JPH01282185A - 結晶の育成方法 - Google Patents

結晶の育成方法

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JPH01282185A
JPH01282185A JP11228888A JP11228888A JPH01282185A JP H01282185 A JPH01282185 A JP H01282185A JP 11228888 A JP11228888 A JP 11228888A JP 11228888 A JP11228888 A JP 11228888A JP H01282185 A JPH01282185 A JP H01282185A
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crucible
crystal
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melt
oxygen concentration
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JP11228888A
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Hiroshi Hirata
洋 平田
Keigo Hoshikawa
圭吾 干川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ルツボ内の融液から結晶を引上げて成長させ
る結晶の育成方法に関し、特にルツボから融液中に溶は
込み、融液の表面から蒸発しながら結晶中へ混入する不
純物を制御する技術に関するものである。
〔従来の技術〕
ルツボから融液中に溶は込み、融液表面から蒸発しなが
ら結晶中へ混入する不純物の代表的なものはシリコン結
晶における酸素である。半導体産業において基板のウェ
ーハとなる結晶材料として広く用いられるシリコン結晶
は、その大部分が石英ルツボ内に収容されたシリコン融
液から引上げる方法により成長させられる。この成長の
際に石英ルツボの一部が分解して酸素が融液中に溶は込
み、さらに結晶中に混入する。結晶中の酸素はLSIを
初めとする各種デバイスの製造時の種々の熱処理プロセ
スにおいて析出物、転位ループ、積層欠陥、等の結晶欠
陥を発生させ、また電気的に活性な欠陥準位を生成して
デバイスの特性を劣化させる。一方で結晶中に固溶した
酸素ウェーハの機械的強度を増加させたり、結晶欠陥が
重金属等の汚染不純物をゲッターすることによってデバ
イスの良品歩留りを向上させることがあり、シリコン結
晶中の酸素は処理の仕方によって短所長所両面の影響を
与える性格を持っている。そのためシリコン結晶におけ
る酸素はウェーハを使用するプロセスに合わせて極めて
厳密に制御されなければならない重要な品質要因となっ
ている。酸素の仕様の中で、濃度レベルはデバイスの種
類あるいは製造プロセスによって異なるが、共通して要
求される点は分布が均一であることである。特に、結晶
はウェーハの形に加工して使用されるため、結晶の引上
げ方向に直角な円形断面内において酸素濃度の分布が均
一であることが重要である。
このように重要なシリコン結晶中の酸素を初めとしたル
ツボから溶は込む不純物が制御できる技術として、ルツ
ボ内の融液に磁界を印加しながら結晶を引上げる方法が
公知である。この種の技術の中でも、特開昭58−21
7493号により公知とされた、軸対称かつ放射状のカ
スブ磁界を印加する方法は、軸対称な磁界によって軸対
称な温度分布を維持し、それにより成長縞のない均一な
結晶を得ることができるという優れた方法である。
さらに特開昭61−222984号においては、カスプ
磁界を印加する同極対向磁石を上下方向に移動して融液
の表面に軸対象な放射状の水平磁界を形成するようなカ
スブ磁界を最適化する装置も提案された。しかし、これ
ら従来のカスブ磁界を印加する方法又は装置においては
、結晶やルツボの回転について記述されず、結晶特性に
対する回転の効果は認識されていなかった。また最近、
本願発明者は同種のカスブ磁界を用いた均一結晶の育成
方法を特願昭62−83348号より提案した。この提
案では、添加された不純物の分布あるいは組成の分布が
結晶を回転させることにより結晶の円形断面内で均一に
できることを説明した。
しかし、ルツボから溶は込む不純物に対するルツボ回転
の効果については認識していなかったので、ルツボの回
転は行わなかった。
一方、従来の磁界を加えない結晶の育成方法やカスプ磁
界以外の磁界を加える方法においては、結晶の回転と同
時にルツボの回転も行なわれており、ルツボの回転の効
果としては次のようなものがあった。例えば、磁界を加
えない、あるいはシリコン融液を磁力線が左右に貫通す
るようにいわゆる水平磁界を加えた場合のシリコン結晶
の育成においては、ルツボの回転数を増大させると結晶
中の酸素濃度のレベルが増大することが知られていた。
このレベルの変化は特開昭58−74594号に詳しく
記載されており、水平磁界を加えた場合のルツボ回転数
と結晶中の酸素濃度の関係が第1図のように示された。
即ちこの場合には、3500エルステツドの水平磁界を
加えた状態で、結晶を30romまたは5Qrpmの回
転数で回転させ、これと逆方向にルツボを回転させた所
、ルツボの回転数の増大につれて結晶中の酸素濃度のレ
ベルが連続的に増大することが示された。このようにル
ツボの回転数を増大させた時に酸素濃度が増大する理由
は、ルツボを融液と相対的に回転移行させると融液とル
ツボ内壁面の間の擦れ合いが生じ、これによってルツボ
の溶は込みが進み、ルツボの回転数が増大するほど擦れ
合いが大となってルツボの溶は込み量が増大するためと
説明されていた。一方、酸素濃度の均一性に対しては、
ルツボ回転数の効果はほとんどなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
また、本願発明者が提案し、特開昭57−149894
号により公知とされた方法、即ち結晶の引上げ方向に沿
ったいわゆる垂直磁界を印加する方法においては、第2
図に示すように、酸素濃度のレベルに対しても、均一性
にしても、ルツボの回転数の効果はほとんどなかった。
この第2図は本願の発明者が2000エルステツドの垂
直磁界を加えた状態で結晶を39rpmの回転数で回転
させ、これに対してルツボの回転数を変化させて引上げ
た結晶の中心部および外周部の酸素濃度を測定したもの
である。この場合、中心部の酸素濃度が結晶の円形断面
内においても最も高く、外周部の酸素濃度が最も低いの
で第2図に斜線で示したように両者の間には大きな差が
生じている。
以上説明したように、従来の技術ではルツボ回転数を変
化させることにより酸素濃度のレベルが変化することは
知られていたにしても、磁界の方向によっては変化しな
い場合もあり、水平磁界成分と垂直磁界成分の両方を含
むごとき磁界即ちカスプ磁界またはこれと類似の分布を
有する磁界を印加する方法での効果の有無、効果の程度
を予想することは全く困難であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は軸対称な放射磁界によって軸対称な温度分布を
維持し、それにより成長縞のない均一な結晶を得ること
ができるという優れた特徴を有するカスプ磁界を印加し
た結晶の育成方法を、石英ルツボを用いたシリコンの結
晶育成に適用し、種々実験と考察を行った結果初めて到
達したものであり、その目的とするところは、ルツボか
ら溶は込み、融液の表面から蒸発しながら結晶中に混入
する不純物の濃度を均一に制御した高品質な結晶の育成
方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明はルツボ内に収容し
た融液に対して軸対称な磁界分布を有しかつ融液の表面
に直角な磁界成分よりもルツボの底面に直角な磁界成分
の方が大きいごとき分布を有する磁界を印加し、結晶を
回転させながら引上げて育成する際に、上記ルツボを上
記結晶の回転方向と逆方向に所要の回転数以上の回転数
で回転させることを最も主要な特徴とする。
本発明は、カスプ磁界を印加した結晶育成において、特
定のルツボ回転数を境としてシリコン結晶中の酸素濃度
の分布が極めて不均一な状態から極めて均一な状態へ急
激に変化する特異な現象を見出したことに基づいてなさ
れたものであり、従来の技術から全く予想されなかった
ものである。
以下に実施例を用いて本発明の詳細な説明する。
〔実施例1〕 第3図は本発明の第一の実施例を説明する模式的縦断面
図であって、石英ルツボ1内のシリコン融液2をヒータ
ー3により加熱して温度を調節し、シリコン融液2の表
面4の近くに固液界面5を形成してシリコン結晶6を矢
印7のように回転させながら矢印8のように引上げて成
長させる。また融液の表面4を中間に挾んで相対向する
同極対向磁石9と10により軸対称なカスプ磁界1)を
印加する。また結晶6の成長に伴って融液表面4の位置
が低下するのを補うようにルツボ1を矢印12のように
上昇させる。以上の方法によりシリコン結晶を育成する
際に、本発明では石英ルツボ1を支持棒13に従って矢
印14のように、即ち結晶6の回転7とは逆方向に、所
要の回転数以上の回転数で回転させる。
上記のように石英ルツボを回転して初めて酸素濃度が均
一に制御されたシリコン結晶を得ることができる。これ
は本発明者が種々の実験を行って初めてわかったもので
あるが、その理由は以下のように説明される。
シリコン融液から見た場合に、融液は石英ルツボの壁面
から溶解して溶は込み、融液の表面から蒸発するという
性質を持っている。このように溶解と蒸発が並行して起
こる場合には、これら両者の起こり易さの如何によって
融液中の酸素濃度が変化すると考えられる。そしてこれ
らの起こり易さは融液内の対流の強さに依存して変化す
る。例えば磁界の無いCZ法では対流が非常に強いので
溶解も蒸発も非常に起こり易い状態で融液中濃度が一定
値にバランスしている。これに対して石英ルツボ壁付近
の対流が抑制されれば、溶解した酸素が石英ルツボ壁の
近(に滞留するため更なる石英の分解、即ち酸素の溶解
が起こりにくくなる。
一方、表面付近の対流が抑制されれば、融液の内部から
表面まで酸素が移動しにくくなるため酸素の蒸発が起こ
りに(くなる。ところで、融液内の対流は磁界が印加さ
れると次のような原理で抑制される。即ち、速度ベクト
ルVの対流に対して強度ベクトルHの磁界が加えられる
と、電磁誘導によりこれらのベクトル積に比例した■=
σE=σμVXHのベクトルで表される電流が対流する
融液部分に流れる。さらにこの電流に磁界が作用してF
=σμ”  (VXH)Xl(のベクトルで表される対
流抑制力が働き対流は抑制される。ここでμは融液の透
磁率であり、σは電気伝導率である。
このようなILによる対流抑制原理を、酸素の移動に関
して重要な融液と石英ルツボ壁の界面および融液の表面
に適用すると次のようになる。まずこれらの境界面にお
いては、対流も電流も境界面を突き抜けて流れることは
できないので、境界面に直交する成分は存在し得ない。
言い替えれば、境界面に平行な2次元の流れしか許容さ
れない。
従って境界面においては、境界面に平行な磁界が印加さ
れても、上記ベクトル積の関係から対流抑制力がほとん
ど発生しないので対流はほとんど抑制されない。これに
対して境界面に直角な磁界が印加されると、境界面付近
で境界面に平行である対流が全てこの磁界に直交通しか
つ境界に平行に電流が流れて対流抑制力が発生するため
対流が効果的に抑制される。この考えを第3図のように
カスプ磁界1)が印加された場合に適用すると次のよう
になる。即ち、カスプ磁界1)が印加されろと、石英ル
ツボ1の内壁に対しては底面と側面の両方に直角な磁界
の成分が加わるためほとんど全てのルツボ壁面付近の対
流が効果的に抑制され、酸素の溶解が起こりにくくなる
。言い替えれば、石英の分解によって生じた酸素が対流
によって運び去られなくなって滞留するため、ルツボ壁
の近くでは溶解度即ち飽和濃度に近い高酸素濃度の融液
層が形成され、これ以上の溶解が進まなくなる。
一方融液2の表面4に対しては、磁界が平行であり直角
成分がないため、表面の対流はほとんど抑制されず、酸
素の蒸発が起こり易いことは磁界が加えられない場合と
変わらない。その結果、カスプ磁界1)が印加された融
液2の内部から見ると、わずかに溶は込んできた酸素が
速に蒸発して出ていく状態であるため磁界が加えられな
い場合に比べて酸素濃度が下がる。このため、ルツボ壁
の近くとその他では融液の酸素濃度に大きな差が発生す
る。第4A図はこの状態を模式的に示す断面図であって
、石英ルツボ1に沿って斜線で示した融液部分2−1が
高酸素濃度の融液層であり、その他の融液部分2−2で
は融液の表面4から酸素が矢印15のように蒸発して出
ていくため低酸素濃度である。但し、第4A図では第3
図と同じカスプ磁界1)が印加されているがこれは省略
されている。
次に結晶への酸素の混入については、第3図においてカ
スプ磁界1)を印加した場合には、引上げられるシリコ
ン結晶6はこのような酸素濃度差の大きいシリコン融液
2から成長することになるので、酸素濃度の低い融液部
分2−2だけから成長すれば酸素濃度の均一な結晶にな
るという利点がある反面で、酸素濃度の高い融液部分2
−1が混ると局所的に酸素濃度が高くなり、不均一な結
晶になる恐れがあるという欠点もある。例えば、第4B
図に示すように、引上げられる結晶6は融液2の中心の
周りの円周上にわずかでも温度の不均一があると変形し
易いのでこれを防ぐために、および結晶6の円形断面内
で比抵抗を均一にするために、結晶6を矢印7のように
回転する必要があることは、本発明者が特願昭62−8
3348号において説明した通りであるが、この結晶の
回転は結晶と融液が接触する固液界面5の付近の融液に
遠心力を及ぼし、矢印16のように結晶の下側の融液を
吸い上げるような強制対流を起こす。
このような場合には、石英ルツボ1の底面の近くの高酸
素濃度の融液層2−1が固液磁界面5まで持ち上げられ
、結晶6の中へ斜線部6−1のように局所的に高濃度の
酸素が混入する恐れが強い。
(但し、第4B図では第4A図と同様にカスプ磁界は省
略されている。) これに対して本発明では、第3図で説明したように、カ
スプ磁界1)を印加した状態で石英ルツボ1を矢印14
のように所要の回転数以上の速い速度で回転させる。こ
のルツボの回転は石英ルツボ1の壁に沿った融液に遠心
力を及ぼし、カスブ磁界を省略した第4C−1図におい
て矢印17のような強制対流を起こすので、石英ルツボ
に沿った高酸素濃度の融液層2−1が石英ルツボ壁に固
着されながら全体として石英ルツボ1の底面から側面へ
、側面から側面の上部へと移動させられる。
さらに石英ルツボ1の側面の上部では融液の表面4を介
して酸素が矢印15のように蒸発して出ていく。そのた
めに結晶の固液界面5の近くへ高酸素濃度の融液層2−
1が運ばれることがない。即ち、カスブ磁界の印加によ
り石英ルツボ壁付近に形成された高酸素濃度の融液層を
ルツボを所要の回転数以上で回転させることによりその
遠心力によって結晶の固液磁界から完全に分離すること
ができる。そのため、酸素濃度が均一なシリコン結晶6
を成長させることができるものと考えられる。
一方、本発明の場合には、ルツボの回転数を増大させた
ことによって融液とルツボ壁面の間の擦れ合いが増大し
てルツボからの酸素の溶解が増大することは少ない。な
ぜならば、第40−2図に矢印14のように回転する石
英ルツボ1を上から見た図を示すように、カスブ磁界1
)により円形の石英ルツボ1に対して半径方向に沿った
放射状の磁界が均等に加えられているため、石英ルツボ
1の円周に沿って高酸素濃度の融液N2−1が均等に形
成されるので石英ルツボの回転の増大によって擦れ合い
が増大したとしても酸素の溶解は増大し難い。また、酸
素の溶解が幾分増大したとしても、上記第4C−1図で
示したように高酸素濃度の融液層2−1が固液界面5か
ら分離されるシリコン結晶6への影響は少ない。
以上説明したルツボ回転の効果は、ルツボの回転方向が
結晶の回転方向と逆方向の場合に特定のルツボ回転数を
境界として急激に現れることを本発明者が実験により見
出した。以下に種々の実験データにより効果を具体的に
説明する。
第5A図はシリコン結晶6の回転7とは逆に石英ルツボ
1を回転させ(14) 、この石英ルツボの回転数を変
化させた時のシリコン結晶の円形断面内の最高酸素濃度
と最低酸素濃度を測定したものである。この場合、石英
ルツボの直径は15cm、シリコン融液の深さは5cm
、カスブ磁界はシリコン融液の表面と石英ルツボの境界
において1300エルステツドの放射状の水平方向磁界
、シリコン融液の底部の中心において1800エルステ
ツドの垂直方向磁界、シリコン結晶の直径は75±3m
m、結晶の回転数は30rpm、引上げ速度は1mm/
minであった。この第5A図より、結晶の回転と逆方
向のルツボ回転数がこの場合2rpm以下では結晶の円
形断面内の最高濃度が最低濃度に比べて極めて高く、即
ち両者の差を示す斜線部の幅が極めて広く、全く不均一
であるのに対して、3rpm以上では最高濃度が激しく
低下して最低濃度と殆ど一致し、均一性が極端に改善さ
れたのがわかる。このルツボ回転数による変化はルツボ
回転数を増大させた時に酸素濃度が減少するという点で
従来知られていた第1図の増大とは反対であり、また変
化が極めて急激であるという点も第1図の単調で連続的
な変化とは全く異なっている。
第5B図と第5C図はシリコン結晶の円形断面内の酸素
濃度の分布を直径方向に連続的に測定したもので、第5
B図はルツボ回転数がlrpmで第5A図において不均
一が大きかった場合であり、第5C図はルツボ回転数が
3rpmで均一であった場合である。第5B図では結晶
の中心部において酸素濃度が局所的に高くなって不均一
になっており、この局所的な高濃度が第5C図では完全
になくなって均一になっていることがわかる。
第5D図は第5A図の場合と反対に、比較のために石英
ルツボを結晶と同方向に回転させ、他の条件は第5A図
の場合と同じにして、石英ルツボの回転数を変化させた
時の結晶の円形断面内の最高酸素濃度と最低酸素濃度を
測定したものである。
この場合には、第5D図から明らかなように、いずれの
ルツボ回転数でも最高と最低酸素濃度の差が大きく、均
一性が改善されることはなかった。
第5A図においては結晶と逆方向のルツボ回転数が約2
rpmを境として酸素濃度の均一性が改善されたが、こ
の境界となるルツボ回転数は融液の深さ、結晶の回転数
、結晶の直径、あるいはルツボの直径によって一般には
変化する。第6図は融液の深さを変えた場合であって、
シリコン融液の深さが第5A図の場合の1/2の3cm
、カスプ磁界がシリコン融液の表面と石英ルツボの境界
において1300エルステツドの放射状の水平方向磁界
、シリコン融液の底部の中心において900エルステツ
ドの垂直方向磁界の時に、他の条件は、第5A図の場合
と同じにして、結晶と逆方向のルツボ回転の実験を行っ
た結果である。この第6図においても第5A図の場合と
同様に、結晶の回転と逆方向にルツボ回転数を増大させ
ることによって酸素濃度の均一性が急激に改善されるこ
とがわかる。但し、急激な変化の起こるルツボ回転数は
この場合4rpmであり、第5A図の場合より大きくな
っている。これはシリコン融液が浅くなったために、第
4B図において石英ルツボlの底面近くの高酸素濃度の
融液N2−1が固液界面5まで持ち上げられやすくなり
、これを第4C図のように防止するためにはより大きな
ルツボ回転数が必要になったためと考えられる。同様な
理由から、結晶の回転数が大きくなる、結晶の直径が大
きくなる、あるいはルツボの直径が小さくなるにつれて
、酸素濃度の均一性が急激な変化の起こるルツボ回転数
は増大する傾向がある。
また、カスプ磁界の強さが変わると、境界となるルツボ
回転数と同時に均一なる酸素濃度のレベルも明らかに変
化する。第7図は第6図の場合に比べてカスプ磁界の強
さを1/2と弱くしただけで他の条件は同じとした場合
の実験結果である。
この第7図においても、第5A図および第6図の場合と
同様に、結晶の回転と逆方向のルツボ回転数を増大させ
ることによって酸素濃度の均一性が急激に改善されるこ
とがわかる。但し、第7図の場合には、第6図に比べて
、急激な変化の起こるルツボ回転数が小さくなっており
、また均一になった酸素濃度のレベルが高くなっている
。これは、カスプ磁界が弱くなったために、第4B図あ
るいは第4C図における高酸素濃度の融液層2−1が第
6図の場合に比べて薄く減退し、またその結果、石英ル
ツボからの酸素の溶は込み量が増大して融液部分2−2
の酸素濃度のレベルが高くなったためと考えられる。一
方、第8図は第6図の場合に比べてカスプ磁界の強さを
1.5倍と強くしただけで他の条件は同じとした場合の
実験結果である。
この第8図においても、結晶の回転と逆方向のルツボ回
転数を増大させることによって酸素濃度の均一性が急激
に改善させることは、第5A図、第6図、および第7図
の場合と同様に明らかである。
第8図の場合に、急激な変化の起こるルツボ回転数は最
も大きく、均一になった酸素濃度のレベルは最も低い。
これは第8図の場合にカスプ磁界が最も強かったためで
あり、上記第7図について行った説明とは反対の理由に
よって説明される。
〔実施例2〕 上で説明した、結晶の回転と逆方向のルツボ回転数を増
大させた時に起こる酸素濃度分布の急激な均一化は、第
3図のように融液表面4を挾んで同極対向磁石9と10
が必ずしも上下対称に配置されていなくても現れる。第
9図は本発明の第2の実施例を説明する模式的縦断面図
であって、第3図との違いは、同極対向磁石9と10が
融液表面4に対して全体として、融液の表面に直角な磁
界成分よりもルツボの底面に直角な磁界成分の方が大き
い範囲で、下に移動した配置になっているということで
ある。この場合にも、前記第一の実施例における説明と
同様に、結晶6の回転7と逆方向に石英ルツボ1を矢印
14のように回転させ、このルツボ回転数を増大させた
時、特定の回転数以上の範囲において酸素濃度の均一化
が実現できた。
〔実施例3〕 第10図は本発明の第3の実施例を説明する図であって
、第5図の場合と反対に、同極対向磁石9と10が融液
表面4に全体として、融液の表面に直角な磁界成分より
もルツボの底面に直角な磁界成分の大きい方が範囲で、
上に移動した配置になっている。この場合も、前記第一
の実施例における説明と同様に、結晶6の回転7と逆方
向に石英ルツボ1を矢印14のように回転させ、このル
ツボ回転数を増大させた時、特定の回転数以上の範囲に
おいて酸素濃度の均一化が実現できた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、ルツボ内に収容した結晶材料の融
液に軸対称なカスプ磁界を印加し、上記融液から結晶を
回転させながら引上げて成長させる結晶の育成方法にお
いては、上記ルツボを上記結晶の回転方向とは逆方向に
回転させ、その回転数が増大させた時、上記ルツボから
溶は込み上記結晶中に混入した不準物の均一性が急激に
改善されるルツボ回転数が存在するので、このルツボ回
転数以上でルツボを回転させれば、ルツボがらの不純物
の濃度を均一に制御した結晶を成長させて得ろことがで
きるという利点がある。
一方で本発明は、軸対称な磁界によって軸対称な温度分
布を維持し、それにより成長縞のない均一な結晶を得る
ことができるという軸対称なカスプ磁界を印加する方法
の長所を填なうことは全くない。それどころか、ルツボ
の回転により温度分布の軸対称性をより完全にすること
ができるので、意図的に添加された不純物の均一性も極
めて良好な結晶を得ることができるという利点がある。
なお、本発明の詳細な説明においては、本発明の構成要
素の一つである磁界に関しては従来公知のカスプ磁界を
例にして述べたが、本発明の効果は上記カスプ磁界に限
定されるものではない。即ち本発明に係わる磁界として
は、軸対称な分布を有しかつ融液の表面近傍では表面に
直角な磁界成分が小さく、即ち対流の抑制効果が小さく
、ルツボ壁面近傍では壁面に直角な磁界成分が大きく、
対流抑制効果が大きいことが具備すべき条件であるとは
第一の実施例では説明した本発明の原理から明白である
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の水平磁界を印加する方法でのルツボ回転
数と結晶中の酸素濃度の関係を示し、第2図は垂直磁界
を印加する方法でのルツボ回転数と結晶中の酸素濃度の
関係を示す。第3図は本発明の第一の実施例を説明する
模式的縦断面図、第4A図、第4B図、第40−1図、
および第4C−2図は本発明の詳細な説明する模式図、
第5A図は結晶と逆方向のルツボ回転数と結晶中の酸素
濃度の関係、第5B図はルツボの回転数が小さ過ぎる場
合の結晶中の酸素濃度の直径方向分布、第5C図はルツ
ボの回転数が所要の回転数以上の場合の結晶中の酸素濃
度の直径方向分布、第5D図は結晶の回転と同方向のル
ツボ回転数と結晶中の酸素濃度の関係を示す。第6図、
第7図、および第8図は結晶の回転と逆方向のルツボ回
転数と結晶中の酸素濃度の関係を示し、第9図は本発明
の第二の実施例を説明する模式的縦断面図、第10図は
本発明の第三の実施例を説明する模式的縦断面図である
。 1・・・ルツボ、2・・・融液、2−1・・・高酸素濃
度の融液層、2−2・・・低酸素濃度の融液層、3・・
・ヒーター、4・・・融液の表面、5・・・固液界面、
6・・・結晶、6−1・・・結晶中の高酸素濃度の部分
、7・・・結晶回転、8・・・結晶引上げ、9,10・
・・同極対向磁石、1)・・・カスプ磁界、12・・・
ルツボ移動、13・・・ルツボ支持棒、14・・・ルツ
ボ回転、15・・・酸素の蒸発、16・・・結晶回転に
よる強制対流、17・・・ルツボ回転による強制対流 特許出願人  日本電信電話株式会社 代理人 弁理士 玉 蟲 久五部 (外2名) 結晶の回転と逆方向のルツボ目紙数(rpm)第1図 結晶の固転と逆方向のルツボ回転ff (rpm)結晶
の回転と同方向のルツボ回軟奴(rpm)第 5 D図 醒素漂度(to17atoms/cm3)Ml濃度(1
017atoms/cm3)結晶の回転と連方向のル゛
ンポ回転蚊(rpm)第  6  図 第 9 図 第 10 図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ルツボ内に収容した結晶材料の融液に対して軸対
    称な磁界分布を有しかつ上記融液の表面に直角な磁界成
    分よりもルツボの底面に直角な磁界成分の方が大きいご
    とき分布を有する磁界を印加して上記融液から結晶を回
    転させながら引上げる結晶の育成方法において、上記結
    晶の回転方向とは逆方向に、ルツボおよび結晶の大きさ
    、ルツボ内の融液量、印加する磁界の強さおよび分布等
    によって決定される特定の回転数以上でルツボを回転さ
    せてなることを特徴とする結晶の育成方法。
  2. (2)特許請求の範囲第1項記載の結晶の育成方法にお
    いて、印加する磁界が軸対称なカスプ磁界であって、前
    記ルツボ内に収容した結晶材料の融液の表面を上記カス
    プ磁界の上下方向のほぼ中心に配置してなることを特徴
    とする結晶の育成方法。
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