JP2000086425A - 美白剤およびこれを配合してなる美白用組成物 - Google Patents

美白剤およびこれを配合してなる美白用組成物

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JP2000086425A JP10299020A JP29902098A JP2000086425A JP 2000086425 A JP2000086425 A JP 2000086425A JP 10299020 A JP10299020 A JP 10299020A JP 29902098 A JP29902098 A JP 29902098A JP 2000086425 A JP2000086425 A JP 2000086425A
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whitening
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acid
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Teruyuki Kaneda
輝之 金田
Yoshikazu Inoue
良計 井上
Takeo Ishihara
健夫 石原
Takafumi Ishihara
隆文 石原
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BIZEN KASEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経口摂取や皮膚へ塗付しても安全性に問題な
く、皮膚のシミ、ソバカス、くすみ等を取り除き、色白
の肌を与える美白効果が優れた美白剤およびこれを配合
してなる美白用組成物を提供する。 【解決手段】 エイコサペンタエン酸および/またはド
コサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸を含むグリセロ
リン脂質含有油分を有効成分として含有してなる美白
剤。該油分は、好ましくは鶏卵、イカまたは魚卵を原料
として得る。また、前記美白剤を配合して食品、化粧
料、医薬品等の美白用組成物となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の脂質、より
詳しくはエイコサペンタエン酸(以下、EPAという)
および/またはドコサヘキサエン酸(以下、DHAとい
う)等の高度不飽和脂肪酸を含むグリセロリン脂質(以
下、単にリン脂質ということがある)含有油分を有効成
分としてなる美白剤、およびこれを配合してなる美白用
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体の毛髪や皮膚および粘膜の表皮基底
細胞層にはメラノサイトが存在する。メラノサイト内の
プレメラノソームでは、アミノ酸の一種であるチロシン
がチロシナーゼによって酸化作用を受け、ドーパ(3,
4−ジオキシフェニルアラニン)、ドーパキノン、ドー
パクロム、5,6−ジヒドロキシインドール等の中間体
を経て黒褐色の色素メラニンを生成する。メラニン色素
は沈着して肌のシミやソバカスを生じる原因となり、ま
た皮膚の色を褐色ないし黒色に変化させる。
【0003】かかるメラニン色素の生成を防止したり消
失を促進して肌の色を白くし、シミやソバカス等を取り
除いて美白効果を与える化粧料や医薬品が従来から提案
されている。その有効成分としてアスコルビン酸(特開
昭63−60911号、特開平1−254609号各公
報等)、ホモシステイン(特開昭63−132812号
公報)、ハイドロキノン誘導体(特開昭63−2463
11号公報)、コウジ酸(特公昭32−8100号、特
開平1−275524号各公報等)、グルタチオン等の
SH基含有物、アルブチン(特開昭63−8314号公
報)、プラセンタ、シアル酸および該誘導体(特開平1
−163112号公報)、コロイド硫黄等があり、ま
た、各種植物抽出成分(特開昭63−23809号、特
開平2−36113号、特開昭64−19014号各公
報等)も提案されている。
【0004】しかしながら、アスコルビン酸を配合した
ものは実用面で安定性に難点があり、ハイドロキノンや
コロイド硫黄等のように美白効果が十分でなかったり副
作用のあるものがあり、また動植物体から抽出した成分
は概して所望の効果が小さいものが多い。
【0005】ところで、EPAやDHAをはじめとする
高度不飽和脂肪酸は、例えばカツオやマグロ等の魚油、
卵黄の油に含まれており、また微細藻類や微生物の組織
中にも存在することが知られている。近年、脂質の生理
活性や薬理作用に関する研究が急速に進展し、EPAや
DHA等の高度不飽和脂肪酸は血中コレステロール低下
作用があり、虚血性心疾患の治療に有用であり、抗アレ
ルギー作用や血圧降下作用等があり、また視力を回復さ
せ、記憶や学習の効率を高め、脳細胞を活性化させて血
管性痴呆症やアルツハイマー症の老人性痴呆の症状を改
善するなど種々の機能が見い出され、食品や治療薬への
利用をはじめさまざまな用途への応用が提案されてい
る。
【0006】しかしながら、EPAやDHAのような高
度不飽和脂肪酸は不飽和度が高く、酸化安定性に難点が
あり、例えば、魚油から採取される高度不飽和脂肪酸の
主要形態であるグリセリドやこれを加水分解して得られ
る遊離脂肪酸の形態では空気との接触による酸化劣化が
著しく、所望の効果の発現が阻害されることもある。こ
れに対して、鶏卵の卵黄や魚卵等から採取される前記高
度不飽和脂肪酸はグリセリド以外にリン脂質の形態とし
ても存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明では、経口摂取したり皮膚や毛髪へ塗付しても安全
性に問題なく、メラニン含量を低減させ、皮膚のシミ、
ソバカス、くすみ等を取り除き、色白の肌を与える美白
効果が優れた美白剤およびこれを含む美白用組成物を提
供することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題の美白剤
は、高度不飽和脂肪酸を含むグリセロリン脂質含有油分
を有効成分としてなる美白剤によって達成される。ここ
に、当該油分中のグリセロリン脂質の含量は20重量%
以上であることが好ましく、高度不飽和脂肪酸はEPA
および/またはDHAであることが好ましく、さらには
DHAを5重量%以上含むものがより好ましい。また、
本発明において必須成分とするリン脂質は、動物性原料
または魚介類由来の原料から得られるものが望ましく、
動物性原料としては鶏卵の卵黄が好ましく、さらには鶏
卵がDHA含有油を添加した飼料で飼育された鶏の卵で
あることがより好ましく、魚介類由来の原料としてはイ
カまたは魚卵が好ましい。
【0009】本発明の美白組成物は前記いずれかの美白
剤を含んでなるものである。また、この美白組成物の望
ましい態様は食品、化粧品または医薬品である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の美白剤および美白用組成
物について以下にさらに詳述する。本発明の美白剤は、
高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質含有油分を有効成分と
してなることを特徴とするものである。本発明でいうリ
ン脂質とはグリセロリン脂質であって、具体的にはホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、
ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、
ホスファチジン酸およびこれらのリゾ体を例示できる。
本発明で用いるリン脂質はこれらの1種または2種以上
を含み、任意の割合の組成でよい。カルジオリピンやス
フィンゴミエリン等の他のリン脂質を含むものであって
もさしつかえない。かかるリン脂質は油分中20重量%
以上、より好適には30重量%以上含まれていることが
望ましい。20重量%未満では本発明の所望の効果が小
さくなる。
【0011】高度不飽和脂肪酸は、炭素数が18〜2
2、より好ましくは20〜22で、二重結合が3個以
上、より好ましくは4〜6個のものである。具体例とし
てα−リノレン酸、γ−リノレン酸、γ′−リノレン
酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、EPA、ドコ
サペンタエン酸、DHA等を挙げることができる。これ
らのうちEPAおよび/またはDHAがより好ましい。
さらに、高度不飽和脂肪酸としてDHAを総脂肪酸中5
重量%以上含有するものが好ましく、より好ましくは1
0重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上のもの
である。DHA含量が5重量%未満であると本発明の所
望の美白効果が発現しなくなる場合がある。
【0012】本発明で用いる油分に含まれるリン脂質の
構成脂肪酸は、前記の高度不飽和脂肪酸のほかに任意の
ものを含有していてもよい。かかる脂肪酸の例として
は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール
酸、共役リノール酸等がある。なお、飽和脂肪酸は美白
効果を奏するものではないので、本発明を実施するにあ
たっては、飽和脂肪酸の含有量を低減させることが望ま
しい。
【0013】本発明で用いるリン脂質含有油分は、動
物、植物、魚介類、藻類、微生物等を原料として採取す
ることができるが、EPAおよび/またはDHA含量の
多少、採取効率および作業性の容易性等の点から動物性
原料または魚介類由来の原料を選択することが望まし
い。動物性原料としては牛、豚、鶏、アザラシ、オット
セイ、セイウチ、トド等の各種動物臓器を使用でき、と
りわけ鶏卵の卵黄が好適であり、鶏卵のなかでもDHA
含有油を添加した飼料で飼育した鶏の卵がさらに好まし
い。
【0014】一般の鶏卵の卵黄中にはDHAが1個あた
り約60〜120mg含まれるが、例えば、DHAを2
0重量%以上含むDHA油を通常の飼料に約3〜6重量
%添加した配合飼料で鶏を飼育すると、その鶏卵は卵黄
1個あたり約200〜300mg、高い場合には約40
0mgのDHAを含有するようになる。本発明では、か
かるDHA高含有鶏卵を好適に使用でき、三重経済連の
「まんてんくん」、岡山経済連の「おりこうさん」、あ
じたまの「健脳卵」等の市販品を利用すればよい。な
お、卵黄はそのままでもよいが、保存や取扱い上の利便
性を考慮すると、乾燥卵黄、とりわけ水分含量が5重量
%以下のものを用いるのがよい。
【0015】魚介類由来の原料としては、カツオ、マグ
ロ、イワシ等のEPAおよび/またはDHAを含有する
魚体から搾油した原油、ケンサキイカ、コウイカ、マイ
カ、スルメイカ、ヤリイカ、ホタルイカ等のイカ組織お
よびこれらの皮、カツオやマグロ等の魚卵を例示でき
る。このうち、イカ組織から得られる油分は脂肪酸組成
として約10〜15重量%のEPAおよび約30〜45
重量%のDHAを含有しており、本発明において好適な
原料である。イカ皮も同様に高濃度のEPAおよびDH
Aを含有している。
【0016】前記原料から本発明に係るリン脂質含有油
分を得るには、圧搾法、煮とり法、抽出法等の常法によ
ればよい。抽出法の場合、例えば、ヘキサン、エーテ
ル、石油エーテル等の疎水性有機溶媒、または必要に応
じてこれにメタノール、エタノール、イソプロパノール
等の親水性アルコールを加えた混合溶媒を用い、常温で
もしくは加温して、常圧または加圧下、適宜に攪拌して
油分を抽出する。この抽出油分は一般に原油と称せら
れ、グリセリドを主成分とするものであるから、これに
水を添加して脱ガム処理し、分離したガム質区分を乾燥
してリン脂質含量が20〜60重量%のリン脂質含有油
分を得ることができる。あるいは前記親水性アルコール
の含水溶媒を用いて抽出すると、抽出物として前記同様
のリン脂質含有油分が得られる。なお、このリン脂質含
有油分にアセトン沈殿処理を施してリン脂質含量がさら
に高いリン脂質含有油分を得ることができ、また、シリ
カゲル等の吸着剤を充填したカラムクロマトグラフィー
処理に供することにより、リン脂質含量が90重量%以
上のリン脂質含有油分を得ることもできる。
【0017】このようにして得られるリン脂質含有油分
の望ましい態様は、リン脂質含量が該油分のうち20重
量%以上であり、リン脂質の構成脂肪酸としてEPAお
よびDHAを含み、とりわけDHAを5重量%以上含む
ものである。本発明に係るリン脂質含有油分において
は、高度不飽和脂肪酸がリン脂質の構成脂肪酸として含
有されているため、精製魚油等の高度不飽和脂肪酸グリ
セリドと比べて酸化安定性が優れ、戻り臭や不快臭がほ
とんどない。
【0018】本発明の美白剤は前述のようなリン脂質含
有油分を有効成分として含んでなるものであり、該油分
単独でも構成されるが、これに他の公知の美白作用を有
するもの、例えばアスコルビン酸、コウジ酸、アルブチ
ン、胎盤抽出物、フィトステロール、桂皮エキス、甘草
エキス、アミノ酸、ペプチド、蛋白質およびこの分解
物、ビタミンE、アロエ抽出物、霊芝抽出物、アシタバ
抽出物、システイン、オウゴンエキス、紫根エキス、グ
アバ葉エキス、ブドウ種子エキス、グルタチオン等およ
びこれらの誘導体を適宜に併用せしめてもよい。併用割
合は任意である。
【0019】なお、これらの併用物質がアスコルビン酸
パルミテート、フィトステロール、ビタミンE等のよう
に油溶性の場合は、本発明に係るリン脂質含有油分と混
合して均一状態となし、また、前記併用物質がアスコル
ビン酸、胎盤抽出物、グアバ葉エキス等のように水溶性
ないし水分散性の場合は、その乾燥粉末を本発明に係る
リン脂質含有油分と混練して分散状態にするか、水およ
び適宜に界面活性剤を共存させて乳化状態となす。本発
明の美白剤はかかる形態にすることもできる。
【0020】本発明は、また、前記美白剤を配合してな
る美白用組成物を提供するものである。すなわち、前述
のようにして得られる高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質
含有油分を有効成分として含有してなる美白剤は、これ
をそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えば
ジュース、清涼飲料、茶、スープ、ドレッシング、ゼリ
ー、プリン、ヨーグルト、ふりかけ、粉末スープやケー
キミックス等の粉末製品、パン、クッキー等に添加した
り、適宜にデキストリン等の賦型剤、香料、色素等とと
もにペレット、錠剤、顆粒、またゼラチン等で被覆して
カプセルに成形した健康食品や栄養補助食品等に加工す
ることができる。これらの食品類または食用組成物にお
ける本発明の美白剤の配合量は、当該食品や組成物の種
類や状態等により一律に規定しがたいが、おおむね0.
01〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%
である。配合量が0.01重量%未満では経口摂取によ
る美白効果が小さく、30重量%を超えると食品の種類
によっては風味を損なう場合がある。なお、本発明の美
白剤をそのまま食用に供してもさしつかえない。
【0021】本発明の美白用組成物の他の形態は化粧料
である。この化粧料は、本発明の美白剤とともに公知の
成分を適宜に配合し、常法によりクリーム、乳液、化粧
水、パック、パウダー製品、ボディーソープ、シャンプ
ー、ヘヤーリンス、ヘヤーコンディショナー、石鹸、整
髪製品等に仕上げることができる。本発明の美白剤の配
合量は、化粧料の種類や形態により異なるが、約0.0
1〜30重量%、よりましくは0.1〜20重量%であ
る。0.01重量%未満では美白効果がなく、30重量
%を上回ると処方の設計が困難になることがある。本発
明の化粧料は通常のものと同様に使用できる。
【0022】本発明の美白用組成物のさらに他の形態は
医薬品である。これは公知の賦型剤や添加剤とともに本
発明の美白剤を加えて、常法により製剤化し、錠剤、カ
プセル剤、顆粒剤、散剤、パップ剤、軟膏等に加工する
ことができる。経口摂取または皮膚に塗付して、肌のシ
ミやソバカスの治療をはじめメラニン色素過剰による諸
症状の改善あるいは予防のために適用する。前記製剤へ
配合する本発明の美白剤は、前述のような精製処理を施
して、高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質の含量をできる
だけ高めたものを使用するのが望ましく、その配合量は
約0.01〜10重量%である。経口摂取する場合の摂
取量はとくに限定されないが、有効成分である前記リン
脂質として、成人(体重50Kg)1日あたり0.01
〜5g、より好ましくは0.1〜1gである。この範囲
を外れて少ないと所望の効果を奏することが難しくな
り、逆に多すぎてもさらに顕著な効果は認められない。
【0023】
【実施例】実施例1 市販のDHA強化鶏卵(岡山経済連製、「おりこうさ
ん」、1個あたりの平均DHA含量:280mg)の卵
黄を乾燥した乾燥卵黄50Kgを抽出釜に仕込み、70
%(v/v)エタノール500Lを加え、40℃で2.
5時間、適宜ゆるやかに攪拌して抽出した。抽出液から
エタノールを減圧留去してペースト状物11Kgを得
た。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガ
スクロマトグラフィー(GLC)で測定した該ペースト
状物のリン脂質含量:54.7重量%、総脂肪酸中のD
HA含量:10.5重量%、EPA含量:1.5重量%
であり、さらに薄層クロマトグラフィーで分画したリン
脂質の構成脂肪酸中のDHA含量:11.2重量%、E
PA含量:1.1重量%であった。
【0024】実施例2 市販のスルメイカの表皮を剥ぎとり、凍結乾燥して乾燥
イカ皮をつくり、この10Kgに99%(v/v)エタ
ノール8Lを加え、60℃で2時間、実施例1と同様に
処理して抽出物2.3Kgを得た。これに20倍量(V
/W)のアセトンを加えて5℃にて12時間静置し、生
じた沈殿物を濾別した後、99%(v/v)エタノール
3Lに再溶解させ、この濾液からエタノールを減圧留去
してペースト状物1.6Kgを得た。実施例1と同様に
分析したところ、該ペースト状物のリン脂質含量:5
4.4重量%、総脂肪酸中のDHA含量:37.8重量
%、EPA含量:15.3重量%であり、リン脂質の構
成脂肪酸中のDHA含量:38.0重量%、EPA含
量:14.1重量%であった。
【0025】実施例3 カツオ卵を原料とし、80%(v/v)エタノールを用
いて、実施例2と同様に処理して得られたペースト状物
のリン脂質含量:35.5重量%、総脂肪酸中のDHA
含量:36.4重量%、EPA含量:5.9重量%であ
り、リン脂質の構成脂肪酸中のDHA含量:36.2重
量%、EPA含量:5.6重量%であった。
【0026】実施例4 マグロ卵を原料とし、90%(v/v)エタノールを用
いて実施例3と同様に処理して得られたペースト状物の
リン脂質含量:22.2重量%、総脂肪酸中のDHA含
量:31.2重量%、EPA含量:4.1重量%であ
り、リン脂質の構成脂肪酸中のDHA含量:32.5重
量%、EPA含量:4.6重量%であった。
【0027】比較例1 マグロの魚体(頭部および腹部の細断片)を圧搾法で搾
油して魚油の原油を得た。これを脱ガム処理し、リン脂
質含量:0.1重量%、総脂肪酸中のDHA含量:2
5.3重量%、 EPA含量:7.7重量%の精製魚油
を得た。
【0028】上記の実施例で調製した各リン脂質含有油
分および比較例で調製した精製魚油の美白作用を以下の
方法で試験した。 試験例1(メラニン量低減作用) 黒色マウス(C57BL/6J系、4週齢オス、8匹/
群)に固形飼料(日本クレア(株)製、CA−1)を給
餌し、試験物質(実施例1〜4の各リン脂質含有油分、
比較例1の精製魚油)については、ネジ口試験管に該試
験物質0.8gをとり、80℃に加温した蒸留水5ml
を加え、マイクロスパーテルをさしたままボルテックス
ミキサーで攪拌して乳化させた。マウス1匹当たり、こ
の溶液を0.5ml/日(摂餌量に対して2(W/V)
%に相当)、28日間連続経口投与した。また、陽性比
較試験としてウシ胎盤抽出プラセンタ粉末100mgに
蒸留水10mlを加えて懸濁溶液とし、これをマウス1
匹当たり0.5ml/日、同期間経口投与した。対照群
には前記試験溶液に代えて蒸留水を同条件で投与した。
投与終了翌日にマウス背部の被毛を刈り取り、小川らの
方法(小川忠丈、日皮会誌、第101巻、第10号、第
1109頁〜第1117頁、1991年.Oikawa
A.and Nakayasu M.,Yale
J.Biol.Med.,46,500−507,19
73)に準じて該被毛からメラニンを抽出乾固後、15
%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液に溶解
し、400nmにおける吸光度を測定して被毛(1mg
あたり)中のメラニン量を求めた。この結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】注1:表中の数値は平均値±標準誤差で表
示。プラセンタ投与群を除き、いずれの群も対照群に比
べて危険率5%で有意差あり(Student’s−t
検定)。
【0031】表1のデータから、対照群に比べて全ての
試験物質投与群およびプラセンタ投与群で被毛中のメラ
ニン量が減少することが認められ、各試験物質ごとの低
減率では、本発明に係るリン脂質含有油分(実施例1〜
4)の場合に極めて高いメラニン量低減効果が認められ
た。
【0032】試験例2(ドーパクロム生成阻害作用) 試験例1で用いた試験物質の各投与濃度において、メラ
ニンの前駆物質であるドーパクロムの生成阻害率を次に
述べる方法で求めた。すなわち、基質液(0.04%チ
ロシン溶液)、Mcllvarine緩衝液(pH6.
8)および、試験例1で調製した試験物質の所定濃度溶
液の各々1mlを吸光セルにとり、攪拌混和後35℃に
保ち、5分後に吸光度目盛りを波長475nmに合わせ
てゼロ補正を行った。次にチロシナーゼ溶液0.02m
lを加え、直ちに攪拌、35℃でインキュベートし、反
応開始10分後の吸光度を測定した。対照(蒸留水)の
反応開始10分後における吸光度をA、各試験物質の反
応開始10分後における吸光度をBとし、ドーパクロム
生成阻害率を該阻害率(%)=(A−B)/A ×10
0で算出した。この結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】注1:表中の数値は平均値±標準誤差で表
示。
【0035】表2において、試験物質を添加した場合は
いずれもドーパクロムの生成が阻害されることが明らか
になった。また、各試験物質ごとの阻害率を比較する
と、本発明に係るリン脂質含有油分(実施例1〜4)の
場合にドーパクロムの生成が強く抑制され、その阻害率
は精製魚油の場合に比べて大きいことが認められた。
【0036】実施例5 実施例2で得たリン脂質含有油分150mg、魚油13
0mg、ミツロウ15mgおよびビタミンE5mgを4
0℃に加温しながら十分に混合して均一な液状組成物を
調製した。これをカプセル製造機に供して1粒内容量が
300mgのゼラチン被覆カプセルを試作した。
【0037】試験例3 肌のシミ、ソバカス、色黒に悩みをもつ女性モニター
(25〜50歳、30名)に、実施例5で試作したカプ
セルを1日当たり3個、3カ月間試食してもらい、肌の
具合についての回答を集計したところ、表3に示すよう
に、本発明の高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質含有油分
を内容物とする食品を摂取することによって、顕著な肌
の美白効果が認められた。
【0038】
【表3】
【0039】実施例6 下記の処方でクリームを試作した。すなわち、成分
(A)を80℃に加熱して溶解し、同温で保持した。一
方、香料を除く成分(B)を85℃まで加熱し溶解さ
せ、攪拌しながらこれに前記成分(A)の溶解物を加
え、十分に混合した。その後、攪拌を続けながら冷却
し、香料を添加してクリームを試作した。
【0040】実施例7 バター150g、ショートニング250g、牛乳80g
および砂糖90gを家庭用ホイッパーでよく攪拌しなが
ら鶏卵90gを加えて十分に混合した後、小麦粉330
g、ベーキングパウダー2.5gおよび実施例1で得た
リン脂質含有油分5gを加えてさらに混捏した。次い
で、このドウを30分間ねかせた後、金型で50個に分
割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、高度不飽和脂肪酸を構
成脂肪酸として含むリン脂質含有油分を含んでなり、経
口摂取または皮膚に塗付することにより、毛髪、皮膚、
粘膜等の生体組織中のメラニン前駆物質であるドーパク
ロムの生成を抑制し、メラニン量を低減させることがで
き、肌のシミ、ソバカス、くすみ等を改善し、色白の肌
を与える、安全な美白剤が提供される。この美白効果
は、同種の高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含むグ
リセリドと比べて顕著なものである。さらに、本発明に
よれば、かかる美白剤を含む食用組成物、化粧料、医薬
品等の美白用組成物が提供され、該食用組成物は従来の
健康食品や栄養補助食品といった範疇のものに限定され
ることなく各種一般加工食品にも適用でき、また、美白
効果を奏する化粧品として活用でき、さらには医薬品と
しても利用できる。これらは皮膚の前記問題の予防ある
いは治療を目的とした利用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 隆文 岡山県赤磐郡熊山町徳富363番地 備前化 成株式会社内 Fターム(参考) 4B018 LB01 LB08 LE05 MD11 MD12 MD45 MD72 MD74 ME14 MF01 4C083 AA071 AA072 AA081 AA082 AC022 AC122 AC242 AC251 AC252 AC352 AC422 AC442 AC482 AD512 AD571 AD572 AD662 BB11 BB51 CC05 DD31 EE10 EE16 FF05 4C206 AA01 AA02 DA05 MA03 MA04 MA48 MA83 NA14 ZA89

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸を含むグリセロリン脂
    質含有油分を有効成分としてなる美白剤。
  2. 【請求項2】 グリセロリン脂質の含量が20重量%以
    上の油分である請求項1に記載の美白剤。
  3. 【請求項3】 高度不飽和脂肪酸がエイコサペンタエン
    酸および/またはドコサヘキサエン酸である請求項1ま
    たは2に記載の美白剤。
  4. 【請求項4】 高度不飽和脂肪酸としてドコサヘキサエ
    ン酸を5重量%以上含むものである請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の美白剤。
  5. 【請求項5】 グリセロリン脂質含有油分が動物性原料
    または魚介類由来の原料から得られるものである請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の美白剤。
  6. 【請求項6】 動物性原料が鶏卵の卵黄である請求項5
    に記載の美白剤。
  7. 【請求項7】 鶏卵が、ドコサヘキサエン酸含有油を添
    加した飼料で飼育された鶏の卵である請求項6に記載の
    美白剤。
  8. 【請求項8】 魚介類由来の原料がイカまたは魚卵であ
    る請求項5に記載の美白剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の美
    白剤を配合してなる美白用組成物。
  10. 【請求項10】 組成物が食品、化粧品または医薬品で
    ある請求項9に記載の美白用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070316A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nippon Meat Packers Inc 経口用組成物及び栄養補助食品
JP2009538826A (ja) * 2006-05-11 2009-11-12 レジェニクス エーエス 若返り用の細胞および細胞抽出物の投与

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