JP2000086877A - 可塑化ポリ乳酸組成物 - Google Patents

可塑化ポリ乳酸組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、実用上十分な透明性・柔軟性
を有し、各種成形方法に利用可能な溶融粘度が改善され
た、生分解性の可塑化ポリ乳酸組成物を提供すること、
及び透明で高い接着力を有する生分解性粘着剤、接着
剤、塗料原料を提供することにある。 【解決手段】本発明によって、波長が400nm以下で
強度値が120mW/cm以上の紫外線を放射する光
源で光を照射したポリ乳酸に可塑剤が配合され、また、
ポリ乳酸の光学純度を調製することによって、1〜50
0重量部の可塑剤が配合された事を特徴とする可塑化ポ
リ乳酸組成物、製造方法、及び各種用途が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑化されたポリ
乳酸組成物、製造方法及びその各種用途に関する。本発
明で得られた可塑化ポリ乳酸組成物は、従来の可塑化ポ
リ乳酸に比べて可塑剤添加に伴う溶融粘度の低下が抑え
られる。このため、光学純度の高いポリ乳酸において
は、成形性が改善された透明で柔軟な各種成型品が得ら
れる。一方、光学純度が低いポリ乳酸においては、接着
力が大幅に改善された接着剤、粘着剤、あるいは塗装原
料が得られる。
【0002】
【従来の技術】透明性と柔軟性に優れた熱可塑樹脂とし
ては、軟質塩ビや特殊ポリオレフィン等の樹脂が普及し
ている。しかし、これらの汎用樹脂は自然環境中で分解
せず、焼却処理においてもその燃焼熱が大きいこと、あ
るいは燃焼時にダイオキシン等の有害物質を排出しやす
いことなど、使用後の処理問題が大きな社会問題となっ
ている。
【0003】これに対し、成型加工分野では、近年、自
然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性
ポリマーおよびその成型品が求められ、脂肪族ポリエス
テルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われてい
る。特に、ポリ乳酸は生体安全性が高く、しかも分解物
である乳酸は生体内で吸収される。このようにポリ乳酸
は生体安全性の高い高分子化合物であり、可塑剤を配合
して柔軟性が要求される用途への改質検討が活発に行わ
れている。
【0004】しかし、押出し成型や射出成型等の分野で
柔軟性が要求される成型品において、ポリ乳酸はその分
子鎖の有する剛直性によって透明性と柔軟性を両立さ
せ、さらに耐寒性も満足させるためには大幅な改善が必
要となる。すなわち、光学純度の高いポリ乳酸はその高
い結晶性によって十分量の可塑剤を安定して配合でき
ず、光学純度の低いポリ乳酸を用いた場合には可塑剤配
合によって引下げられたガラス転移点以上の温度で形状
安定性を失ってしまい、成型品としての価値をなさな
い。
【0005】この問題を解決する方法の1つとしては、
特願平10−125762号に示されているように、ポ
リ乳酸の光学純度を調製し、これまでに得られなかった
添加量の可塑剤を配合することが可能になった。すなわ
ち、光学純度を調製したポリ乳酸100重量部に対して
25重量部以上の可塑剤が配合可能になり、ガラス転移
温度、及び低温下での柔軟性(弾性率)が大幅に改善さ
れている。しかしながら、現状の軟質成型品の全てを代
替えできるようになったわけでなく、更なる柔軟性、及
び成型加工特性等の改良が必要とされている。
【0006】本発明によると光学純度の高いポリ乳酸に
対して多量の可塑剤が配合可能になった。光学純度を調
製したポリ乳酸を用いた場合には特願平10−1257
62号よりも安定して可塑剤が配合可能になり、成型加
工特性も改良された。その結果、ポリ乳酸の透明性を維
持したまま、柔軟性が要求される、より広範囲の成型加
工分野で適用可能となった。
【0007】また、非成型加工分野では、近年、ポリ乳
酸以外にも、昭和高分子製脂肪族ポリエステルのビオノ
ーレやダイセル社製ポリカプロラクトン系のセルグリー
ン等、様々な特徴を有する生分解性プラスチックが開発
されている。それらの使用においては、例えば生分解性
プラスチックフィルムの貼りあわせに接着剤が使用され
る等、非成型加工分野においても開発への要求が高まっ
ている。
【0008】非成型加工分野のうち、生分解性を有する
接着剤としては、デンプン糊、ニカワ、天然ゴム等の天
然高分子を用いたもののほか、化学合成樹脂ではポリビ
ニルアルコール系接着剤が生分解性(水可溶性)接着剤
として開発されている。ポリ乳酸に対して生分解性接着
剤など接着力を求めた例としては、特開平05−339
557号、特開平08−081897号、あるいは特表
平09−505615号等に開示されている。
【0009】特開平05−339557号には、光学純
度の低いポリ乳酸をホットメルト接着剤の主材に用い
て、粘着付与物質として末端封鎖した低分子量ポリ乳酸
等の乳酸オリゴマーを配合した、ホットメルト接着剤組
成に関する技術が開示されている。さらに、特開平05
−339557号ではウレタン化、エステル化、エポキ
シ化等ポリ乳酸の変性によって接着力の強化を図ってい
る。特開平08−081897号には、生体に密着する
生理用品等の表面塗装を目的に、ポリ乳酸と極性粘着付
与剤からなる被覆剤を得る方法が開示されている。すな
わち、エコケム社製の光学純度が高いポリL乳酸にポリ
エチレングリコール変性化合物と水素化ロジン等を配合
した熱溶融させて紙等に塗布使用することが記載されて
いる。特表平09−505615号には、低分子量のポ
リ乳酸(Mnが30,000未満の乳酸オリゴマー)と
ポリ乳酸とから構成されるホットメルト接着剤に関する
開示が行われている。そこでは、特開平05−3395
57号と同様にポリ乳酸の光学純度が低いものに関する
検討も開示されている。
【0010】これら上述のいずれも、ポリ乳酸に接着力
が要求される分野では、ポリ乳酸がウレタン化、エステ
ル化、エポキシ化等の変性品であるか、さらには粘着付
与剤としてポリ乳酸オリゴマーが必須とされている。こ
のことは、接着剤主材としてポリ乳酸に接着力が不足し
ており、ポリ乳酸接着剤においては、基材としてのポリ
乳酸の変性、あるいは何らかの粘着付与物質が必要なこ
とを示している。そのため、ポリ乳酸の変性工程、ある
いは乳酸オリゴマー等の非汎用成分の合成が必要であ
り、工業的利用時には煩雑な製造工程を伴い、高価格化
の原因になってしまう。
【0011】本発明では配合組成として低い光学純度の
ポリ乳酸と可塑剤だけで、紫外線を照射することで高い
接着力が発揮されることを開示する。すなわち、これま
での発明よりも単純な組成物によるものであり、紫外線
の照射は、汎用接着剤の使用現場やフィルム等の表面処
理現場で一般的に用いられているものであり、工業的に
低価格化を実現することが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、紫外
線を照射したポリ乳酸に可塑剤を配合することで、成型
加工分野ではその加工特性が改善され、その成型品には
これまでに成し得なかった多量の可塑剤が配合可能で、
柔軟性に優れ、ブリードアウトを生じないなど経時安定
性が改良されることを見出した。さらに、接着剤、粘着
剤、あるいは塗装原料等の非成型加工分野においては、
高い接着力が発揮され、ホットメルト接着剤など溶融状
態で使用する場合の流動特性が改善されることを見出し
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について鋭意検討を行った結果、波長が400nm以
下で強度値が120mW/cm以上の紫外線を照射し
たポリ乳酸に可塑剤を配合する事により、成型加工分野
において、ポリ乳酸の透明性を維持し、柔軟性に優れて
おり、特にフィルム、チューブ等の押出し成形加工適性
に優れた、可塑化ポリ乳酸組成物、及びその成型品が得
られた。さらに、非成型加工分野においては、接着力が
改善され、ホットメルト接着剤・粘着剤、溶剤型接着
剤、あるいは塗装原料等の分野で有効なことを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、波長が400nm以下
で強度値が120mW/cm以上の紫外線を放射する
光源で光を照射したポリ乳酸に可塑剤が配合されてなる
可塑化ポリ乳酸組成物に関する。その製造方法に関し、
ポリ乳酸に波長が400nm以下で強度値が120mW
/cm以上の紫外線を放射する光源で光を照射した
後、可塑剤を配合することを特徴とする、あるいは可塑
剤が配合されたポリ乳酸に波長が400nm以下で強度
値が120mW/cm以上の紫外線を放射する光源で
光を照射することを特徴とする可塑化ポリ乳酸の製造方
法に関する。
【0015】また、本発明は、ポリ乳酸の光学純度に応
じ、可塑剤の配合量を変えることを特徴とする。光学純
度が高いポリ乳酸では、1〜300重量部の可塑剤が配
合される。その可塑化ポリ乳酸からフィルム、シート、
板、チューブ、容器、繊維、編み物、織物、不織布、
綱、ロープ、各種部品、その他の成型品を製造する。
【0016】さらに、本発明は、光学純度が低いポリ乳
酸に1〜500重量部の可塑剤が配合されたことを特徴
とする可塑化ポリ乳酸組成物、及びその製造方法に関す
るものであり、そこで得られた可塑化ポリ乳酸からなる
接着剤、粘着剤、塗装原料を製造する。
【0017】
【発明実施の形態】本発明において、ポリ乳酸とは、実
質的にL−乳酸及び/又はD−乳酸由来のモノマー単位
のみで構成されるポリマーである。ここで「実質的に」
とは、本発明の効果を損なわない範囲で、L−乳酸また
はD−乳酸に由来しない、他のモノマー単位を含んでい
ても良いという意味である。ポリ乳酸が、L−乳酸及び
/又はD−乳酸に由来するモノマー単位からだけなる場
合には、重合体は結晶性で高融点を有する。しかも、L
−乳酸、D−乳酸由来のモノマー単位の比率(L/D比
と略称する)を変化させることにより、結晶性・融点を
自在に調節する事ができるので、用途に応じ、実用特性
を制御する事を可能にする。
【0018】本発明で、光学純度の高いポリ乳酸とは、
一般的に光学純度80%以上の結晶性を有するポリ乳酸
を示す。ただし、例えば光学純度75%のポリ乳酸は、
DSC測定では結晶化ピークも融解ピークも示さない
が、そのものを80〜100℃の高温状態に放置すると
結晶化を生じる。このように、結晶性は光学純度が80
%を境に完全に失われるものではない。本発明において
も、光学純度の高いポリ乳酸とは、光学純度80%を一
定の目安とするものである。一方、光学純度の低いポリ
乳酸とは、一般的には光学純度が80%未満のポリ乳酸
を示す。但し、ポリ乳酸に紫外線照射することが本発明
の特徴であるが、そのことでポリ乳酸の結晶性が変化す
ることがわかっている。例えば、光学純度が高いポリ乳
酸に紫外線照射すると、DSC測定で検出される融解熱
量が減少し、結晶性が低下していることが示されてい
る。従って、光学純度が低いポリ乳酸とは、非成型加工
分野において、その経時変化によって結晶化を伴わない
範囲のものであり、光学純度が80%未満を一定の目安
とするものである。
【0019】本発明に用いられる可塑剤は、特に限定さ
れず、ポリ乳酸との相溶性が良好な可塑剤はいずれも利
用できる。可塑剤の例としては、広くは軟質塩ビ、軟質
酢ビ用等、樹脂の可塑化に使用される一般的な可塑剤を
利用できるが、環境面への配慮とポリ乳酸との相溶性と
の観点から、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導
体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸
誘導体から選ばれた単一または複数の混合物を用いるこ
とが好ましい。
【0020】エーテルエステル誘導体としては、下式で
示される、分子量が200〜30000の可塑剤が利用
できる。 R(0R′)n00C−R″−C00(R′0)mR (Rはアルキル基を示し、R′はアルキレン基を示し、
R″は2価の有機酸またはアルキレン基を示し、m及び
nは各々独立に1〜500を示す。) 上式のRで表わされるアルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブ
チル、第三ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシ
ル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシル等の炭素数1〜20
のものが挙げられる。また、R′で表わされるアルキレ
ン基としては、例えばエチレン、1,2−プロピレン、
1,2−ブチレン、1,4−ブチレン等の炭素数2〜8
のものが挙げられる。また、n,mは各々独立に1〜5
00であるが、大きすぎると熱安定性が低下する傾向が
あり、各々1〜100が好ましく、特に1〜20が好ま
しい。分子量は200より小さいとポリ乳酸とのブレン
ド時や成型品の成型加工時の熱に対して不安定となり、
3万より大きいとポリ乳酸との相溶性が劣ることにな
り、好ましくは250〜10000で、特に250〜5
000のものが好ましい。具体的には、アデカサイザー
RS1000(旭電化工業株式会社製)があげられ、そ
の分子量は1000である。
【0021】グリセリン誘導体としては、具体的には、
グリセリントリアセテート(トリアセチン)、グリセリ
ントリブチレート、グリセリントリプロピオネート、及
びその類似の可塑剤が利用できる。
【0022】グリコール酸誘導体としては、トリエチレ
ングリコールジアセテート(TEGDA)を始め、その
類似の可塑剤が利用できる。
【0023】クエン酸誘導体としては、アセチルクエン
酸トリブチルのほか、その類似の可塑剤が利用できる。
【0024】さらに、アジピン酸誘導体としては、ジメ
チルアジペート(DMA)、ジエチルアジペート(DE
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアジ
ペート(DOA)のほか、その類似の可塑剤が利用でき
る。
【0025】なお、フタル酸誘導体は環境ホルモンとの
関係が指摘されているものが含まれ、汎用利用される目
的には好ましくないが、限定された使用目的において
は、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)や
エチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)を始
め、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレー
ト(DEP)などが利用可能な可塑剤として挙げられ
る。
【0026】本発明の可塑化ポリ乳酸の製造方法は、一
般的には重合されたポリ乳酸に可塑剤を配合し、その工
程のいずれか、または可塑化したポリ乳酸を製品加工す
る段階のいずれかで紫外線を照射することによって得ら
れる。ポリ乳酸の製造方法には、乳酸を直接脱水縮合し
て目的物を得る直接法と、乳酸から一旦環状ラクチド
(二量体)を合成し、晶析法などにより精製を行い、つ
いで開環重合を行う方法が公知である。例えば、特公昭
56−14688号公報には、2分子の環状ジエステル
を中間体とし、これをオクチル酸錫を触媒として重合
し、ポリ乳酸を製造することが開示されている。このよ
うに、例えば開環重合を行う場合、重合反応は、ラクチ
ド重量に対して0.001〜1重量部、好ましくは0.
01〜0.5重量部の触媒を用い、重合方法、触媒量に
も異なるが通常10分〜20時間程度加熱重合する。反
応は、窒素などの不活性ガス雰囲気下にて行うのが好ま
しい。
【0027】重合に用いる触媒としては、オクチル酸錫
などの錫系化合物、テトライソプロピルチタネートなど
のチタン系化合物、ジルコニウムイソプロポキシドなど
のジルコニウム化合物、三酸化アンチモンなどのアンチ
モン系化合物等、いずれも乳酸の重合に従来公知の触媒
が挙げられる。また、添加する触媒量によって、最終ポ
リマーの分子量を調整する事もできる。触媒量が少ない
ほど反応速度は遅くなるが、分子量は高くなる傾向にあ
る。
【0028】本発明においては、いずれの重合方法で得
られたポリ乳酸、あるいはそのブレンド体も利用可能で
ある。このようにして得られたポリ乳酸は、成形加工の
工程における取り扱い性を容易にするため、あらかじめ
米粒大から豆粒程度の大きさの球状、立方体、円柱状、
破砕状等のペレット状に加工される。この時点で紫外線
を照射し、後述の可塑剤を配合する工程に進むことも可
能である。この場合、照射時の温度は、ポリ乳酸のガラ
ス転移温度以上においては軟化・変形が進行するため、
形状を保持する必要がある場合には注意を要するが、そ
うでない場合は限定されない。但し、200℃以上の温
度では、ポリ乳酸は分解反応をともなうので、150℃
以下が好ましい。なお、後述の可塑剤を配合した後では
ガラス転移温度が低下しており、この可塑剤を配合する
前での紫外線の照射は、ペレット形状を保つ必要がある
場合には、より強い紫外線の照射が行いやすい。
【0029】又、照射する光線は、波長が400nm以
下、好ましくは250〜370nmで、強度値が120
mW/cm以上、好ましくは120〜300mW/c
の紫外線を放射する光源による光で有れば何でもよ
い。但し、放射照度が小さい場合は、分解・劣化反応の
方が支配的となり効果はなく、本発明では放射照度の大
きい光源を用いることが必須となる。なお、波長が40
0nm以上の光あるいは強度が120mW/cm以下
では分子量の増大は認められない。また、強度は、測定
波長300〜390nmにおけるピーク強度値によって
定義される値である。
【0030】照射すべき光は、200〜1000nmの
領域に発光ピーク波長を有する光源からの光である。例
えば、光源として、キセノンランプ、蛍光ランプ、水銀
ランプ(高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ)、紫外用
メタルハライドランプ等が挙げられる。これらのうち、
大きな放射照度を得る為には高圧水銀ランプ、紫外用メ
タルハライドランプが好ましい。光の照射時間は、光源
の種類及び照射光の強度によるが、本明細書の実施例で
示す例については、2〜3分の照射で十分である。
【0031】可塑剤の配合は従来公知の方法を用いて行
うことができる。光学純度の高いポリ乳酸に可塑剤を配
合する場合、例えば、軟質塩ビで行われるように、可塑
剤とポリ乳酸をロールミキシング装置を用いて溶融ブレ
ンドしたり、2軸混練機を用いて溶融状態のポリ乳酸に
液状可塑剤がブレンドされ、その後、再びペレットとし
て回収して成形加工に用いたり、ブレンド体を直接成形
加工することが行われる。さらには、クロロホルムや塩
化メチレン等の溶媒にポリマーと可塑剤を溶解した後、
面上にキャストし、溶媒を除去する溶媒キャスト法を用
いても良い。
【0032】可塑剤はポリ乳酸100重量部に対して、
可塑剤を1〜300重量部配合可能である。光学純度の
高いポリ乳酸では、可塑剤が安定して保持されやすいよ
うにポリ乳酸の光学純度を制御した場合でも、300重
量部を超えた可塑剤の配合はブリードアウト等の経時変
化の原因となる。可塑化ポリ乳酸の用途にもよるが、実
用上好ましい可塑剤の配合量は1〜200重量部で、さ
らに好ましくは、5〜150重量部である。この時、通
常はポリ乳酸に多量の可塑剤を添加すると溶融粘度の低
下が大きく、可塑化したポリ乳酸のペレット化や、後に
続く成形操作が困難になるなど成形加工特性も低下す
る。これに対し、本発明で用いる紫外線を照射すること
で可塑化ポリ乳酸の溶融粘度の低下が抑制される。その
ため、可塑化したポリ乳酸のペレット化が容易に行え、
成型操作も容易になり、さらに、成型品からの可塑剤の
ブリードアウトが抑制され、経時安定性も向上する。但
し、特に、可塑剤の配合量が少ない場合などは、可塑化
したポリ乳酸の粘度低下も小さく、また、例えば水冷に
よってペレット化に十分なだけの硬度を得ることもでき
る。このような場合には、上述の紫外線照射を可塑剤の
配合後に行うことも可能である。
【0033】このようにして製造された可塑化ポリ乳酸
は、通常使用される射出成型装置、フィルム・シートや
繊維等を成型するための各種押出し装置、あるいはフィ
ルム・シート等の真空・圧空成型など現在使用されてい
る各種成型装置を用いて成型加工可能である本発明で使
用される可塑化ポリ乳酸は、さらに改質の為の副次的添
加物が加えてられていても良い。副次的添加剤の例とし
ては、安定剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、各種フィラ
ー、静電剤、離型剤、2次可塑剤、香料、抗菌剤、核形
成剤等その他の類似のものが挙げられる。
【0034】また、光学純度の低いポリ乳酸に可塑剤を
配合し、非成型加工分野に利用する場合、上述の溶融混
練方法のほかに、加熱機能を備えた攪拌装置でブレンド
することも有効である。さらに、光学純度の低いポリ乳
酸は、トルエンや酢酸エチル等の一般的な接着・塗料原
料に用いられる汎用溶剤に可溶解性であり、通常の攪拌
装置にポリ乳酸と可塑剤を仕込み、ブレンドすることも
可能である。
【0035】可塑剤はポリ乳酸100重量部に対して、
可塑剤を1〜500重量部配合可能である。光学純度の
低いポリ乳酸では、ポリ乳酸の結晶化が抑制されてお
り、可塑剤が安定して保持されやすい。可塑剤の配合量
は、目的とする用途によって異なり、例えば、弾性率の
高いものの接着剤・塗装剤に使用する場合は可塑剤の配
合量を少なくして、使用状態での弾性率を高く保つよう
にする。また、低温下で柔軟性を必要とするものの接着
・塗装用途に用いる場合には多量の可塑剤を配合するこ
とが有効である。ただし、ポリ乳酸100重量部に対し
て500重量部を超えた可塑剤の配合は粘度低下を抑え
るのが困難になる。可塑化ポリ乳酸の用途にもよるが、
実用上好ましい可塑剤の配合量は1〜400重量部で、
さらに好ましくは、5〜300重量部である。
【0036】光学純度の低いポリ乳酸において、光学純
度が高いポリ乳酸での場合と同じ方法で紫外線の照射が
行え、その照射を製造工程のどの段階で行うかの制約は
ない。さらに、この非成型加工分野ではペレット形状を
保つ必要が無い場合も多く、光学純度の高いポリ乳酸に
照射する場合よりも紫外線の照射強度を強くすることも
可能である。紫外線の照射工程は、例えば、ポリ乳酸に
紫外線を照射してから可塑剤を配合しても良いし、ポリ
乳酸に可塑剤を配合した後で紫外線を照射することもで
きる。さらには、可塑化したポリ乳酸を接着剤・粘着剤
や塗装用途などとして塗布、あるいは接着した後で紫外
線を照射し、その接着力を高めることもできる。
【0037】なお、本発明で使用される可塑化されたポ
リ乳酸には、光学純度が高いポリ乳酸に対して用いたよ
うに、さらに改質のための副次的添加物が加えられてい
ても良い。その副次的添加剤の例としては、安定剤、酸
化防止剤、老化防止剤、顔料、着色剤、各種フィラー、
静電剤、2次可塑剤、香料、抗菌剤、防腐剤、増粘剤、
消泡剤、乳化剤等その他の類似のものが挙げられる。
【0038】本発明及び以下の実施例において、重合体
の重量平均分子量(Mw)はGPC分析によるポリスチ
レン換算値である。ガラス転移温度は、DSC測定によ
って行った。射出成形品の引張試験は、島津製作所製オ
ートグラフAG−5000を用いて、JIS K−71
13に準拠した。また、180°剥離試験は、JIS
K−6854に準拠し、島津製作所製引張試験機EZ
testを用いて試験した。
【0039】
【実施例】まず、実施例で用いるポリ乳酸の合成方法、
及び光線照射の方法を説明する。なお、光学純度が高い
ポリL乳酸には、光学純度99%の島津製作所製ラクテ
ィ#5000(重量平均分子量200,000)を用い
た。 [合成例1]光学純度が低いポリ乳酸を合成するため、L
−ラクチドとD/L−ラクチドの比率が55/45にな
るようにして、2軸反応押出し機(栗本製作所製)に連
続的に供給し、触媒にオクチル酸スズ0.2重量%をラ
クチドと同時に連続的に供給して、210℃で重合反応
を行った(滞留時間10分)。その後、連続して設置し
た、減圧装置を備えた2軸押出し機を220℃で滞留時
間15分間で、10Torrの減圧下で未反応モノマー
を除去した。得られたストランドは水冷、ペレタイズし
て回収した。この光学純度が低いポリ乳酸ペレットのG
PC分析を行った結果、モノマー成分は検出されず(1
%未満)、重量平均分子量は151,000であった。
また、光学純度は44.8%である。
【0040】[合成例2]合成例1で得られた光学純度が
低いポリ乳酸と、光学純度が高い島津製作所製ポリL乳
酸とを減圧下で予備乾燥して絶乾状態にした後、その混
合比が60/40になるようにして、単軸押出し機を用
いて溶融混練し、得られたストランドを水冷、ペレタイ
ズしてポリ乳酸ペレットを回収した。このものの重量平
均分子量は、163,000であった。
【0041】[調製例1]島津製作所製ポリL乳酸を12
0℃で3Hr真空乾燥し絶乾状態にした後、光線照射処
理を行った。そのGPC分析の結果、重量平均分子量は
278,000であった。光線照射装置、及び条件は下
記に示した。
【0042】日本電池製UV照射装置 条件:ランプ HAN500NL(高圧水銀ラン
プ) ピーク波長 365nm 放射照度 300mW/cm 温度 初期 20℃、照射後 120〜170℃ 試験時間 2min. 照射高さ 200mm UVメーター:UV350N(日本電池製)
【0043】[調製例2]合成例2で得られたポリ乳酸ペ
レットを用いて、調製例1と同様に、絶乾状態にした
後、光線照射処理を行った。その後、GPC分析を行っ
た結果、重量平均分子量は226,000であった。
【0044】[調製例3]合成例1で重合した光学純度が
低いポリ乳酸ペレットを用いて、調製例1と同様に、絶
乾状態にした後、光線照射処理を行った。その後、GP
C分析を行った結果、重量平均分子量は249,000
であった。
【0045】[実施例1]調製例1で得られた光線照射処
理後のポリL乳酸2kgを用いて、送液ポンプを備えた
2軸押出し機(栗本製作所製)で可塑剤と溶融混練し、
混練後のストランドを水冷・ペレタイズした。可塑剤
は、ポリL乳酸100重量部に対して、旭電化工業製ア
デカサイザーRS1000を50重量部の割合で添加・
配合した。押出し機は混練部分を180〜220℃に、
ダイス温度を180℃に設定して、ポリL乳酸は4kg
/1時間の速度で供給した。得られた可塑化ポリL乳酸
を減圧下、70℃にて10時間処理し、絶乾状態にし
て、射出成形に用いた。東芝機械製の射出成形機を用い
て、ノズル温度200℃で厚さ1〜3mmの見本板、及
び引張試験片を成形した。得られた見本板は柔軟、かつ
透明で、5日間放置後も可塑剤RS1000のブリード
はほとんど観察されなかった。見本板の一部を用いてD
SC測定を行った結果、ガラス転移点は−1.7℃であ
った。また、引張試験の結果、引張弾性率は0.012
GPaで、破断伸びは412%であった。
【0046】[実施例2]調製例2で得られた光線照射処
理後のポリ乳酸2kgを用いて、実施例1と同様にし
て、ポリ乳酸100重量部に対して、旭電化工業製アデ
カサイザーRS1000が100重量部の割合になるよ
うに溶融混練して可塑化ペレットを回収した。この時、
押出し機は混練部分を180〜220℃に、ダイス温度
を170℃に設定して、ポリ乳酸を3kg/1時間の速
度で供給した。得られた可塑化ポリ乳酸を減圧下、60
℃にて12時間処理し、絶乾状態にして、射出成形に用
いた。東芝機械製の射出成形機を用いて、ノズル温度1
80℃で厚さ1〜3mmの見本板を成形した。得られた
見本板は実施例1のものより柔軟性に富み、透明性も良
好であった。このものは、5日間放置後も可塑剤RS1
000のブリードがほとんど観察されなかった。なお、
見本板の一部を用いてDSC測定を行った結果、ガラス
転移点は−47.8℃であった。
【0047】[実施例3]合成例2で得られた光線照射し
ていないポリ乳酸ペレット2kgを用いて、実施例1と
同様にして、ポリ乳酸100重量部に対して、旭電化工
業製アデカサイザーRS1000が100重量部の割合
になるように溶融混練して可塑化ペレットを回収した。
押出し機は混練部分を180〜220℃に、ダイス温度
を160℃に設定して、ポリL乳酸は4kg/1時間の
速度で供給した。得られた可塑化ポリL乳酸を減圧下、
70℃にて10時間処理し、絶乾状態にして、調製例1
と同様にして、光線照射処理を行った。光線照射処理後
にGPC分析を行った結果、ポリ乳酸成分の重量平均分
子量は、271,000であった。得られた光線照射処
理後の可塑化ポリ乳酸を用いて、減圧下、60℃にて1
2時間処理し、絶乾状態にした後、T−ダイを設置した
サーモ・プラスティックス工業株式会社製フィルム製造
装置で、フィルムを試作した。ダイス温度を185℃に
設置して、巻き取り速度3m/minで厚さ0.1mm
フィルムを試作した。その結果、柔軟性に富み、全く透
明なフィルムが得られた。このフィルムは、5日間放置
後も、ブリードはまったく観察されなかった。
【0048】[実施例4]調製例2で得られた光線照射処
理後のポリ乳酸2kgを用いて、実施例1と同様にし
て、ポリ乳酸100重量部に対して、トリアセチンが5
0重量部の割合になるように溶融混練して可塑化ペレッ
トを回収した。この時、ダイス温度を190℃に設定し
て、ポリ乳酸を4kg/1時間の速度で供給した。得ら
れた可塑化ポリ乳酸ペレットのDSC測定の結果、ガラ
ス転移点は−18.2℃であった。可塑化ポリ乳酸を用
いて、減圧下、60℃にて12時間処理し、絶乾状態に
した後、T−ダイを設置したサーモ・プラスティックス
工業株式会社製フィルム製造装置で、フィルムを試作し
た。ダイス温度を190℃に設置して、巻き取り速度3
m/minで厚さ0.1mmフィルムを試作した。その
結果、柔軟性に富み、透明なフィルムが得られた。この
フィルムは、5日間放置後も、ブリードはまったく観察
されなかった。フィルムから引張試験用のダンベル型を
打ち抜き、JIS K−7127に準拠して引張試験を
行った。その結果、破断伸びは380%、引張弾性率が
0.035GPaであった。
【0049】[実施例5]調製例2で得られた光線照射処
理後のポリ乳酸2kgを用いて、実施例1と同様にし
て、ポリ乳酸100重量部に対して、トリアセチンが7
0重量部の割合になるように溶融混練して可塑化ペレッ
トを回収した。この時、ダイス温度を185℃に設定し
て、ポリ乳酸を4kg/1時間の速度で供給した。得ら
れた可塑化ポリ乳酸ペレットのDSC測定の結果、ガラ
ス転移点は−27.3℃であった。可塑化ポリ乳酸を用
いて、実施例4と同様にして、絶乾状態にした後、 フ
ィルムを試作した。ダイス温度を187℃に設置して、
巻き取り速度3m/minで厚さ0.1mmフィルムを
試作した。その結果、柔軟性に富み、透明なフィルムが
得られた。このフィルムは、5日間放置後も、ブリード
はまったく観察されなかった。
【0050】[比較例1]島津製作所製ポリL乳酸ラクテ
ィ#5000を2kg用いて、実施例1と同様にして、
可塑剤は、ポリL乳酸100重量部に対して、旭電化工
業製アデカサイザーRS1000を50重量部の割合で
添加・配合した。押出し機は混練部分を180〜220
℃に、ダイス温度を170℃に設定して、ポリL乳酸は
4kg/1時間の速度で供給した。得られた可塑化ポリ
L乳酸を絶乾状態にして、射出成形に用いた。ノズル温
度180℃で厚さ1〜3mmの見本板を成形した。得ら
れた見本板は柔軟、かつ透明であったが、5日間放置後
には可塑剤RS1000がブリードし、実用に用いるこ
とはできない状態であった。
【0051】[比較例2]合成例2で得られた光線照射処
理していないポリ乳酸2kgを用いて、実施例1と同様
にして、ポリ乳酸100重量部に対して、旭電化工業製
アデカサイザーRS1000が50重量部の割合になる
ように溶融混練して可塑化ペレットを回収した。この
時、押出し機は混練部分を180〜220℃に、ダイス
温度を170℃に設定して、ポリ乳酸を4kg/1時間
の速度で供給した。その後、実施例3と同様にして、絶
乾状態にした後、T−ダイを設置したサーモ・プラステ
ィックス工業株式会社製フィルム製造装置で、フィルム
試作を試みた。しかし、ダイス温度を160℃にまで下
げて検討したが、フィルム原料の溶融粘度が低く、ダイ
スからたれ落ちてしまい、フィルムとして巻き取ること
は困難であった。なお、ダイス温度を150℃まで下げ
ると、未溶融物がフィルム中に残存してしまった。
【0052】[比較例3]ポリ乳酸100重量部に対し
て、トリアセチンが50重量部の割合になるように用い
た他は、比較例2と同様にして、溶融混練して可塑化ペ
レットを回収し、そのペレットを用いてフィルム試作を
試みた。しかし、比較例2と同様に、フィルムとして巻
き取ることは困難で、ダイス温度を下げすぎると未溶融
物がフィルム中に残存してしまった。
【0053】[実施例6]調製例3で得られた光線照射処
理後の光学純度が低いポリ乳酸70gを、減圧下、室温
で72時間処理して絶乾状態にした後、2軸ニーダー
(栗本製作所製)を用いて、可塑剤と溶融混練し、接着
剤原料としてガラス瓶に回収した。可塑剤は、ポリL乳
酸100重量部に対して、旭電化工業製アデカサイザー
RS1000を100重量部の割合(70g)で添加・
配合した。ニーダーは160℃に温度設定し、10分間
溶融混練した。得られた可塑化ポリ乳酸を120〜13
0℃で溶融し、ステンレス製のヘラを用いて、長さ15
0mm、幅15mmに切断したコピー用紙、及びラクテ
ィ#5000製2軸延伸フィルム(厚さ40μm)に、
3cmに渡って塗布した。十分に冷却した後、同じサイ
ズに切断したコピー用紙をJIS K−6854に準拠
して圧着した。張合わされたコピー用紙、又はコピー用
紙/ラクティフィルムを引剥がすと、コピー用紙表面の
一部が接着剤層に残り、接着力が高いことが示された。
【0054】[実施例7]調製例3で得られた光線照射処
理後の光学純度が低いポリ乳酸40gを、実施例6と同
様に、絶乾状態にした後、2軸ニーダー(栗本製作所
製)を用いて、溶融混練し、接着剤原料としてガラス瓶
に回収した。可塑剤は、ポリL乳酸100重量部に対し
て、トリアセチンを300重量部の割合(120g)で
添加・配合した。得られた可塑化ポリ乳酸を90〜10
0℃で溶融し、実施例6と同様にして、コピー用紙、及
びラクティ#5000製2軸延伸フィルムに、3cmに
渡って塗布し、同じサイズに切断したコピー用紙を圧着
した。張合わされたコピー用紙、又はコピー用紙/ラク
ティフィルムを引剥がすと、コピー用紙表面の一部が接
着剤層に残り、接着力が高いことが示された。
【0055】[実施例8]調製例3で得られた光線照射処
理後の光学純度が低いポリ乳酸100gを、実施例6と
同様に、絶乾状態にした後、2軸ニーダー(栗本製作所
製)を用いて、溶融混練し、接着剤原料としてガラス瓶
に回収した。可塑剤は、ポリL乳酸100重量部に対し
て、トリアセチンを50重量部の割合(50g)で添加
・配合した。得られた可塑化ポリ乳酸を120〜130
℃で溶融し、実施例6と同様にして、ラクティ#500
0製2軸延伸フィルムに3cmに渡って塗布し、同じサ
イズに切断したラクティ製2軸延伸フィルムに圧着し、
180°剥離試験を行った。剥離速度300mm/mi
nで剥離試験を行った結果、剥離時のピーク点荷重は
2.47kgfで、平均荷重は1.69kgfであった
(n=5)。なお、準備した7本の試験片のうち、2本
はラクティフィルムが破断した。
【0056】[実施例9]合成例1で得られた光線照射処
理していない光学純度が低いポリ乳酸100gを、実施
例6と同様に、絶乾状態にした後、2軸ニーダー(栗本
製作所製)を用いて、溶融混練し、接着剤原料としてガ
ラス瓶に回収した。可塑剤は、ポリL乳酸100重量部
に対して、トリアセチンを50重量部の割合(50g)
で添加・配合した。得られた可塑化ポリ乳酸を110〜
120℃で溶融し、実施例6と同様にして、ラクティ#
5000製2軸延伸フィルムに、3cmに渡って塗布し
た。塗布後、調製例1で行ったのと同様にして光線照射
処理を行った。なお、照射時間は110秒に変更した。
その後、同じサイズに切断したラクティ製2軸延伸フィ
ルムに圧着し、180°剥離試験を行った。剥離速度3
00mm/minで剥離試験を行った結果、剥離時のピ
ーク点荷重は2.68で、平均荷重は1.83kgfで
あった(n=5)。なお、準備した7本の試験片のう
ち、2本はラクティフィルムが破断した。
【0057】[実施例10]調製例2で得られた光線照射
処理後のポリ乳酸100gを、実施例6と同様に、絶乾
状態にした後、2軸ニーダー(栗本製作所製)を用い
て、溶融混練し、接着剤原料としてガラス瓶に回収し
た。可塑剤は、ポリL乳酸100重量部に対して、トリ
アセチンを50重量部の割合(50g)で添加・配合し
た。得られた可塑化ポリ乳酸を120〜130℃で溶融
し、実施例6と同様にしてラクティ#5000製2軸延
伸フィルムに、3cmに渡って塗布した。塗布後、溶融
状態のまま、同じサイズに切断したラクティ製2軸延伸
フィルムを圧着し、180°剥離試験を行った。剥離速
度300mm/minで剥離試験を行った。その結果、
準備した5本の試験片はすべて剥離強度に耐えず、ラク
ティフィルムが破断した。
【0058】[比較例4]合成例3で得られた光線照射処
理後の光学純度が低いポリ乳酸100gを、実施例6と
同様に、溶融混練し、接着剤原料としてガラス瓶に回収
した。可塑剤は、ポリ乳酸100重量部に対して、旭電
化工業製アデカサイザーRS1000を100重量部の
割合(100g)で用いた。得られた可塑化ポリ乳酸を
90〜100℃で溶融し、実施例6と同様にして、ラク
ティ#5000製2軸延伸フィルムに、3cmに渡って
塗布し、同じサイズに切断したラクティ製2軸延伸フィ
ルムに圧着し、180°剥離試験を行った。剥離試験を
行った結果、剥離時のピーク点荷重は231gfしかな
く、平均荷重は128gfと低い値であった(n=
5)。
【0059】[比較例5]旭電化工業製アデカサイザーR
S1000の配合量を光線照射処理していないポリ乳酸
100重量部(100g)に対して、50重量部(50
g)にしたほかは、比較例4と同様にして、ラクティ#
5000 2軸延伸フィルムを用いて、180°剥離試
験を行った。剥離試験を行った結果、剥離時のピーク点
荷重は830gfしかなく、平均荷重は775gfと光
線照射処理したポリ乳酸サンプルに比べて低い値であっ
た(n=5)。
【0060】[比較例6]可塑剤にトリアセチンを用いた
ほかは、比較例5と同様にして、光線照射処理していな
いポリ乳酸100重量部(100g)に対して、50重
量部(50g)を配合し、ラクティ#5000製2軸延
伸フィルムを用いて、180°剥離試験を行った。剥離
試験を行った結果、剥離時のピーク点荷重は840gf
しかなく、平均荷重は810gfと光線照射処理したポ
リ乳酸サンプルに比べて低い値であった(n=5)。
【0061】
【発明の効果】本発明によって、乳酸ポリマーに対し、
これまでには成し得なかった十分量の可塑剤を安定して
配合した可塑化ポリ乳酸組成物が得られ、また、可塑化
ポリ乳酸の溶融粘度の改善も図られる。そのポリ乳酸組
成物は、光学純度の高いポリ乳酸をベースにした場合に
は、柔軟性、透明性を有しており、通常の軟質塩ビ等の
各種成形方法を利用でき、包装材料、医療用材料、産業
資材、工業用品、日用品、容器等の各種用途に幅広く使
用できる。一方、光学純度の低いポリ乳酸をベースにし
た場合には、透明で高い接着力を有する生分解性接着剤
・塗料等に使用できる。これによって、接着剤層も生分
解性になり、完全に生分解される張り合せフィルム・シ
ート等が作製できるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/04 C09D 167/04 4L035 C09J 167/04 C09J 167/04 D01F 6/62 305 D01F 6/62 305Z (72)発明者 小関 英一 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 Fターム(参考) 4F070 AA47 AB01 AC36 AC38 AC43 AC84 AE02 EA02 HA02 HB12 HB14 4J002 CF19W CH05X EH046 EH096 EH146 EH156 FB06W FD02X FD026 GG01 GH01 GJ01 GK01 4J029 AA02 AB04 AB07 AC01 AD01 AD07 AE01 AE02 AE03 AE06 AE11 AE13 EA05 EH03 JB183 KD12 KH08 4J038 DD011 KA10 4J040 ED011 JB01 JB09 KA31 LA01 QA03 4L035 AA01 FF01 GG01 HH10 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長が400nm以下で、強度値が120
    mW/cm以上の紫外線を放射する光源で光を照射し
    たポリ乳酸に可塑剤が配合されてなる可塑化ポリ乳酸組
    成物。
  2. 【請求項2】ポリ乳酸に波長が400nm以下で強度値
    が120mW/cm以上の紫外線を放射する光源で光
    を照射した後、可塑剤を配合することを特徴とする可塑
    化ポリ乳酸の製造方法。
  3. 【請求項3】可塑剤が配合されたポリ乳酸に波長が40
    0nm以下で強度値が120mW/cm以上の紫外線
    を放射する光源で光を照射することを特徴とする可塑化
    ポリ乳酸の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリ乳酸の光学純度に応じ、可塑剤の配合
    量を変えることを特徴とする請求項2又は3記載の可塑
    化ポリ乳酸の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2〜4の製造法で得られた可塑化ポ
    リ乳酸からなるフィルム、シート、板、チューブ、容
    器、繊維、編み物、織物、不織布、綱、ロープ、各種部
    品、その他の成型品又は接着剤、粘着剤、塗装原料。
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