JP2000086814A - カップリング処理されたジエン系ゴムとその他のゴムとの組成物 - Google Patents

カップリング処理されたジエン系ゴムとその他のゴムとの組成物

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JP2000086814A
JP2000086814A JP10261094A JP26109498A JP2000086814A JP 2000086814 A JP2000086814 A JP 2000086814A JP 10261094 A JP10261094 A JP 10261094A JP 26109498 A JP26109498 A JP 26109498A JP 2000086814 A JP2000086814 A JP 2000086814A
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JP10261094A
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Masao Nakamura
昌生 中村
Takahiko Fukahori
隆彦 深堀
Tomohiro Shibuya
智啓 渋谷
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カップリング処理されたジエン系ゴム重合体
は分子量分布が狭く、変性率が高く、またシス含有量が
高いという優れた特性を有していることに起因して加工
性、摩耗性、発熱性のバランスがよいゴム組成物の提
供。 【解決手段】(1)分子量分布が2.1以下であり、分
子中に活性金属を有するジエン部分のシス含有量40%
以上であり、分子中の活性金属と下記一般式(i) 【化1】RMX4−m (i) (式中、Rは炭素数30以下の炭化水素基、MはSn、
Ge、Siよりなる群から選ばれた元素、Xはハロゲン
又はアルコキシ基、mは0から3の整数である)で表さ
れるカップリング剤と反応して得られる金属(MはS
n、Ge、Siよりなる群から選ばれた元素)−炭素結
合を有する分子が、全分子中10%以上を占めるもので
あるカップリング処理されたジエン系ゴム重合体と
(2)それ以外のジエン系ゴム重合体を含有するカップ
リング処理されたジエン系ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来技術】ゴムの組成物において、発熱特性を改良す
る手法として、有機リチウム系触媒によって重合した高
分子のリビング末端とSnClのような化合物と反応
して金属―炭素結合をもつ分岐状の高分子が開示されて
いるが、該触媒による重合体はシス含有量が35%以下
であり、強度特性、屈曲疲労特性において十分なもので
はなかった。
【0002】屈曲疲労特性がよい構造としてCo、Ni
などの遷移金属触媒により、高度にシス含有量を有する
ゴムが特開平6−228370号公報、特開昭57−1
5415号公報、特開昭59−164313号公報等に
開示されているが、これらのゴムは耐屈曲疲労性、強度
特性には優れるが、発熱性の点では有機リチウム系のジ
エンゴムより劣るので、充分満足できる物性をもつもの
とはいえない。
【0003】また、特開昭63−178102号公報、
特開昭63−305101号公報にはランタノイド系遷
移金属を用いて、高シス含有量でかつ下記一般式(i)
【化2】RMX4−m (i) (式中、Rは炭素数30以下の炭化水素基、MはSn、
Ge、Siよりなる群から選ばれた元素、Xはハロゲン
又はアルコキシ基、mは0から3の整数である)で示さ
れる化合物を反応させて、発熱特性を改良したゴムを製
造しているが、分子量分布が広い重合体しか得られない
ため、十分に満足できるものではなかった。
【0004】近年になってCpTiCl(Cpは置換
または非置換シクロペンタジエニル基)等とメチルアル
ミノキサン(MAO)を用いてブタジエンを重合するこ
とにより高シス含有量のポリブタジエンを製造する方法
が特開平8−113610号公報に開示されている。こ
の方法によれば分子量分布が1.6〜2.0程度の比較
的分子量分布の狭いものが得られるが、 SnCl
と反応できるような触媒を使用することは記載されてい
ないし、またこれを示唆する記載もなく、リビング性に
ついても全く開示されていない。また、特開平10−0
07717号公報にはコバルト化合物とMAOを用いた
ゲル量の少ないブタジエンゴムが開示されているが、分
子量分布は2〜2.9の比較的分子量分布が広いものし
か得られておらず、また同様にリビング性やSnCl
等と反応できるという記述もない。
【0005】以上のように、従来の技術ではシス含有量
が高く、分子量分布が狭いポリブタジエン系重合体を製
造でき、かつSnClなどのカップリング剤と反応で
きる触媒系は見出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記課題
を解決するため鋭意研究を進めた結果、シス含有量が高
く、分子量分布が狭いポリブタジエン系重合体を製造で
き、かつSnClなどのカップリング剤と反応できる
触媒系を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明は、(1)分子量分布が2.1以下
であり、分子中に活性金属を有するジエン部分のシス含
有量40%以上であり、分子中の活性金属と下記一般式
(i)
【化3】RMX4−m (i) (式中、Rは炭素数30以下の炭化水素基、MはSn、
Ge、Siよりなる群から選ばれた元素、Xはハロゲン
又はアルコキシ基、mは0から3の整数である)で表さ
れるカップリング剤と反応して得られる金属(MはS
n、Ge、Siよりなる群から選ばれた元素)−炭素結
合を有する分子が、全分子中10%以上を占めるもので
あるカップリング処理されたジエン系ゴム重合体と
(2)それ以外のジエン系ゴム重合体を含有するカップ
リング処理されたジエン系ゴム組成物に関する。
【0008】本発明の前記(1)のジエン系ゴム重合体
の分子量分布は、通常1〜2.1であるが分子量分布が
過度に狭いと加工性に劣り、分布が過度に広いと発熱性
に劣る。その分子量分布は、好ましくは1.2〜2.
0、更に好ましくは1.3〜1.9である。
【0009】本発明の前記(1)のジエン系ゴム重合体
の平均分子量は過度に小さいと引っ張り強度に劣り、過
度に大きいと加工性に劣るので良くない。その平均分子
量は、好ましくは50,000〜5,000,000、
さらに好ましくは100,000〜2,500,000
である。
【0010】前記(1)のジエン系ゴム重合体における
ジエン部分のシス含有量が過度に低いと摩耗特性、屈曲
疲労性に劣るのでよくない。そのシス含有量は、好まし
くは50重量%以上であり、さらに好ましくは70重量
%である。
【0011】前記(1)のジエン系ゴム重合体は、たと
えば、(A)カルボニル基、スルフォニル基、エーテル
基、チオエーテル基から選ばれる少なくとも一種の原子
団を有する置換基を持つシクロペンタジエニル骨格を有
する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アルミノ
キサン、または、該遷移金属化合物(A)とを式αおよ
び式βを満たす条件で接触させてなる触媒の存在下に、
共役ジエン単量体または共役ジエン単量体およびそれと
共重合可能な単量体を重合させ、ついでそのリビング活
性金属末端にカップリング剤を反応させて、カップリン
グ処理された重合体を製造することができる。
【数1】 式α −100<T<80 式β 0.017<t<6000exp(−0.0921T)
【0012】(重合触媒)本発明で用いる共役ジエン重
合用触媒は、(A)カルボニル基、スルフォニル基、エ
ーテル基、チオエーテル基から選ばれる少なくとも一種
の原子団を有する置換基を持つシクロペンタジエニル骨
格を有する周期律表第IV遷移金属化合物と、(B)アル
ミノキサンまたは該遷移金属化合物(A)と反応してカ
チオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物と
からなるものであることができる。
【0013】上記の(A)成分であるカルボニル基、ス
ルフォニル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれ
る少なくとも一種の原子団を有する置換基を持つシクロ
ペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化
合物は、好ましくは下記一般式(ii)または一般式(ii
i)で示される周期律表第IV族遷移金属化合物であるこ
とができる。
【0014】一般式(ii)
【化4】 (式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、X、X、X
は水素原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素
基および炭素数1から12の炭化水素オキシ基よりなる
群からそれぞれ独立して選ばれた基、Yは水素原子また
は炭素数1から20の炭化水素基であって、それ自体シ
クロペンタジエニル基と環を形成していてもよく、
、Zは水素原子および炭素数1から12の炭化水
素基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基、Aは
酸素原子または硫黄原子、Rは水素原子、炭素数1か
ら12の炭化水素基、炭素数1から12の炭化水素オキ
シ基および炭素数1から12の炭化水素スルフィド基よ
りなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、nは
0から5の整数である。)
【0015】一般式(iii)
【化5】 (式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、X、X、X
は水素原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素
基および炭素数1から12の炭化水素オキシ基よりなる
群からそれぞれ独立して選ばれた基、Yは水素原子また
は炭素数1から20の炭化水素基であって、それ自体シ
クロペンタジエニル基と環を形成していてもよく、
、Zは水素原子および炭素数1から12の炭化水
素基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基、Aは
酸素原子または硫黄原子、Rは炭素数1から12の炭
化水素基であり、nは0から5の整数である。)
【0016】一般式(ii)または一般式(iii)で表さ
れる遷移金属化合物は、より好ましくは、ただ一個のシ
クロペンタジエニル基、アルキル、アリール、シクロア
ルキル基をなどの置換基を有するシクロペンタジエニル
基、または複数の融合した環状置換基を配位子として持
ついわゆるメタロセン化合物であり、かつ該配位子のシ
クロペンタジエニル基は>C=O構造、>C=S構造、
−C−O−C−構造および−C−S−C−構造から選ば
れる少なくとも一つの原子団を置換基の中に有している
化合物である。また、周期律表第IV族遷移金属(式中の
M)は、好ましくはTi、ZrまたはHf、より好まし
くはTiである。好ましいX、X、Xは、ハロゲ
ンとしては塩素原子、炭化水素基としてはメチル、ネオ
ペンチルなどのアルキル基、ベンジルなどのアラルキル
基、炭化水素オキシ基としてはメトキシ、エトキシ、イ
ソプロポキシなどのアルコキシ基、ベンジルオキシ基な
どのアラルキルオキシ基などが挙げられる。炭化水素オ
キシ基としてはアルコキシ基が好ましい。Yとしては、
例えば、水素原子、およびメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、
フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル
基などの他、トリメチルシリル基などの珪素原子を含有
する炭化水素基も含まれる。シクロペンタジエニル環に
結合したYは、このシクロペンタジエニル環とともに、
例えばインデニル基、フルオレニル基のような多環状基
を形成していてもよい。Z、Zとしては、例えば、
水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、フェニルなどの
アリール基、ベンジルなどのアラルキル基などが挙げら
れる。Rとしては、例えば、水素原子、炭化水素基と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチルなどのアルキル基、フェニルなどのア
リール基、ベンジルなどのアラルキル基、炭化水素オキ
シ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシなどのアルコキシ
基、フェニルオキシ基などのアリールオキシ基、ベンジ
ルオキシ基などのアラルキルオキシ基、炭化水素スルフ
ィド基としてはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオな
どのアルキルスルフィド基、フェニルチオ基などのアリ
ールスルフィド基、ベンジルチオ基などのアラルキルス
ルフィド基などが挙げられる。Rとしては炭化水素オ
キシ基が好ましく、中でもアルコキシ基が特に好まし
い。Rとしては、炭化水素基として、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなど
のアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルな
どのアラルキル基などが挙げられる。nとしては好まし
くは1または2、より好ましくは1である。
【0017】周期律表第IV族遷移金属化合物(A)の具
体例としては、一般式(ii)で示されるMeO(CO)
CHCpTiCl、MeO(CO)CH(Me)C
pTiCl、{3−[MeO(CO)CH]}(1
−Me)CpTiCl、一般式(iii)で示されるM
eOCHCHCpTiClなどが挙げられる(式
中のMeはメチル基、Cpはシクロペンタジエニル構造
を示す)。
【0018】一般式(ii)または(iii)で示される周
期律表第IV族遷移金属化合物の調製方法に特に制限はな
い。例えば、MeO(CO)CHCpTiClの場
合はMacromol.Symposia、1997
年、第118巻 55〜60頁の記載に基づいて、Me
OCHCHCpTiClの場合は特開平9−77
818号公報の記載に基づいてそれぞれ調製すればよ
い。
【0019】上記周期律表第IV族遷移金属化合物(A)
と組み合わせて用いるアルミノキサンは、下記一般式
(iv)で表される直鎖状または環状重合体状の有機アル
ミニウムオキシ化合物である。
【化6】[−Al(R)O−]n (iv) (Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルな
どのアルキル基が挙げられ、なかでもメチル基が好まし
い。 Rはハロゲン原子および/またはRO基で置
換されたものであってもよい。 Rは炭素数1〜10
の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げら
れ、なかでもメチル基が好ましい。 nは重合度であ
り、5以上、好ましくは10以上であり、上限に格別の
制限はないが、好ましくは100以下、より好ましくは
50以下である。)
【0020】遷移金属化合物(A)と反応してカチオン
性錯体を形成できるイオン性化合物としては、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアニオンと、
例えば(CHN(C)Hのような活性プ
ロトンを有するアミンカチオン、(C
ような三置換カルボニウムカチオン、カルボランカチオ
ン、メタルカルボランカチオン、遷移金属を有するフェ
ロセニウムカチオンとのイオン性化合物を用いることが
できる。
【0021】本発明においては、さらに、水素化金属化
合物、周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化合
物、有機金属ハロゲン化合物、水素化有機金属化合物な
どを併用して共役ジエン単量体を重合してもよい。水素
化金属化合物としては、例えば、NaH、LiH、Ca
、LiAlH、NaBHなどが挙げられる。主
元素金属の有機金属化合物としては、例えば、メチルリ
チウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジブチル
マグネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げ
られる。有機金属ハロゲン化合物としては、例えば、エ
チルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロ
ライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げら
れる。水素化有機金属化合物としては、例えば、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウ
ムハイドライドなどが挙げられる。
【0022】本発明における前記(1)のジエン系ゴム
重合体の製造用触媒は、前記触媒成分を適宜な担体に担
持して用いることができる。担体としては、無機化合物
または有機高分子化合物が挙げられる。無機化合物とし
ては、無機酸化物、無機塩化物、無機水酸化物などが好
ましく、少量の炭酸塩、硫酸塩を含有したものでもよ
い。特に好ましいものは無機酸化物であり、具体例とし
ては、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジル
コニア、カルシアなどを挙げることができる。これらの
無機酸化物は、平均粒子径が5〜150μm、比表面積
が2〜800m/gの多孔性微粒子が好ましく、例え
ば100〜800℃で熱処理したものを用いることがで
きる。有機高分子化合物としては、側鎖に芳香族環、置
換芳香族環、またはヒドロキシ基、カルボキシル基、エ
ステル基、ハロゲン原子などの官能基を有するものが好
ましい。有機高分子化合物の具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、ポリブテンなどの化学変成によって導
入された官能基を有するα−オレフイン単独重合体、α
−オレフイン共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、塩
化ビニル、ビニルアルコール、スチレン、ジビニルベン
ゼンなどの単独重合体、共重合体、さらにそれらの化学
変成物を挙げることができる。これらの有機高分子化合
物は、平均粒子径が5〜250μmの球状微粒子が用い
られる。なお、遷移金属化合物および/またはイオン性
化合物を担持することによって、触媒の重合反応器への
付着による汚染を防止することができる。
【0023】(単量体)本発明における前記(1)のジ
エン系ゴム重合体の製造に用いる共役ジエン単量体とし
ては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン,2−
クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエンなどが含まれる。共役ジエンの中
でも1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジ
エンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、または
2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に
1,3−ブタジエンを単独で用いることが好ましい。
【0024】また、本発明における前記(1)のジエン
系ゴム重合体を製造するために用いる単量体としては、
前記共役ジエン単量体のほかにこれらと共重合可能な単
量体を併用することができる。このような共重合可能な
単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチル
スチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、
p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル
−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレ
ン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル、エチレン、
プロピレン、1−ブテンなどのオレフイン、シクロペン
テン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネンなどの環状オレフイン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエンなどの非共役ジエン、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ルアミドなどが含まれる。
【0025】(共役ジエン重合体の重合方法)本発明に
おいては、上記遷移金属化合物(A)とアルミノキサン
および/または上記イオン性化合物(B)とを予め接触
(エージング)させた触媒の存在下に共役ジエン単量
体、または、共役ジエン単量体およびそれと共重合可能
な単量体を重合する。エージングを実施することによ
り、重合活性と開始剤効率が向上するだけでなく、得ら
れる重合体の分子量分布をさらに狭くすることができ
る。具体的には、以下のような(1)〜(7)の方法で
エージングと重合を実施するが、各成分が溶液である
(1)、(5)〜(7)が好ましく、(1)がもっとも
好ましい。
【0026】(1) (A)成分溶液と(B)成分溶液
を予め接触させた後、さらに単量体と接触させて重合を
行う。 (2) (A)成分溶液と(B)成分スラリーを予め接
触させた後、さらに単量体と接触させて重合を行う。 (3) (A)成分スラリーと(B)成分溶液を予め接
触させた後、さらに単量体と接触させて重合を行う。 (4) (A)成分スラリーと(B)成分スラリーを予
め接触させた後、さらに単量体と接触させて重合を行
う。 (5) (A)成分溶液と(B)成分溶液を接触させ、
さらに担体と接触させた後、生成した担持触媒を分離し
て、担持触媒と単量体を接触させて重合を行う。 (6) (A)成分溶液と担体を接触させた後、さらに
(B)成分溶液と接触させ、生成した担持触媒を分離し
て、担持触媒と単量体を接触させて重合を行う。 (7) (B)成分溶液と担体を接触させた後、さらに
(A)成分溶液と接触させ、生成した担持触媒を分離し
て、担持触媒と単量体を接触させて重合を行う。
【0027】(A)成分および(B)成分は、それぞ
れ、溶液、スラリーのいずれの状態のものでも使用可能
であるが、より高い重合活性を得るためには溶液状態の
ものが好ましい。溶液またはスラリーとして調製するた
めに用いる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒、また
は、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒であ
る。好ましい溶媒はトルエン、ベンゼンなどの芳香族炭
化水素である。
【0028】成分(A)と成分(B)の接触温度(T、
℃)は−100〜+80℃であり、−80〜+70℃が
好ましい。接触時間(t、分)は式
【数2】 0.017<t<6000exp(−0.0921T) を満たすことが好ましく、
【数3】 0.083<t<4000exp(−0.0921T) を満たすことがさらに好ましく、
【数4】 0.017<t<2000exp(−0.0921T) を満たすことが特に好ましい。80℃以上の高温では目
的のエージング効果が得られず、−100℃以下の低温
は経済性において不利である。式
【数5】t>6000exp(−0.0921T) のエージング時間では目的のエージング効果が得られ
ず、
【数6】0.017>t のエージング時間は現実的操作が困難である。
【0029】触媒の使用量は、通常、単量体1モル当り
上記遷移金属化合物(A)100〜0.01ミリモル、
好ましくは10〜0.1ミリモル、より好ましくは5〜
0.2ミリモルの範囲である。特定の重合温度を適用し
た場合に本発明の重合反応は、所謂、リビング重合系と
なる。したがって、生成する重合体の分子量は単量体に
対する遷移金属化合物の量比によって規制できる。ゴム
材料として好ましい重合体を得るために特に好ましい単
量体1モル当りの上記遷移金属化合物(A)の量は5〜
0.2ミリモルである。また、この触媒使用量の場合
に、特に狭い分子量分布を有する重合体が得られる。
【0030】アルミノキサン/遷移金属化合物のモル比
は通常10〜10,000、好ましくは100〜5,0
00、イオン性化合物/遷移金属化合物のモル比は、通
常0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。
さらに有機金属化合物を共用する場合には、有機金属化
合物/遷移金属化合物のモル比は通常0.1〜10,0
00、好ましくは1〜1,000である。
【0031】本発明における共役ジエン単量体、または
共役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体の重
合には、不活性炭化水素系溶媒中での溶液重合法、スラ
リー重合法、モノマーを希釈剤とするバルク重合法の
他、気相攪拌槽、気相流動床での気相重合法も採用でき
る。これらの方法の中では、リビング重合性の維持と狭
い分子量分布を有する重合体の製造の点で、溶液重合法
が好ましい。
【0032】重合温度は−100〜+100℃、好まし
くは−80〜+80℃、さらに好ましくは−60℃〜+
60℃である。リビング重合を進行させる観点および生
長反応に対する開始反応の速度を高めて分子量分布の狭
い重合体を製造する観点からはより低温であることが好
ましい。一方、製造コストの点からは極度の低温を採用
することは好ましくない。
【0033】重合時間は1秒〜360分、重合圧力は常
圧〜30kg/cmである。使用される不活性炭化水
素系溶媒は前述と同様のものである。
【0034】また、重合活性の向上、生成重合体の固体
触媒の形状保持、本重合反応容器への触媒導入の容易
さ、重合反応容器への触媒付着防止、気相反応容器中で
の流動性向上などを目的として、ブタジエン類を前記の
各種重合方法に従って、予め予備重合したものを本重合
で触媒として使用してもよい。
【0035】重合体の分子量を調節するために、連鎖移
動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、シ
ス−1,4−ポリブタジエンゴムの重合反応で一般に使
用されるものが用いられ、特に1,2−ブタジエンなど
のアレン類、シクロオクタジエンなどの環状ジエン類、
および、水素が好ましく使用される。
【0036】この共役ジエン系重合体の製造方法は、高
活性であることから効率よく重合体を製造できる。ま
た、特定の重合温度とするとリビング重合が進行するた
め、エージングにより高い開始剤効率が得られることと
の相乗効果により、所望の分子量と狭い分子量分布を有
する共役ジエン重合体を製造することができる。本発明
の共役ジエン重合体の製造方法で得られる重合体のう
ち、好ましい重合体は次のものである。
【0037】本発明における前記(1)のジエン系ゴム
重合体としての好ましい重合体は、1,3−ブタジエン
に由来する繰り返し単位が50%以上、好ましくは70
%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは9
0%以上の共重合体または1,3−ブタジエンの単独重
合体であり、最も好ましいのは、1,3−ブタジエンの
単独重合体である。ブタジエンに由来する繰り返し単位
が少なすぎると、シス結合が多いことに基づく好ましい
特性が損なわれる。
【0038】本発明における前記(1)のジエン系ゴム
重合体中における全繰り返し単位中のシス結合は40%
以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以
上である。シス結合が少な過ぎると引張強度の低下など
の問題が生じ、ゴムとして好ましい特性を失う。なお、
ここでいうシス結合とは1,4−シス結合のことであ
る。
【0039】本発明におけるジエン系ゴム重合体の重量
平均分子量(Mw)は20,000〜10,000,0
00、好ましくは20,000〜5,000,000、
より好ましくは50,000〜3,000,000、特
に好ましくは100,000〜2,000,000であ
る。分子量が小さすぎると機械的強度が低いなど高分子
としての物性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎ
ると成形が困難になるという問題を生じる。
【0040】本発明において重合反応が所定の転化率に
達した時点で実施するカップリング処理に用いるカップ
リング剤は下記一般式(i)
【化7】RMX4−m (i) (式中、Rは炭素数30以下の炭化水素基、MはSn、
Ge、Siよりなる群から選ばれた元素、Xはハロゲン
又はアルコキシ基、mは0から3の整数である)で示さ
れる化合物であり、その具体例としては、トリフェニル
スズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリブチルス
ズブロミド、トリブチルスズ、トリ−イソプロピルスズ
クロリド、ジフェニルスズクロリド、ジオクチルスズジ
クロリド、ジブチルジスズクロリド、フェニルスズトリ
クロリド、ブチルスズトリクロリド、四塩化スズなどの
スズ化合物、トリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブ
チルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウム
ジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリドなどのゲ
ルマニウム化合物、トリフェニルシランクロリド、トリ
ブチルシランクロリドなどのシラン化合物などを挙げる
ことができ、とりわけスズ化合物が好ましく、塩化スズ
化合物がより好ましく、四塩化スズが特に好ましい。
【0041】カップリング剤の使用量は、上記遷移金属
化合物(A)1モル当たり、通常、0.01〜1000
モル、好ましくは0.05〜100モル、より好ましく
は0.1〜10モルの範囲である。
【0042】カップリング剤は通常重合転化率が10%
を越えた時点で添加する。また、重合転化率が100%
に到達したならば速やかに添加する。100%重合転化
率到達後カップリング剤添加までに長時間をかけると、
生産効率が低下するばかりでなく、リビング活性金属の
失活によりカップリング成分含有率が低下する場合があ
る。
【0043】カップリング反応温度は特に限定されない
が、通常−100〜+100℃、好ましくは−80〜+
60℃、さらに好ましくは−70℃〜+40℃、特に好
ましくは−60〜+20℃である。カップリング反応時
間は通常1分〜300分である。
【0044】重合およびカップリング処理を停止するに
は、重合停止剤を添加することによって行われる。重合
停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコ
ール類が用いら、それらは塩酸などの酸を含有したもの
であっても良い。
【0045】重合反応停止後、重合体を回収する方法は
特に限定されず、例えば、スチームストリッピング法、
貧溶媒での析出などを用いればよい。
【0046】[前記(2)のその他のジエン系ゴム]前
記(1)のカップリング処理された重合体ゴムと配合さ
れるその他のジエン系ゴム(2)としては、格別限定は
ないが、通常のゴム業界で用いられるジエン系ゴムを使
用することができる。具体的には、例えば、天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重合ラン
ダムSBR(結合スチレン5〜50重量%、ブタジエン
結合単位部分の1,2−ビニル結合量10〜80%)、
高トランスSBR(ブタジエン結合単位部分の1,4−
トランス結合量70〜95%)、低シスポリブタジエン
ゴム(BR)、高シスBR、高トランスBR(ブタジエ
ン結合単位部分の1,4−トランス結合量70〜95
%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム(SIR)、ブ
タジエン−イソプレン共重合体ゴム、溶液重合ランダム
スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム(SIB
R)、乳化重合SIBR、乳化重合スチレン−アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニルSB
Rブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン
−ポリスチレンブロック共重合体などのブロック共重合
体等が挙げられ、要求特性に応じて適宜選択できる。こ
れらの中でも、NR、BR、IR、SBR、SIBRな
どが好ましい。特に好ましいのは、芳香族モノビニル単
量体単位0〜50重量%及び共役ジエン単量体単位50
〜100重量%を構成単位として有するジエン系ゴム重
合体である。これらのその他のゴムは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0047】前記カップリング処理された重合体(1)
と前記その他のゴム(2)の配合比は、カップリング処
理された重合体(1)10〜100重量部とその他のゴ
ム(2)90〜0重量部であることが、好ましくはカッ
プリング処理された重合体(1)10〜90重量部とそ
の他のゴム(2)90〜10重量部、より好ましくはカ
ップリング処理された重合体(1)30〜85重量部と
その他のゴム(2)70〜15重量部、特に好ましくは
カップリング処理された重合体(1)50〜80重量部
とその他のゴム(2)50〜20重量部である。
【0048】補強剤としては、特に制限はないが、例え
ば、シリカやカーボンブラックや炭酸カルシウム、酸化
アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物等を用いる
ことができる。
【0049】シリカとしては、特に制限はないが、例え
ば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボ
ン、コロイダルシリカ、及び特開昭62−62838号
公報に開示される沈降シリカなどが挙げられる。これら
の中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカ
ーボンが特に好ましい。これらのシリカは、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0050】シリカの比表面積は、特に制限はされない
が、窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜40
0m/g、好ましくは100〜250m/g、さら
に好ましくは120〜190m/gの範囲である時
に、補強性、耐摩耗性、発熱性及び加工性等の改善が十
分に達成され、好適である。ここで窒素吸着比表面積
は、ASTM D3037−81に準じBET法で測
定される値である。
【0051】カーボンブラックとしては、特に制限はな
いが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラッ
ク、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファ
イトなどを用いることができる。これらの中でも、特に
ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、
SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、
IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−L
S、FEF等の種々のグレードのものが挙げられる。こ
れらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
SA)は、特に制限はないが、通常5〜200m
g、好ましくは50〜150m/g、より好ましくは
80〜130m/gの範囲である時に、引張強度や耐
摩耗性が高いレベルで改善され好適である。
【0053】また、カーボンブラックのDBP吸着量
は、特に制限はないが、通常5〜300ミリリットル/
100g、好ましくは50〜200ミリリットル/10
0g、より好ましくは80〜160ミリリットル/10
0gの範囲である時に、引張強度や耐摩耗性が高いレベ
ルで改善され好適である。
【0054】カーボンブラックとして、特開平5−23
0290号公報に開示されるセチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイドの吸着(CTAB)比表面積が110〜
170m/gで24,000psiの圧力で4回繰り
返し圧縮を加えた後のDBP(24M4DBP)吸油量
が110〜130ミリリットル/100gであるハイス
トラクチャーカーボンブラックを用いることにより、耐
摩耗性をさらに改善できる。
【0055】表面改質カーボンとしては特開平10−7
929号公報のようにシリカの成分を含む複合カーボン
ブラックを用いるとより改質効果を向上することができ
る。
【0056】補強剤の配合割合はとくに制限はないが、
ゴム成分100重量部に対して、一般に5〜200重量
部、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは3
0〜120重量部を用いることができる。
【0057】本発明の目的を高度に達成するためには、
補強剤として、シリカ単独で、あるいはシリカとカーボ
ンブラックとを併用して用いることが好ましい。シリカ
とカーボンブラックとを併用する場合の混合割合は、用
途や目的に応じて適宜選択されるが、通常、シリカ:カ
ーボンブラックの重量比が10:90〜99:1、好ま
しくは30:70〜95:5、より好ましくは50:5
0〜90:10である。
【0058】本発明においてシランカップリング剤を添
加すると、発熱性や耐摩耗性がさらに改善されるので、
好適である。
【0059】シランカップリング剤としては、特に限定
はないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)
プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキ
シシリル)プロピル]ジスルフィド、及び特開平6−2
48116号公報に記載されるγ−トリメトキシシリル
プロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ
−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラス
ルフィドなどのテトラスルフィド類などを挙げることが
できる。これらは目的に応じて併用してもよく、シリカ
やカーボンブラックとあらかじめ反応してから用いても
よい。
【0060】これらのシランカップリング剤は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。シランカップリング剤の配合割合は、シリ
カ100重量部に対して、シランカップリング剤を通
常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、
さらに好ましくは2〜10重量部の範囲で使用する。
【0061】本発明のゴム組成物は、ほかにも、常法に
従って加硫剤、加硫促進剤、加硫活性化剤、老化防止
剤、活性剤、可塑剤、滑剤、充填剤等のその他の配合剤
をそれぞれ所望量含量することができる。
【0062】加硫剤としては、特に限定はないが、例え
ば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、
高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄など
のハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジターシャ
リブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;p−キノン
ジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム
などのキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘ
キサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレ
ンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミン化合
物;メチロール基をもったアルキルフェノール樹脂;な
どが挙げられ、これらの中でも、硫黄が好ましく、粉末
硫黄が特に好ましい。これらの加硫剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0063】加硫剤の配合割合は、ゴム成分100重量
部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは
0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量
部の範囲である。加硫剤の配合割合がこの範囲にある時
に、引張強度や耐摩耗性に優れるとともに、耐熱性や残
留ひずみ等の特性にも優れるので特に好ましい。
【0064】加硫促進剤としては、例えば、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N
−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンア
ミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトト
リルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニ
ジン系加硫促進剤;チオカルボアニリド、ジオルトトリ
ルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレ
ア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進
剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛
塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2
−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン
塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチア
ゾール等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチル
チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテト
ラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン
酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナト
リウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチ
オカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメ
チレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テル
ル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチ
オカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸
銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカ
ルバミン酸ジエチルアミン、ペンタメチレンジチオカル
バミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレンジチオカル
バミン酸ピペコリン等のジチオカルバミン酸系加硫促進
剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロ
ピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等
のキサントゲン酸系加硫促進剤;などの加硫促進剤が挙
げられる。
【0065】これらの加硫促進剤は、それぞれ単独であ
るいは2種以上を組み合わせて用いられるが、少なくと
もスルフェンアミド系加硫促進剤を含むものが特に好ま
しい。加硫促進剤の配合割合は、ゴム成分100重量部
に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.3
〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範
囲である。
【0066】加硫活性化剤としては、特に制限はない
が、例えばステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛な
どを用いることができる。酸化亜鉛としては、例えば、
表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ま
しく、かかる具体例としては、粒度が、例えば、0.0
5〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華
などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン
系の分散剤や湿潤剤で表面処理したものなどを用いるこ
とができる。
【0067】これらの加硫活性化剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
加硫活性化剤の配合割合は、加硫活性化剤の種類により
適宜選択される。高級脂肪酸を用いる場合、ゴム成分1
00重量部に対して、通常0.05〜15重量部、好ま
しくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5
重量部である。酸化亜鉛を用いる場合は、ゴム成分10
0重量部に対して、通常0.05〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量
部である。酸化亜鉛の配合割合がこの範囲にある時に、
加工性、引張強度及び耐摩耗性などの特性が高度にバラ
ンスされ好適である。
【0068】その他の配合剤の例としては、例えば、シ
ランカップリング剤以外のカップリング剤;ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイ
ル、アミノ基、水酸基などの極性基含有のシリコーンオ
イルなどの活性剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、タルク、クレーなどの充填剤;プロセス油、ワック
スなどが挙げられる。
【0069】本発明のゴム組成物は、常法に従って各成
分を混練することにより得ることができる。例えば、加
硫剤と加硫促進剤を除く配合剤とゴム成分を混合後、そ
の混合物に加硫剤と加硫促進剤を混合してゴム組成物を
得ることができる。加硫剤と加硫促進剤と除く配合剤と
ゴム成分の混合温度は、通常、80〜200℃、好まし
くは100〜190℃、さらに好ましくは140〜18
0℃であり、混合時間は、通常、30秒以上であり、好
ましくは1〜30分間である。加硫剤と加硫促進剤の混
合は、通常100℃以下、好ましくは室温〜80℃まで
冷却後行われ、その後、通常120〜200℃、好まし
くは140〜180℃の温度でプレス加硫した本発明の
ゴム組成物を得ることができる
【0070】以下に製造例、実施例および比較例を挙げ
て本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定さ
れるものではない。
【0071】製造例1 2−エチルヘキサン酸ネオジウム(Nd)3.6ミリモ
ル、トリエチルアルミニウム(TEA)105ミリモ
ル、ジイソブチルアルミニウムハライド(DiBAH)
40ミリモル、アセチルアセトン7.4ミリモルをシク
ロヘキサン20ミリリットルと1,3−ブタジエン20
ミリモルの入った100ミリリットルの耐圧ガラス封管
に添加して、40℃で30分熟成し、触媒を作製した。
ジャケット付き、攪拌器付き20リットルのオートクレ
ーブにモレキュラーシーヴ4Aで脱水した1,3−ブタ
ジエン2kgとシクロヘキサン8kgを入れて60℃に
した。この溶液にあらかじめ調整した前記触媒を添加し
て攪拌した。約2時間後の重合転化率は98%であった
ので、メタノールを10cc添加して重合を停止した。
老化防止剤としてイルガノックス1520をゴムに対し
て0.1重量%添加して、スチームストリッピング法で
脱溶媒したのち、真空乾燥して試料を得た。分子量特性
はGPCで測定し、ミクロ構造は赤外スペクトル(モレ
ロ法)で確認した。平均分子量は73万(ポリスチレン
換算)、Mw/Mn=3.2、シス含有量は97.5%
であった。なお、得られた重合体の物性を表2にまとめ
て示す。
【0072】製造例2(従来技術によるSn−C反応) 製造例1の重合停止前にSnClをNdに対して0.
25倍モル添加して30分反応させた。あとは製造例1
と同様にしてサンプルを得た。GPCにより高分子量成
分が増加していることから反応を確認した。Mw=12
3万、Mw/Mn=3.8、シス含有量は97.1%で
あった。なお、得られた重合体の物性を表2にまとめて
示す。
【0073】製造例3(従来技術によるSn−C重合
体) 製造例1の重合停止前に(CSnClをNd
に対して1倍モルの量を添加して30分反応させた。反
応率はGPCのUV(254nm)で吸収が有ることを
確認した。平均分子量Mw=72.8万、Mw/Mn=
3.3、シス含有量が96.9%であった。なお、得ら
れた重合体の物性を表2にまとめて示す。
【0074】製造例4(従来技術によるLi系BR重合
体) ジャケット付き、攪拌器付き20リットルのオートクレ
ーブにモレキュラーシーヴ4Aで脱水した1,3−ブタ
ジエン1.5kgとシクロヘキサン8kgを入れて70
℃にした。この溶液にテトラエチルエチレンジアミン
(TMEDA)0.1ミリモルとn−BuLi16.7
ミリモルよりなる触媒を添加して攪拌した。約30分後
の重合転化率はほぼ100%であった。この時点で、S
nClをLiに対して0.25モル添加して30分反
応した。その後メタノールを10cc添加して重合を停
止した。老化防止剤としてイルガノックス1520をゴ
ムに対して0.1重量%添加して、スチームストリッピ
ング法で脱溶媒したのち、真空乾燥して試料を得た。あ
とは製造例1と同様にしてポリマーを得た。ビニル量は
10.5%、シス含有量は32.8%であった。Mw=
57.5万、Mw/Mn=1.59であった。Sn−C
結合による分岐構造はGPCのRI検出器の高分子量と
低分子量の面積比により評価し、75%であった。な
お、得られた重合体の物性を表2にまとめて示す。
【0075】製造例5 内容積800ミリリットルの密封型耐圧ガラスアンプル
に、窒素雰囲気下で、トルエン200gとMAO(メチ
ルアルミノサン)33.5ミリモルのトルエン溶液(東
ソー・アクゾ社製)を仕込んだ。TiES(2−メトキ
シエチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン(Me
OCHCHCpTiCl、以下TiETと略す)
0.0335ミリモルのトルエン溶液を滴下し25℃
で10分エージングした。その後、−25℃としてブタ
ジエン100gとトルエン30gの溶液を添加してこの
温度で30分重合させた。続いて、SnClを8.4
ミリモル添加して、徐々に加熱して約30℃に30分保
った。 その後、少量の塩酸酸性メタノール溶液で重合
反応を停止し、次いで重合溶液を大量の酸性メタノール
に注ぎ込み、析出した白色固体をろ取、乾燥し、分岐状
ブタジエン重合体を得た。分析の結果、SnCl添加
前では分子量分布(Mw/Mn)=1.1、分子量は4
2万であり、反応後はバイモーダルとなり、Mw/Mn
=1.52、Mw=78.4万であり、シス含有量は9
3.2%、分岐率は40%であった。なお、得られた重
合体の物性を表2にまとめて示す。
【0076】製造例6 窒素置換した800ミリリットルのガラス製耐圧アンプ
ルにDiBAH(ジイソブチルアルミニウムハライド)
のヘキサン溶液(0.95M濃度)を320ミリリット
ルいれ、Nd−oct(オクテン酸ネオジウム)10ミ
リモルのヘキサン溶液を室温で滴下し、均一溶液となる
まで十分に反応させ、ついでトリブチルホスフィン(T
BH)を40ミリモル添加して約10分反応させ、第一
成分の触媒を得た。窒素置換されたガラス製アンプル
に、ブタジエン100gとシクロヘキサン400gをい
れた。触媒の第一成分(前記溶液のNdの当量として
0.09ミリモル)を添加し、ついで第二成分のDEA
C(ジエチルアルミニウムクロライド)を0.27ミリ
モル添加して、60℃にして重合を行った。60分後、
重合体はモノモーダルではあるが分子量分布は3.7
5と広いものであった。 SnClを0.002ミリ
モル(シクロヘキサン溶液)添加して60分反応させ
た。反応後はバイモーダルとなり反応が進行したことが
わかった。Mw/Mn=4.7とかなり分子量分布が広
いものしか得られなかった。なお、得られた重合体の物
性を表2にまとめて示す。
【0077】製造例7 ジャケット付き、攪拌器付き20リットルのオートクレ
ーブにモレキュラーシーブ4Aで脱水したスチレン40
0gと1,3−ブタジエン700gとを8000gのシ
クロヘキサンとともに投入して60℃にした。この溶液
にテトラエチルエチレンジアミン(TMEAD)20ミ
リモルとn−BuLi8ミリモル添加して攪拌した。重
合転化率が25%になったところでスチレン100gと
ブタジエン800gとの混合モノマーを50分にわたっ
て連続的に添加した。重合転化率は100%であったの
で、メタノールを10cc添加して重合を停止した。ス
チームストリッピング法で脱溶媒したのち、真空乾燥し
て試料を得た。分子量特性はGPCで測定し、ミクロ構
造は赤外スペクトル(ハンプトン法)で確認した。得ら
れた重合体の平均分子量は35万(ポリスチレン換
算)、Mw/Mn=1.1、スチレン量24.8%、
1,2ビニル量は50.8%であった。なお、得られた
重合体の物性を表2にまとめて示す。
【0078】製造例8 製造例7の重合停止前にSnClをLiに対して0.
1倍モル添加して30分反応させた後、N−フェニル−
2−ピロリドンをLiに対して0.7倍モル添加して、
30分反応させた。得られた重合体は、Mw/Mn=
1.65、Mw=70万、分岐率39.8%、末端変性
率59.9%であった。なお、得られた重合体の物性を
表2にまとめて示す。
【0079】実施例1、比較例1〜3 表4に示す重合体(ポリマー)および各添加剤の配合割
合(配合部数は重量部である)にしたがいゴム組成物を
製造した。
【0080】前記組成物を150℃で15分加硫した。
得られた補強剤含有ゴム架橋体の物性を表5に示す。な
お、以下の表中の物性は、下記の測定方法により測定し
たものである。反発弾性は、JIS K6301に準じ
て、リュプケ式反発弾性試験機を用いて測定した。30
0%引張応力は、JIS K6301に準じて、300
%応力(kgf/cm)を測定した。耐屈曲疲労指数
は、JIS K6301にしたがい、2mmの亀裂が1
5mmになるまでの回数を測定し、比較例3を100と
した相対指数で表示した。耐摩耗性は、ASTM D2
228にしたがい、ピコ摩耗試験機を用いて測定した。
これらの物性は、表5では比較例3を100とした相対
指数で、表6では実施例2を100とした相対指数で表
示した。加工性は、ゴム組成物のロールへの巻き付き性
を観察し、下記の基準で評価した。 ◎:非常によい。 ○:よい
【0081】
【表1】 Carbonは東海カーボン社製Seast116HM
である。1165MPはローヌプーラン社製、湿式沈降
シリカである。
【0082】
【表2】 Cat.:触媒 Bra.:カップリング剤 Mod.:変性率
【0083】
【表3】 プロセス油は富士興産社製商品名フッコールMを使用
し、加硫促進剤は三新化学社製の商品名サンセラーNS
を使用し、硫黄はメッシュ♯325を通過する粒径の硫
黄粉末を使用した。
【0084】
【表4】 ポリマー(i)、ポリマー(ii)は表5参照。プロセス
油は富士興産社製商品名フッコールMを使用し、加硫促
進剤は三新化学社製の商品名サンセラーNSを使用し、
硫黄はメッシュ♯325を通過する粒径の硫黄粉末を使
用した。1165MPはローヌプーラン社製、湿式沈降
シリカである。シランカップリング剤の項の8%とは補
強剤としてのシリカに対してのシランカップリング剤が
8重量%用いられたことを示す。シランカップリング剤
はデグッサ社の商品名Si69を用いた。
【0085】
【表5】 *1:BR1220は「Nipol BR1220」の
略で、日本ゼオン(株)の商品名であってシス含有量9
6.3%、Mw=430,000、Mw/Mn=2.8
である。 指数はいずれも比較例3を基準の100とした相対数で
ある。
【0086】実施例1と比較例1〜3との対比 物性値はすべて指数表示であり、比較例1を100とし
た数値であって、値が高いほど比較例1に比べて優れて
いることを示している。有機リチウムで作製した比較例
1と2の比較から、変性することにより反発弾性が向上
しているが、屈曲疲労性は良好な結果が得られないこと
が判る。また、比較例1では高シス含有量のため屈曲疲
労性は比較例2より優れているが、100%の変性がで
きないことおよび分子量分布が広いことにより、300
%の引張り応力および反発弾性が実施例1より劣ってい
ることが判る。実施例1のゴムはカップリング処理され
たジエン系ゴムを10重量%以上含有することで、発熱
特性、摩耗特性および疲労特性を改良できることが判
る。
【0087】実施例2〜5 本発明のカップリング処理されたジエン系ゴム重合体の
具体例である製造例6で得られた重合体と製造例1〜4
で得られたその他のゴムとのブレンド物を下記の混練方
法にしたがって作り、ブレンドするゴムの特徴について
検討を行った。ブレンドの組成割合は表5にしたがって
実施した。得られた混練物を実施例1と同様に加硫して
架橋体を得た。その物性は表6に示す。
【0088】混練方法 110℃に調整した0.25リットル容のバンバリーミ
キサーに表4に示す1回目の材料をいれて2分混練下
後、表4に示す2回目の配合剤をいれて更に2分混練し
た。ダンプアウトして室温まで冷却して、再び110℃
の温度のミキサーにいれて混練した。160℃に温度が
到達したときにダンプアウトして室温まで冷却した。5
0℃に調整したオープンロールで表4に示す3回目の配
合剤を添加して配合物を得た。
【0089】
【表6】 指数はいずれも実施例2を基準の100とした相対数で
ある。
【0090】表6に示すように、ブンレンドするゴムは
変性されている方が発熱特性において優れていることが
判る。また、ブレンドするゴムが分岐構造を持つ方が加
工性が向上していることが判る。さらに分岐と変性の両
方が行われているゴムをブレンドすると、加工性、摩耗
性、発熱性がバランスよく改良されていることが判る。
【0091】
【発明の効果】本発明のカップリング処理されたジエン
系ゴム重合体は分子量分布が狭く、変性率が高く、また
シス含有量が高いという優れた特性を有していることに
起因して加工性、摩耗性、発熱性のバランスがよいゴム
組成物を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 智啓 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4J002 AC021 AC022 AC031 AC032 AC081 AC082 AC121 AC122 FB071 FB081 FB091 FD010 FD140 FD150 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB08Q AB09Q AL03Q AM02Q AM15Q AR04Q AR11Q AR22Q AS01P AS02P AS03P AS04P AS07P AS11Q AU21Q CA01 CA04 CA15 CA31 DA04 HA53 HA55 HB29 HC83 HD07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)分子量分布が2.1以下であり、分
    子中に活性金属を有するジエン部分のシス含有量40%
    以上であり、分子中の活性金属と下記一般式(i) 【化1】RMX4−m (i) (式中、Rは炭素数30以下の炭化水素基、MはSn、
    Ge、Siよりなる群から選ばれた元素、Xはハロゲン
    又はアルコキシ基、mは0から3の整数である)で表さ
    れるカップリング剤と反応して得られる金属(MはS
    n、Ge、Siよりなる群から選ばれた元素)−炭素結
    合を有する分子が、全分子中10%以上を占めるもので
    あるカップリング処理されたジエン系ゴム重合体と
    (2)それ以外のジエン系ゴム重合体を含有するカップ
    リング処理されたジエン系ゴム組成物。
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