JP2000086117A5 - エレベータ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ装置に関する。更に詳しくは、ネジ駆動機構によりエレベータ籠を昇降駆動するエレベータ装置に関する。
また、ワイヤーの伸縮性、油圧装置の特性によるエレベータ籠の停止位置の誤差の発生等の理由から、毎月の点検を技術的にも法令上からも要求される。取り分け、このような高価なシステムとメインテナンスコストの問題は、小規模住宅にホームエレベータを設置するときの障害となる。小規模住宅にホームエレベータを設置する必要性が高まっている今日の高齢化社会にあっては、これらの解決なしに普及は難しい。
また、これらのものは、建物内部に一体に組み込んだものであるから、組立・取付作業に日時と費用がかかるという問題もある。従来方式では、既存の家屋にホームエレベータを取り付けることも困難であることが多い。更に、既存のエレベータの架台は、建築資材である圧延で作られたI、T、L形鋼等がエレベータの架台、エレベータ籠の構造要素に使用されている。これらの資材は、軽量化、組立精度という点でエレベータを構成する構造部材としての使用には難点がある。
一方、ホームエレベータで、ネジ駆動により家屋の床を昇降させるものは知られている(特開平6−329361号、特開平9−188488号等)。提案されたネジ駆動のシステムは、架台に上下を固定された昇降ネジと、この昇降ネジにナットをねじ込んでナットを駆動してエレベータ籠を昇降駆動するものである。
これらのネジ駆動によるシステムは、前述したものに比して省スペースに設置できる、メインテナンスコストが少なくてすむ等の特徴がある。しかしながら、家屋への取付・組立の工数が多い、既存家屋への設置が難しい、長いネジを製作する等の問題がある。また、圧縮荷重によりネジが挫屈する心配から、例えば4階建のような高い建物にはネジ駆動方式は適用しにくい問題もある。
本発明の目的は、家屋への取付・組立が簡単なエレベータ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ネジ駆動方式であっても比較的高い家屋でも適用できるエレベータ装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、既存家屋へ設置できるエレベータ装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、取付・組立精度が高いエレベータ装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、小電力で運転できるエレベータ装置を提供することにある。
第1又は第2の発明のエレベータ装置において、前記回転駆動モータと前記ナットとの間には回転駆動モータの回転速度を減速するための変速機構を介在させるのが望ましい。変速機構は、歯車機構、チェーン機構等の公知の減速機構で良いが、騒音が小さいという点で下記のものが望ましい。
すなわち、前記変速機構は、前記回転駆動モータの出力軸に固定された第1タイミングプーリと、前記ナットに固定された第2タイミングプーリと、前記第1タイミングプーリと前記第2タイミングプーリとの間に掛け渡してあるタイミングベルトとからなるものが良い。
第1又は第2の発明のエレベータ装置において、前記エレベータ籠の形状は概略長方体状であり、前記長方体の長手方向の上下位置に配置され、前記架台にガイドされるガイドローラを配置すると良い。
第1又は第2の発明のエレベータ装置において、前記ナットのネジ山の裾幅を前記ナットのネジ山より小さくすると、前記ナットは長期摩耗に耐えうることもできる。
第1又は第2の発明のエレベータ装置において、前記回転駆動モータの電源であるバッテリーと、前記バッテリーに接続され前記回転駆動モータを駆動するインバータ回路と、前記バッテリーに電力を供給している商用電源が停電のとき、前記エレベータ籠を設定された階数の床に停止させる制御手段とから構成すると、停電時に対応できる。
第1又は第2の発明のエレベータ装置において、前記架台及び前記エレベータ籠のフレームは、板金材で製作されたものであるとエレベータの軽量化の点で効果的である。また、前記架台のフレームは板金材で作られ、前記フレームに前記ガイドローラを案内するためのローラガイド溝を構成すると良い。前記架台の縦支柱と横桁は、金属板を板金加工して製作されているものが良い。望ましくは、強度、軽量の点からチタン板、チタン合金板で作ると良い。また、エレベータ籠の側面板、天井面板は、難燃材料であるという点と、軽量化という観点からアルミ板、合板、合成樹脂板等が最適である。同じく床面板は、強度の点からチタン板、チタン合金板が望ましい。
架台2は、ホームエレベータ1の本体を構成する機体である。架台2の骨格は、4本の垂直に配置された縦支柱3と、これらを連結する横桁4とからなる。すなわち4本の縦支柱3の上端と下端は、それぞれ4本の横桁4で連結されている。
図2は、エレベータ籠5と籠駆動機構6の外観を示す外観図である。エレベータ籠5は、概略箱形で長方体状のものである。この内部は人が入るように空間であり、この空間の縦方向の長さは人の高さより若干高い程度である。エレベータ籠5の骨格は、4本の垂直に配置された籠縦支柱11と、これらを連結する10本の籠横桁12とからなる。すなわち、4本の籠縦支柱11の上端と下端は、それぞれ4本の籠横桁12で連結されている。
第2タイミングプーリ40は、ナット41に固定されている。ナット41は、補強板35に軸受(図示せず)に回転自在に、かつその軸線方向に移動不能に支持されている。ナット41は、昇降ネジ45にねじ込まれている。ナット41と昇降ネジ45との噛み合い部分の断面構造は、図7に示す。昇降ネジ45のネジ山の根元(山裾)の幅W2は、ナット41のネジ山の根元(山裾)の幅W1よりも厚い。この理由は、ナット41はエレベータ籠5を駆動するとき、ナット41を回転駆動するのでナット41のネジの摩耗が大きいためである。
[昇降ネジ45]
図5は、昇降ネジ45を示す図である。図6は、昇降ネジ45を架台2に取り付けた状態を示す断面図である。昇降ネジ45は、互いに連結された3個のネジ要素からなるものである。即ち、図5に図示されたものは、3階建ての家屋に適用されるものであり、昇降ネジ45は中空の管である下端ネジ部55、中間ネジ部56、及び上端ネジ部57の3本を相互に連結して構成されたものである。下端ネジ部55、中間ネジ部56、及び上端ネジ部57の外周には、雄ネジがそれぞれに形成されている。
例えば4階建の家屋にこの昇降ネジ45を使用するときは、下端ネジ部55、上端ネジ部57、及び2本の中間ネジ部56を使用する。すなわち中間ネジ部56を1本分だけ継ぎ足すことにより、高い家屋の昇降ネジ45にも適用できる。下端ネジ部55は、下端の端面まで大径であり、上端は小径に形成されている。この外周には、雄ネジ58が形成されている。一方、中間ネジ部56の下端部には、穴が軸線方向に開けられておりこの内周面に雌ネジ59が形成されている。中間ネジ部56の雌ネジ59には、下端ネジ部55の上端の小径部の雄ネジ58がねじ込まれて、下端ネジ部55と中間ネジ部56とは相互に連結されている。
一方、下端ネジ部55の下端部には、弾性ナット70がねじ込まれている。弾性ナット70は、合成樹脂エラストマー等の弾性部材で作られている。弾性ナット70は、その外周を固定フランジ71により固定板72にボルト73により固定されている。固定板72は、架台2の最下段の横桁4に連結され固定されている。従って、昇降ネジ45の下端は架台2に完全な固定ではなく、弾性的に支持されている。
図10(b)に示す昇降ネジ92は、複数個の同一形状のネジ要素を結合したものである。単一ネジ要素93は、中実の棒材から作られ、この外周には雄ネジ94が形成されている。単一ネジ要素93の下端部には穴が開けられており、この穴の内周面に雌ネジ95が形成されている。各単一ネジ要素93の上端は小径に形成され、この外周に雄ネジ96が形成されている。下端部の各雌ネジ95には、単一ネジ要素93の雄ネジ96がねじ込まれて、各要素は連結され1本の昇降ネジ93を構成する。このネジによる連結だけでは、連結に位相のズレが生じるので、両者を貫通するように、ネジ結合部にダボピン97が圧入されている。
[その他の実施の形態]
エレベータは、一般にエレベータ籠の上昇と下降の負荷バランスを安定させるためバランサーを使用されている。従って、前記実施の形態においても、エレベータ籠のバランスを安定させるためにバランサーを使用すると良い。

Claims (8)

  1. 家屋に設置され概略長方体状に一体に組立てられた架台と、
    前記架台の内部空間の長手方向に配置され、前記架台に上端が固定され下端が弾性的に支持された昇降ネジと、
    前記架台内に収納され、前記架台に沿って上下動されるエレベータ籠と、
    前記エレベータ籠に搭載された回転駆動モータと、
    前記昇降ネジにねじ込まれ前記エレベータ籠に回転自在に設けられ、かつ前記回転駆動モータにより回転駆動されるナットとを有することを特徴とするエレベータ装置。
  2. 家屋に設置された架台と、
    前記架台の内部空間の長手方向に配置され、前記架台に上端と下端が固定され複数のネジ要素を相互に連結して構成された昇降ネジと、
    前記架台内に収納され、前記架台に沿って上下動されるエレベータ籠と、
    前記エレベータ籠に搭載された回転駆動モータと、
    前記昇降ネジにねじ込まれ前記エレベータ籠に回転自在に設けられ、かつ前記回転駆動モータにより回転駆動されるナットとを有することを特徴とするエレベータ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエレベータ装置において、
    前記回転駆動モータと前記ナットとの間には変速のための変速機構が介在され、
    前記変速機構は、
    前記回転駆動モータの出力軸に固定された第1タイミングプーリと、
    前記ナットに固定された第2タイミングプーリと、
    前記第1タイミングプーリと前記第2タイミングプーリとの間に掛け渡してあるタイミングベルトとからなることを特徴とするエレベータ装置。
  4. 請求項1又は2に記載のエレベータ装置において、
    前記エレベータ籠の形状は概略長方体状であり、前記長方体の長手方向の上下位置に配置され、前記架台にガイドされるガイドローラとからなることを特徴とするエレベータ装置。
  5. 請求項1又2に記載のエレベータ装置において、
    前記ナットのネジ山の裾幅を前記ナットのネジ山より小さくしたことを特徴とするエレベータ装置。
  6. 請求項1又2に記載のエレベータ装置において、
    前記回転駆動モータの電源であるバッテリーと、
    前記バッテリーに接続され前記回転駆動モータを駆動するためのインバータ回路と、
    前記バッテリーに電力を供給している商用電源が停電のとき、前記エレベータ籠を設定された階数の床に停止させる制御手段とからなることを特徴とするエレベータ装置。
  7. 請求項1又2に記載のエレベータ装置において、
    前記架台及び前記エレベータ籠のフレームは、板金材で製作されたものであることを特徴とするエレベータ装置。
  8. 請求項4に記載のエレベータ装置において、
    前記架台のフレームは板金材で作られ、前記フレームに前記ガイドローラを案内するためのローラガイド溝が形成されていることを特徴とするエレベータ装置。
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