JP2000086392A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法

Info

Publication number
JP2000086392A
JP2000086392A JP10254168A JP25416898A JP2000086392A JP 2000086392 A JP2000086392 A JP 2000086392A JP 10254168 A JP10254168 A JP 10254168A JP 25416898 A JP25416898 A JP 25416898A JP 2000086392 A JP2000086392 A JP 2000086392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
single crystal
crucible
melt
pulling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10254168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4045666B2 (ja
Inventor
Shunji Kuragaki
俊二 倉垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP25416898A priority Critical patent/JP4045666B2/ja
Priority to US09/392,299 priority patent/US6258163B1/en
Publication of JP2000086392A publication Critical patent/JP2000086392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4045666B2 publication Critical patent/JP4045666B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/30Mechanisms for rotating or moving either the melt or the crystal
    • C30B15/305Stirring of the melt

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶成長方向および径方向の酸素濃度分布を均
一に制御するとともに、有転位化を防止して優れた品質
のシリコン単結晶を製造できる。 【解決手段】(1)坩堝の上下に対向配置される磁場発生
用コイル6を配して、引上げ軸に対して等軸対称のカス
プ磁場を印加しつつ結晶を引上げるチョクラルスキー法
によるシリコン単結晶の製造方法であって、単結晶の製
品直径を形成する直胴部の引上げ過程ではカスプ磁場強
度を一定とし、かつ上下コイルの中間部に存在する磁場
中心位置が溶融液の表面高さから一定の範囲になるよう
に制御することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法
である。 (2)上記(1)のシリコン単結晶の製造方法においては、カ
スプ磁場強度は300G〜600Gで一定であって、磁場中心
位置が溶融液の表面高さから-40mm〜-100mmの範囲にな
るように、または磁場中心位置が溶融液の表面高さから
坩堝内径に対して-7%〜-18%の範囲になるように制御
するのが望ましい。そして、坩堝の回転数を一定にする
のが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、坩堝内の溶融液に
磁場印加してチョクラルスキー法(以下、「CZ法」と
いう)によってシリコン単結晶の製造する方法に関し、
さらに詳しくは、カスプ磁場を引上げ軸に対して等軸対
称に印加して、結晶成長方向の酸素濃度分布を均一に制
御するとともに、有転位化を防止して優れた品質の単結
晶を引上げることができるシリコン単結晶の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】超々高集積回路に用いるシリコン単結晶
では、シリコン結晶中の酸素を酸化物として析出させ、
ウェーハ表面近傍において素子歩留を低下させる要因と
なる重金属不純物をゲッタする、いわゆるゲッタリング
技術が用いられている。このゲッタリング機能を十分に
発揮させるには、結晶中に酸素を均一に取り込むことが
重要である。
【0003】従来では、シリコン結晶中の酸素濃度を制
御するために、結晶の成長にともなって坩堝の回転速度
を変化させる方法や、酸素の溶け込み量を調整した石英
坩堝を用いて引上げを行う方法が試みられていた。しか
し、これらの方法では、単結晶の引上げの進捗に伴って
酸素濃度の低減化の傾向には対応することができるが、
引上げ開始直後に形成される結晶トップ側で高酸素濃度
への対応は困難であり、酸素濃度が規定外となる製品ロ
スを多く発生させ、製品歩留まりを低下させるという問
題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年のように、半導体
用デバイスの高機能化に対応して、基板に要求される酸
素濃度値が厳しく規定されるようになると、一層従来の
方法では対応が困難になる。しかも、最近導入される大
型の単結晶製造装置においては、単結晶の引上げ過程で
有転位化する現象が増加する傾向にあることから、この
有転位化の問題にも対応するため、単結晶の引上げに際
して、直流磁場を溶融液に印加する種々の方法が検討さ
れるようになる。
【0005】ところで、単結晶の引上げ過程における有
転位化に対する磁場印加の効果としては、溶融液に印加
された磁場が溶融液の対流を抑制することに基づくもの
であり、この対流抑制によって、坩堝表面からの石英の
溶け込みを抑えて、結果として結晶成長中の有転位化を
防止することができる(干川ら、応用物理、60,808,
(1991)参照)。さらに、磁場印加による対流抑制によ
って、石英坩堝の劣化を防止して、坩堝寿命を大幅に改
善できることが期待される。
【0006】上記の磁場を溶融液に印加する方法の中で
も、坩堝内の溶融液に引上げ軸を対称中心として半径方
向のカスプ磁場を印加する方法が注目されている。この
カスプ磁場を印加する方法では、反対方向に環状電流を
流す一対の磁石を坩堝の上方および下方に配置して、そ
の磁場中心位置において、互いに磁界が打ち消し合っ
て、垂直方向の垂直磁場強度が0(ゼロ)となり、半径
方向に水平磁場が形成される。このため、半径方向のカ
スプ磁場は、坩堝内の溶融液の流動を拘束して、溶融液
の安定化を図ることができる。すなわち、溶融液にカス
プ磁場を印加することによって、結晶が成長する固液界
面に隣接する溶融液の部分では対流を起こさせ、他の溶
融液の部分では対流を抑制することができるようになっ
て、酸素濃度等の均一化に有効な手段となる。
【0007】従来から、上述のカスプ磁場方法を前提と
して、単結晶の均質化を図る方法が種々提案されてい
る。例えば、持開平5−194077号公報では、シリコンロ
ッド中の酸素濃度および分布を調整するため、カスプ磁
場を印加するCZ法であって、所定の単結晶ロッド直径
が定まった後に、シリコン溶融物の固形化部分が増加す
るのに合わせて、坩堝の回転数を増加し、磁界の強度を
減少させるシリコン単結晶の製造方法が提案されてい
る。
【0008】提案された製造方法においては、引上げら
れる単結晶および坩堝の回転は反対方向であり、単結晶
が成長するとき、単結晶の回転速度は坩堝の回転速度よ
り大きい。単結晶が引上げられるのに伴って、坩堝の回
転速度が増加される。磁場は坩堝の底および側壁を垂直
に横切るような成分を有するように、坩堝内の溶融液に
印加される。単結晶の成長につれて、磁界の強度を減少
させ、坩堝の底および側壁を垂直に横切る磁界成分を減
少させる。そして、仕込み溶融液の約50〜80%が固化し
た後に、磁界を消すことになる。その後は、単結晶の回
転速度に対して、坩堝回転数を増加することによって酸
素含有量を調整することにしている。
【0009】この提案の製造方法では、磁場印加しない
方法では制御することが困難な単結晶トップ側の高酸素
濃度についても対応することが可能であり、所期の酸素
濃度およびその分布改善を達成することができる。しか
し、単結晶の成長にともなって磁界の強度を減少させ、
さらには消去させることから、磁場印加による有転位化
の抑制効果が不十分となる。このため、有転位化の発生
に伴う製品歩留まりの低下と同時に、石英坩堝の劣化を
防止して坩堝寿命を大幅に改善する効果が期待できなく
なる。また、単結晶の引上げの進捗に伴って坩堝の回転
数を増加させることから、結晶の外周域で極端に酸素濃
度が低下するので、結晶径方向の酸素濃度分布を均一に
できないという問題もあった。
【0010】他に、特開平7-61893号公報では、結晶を
育成する際に印加する磁場の大きさをマグネット数で制
御し、溶融液内の対流を完全に抑制することなく、坩堝
の回転軸に対して対称となるような流れに制御して、結
晶中の酸素濃度分布を均一にする育成方法が開示されて
いる。すなわち、坩堝内の物質輸送は、磁場の対流抑制
効果による拡散支配となることもなく、また、渦発生を
伴うことのない「制御された対流」が形成され、その結
果、結晶の成長方向および垂直方向に均一に酸素が取り
込まれ、いずれの方向にも均一な酸素濃度を有するシリ
コン単結晶を得ることができるとしている。
【0011】本発明者らは、上記で開示される育成方法
の効果を確認するため、直径560mmの石英坩堝を用いた
ホットゾーンで、8インチシリコン単結晶の育成を試み
たが、何らその効果を確認することができなかった。換
言すれば、今回開示された育成方法で採用される育成条
件は、小径坩堝を使用した場合等の極めて汎用性のない
特別な条件でのみ成立する条件に過ぎない。さらに、こ
の育成方法で用いられる溶融液の対流測定は著しく煩雑
なものであり、実際の操業を考慮した場合、膨大な労力
を要することになる。したがって、特開平7-61893号公
報で開示される育成方法は、普遍的な単結晶の製造法と
して採用することができない。
【0012】本発明は、上述したような結晶中の酸素濃
度を調整するため、カスプ磁場を印加するCZ法での問
題に鑑みて開発されたものであり、磁場中心位置を溶融
液の表面高さからの位置を特定することによって、結晶
成長方向および結晶径方向の酸素分布を均一に制御し、
さらに結晶成長中の有転位化を防止して、優れた品質の
シリコン単結晶を製造する方法を提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、カスプ磁場を印加したCZ法による単
結晶の製造方法を種々検討した結果、単結晶直胴部の引
上げ過程においてカスプ磁場強度を一定にした場合であ
っても、カスプ磁場での垂直方向の磁場が打ち消し合う
磁場中心位置を溶融液の表面高さから所定の条件で維持
することにより、結晶成長方向の酸素分布を均一に制御
できることを知見した。しかも、引上げ過程においてカ
スプ磁場強度を一定にするものであることから、結晶成
長中の有転位化を防止することができるとともに、坩堝
寿命を大幅に改善することが可能になる。また、単結晶
の引上げ進捗に伴い坩堝の回転数を増加させることな
く、常に回転数が一定であることから、結晶径方向の酸
素濃度分布を均一に制御することが可能になる。
【0014】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものであり、後述する図1に示すような装置を用いる
方法であって、下記の(1)および(2)のシリコン単結晶の
製造方法を要旨としている。
【0015】(1)坩堝の上下に対向配置される磁場発生
用コイル6を配して、前記坩堝内の溶融液4に引上げ軸
に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上
げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方
法であって、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上
げ過程ではカスプ磁場強度を一定とし、かつ上下コイル
の中間部に存在する磁場中心位置が溶融液の表面高さか
ら一定の範囲になるように制御することを特徴とするシ
リコン単結晶の製造方法である。
【0016】(2)上記(1)のシリコン単結晶の製造方法に
おいては、磁場中心位置が溶融液の表面高さから-40mm
〜-100mmの範囲になるように、または磁場中心位置が溶
融液の表面高さから坩堝内径に対して-7%〜-18%の範
囲になるように制御するのが望ましい。さらに、引上げ
過程で一定に制御されるカスプ磁場強度については、30
0G〜600Gにするのが望ましい。また、引上げ過程にお
いて、坩堝の回転数を一定にするのが望ましい。
【0017】本発明において、坩堝内の溶融液に印加さ
れるカスプ磁場は、対向配置される磁場発生用コイルの
中心軸を引上げ軸と合致させ、引上げ軸に対して等軸対
称の磁界を印加させるものである。また、磁場の印加は
少なくとも、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上
げ過程であればよく、ネック部およびショルダー部の形
成の際にカスプ磁場を印加しなくてもよい。
【0018】本発明で規定するカスプ磁場強度は、磁場
中心位置における坩堝側壁での半径方向の水平磁場の強
度で示している。また、磁場中心位置は溶融液の表面高
さを基準としており、表面より下方に位置する場合は−
(マイナス)表示している。したがって、「-40mm」と
表示する場合は溶融液の表面高さから下方に40mmの位置
であり、「坩堝内径に対して-7%」と表示する場合
は、使用する坩堝内径から換算される距離量だけ溶融液
の表面高さから下方に位置することを示している。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のシリコン単結晶
の製造方法が適用される製造装置の構造を模式的に説明
する図である。ここで、結晶原料となるシリコンは溶融
状態で坩堝1内に保持され、種結晶3を溶融液4の表面
に接した状態にして回転させ、種結晶3に凝固成長する
速度に合わせて上方に引上げ、成長させて所定直径の単
結晶5を得る。溶融液を入れる石英坩堝1aは、外側支持
用の黒鉛坩堝1bの内側に嵌合されており、この坩堝1は
その中心軸を引上げ軸と一致させて、回転軸11によって
全体をその周りに回転させることができ、さらに上下に
移動させることができる。坩堝1の中心軸の上方には、
引上げ可能なワイヤからなる引上げ装置7が配置されて
いる。坩堝1の外側には、加熱用のヒーター2、および
さらに外側には保温材10が同心円状に配置され、これら
全体が外気を遮断できるチャンバー8およびプルチャン
バー9内に収容されている。
【0020】坩堝1を介して、上方および下方に相対向
するように磁場印加用のコイル6を一対設けている。一
対の上部コイル6aおよび下部コイル6bには互いに逆向き
に回る電流を流すことによって、坩堝内の溶融液4の部
分にカスプ磁場を形成する。図中では、「・」は紙面か
ら出てくる電流の流れを示し、「×」は紙面に入ってい
く電流の流れを示している。
【0021】このように磁場印加用コイル6を構成する
ことによって、カスプ磁場中心位置、すなわち、磁場中
心点Xの位置では、互いの磁界が打ち消し合って、垂直
方向のカスプ磁場強度は0(ゼロ)となる。磁場中心点
Xから外れた位置では垂直方向の磁場は存在し、半径方
向に向かっては、水平磁場が形成されることになる。
【0022】前記図1に示す製造装置を用いて、磁場中
心位置およびカスプ磁場強度の条件に対応する結晶成長
方向の酸素濃度の分布状況を広範囲にわたって調査し
た。その結果、カスプ磁場強度を引上げ過程において一
定に維持する場合であっても、磁場中心位置を溶融液の
表面高さとの関係で適切に制御することによって、酸素
濃度を結晶成長方向に均一に制御できることが明らかに
なる。
【0023】すなわち、磁場中心位置を溶融液の表面高
さに対して所定の範囲内に制御することによって、溶融
液に印加される磁場を調整でき、引上げ過程の開始から
終了に至るまで酸素濃度の均一化が図れる。溶融液に印
加される磁場の作用として、石英坩堝からの酸素の溶け
込みと、溶融液表面からの酸素蒸発を制御できることは
知られている。具体的には、溶融液表面を垂直に横切る
磁場成分は酸素の蒸発を抑制し、石英坩堝を垂直に横切
る磁場成分は酸素の溶け込みを抑制し、これと同時に、
溶融液の粘性にも影響を及ぼし、溶融液中の対流も制御
することができる。したがって、磁場中心位置を調整す
ることによって、溶融液表面を横切る磁場成分、石英坩
堝を横切る磁場成分、および溶融液中の対流に影響を及
ぼすカスプ磁場強度を任意に制御できることになり、そ
れがバランスして結晶成長方向の酸素濃度を一定に制御
できることとなる。
【0024】上記の磁場中心位置の調整範囲を確認する
ため、110Kgの多結晶シリコンを有効内径560mmの石英坩
堝に投入して、充分に溶解した後、直径8インチのシリ
コン単結晶を製造した。引上げに際しては、主な条件は
結晶回転数を12rpm、坩堝回転数を6rpmで一定として、
チャンバー内は圧力25TorrでAr流量は30リットル/分と
した。引上げ過程でのカスプ磁場強度は、300G〜600G
の範囲で一定とした。前述の通り、ここでいうカスプ磁
場強度は、磁場中心位置における坩堝側壁での水平磁場
の強度としている。
【0025】図2〜図4は、引上げ過程でのカスプ磁場
強度を一定とした場合における磁場中心位置と結晶成長
方向の酸素濃度分布との関係を示す図であり、磁場中心
位置を溶融液の表面高さ(0mm)から-100mmの範囲まで
変化させている。
【0026】図2はカスプ磁場強度を300G(ガウス)
一定とした場合であり、基準となる酸素濃度は14×1017
atoms/cm3で、バラツキの範囲は1.0×1017atoms/cm3
下を目安としている。また、図3はカスプ磁場強度を45
0G一定とした場合であり、酸素濃度の基準は10.7×10
17atoms/cm3で、バラツキの範囲は0.5×1017atoms/cm3
以下を目安としている。さらに、図4はカスプ磁場強度
を600G一定とした場合を示しているが、基準となる酸
素濃度を9×1017atoms/cm3として、酸素濃度のバラツ
キの範囲は0.5×1017atoms/cm3以下を目安としている。
通常、デバイスメーカーから要求される単結晶中の酸素
濃度は9〜14×1017atoms/cm3レベルであるが、さらに
製品歩留まりや各社ユーザー仕様を勘案して、それぞれ
の酸素濃度目標値に対して、酸素濃度のバラツキ幅は1.
0×1017atoms/cm3以下で制御する必要がある。
【0027】図2〜図4に示す結果から、磁場中心位置
が溶融液の表面高さから-40mm〜-100mmの範囲になるよ
うに制御するのが望ましいことが分かる。さらに、磁場
中心位置を溶融液の表面高さから-60mm〜-80mmにするの
が一層望ましい。また、磁場中心位置を使用した坩堝寸
法との関係で規定する場合には、溶融液の表面高さから
坩堝内径に対して-7%〜-18%の範囲になるように制御
するのが望ましい。
【0028】表1は、上記図2〜図4の結果から推定さ
れる最適条件を整理したものである。具体的には、カス
プ磁場強度を一定にした場合に結晶成長方向の酸素濃度
分布が最も安定する磁場中心位置と、基準となる酸素濃
度を示している。
【0029】
【表1】
【0030】このような結果から、本発明の製造方法で
は、酸素濃度が9×1017atoms/cm3〜14×1017atoms/cm3
の範囲にある場合には、結晶成長方向にわたって均一に
制御できることが分かる。しかも、従来の製造方法に比
べて、引上げ過程においてカスプ磁場強度を変動させる
必要がないことから、単結晶の有転位化防止に有効であ
る。
【0031】
【実施例】以下に、本発明のシリコン単結晶の製造方法
の効果を、実施例に基づいて説明する。
【0032】(本発明例)図1に示す製造装置を用い
て、110Kgの多結晶シリコンを有効内径が560mmの石英坩
堝に投入して、充分に溶解した後、直径8インチのシリ
コン単結晶を製造した。引上げ条件は結晶回転数を12rp
m、坩堝回転数を6rpmとして、チャンバー内は圧力25To
rrでAr流量は30リットル/分とした。引上げ過程でのカ
スプ磁場強度は500Gで一定として、磁場中心位置は常
時溶融液の表面高さから-73mmの位置とした。
【0033】図5に本発明例の結果を示しているが、基
準となる酸素濃度10×1017atoms/cm3に対して、0.25×1
017atoms/cm3のバラツキで制御できることを示してい
る。また、10回にわたり同様の条件で引上げを繰り返し
たが、単結晶の有転位化は発生しなかった。
【0034】(比較例)前述の特開平5-194077公報で
提案された製造方法と同様に、直径8インチの単結晶の
直胴部の引上げ後に、坩堝の回転数を5rpmから10rpmに
増加し、磁界強度を当初500Gから0Gに減少させて、1
0回の引上げを実施した。この結果、図5に示すよう
に、結晶成長方向の酸素濃度バラツキは、酸素濃度目標
値10×1017atoms/cm3のに対して、酸素濃度のバラツキ
幅は±1.0×1017atoms/cm3以下で制御できたが、3回は
単結晶直胴部の後半で、1回はティル部形成中に有転位
化を生じた。
【0035】合計4回の有転位化は、引上げ過程におけ
る実質的な磁場印加の時間が短いことに起因して、石英
坩堝の表面劣化の防止効果が低下したことによる。この
ような弊害は、今後の引上げ用坩堝の大型化に伴い、ま
すます顕在化していくことになる。
【0036】図6は、本発明例および比較例における結
晶径方向での酸素濃度分布を示す図である。比較例にお
ける酸素濃度分布は、磁界強度が0G(ガウス)で、坩
堝の回転数が8rpmの条件での径方向分布を示してい
る。図6から明らかなように、比較例では単結晶の外周
域で酸素濃度の低下が見られるのに対し、本発明例では
坩堝回転数を増加させないことから、単結晶の外周部域
での酸素濃度の低下が抑制されて、結晶径方向に酸素濃
度分布が均一な単結晶が得られることが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明のシリコン単結晶の製造方法によ
れば、カスプ磁場を印加するCZ法に適用され、上下コ
イルの中間部に存在する磁場中心位置を溶融液の表面高
さからの位置を特定することによって、結晶成長方向お
よび結晶径方向の酸素濃度分布を均一に制御し、さらに
結晶成長中の有転位化を防止して、優れた品質のシリコ
ン単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶の製造方法が適用され
る製造装置の構造を模式的に説明する図である。
【図2】引上げ過程でのカスプ磁場強度を300G一定と
した場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃
度分布との関係を示す図である。
【図3】引上げ過程でのカスプ磁場強度を450G一定と
した場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃
度分布との関係を示す図である。
【図4】引上げ過程でのカスプ磁場強度を600G一定と
した場合における磁場中心位置と結晶成長方向の酸素濃
度分布との関係を示す図である。
【図5】本発明例および比較例における結晶成長方向の
酸素濃度分布を示す図である。
【図6】本発明例および比較例における結晶径方向での
酸素濃度分布を示す図である。
【符号の説明】
1:坩堝、 1a:石英るつぼ、1b:黒鉛坩堝、 2:加
熱ヒーター 3:種結晶、 4:溶融液 5:単結晶、 6:コイル 6a:上部コイル、 6b:下部コイル 7:引上げ装置、 8:チャンバー 9:プルチャンバー、 10:保温材 11:回転軸 X:磁場中心点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝の上下に対向配置される磁場発生用コ
    イルを配して、前記坩堝内の溶融液に引上げ軸に対して
    等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上げるチョ
    クラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であっ
    て、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過程で
    はカスプ磁場強度を一定とし、かつ上下コイルの中間部
    に存在する磁場中心位置が溶融液の表面高さから一定の
    範囲になるように制御することを特徴とするシリコン単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】上記磁場中心位置が溶融液の表面高さから
    -40mm〜-100mmの範囲になるように制御することを特徴
    とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】上記磁場中心位置が溶融液の表面高さから
    坩堝内径に対して-7%〜-18%の範囲になるように制御
    することを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の
    製造方法。
  4. 【請求項4】上記引上げ過程において、一定に印加され
    るカスプ磁場強度が300G(ガウス)〜600G(ガウス)
    であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶
    の製造方法。
  5. 【請求項5】上記引上げ過程において、坩堝の回転数が
    一定であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単
    結晶の製造方法。
JP25416898A 1998-09-08 1998-09-08 シリコン単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP4045666B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25416898A JP4045666B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 シリコン単結晶の製造方法
US09/392,299 US6258163B1 (en) 1998-09-08 1999-09-08 Method for producing silicon single crystal

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25416898A JP4045666B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 シリコン単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000086392A true JP2000086392A (ja) 2000-03-28
JP4045666B2 JP4045666B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=17261187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25416898A Expired - Fee Related JP4045666B2 (ja) 1998-09-08 1998-09-08 シリコン単結晶の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6258163B1 (ja)
JP (1) JP4045666B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001063027A1 (fr) * 2000-02-28 2001-08-30 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd Procede de preparation d'un monocristal de silicium et monocristal de silicium obtenu
JP2009221060A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Covalent Materials Corp シリコン単結晶の引上げ方法
JP2009269802A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶の製造方法および単結晶の製造装置
JP2013023415A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Covalent Materials Corp 単結晶引上方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3775776B2 (ja) * 1999-09-20 2006-05-17 ユニオンマテリアル株式会社 単結晶の製造方法
DE10259588B4 (de) * 2002-12-19 2008-06-19 Siltronic Ag Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung eines Einkristalls aus Silicium
KR100840751B1 (ko) * 2005-07-26 2008-06-24 주식회사 실트론 고품질 실리콘 단결정 잉곳 제조 방법, 성장 장치 및그로부터 제조된 잉곳 , 웨이퍼
KR100827028B1 (ko) * 2006-10-17 2008-05-02 주식회사 실트론 쵸크랄스키법을 이용한 반도체 단결정 제조 방법, 및 이방법에 의해 제조된 반도체 단결정 잉곳 및 웨이퍼

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58217493A (ja) 1982-06-11 1983-12-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 単結晶の引上方法
JPS61222984A (ja) 1985-03-28 1986-10-03 Toshiba Corp 単結晶の製造装置
JP2592244B2 (ja) 1987-04-03 1997-03-19 日本電信電話株式会社 均一結晶の育成装置
GB8805478D0 (en) 1988-03-08 1988-04-07 Secr Defence Method & apparatus for growing semi-conductor crystalline materials
JPH01282185A (ja) 1988-05-09 1989-11-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 結晶の育成方法
US5178720A (en) 1991-08-14 1993-01-12 Memc Electronic Materials, Inc. Method for controlling oxygen content of silicon crystals using a combination of cusp magnetic field and crystal and crucible rotation rates
JP2827833B2 (ja) 1993-08-26 1998-11-25 日本電気株式会社 単結晶育成法
JPH10114597A (ja) * 1996-08-20 1998-05-06 Komatsu Electron Metals Co Ltd 単結晶シリコンの製造方法およびその装置
GB9617540D0 (en) * 1996-08-21 1996-10-02 Tesla Engineering Ltd Magnetic field generation

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001063027A1 (fr) * 2000-02-28 2001-08-30 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd Procede de preparation d'un monocristal de silicium et monocristal de silicium obtenu
US6592662B2 (en) 2000-02-28 2003-07-15 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for preparing silicon single crystal and silicon single crystal
JP2009221060A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Covalent Materials Corp シリコン単結晶の引上げ方法
JP2009269802A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶の製造方法および単結晶の製造装置
JP4725752B2 (ja) * 2008-05-09 2011-07-13 信越半導体株式会社 単結晶の製造方法
JP2013023415A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Covalent Materials Corp 単結晶引上方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6258163B1 (en) 2001-07-10
JP4045666B2 (ja) 2008-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW219955B (ja)
KR101009074B1 (ko) 가변 자기장을 사용한 성장 실리콘 결정의 용융물-고체 계면 형상의 제어
US20100101485A1 (en) Manufacturing method of silicon single crystal
KR100793950B1 (ko) 실리콘 단결정 잉곳 및 그 성장방법
US7282095B2 (en) Silicon single crystal pulling method
KR101304444B1 (ko) 자기장을 이용한 반도체 단결정 잉곳 제조 장치 및 방법
JP2001158690A (ja) 高品質シリコン単結晶の製造方法
JP2009114054A (ja) 酸素濃度特性が改善した半導体単結晶の製造方法
JPH076972A (ja) シリコン単結晶の成長方法及び装置
JP4045666B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4710247B2 (ja) 単結晶製造装置及び方法
JP2688137B2 (ja) シリコン単結晶の引上げ方法
US11214891B2 (en) Apparatus for growing single crystalline ingot and method for growing same
JP4151148B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2004189559A (ja) 単結晶成長方法
JP4013324B2 (ja) 単結晶成長方法
JP3132412B2 (ja) 単結晶引き上げ方法
JP3758381B2 (ja) 単結晶製造方法
KR100869940B1 (ko) 실리콘 단결정 잉곳의 제조방법
KR100221087B1 (ko) 실리콘 단결정 성장 방법 및 실리콘 단결정
JP4801869B2 (ja) 単結晶成長方法
EP1365048B1 (en) Method for fabricating silicon single crystal
KR100829061B1 (ko) 커습 자기장을 이용한 실리콘 단결정 성장 방법
WO2007007479A1 (ja) 単結晶の製造方法
JPH08333189A (ja) 結晶引き上げ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees