JP4115007B2 - 自動二輪車の始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動モータによりクランク軸を回転駆動するようにした自動二輪車の始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車では、始動モータにより中間ギヤを介してクランク軸を回転駆動する始動装置を備えている。このような始動装置として、従来、始動モータの出力ギヤに噛合する中間ギヤをソレノイドによりフォークレバーを介して軸方向に移動させることにより、クランク軸に固着された始動ギヤに噛合させるようにしたものがある。またこの種の始動装置では、クランク軸の外端部に装着された発電機用ロータ内にボス部を形成し、該ボス部のクランク軸方向内側に上記始動ギヤを一体形成する場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の始動装置では、中間ギヤを軸方向に移動させて始動ギヤに噛合させるという飛び込み式のものであることから、耳障りな噛み合い音が発生するという問題がある。また上記中間ギヤをソレノイド,フォークレバーにより移動させる構造では、装置全体の構造が複雑になるとともに、コストが上昇するという問題がある。
【0004】
また上記従来装置のようにクランク軸の外端部に装着された発電機用ロータ内にボス部を形成し、クランク軸方向内側に始動用ギヤをそれぞれ別々に配置する構造では、クランク軸の軸長さが長くなることから、クランク軸の剛性が低くなり易いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、耳障りな噛み合い音を解消できるとともに、構造を簡単にしてコストを低減でき、さらにはクランク軸長さを短くできる自動二輪車の始動装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、始動モータにより歯車列を介してクランク軸を回転駆動するようにした自動二輪車の始動装置において、クランク軸端部に装着された発電機用ロータの背面にロータボス部をエンジン中心側に向けて突設し、該ロータボス部をクランク軸外端のテーパ部にテーパ嵌合させ、該ロータボス部の外周にドライブギヤを回転自在に装着するとともに、該ドライブギヤと上記ロータとを一方向クラッチを介して連結するとともに、上記ドライブギヤと始動モータの出力ギヤとを常時噛合式歯車列を介して連結したことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、上記クランク軸のテーパ部とドライブギヤとがクランク軸直角方向に見て重なっていることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記ロータボス部と、クランク軸端部のカムチェーン駆動用スプロケットとの間にダンパ機構を介設し、該ダンパ機構がドライブギヤとクランク軸直角方向に見て重なっていることを特徴としている。
【0009】
【発明の作用効果】
請求項1の発明によれば、発電機用ロータの背面にロータボス部をエンジン中心側に向けて突設し、該ロータボス部の外周にドライブギヤを装着するとともに、該ドライブギヤを一方向クラッチを介して始動モータに連結したので、クランク軸と始動モータとは一方向クラッチを介して常時噛合しており、従来の飛び込み式のような耳障りな噛み合い音を解消でき、またソレノイド,フォークレバーを不要にできる分だけ構造を簡単にできるとともに、コストを低減できる。
【0010】
また、上記ロータの背面にエンジン中心側に向けて突設されたロータボス部の外周に一方向クラッチ,ドライブギヤを配置したので、ロータ内にロータボス部を設けたものに比べてクランク軸の軸長さを短くすることができ、剛性を向上できる。
【0011】
請求項2の発明では、テーパ部とドライブギヤをクランク軸直角方向に見て重なるようにし、又請求項3の発明では、ロータボス部とカムチェーン駆動用スプロケットとの間のダンパ機構とドライブギヤとを軸直角方向に見て重なるようにしたので、これらの点からもクランク軸長さを短くできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図40は、本発明の一実施形態による自動二輪車の始動装置を説明するための図であり、図1〜図3はそれぞれ自動二輪車の側面図,平面図,正面図、図4はリヤアームの側面図、図5,図6はエンジンユニットの平面図,右側面図、図7〜図9はエンジンユニットのユニットケースカバーの右側面図,要部拡大図,断面図、図10,図11はシリンダヘッドのヘッドカバーの平面図,断面側面図、図12,図13はヘッドカバーのプラグ側カバーの平面図,側面図、図14,図15はプラグ側カバーのカバーブラケットの平面図,側面図、図16,図17はヘッドカバーの固定側カバーの平面図,断面図、図18,図19は固定側カバーのカバーブラケットの平面図,側面図、図20はシャフトドライブ機構の後輪側入力部の断面図、図21はシャフトドライブ機構のエンジン側出力部の断面図、図22はエンジン側出力部に配設された車速検出装置の背面図、図23はエンジンユニットの始動装置を示す断面図、図24はエンジンユニットのクランクケースの側面図、図25,図26は始動装置の要部を示す図、図27,図28は二次空気供給装置の左側面図,平面図、図29,図30は二次空気供給装置の供給パイプの配索図、図31〜図34はマフラ構造を説明するための断面図,断面正面図、図35,図36はエアクリーナ装置の断面側面図,断面正面図、図37〜図39はエアクリーナ装置のクリーナ本体の側面図,断面図、図40はエアクリーナ装置のサイレンサ部の平面図である。なお、本実施形態でいう前後,左右とは、シートに着座した状態で見た前後,左右をいう。
【0013】
図において、1はアメリカンスポーツタイプの自動二輪車であり、これはクレードル型の車体フレーム2の前端のヘッドパイプ3でステアリングシャフト4を枢支し、該車体フレーム2内にエンジンユニット5を搭載するとともに、後端部でリヤアーム6を枢支し、さらに上記車体フレーム2の上部に大型の燃料タンク7及びシート8を搭載した概略構造のものである。この燃料タンク7の上面中央部にはスピードメータ7aが配設されている。
【0014】
上記ステアリングシャフト4には左, 右一対のフロントフォーク4a,4aが上,下ブラケット4b,4bにより固定され、該フロントフォーク4aの上端には操向ハンドル9が固定されており、下端間には前輪10が軸支されている。
【0015】
上記車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から車体後方に略直線状に傾斜して延びる左,右一対のメインチューブ2aと、車体後方下方に延び該下端から後方に略直線状に延びるダウンチューブ2bと、該ダウンチューブ2bの後端とメインチューブ2aの後端とを結合する結合部材2cとから構成されている。
【0016】
上記シート8の下方のメインチューブ2aの前後方向中間部とダウンチューブ2bの中間部とは上下方向に延びる懸架ブラケット2dにより結合されている。また上記シート8下方のメインチューブ2aとダウンチューブ2bとの間には後述する車体カバー13が配設されており、該車体カバー13により上記懸架ブラケット2dは覆われている。
【0017】
上記リヤアーム6は、図4に示すように、平面視大略U字形状に屈曲形成されたアッパアーム6aの左, 右後端部と、左, 右のアンダアーム6b,6bの後端部とをリヤブラケット6cで結合し、該アッパアーム6aの前端部とアンダアーム6bの前端部とを複数本の連結パイプ6dで結合した概略構造のものであり、上記左, 右のリヤブラケット6c間に後輪11の車軸11aが挿入支持されている。
【0018】
上記両リヤブラケット6cには後方に開口する凹部6eが前後方向に切り欠き形成されており、該凹部6e内に上記車軸11aが挿入固定されている。この凹部6eにより後輪11とともに車軸11aを車両後方に取り外すことが可能となっている。
【0019】
上記左, 右のアンダアーム6bの前端部はピボット軸12を介して上記懸架ブラケット2dにより上下揺動自在に枢支されている。また上記車体フレーム2とリヤアーム6との間にはリヤサスペンション15が配設されている。このリヤサスペンション15は略起立させて配置されたクッション16の上端部を懸架ブラケット2dに軸支し、下端部をリヤアーム6と懸架ブラケット2dとの間に介設されたリンク機構17に連結した構造となっている。
【0020】
車体側方から見ると上記アッパアーム6a,及びアンダアーム6bはそれぞれメインチューブ2a,及びダウンチューブ2bと同一線をなすように配置されている。このようにして車体フレーム2は外観上リジット型フレームとなっている(図1参照)。
【0021】
上記メインチューブ2a,ダウンチューブ2b,懸架ブラケット2dで囲まれたクレードル内に上記エンジンユニット5が懸架支持されている。このエンジンユニット5は、水冷式V型2気筒4サイクルエンジンであり、これのユニットケース18はクランクケース20とミッションケース19とを一体化し、下面にオイルパン18aを接続した概略構造を有している。
【0022】
上記クランクケース20の前部には前方に傾斜する前側シリンダブロック21aが接続固定されており、該前側シリンダブロック21aの上面には前側シリンダヘッド22aが接続固定されている。また上記クランクケース20の後部には後方に傾斜する後側シリンダブロック21b,後側シリンダヘッド22bが接続固定されており、この前側シリンダブロック21a,シリンダヘッド22aと後側シリンダブロック21b,シリンダヘッド22bはクランク軸23の軸方向に見てV字状をなすように配置され、かつ車両前後方向に見て左, 右に若干オフセットさせて配置されている。
【0023】
上記前側,後側シリンダブロック21a,21b内に挿入配置された各ピストン24はコンロッド25でクランク軸23のクランクピン23aに連結されている。このクランク軸23のクランクピン23aは2本のコンロッド25に共用されており、これによりクランク軸23の軸長が短くなっており、またエンジン幅が狭くなっている。また上記前側,後側シリンダヘッド22a,22bの燃焼凹部には点火プラグ26が挿着されており、該点火プラグ26は車幅方向外側に向けて配置されている(図5参照)。
【0024】
上記ユニットケース18の右側壁にはクランクケース20,ミッションケース19の略全域に渡る大きさのケース開口18bが形成され、該開口18bにはユニットケースカバー27が装着されている。
【0025】
上記ユニットケースカバー27は、図6〜図9に示すように、ケース開口18bの全域を覆い11本のボルト30aでユニットケース18に固定された第1カバー27aと、該第1カバー27aの前部の大部分を覆い、該第1カバー27aに3本のボルト31aで固定された第2カバー27bと、該第2カバー27bのクランク軸23に臨む部分を覆い、該第2カバー27bに3本のボルト31bで固定された円形の第3カバー27cとからなる3重構造のものである。
【0026】
また上記クランクケース20内の前端下部にはオイルフィルタ28が配置されている。上記第1カバー27a部分のオイルフィルタ28に臨むには該フィルタ28を取り出し可能な大きさの作業孔27dが形成されており、該作業孔27dにはキャップ29が着脱可能に挿入されている。このキャップ29には上記作業孔27dの端面に当接するフランジ29aが形成されており、このフランジ29aは2本のボルト30bにより第1カバー27aと第2カバー27bとに挟まれた状態でクランクケース20に共締め固定されている。
【0027】
上記オイルフィルタ28を交換するには、各ボルト30b,31aを外して第2カバー27bを開け、キャップ29を引き抜いてオイルフィルタ28を取り出すこととなる。
【0028】
このようにユニットケースカバー27を3重構造としたので、各カバー27a〜27cのデザイン上の自由度を向上でき、外観の向上を図ることができる。例えば、従来のようにケースカバーのオイルフィルタに臨む部位に該フィルタ専用のカバーを取付ける場合にはカバー全体のデザインに対する自由度に制約が生じるという問題があった。これに対して、本実施形態では、オイルフィルタの配置位置にこだわることなく第2カバー27bの形状を自由に設計できる。
【0029】
また第3カバー27cをユーザの好みに応じた表面処理の施されたのものと取り替えることが可能であり、この点からも見栄えを向上できる。さらにユニットケースカバー27を3分割したので、大型カバーを一体製造する場合に比べて製造が容易となる。
【0030】
上記前側,後側シリンダヘッド22a,22bには装飾用のヘッドカバー35が装着されている。このヘッドカバー35は両シリンダヘッドに共通であるので、ここでは前側シリンダヘッド22aのヘッドカバー35についてのみ説明する。上記ヘッドカバー35は樹脂製のもので、かつ表面にはクロムメッキが施されており、これにより車体側方から見たとき、シリンダヘッド22a,22bの上面にカム室を構成するヘッドカバーが装着された如き外観を呈することにより外観の向上を図っている。
【0031】
上記ヘッドカバー35は、図10〜図19に示すように、点火プラグ26側に装着されたプラグ側カバー36と、反プラグ側に装着された固定側カバー37とに左, 右に分割されている。
【0032】
上記プラグ側カバー36は、上記シリンダヘッド22aの上面に2本のボルト38で締め付け固定された金属製のカバーブラケット39により支持されている。このカバーブラケット39の両締結部には車幅方向外方に延びる支持片39a,39aが一体形成され、各支持片39aの端部には縦片39bが略垂直に起立形成され、該縦片39bには係合孔39cが形成されている。
【0033】
また上記カバーブラケット39には上記両縦片39bの中間部分に延びるアーム片39dが一体形成され、該アーム片39dの先端部にはリベット39eが固着されている。なお、39fはボルト38が挿入されるボルト孔であり、また上記係合孔39cにはグロメット39gが嵌着されている。
【0034】
上記プラグ側カバー36は、シリンダヘッド22aの上面の車幅方向外側部分を覆う天壁36aと、該天壁36aに続いて該シリンダヘッド22aの側部を回り込むようにして内方に延びる中壁36bと、該中壁36bの外端から下方に延びさらに内方に屈曲して延びる横断面大略鉤状の下壁36cとを有する構造のものであり、この下壁36cには係合凹部36dが一体形成されている。また上記プラグ側カバー36の天壁36aと中壁36bとの境界部の両端部には内方に延びる係合爪36eが突出形成されている。なお、上記係合爪36eの周囲には補強リブ36e´が形成されており、また上記係合凹部36dが係合するブラケット39のリベット39eにはゴム製のグロメット39hが装着されている。
【0035】
そして上記プラグ側カバー36は、シリンダヘッド22aの車幅方向外側から内方に押し込むことにより装着されており、該カバー36の両係合爪36eが縦片39bの係合孔39cにグロメット39gを介して係合し、係合凹部36dがグロメット39hを介してリベット39eに係合している。なお、上記プラグ側カバー36は、リベット39e,及び両係合爪36eを係合させ、又は該係合を解除することにより工具を使用することなく着脱可能となっている。
【0036】
上記固定側カバー37はシリンダヘッド22aの反プラグ側上面に2本のボルト40で締め付け固定されたカバーブラケット41により支持されている。このカバーブラケット41の両端部には車幅方向外方に延びる固定片41a,41aが一体形成され、各固定片41aの先端部には螺子孔41bが形成されている。なお、41cは上記ボルト40が挿入されるボルト孔である。
【0037】
上記固定側カバー37は、シリンダヘッド22aの上面を覆う天壁部37aと、該天壁部37aに続いて該シリンダヘッド22aの側部を回り込むようにして内方に延びる底壁部37bとからなる上,下2分割のものであり、両者37a,37bは該底壁部37bに形成された4つの嵌合ボス部37cに、上記天壁部37aに形成された嵌合爪37dを係合させることにより結合されている。
【0038】
また上記固定側カバー37は、天壁部37aに凹設された凹部37e内のボルト孔37fにボルト42を挿入して上記固定片41aの螺子孔41bに螺挿することによりカバーブラケット41に締結固定されている。このボルト42の頭部は凹部37e内に隠れており、外方から見えることはない。
【0039】
本実施形態では、ヘッドカバー35を、プラグ側カバー36と固定側カバー37とに左, 右分割したので、従来の左, 右一体の単品形状のものと比べて形状,デザイン上の自由度を向上でき、商品性を向上できる。
【0040】
またヘッドカバー35を左, 右に分割したので、メンテナンスの必要がある点火プラグ26側は容易に取り外し可能とし、メンテナンスの不要な反プラグ側はボルト締め固定というように構造を分けることができる。その結果、点火プラグ26のメンテナンス,交換を行う場合、あるいは点火プラグ26の近傍に配置されたオイルデリバリ用ボルトユニオン43(図10参照)を外して油圧チェックを行う場合の作業性を向上できる。
【0041】
上記プラグ側カバー36をシリンダヘッド22aの上面を覆う天壁36aに続いて該シリンダヘッド22aの内方に延びる中壁36bとから構成したので、この中壁36bにより車体斜め下方から見たシリンダヘッド22aの内部を覆うことができ、見栄えを向上できる。ちなみに、従来は、シリンダヘッドの上面に続いて側面を覆う横断面大略鉤状のものが一般的であり、このため斜め下方から内部が見えるという欠点があった。
【0042】
また固定側カバー37については天壁部37aと底壁部37bとの上,下2分割構造としたので、樹脂成形時の型抜き上の問題を回避して形状の自由度を向上でき、底壁部37bにより車体下方から内部が見えるのを防止でき、上記同様に見栄えを向上できる。
【0043】
上記ミッションケース19内には、図5に示すように、変速装置を構成する変速ギヤ群(不図示)が装着されたメイン軸45と、該変速ギヤ群に噛合するカウンタギヤ群(不図示)が装着された第1ドライブ軸46とがクランク軸23と平行に配置されており、該メイン軸45の右端部にはクラッチ機構47が装着されている。
【0044】
上記エンジンユニット5には、図5,図20〜図22に示すように、エンジン動力を後輪11に伝達するシャフトドライブ機構50が接続されている。このシャフトドライブ機構50は、エンジン側出力部51と後輪側入力部52とを車両前後方向に配置されたドライブシャフト53(伝動軸)で連結して構成されている。このドライブシャフト53の前半部は車体カバー13により覆われており、フレーム後半部の連結部材2cと後輪側入力部のリヤギヤケース65との間の部分は外方に露出している(図1参照)。
【0045】
上記エンジン側出力部51は以下の構造となっている。
上記ミッションケース19の後端部には潤滑油が充填されたギヤケース19aが一体に接続形成され、該ギヤケース19a内には上記第1ドライブ軸46と平行に第2ドライブ軸54が配設されている。また該第2ドライブ軸54の左側方には該ドライブ軸54と軸直角方向(車体前後方向)に延びる出力軸55が配設されており、この両軸54,55はベベルギヤ56a,56bにより連結されている。
【0046】
上記ギヤケース19aの後端面にはケース開口19bが形成され、該ケース開口19bにはシール部材57を介在させて蓋部材58が3本のボルト59により固定されている。この蓋部材58には出力孔58aが形成されており、該出力孔58aから上記出力軸55の後端部55aが後方に突出している。この出力軸55は蓋部材58に装着された軸受60により回転自在に支持されている。
【0047】
上記出力軸55の後端部55aとドライブシャフト53の前端部53aとはユニバーサルジョイント61により連結されている。このユニバーサルジョイント61は第1ヨークジョイント61aと、第2ヨークジョイント61aとをクロス軸61cで上下左右に揺動可能に連結した構造を有している。
【0048】
上記第1ヨークジョイント61aは出力軸55の後端部55aにスプライン嵌合し、該後端部55aに螺着されたナット62により締結固定されており、これにより第1ヨークジョイント61aの抜け止めがなされている。また上記第2ヨークジョイント61bにはドライブシャフト53の前端部53aがスプライン嵌合しており、該ドライブシャフト53は第2ヨークジョイント61bから後方に引き抜き可能となっている。
【0049】
また上記第1ヨークジョイント61aの前端部と蓋部材58との間にはオイルシール63が介在されており、これによりギヤケース19a内の潤滑油が外部に漏出するのを防止している。
【0050】
上記後輪入力部52は、以下の構造となっている。
上記後輪11の左側方には、図20に示すように、リヤギヤケース65が配設されている。このリヤギヤケース65は、ケース本体65aと該ケース本体65aの前端にスタッドボルト及びナット65cにより固定された前側ケース65bとの前,後2分割構造のものであり、ケース本体65aは上述のリヤアーム6のリヤブラケット6cにボルト6eで締め付け固定されている(図4参照)。
【0051】
上記ケース本体65a内にはドライブシャフト53と同軸をなすように駆動ベベルギヤ66が配設され、該駆動ベベルギヤ66には車軸11aと同軸をなすように配設された従動ベベルギヤ67が噛合しており、この両ベベルギヤ66,67はそれぞれケース本体65a,蓋部材65dに軸受68a,68b,68cを介して回転自在に支持されている。
【0052】
上記従動ベベルギヤ67の円筒ボス部67aの内周面は後輪11のホイールハブ11bに固定されたボス部材69の外周面にスプライン嵌合しており、これにより従動ベベルギヤ67の回転は結合部材69を介して後輪11に伝達される。
【0053】
上記駆動ベベルギヤ66の前側軸部66aには円筒状のジョイント部材70の基部70aがスプライン嵌合しており、該ジョイント部材70は前側軸部66aに螺着されたナット71により軸方向に移動不能に固定されている。このジョイント部材70の筒部70bはケース本体65aの前合面から前側ケース65b内に突出しており、該筒部70bの内周面にはわずかに凹のR状の内周歯70cが形成されている。
【0054】
上記前側ケース65b内にはドライブシャフト53の後端部53bが挿入され、該後端部53bと前側ケース65bの前端との間には該ケース65b内へ異物が侵入するのを防止するダストシール72が介設されている。この後端部53bの外周には上記内周歯70cに噛合するわずかに凸のR状の外周歯53cが形成されており、これによりドライブシャフト53と上記ジョイント部材70、つまり駆動ベベルギヤ66とは上下左右に若干揺動可能となっており、上記ドライブシャフト53の回転はジョイント部材70を介して駆動ベベルギヤ66に伝達される。
【0055】
また上記ドライブシャフト53の後端部53bには筒部70bの内周面に摺接するシール部材73が装着されている。この後端部53bのシール部材73の前側にはワッシャ74がサークリップ75により位置決めされて装着されており、これによりシール部材73の軸方向移動が阻止されている。
【0056】
そして上記前側ケース65bの内周壁には軸方向に延びる抜け止めリブ76が周方向に間隔あけて複数一体形成されている。このリブ76の後端面76aには上記サークリップ75が所定の間隔をあけて対向しており、この間隔は後輪11の取り外し時にドライブシャフト53の前方移動によってシール部材73がジョイント部材70の筒部70bから外れない距離に設定されている。
【0057】
本実施形態の抜け止め構造では、前側ケース65b内のドライブシャフト53のサークリップ75に対向する部分に複数の抜け止めリブ76を形成したので、組み付け性,整備性を向上できる。
【0058】
例えば、後輪11のタイヤ交換を行う場合には、リヤアーム6から後輪11とともにリヤギヤケース65を外し、ドライブシャフト53を第2ヨークジョイント61bから引き抜くこととなる。この場合にドライブシャフト53の外周歯53cがジョイント部材70の内周歯70cから外れたり、シール部材73が筒部70bから外れるおそれがあるが、本実施形態では、上記リブ76の後端面76aとサークリップ75との間をシール部材73がジョイント部材70から抜け落ちない間隔に設定したので、ドライブシャフト53が移動してもシール部材73がジョイント部材70から脱落したり、内周歯70c,外周歯53cの噛合が外れたりすることはなく、組み付け性,整備性を向上できる。
【0059】
また前側ケース65bにリブ76を一体形成するだけの構造であることから、別部品を用いて抜け止めを行う場合に比べてコスト上昇を抑制できる。
【0060】
次に上記自動二輪車1の車速検出装置について説明する。
本車速検出装置は、図21,図22に示すように、所定間隔ごとに形成された多数の外周歯78aを有する環状のピックアップ用ロータ78と、該ロータ78の回転を検出するピックアップ79と、該ピックアップ79からの検出値に基づいて上述のスピードメータ7a(図1,図2参照)に内蔵されたステッピングモータ(不図示)に駆動信号を出力するECU(不図示)とから構成されている。
【0061】
上記ロータ78は、上述のエンジン側出力部51のギヤケース19aから後方に突出したユニバーサルジョイント61に配設され、上記ピックアップ79はロータ78に対向するように配設され、かつこれらは車体カバー13により覆われている。
【0062】
上記ロータ78は、上記ユニバーサルジョイント61の第1ヨークジョイント61aのボス部61dに同軸をなすように圧入固定されており、上記ピックアップ79は、ギヤケース19aの蓋部材58の後端面にボルト59により共締め固定された支持ブラケット80に固定されている。
【0063】
上記支持ブラケット80には支持片80aが屈曲形成されており、該支持片80aに上記ピックアップ79がボルト80bにより締結固定されている。このピックアップ79の検出部79aは上記ロータ78の外周歯78aに若干の隙間をあけて対向しており、該検出部79aから導出されたリード線79bは上述のECUに接続されている。
【0064】
本実施形態の車速検出装置の作用効果について説明する。
本実施形態では、エンジン側出力部51のギヤケース19aから後方に突出したユニバーサルジョイント61の第1ヨークジョイント61aにピックアップ用ロータ78を固定し、上記ギヤケース19aの蓋部材58に支持ブラケット80を介してピックアップ79を固定したので、該ピックアップ79,ロータ78を外部に露出させて取り付けており、ギヤケースの潤滑浴内に取付ける場合のような専用の孔開け加工やシールを不要にでき、コストを低減できる。
【0065】
またエンジン側出力部51にロータ78,ピックアップ79を配置する構造としたので、該ロータ78,ピックアップ79をエンジンアッシィとして予め組み付けることができ、後付けする場合に比べて手間を削減できる。
【0066】
なお、上記実施形態では、ロータ78,ピックアップ79をエンジン側出力部51のユニバーサルジョイント61周りに配設したが、本発明は、後輪側入力部52,あるいはドライブシャフト53周りに取付けてもよく、要はシャフトドライブ機構50の非潤滑部に配設すればよい。
【0067】
また上記実施形態では、リヤアーム6とドライブシャフト53とを別体とした場合を説明したが、本発明はリヤアーム内にドライブシャフトを収納した一体型のものにも適用できる。
【0068】
上記自動二輪車1の始動装置について図23〜図26に基づいて説明する。
上記クランク軸23の左, 右クランクジャーナル23bはクランクケース20の分割合面に形成されたボス部20aに軸受20bを介して支持されている。このクランクケース20の左合面にはクランクケースキャップ20dが装着されており、クランク軸23の左端部はクランクケース20からクランクケースキャップ20d内に突出している。
【0069】
上記クランク軸23の左端部には発電機82が装着されている。この発電機82は、ロータ82aの内周面に磁石82bを配設し、該磁石82bに対向するように固定子82cを配設した構造のものである。
【0070】
上記クランク軸23のロータ82aの車幅方向内側にはロータボス部83が配設されている。このロータボス部83は、上記ロータ82aの背面に当接する大径のフランジ部83aと、該フランジ部83aより小径でクランク軸23の軸方向内側に延びるボス部83bとからなり、上記フランジ部83aはロータ82aにリベットにより固定されている。またロータボス部83の軸芯には雌テーパ孔83cが形成されている。
【0071】
上記クランク軸23の左端部には雄テーパ部23cが形成され、該雄テーパ部23cは上記ロータボス部83の雌テーパ孔83cに嵌合している。また雄テーパ部23cとボス部83bとはキー嵌合されており、上記クランク軸23の端部にはロータボス部83の軸方向移動を阻止するナット84が螺着されている。
【0072】
上記ロータボス部83の軸方向内側にはカム駆動スプロケット85が回転自在に装着されている。このカム駆動スプロケット85は、図35に示すように、チェーン86aを介してカム軸86bに連結されており、該カム軸86bを回転駆動することにより吸気バルブ86c,排気バルブ86dを開閉駆動するものである。また上記クランク軸23のカム駆動スプロケット85の軸方向内側にはオイルポンプ駆動スプロケット77が固定されている。
【0073】
上記カム駆動スプロケット85とロータボス部83との間にはダンパ機構87が設けられている。このダンパ機構87はボス部83bの背面に周方向に延びる凹溝83dを形成し、該凹溝83d内に上記カム駆動スプロケット85に突出形成された突起部85aを挿入するとともに、該突起部85aを周方向中間位置に付勢するばね部材87a,87bを配設した構造を有しており、これによりクランク軸23の回転はダンパ機構87を介してカム駆動スプロケット85に伝達される。
【0074】
上記クランク軸23の前方のクランクケース20の外側には始動モータ88がこれの出力軸88aをクランク軸23と平行に向けて配置されている。この始動モータ88はクランクケース20に形成された挿通孔20cに挿入支持されており、後端部は取付けブラケット88cを介してクランクケース20の外壁(不図示)にボルト締め固定されている。
【0075】
上記出力軸88aには出力ギヤ88bが結合され、該出力ギヤ88bには中間大ギヤ89aが噛合している。この中間大ギヤ89aの軸方向左側ボス部89cには中間小ギヤ89bが圧入により結合されており、上記中間大ギヤ89aの軸芯には支持軸89dが挿入されている。この支持軸89dはクランクケース20とクランクケースキャップ20dとで支持されている。なお、上記中間小ギヤ89bは所定値以上のトルクが作用するとボス部89cに対して滑るようにその圧入力が設定されている。これによりエンジン始動時にエンジン側から大きな逆動力が作用した場合に始動モータ88を保護している。
【0076】
上記ロータボス部83のボス部83bの外周には、上記中間小ギヤ89bに噛合するドライブギヤ90がニードル軸受90aを介して回転自在に挿着されている。そして上記ドライブギヤ90とダンパ機構87とはクランク軸23の軸直角方向に見て重なっている
【0077】
上記ニードル軸受90aの内端部には、図26に示すように、ワッシャ90bが装着されており、該ワッシャ90bはボス部83bの外周に形成された周溝83e内にサークリップ90cを嵌装することにより軸方向移動が阻止されている。このように、上記ロータボス部83にサークリップ90cが嵌装される周溝82eを形成したので、クランク軸23への応力集中を小さくできる。即ち、クランク軸23にサークリップ用周溝を形成する場合には該周溝部分に応力が集中し易くなるという懸念がある。
【0078】
上記ドライブギヤ90の軸方向外側にはボス部90dが段落ち形成されており、該ボス部90dの外周には一方向クラック91を介してリング部材92が挿着されている。このリング部材92はロータボス83のフランジ部83aにボルト92aにより締結固定されている。また上記一方向クラッチ91は始動モータ88の回転力をクランク軸23側に伝達し、該クランク軸23の回転力は始動モータ88側に伝達しないように構成されている。
【0079】
本実施形態の始動装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、クランク軸23の発電機用ロータ82aのエンジン中心側に該ロータ82aに固定されたロータボス部83をテーパ嵌合させ、該ロータボス部83の外周に一方向クラッチ91を介してドライブギヤ90を装着し、該ドライギヤ90を始動モータ88の出力ギヤ88bに連結したので、クランク軸23と始動モータ88とは一方向クラッチ91を介して常時噛合していることから、従来の飛び込み式の場合に比べて耳障りなギヤ噛み合い音を回避できる。また従来の飛び込み式のフォークレバー,該フォークレバー駆動用ソレノイド等を不要にでき、構造を簡単にできるとともにコストを低減できる。
【0080】
また、上記クランク軸23の発電機用ロータ82aのエンジン中心側にロータボス部83を配置し、該ロータボス部83の外周に一方向クラッチ91,ドライブギヤ90を配置したので、クランク軸23の軸長さを短くすることができ、製造上有利になるとともに、剛性を向上できる。即ち、従来は、クランク軸のロータより軸方向外側にロータボス部を、軸方向内側に始動用ボス部をそれぞれ別々に配置する構造であることから、クランク軸の軸長さが長くなるという問題があった。
【0081】
また本実施形態では、上記ロータボス部83と、カム駆動スプロケット85との間のダンパ機構87を、該ダンパ機構87と上記ドライブギヤ90とが軸直角方向に見て重なるように配設したので、この点からもクランク軸23の軸長さを短くできる。
【0082】
次に上記自動二輪車1の二次空気供給装置を図27〜図30に基づいて説明する。
上記エンジンユニット5の前側シリンダブロック21aの前壁,及び後側シリンダブロック21bの後壁には排気ポートが開口しており、該各排気ポートにはそれぞれ前側,後側排気管94a,94bの上流端が接続されている。この各排気管94a,94bは排気ポートからエンジンユニット5の右側部に導出され、該右側部から後方に略直線状に延びており、該各排気管94a,94bの下流端にはマフラ本体95a,95bが接続されている(図2参照)。
【0083】
上記二次空気供給装置は、二次空気用エアクリーナ96と、吸気負圧及び排気脈動により排気系に二次空気を供給する二次空気弁97とを備えており、このエアクリーナ96からの空気を二次空気弁97により排気系に供給することにより排気ガス中の未燃焼成分を燃焼させて浄化を行うものである。
【0084】
上記二次空気弁97は、排気脈動により開閉するリードバルブ98と、該リードバルブ98の上部に一体に接続され吸気負圧により開閉するエアカットバルブ99とを一体化した二次空気アッシィとなっている。
【0085】
上記二次空気弁97,及びエアクリーナ96は上記シート8下方の車体カバー13の内側に配置され、該車体カバー13により覆われている。この車体カバー13は、樹脂製の上カバー13aと、亜鉛ダイキャスト又はアルミダイキャスト製の下カバー13bとからなる上下2分割のものであり、この上カバー13a内のシート8下方にはツールボックス100が配置されている。
【0086】
上記上カバー13aの前縁はフック(不図示)により車体フレーム2に回動及び着脱可能に支持されている。また上カバー13aの後端部にはキーシリンダ101が装着され、該キーシリンダ101を施錠、解錠することにより上カバー13aは開閉及び着脱可能となっている。
【0087】
一方上記下カバー13bは車体フレーム2、及びエンジンユニット5にボルト締め固定されており、該下カバー13bの内側には燃料ポンプ102a,キャニスタ102b等が配設されている。
【0088】
上記上カバー13a内のツールボックス100の下方に上記二次空気弁97,エアクリーナ96が配設され、車両前側に二次空気弁97が、これの後側にエアクリーナ96がそれぞれ略同じ高さの位置になるように配置されている。また二次空気弁97,エアクリーナ96はそれぞれ取付けブラケット103a,103b及び不図示のブラケットを介して車体フレーム2にボルト締め固定されている。
【0089】
上記エアクリーナ96は、有底筒状のクリーナ本体96aの上面に蓋部材96bを取り外し可能に嵌装したもので、該蓋部材96bの内面にエアフィルタ96cが着脱可能に取付けられている。これにより蓋部材96bを外すとエアフィルタ96cが同時に取り出せるようになっている。
【0090】
上記蓋部材96bには空気吐出口104aが接続され、該空気吐出口104aには連通パイプ105を介してエアカットバルブ99の空気導入口99aが連通接続されている。また上記クリーナ本体96aの底壁には下方に延びる吸込ダクト104bが接続されており、該吸込ダクト104bの吸込口104cは下カバー13bの内壁に対向するように開口している。
【0091】
上記エアカットバルブ99の前端には吸気系に連通接続された吸気パイプ99bが接続されており、該エアカットバルブ99は吸気パイプ99bからの吸気負圧に応じて空気通路を開閉するように構成されている。
【0092】
上記エアカットバルブ99の下流端にリードバルブ98が接続され、該リードバルブ98の前端には2本の二次空気供給口98a,98bが接続されている。この左側の二次空気供給口98aには金属製前側供給パイプ105aが接続され、該供給パイプ105aの延長端は前側排気管94aの上流端に連通接続された前供給ノズル106aに連通接続されている。
【0093】
上記前側供給パイプ105aは、二次空気供給口98aから前方に大略直線状に延びるとともに、クランクケース20の上面に沿って前側シリンダブロック21aの前面下端に延び、ここからシリンダブロック21aに沿って上方に延びるように配索されており、該前側供給パイプ105aには走行風が当たるようになっている。
【0094】
上記右側の二次空気供給口98bには同じく金属製の後側供給パイプ105bが接続され、該供給パイプ105bの延長端は後側排気管94bの上流端に連通接続された後供給ノズル106bに接続されている。
【0095】
この後側供給パイプ105bは、二次空気供給口98bから前側パイプ105aと略平行に延びた後,後側シリンダブロック21bの後面の外縁部を囲むように大略コ字状に配索されている。このようにして前側,後側供給パイプ105a,105bの管長は略同じ長さに設定されている。また後側供給パイプ105bの右側部分105b´は後側シリンダブロック21bの右側面より外側に少し出ており、これにより該部分105b´には走行風が当たり易くなっている。
【0096】
また上記前側,後側供給パイプ105a,105bの上流側はクランプ部材107aにより支持されており、前側パイプ105aの中間部はクランクケース20にボルト締め固定されたクランプ部材107bにより支持されている。
【0097】
本実施形態の二次空気供給装置の作用効果について説明する。
本実施形態の二次空気供給装置によれば、二次空気用エアクリーナ96と、リードバルブ98及びエアカットバルブ99の二次空気アッシィである二次空気弁97とをシート8下方の車体カバー13の内側に配置したので、エアクリーナ96の吸気音,あるいはバルブの開閉音は走行風によりライダの着座位置より後方に流されることとなり、耳障りな吸気音等が聞こえるのを防止できる。
【0098】
また上記エアクリーナ96,二次空気弁97は車体カバー13により覆われて外方から見えないことから、従来のエンジン前方やVバンク内に配置する場合に比べて外観を改善できる。
【0099】
本実施形態では、上記二次空気弁97,及びエアクリーナ96を前,後に並べて配置するとともに、両者96,97を略同じ高さに配置したので、シート8との干渉を回避してシート高さを低くできる。即ち、本自動二輪車1では、車両特性としてシート位置を低くかつホイールベースを長く設定した構造であることから、上記二次空気弁97,エアクリーナ96を上下方向,あるいは車幅方向に配置した場合にはシート等に干渉する場合があり、その結果シート高さが高くなるおそれがある。
【0100】
また上記エアクリーナ96の吸気ダクト104bを下方に延長するとともに、該吸気ダクト104bの下端に吸込口104cを形成したので、該吸込口104cをライダから遠ざけることができ、吸気音がさらに聞こえ難くなる。
【0101】
本実施形態では、キーシリンダ101により開閉可能な樹脂製上カバー13aの内側に二次空気弁97,エアクリーナ96を配置したので、エアフィルタ96cの交換を行う場合には、キー操作により容易に開けることができ、メンテナンスを行う際の作業性を向上できる。
【0102】
また上記エアクリーナ96の吸込口104cを車体フレーム2にボルト締め固定されたアルミダイキャスト製下カバー13bの内側に位置させたので、剛性の高い下カバー13bが遮音部材として機能することとなり、吸気音が外部に漏れるのを低減でき、この点からも吸気音が聞こえ難くなる。
【0103】
本実施形態では、V字状をなすエンジンユニット5の前側排気管94aに接続された前側供給パイプ105aと、後側排気管94bに接続された後側供給パイプ105bとの管長が略同じ長さとなるように配索したので、両排気管94a,94bへの二次空気を略同一量にバランスさせて供給できる。
【0104】
上記エンジンユニット5の後方に二次空気弁97を配置し、該二次空気弁97とエンジン5とを各供給パイプ105a,105bにより連通したので、エンジン熱が各パイプ105a,105bからリードバルブ98等に伝わり難く、リードバルブの熱変形等によるシール性の悪化を回避できる。また各供給パイプ105a,105bに走行風が当たるように配索したので、この点からもエンジン熱の伝達を抑制できる。特に、リードバルブの応答性向上のための軽量化を図る観点から樹脂製の弁体を採用する場合があり、この場合の熱変形を防止できる。
【0105】
次に上記自動二輪車1のマフラ構造を図31〜図34に基づいて説明する。
本実施形態のマフラ構造は、前側排気管94aの下流端に接続された前側マフラ本体95aと、後側排気管94bの下流端に接続された後側マフラ本体95bとを上,下に平行にかつ前側マフラ本体95aが前側に位置するように前後にずらして配置されており、両マフラ本体95a,95bは車体フレーム2に支持されている。この両マフラ本体95a,95bは同一構造であるので、前側マフラ本体95aを主に説明する。
【0106】
上記マフラ本体95a内は上流側から順に第1膨張室A1,第3膨張室A3,第2膨張室A2にそれぞれ第1,第2隔壁110a,110bにより画成されており、マフラ本体95aの後端は蓋板110cにより閉塞されている。上記第1膨張室A1内には前側排気管94aに接続された入口パイプ111が挿入されている。
【0107】
上記第1膨張室A1と第2膨張室A2とは第3膨張室A3を通過する第1パイプ112により連通されている。上記第2膨張室A2と第3膨張室A3とは2本の第2パイプ113a,113bにより連通されている。また第3膨張室A3と外部とは第3パイプ114により連通されており、該第3パイプ114の下流端は上記蓋板110cを貫通して外部に開放されている。上記第1パイプ112は第1,第2隔壁110a,110bに溶接され、該2パイプ113a,113bは第2隔壁110bに溶接されている。また第3パイプ114は第2隔壁110b,蓋板110cに溶接されている。
【0108】
上記第1〜第3パイプ112〜114の入口は排気ガス流による気流音を低減するとともに、流入抵抗の低減を図る目的からベルマウス形状となっている。また上記各パイプ112〜114は、図33に示す配置関係となっている。即ち、マフラ本体95aの中心を通る垂直線L及び水平線Mで区分けされた下内側領域に第1パイプ112が、上外側領域に第3パイプ114が、また残りの領域にそれぞれ第2パイプ113a,113bが配置されている。なお、図31は全パイプが現われるように模式的に示されており、各パイプの高さ関係は正しく表現されていない。
【0109】
入口パイプ111から第1膨張室A1に流入した排気ガスはここで膨張した後第1パイプ112を通って第2膨張室A2に流入し、ここから第2パイプ113a,113bを通って第3膨張室A3に流入し、ここから第3パイプ114を通って外部に排出される。
【0110】
上記入口パイプ111の下流端には、後端面が閉塞され外周壁に多数の孔115aが形成されたパンチングパイプ115が接続されている。このパンチングパイプ115は第1膨張室A1の軸方向中央部に位置しており、これにより該パイプ115からの排気熱は後述するグラスウール116に略均一に伝わり、マフラ外表面が局部的に高温化するのを防止している。
【0111】
上記前側マフラ本体95aの第1膨張室A1の後端部に臨む部分には軸直角方向上方に延びる第1ストレート管117aが接続され、この第1ストレート管117aには上記後側マフラ本体95bの第1膨張室A1の前端部に臨む部分に接続された同様の第2ストレート管117bが挿入されており、両ストレート管117a,117bの接続部は溶接により固着されている。このようにして第1膨張室A1,A1同士を連通することにより膨張容量の増大を図っている。
【0112】
車両前後方向から見た第1,第2ストレート管117a,117bの軸芯L1は各マフラ本体95a,95bの中心を通る垂直線Lより車幅方向内側にオフセットされており、これにより外側方から見たストレート管の露出部分を小さくでき、見栄えの改善を図っている。
【0113】
上記第1,第2ストレート管117a,117bはそれぞれ前側,後側マフラ本体95a,95bに溶接により固着し、この状態で各マフラ本体95a,95bにメッキ処理を施されたものである。そしてメッキ後に第1ストレート管117aと第2ストレート管117bとを溶接して製造されたものである。なお、第1,第2ストレート管117a,117bのメッキ膜の溶接による焼損部は塗装により補修される。
【0114】
このように前後方向にずらして配置された前側,後側マフラ本体95a,95bの第1膨張室A1同士を連通するにあたって、各マフラ本体95a,95bに軸直角方向に延びるストレート管117a,117bを予め溶接し、メッキした後に両ストレート管117a,117bを溶接したので、メッキ後の溶接部分を少なくすることができ、長期間使用による錆び等の発生を低減できる。ちなみに、従来では、前,後のマフラ本体同士をS字状のパイプで連通する場合があり、この場合にはメッキ後にパイプの両端を各マフラ本体に溶接することとなり、それだけ溶接面積が増えるという問題があった。また本実施形態構造では、従来のS字状パイプの両端をマフラ本体に溶接する場合に比べて溶接作業を容易に行える。
【0115】
上記前側マフラ本体95aの外周部には内周壁118と外周壁119との2壁構造からなる膨張空間部120が形成されている。この内周壁118は第1膨張室A1を囲む前側内周壁118aと第3,第2膨張室A3,A2を囲む後側内周壁118bとに2分割されている。上記前側内周壁118aの後端部は第1隔壁110aに固着され、前端部は外周壁119に固着された環状のスライド部材121に対して軸方向に移動可能となっている。これにより外周壁119との熱膨張差を吸収できるようになっている。また前側内周壁118aと外周壁119との間には断熱材,消音材としての上述のグラスウール116が充填されている。
【0116】
そして上記内周壁118bの第3膨張室A3に臨む部分には軸方向に延びる長方形状の流入孔122が形成されており、該内周壁118bの流入孔122の下側には同じ大きさの流出孔123が形成されている。
【0117】
上記流入孔122,流出孔123は車体内側に形成されており、これにより排熱により外周壁119が変色しても外方から見えることはなく、見栄えの悪化を防止している。
【0118】
上記流入孔122には上側の第2パイプ113aの吐出口113cが近接しており、一方上記流出孔123には該流出孔123を全長に渡って覆うように第1パイプ112が近接している。これにより流入孔122の周辺には第2パイプ113aから圧力の高い排気ガスが流れ込み、一方流出孔123付近には上記圧力の高い排気はほとんど流れ込まない。そのため、流入孔122付近の圧力は流出孔123の周辺の圧力より高くなっている。
【0119】
これにより第2パイプ113aの吐出口113cから第3膨張室A3内に流入した排気ガスの一部は流入孔122から膨張空間部120内に流れ込み、該膨張空間部120を通って流出孔123から第3膨張室A3内に流出するようになっている(図33の→印a参照)。
【0120】
本実施形態のマフラ構造の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、マフラ本体95a,95bの外周部に外周壁119と内周壁118との間の空間を膨張空間部120として利用し、該内周壁118の第3膨張室A3に臨む部分に流入孔122を形成したので、第3膨張室A3内に流入した排気ガスの一部は膨張空間部120内に流れて膨張し、この膨張空間部120が膨張室として機能することから膨張室容量を増やすことができ、それだけ排気音を低減できる。
【0121】
また本実施形態では、膨張空間部120を膨張容量とするに当たり、上記流入孔122部分に第2パイプ113aの吐出口113cを近接させ、上記流出孔123部分にこれを覆うように第1パイプ112を近接させたので、上記流入孔122付近は第2パイプ113aから吐き出される排気ガスにより流出孔123付近より高圧となり、これにより流入孔122から膨張空間部120を通って流出孔123から排出される排気ガスの流れを形成でき、排気ガスは上記膨張空間部120内によどむことなくスムーズに流れることとなり、排気熱の影響を抑制しつつ上記排気音の低減を実現できる。
【0122】
また、上記流入孔122,流出孔123を内周壁118の車幅方向内側部分に形成したので、上記膨張空間部120内に流入した排気によって仮に外周壁119が焼けて変色した場合でも、該変色部分が外方から見えることはなく、外観の低下が生じることはない。
【0123】
なお、上記実施形態では、第3膨張室A3の内周壁に流入孔,及び流出孔を設けたが、これらを第2膨張室に設けることもできる。この場合、流入孔に第1パイプ112の吐出口を近接させ、流出孔に近接する位置を第3パイプ114が挿通するように構成すれば良い。
【0124】
次に上記自動二輪車1のエアクリーナ装置を図35〜図40に基づいて説明する。
上記エンジンユニット5のVバンク内には左, 右一対のキャブレタ126,126が並列配置されている。この右側のキャブレタ126は前側キャブジョイント127aを介して前側シリンダヘッド22aの後壁の吸気ポートに接続され、左側のキャブレタ126は後側キャブジョイント127bを介して後側シリンダヘッド22bの前壁の吸気ポートに接続されている。
【0125】
本エアクリーナ装置125は、クリーナ本体128とサイレンサ部129とからなる2分割構造のものであり、該クリーナ本体128は上記エンジンユニット5のVバンクに臨む車体右側部に外方に露出させて配置され(図3参照)、上記サイレンサ部129はVバンク内の燃料タンク7の下面に配置されている。この燃料タンク7の底壁には凹部7cが凹設され、該凹部7c内に上記サイレンサ部129が収納されており、これにより外方から見えない構造となっている(図36参照)。
【0126】
上記サイレンサ部129は、底部129aと本体部129bとの上下2分割構造のものであり、該本体部129bは横断面略矩形で上壁129cが前側ほど高くなる傾斜状になっている。これによりサイレンサ129は前側ほど容量が大きくなっている。
【0127】
上記底部129aの前端部,後端部にはそれぞれ空気取入れダクト130,131が挿入接続され、各取入れダクト130,131の空気取出し口130a,131aはそれぞれ吸気管132,132を介して上記キャブレタ126の上流端に接続されている。また上記底部129aの前端部にはブリーザパイプ133が接続されている。
【0128】
上記各空気取入れダクト130,131は平面視で車幅方向左,右外側に位置するよう互い違いに配置され、かつ各取入れダクト130,131の空気取入れ口130b,131bは右方,左方を指向している。これにより両空気取入れ口130b,131bに流入する空気流の干渉を回避している。
【0129】
また上記底部129aの、該サイレンサ部129の最大容量部分である前端部に流入口129dが下向きに突出形成されており、該流入口129dに連通ダクト134の下流口134aが接続されている。
【0130】
上記クリーナ本体128は、ケース本体137の車体外側に大略碗状のフィルタカバー138を取り外し可能に装着し、該ケース本体137の内側に大略碗状の外気導入カバー139を装着した構造のものである。上記ケース本体137の内壁の上端部には空気流出口137aが内向きに突出形成され、該流出口137aには上記連通ダクト134の上流口134bが接続されている。
【0131】
上記ケース本体137とフィルタカバー138とで略密閉されたクリーナ室128aが形成されており、該クリーナ室128aは上記空気流出口137aに連通している。このクリーナ室128aにはエアフィルタ140が収納されており、該エアフィルタ140は上記ケース本体137の軸芯Cと同軸をなすように配置されている。このエアフィルタ140は円弧部140aと弦部140bとを有し、ドーナッツ型の一部を押しつぶした如き形状に形成されている。上記弦部140bは上記フィルタ全体を大型化することなく空気流出口137a内に突出しないようにするために設けたものである。このエアフィルタ140はフィルタカバー138を車体外方に取り外すことにより交換できるようになっている。
【0132】
上記外気導入カバー139とケース本体137とで略密閉状の外気導入室128bが形成されており、該外気導入室128bとクリーナ室128aとはケース本体137により区分けされている。上記外気導入カバー139の後端部には大略扇形状の外気導入口139aが形成されている。
【0133】
上記外気導入カバー139の外壁には上記外気導入口139の前,後及び上側を覆う庇状の防風壁139bが一体に突出形成されている。この防風壁139bは、上記外気導入口139の後縁に沿って延び、その上端から上縁に沿って斜め下方に傾斜して中心部まで延びており、さらに該前端から下方に延びている。これにより外気導入口139は下縁部分を除く略全周が防風壁139bにより囲まれている。
【0134】
また上記外気導入カバー139の内面には仕切り壁139cが一体形成されている。この仕切り壁139cは上記外気導入口139aの前縁に沿って円弧状に延びるとともに外気導入カバー139の上壁139dに接続されており、またその高さはケース本体137の底面との間に所定の隙間cが形成されるように設定されている。これにより外気導入口139aと後述の空気ダクト141との間は仕切られており、大部分が該外気導入口139aから流入した空気aが空気ダクト141に短絡しないようになっている。
【0135】
上記外気導入カバー139の下端縁には外気導入室128b内に溜まった水分,ダスト等を抜くためのドレン孔142が連通形成されている。また外気導入カバー139にはクリーナ室128aと外部とを連通するドレンパイプ143が挿入され、該ドレンパイプ143の内端部は上記ケース本体137に突設され水抜孔137eを有する水抜ボス部137dに接続され、クリーナ室128a内の水分,ダスト等を抜くようになっている。また該ドレンパイプ143の外端開口にはプラグ143aが着脱可能に挿着されている。
【0136】
上記ケース本体137にはクリーナ室128aと外気導入室128bとを連通する上述の空気ダクト141が配設されている。この空気ダクト141は、円筒状のもので、該ダクト141の外周壁に形成された嵌合溝141cに上記ケース本体137の挿通孔137bの周縁を嵌装させることにより支持されている。また上記空気ダクト141の空気入口141b,及び空気出口141aはそれぞれ外気導入室128b,及びクリーナ室128aの軸方向略中央部に位置している。
【0137】
そして上記空気ダクト141の空気入口141bはエアフィルタ140に対して上記外気導入口139aから離れる方向に偏位させて配置されている。即ち、上記空気ダクト141はこれの軸芯C1をエアフィルタ140の軸芯Cより前方に偏心させて配置されている。これにより空気ダクト141の空気出口141aはエアフィルタ140の上記円弧部140aの前部及び弦部140bに近接し、かつ上記円弧部140aの後部及び下部から離れている。また空気ダクト141の空気出口141aの端面はエアフィルタ140の軸方向中程に位置している。即ち、この空気ダクト141はエアフィルタ140内に寸法bだけ突出しており、そのためこの空気ダクト141は空気の流れで見たときエアフィルタ140に対して重なるように位置しており、その結果空気ダクト141とエアフィルタ140との距離(隙間)が小さいほど実質的なエアフィルタ面積は小さくなる。
【0138】
本実施形態のエアクリーナ装置の作用効果について説明する。
本実施形態では、外気導入室128bとクリーナ室128aを連通する空気ダクト141の空気入口141bをエアフィルタ140に対して外気導入口139aから離れる方向に偏位させることにより、外気導入口139aを空気ダクト141から遠ざけたので、上記偏位させない場合に比べて外気導入室128b内での気水分離機能を高めることができ、エアフィルタ140側への水分の流入を抑制できる。
【0139】
また上記気水分離機能の向上を空気ダクト141を外気導入口139aから離すだけの構造で実現しているので、外気導入室128bの容量を増やす必要はなく、ケースの大型化を回避できるとともに、見栄えの悪化を回避できる。
【0140】
本実施形態の如くエアフィルタ140の一側に空気流出口137aを位置させた上記空気ダクト141からクリーナ室128a内に導入された空気aはその多くがエアフィルタ140の空気流出口137aに最も近い部分を集中的に通り、エアフィルタの一部のみを空気が通過し、エアフィルタ全体を有効利用できないおそれがある。
【0141】
しかし本実施形態では、上記フィルタ140の空気流出口137aに近い部分は流路長が短いものの、該部分には空気ダクト141が接近して位置しており、該ダクト141のクリーナ室128a内突出部bが該部分の実質的なフィルタ有効面積を小さくしている。一方フィルタ140の空気流出口137aから遠い部分は流路長は長いものの空気ダクト141が離れて位置していることから実質的なフィルタ有効面積が小さくなることはない。
【0142】
結局本実施形態では、総空気抵抗はフィルタ全周に渡って略均一となる。その結果、空気aはエアフィルタ140の空気流出口137aに近い部分に偏ることなくエアフィルタ140全体を均等に通過することとなり、長期間の使用に対応できる。
【0143】
本実施形態では、上記外気導入室128b内の外気導入口139aと空気ダクト141の空気入口141bとの間に仕切り壁139cを設けたので、外気導入口139aから導入された空気aが空気入口141bに短絡するのを防止でき、外気導入室128b内での気水分離を促進でき、エアフィルタ140への水分の流入をさらに防止できる。
【0144】
また本実施形態では、外気導入カバー139の外気導入口139aの下縁部分を除く略全周に防風壁139bを形成したので、走行風に含まれる水分や雨水等が外気導入口139a内にダイレクトに入り込むのを防止できる。
【0145】
本実施形態では、エアクリーナ装置をクリーナ本体128とサイレンサ部129とに分割したので、空気中の水分はクリーナ本体128とサイレンサ部129とで分離されることとなり、気水分離機能をさらに高めることができる。
【0146】
上記サイレンサ部129を燃料タンク7の凹部7c内に収納したので、全体としての必要容量を確保しながらクリーナ本体128をコンパクトにできるとともに、排気量の大きいエンジンに搭載する場合の見栄えを向上できる。
【0147】
上記サイレンサ部129にこれの上壁129cを前側ほど高くなるように傾斜させることにより大容量部を形成し、該大容量部に空気流入口129dを接続したので、サイレンサ部129に流入した吸入空気は直ちにその流速が低下することから吸気音の低減を図ることができる。
【0148】
またサイレンサ部129の前,後にキャブレタ126へ空気を供給する空気取入れダクト130,131を配置するとともに、左, 右に互い違いに配置したので、同じ方向に配置する場合に比べて流入空気同士の干渉を防止でき、各気筒に均一に吸引できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動二輪車を説明するための側面図である。
【図2】上記自動二輪車の平面図である。
【図3】上記自動二輪車の正面図である。
【図4】上記自動二輪車のリヤアームの側面図である。
【図5】上記自動二輪車のエンジンユニット,シャフトドライブ機構の平面図である。
【図6】上記エンジンユニットの側面図である。
【図7】上記エンジンユニットのユニットケースカバーの側面図である。
【図8】上記ユニットケースカバーのキャップを示す図である。
【図9】上記ユニットケースカバーの断面図である(図7のIX-IX 線断面図) 。
【図10】上記エンジンユニットのシリンダヘッドのヘッドカバーを示す平面図である。
【図11】上記ヘッドカバーの断面正面図である。
【図12】上記ヘッドカバーのプラグ側カバーの平面図である。
【図13】上記プラグ側カバーの側面図である。
【図14】上記プラグ側カバーのカバーブラケットの平面図である。
【図15】上記カバーブラケットの側面図である。
【図16】上記ヘッドカバーの固定側カバーの平面図である。
【図17】上記固定側カバーの一部断面図である(図16のXVII-XVII 線断面図) 。
【図18】上記固定側カバーのカバーブラケットの平面図である。
【図19】上記カバーブラケットの側面図である。
【図20】上記シャフトドライブ機構の後輪側入力部の断面図である。
【図21】上記シャフトドライブ機構のエンジン側出力部の断面図である。
【図22】上記エンジン側出力部に配設された車速検出装置を説明するための背面図である。
【図23】上記エンジンユニットの始動装置を説明するための断面図である。
【図24】上記エンジンユニットのクランクケースの側面図である。
【図25】上記始動装置のダンパ機構を示す図である。
【図26】上記始動装置のロータボス部,ドライブギヤの断面図である。
【図27】上記自動二輪車の二次空気供給装置を説明するための側面図である。
【図28】上記二次空気供給装置の平面図である。
【図29】上記二次空気供給装置の供給パイプの平面から見た配索図である。
【図30】上記供給パイプの側面から見た配索図である。
【図31】上記自動二輪車のマフラ構造を説明するための断面図である。
【図32】上記マフラ本体の第3膨張室部分の断面図である。
【図33】上記マフラ本体の軸方向から見た断面図である。
【図34】上記マフラ本体の軸方向から見た断面図である。
【図35】上記自動二輪車のエアクリーナ装置を説明するための断面側面図である。
【図36】上記自動二輪車エアクリーナ装置の断面正面図である(図35のXXXVI-XXXVI 線断面図) 。
【図37】上記エアクリーナ装置のクリーナ本体の内側から見た側面図である。
【図38】上記クリーナ本体の断面図である(図37のXXXVIII-XXVIII線断面図) 。
【図39】上記クリーナ本体の断面図である(図37のXXXIX-XXXIX 線断面図) 。
【図40】上記エアクリーナ装置のサイレンサ部の平面図である。
【符号の説明】
23 クランク軸
23c テーパ部
82a 発電機用ロータ
83 ロータボス部
85 カム駆動スプロケット
87 ダンパ機構
88 始動モータ
88b 出力ギヤ
90 ドライブギヤ
91 一方向クラッチ

Claims (3)

  1. 始動モータにより歯車列を介してクランク軸を回転駆動するようにした自動二輪車の始動装置において、
    クランク軸端部に装着された発電機用ロータの背面にロータボス部をエンジン中心側に向けて突設し、該ロータボス部をクランク軸外端のテーパ部にテーパ嵌合させ、
    該ロータボス部の外周にドライブギヤを回転自在に装着するとともに、該ドライブギヤと上記ロータとを一方向クラッチを介して連結するとともに、
    上記ドライブギヤと始動モータの出力ギヤとを常時噛合式歯車列を介して連結したことを特徴とする自動二輪車の始動装置。
  2. 請求項1において、上記クランク軸のテーパ部とドライブギヤとがクランク軸直角方向に見て重なっていることを特徴とする自動二輪車の始動装置。
  3. 請求項1又は2において、上記ロータボス部と、クランク軸端部のカムチェーン駆動用スプロケットとの間にダンパ機構を介設し、該ダンパ機構がドライブギヤとクランク軸直角方向に見て重なっていることを特徴とする自動二輪車の始動装置。
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