JP2592244B2 - 均一結晶の育成装置 - Google Patents

均一結晶の育成装置

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JP2592244B2 JP62083348A JP8334887A JP2592244B2 JP 2592244 B2 JP2592244 B2 JP 2592244B2 JP 62083348 A JP62083348 A JP 62083348A JP 8334887 A JP8334887 A JP 8334887A JP 2592244 B2 JP2592244 B2 JP 2592244B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、均一結晶の育成装置に関するものであり、
特に、容器内にて原料を加熱して溶融し、その融液の片
側から固液界面を形成して結晶を成長させる結晶の育成
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
容器内にて原料を加熱して溶融し、その融液の片側か
ら固液界面を形成して結晶を成長させる結晶の育成方法
の代表的なものはチヨクラルスキー法とブリツジマン法
である。前者では融液の表面から容器外へ結晶を引上げ
て成長させ、後者では融液を収容する容器の中で結晶を
成長させる。いずれにしても、融液は容器の周囲から加
熱されて固液界面付近ではその材料のほぼ融点温度,固
液界面から離れた所ではそれより高い温度に保たれてい
る。そのため、融液内には一般に強い熱対流が発生して
いる。
一方、電気的あるいは光学的に所望の特性を有した結
晶を得るため、不純物等になるべき異種元素があらかじ
め融液内に添加されていることが多い。その場合、結晶
の特性は異種元素の濃度に強く依存して変化するため、
結晶全体が所定の濃度で均一になるのが理想的である。
しかし、異種元素には偏析現象と呼ばれる問題があるた
め結晶全体に完全に均一な濃度を得ることは困難であ
る。
以下では、不純物としてリンを添加したシリコン融液
からシリコン結晶をチヨクラルスキー法により育成する
場合を例にとり、従来の技術により生じる不均一につい
て説明する。
第1A図は古くから知られたチヨクラルスキー法により
結晶を育成する装置の主要部の構成図である。この装置
を使用する方法ではルツボ1の中に多結晶の例えばシリ
コン原料とリンを入れ、これをヒーター2によつて加熱
溶融し融液3をつくる。上から種子結晶4を支持した支
持体5を降下させ、融液表面に一旦接触させた後矢印6
の方向に回転させながら矢印7の方向に引上げ、融液の
表面付近に固液界面8を形成して結晶9を成長させる。
この時、融液3の中には矢印10.1で示される強い熱対流
が発生している。また固液界面8の付近には結晶回転6
によつて引き起こされる強制対流10.2が発生している
が、これは主に結晶9の中の固液界面に平行な断面内の
不純物分布を均一化する作用がある。一方、シリコン中
のリンの偏析係数は約0.35であり1より小さい。そのた
め、固液界面8において結晶9が成長する時にリンは結
晶の中へ入りにくく、一部が融液側へ吐き出される。融
液側へ吐き出されたリンは主に熱対流10.1の強い撹拌作
用によつて融液全体に分散させられ融液内の濃度が平均
的に増大する。その結果、固液界面をはさむ結晶側およ
び融液側のリンの濃度分布は第1B図のようになる。即
ち、融液内の濃度はどこでも結晶側の濃度より高い。結
晶の引上げによる成長が進むにつれて残された融液内の
濃度は連続的に増大していくことになるため、第1C図に
示すように結晶内の濃度も長さ方向に連続的に増大する
不均一な分布になる。但し第1C図における結晶の長さ方
向の位置は融液が結晶化した割合を示す固化率によつて
表されている。またC0は融液内の初期濃度である。
第2A図は本願発明者らが特願昭56−32451(特開昭57
−149894)にて提案した、チヨクラルスキー法により結
晶を育成する際に磁界を印加する装置の主要部の構成図
である。この装置を使用する方法では第1A図について説
明した方法と同様にして結晶9を成長させる際にソレノ
イド11により発生する例えば磁力線12で表わされる4000
エルステツドの磁界を融液3に印加し熱対流を抑制す
る。この場合には、結晶9が成長する際に融液側へ吐き
出されたリンは拡散でのみ徐々に融液3の内部へ移動す
る。そのため、固液界面をはさむ結晶側および融液側の
リンの濃度分布は第2B図に示すようになり、固液界面に
隣接する融液内にリンが高濃度に蓄積され融液内部に向
けて急峻に変化する濃度分布が形成される。拡散が遅い
ため、固液界面から離れた融液の内部の濃度は結晶の成
長によつて変化しない。その結果、結晶内の濃度は第2C
図に示されるように成長の始まりおよび終りに相当する
両端部付近を除いてほぼ均一な分布が得られる。しか
し、第2B図に示されたように固液界面に隣接する融液内
に不純物(リン)の急峻な濃度変化が存在する場合に
は、第2A図において結晶9の成長速度すなわち固液界面
8の移動速度がわずかに変化しても結晶9内に取り込ま
れる不純物の濃度が大きく変化する。すなわち、第2C図
の波形線によつて示されるように、結晶内に短周期の不
純物濃度変化が大きいという意味で不均一な分布になる
という欠点があつた。さらに、結晶9を矢印6の方向に
回転させても、それによつて発生するはずの強制対流も
磁界によつて抑制されてしまうので、固液界面8に平行
な結晶の断面内において十分な均一性が得られないとい
う欠点があつた。
第3A図は特開昭61−44797により公知である結晶育成
装置の主要部の構成図である。この装置を使用する方法
では第1A図について説明した方法と同様にして結晶9を
成長させる際に、ルツボ1を介して相対向するコイル11
aおよび11bにより発生する磁界が互いの磁界を打ち消す
ように配置した磁界印加装置により磁界を印加する。そ
の磁界の印加により、固液界面8に隣接する融液部分3.
1では熱対流が抑制され、固液界面8から離れた部分3.2
では熱対流10.1が発生している。すなわち、コイル11a
および11bによつて発生する磁界の等磁界強度曲線B1
そこでの融液3のグラスホフ数が磁界グラスホフ数に対
応するように選ばれており、曲線B1の内側では磁界がB1
における磁界強度より弱いため熱対流が発生し、外側で
は磁界がB1における磁界強度より強いため熱対流が抑制
されるが、第3A図では固液界面8に隣接する融液部分3.
1は曲線B1の外側であり、固液界面8から離れた融液部
分3.2がB1の内側になるように配置されている。この場
合には、固液界面8に隣接する融液部分3.1内の不純物
の移動が拡散だけになるため、第3B図および第3C図は第
2B図および第2C図で説明したものとほとんど同じ不純物
分布および不均一分布になるという欠点があつた。ま
た、結晶を矢印6のように回転させても強制対流による
均一化の効果が十分得られないという欠点も第2A図の場
合と同様である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上説明したように、従来の技術では育成した結晶内
において、不純物濃度が長さ方向に連続的に変化する、
あるいは短周期に変化するという不均一が生じるなどの
欠点があつた。上の例ではシリコン結晶中のリンを取り
上げたが、他の不純物,他の結晶における色々な不純
物,あるいは混晶における少数元素または少数化合物な
どにおいても、結晶が本体となる材料とそれに対して偏
析係数が1でない異種の材料から構成される場合には同
様な原因により不均一が発生する。
〔問題点を解決するための手段〕 発明の目的 本発明の目的は、結晶内に不純物あるいは組成の不均
一が発生するという従来技術の欠点を解決した均一性の
良い結晶の育成装置を提供することにある。
〔発明の構成及び作用〕
発明の特徴と従来の技術との差異 本発明は上記目的を達成するため、容器内にて原料を
加熱して溶融し、その融液の片側から固液界面を形成し
て結晶を成長させる結晶の育成装置において、固液界面
に隣接する融液部分を除いた融液内の対流を抑制する手
段が上記固液界面を中間に挟んで相対向し両者の中間点
において互いの磁界を打ち消すように励磁されたコイル
であり、その相対向するコイルの間隔Gとコイル半径R
との比G/Rが1/5より大きく2倍より小さいことを特徴と
する。
すなわち、本発明は、結晶の成長する固液界面に隣接
する融液部分では対流を起こさせ、他の融液部分の少な
くとも一部では対流を抑制する、およびその手段を備え
ることを最も主要な特徴とする。従来の技術とは固液界
面に隣接する融液部分では対流を抑制せず、固液界面か
ら離れた融液部分で対流を抑制することが異なる。
更に、本発明は、固液界面に隣接する部分を除いて融
液内の対流を抑制する手段が、上記固液界面を中間に挾
んで所定の間隔離れて相対向し、互いの磁界を打ち消す
ように励磁したコイルであることを最も主要な特徴とす
る。従来の装置とは、相対向するコイルの中間面が固液
界面の位置とほぼ一致するように配置されていることが
異なる。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕 第4A図は本発明の第1の実施例を説明する結晶育成装
置の主要部の構成図である。従来の第1A図,第2A図,第
3A図と同一のものについては同一番号を付して説明を省
略する。また本実施例においても、従来技術の結果との
比較のためリンを不純物として添加したシリコン結晶を
育成する場合について以下に説明する。第4A図において
は、互いの磁界を打ち消すように励磁したコイル11aと1
1bが固液界面8を中間に挾んで相対向するように配置さ
れている。そこでまずコイルの一例を第4D図および第4E
図により説明する。
第4D図は相対向するコイルを含む磁界印加装置部の概
略構成図である。11aおよび11bは相対向する二つのコイ
ルであり、それぞれが超伝導線材の巻かれた超伝導コイ
ルである。13は互いのコイルに働く電磁力に抗してコイ
ルを所定の位置に保持するための固定部品であり、14は
コイルを冷却するための液体ヘリウムを収容するクライ
オスタツトであり、15はコイルを励磁するための電源で
あり、16は電源とコイルを接続するためのスイツチであ
る。またRはコイルの半径を表わし、Gはコイルの間隔
を表わし、o,r,zは二つのコイルの中間点であるoを原
点とする座標軸を表わす。第4D図の装置においては、ス
イツチ16の接続の仕方により相対向する二つのコイル11
aと11bに同時に、あるいな別々に電流を流すことが可能
であり、互いに逆向きに回る電流を流すことによつて互
いの磁界を打ち消す方向に励磁することができる。相対
向するコイル11aおよび11bの巻数および電流値が同じで
ある場合には、原点oにおいては互いの磁界が完全に打
ち消しあつて磁界は零であり、原点oから離れた所では
磁界が存在する。本発明において、固液界面に隣接する
融液部分を除いた融液内の対流を抑制するためには、原
点oから離れた融液内において強い磁界が効率的に発生
しなければならない。そのためには、コイルの半径Rに
対する間隔Gの大きさが重要である。なぜならば、Gが
小さ過ぎれば単独のコイルによる磁界は強くても、打ち
消しあう程度が高くなるため融液内のどの場所において
も対流を抑制するには不十分な弱い磁界しか加えられ
ず、またGが大き過ぎればコイルが融液から離れ過ぎる
ためやはり弱い磁界しか加えられないためである。例え
ば第4E図は半径R=50cm,巻数2000回,電流250Aの相対
向するコイルにより、r=15cm,z=10cmの位置に発生す
る磁界の強さとG/R比の関係を示したものである。この
図ではG/R=1付近にピークがあり、GがRに等しい時
が最も効率が良い(すなわち最適条件である)。一方、
結晶の育成装置には様々な付属部品が取り付けられてお
り、G/R=1の相対向するコイルを付加することは不可
能な場合がある。そのため、他の付属部品との良好な関
係を満足した上でコイルの間隔Gを決定しなければなら
ない。その観点で見た場合においても、G/Rが1/5以下、
あるいは2倍以上になると磁界の強さは上記最適条件の
場合の半分以下になつてしまい、はなはだしく効率が低
下することは第4E図より明らかである。従つてコイル間
隔Gをコイル半径Rの1/5より大きく2倍より小さい範
囲に設定すれば、比較的効率良く所望の磁界を融液に印
加することができる。このように設計されたコイル11a
と11bに例えば同一の大きさの電流を逆回りに流すこと
により、固液界面8に隣接する融液部分3.1の領域にお
いては対流を抑制せず、固液界面8から離れた融液部分
3.2の領域においては対流を抑制するに十分な磁界を印
加することができる。即ち、融液の磁界グラスホフ数に
対応する磁界強度は融液の種類,初期融液量ルツボの直
径などに依存するが、例えば1000エルステツドの場合に
は、コイルの半径R=50cm,巻数2000回のコイルを間隔
G=50cmで相対向させ、それぞれに250Aの電流を逆回り
に流すと固液界面から深さ約3cmの位置に臨界グラスホ
フ数に対応する1000エルステツドの等磁界強度線ができ
る。これにより、融液の初期深さが15cmの場合には固液
界面に隣接する約20%の融液部分3.1が対流の発生領域
となり、残りの80%の融液部分3.2が対流の抑制領域と
なる。これら二つの融液部分の割合は、上記相対向する
コイルの構造寸法あるいは電流値により制御可能である
ことは言うまでもない。
第4A図では上記のような相対向するコイル11aと11bを
含む磁界印加装置を備えたことにより従来技術の第3A図
とは反対に、固液界面8に隣接する融液部分3.1では対
流10.1および10.2が存在し、離れた融液部分3.2では対
流は抑制される。この場合には固液界面8を挾む結晶側
および融液側の不純物の濃度分布は第4B図のようにな
る。即ち、固液界面8に隣接する融液部分3.1の中で
は、固液界面から吐き出された不純物が対流の撹拌作用
によつて分散される均一で高い不純物濃度となる。一
方、固液界面から離れた融液部分3.2の中では、対流が
止められて不純物は拡散でしか移動できないため、融液
部分3.1との境界から急峻な濃度勾配が形成されて融液
部分3.2の内部の濃度は結晶の成長によつてほとんど変
化しない。第4A図の装置を用いた結晶の育成プロセスを
具体化するために、1本の結晶の全長を育成するための
制御方法を第4F図により説明する。第4F図において、
(1)は種子結晶4の先端を融液3.1および3.2の表面に
接触させた状態である。この場合、融液の表面(および
種子結晶との固液界面)が相対向するコイルの中間に位
置するように配置されている。次に融液の温度を調整し
ながら支持体5を矢印6の方向に連続的に回転させなが
ら矢印7のように上へ連続的に移動させ、(2)のよう
に種子結晶4の先に結晶9を引上げて成長させる。この
結晶の成長に伴いルツボ1内の融液は減少するが、融液
の表面および固液界面8の位置が下がらないように(す
なわち相対向するコイル11aと11bの中間位置に常にある
ように)ルツボ支持軸17も矢印18のように連続的に上へ
移動させてルツボ1の押し上げを行う。このようにし
て、結晶9の引上げと融液の減少を補償するルツボ1の
押し上げを同時に行うことにより、第4F図の(1)→
(2)→(3)→(4)の順に、常に固液界面8および
融液表面を一定の位置に保ち、融液部分3.1の大きさも
ほぼ一定に保つた状態で結晶9の全長が育成される。こ
のようにすれば、固液界面8の付近では第4B図の濃度分
布が(結晶の両端の一部を育成する時を除き)常に維持
される。第4B図の不純物濃度分布は、従来技術における
第1B図と第2B図(又は第3B図)のそれぞれの場合の長所
を合わせ持つているため、第4C図に示される不純物濃度
分布の均一性の良い結晶が育成される。即ち、まず、固
液界面に隣接する融液部分には急峻な濃度変化がないた
め、第2C図のような短周期の不均一は発生しない。ま
た、固液界面から離れた融液内部の不純物濃度は結晶の
成長が進行してもほとんど変化しないため、結晶の長さ
方向全体にわたる不純物分布の均一性も改善される。さ
らに、固液界面8に隣接する融液部分3.1では対流が自
由に発生し得るため、結晶回転6による強制対流10.2も
抑制されず、それによる固液界面8に平行な結晶断面内
の均一性も十分確保することができるという利点があ
る。これらの利点はリンを添加したシリコンだけでなく
他の異種材料を含む他の結晶材料を育成する場合にも同
様に得られる。
〔実施例2〕 本発明はルツボ材から混入する不純物の均一化にも有
効である。ルツボ1の材質として石英を用い、チヨクラ
ルスキー法によりシリコン結晶を育成する際に、石英か
ら混入する酸素不純物の均一化に本発明が有効である例
を以下に説明する。
酸素は石英を構成する一元素であり、シリコン融液と
の接触界面において石英が溶解することにより融液中に
混入し、さらに、育成される結晶中に混入する。結晶中
に混入する酸素の濃度は石英の溶解量に強く依存するこ
と、従つて従来のチヨクラルスキー法では石英と融液の
接触面積にほぼ比例すること、一方磁界印加等により融
液の熱対流が抑制されると石英の溶解も抑制されること
などが公知である。第1A図で示される従来の結晶育成で
は融液3内全体に強い熱対流10.1が存在するため、融液
3と接触する石英ルツボ1の全面において顕著な溶解が
起こる。結晶の育成が進行するに従つて融液量が減少す
るため、融液と石英の接触面積も減少し、石英の溶解量
が減少する。その結果、第5図(A)に示すように、結
晶の種子結晶側では酸素濃度が高く、長さ方向に連続的
に減少する不均一な酸素濃度分布となる。これに対し
て、第4A図に示した本発明による結晶育成では、石英ル
ツボ1が主として溶解する所は、固液界面8に隣接し、
対流が存在する融液部分3.1に接触する石英ルツボの部
分である。この融液部分および石英ルツボ部分の大きさ
は、第4F図で説明したように結晶の育成が進行しても最
後の(4)の近くまで変化しない。その結果、第5図の
(B)のように、育成された結晶中の酸素濃度分布は種
子結晶側の濃度が下り、全体に均一化する。また、実施
例1の中で述べたように、対流の発生する融液部分3.1
および石英ルツボ1が主として溶解する部分の大きさは
相対向するコイル11aと11bの構造寸法,電流値などによ
り制御可能であるから、それらを変えることにより第5
図の(C),(D)等の酸素濃度分布を得ることもでき
る。即ち、均一性だけでなく濃度の制御もできるという
利点がある。固液界面8に隣接する融液部分3.1におい
ては熱対流10.1が存在し、さらには結晶回転6による強
制対流10.2も利用可能であり、これらの対流の撹拌作用
によつて融液部分3.1内では酸素濃度分布が均一にな
り、その結果、結晶9内の短周期の均一性および固液界
面に平行な断面内での酸素濃度分布の均一性が良いこと
はリンの場合と全く同様である。
〔実施例3〕 次に、ブリツジマン法に対して本発明を適用した実施
例を第6図および第7図により説明する。第6図は垂直
型であり、第7図は水平型である。いずれにしても、例
えば高温用のヒーター2aと低温用のヒーター2bの内側に
容器1が配置され、容器1の中に偏析現象を示す異種元
素を含む結晶材料の融液3.1および3.2が加熱されて保持
される。この融液が、容器1内の一端に配置された種子
結晶4に続いて固液界面8を形成しながら容器1の中で
固化され、結晶が育成される。その際、第4A図の場合と
同様に、互いの磁界を打ち消す方向に励磁したコイル11
aと11bが固液界面8を中間に挾んで相対向するように配
置されており、それにより、固液界面8に隣接する融液
部分3.1では対流10.1が存在し、離れた融液部分3.2では
対流が抑制される。ヒーター2aと2bのパワーを一定に保
ち、容器1を矢印19の方向に移動させることにより結晶
を育成する場合には、相対向するコイル11aおよび11bを
移動させなくても固液界面8との位置関係は変わらず常
に上記の状態が維持される。一方、容器1を移動させ
ず、ヒーター2aと2bのパワーを変化させることにより結
晶を育成する場合には、固液界面8の移動速度(すなわ
ち結晶9の成長速度)に応じて相対向するコイル11aと1
1bを矢印20の方向に移動させることにより、相対向する
コイルと固液界面の位置関係を一定に保つ。このように
して結晶9を育成すると、固液界面8を挾む結晶側およ
び融液側の異種元素の濃度分布は第4B図におけるシリコ
ン中のリンと同様の状態が実現される。その結果、第4C
図と同様な均一性のよい結晶が育成される。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明においては、まず一つに
は固液界面に隣接する融液部分では対流を抑制しない。
その結果、熱対流などの対流の撹拌作用によつてその融
液部分内では異種元素の濃度分布が均一になり、育成さ
れる結晶内の短周期の濃度分布および固液界面に平行な
断面内の濃度分布が均一になるという利点がある。次に
二つ目として固液界面から離れた融液部分では対流を抑
制する。その結果、あらかじめ添加した異種元素につい
ては結晶の育成が進行してもその融液部分の濃度はほと
んど変化しないため、結晶の長さ方向の濃度分布が均一
になるという利点がある。また、その融液部分ではルツ
ボの溶解が抑制されるため、ルツボから混入する不純物
についても結晶の長さ方向分布が均一になるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
第1A図は従来の通常のチヨクラルスキー法による結晶育
成装置の構成図、第1B図は第1A図における固液界面をは
さむ結晶側および融液側の異種元素の濃度分布、第1C図
は第1A図により育成された結晶内の異種元素の濃度分
布、第2A図は従来のソレノイドを備えた結晶育成装置の
構成図、第2B図は第2A図における固液界面をはさむ結晶
側および融液側の異種元素の濃度分布、第2C図は第2A図
により育成された結晶内の異種元素の濃度分布、第3A図
は従来のルツボを介して相対向するコイルを備えた結晶
育成装置の構成図、第3B図は第3A図における固液界面を
はさむ結晶側および融液側の異種元素の濃度分布、第3C
図は第3A図により育成された結晶内の異種元素の濃度分
布を示す。 第4A図は本発明の特徴を最もよく表わしている第1の
実施例の結晶育成装置の構成図、第4B図は第4A図におけ
る固液界面をはさむ結晶側および融液側の異種元素の濃
度分布、第4C図は第4A図により育成された結晶内の異種
元素の濃度分布、第4D図は本発明の相対向するコイルを
含む磁界印加装置部の一例の構成図、第4E図は第4D図に
おける磁界の強さとG/R比の関係図、第4F図は第4A図の
装置により1本の結晶の全長を育成するプロセス図、第
5図の(A)は従来の第1A図により石英ルツボを用いて
育成したシリコン結晶内の酸素濃度分布、(B),
(C)および(D)は本発明の第4A図による酸素濃度分
布の制御例、第6図は本発明を垂直型のブリツジマン法
に適用した一実施例の構成図、第7図は本発明を水平型
のブリツジマン法に適用した一実施例の構成図である。 1……ルツボまたは容器 2……ヒーター 3……融液 3.1……固液界面に隣接する融液部分 3.2……固液界面から離れた融液部分 4……種子結晶 5……結晶の支持体 6……結晶回転の矢印 7……結晶引上げの矢印 8……固液界面 9……結晶 10.1……熱対流 10.2……結晶回転による強制対流 11……ソレノイド 11aおよび11b……相対向するコイル 12……磁力線 13……相対向するコイルを固定する部品 14……クライオスタツト 15……コイルを励磁する電源 16……スイツチ 17……ルツボ支持軸 18……ルツボを押し上げる矢印 19……容器の移動方向の矢印 20……相対向するコイルの移動方向の矢印

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内にて原料を加熱して溶融し、その融
    液の片側から固液界面を形成して結晶を成長させる結晶
    の育成装置において、固液界面に隣接する融液部分を除
    いた融液内の対流を抑制する手段が上記固液界面を中間
    に挟んで相対向し両者の中間点において互いの磁界を打
    ち消すように励磁されたコイルであり、その相対向する
    コイルの間隔Gとコイル半径Rとの比G/Rが1/5より大き
    く2倍より小さいことを特徴とする均一結晶の育成装
    置。
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