー27は、図6〜
図9に示すように、ケース開口18bの全域を覆い11
本のボルト30aでユニットケース18に固定された第
1カバー27aと、該第1カバー27aの前部の大部分
を覆い、該第1カバー27aに3本のボルト31aで固
定された第2カバー27bと、該第2カバー27bのク
ランク軸23に臨む部分を覆い、該第2カバー27bに
3本のボルト31bで固定された円形の第3カバー27
cとからなる3重構造のものである。
【0027】また上記クランクケース20内の前端下部
にはオイルフィルタ28が配置されている。上記第1カ
バー27a部分のオイルフィルタ28に臨むには該フィ
ルタ28を取り出し可能な大きさの作業孔27dが形成
されており、該作業孔27dにはキャップ29が着脱可
能に挿入されている。このキャップ29には上記作業孔
27dの端面に当接するフランジ29aが形成されてお
り、このフランジ29aは2本のボルト30bにより第
1カバー27aと第2カバー27bとに挟まれた状態で
クランクケース20に共締め固定されている。
【0028】上記オイルフィルタ28を交換するには、
各ボルト30b,31aを外して第2カバー27bを開
け、キャップ29を引き抜いてオイルフィルタ28を取
り出すこととなる。
【0029】このようにユニットケースカバー27を3
重構造としたので、各カバー27a〜27cのデザイン
上の自由度を向上でき、外観の向上を図ることができ
る。例えば、従来のようにケースカバーのオイルフィル
タに臨む部位に該フィルタ専用のカバーを取付ける場合
にはカバー全体のデザインに対する自由度に制約が生じ
るという問題があった。これに対して、本実施形態で
は、オイルフィルタの配置位置にこだわることなく第2
カバー27bの形状を自由に設計できる。
【0030】また第3カバー27cをユーザの好みに応
じた表面処理の施されたのものと取り替えることが可能
であり、この点からも見栄えを向上できる。さらにユニ
ットケースカバー27を3分割したので、大型カバーを
一体製造する場合に比べて製造が容易となる。
【0031】上記前側,後側シリンダヘッド22a,2
2bには装飾用のヘッドカバー35が装着されている。
このヘッドカバー35は両シリンダヘッドに共通である
ので、ここでは前側シリンダヘッド22aのヘッドカバ
ー35についてのみ説明する。上記ヘッドカバー35は
樹脂製のもので、かつ表面にはクロムメッキが施されて
おり、これにより車体側方から見たとき、シリンダヘッ
ド22a,22bの上面にカム室を構成するヘッドカバ
ーが装着された如き外観を呈することにより外観の向上
を図っている。
【0032】上記ヘッドカバー35は、図10〜図19
に示すように、点火プラグ26側に装着されたプラグ側
カバー36と、反プラグ側に装着された固定側カバー3
7とに左, 右に分割されている。
【0033】上記プラグ側カバー36は、上記シリンダ
ヘッド22aの上面に2本のボルト38で締め付け固定
された金属製のカバーブラケット39により支持されて
いる。このカバーブラケット39の両締結部には車幅方
向外方に延びる支持片39a,39aが一体形成され、
各支持片39aの端部には縦片39bが略垂直に起立形
成され、該縦片39bには係合孔39cが形成されてい
る。
【0034】また上記カバーブラケット39には上記両
縦片39bの中間部分に延びるアーム片39dが一体形
成され、該アーム片39dの先端部にはリベット39e
が固着されている。なお、39fはボルト38が挿入さ
れるボルト孔であり、また上記係合孔39cにはグロメ
ット39gが嵌着されている。
【0035】上記プラグ側カバー36は、シリンダヘッ
ド22aの上面の車幅方向外側部分を覆う天壁36a
と、該天壁36aに続いて該シリンダヘッド22aの側
部を回り込むようにして内方に延びる中壁36bと、該
中壁36bの外端から下方に延びさらに内方に屈曲して
延びる横断面大略鉤状の下壁36cとを有する構造のも
のであり、この下壁36cには係合凹部36dが一体形
成されている。また上記プラグ側カバー36の天壁36
aと中壁36bとの境界部の両端部には内方に延びる係
合爪36eが突出形成されている。なお、上記係合爪3
6eの周囲には補強リブ36e´が形成されており、ま
た上記係合凹部36dが係合するブラケット39のリベ
ット39eにはゴム製のグロメット39hが装着されて
いる。
【0036】そして上記プラグ側カバー36は、シリン
ダヘッド22aの車幅方向外側から内方に押し込むこと
により装着されており、該カバー36の両係合爪36e
が縦片39bの係合孔39cにグロメット39gを介し
て係合し、係合凹部36dがグロメット39hを介して
リベット39eに係合している。なお、上記プラグ側カ
バー36は、リベット39e,及び両係合爪36eを係
合させ、又は該係合を解除することにより工具を使用す
ることなく着脱可能となっている。
【0037】上記固定側カバー37はシリンダヘッド2
2aの反プラグ側上面に2本のボルト40で締め付け固
定されたカバーブラケット41により支持されている。
このカバーブラケット41の両端部には車幅方向外方に
延びる固定片41a,41aが一体形成され、各固定片
41aの先端部には螺子孔41bが形成されている。な
お、41cは上記ボルト40が挿入されるボルト孔であ
る。
【0038】上記固定側カバー37は、シリンダヘッド
22aの上面を覆う天壁部37aと、該天壁部37aに
続いて該シリンダヘッド22aの側部を回り込むように
して内方に延びる底壁部37bとからなる上,下2分割
のものであり、両者37a,37bは該底壁部37bに
形成された4つの嵌合ボス部37cに、上記天壁部37
aに形成された嵌合爪37dを係合させることにより結
合されている。
【0039】また上記固定側カバー37は、天壁部37
aに凹設された凹部37e内のボルト孔37fにボルト
42を挿入して上記固定片41aの螺子孔41bに螺挿
することによりカバーブラケット41に締結固定されて
いる。このボルト42の頭部は凹部37e内に隠れてお
り、外方から見えることはない。
【0040】本実施形態では、ヘッドカバー35を、プ
ラグ側カバー36と固定側カバー37とに左, 右分割し
たので、従来の左, 右一体の単品形状のものと比べて形
状,デザイン上の自由度を向上でき、商品性を向上でき
る。
【0041】またヘッドカバー35を左, 右に分割した
ので、メンテナンスの必要がある点火プラグ26側は容
易に取り外し可能とし、メンテナンスの不要な反プラグ
側はボルト締め固定というように構造を分けることがで
きる。その結果、点火プラグ26のメンテナンス,交換
を行う場合、あるいは点火プラグ26の近傍に配置され
たオイルデリバリ用ボルトユニオン43(図10参照)
を外して油圧チェックを行う場合の作業性を向上でき
る。
【0042】上記プラグ側カバー36をシリンダヘッド
22aの上面を覆う天壁36aに続いて該シリンダヘッ
ド22aの内方に延びる中壁36bとから構成したの
で、この中壁36bにより車体斜め下方から見たシリン
ダヘッド22aの内部を覆うことができ、見栄えを向上
できる。ちなみに、従来は、シリンダヘッドの上面に続
いて側面を覆う横断面大略鉤状のものが一般的であり、
このため斜め下方から内部が見えるという欠点があっ
た。
【0043】また固定側カバー37については天壁部3
7aと底壁部37bとの上,下2分割構造としたので、
樹脂成形時の型抜き上の問題を回避して形状の自由度を
向上でき、底壁部37bにより車体下方から内部が見え
るのを防止でき、上記同様に見栄えを向上できる。
【0044】上記ミッションケース19内には、図5に
示すように、変速装置を構成する変速ギヤ群(不図示)
が装着されたメイン軸45と、該変速ギヤ群に噛合する
カウンタギヤ群(不図示)が装着された第1ドライブ軸
46とがクランク軸23と平行に配置されており、該メ
イン軸45の右端部にはクラッチ機構47が装着されて
いる。
【0045】上記エンジンユニット5には、図5,図2
0〜図22に示すように、エンジン動力を後輪11に伝
達するシャフトドライブ機構50が接続されている。こ
のシャフトドライブ機構50は、エンジン側出力部51
と後輪側入力部52とを車両前後方向に配置されたドラ
イブシャフト53(伝動軸)で連結して構成されてい
る。このドライブシャフト53の前半部は車体カバー1
3により覆われており、フレーム後半部の連結部材2c
と後輪側入力部のリヤギヤケース65との間の部分は外
方に露出している(図1参照)。
【0046】上記エンジン側出力部51は以下の構造と
なっている。上記ミッションケース19の後端部には潤
滑油が充填されたギヤケース19aが一体に接続形成さ
れ、該ギヤケース19a内には上記第1ドライブ軸46
と平行に第2ドライブ軸54が配設されている。また該
第2ドライブ軸54の左側方には該ドライブ軸54と軸
直角方向(車体前後方向)に延びる出力軸55が配設さ
れており、この両軸54,55はベベルギヤ56a,5
6bにより連結されている。
【0047】上記ギヤケース19aの後端面にはケース
開口19bが形成され、該ケース開口19bにはシール
部材57を介在させて蓋部材58が3本のボルト59に
より固定されている。この蓋部材58には出力孔58a
が形成されており、該出力孔58aから上記出力軸55
の後端部55aが後方に突出している。この出力軸55
は蓋部材58に装着された軸受60により回転自在に支
持されている。
【0048】上記出力軸55の後端部55aとドライブ
シャフト53の前端部53aとはユニバーサルジョイン
ト61により連結されている。このユニバーサルジョイ
ント61は第1ヨークジョイント61aと、第2ヨーク
ジョイント61aとをクロス軸61cで上下左右に揺動
可能に連結した構造を有している。
【0049】上記第1ヨークジョイント61aは出力軸
55の後端部55aにスプライン嵌合し、該後端部55
aに螺着されたナット62により締結固定されており、
これにより第1ヨークジョイント61aの抜け止めがな
されている。また上記第2ヨークジョイント61bには
ドライブシャフト53の前端部53aがスプライン嵌合
しており、該ドライブシャフト53は第2ヨークジョイ
ント61bから後方に引き抜き可能となっている。
【0050】また上記第1ヨークジョイント61aの前
端部と蓋部材58との間にはオイルシール63が介在さ
れており、これによりギヤケース19a内の潤滑油が外
部に漏出するのを防止している。
【0051】上記後輪入力部52は、以下の構造となっ
ている。上記後輪11の左側方には、図20に示すよう
に、リヤギヤケース65が配設されている。このリヤギ
ヤケース65は、ケース本体65aと該ケース本体65
aの前端にスタッドボルト及びナット65cにより固定
された前側ケース65bとの前,後2分割構造のもので
あり、ケース本体65aは上述のリヤアーム6のリヤブ
ラケット6cにボルト6eで締め付け固定されている
(図4参照)。
【0052】上記ケース本体65a内にはドライブシャ
フト53と同軸をなすように駆動ベベルギヤ66が配設
され、該駆動ベベルギヤ66には車軸11aと同軸をな
すように配設された従動ベベルギヤ67が噛合してお
り、この両ベベルギヤ66,67はそれぞれケース本体
65a,蓋部材65dに軸受68a,68b,68cを
介して回転自在に支持されている。
【0053】上記従動ベベルギヤ67の円筒ボス部67
aの内周面は後輪11のホイールハブ11bに固定され
たボス部材69の外周面にスプライン嵌合しており、こ
れにより従動ベベルギヤ67の回転は結合部材69を介
して後輪11に伝達される。
【0054】上記駆動ベベルギヤ66の前側軸部66a
には円筒状のジョイント部材70の基部70aがスプラ
イン嵌合しており、該ジョイント部材70は前側軸部6
6aに螺着されたナット71により軸方向に移動不能に
固定されている。このジョイント部材70の筒部70b
はケース本体65aの前合面から前側ケース65b内に
突出しており、該筒部70bの内周面にはわずかに凹の
R状の内周歯70cが形成されている。
【0055】上記前側ケース65b内にはドライブシャ
フト53の後端部53bが挿入され、該後端部53bと
前側ケース65bの前端との間には該ケース65b内へ
異物が侵入するのを防止するダストシール72が介設さ
れている。この後端部53bの外周には上記内周歯70
cに噛合するわずかに凸のR状の外周歯53cが形成さ
れており、これによりドライブシャフト53と上記ジョ
イント部材70、つまり駆動ベベルギヤ66とは上下左
右に若干揺動可能となっており、上記ドライブシャフト
53の回転はジョイント部材70を介して駆動ベベルギ
ヤ66に伝達される。
【0056】また上記ドライブシャフト53の後端部5
3bには筒部70bの内周面に摺接するシール部材73
が装着されている。この後端部53bのシール部材73
の前側にはワッシャ74がサークリップ75により位置
決めされて装着されており、これによりシール部材73
の軸方向移動が阻止されている。
【0057】そして上記前側ケース65bの内周壁には
軸方向に延びる抜け止めリブ76が周方向に間隔あけて
複数一体形成されている。このリブ76の後端面76a
には上記サークリップ75が所定の間隔をあけて対向し
ており、この間隔は後輪11の取り外し時にドライブシ
ャフト53の前方移動によってシール部材73がジョイ
ント部材70の筒部70bから外れない距離に設定され
ている。
【0058】本実施形態の抜け止め構造では、前側ケー
ス65b内のドライブシャフト53のサークリップ75
に対向する部分に複数の抜け止めリブ76を形成したの
で、組み付け性,整備性を向上できる。
【0059】例えば、後輪11のタイヤ交換を行う場合
には、リヤアーム6から後輪11とともにリヤギヤケー
ス65を外し、ドライブシャフト53を第2ヨークジョ
イント61bから引き抜くこととなる。この場合にドラ
イブシャフト53の外周歯53cがジョイント部材70
の内周歯70cから外れたり、シール部材73が筒部7
0bから外れるおそれがあるが、本実施形態では、上記
リブ76の後端面76aとサークリップ75との間をシ
ール部材73がジョイント部材70から抜け落ちない間
隔に設定したので、ドライブシャフト53が移動しても
シール部材73がジョイント部材70から脱落したり、
内周歯70c,外周歯53cの噛合が外れたりすること
はなく、組み付け性,整備性を向上できる。
【0060】また前側ケース65bにリブ76を一体形
成するだけの構造であることから、別部品を用いて抜け
止めを行う場合に比べてコスト上昇を抑制できる。
【0061】次に上記自動二輪車1の車速検出装置につ
いて説明する。本車速検出装置は、図21,図22に示
すように、所定間隔ごとに形成された多数の外周歯78
aを有する環状のピックアップ用ロータ78と、該ロー
タ78の回転を検出するピックアップ79と、該ピック
アップ79からの検出値に基づいて上述のスピードメー
タ7a(図1,図2参照)に内蔵されたステッピングモ
ータ(不図示)に駆動信号を出力するECU(不図示)
とから構成されている。
【0062】上記ロータ78は、上述のエンジン側出力
部51のギヤケース19aから後方に突出したユニバー
サルジョイント61に配設され、上記ピックアップ79
はロータ78に対向するように配設され、かつこれらは
車体カバー13により覆われている。
【0063】上記ロータ78は、上記ユニバーサルジョ
イント61の第1ヨークジョイント61aのボス部61
dに同軸をなすように圧入固定されており、上記ピック
アップ79は、ギヤケース19aの蓋部材58の後端面
にボルト59により共締め固定された支持ブラケット8
0に固定されている。
【0064】上記支持ブラケット80には支持片80a
が屈曲形成されており、該支持片80aに上記ピックア
ップ79がボルト80bにより締結固定されている。こ
のピックアップ79の検出部79aは上記ロータ78の
外周歯78aに若干の隙間をあけて対向しており、該検
出部79aから導出されたリード線79bは上述のEC
Uに接続されている。
【0065】本実施形態の車速検出装置の作用効果につ
いて説明する。本実施形態では、エンジン側出力部51
のギヤケース19aから後方に突出したユニバーサルジ
ョイント61の第1ヨークジョイント61aにピックア
ップ用ロータ78を固定し、上記ギヤケース19aの蓋
部材58に支持ブラケット80を介してピックアップ7
9を固定したので、該ピックアップ79,ロータ78を
外部に露出させて取り付けており、ギヤケースの潤滑浴
内に取付ける場合のような専用の孔開け加工やシールを
不要にでき、コストを低減できる。
【0066】またエンジン側出力部51にロータ78,
ピックアップ79を配置する構造としたので、該ロータ
78,ピックアップ79をエンジンアッシィとして予め
組み付けることができ、後付けする場合に比べて手間を
削減できる。
【0067】なお、上記実施形態では、ロータ78,ピ
ックアップ79をエンジン側出力部51のユニバーサル
ジョイント61周りに配設したが、本発明は、後輪側入
力部52,あるいはドライブシャフト53周りに取付け
てもよく、要はシャフトドライブ機構50の非潤滑部に
配設すればよい。
【0068】また上記実施形態では、リヤアーム6とド
ライブシャフト53とを別体とした場合を説明したが、
本発明はリヤアーム内にドライブシャフトを収納した一
体型のものにも適用できる。
【0069】上記自動二輪車1の始動装置について図2
3〜図26に基づいて説明する。上記クランク軸23の
左, 右クランクジャーナル23bはクランクケース20
の分割合面に形成されたボス部20aに軸受20bを介
して支持されている。このクランクケース20の左合面
にはクランクケースキャップ20dが装着されており、
クランク軸23の左端部はクランクケース20からクラ
ンクケースキャップ20d内に突出している。
【0070】上記クランク軸23の左端部には発電機8
2が装着されている。この発電機82は、ロータ82a
の内周面に磁石82bを配設し、該磁石82bに対向す
るように固定子82cを配設した構造のものである。
【0071】上記クランク軸23のロータ82aの車幅
方向内側にはロータボス部83が配設されている。この
ロータボス部83は、上記ロータ82aの背面に当接す
る大径のフランジ部83aと、該フランジ部83aより
小径でクランク軸23の軸方向内側に延びるボス部83
bとからなり、上記フランジ部83aはロータ82aに
リベットにより固定されている。またロータボス部83
の軸芯には雌テーパ孔83cが形成されている。
【0072】上記クランク軸23の左端部には雄テーパ
部23cが形成され、該雄テーパ部23cは上記ロータ
ボス部83の雌テーパ孔83cに嵌合している。また雄
テーパ部23cとボス部83bとはキー嵌合されてお
り、上記クランク軸23の端部にはロータボス部83の
軸方向移動を阻止するナット84が螺着されている。
【0073】上記ロータボス部83の軸方向内側にはカ
ム駆動スプロケット85が回転自在に装着されている。
このカム駆動スプロケット85は、図35に示すよう
に、チェーン86aを介してカム軸86bに連結されて
おり、該カム軸86bを回転駆動することにより吸気バ
ルブ86c,排気バルブ86dを開閉駆動するものであ
る。また上記クランク軸23のカム駆動スプロケット8
5の軸方向内側にはオイルポンプ駆動スプロケット77
が固定されている。
【0074】上記カム駆動スプロケット85とロータボ
ス部83との間にはダンパ機構87が設けられている。
このダンパ機構87はボス部83bの背面に周方向に延
びる凹溝83dを形成し、該凹溝83d内に上記カム駆
動スプロケット85に突出形成された突起部85aを挿
入するとともに、該突起部85aを周方向中間位置に付
勢するばね部材87a,87bを配設した構造を有して
おり、これによりクランク軸23の回転はダンパ機構8
7を介してカム駆動スプロケット85に伝達される。
【0075】上記クランク軸23の前方のクランクケー
ス20の外側には始動モータ88がこれの出力軸88a
をクランク軸23と平行に向けて配置されている。この
始動モータ88はクランクケース20に形成された挿通
孔20cに挿入支持されており、後端部は取付けブラケ
ット88cを介してクランクケース20の外壁(不図
示)にボルト締め固定されている。
【0076】上記出力軸88aには出力ギヤ88bが結
合され、該出力ギヤ88bには中間大ギヤ89aが噛合
している。この中間大ギヤ89aの軸方向左側ボス部8
9cには中間小ギヤ89bが圧入により結合されてお
り、上記中間大ギヤ89aの軸芯には支持軸89dが挿
入されている。この支持軸89dはクランクケース20
とクランクケースキャップ20dとで支持されている。
なお、上記中間小ギヤ89bは所定値以上のトルクが作
用するとボス部89cに対して滑るようにその圧入力が
設定されている。これによりエンジン始動時にエンジン
側から大きな逆動力が作用した場合に始動モータ88を
保護している。
【0077】上記ロータボス部83のボス部83bの外
周には、上記中間小ギヤ89bに噛合するドライブギヤ
90がニードル軸受90aを介して回転自在に挿着され
ている。そして上記ドライブギヤ90とダンパ機構87
とはクランク軸23の軸直角方向に見て重なっている
【0078】上記ニードル軸受90aの内端部には、図
26に示すように、ワッシャ90bが装着されており、
該ワッシャ90bはボス部83bの外周に形成された周
溝83e内にサークリップ90cを嵌装することにより
軸方向移動が阻止されている。このように、上記ロータ
ボス部83にサークリップ90cが嵌装される周溝82
eを形成したので、クランク軸23への応力集中を小さ
くできる。即ち、クランク軸23にサークリップ用周溝
を形成する場合には該周溝部分に応力が集中し易くなる
という懸念がある。
【0079】上記ドライブギヤ90の軸方向外側にはボ
ス部90dが段落ち形成されており、該ボス部90dの
外周には一方向クラック91を介してリング部材92が
挿着されている。このリング部材92はロータボス83
のフランジ部83aにボルト92aにより締結固定され
ている。また上記一方向クラッチ91は始動モータ88
の回転力をクランク軸23側に伝達し、該クランク軸2
3の回転力は始動モータ88側に伝達しないように構成
されている。
【0080】本実施形態の始動装置の作用効果について
説明する。本実施形態によれば、クランク軸23の発電
機用ロータ82aのエンジン中心側に該ロータ82aに
固定されたロータボス部83をテーパ嵌合させ、該ロー
タボス部83の外周に一方向クラッチ91を介してドラ
イブギヤ90を装着し、該ドライギヤ90を始動モータ
88の出力ギヤ88bに連結したので、クランク軸23
と始動モータ88とは一方向クラッチ91を介して常時
噛合していることから、従来の飛び込み式の場合に比べ
て耳障りなギヤ噛み合い音を回避できる。また従来の飛
び込み式のフォークレバー,該フォークレバー駆動用ソ
レノイド等を不要にでき、構造を簡単にできるとともに
コストを低減できる。
【0081】また、上記クランク軸23の発電機用ロー
タ82aのエンジン中心側にロータボス部83を配置
し、該ロータボス部83の外周に一方向クラッチ91,
ドライブギヤ90を配置したので、クランク軸23の軸
長さを短くすることができ、製造上有利になるととも
に、剛性を向上できる。即ち、従来は、クランク軸のロ
ータより軸方向外側にロータボス部を、軸方向内側に始
動用ボス部をそれぞれ別々に配置する構造であることか
ら、クランク軸の軸長さが長くなるという問題があっ
た。
【0082】また本実施形態では、上記ロータボス部8
3と、カム駆動スプロケット85との間のダンパ機構8
7を、該ダンパ機構87と上記ドライブギヤ90とが軸
直角方向に見て重なるように配設したので、この点から
もクランク軸23の軸長さを短くできる。
【0083】次に上記自動二輪車1の二次空気供給装置
を図27〜図30に基づいて説明する。上記エンジンユ
ニット5の前側シリンダブロック21aの前壁,及び後
側シリンダブロック21bの後壁には排気ポートが開口
しており、該各排気ポートにはそれぞれ前側,後側排気
管94a,94bの上流端が接続されている。この各排
気管94a,94bは排気ポートからエンジンユニット
5の右側部に導出され、該右側部から後方に略直線状に
延びており、該各排気管94a,94bの下流端にはマ
フラ本体95a,95bが接続されている(図2参
照)。
【0084】上記二次空気供給装置は、二次空気用エア
クリーナ96と、吸気負圧及び排気脈動により排気系に
二次空気を供給する二次空気弁97とを備えており、こ
のエアクリーナ96からの空気を二次空気弁97により
排気系に供給することにより排気ガス中の未燃焼成分を
燃焼させて浄化を行うものである。
【0085】上記二次空気弁97は、排気脈動により開
閉するリードバルブ98と、該リードバルブ98の上部
に一体に接続され吸気負圧により開閉するエアカットバ
ルブ99とを一体化した二次空気アッシィとなってい
る。
【0086】上記二次空気弁97,及びエアクリーナ9
6は上記シート8下方の車体カバー13の内側に配置さ
れ、該車体カバー13により覆われている。この車体カ
バー13は、樹脂製の上カバー13aと、亜鉛ダイキャ
スト又はアルミダイキャスト製の下カバー13bとから
なる上下2分割のものであり、この上カバー13a内の
シート8下方にはツールボックス100が配置されてい
る。
【0087】上記上カバー13aの前縁はフック(不図
示)により車体フレーム2に回動及び着脱可能に支持さ
れている。また上カバー13aの後端部にはキーシリン
ダ101が装着され、該キーシリンダ101を施錠、解
錠することにより上カバー13aは開閉及び着脱可能と
なっている。
【0088】一方上記下カバー13bは車体フレーム
2、及びエンジンユニット5にボルト締め固定されてお
り、該下カバー13bの内側には燃料ポンプ102a,
キャニスタ102b等が配設されている。
【0089】上記上カバー13a内のツールボックス1
00の下方に上記二次空気弁97,エアクリーナ96が
配設され、車両前側に二次空気弁97が、これの後側に
エアクリーナ96がそれぞれ略同じ高さの位置になるよ
うに配置されている。また二次空気弁97,エアクリー
ナ96はそれぞれ取付けブラケット103a,103b
及び不図示のブラケットを介して車体フレーム2にボル
ト締め固定されている。
【0090】上記エアクリーナ96は、有底筒状のクリ
ーナ本体96aの上面に蓋部材96bを取り外し可能に
嵌装したもので、該蓋部材96bの内面にエアフィルタ
96cが着脱可能に取付けられている。これにより蓋部
材96bを外すとエアフィルタ96cが同時に取り出せ
るようになっている。
【0091】上記蓋部材96bには空気吐出口104a
が接続され、該空気吐出口104aには連通パイプ10
5を介してエアカットバルブ99の空気導入口99aが
連通接続されている。また上記クリーナ本体96aの底
壁には下方に延びる吸込ダクト104bが接続されてお
り、該吸込ダクト104bの吸込口104cは下カバー
13bの内壁に対向するように開口している。
【0092】上記エアカットバルブ99の前端には吸気
系に連通接続された吸気パイプ99bが接続されてお
り、該エアカットバルブ99は吸気パイプ99bからの
吸気負圧に応じて空気通路を開閉するように構成されて
いる。
【0093】上記エアカットバルブ99の下流端にリー
ドバルブ98が接続され、該リードバルブ98の前端に
は2本の二次空気供給口98a,98bが接続されてい
る。この左側の二次空気供給口98aには金属製前側供
給パイプ105aが接続され、該供給パイプ105aの
延長端は前側排気管94aの上流端に連通接続された前
供給ノズル106aに連通接続されている。
【0094】上記前側供給パイプ105aは、二次空気
供給口98aから前方に大略直線状に延びるとともに、
クランクケース20の上面に沿って前側シリンダブロッ
ク21aの前面下端に延び、ここからシリンダブロック
21aに沿って上方に延びるように配索されており、該
前側供給パイプ105aには走行風が当たるようになっ
ている。
【0095】上記右側の二次空気供給口98bには同じ
く金属製の後側供給パイプ105bが接続され、該供給
パイプ105bの延長端は後側排気管94bの上流端に
連通接続された後供給ノズル106bに接続されてい
る。
【0096】この後側供給パイプ105bは、二次空気
供給口98bから前側パイプ105aと略平行に延びた
後,後側シリンダブロック21bの後面の外縁部を囲む
ように大略コ字状に配索されている。このようにして前
側,後側供給パイプ105a,105bの管長は略同じ
長さに設定されている。また後側供給パイプ105bの
右側部分105b´は後側シリンダブロック21bの右
側面より外側に少し出ており、これにより該部分105
b´には走行風が当たり易くなっている。
【0097】また上記前側,後側供給パイプ105a,
105bの上流側はクランプ部材107aにより支持さ
れており、前側パイプ105aの中間部はクランクケー
ス20にボルト締め固定されたクランプ部材107bに
より支持されている。
【0098】本実施形態の二次空気供給装置の作用効果
について説明する。本実施形態の二次空気供給装置によ
れば、二次空気用エアクリーナ96と、リードバルブ9
8及びエアカットバルブ99の二次空気アッシィである
二次空気弁97とをシート8下方の車体カバー13の内
側に配置したので、エアクリーナ96の吸気音,あるい
はバルブの開閉音は走行風によりライダの着座位置より
後方に流されることとなり、耳障りな吸気音等が聞こえ
るのを防止できる。
【0099】また上記エアクリーナ96,二次空気弁9
7は車体カバー13により覆われて外方から見えないこ
とから、従来のエンジン前方やVバンク内に配置する場
合に比べて外観を改善できる。
【0100】本実施形態では、上記二次空気弁97,及
びエアクリーナ96を前,後に並べて配置するととも
に、両者96,97を略同じ高さに配置したので、シー
ト8との干渉を回避してシート高さを低くできる。即
ち、本自動二輪車1では、車両特性としてシート位置を
低くかつホイールベースを長く設定した構造であること
から、上記二次空気弁97,エアクリーナ96を上下方
向,あるいは車幅方向に配置した場合にはシート等に干
渉する場合があり、その結果シート高さが高くなるおそ
れがある。
【0101】また上記エアクリーナ96の吸気ダクト1
04bを下方に延長するとともに、該吸気ダクト104
bの下端に吸込口104cを形成したので、該吸込口1
04cをライダから遠ざけることができ、吸気音がさら
に聞こえ難くなる。
【0102】本実施形態では、キーシリンダ101によ
り開閉可能な樹脂製上カバー13aの内側に二次空気弁
97,エアクリーナ96を配置したので、エアフィルタ
96cの交換を行う場合には、キー操作により容易に開
けることができ、メンテナンスを行う際の作業性を向上
できる。
【0103】また上記エアクリーナ96の吸込口104
cを車体フレーム2にボルト締め固定されたアルミダイ
キャスト製下カバー13bの内側に位置させたので、剛
性の高い下カバー13bが遮音部材として機能すること
となり、吸気音が外部に漏れるのを低減でき、この点か
らも吸気音が聞こえ難くなる。
【0104】本実施形態では、V字状をなすエンジンユ
ニット5の前側排気管94aに接続された前側供給パイ
プ105aと、後側排気管94bに接続された後側供給
パイプ105bとの管長が略同じ長さとなるように配索
したので、両排気管94a,94bへの二次空気を略同
一量にバランスさせて供給できる。
【0105】上記エンジンユニット5の後方に二次空気
弁97を配置し、該二次空気弁97とエンジン5とを各
供給パイプ105a,105bにより連通したので、エ
ンジン熱が各パイプ105a,105bからリードバル
ブ98等に伝わり難く、リードバルブの熱変形等による
シール性の悪化を回避できる。また各供給パイプ105
a,105bに走行風が当たるように配索したので、こ
の点からもエンジン熱の伝達を抑制できる。特に、リー
ドバルブの応答性向上のための軽量化を図る観点から樹
脂製の弁体を採用する場合があり、この場合の熱変形を
防止できる。
【0106】次に上記自動二輪車1のマフラ構造を図3
1〜図34に基づいて説明する。本実施形態のマフラ構
造は、前側排気管94aの下流端に接続された前側マフ
ラ本体95aと、後側排気管94bの下流端に接続され
た後側マフラ本体95bとを上,下に平行にかつ前側マ
フラ本体95aが前側に位置するように前後にずらして
配置されており、両マフラ本体95a,95bは車体フ
レーム2に支持されている。この両マフラ本体95a,
95bは同一構造であるので、前側マフラ本体95aを
主に説明する。
【0107】上記マフラ本体95a内は上流側から順に
第1膨張室A1,第3膨張室A3,第2膨張室A2にそ
れぞれ第1,第2隔壁110a,110bにより画成さ
れており、マフラ本体95aの後端は蓋板110cによ
り閉塞されている。上記第1膨張室A1内には前側排気
管94aに接続された入口パイプ111が挿入されてい
る。
【0108】上記第1膨張室A1と第2膨張室A2とは
第3膨張室A3を通過する第1パイプ112により連通
されている。上記第2膨張室A2と第3膨張室A3とは
2本の第2パイプ113a,113bにより連通されて
いる。また第3膨張室A3と外部とは第3パイプ114
により連通されており、該第3パイプ114の下流端は
上記蓋板110cを貫通して外部に開放されている。上
記第1パイプ112は第1,第2隔壁110a,110
bに溶接され、該2パイプ113a,113bは第2隔
壁110bに溶接されている。また第3パイプ114は
第2隔壁110b,蓋板110cに溶接されている。
【0109】上記第1〜第3パイプ112〜114の入
口は排気ガス流による気流音を低減するとともに、流入
抵抗の低減を図る目的からベルマウス形状となってい
る。また上記各パイプ112〜114は、図33に示す
配置関係となっている。即ち、マフラ本体95aの中心
を通る垂直線L及び水平線Mで区分けされた下内側領域
に第1パイプ112が、上外側領域に第3パイプ114
が、また残りの領域にそれぞれ第2パイプ113a,1
13bが配置されている。なお、図31は全パイプが現
われるように模式的に示されており、各パイプの高さ関
係は正しく表現されていない。
【0110】入口パイプ111から第1膨張室A1に流
入した排気ガスはここで膨張した後第1パイプ112を
通って第2膨張室A2に流入し、ここから第2パイプ1
13a,113bを通って第3膨張室A3に流入し、こ
こから第3パイプ114を通って外部に排出される。
【0111】上記入口パイプ111の下流端には、後端
面が閉塞され外周壁に多数の孔115aが形成されたパ
ンチングパイプ115が接続されている。このパンチン
グパイプ115は第1膨張室A1の軸方向中央部に位置
しており、これにより該パイプ115からの排気熱は後
述するグラスウール116に略均一に伝わり、マフラ外
表面が局部的に高温化するのを防止している。
【0112】上記前側マフラ本体95aの第1膨張室A
1の後端部に臨む部分には軸直角方向上方に延びる第1
ストレート管117aが接続され、この第1ストレート
管117aには上記後側マフラ本体95bの第1膨張室
A1の前端部に臨む部分に接続された同様の第2ストレ
ート管117bが挿入されており、両ストレート管11
7a,117bの接続部は溶接により固着されている。
このようにして第1膨張室A1,A1同士を連通するこ
とにより膨張容量の増大を図っている。
【0113】車両前後方向から見た第1,第2ストレー
ト管117a,117bの軸芯L1は各マフラ本体95
a,95bの中心を通る垂直線Lより車幅方向内側にオ
フセットされており、これにより外側方から見たストレ
ート管の露出部分を小さくでき、見栄えの改善を図って
いる。
【0114】上記第1,第2ストレート管117a,1
17bはそれぞれ前側,後側マフラ本体95a,95b
に溶接により固着し、この状態で各マフラ本体95a,
95bにメッキ処理を施されたものである。そしてメッ
キ後に第1ストレート管117aと第2ストレート管1
17bとを溶接して製造されたものである。なお、第
1,第2ストレート管117a,117bのメッキ膜の
溶接による焼損部は塗装により補修される。
【0115】このように前後方向にずらして配置された
前側,後側マフラ本体95a,95bの第1膨張室A1
同士を連通するにあたって、各マフラ本体95a,95
bに軸直角方向に延びるストレート管117a,117
bを予め溶接し、メッキした後に両ストレート管117
a,117bを溶接したので、メッキ後の溶接部分を少
なくすることができ、長期間使用による錆び等の発生を
低減できる。ちなみに、従来では、前,後のマフラ本体
同士をS字状のパイプで連通する場合があり、この場合
にはメッキ後にパイプの両端を各マフラ本体に溶接する
こととなり、それだけ溶接面積が増えるという問題があ
った。また本実施形態構造では、従来のS字状パイプの
両端をマフラ本体に溶接する場合に比べて溶接作業を容
易に行える。
【0116】上記前側マフラ本体95aの外周部には内
周壁118と外周壁119との2壁構造からなる膨張空
間部120が形成されている。この内周壁118は第1
膨張室A1を囲む前側内周壁118aと第3,第2膨張
室A3,A2を囲む後側内周壁118bとに2分割され
ている。上記前側内周壁118aの後端部は第1隔壁1
10aに固着され、前端部は外周壁119に固着された
環状のスライド部材121に対して軸方向に移動可能と
なっている。これにより外周壁119との熱膨張差を吸
収できるようになっている。また前側内周壁118aと
外周壁119との間には断熱材,消音材としての上述の
グラスウール116が充填されている。
【0117】そして上記内周壁118bの第3膨張室A
3に臨む部分には軸方向に延びる長方形状の流入孔12
2が形成されており、該内周壁118bの流入孔122
の下側には同じ大きさの流出孔123が形成されてい
る。
【0118】上記流入孔122,流出孔123は車体内
側に形成されており、これにより排熱により外周壁11
9が変色しても外方から見えることはなく、見栄えの悪
化を防止している。
【0119】上記流入孔122には上側の第2パイプ1
13aの吐出口113cが近接しており、一方上記流出
孔123には該流出孔123を全長に渡って覆うように
第1パイプ112が近接している。これにより流入孔1
22の周辺には第2パイプ113aから圧力の高い排気
ガスが流れ込み、一方流出孔123付近には上記圧力の
高い排気はほとんど流れ込まない。そのため、流入孔1
22付近の圧力は流出孔123の周辺の圧力より高くな
っている。
【0120】これにより第2パイプ113aの吐出口1
13cから第3膨張室A3内に流入した排気ガスの一部
は流入孔122から膨張空間部120内に流れ込み、該
膨張空間部120を通って流出孔123から第3膨張室
A3内に流出するようになっている(図33の→印a参
照)。
【0121】本実施形態のマフラ構造の作用効果につい
て説明する。本実施形態によれば、マフラ本体95a,
95bの外周部に外周壁119と内周壁118との間の
空間を膨張空間部120として利用し、該内周壁118
の第3膨張室A3に臨む部分に流入孔122を形成した
ので、第3膨張室A3内に流入した排気ガスの一部は膨
張空間部120内に流れて膨張し、この膨張空間部12
0が膨張室として機能することから膨張室容量を増やす
ことができ、それだけ排気音を低減できる。
【0122】また本実施形態では、膨張空間部120を
膨張容量とするに当たり、上記流入孔122部分に第2
パイプ113aの吐出口113cを近接させ、上記流出
孔123部分にこれを覆うように第1パイプ112を近
接させたので、上記流入孔122付近は第2パイプ11
3aから吐き出される排気ガスにより流出孔123付近
より高圧となり、これにより流入孔122から膨張空間
部120を通って流出孔123から排出される排気ガス
の流れを形成でき、排気ガスは上記膨張空間部120内
によどむことなくスムーズに流れることとなり、排気熱
の影響を抑制しつつ上記排気音の低減を実現できる。
【0123】また、上記流入孔122,流出孔123を
内周壁118の車幅方向内側部分に形成したので、上記
膨張空間部120内に流入した排気によって仮に外周壁
119が焼けて変色した場合でも、該変色部分が外方か
ら見えることはなく、外観の低下が生じることはない。
【0124】なお、上記実施形態では、第3膨張室A3
の内周壁に流入孔,及び流出孔を設けたが、これらを第
2膨張室に設けることもできる。この場合、流入孔に第
1パイプ112の吐出口を近接させ、流出孔に近接する
位置を第3パイプ114が挿通するように構成すれば良
い。
【0125】次に上記自動二輪車1のエアクリーナ装置
を図35〜図40に基づいて説明する。上記エンジンユ
ニット5のVバンク内には左, 右一対のキャブレタ12
6,126が並列配置されている。この右側のキャブレ
タ126は前側キャブジョイント127aを介して前側
シリンダヘッド22aの後壁の吸気ポートに接続され、
左側のキャブレタ126は後側キャブジョイント127
bを介して後側シリンダヘッド22bの前壁の吸気ポー
トに接続されている。
【0126】本エアクリーナ装置125は、クリーナ本
体128とサイレンサ部129とからなる2分割構造の
ものであり、該クリーナ本体128は上記エンジンユニ
ット5のVバンクに臨む車体右側部に外方に露出させて
配置され(図3参照)、上記サイレンサ部129はVバ
ンク内の燃料タンク7の下面に配置されている。この燃
料タンク7の底壁には凹部7cが凹設され、該凹部7c
内に上記サイレンサ部129が収納されており、これに
より外方から見えない構造となっている(図36参
照)。
【0127】上記サイレンサ部129は、底部129a
と本体部129bとの上下2分割構造のものであり、該
本体部129bは横断面略矩形で上壁129cが前側ほ
ど高くなる傾斜状になっている。これによりサイレンサ
129は前側ほど容量が大きくなっている。
【0128】上記底部129aの前端部,後端部にはそ
れぞれ空気取入れダクト130,131が挿入接続さ
れ、各取入れダクト130,131の空気取出し口13
0a,131aはそれぞれ吸気管132,132を介し
て上記キャブレタ126の上流端に接続されている。ま
た上記底部129aの前端部にはブリーザパイプ133
が接続されている。
【0129】上記各空気取入れダクト130,131は
平面視で車幅方向左,右外側に位置するよう互い違いに
配置され、かつ各取入れダクト130,131の空気取
入れ口130b,131bは右方,左方を指向してい
る。これにより両空気取入れ口130b,131bに流
入する空気流の干渉を回避している。
【0130】また上記底部129aの、該サイレンサ部
129の最大容量部分である前端部に流入口129dが
下向きに突出形成されており、該流入口129dに連通
ダクト134の下流口134aが接続されている。
【0131】上記クリーナ本体128は、ケース本体1
37の車体外側に大略碗状のフィルタカバー138を取
り外し可能に装着し、該ケース本体137の内側に大略
碗状の外気導入カバー139を装着した構造のものであ
る。上記ケース本体137の内壁の上端部には空気流出
口137aが内向きに突出形成され、該流出口137a
には上記連通ダクト134の上流口134bが接続され
ている。
【0132】上記ケース本体137とフィルタカバー1
38とで略密閉されたクリーナ室128aが形成されて
おり、該クリーナ室128aは上記空気流出口137a
に連通している。このクリーナ室128aにはエアフィ
ルタ140が収納されており、該エアフィルタ140は
上記ケース本体137の軸芯Cと同軸をなすように配置
されている。このエアフィルタ140は円弧部140a
と弦部140bとを有し、ドーナッツ型の一部を押しつ
ぶした如き形状に形成されている。上記弦部140bは
上記フィルタ全体を大型化することなく空気流出口13
7a内に突出しないようにするために設けたものであ
る。このエアフィルタ140はフィルタカバー138を
車体外方に取り外すことにより交換できるようになって
いる。
【0133】上記外気導入カバー139とケース本体1
37とで略密閉状の外気導入室128bが形成されてお
り、該外気導入室128bとクリーナ室128aとはケ
ース本体137により区分けされている。上記外気導入
カバー139の後端部には大略扇形状の外気導入口13
9aが形成されている。
【0134】上記外気導入カバー139の外壁には上記
外気導入口139の前,後及び上側を覆う庇状の防風壁
139bが一体に突出形成されている。この防風壁13
9bは、上記外気導入口139の後縁に沿って延び、そ
の上端から上縁に沿って斜め下方に傾斜して中心部まで
延びており、さらに該前端から下方に延びている。これ
により外気導入口139は下縁部分を除く略全周が防風
壁139bにより囲まれている。
【0135】また上記外気導入カバー139の内面には
仕切り壁139cが一体形成されている。この仕切り壁
139cは上記外気導入口139aの前縁に沿って円弧
状に延びるとともに外気導入カバー139の上壁139
dに接続されており、またその高さはケース本体137
の底面との間に所定の隙間cが形成されるように設定さ
れている。これにより外気導入口139aと後述の空気
ダクト141との間は仕切られており、大部分が該外気
導入口139aから流入した空気aが空気ダクト141
に短絡しないようになっている。
【0136】上記外気導入カバー139の下端縁には外
気導入室128b内に溜まった水分,ダスト等を抜くた
めのドレン孔142が連通形成されている。また外気導
入カバー139にはクリーナ室128aと外部とを連通
するドレンパイプ143が挿入され、該ドレンパイプ1
43の内端部は上記ケース本体137に突設され水抜孔
137eを有する水抜ボス部137dに接続され、クリ
ーナ室128a内の水分,ダスト等を抜くようになって
いる。また該ドレンパイプ143の外端開口にはプラグ
143aが着脱可能に挿着されている。
【0137】上記ケース本体137にはクリーナ室12
8aと外気導入室128bとを連通する上述の空気ダク
ト141が配設されている。この空気ダクト141は、
円筒状のもので、該ダクト141の外周壁に形成された
嵌合溝141cに上記ケース本体137の挿通孔137
bの周縁を嵌装させることにより支持されている。また
上記空気ダクト141の空気入口141b,及び空気出
口141aはそれぞれ外気導入室128b,及びクリー
ナ室128aの軸方向略中央部に位置している。
【0138】そして上記空気ダクト141の空気入口1
41bはエアフィルタ140に対して上記外気導入口1
39aから離れる方向に偏位させて配置されている。即
ち、上記空気ダクト141はこれの軸芯C1をエアフィ
ルタ140の軸芯Cより前方に偏心させて配置されてい
る。これにより空気ダクト141の空気出口141aは
エアフィルタ140の上記円弧部140aの前部及び弦
部140bに近接し、かつ上記円弧部140aの後部及
び下部から離れている。また空気ダクト141の空気出
口141aの端面はエアフィルタ140の軸方向中程に
位置している。即ち、この空気ダクト141はエアフィ
ルタ140内に寸法bだけ突出しており、そのためこの
空気ダクト141は空気の流れで見たときエアフィルタ
140に対して重なるように位置しており、その結果空
気ダクト141とエアフィルタ140との距離(隙間)
が小さいほど実質的なエアフィルタ面積は小さくなる。
【0139】本実施形態のエアクリーナ装置の作用効果
について説明する。本実施形態では、外気導入室128
bとクリーナ室128aを連通する空気ダクト141の
空気入口141bをエアフィルタ140に対して外気導
入口139aから離れる方向に偏位させることにより、
外気導入口139aを空気ダクト141から遠ざけたの
で、上記偏位させない場合に比べて外気導入室128b
内での気水分離機能を高めることができ、エアフィルタ
140側への水分の流入を抑制できる。
【0140】また上記気水分離機能の向上を空気ダクト
141を外気導入口139aから離すだけの構造で実現
しているので、外気導入室128bの容量を増やす必要
はなく、ケースの大型化を回避できるとともに、見栄え
の悪化を回避できる。
【0141】本実施形態の如くエアフィルタ140の一
側に空気流出口137aを位置させた上記空気ダクト1
41からクリーナ室128a内に導入された空気aはそ
の多くがエアフィルタ140の空気流出口137aに最
も近い部分を集中的に通り、エアフィルタの一部のみを
空気が通過し、エアフィルタ全体を有効利用できないお
それがある。
【0142】しかし本実施形態では、上記フィルタ14
0の空気流出口137aに近い部分は流路長が短いもの
の、該部分には空気ダクト141が接近して位置してお
り、該ダクト141のクリーナ室128a内突出部bが
該部分の実質的なフィルタ有効面積を小さくしている。
一方フィルタ140の空気流出口137aから遠い部分
は流路長は長いものの空気ダクト141が離れて位置し
ていることから実質的なフィルタ有効面積が小さくなる
ことはない。
【0143】結局本実施形態では、総空気抵抗はフィル
タ全周に渡って略均一となる。その結果、空気aはエア
フィルタ140の空気流出口137aに近い部分に偏る
ことなくエアフィルタ140全体を均等に通過すること
となり、長期間の使用に対応できる。
【0144】本実施形態では、上記外気導入室128b
内の外気導入口139aと空気ダクト141の空気入口
141bとの間に仕切り壁139cを設けたので、外気
導入口139aから導入された空気aが空気入口141
bに短絡するのを防止でき、外気導入室128b内での
気水分離を促進でき、エアフィルタ140への水分の流
入をさらに防止できる。
【0145】また本実施形態では、外気導入カバー13
9の外気導入口139aの下縁部分を除く略全周に防風
壁139bを形成したので、走行風に含まれる水分や雨
水等が外気導入口139a内にダイレクトに入り込むの
を防止できる。
【0146】本実施形態では、エアクリーナ装置をクリ
ーナ本体128とサイレンサ部129とに分割したの
で、空気中の水分はクリーナ本体128とサイレンサ部
129とで分離されることとなり、気水分離機能をさら
に高めることができる。
【0147】上記サイレンサ部129を燃料タンク7の
凹部7c内に収納したので、全体としての必要容量を確
保しながらクリーナ本体128をコンパクトにできると
ともに、排気量の大きいエンジンに搭載する場合の見栄
えを向上できる。
【0148】上記サイレンサ部129にこれの上壁12
9cを前側ほど高くなるように傾斜させることにより大
容量部を形成し、該大容量部に空気流入口129dを接
続したので、サイレンサ部129に流入した吸入空気は
直ちにその流速が低下することから吸気音の低減を図る
ことができる。
【0149】またサイレンサ部129の前,後にキャブ
レタ126へ空気を供給する空気取入れダクト130,
131を配置するとともに、左, 右に互い違いに配置し
たので、同じ方向に配置する場合に比べて流入空気同士
の干渉を防止でき、各気筒に均一に吸引できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動二輪車を説明す
るための側面図である。
【図2】上記自動二輪車の平面図である。
【図3】上記自動二輪車の正面図である。
【図4】上記自動二輪車のリヤアームの側面図である。
【図5】上記自動二輪車のエンジンユニット,シャフト
ドライブ機構の平面図である。
【図6】上記エンジンユニットの側面図である。
【図7】上記エンジンユニットのユニットケースカバー
の側面図である。
【図8】上記ユニットケースカバーのキャップを示す図
である。
【図9】上記ユニットケースカバーの断面図である(図
7のIX-IX 線断面図) 。
【図10】上記エンジンユニットのシリンダヘッドのヘ
ッドカバーを示す平面図である。
【図11】上記ヘッドカバーの断面正面図である。
【図12】上記ヘッドカバーのプラグ側カバーの平面図
である。
【図13】上記プラグ側カバーの側面図である。
【図14】上記プラグ側カバーのカバーブラケットの平
面図である。
【図15】上記カバーブラケットの側面図である。
【図16】上記ヘッドカバーの固定側カバーの平面図で
ある。
【図17】上記固定側カバーの一部断面図である(図1
6のXVII-XVII 線断面図) 。
【図18】上記固定側カバーのカバーブラケットの平面
図である。
【図19】上記カバーブラケットの側面図である。
【図20】上記シャフトドライブ機構の後輪側入力部の
断面図である。
【図21】上記シャフトドライブ機構のエンジン側出力
部の断面図である。
【図22】上記エンジン側出力部に配設された車速検出
装置を説明するための背面図である。
【図23】上記エンジンユニットの始動装置を説明する
ための断面図である。
【図24】上記エンジンユニットのクランクケースの側
面図である。
【図25】上記始動装置のダンパ機構を示す図である。
【図26】上記始動装置のロータボス部,ドライブギヤ
の断面図である。
【図27】上記自動二輪車の二次空気供給装置を説明す
るための側面図である。
【図28】上記二次空気供給装置の平面図である。
【図29】上記二次空気供給装置の供給パイプの平面か
ら見た配索図である。
【図30】上記供給パイプの側面から見た配索図であ
る。
【図31】上記自動二輪車のマフラ構造を説明するため
の断面図である。
【図32】上記マフラ本体の第3膨張室部分の断面図で
ある。
【図33】上記マフラ本体の軸方向から見た断面図であ
る。
【図34】上記マフラ本体の軸方向から見た断面図であ
る。
【図35】上記自動二輪車のエアクリーナ装置を説明す
るための断面側面図である。
【図36】上記自動二輪車エアクリーナ装置の断面正面
図である(図35のXXXVI-XXXVI線断面図) 。
【図37】上記エアクリーナ装置のクリーナ本体の内側
から見た側面図である。
【図38】上記クリーナ本体の断面図である(図37の
XXXVIII-XXVIII線断面図) 。
【図39】上記クリーナ本体の断面図である(図37の
XXXIX-XXXIX 線断面図) 。
【図40】上記エアクリーナ装置のサイレンサ部の平面
図である。
【符号の説明】
94a,94b 排気管 95a,95b マフラ本体 112 第1パイプ 113a,113b 第2パイプ 113c 吐出口 114 第3パイプ 118 内周壁 119 外周壁 120 膨張空間部 122 流入孔 123 流出孔 A1 第1膨張室 A2 第2膨張室 A3 第3膨張室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気管の下流端に接続されたマフラ本体
    を上流側から順に第1膨張室,第3膨張室,及び第2膨
    張室に画成し、該第1膨張室と第2膨張室とを第3膨張
    室を通過する第1パイプにより連通し、該第2膨張室と
    第3膨張室とを第2パイプで連通し、該第3膨張室と外
    部とを第2膨張室を通過する第3パイプで連通した自動
    二輪車のマフラ構造において、上記マフラ本体の外周部
    に外周壁と内周壁との2重壁構造からなる膨張空間部を
    形成し、上記内周壁の上記第3又は第2膨張室部分に、
    該第3又は第2膨張室内に流入した排気ガスの一部を膨
    張空間部に導入する流入孔を形成するとともに、該膨張
    空間部内に導入された排気ガスを第3又は第2膨張室内
    に流出させる流出孔を形成したことを特徴とする自動二
    輪車のマフラ構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記流入孔,流出孔
    が第3膨張室に形成されており、上記流入孔の近傍に上
    記第2パイプの吐出口が位置し、上記流出孔に近接する
    位置を上記第1パイプが挿通していることを特徴とする
    自動二輪車のマフラ構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記流入孔,流出孔
    が第2膨張室に形成されており、上記流入孔の近傍に上
    記第1パイプの吐出口が位置し、上記流出孔に近接する
    位置を上記第3パイプが挿通していることを特徴とする
    自動二輪車のマフラ構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記流入孔,流出孔は上記内周壁の車体内側に面する部分
    に形成されていることを特徴とする自動二輪車のマフラ
    構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009144666A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車の排気装置
CN107489490A (zh) * 2017-09-26 2017-12-19 奇瑞汽车股份有限公司 排气消声器

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