JP2000086292A - 酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体の製造方法 - Google Patents

酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で白色度に優れ、かつ光触媒機能を有
する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を効率よく製
造する方法を提供する。 【解決手段】 塩化チタン含有塩酸水溶液又は硫酸チタ
ン含有硫酸水溶液中に、火山ガラス質堆積物粉体を分散
させ、アルカリ水溶液を滴下して該粉体粒子表面に酸化
チタン水和物を析出させたのち、900〜1100℃に
おいて1〜60秒間熱処理することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火山ガラス質堆積
物を原料として、高強度で白色度に優れ、かつ光触媒機
能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を効率
よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細中空ガラス球状体は、比重が小さ
く、かつ耐熱性が優れていることから、各種金属、セラ
ミックス、コンクリート、プラスチックスなどの軽量化
充てん材として、また、酸化チタンは塗料、プラスチッ
クなどに対する光触媒機能を有する充填材としてそれぞ
れ注目され、最近その需要が著しく増加している。
【0003】これまで、火山ガラス質堆積物を原料とし
て、微細中空ガラス球状体を製造する方法としては、シ
ラスの微粒体を800〜1200℃の温度で10秒ない
し10分間焼成したのち、水中における比重分離又は空
気分級して微細中空ガラス球状体を製造する方法が知ら
れている(特公昭48−17645号公報)。しかしな
がら、この方法では、粒径が20μm以下の火山ガラス
質堆積物を処理しても、所望の微細中空ガラス球状体を
得ることは困難である。
【0004】一方、微細中空ガラス球状体については原
料の前処理として、酸溶液を用いて加温処理を行うこと
(特公平4−296750号公報)、硫酸アルミニウム
及び尿素を用いて加温処理を行うこと(特開平8−20
8272号公報)、硫酸アルミニウムを含有する水溶液
中に分散させ、室温下で沈殿剤を添加すること(特開平
9−263425号公報)などにより品質を向上させる
方法が開発されている。
【0005】しかしながら、光触媒機能を有する酸化チ
タン被覆微細中空ガラス球状体を得るためには、これら
の方法により得られた微細中空ガラス球状体に対し、被
覆処理を施したのち、再度加熱処理を行う必要がある
が、この方法では効率が極めて悪いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、火山ガラス質堆積物を原料とし、高強度
で白色度に優れ、かつ光触媒機能を有する酸化チタン被
覆微細中空ガラス球状体を、効率よく製造する方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化チタ
ン被覆微細中空ガラス球状体の製造について鋭意研究を
重ねた結果、火山ガラス質堆積物粉体を加熱発泡処理す
るに際し、予め該粉体粒子表面を酸化チタン水和物で被
覆しておけば、粒子内部の水が確保されて発泡が効果的
に起こり、しかもその際、粒子表面に酸化チタン膜が形
成されるので、粒子間の融着が防止され、しかもこの酸
化チタン膜は主として光触媒機能が良好なアナターゼ型
となることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、火山ガラス質堆積物
粉体表面に酸化チタン水和物を析出させたのち、900
〜1100℃において1〜60秒間熱処理することを特
徴とする酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体の製造方
法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法において、原料として
用いる火山ガラス質堆積物は、これまで微細中空ガラス
球状体の製造に通常用いられているものであって、例え
ばシラス、黒曜石、真珠岩、松脂岩などがある。これら
は通常SiO2、Al23、Fe23、CaO、Mg
O、Na2O及びK2Oから構成され、水分3〜10重量
%を含んでいる。
【0010】本発明方法においては、これらの火山ガラ
ス質堆積物を粉砕あるいは解砕し、粉砕物や解砕物を乾
式分級や湿式分級などにより、通常粒径50μm以下の
区分を分級して用いる。
【0011】本発明方法においては、まず、このように
して得られた火山ガラス質堆積物粉体表面に酸化チタン
水和物を析出させる。この酸化チタン水和物を析出させ
る方法としては、例えば塩化チタンを含有する塩酸水溶
液中に火山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水
溶液を滴下して、該粉体表面に酸化チタン水和物を析出
させる方法や、硫酸チタンを含有する硫酸水溶液中に火
山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水溶液を滴
下して、該粉体表面に酸化チタン水和物を析出させる方
法や、火山ガラス質堆積物粉体を分散させたチタンテト
ラ‐n‐ブトキシドのエチルアルコール溶液を加水分解
して、該粉体表面に酸化チタン水和物を析出させる方法
などがある。
【0012】塩化チタンを含有する塩酸水溶液を用いる
方法は、まず、火山ガラス質堆積物粉体を、塩化チタン
を含有する塩酸水溶液中に5〜40重量%程度の濃度に
なるように均質に分散させて懸濁液を調製する。粉体濃
度が上記範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に発揮さ
れないおそれがある。効果の点から、この粉体濃度の好
ましい範囲は、10〜30重量%である。
【0013】また、塩酸水溶液中の塩化チタン濃度は
0.01モル/リットル以上が好ましく、特に0.05
〜0.2モル/リットルの範囲が好ましい。さらに塩酸
の濃度は0.01モル/リットル以上が好ましく、特に
0.1〜1モル/リットルの範囲が好ましい。
【0014】次に、このように調製された懸濁液をかき
まぜながら、これにアルカリ水溶液を徐々に添加して塩
化チタンを加水分解させ、粉体粒子表面に酸化チタン水
和物を析出させる。アルカリ水溶液としては、例えば炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸水素アンモニウムなどを1種又は2種以上含む
水溶液が挙げられるが、取り扱いやすく、収率が高いと
いう点から、炭酸水素アンモニウムを含む水溶液が好ま
しい。このアルカリ水溶液の濃度は2モル/リットル以
下が好ましく、特に0.5〜1.5モル/リットルの範
囲が好適である。このアルカリ水溶液の添加量は、懸濁
液中の塩化チタンに対し、アルカリが0.8〜1.2当
量倍になるように選ぶのが有利である。また、このアル
カリ水溶液を添加する際の懸濁液の温度は、一般に室温
で十分であるが、必要ならば適当に加温してもよい。次
に、硫酸チタンを含有する硫酸水溶液を用いる方法は、
上記の方法において、塩化チタンを硫酸チタンに、塩酸
水溶液を硫酸水溶液に変える以外は、上記の方法と同様
に操作すればよい。
【0015】また、チタンテトラ‐n‐ブトキシドを用
いる方法は、火山ガラス質堆積物粉体を、チタンテトラ
‐n‐ブトキシドのエチルアルコール溶液中に5〜40
重量%程度の濃度になるように均質に分散させて懸濁液
を調製する。粉体濃度が上記範囲を逸脱すると本発明の
効果が十分に発揮されないおそれがある。効果の点から
粉体濃度の好ましい範囲は、10〜30重量%である。
また、チタンテトラ‐n‐ブトキシドのエチルアルコー
ル溶液中のチタンテトラ‐n‐ブトキシドの濃度は0.
01モル/リットル以上、特に0.1〜2モル/リット
ルの範囲が好ましい。
【0016】次に、このようにして調製された懸濁液を
かきまぜながら、水を加えてチタンテトラ‐n‐ブトキ
シドの加水分解を行うが、この場合、水とエタノールと
の混合液を徐々に滴下するのが好ましい。この水とエタ
ノールとの混合液中の水の濃度は0.1モル/リットル
以上が好ましく、特に0.5〜2モル/リットルの範囲
が好ましい。上記水とエタノールとの混合液の添加量
は、懸濁液中のチタンテトラ‐n‐ブトキシドに対し、
水が0.8〜1.2当量倍になるように選ぶのが有利で
ある。また、この水とエタノールとの混合液を添加する
際の懸濁液の温度は、一般に室温で十分であるが、必要
ならば適当に加温してもよい。なお、この際、加水分解
反応を促進させるために、所望により酸やアルカリを適
宜添加することができる。このようにして、火山ガラス
質堆積物粉体粒子の表面が酸化チタン水和物により被覆
され、内部の水が確保される。
【0017】次に、懸濁液を固液分離するが、これは例
えばろ過、遠心分離、デカンテーションなどの公知の手
段により行うことができる。このようにして分離された
固形分は次いで水洗などにより十分に洗浄したのち、乾
燥処理し、次いでこの乾燥粉体を900〜1100℃の
範囲の温度において1〜60秒間熱処理して発泡させ
る。この熱処理により、発泡粒子表面が酸化チタンで被
覆されるので、粒子間の融着が効果的に防止される。熱
処理温度が900℃未満では十分に発泡しないおそれが
あるし、1100℃を超えると粒子間の融着が生じるこ
とがある。また、熱処理時間が1秒未満では十分に発泡
しないおそれがあり、一方60秒を超えるとそれ以上の
発泡は起こらず、むしろ粒子間の融着など、好ましくな
い結果を招来する。
【0018】このようにして加熱発泡させたものは軽量
の中空体であるが、さらに、比重差分別、例えば水中に
おける浮沈分離又は空気分級することにより、より軽量
の中空体を回収することもできる。
【0019】このような方法によれば、粒径が50μm
以下で、粒子密度1g/cm3以下の光触媒機能を有す
る酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を、原料の重量
に基づき50%以上という高い回収率で得ることができ
る。なお、微細中空ガラス球状体に被覆された酸化チタ
ンは、通常光触媒能の高いアナターゼ型となる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、火山ガラス質堆積物粉
体を原料として用い、高強度で白色度に優れ、かつ光触
媒機能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を
効率よく製造することができる。本発明方法で得られた
光触媒機能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状
体は、従来から利用されているセラミックス、コンクリ
ート、プラスチックスなどの軽量化充てん材として有用
である。また、主にアナターゼ型の酸化チタンが被覆さ
れているので、それ自体で太陽光によるNOxの分解や
水上に浮遊している油の分解などに有効に利用できる
し、あるいは塗料などに光触媒機能を付与する充てん材
として利用することができ、この塗料を塗布して光触媒
機能を有する環境浄化壁などを作製することができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0022】なお、微細中空ガラス球状体の強度は次の
方法により測定した。すなわち、試料とるつぼ型ろ過器
の質量をそれぞれ測定し、試料を網ふるい製試料容器に
入れ、この試料容器を加圧容器中に入れて密閉し、8M
Paまで加圧したのち、試料容器を取り出す。次に、試
料をるつぼ型ろ過器で吸引ろ過し、乾燥して秤量する。
次式に従って算出した非破壊率Sc(重量%)をもって
強度とする。 Sc=[100−(Dpa-1−Dp-1)/(D-1−Dp
-1)]×100 ただし、Dpaは加圧後の試料の粒子密度(g/c
3)、Dpは加圧後の試料の粒子密度(g/cm3)、
Dは加圧後の破壊された粒子の粒子密度(2.35g/
cm3)を示す。
【0023】実施例1 表1に示す組成をもつ火山ガラス質堆積物(福島県福島
市飯坂町産出、通称福島白土)を解砕し、粉末原料を調
製した。
【0024】
【表1】
【0025】液体媒質として、水ガラス(JIS 3
号)0.2重量%水溶液を用い、前記の粉末原料を投入
し、粒子の水中沈降速度の差を利用する水簸により、分
離粒度5μm及び10μmで分級した。分級粒子中に含
まれる粒径10μmを超える粒子の割合は、いずれの場
合も10重量%以下であり、また粒径5μm未満の粒子
の割合は、いずれの場合も10重量%以下であった。
【0026】次に、この分級した粉末20重量部を、塩
化チタン0.029モル/リットル及び塩酸0.056
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、5時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0027】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収して回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表2に示す。
また粉末X線回折チャートを図1に示す。
【0028】比較例1 実施例1において、火山ガラス質堆積物の分級粉末に対
し、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同
様にして操作した。しかし、加熱発泡装置内に火山ガラ
ス質堆積物の分級粉末が多量に溶融付着して連続処理が
できなかった。そこで、最高温度を1000℃としたと
ころ、連続処理が可能となった。結果を表2に示すとと
もに、粉末X線回折チャートを図1に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から分かるように、実施例1は、比較
例1に比べて加熱発泡物の粒子密度が小さい。なお、加
熱発泡前の粒子密度は、両者共2.35g/cm3であ
る。また、実施例1のものは、図1から、被覆した酸化
チタンがアナターゼ型であるのが分かる。
【0031】実施例2 実施例1で用いたものと同じ表1に示す組成の火山ガラ
ス質堆積物を解砕し、粉末原料を調製した。この粉末原
料を、目開き45μmの標準ふるいを用いて45μmで
分級した。通過した45μm以下の粒子をさらに空気分
級機を用いて分離粒径10μmで分級し、粗粒を回収し
た。分級粒子中に含まれる粒径10μm未満の粒子の割
合は、10重量%以下であった。
【0032】次に、この分級した粉末25重量部を、塩
化チタン0.1モル/リットル及び塩酸0.4モル/リ
ットルの濃度で含む水溶液250重量部に添加し、室温
下でかきまぜながら、1モル/リットル濃度の炭酸水素
アンモニウム水溶液を2時間で塩化チタンが加水分解す
る当量となるように滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0033】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収し、回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表3に示す。
また、粉末X線回折チャートを図2に示す。
【0034】比較例2 実施例2において、火山ガラス質堆積物の分級粉末につ
いて、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例2と
同様にして操作した。しかし、加熱発泡装置内に火山ガ
ラス質堆積物の分級粉末が多数溶融付着して連続処理が
できなかった。そこで、最高温度を1000℃としたと
ころ、連続処理が可能となった。結果を表3に示すとと
もに、粉末X線回折チャートを図2に示す。
【0035】
【表3】
【0036】表3から分かるように、実施例2は、比較
例2に比べて加熱発泡物の粒子密度が小さい。なお、加
熱発泡物の粒子密度は、両者共2.35g/cm3であ
る。また、実施例2のものは、図2から、被覆した酸化
チタンがアナターゼ型であるのが分かる。比較例2のも
のは、当然ながら、被覆処理を行っていないので、ガラ
スのハローだけである。
【0037】実施例3 実施例2に用いた分級粉末25重量部を、硫酸チタン
0.1モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの
濃度で含む水溶液250重量部に添加し、室温下でかき
まぜながら、1モル/リットル濃度の炭酸水素アンモニ
ウム水溶液を2時間で硫酸チタンが加水分解する当量と
なるように滴下した。その後、被覆処理された固形分を
ろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0038】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収し、回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表4に示す。
また、粉末X線回折チャートを図3に示す。
【0039】実施例4 実施例2に用いた分級粉末25重量部を、チタンテトラ
‐n‐ブトキシド0.5モル/リットル濃度のエタノー
ル溶液100重量部に添加し、室温下でかきまぜながら
水1モル/リットル濃度のエタノール溶液を2時間でチ
タンテトラ‐n‐ブトキシドが加水分解する当量となる
ように滴下した。その後、被覆処理された固形分をろ取
したのち、水洗、乾燥した。
【0040】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収し、回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表4に示す。
また、粉末X線回折チャートを図4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】実施例5 表5に示す組成をもつ火山ガラス質堆積物(島根県太田
市町産出)を解砕し、粉末原料を調製した。
【0043】
【表5】
【0044】目開き45μmのJISふるいを用いた水
ふるいと、実施例1と同様の粒子の水中沈降速度の差を
利用する水簸により、分離粒度10μm及び45μmで
分級した。なお、分級粒子の平均粒径は28.8μmで
あった。
【0045】次に、この分級した粉末40重量部を、塩
化チタン0.029モル/リットル及び塩酸0.056
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、4時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0046】この乾燥粉末を、最高温度を960、10
00℃とした加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通
過させて発泡させたのち、回収して回収物の粒子密度を
測定するとともに、粉末X線回折を行った。結果を表6
に示す。また粉末X線回折チャートを図5に示す。
【0047】
【表6】
【0048】表6から分かるように、温度上昇と共に加
熱発泡物の粒子密度が小さくなっている。なお、加熱発
泡前の粒子密度は、すべて2.35g/cm3である。
また、図5から、いずれも被覆した酸化チタンがアナタ
ーゼ型であることが分かるとともに、原料中に若干含ま
れる長石も認められる。
【0049】実施例6 鹿児島県鹿屋市に産する火山ガラス質堆積物を、目開き
150μm及び300μmのJISふるいを用いた水ふ
るいにより、分離粒度150μm及び300μmで分級
したのち、密度2.4g/cm3の臭化亜鉛水溶液を用
いて浮沈分離を行い、密度2.4g/cm3以下の火山
ガラス粉末を回収した。回収した粒径150〜300μ
mの火山ガラス粉末の組成を表7に示す。
【0050】
【表7】
【0051】次に、この分級した粉末10重量部を、塩
化チタン0.047モル/リットル及び塩酸0.188
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、8時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0052】この乾燥粉末を、最高温度940℃とした
加熱発泡装置に供給し、供給から排出までの滞留時間を
60秒間として発泡させたのち、回収した。回収物の粒
子密度は0.85g/cm3、水中浮揚物含有割合は4
7.7重量%、強度は83.3重量%であった。なお、
加熱発泡前の粒子密度は2.35g/cm3である。図
6に、粉末X線回折チャートを示す。この図6から分か
るように、被覆した酸化チタンはルチル型である。
【0053】比較例3 実施例6において、火山ガラス質堆積物の分級粉末につ
いて、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例6と
同様に実施した。回収物の粒子密度、水中浮揚物含有割
合及び強度は被覆処理試料とほぼ同じである。図6に、
粉末X線回折チャートを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
【図2】 実施例2及び比較例2で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
【図3】 実施例3で得られた微細中空ガラス球状体の
粉末X線回折チャート。
【図4】 実施例4で得られた微細中空ガラス球状体の
粉末X線回折チャート。
【図5】 実施例5で得られた微細中空ガラス球状体の
粉末X線回折チャート。
【図6】 実施例6及び比較例3で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月2日(1999.11.
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体
の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火山ガラス質堆積
物を原料として、高強度で白色度に優れ、かつ光触媒機
能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を効率
よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細中空ガラス球状体は、比重が小さ
く、かつ耐熱性が優れていることから、各種金属、セラ
ミックス、コンクリート、プラスチックスなどの軽量化
充てん材として、また、酸化チタンは塗料、プラスチッ
クなどに対する光触媒機能を有する充填材としてそれぞ
れ注目され、最近その需要が著しく増加している。
【0003】これまで、火山ガラス質堆積物を原料とし
て、微細中空ガラス球状体を製造する方法としては、シ
ラスの微粒体を800〜1200℃の温度で10秒ない
し10分間焼成したのち、水中における比重分離又は空
気分級して微細中空ガラス球状体を製造する方法が知ら
れている(特公昭48−17645号公報)。しかしな
がら、この方法では、粒径が20μm以下の火山ガラス
質堆積物を処理しても、所望の微細中空ガラス球状体を
得ることは困難である。
【0004】一方、微細中空ガラス球状体については原
料の前処理として、酸溶液を用いて加温処理を行うこと
(特公平4−296750号公報)、硫酸アルミニウム
及び尿素を用いて加温処理を行うこと(特開平8−20
8272号公報)、硫酸アルミニウムを含有する水溶液
中に分散させ、室温下で沈殿剤を添加すること(特開平
9−263425号公報)などにより品質を向上させる
方法が開発されている。
【0005】しかしながら、光触媒機能を有する酸化チ
タン被覆微細中空ガラス球状体を得るためには、これら
の方法により得られた微細中空ガラス球状体に対し、被
覆処理を施したのち、再度加熱処理を行う必要がある
が、この方法では効率が極めて悪いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、火山ガラス質堆積物を原料とし、高強度
で白色度に優れ、かつ光触媒機能を有する酸化チタン被
覆微細中空ガラス球状体を、効率よく製造する方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化チタ
ン被覆微細中空ガラス球状体の製造について鋭意研究を
重ねた結果、火山ガラス質堆積物粉体を加熱発泡処理す
るに際し、予め特定のチタン塩含有溶液を用いて該粉体
粒子表面を酸化チタン水和物で被覆しておけば、粒子内
部の水が確保されて発泡が効果的に起こり、しかもその
際、粒子表面に酸化チタン膜が形成されるので、粒子間
の融着が防止され、しかもこの酸化チタン膜は主として
光触媒機能が良好なアナターゼ型となることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、塩化チタン含有塩酸
水溶液又は硫酸チタン含有硫酸水溶液中に、火山ガラス
質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水溶液を滴下して該
粉体粒子表面に酸化チタン水和物を析出させたのち、9
00〜1100℃において1〜60秒間熱処理すること
を特徴とする酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体の製
造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法において、原料として
用いる火山ガラス質堆積物は、これまで微細中空ガラス
球状体の製造に通常用いられているものであって、例え
ばシラス、黒曜石、真珠岩、松脂岩などがある。これら
は通常SiO、Al、Fe、CaO、M
gO、NaO及びKOから構成され、水分3〜10
重量%を含んでいる。
【0010】本発明方法においては、これらの火山ガラ
ス質堆積物を粉砕あるいは解砕し、粉砕物や解砕物を乾
式分級や湿式分級などにより、通常粒径50μm以下の
区分を分級して用いる。
【0011】本発明方法においては、まず、このように
して得られた火山ガラス質堆積物粉体表面に酸化チタン
水和物を析出させる。この酸化チタン水和物を析出させ
る方法としては、例えば塩化チタンを含有する塩酸水溶
液中に火山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水
溶液を滴下して、該粉体表面に酸化チタン水和物を析出
させる方法と、硫酸チタンを含有する硫酸水溶液中に火
山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水溶液を滴
下して、該粉体表面に酸化チタン水和物を析出させる方
法がある。
【0012】塩化チタンを含有する塩酸水溶液を用いる
方法は、まず、火山ガラス質堆積物粉体を、塩化チタン
を含有する塩酸水溶液中に5〜40重量%程度の濃度に
なるように均質に分散させて懸濁液を調製する。粉体濃
度が上記範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に発揮さ
れないおそれがある。効果の点から、この粉体濃度の好
ましい範囲は、10〜30重量%である。
【0013】また、塩酸水溶液中の塩化チタン濃度は
0.01モル/リットル以上が好ましく、特に0.05
〜0.2モル/リットルの範囲が好ましい。さらに塩酸
の濃度は0.01モル/リットル以上が好ましく、特に
0.1〜1モル/リットルの範囲が好ましい。
【0014】次に、このように調製された懸濁液をかき
まぜながら、これにアルカリ水溶液を徐々に添加して塩
化チタンを加水分解させ、粉体粒子表面に酸化チタン水
和物を析出させる。アルカリ水溶液としては、例えば炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸水素アンモニウムなどを1種又は2種以上含む
水溶液が挙げられるが、取り扱いやすく、収率が高いと
いう点から、炭酸水素アンモニウムを含む水溶液が好ま
しい。このアルカリ水溶液の濃度は2モル/リットル以
下が好ましく、特に0.5〜1.5モル/リットルの範
囲が好適である。このアルカリ水溶液の添加量は、懸濁
液中の塩化チタンに対し、アルカリが0.8〜1.2当
量倍になるように選ぶのが有利である。また、このアル
カリ水溶液を添加する際の懸濁液の温度は、一般に室温
で十分であるが、必要ならば適当に加温してもよい。次
に、硫酸チタンを含有する硫酸水溶液を用いる方法は、
上記の方法において、塩化チタンを硫酸チタンに、塩酸
水溶液を硫酸水溶液に変える以外は、上記の方法と同様
に操作すればよい。
【0015】次に、懸濁液を固液分離するが、これは例
えばろ過、遠心分離、デカンテーションなどの公知の手
段により行うことができる。このようにして分離された
固形分は次いで水洗などにより十分に洗浄したのち、乾
燥処理し、次いでこの乾燥粉体を900〜1100℃の
範囲の温度において1〜60秒間熱処理して発泡させ
る。この熱処理により、発泡粒子表面が酸化チタンで被
覆されるので、粒子間の融着が効果的に防止される。熱
処理温度が900℃未満では十分に発泡しないおそれが
あるし、1100℃を超えると粒子間の融着が生じるこ
とがある。また、熱処理時間が1秒未満では十分に発泡
しないおそれがあり、一方60秒を超えるとそれ以上の
発泡は起こらず、むしろ粒子間の融着など、好ましくな
い結果を招来する。
【0016】このようにして加熱発泡させたものは軽量
の中空体であるが、さらに、比重差分別、例えば水中に
おける浮沈分離又は空気分級することにより、より軽量
の中空体を回収することもできる。
【0017】このような方法によれば、粒径が50μm
以下で、粒子密度1g/cm以下の光触媒機能を有す
る酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を、原料の重量
に基づき50%以上という高い回収率で得ることができ
る。なお、微細中空ガラス球状体に被覆された酸化チタ
ンは、通常光触媒能の高いアナターゼ型となる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、火山ガラス質堆積物粉
体を原料として用い、高強度で白色度に優れ、かつ光触
媒機能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状体を
効率よく製造することができる。本発明方法で得られた
光触媒機能を有する酸化チタン被覆微細中空ガラス球状
体は、従来から利用されているセラミックス、コンクリ
ート、プラスチックスなどの軽量化充てん材として有用
である。また、主にアナターゼ型の酸化チタンが被覆さ
れているので、それ自体で太陽光によるNOの分解や
水上に浮遊している油の分解などに有効に利用できる
し、あるいは塗料などに光触媒機能を付与する充てん材
として利用することができ、この塗料を塗布して光触媒
機能を有する環境浄化壁などを作製することができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0020】なお、微細中空ガラス球状体の強度は次の
方法により測定した。すなわち、試料とるつぼ型ろ過器
の質量をそれぞれ測定し、試料を網ふるい製試料容器に
入れ、この試料容器を加圧容器中に入れて密閉し、8M
Paまで加圧したのち、試料容器を取り出す。次に、試
料をるつぼ型ろ過器で吸引ろ過し、乾燥して秤量する。
次式に従って算出した非破壊率Sc(重量%)をもって
強度とする。 Sc=[100−(Dpa−1−Dp−1)/(D−1
−Dp−1)]×100 ただし、Dpaは加圧後の試料の粒子密度(g/c
)、Dpは加圧前の試料の粒子密度(g/c
)、Dは加圧後の破壊された粒子の粒子密度(2.
35g/cm)を示す。
【0021】実施例1 表1に示す組成をもつ火山ガラス質堆積物(福島県福島
市飯坂町産出、通称福島白土)を解砕し、粉末原料を調
製した。
【0022】
【表1】
【0023】液体媒質として、水ガラス(JIS 3
号)0.2重量%水溶液を用い、前記の粉末原料を投入
し、粒子の水中沈降速度の差を利用する水簸により、分
離粒度5μm及び10μmで分級した。分級粒子中に含
まれる粒径10μmを超える粒子の割合は、いずれの場
合も10重量%以下であり、また粒径5μm未満の粒子
の割合は、いずれの場合も10重量%以下であった。
【0024】次に、この分級した粉末20重量部を、塩
化チタン0.029モル/リットル及び塩酸0.056
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、5時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0025】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収して回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表2に示す。
また粉末X線回折チャートを図1に示す。
【0026】比較例1 実施例1において、火山ガラス質堆積物の分級粉末に対
し、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同
様にして操作した。しかし、加熱発泡装置内に火山ガラ
ス質堆積物の分級粉末が多量に溶融付着して連続処理が
できなかった。そこで、最高温度を1000℃としたと
ころ、連続処理が可能となった。結果を表2に示すとと
もに、粉末X線回折チャートを図1に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2から分かるように、実施例1は、比較
例1に比べて加熱発泡物の粒子密度が小さい。なお、加
熱発泡前の粒子密度は、両者共2.35g/cmであ
る。また、実施例1のものは、図1から、被覆した酸化
チタンがアナターゼ型であるのが分かる。
【0029】実施例2 実施例1で用いたものと同じ表1に示す組成の火山ガラ
ス質堆積物を解砕し、粉末原料を調製した。この粉末原
料を、目開き45μmの標準ふるいを用いて45μmで
分級した。通過した45μm以下の粒子をさらに空気分
級機を用いて分離粒径10μmで分級し、粗粒を回収し
た。分級粒子中に含まれる粒径10μm未満の粒子の割
合は、10重量%以下であった。
【0030】次に、この分級した粉末25重量部を、塩
化チタン0.1モル/リットル及び塩酸0.4モル/リ
ットルの濃度で含む水溶液250重量部に添加し、室温
下でかきまぜながら、1モル/リットル濃度の炭酸水素
アンモニウム水溶液を2時間で塩化チタンが加水分解す
る当量となるように滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0031】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収し、回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表3に示す。
また、粉末X線回折チャートを図2に示す。
【0032】比較例2 実施例2において、火山ガラス質堆積物の分級粉末につ
いて、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例2と
同様にして操作した。しかし、加熱発泡装置内に火山ガ
ラス質堆積物の分級粉末が多数溶融付着して連続処理が
できなかった。そこで、最高温度を1000℃としたと
ころ、連続処理が可能となった。結果を表3に示すとと
もに、粉末X線回折チャートを図2に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から分かるように、実施例2は、比較
例2に比べて加熱発泡物の粒子密度が小さい。なお、加
熱発泡物の粒子密度は、両者共2.35g/cmであ
る。また、実施例2のものは、図2から、被覆した酸化
チタンがアナターゼ型であるのが分かる。比較例2のも
のは、当然ながら、被覆処理を行っていないので、ガラ
スのハローだけである。
【0035】実施例3 実施例2に用いた分級粉末25重量部を、硫酸チタン
0.1モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの
濃度で含む水溶液250重量部に添加し、室温下でかき
まぜながら、1モル/リットル濃度の炭酸水素アンモニ
ウム水溶液を2時間で硫酸チタンが加水分解する当量と
なるように滴下した。その後、被覆処理された固形分を
ろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0036】この乾燥粉末を、最高温度を1040℃と
した加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通過させて
発泡させたのち、回収し、回収物の粒子密度を測定する
とともに、粉末X線回折を行った。結果を表4に示す。
また、粉末X線回折チャートを図3に示す。
【0037】実施例4 表4に示す組成をもつ火山ガラス質堆積物(島根県太田
市町産出)を解砕し、粉末原料を調製した。
【0038】
【表4】
【0039】目開き45μmのJISふるいを用いた水
ふるいと、実施例1と同様の粒子の水中沈降速度の差を
利用する水簸により、分離粒度10μm及び45μmで
分級した。なお、分級粒子の平均粒径は28.8μmで
あった。
【0040】次に、この分級した粉末40重量部を、塩
化チタン0.029モル/リットル及び塩酸0.056
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、4時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0041】この乾燥粉末を、最高温度を960、10
00℃とした加熱発泡装置に供給し、装置内を数秒で通
過させて発泡させたのち、回収して回収物の粒子密度を
測定するとともに、粉末X線回折を行った。結果を表5
示す。また粉末X線回折チャートを図4に示す。
【0042】
【表5】
【0043】表5から分かるように、温度上昇と共に加
熱発泡物の粒子密度が小さくなっている。なお、加熱発
泡前の粒子密度は、すべて2.35g/cmである。
また、図4から、いずれも被覆した酸化チタンがアナタ
ーゼ型であることが分かるとともに、原料中に若干含ま
れる長石も認められる。
【0044】実施例5 鹿児島県鹿屋市に産する火山ガラス質堆積物を、目開き
150μm及び300μmのJISふるいを用いた水ふ
るいにより、分離粒度150μm及び300μmで分級
したのち、密度2.4g/cmの臭化亜鉛水溶液を用
いて浮沈分離を行い、密度2.4g/cm以下の火山
ガラス粉末を回収した。回収した粒径150〜300μ
mの火山ガラス粉末の組成を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】次に、この分級した粉末10重量部を、塩
化チタン0.047モル/リットル及び塩酸0.188
モル/リットルの濃度で含む水溶液100重量部に添加
して均質に分散させたのち、この懸濁液を室温下でかき
まぜながら、これに1モル/リットル濃度の炭酸水素ア
ンモニウム水溶液を塩化チタンが加水分解する当量とな
るように、8時間で滴下した。その後、被覆処理された
固形分をろ取したのち、水洗、乾燥した。
【0047】この乾燥粉末を、最高温度940℃とした
加熱発泡装置に供給し、供給から排出までの滞留時間を
60秒間として発泡させたのち、回収した。回収物の粒
子密度は0.85g/cm、水中浮揚物含有割合は4
7.7重量%、強度は83.3重量%であった。なお、
加熱発泡前の粒子密度は2.35g/cmである。図
5に、粉末X線回折チャートを示す。この図5から分か
るように、被覆した酸化チタンはルチル型である。
【0048】比較例3 実施例5において、火山ガラス質堆積物の分級粉末につ
いて、被覆処理を行わなかったこと以外は、実施例5と
同様に実施した。回収物の粒子密度、水中浮揚物含有割
合及び強度は被覆処理試料とほぼ同じである。図5に、
粉末X線回折チャートを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
【図2】 実施例2及び比較例2で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
【図3】 実施例3で得られた微細中空ガラス球状体の
粉末X線回折チャート。
【図4】 実施例4で得られた微細中空ガラス球状体の
粉末X線回折チャート。
【図5】 実施例5及び比較例3で得られた微細中空ガ
ラス球状体の粉末X線回折チャート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/06 C09C 3/06 // B01J 35/02 ZAB B01J 35/02 ZABJ C04B 14/16 C04B 14/16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火山ガラス質堆積物粉体表面に酸化チタ
    ン水和物を析出させたのち、900〜1100℃におい
    て1〜60秒間熱処理することを特徴とする酸化チタン
    被覆微細中空ガラス球状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化チタンを含有する塩酸水溶液中に火
    山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水溶液を滴
    下して酸化チタン水和物を析出させる請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 硫酸チタンを含有する硫酸水溶液中に火
    山ガラス質堆積物粉体を分散させ、アルカリ水溶液を滴
    下して酸化チタン水和物を析出させる請求項1記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 火山ガラス質堆積物粉体を分散させたチ
    タンテトラ‐n‐ブトキシドのエチルアルコール溶液を
    加水分解して酸化チタン水和物を析出させる請求項1記
    載の製造方法。
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