JP2000085149A - マイクロホン、振動検知装置およびノズル詰まり検知装置 - Google Patents

マイクロホン、振動検知装置およびノズル詰まり検知装置

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JP2000085149A
JP2000085149A JP30242298A JP30242298A JP2000085149A JP 2000085149 A JP2000085149 A JP 2000085149A JP 30242298 A JP30242298 A JP 30242298A JP 30242298 A JP30242298 A JP 30242298A JP 2000085149 A JP2000085149 A JP 2000085149A
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microphone
nozzle
vibration
diaphragm
ink
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JP30242298A
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Koji Yoshida
孝治 吉田
Toru Imai
徹 今井
Takashi Miyakura
隆志 宮倉
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Omron Corp
Hosiden Corp
Original Assignee
Omron Corp
Hosiden Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出物の無駄な消費を抑制し、しかも、吐出
必要時のノズル詰まりを解消できるとともに、超小型の
多連のノズルであっても、比較的低いコストで各ノズル
毎の詰まりを検知できるようにすることを目的とする。 【解決手段】 通常の印画時と同様の圧力で、ノズルか
らマイクロホン9の振動板10にインクを順次吐出さ
せ、各ノズルの吐出のタイミングに応じて、マイクロホ
ン9でインクの衝突による振動が検出されるか否かに基
づいて、ノズルの詰まりを検知するようにし、さらに、
マイクロホン9のケース23に開口部28を形成して振
動板10の背面側を開放し、これによって、インクの衝
突以外の外部音声の検出感度を抑制している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインク、
油、水あるいは各種粒体等の吐出物を吐出するノズルの
詰まりを検知する装置、該装置に好適なマイクロホンお
よび振動検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のノズルを備えるノズル噴射装
置、例えばインクジェットプリンタにおいては、ノズル
の詰まりが生じると、印画した際に、インクが吐出され
ず、その部分の画像に、白い線が入るなどして印画不良
が生じることになる。
【0003】従来、このようなノズルの詰まりによる印
画不良の対策として、例えば次のような方法がある。
【0004】すなわち、図25の概略構成図に示される
ように、加圧ポンプ31によって定期的に通常の印画時
よりも高い圧力に加圧し、インクタンク32からのイン
ク33を多数のノズル34から強制的に吐出させて詰ま
りを取り除いたり、あるいは、加圧することなく、定期
的に通常の印画時と同様にインクを吐出させるととも
に、ノズル34表面をワイパ等によってなぞって詰まり
を取り除く、いわゆるクリーニングを行う方法である。
【0005】また、図26に示されるように、ノズル3
5内の圧力を検出する圧力センサ36を内蔵し、この圧
力センサ36で検出したノズル35内の圧力の増大によ
ってノズルの詰まりを検知する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、定期的
にクリーニングする従来例では、ノズル内を通常の印画
時よりも高圧に加圧する際に、多量のインクが強制的に
吐出されて無駄に消費されてランニングコストがかさ
み、また、加圧することなく、通常の印画時と同様にイ
ンクを吐出させてクリーニングを行う方法では、一回の
クリーニング時間(インク排出時間)およびクリーニン
グ周期(インク排出周期)などを、実験結果、経験則な
どから最悪条件に設定せざるを得ないために、インクの
消費が多くなってランニングコストがかさみ、さらに、
いずれの方法も定期的なクリーニングであるために、必
要な印画時にノズルが詰まっている可能性があり、万が
一ノズルが詰まっていたら、印画に重大な欠陥をもたら
すことなる。
【0007】一方、ノズル内の圧力を、圧力センサで検
知する従来例では、超小型のノズルの場合には、ノズル
の内部の圧力を検知する極めて小型の圧力センサが必要
となって技術的に難しく、また、多連に連結された超小
型のノズルでは、ノズルの一本ずつに圧力センサを設置
するとコストがかさみ、一個の圧力センサで連結された
多数のノズルのすべてを検知すると、詰まりを生じたノ
ズルを特定できないという難点がある。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、吐出物の無駄な消費を抑制し、しかも、吐出
必要時のノズル詰まりを解消できるとともに、超小型の
多連のノズルであっても、比較的低いコストで各ノズル
毎の詰まりを検知でき、さらに、検出感度の高いノズル
詰まり検知装置およびそれに好適なマイクロホン並びに
振動検知装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0010】すなわち、請求項1に係る本発明のマイク
ロホンは、振動板の背面側を開放している。
【0011】請求項2に係る本発明のマイクロホンは、
請求項1記載の構成において、前記振動板は、ケースの
前面側に備えられ、該ケースの背面側に形成された開口
部を介して振動板の背面側を開放するものである。
【0012】請求項3に係る本発明のマイクロホンは、
請求項1または2記載の構成において、前記振動板は、
ケースの前面側に備えられ、該ケースの前面側に形成さ
れた開口部を介して振動板の背面側を開放するものであ
る。
【0013】請求項4に係る本発明のマイクロホンは、
請求項1ないし3のいずれかに記載の構成において、バ
スレフ型のキャビネットに装備されるものである。
【0014】請求項5に係る本発明の振動検知装置は、
振動を検出する検出面を有する振動検出手段を備え、該
振動検出手段の前記検出面とは反対側の面を開放してい
る。
【0015】ここで、振動検知装置とは、音による振動
を検知するに止まらず、音とは異なる周波数をもつ振動
であっても検知する装置をいう。
【0016】請求項6に係る本発明の振動検知装置は、
請求項5記載の構成において、前記検出面は、ケースの
前面からケース外に臨み、該ケースの背面側に形成され
た開口部を介して前記検出面とは反対側の面を開放する
ものである。
【0017】請求項7に係る本発明の振動検知装置は、
請求項5または6記載の構成において、前記検出面は、
ケースの前面からケース外に臨み、該ケースの前面側に
形成された開口部を介して前記検出面とは反対側の面を
開放するものである。
【0018】請求項8に係る本発明のノズル詰まり検知
装置は、吐出物を吐出するノズルの詰まりを検知する装
置であって、前記ノズルから吐出される吐出物の衝突を
検出する検出手段を備え、該検出手段の検出出力に基づ
いて、前記ノズルの詰まりを検知するとともに、前記検
出手段は、前記請求項1ないし7のいずれかに記載のマ
イクロホンまたは振動検知装置を備えるものである。
【0019】請求項9に係る本発明のノズル詰まり検知
装置は、請求項8記載の構成において、前記ノズルから
の吐出物が、前記マイクロホンの振動板または前記振動
検知装置の検出面に向けて吐出されるものである。
【0020】請求項10に係る本発明のノズル詰まり検
知装置は、請求項8または9記載の構成において、前記
マイクロホンの振動板または前記振動検知装置の検出面
に、振動を与える振動付与手段を備えている。
【0021】(作用)請求項1の本発明のマイクロホン
によれば、振動板の背面側を開放しているので、背面側
から音を入射させることができ、振動板の前面側と背面
側との音圧差を小さくして音圧による振動板の振動を抑
制することができ、後述のように、本発明のノズル詰ま
り検知装置に好適に実施でき、その検知感度を高めるこ
とができる。
【0022】請求項2の本発明によれば、ケースの背面
側に形成された開口部から入射される音によって、振動
板の前面側と背面側との音圧差を小さくして音圧による
振動板の振動を抑制することができ、本発明のノズル詰
まり検知装置に好適に実施でき、その検知感度を高める
ことができる。
【0023】請求項3の本発明によれば、ケースの前面
側に形成された開口部から入射される音によって、振動
板の前面側と背面側との音圧差を小さくして音圧による
振動板の振動を抑制することができ、本発明のノズル詰
まり検知装置に好適に実施でき、その検知感度を高める
ことができる。
【0024】請求項4の本発明によれば、バスレフ型の
キャビネットに装備されるので、請求項1ないし3の発
明の作用に加えて、キャビネットに形成されたポート
(孔)から導入された音が請求項1ないし3のマイクロ
ホンに導かれることになる。
【0025】請求項5の本発明の振動検知装置によれ
ば、検出面とは反対側の面を開放しているので、検出面
側と反対の面側との圧力差を小さくして振動による振動
板の振動を抑制することができ、後述のように、本発明
のノズル詰まり検知装置に好適に実施でき、その検知感
度を高めることができる。
【0026】請求項6の本発明によれば、ケースの背面
側に形成された開口部によって、ケース外に臨む検出面
とその反対側の面との圧力差を小さくして振動を抑制す
ることができ、本発明のノズル詰まり検知装置に好適に
実施でき、その検知感度を高めることができる。
【0027】請求項7の本発明によれば、ケースの前面
側に形成された開口部によって、ケース外に臨む検出面
とその反対側の面との圧力差を小さくして振動を抑制す
ることができ、本発明のノズル詰まり検知装置に好適に
実施でき、その検知感度を高めることができる。
【0028】請求項8の本発明のノズル詰まり検知装置
によれば、ノズルから吐出される吐出物の衝突を検出す
る検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づい
て、ノズルの詰まりを検知するので、従来のように、ノ
ズル内の圧力を通常の吐出時よりも高圧にして強制的に
吐出させて定期的なクリーニングを行う必要がなく、ま
た、クリーニング時間およびクリーニング周期などを最
悪の条件に設定する必要がなく、吐出物の無駄な消費を
抑制できるとともに、必要な吐出に先立ってノズルの詰
まりを検知することによって、吐出不良を事前に回避で
きる。さらに、ノズル外の吐出物の衝突に基づいてノズ
ルの詰まりを検知するので、ノズル内の圧力を圧力セン
サで検知する従来例のように、ノズル毎に圧力センサを
設けることなく、ノズルの詰まりを検知することができ
る。
【0029】しかも、検出手段は、請求項1ないし7の
いずれかに記載の本発明のマイクロホンまたは振動検知
装置を備えているので、吐出物の衝突によってマイクロ
ホンの振動板または振動検出手段の検出面を振動させて
高感度に検出する一方、衝突以外の外部音声や外部振動
に対して、マイクロホンの前面側の音圧と、開放された
背面側からの音圧とによってその音圧差が小さくなっ
て、または、振動検知装置の検出面側と反対面側の圧力
差が小さくなって、感度を低く抑えることができる。
【0030】請求項9の本発明によれば、ノズルからの
吐出物をマイクロホンの振動板または振動検知装置の検
出面に向けて吐出させるので、吐出物の衝突によって振
動板または検出面を直接振動させることができ、高感度
でノズルの詰まりを検知することができる。
【0031】請求項10の本発明によれば、マイクロホ
ンの振動板または振動検知装置の検出面に、振動を与え
る振動付与手段を備えているので、振動板または検出面
に向けて吐出された吐出物が、振動板または検出面に付
着しても、振動板または検出面を振動させることによっ
て、付着した吐出物を飛散あるいは振動させながら下方
に流して除去することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について詳細に説明する。
【0033】図1は、本発明のノズル詰まり検知装置が
内蔵されたプリンタ1の斜視図であり、このプリンタ1
は、背面側のペーパートレー2から供給されて水平方向
に搬送される用紙3に印刷を行って排出口4から排出す
るものであって、本体上面には、各種の操作キー5が配
設されている。このプリンタ1は、液体のインクをドッ
トに対応するノズルから吐出して用紙に付着させる、い
わゆる、インクジェット方式であって、インクの吐出方
法としては、例えば、圧電体に通電することによって圧
電体を変形させてインク室の壁を押圧してインク室内の
インクをノズルから吐出させるものや熱によりインク経
路上に泡を生じさせ、その泡の膨張圧力でインクを吐出
させるものなどがある。
【0034】このプリンタ1は、インクを吐出する多数
のノズルを内蔵しており、かかるノズルの詰まりを検知
して印画不良をなくすために、以下に詳述する本発明の
ノズル詰まり検知装置を内蔵している。
【0035】(実施の形態1)図2は、本発明の一つの
実施の形態に係るノズル詰まり検知装置の要部の概略構
成を示す図である。
【0036】同図において、6はプリンタ1のノズルユ
ニット(インクヘッド)であり、このノズルユニット6
には、インクを吐出する複数のノズル7が設けられてお
り、このノズル7の詰まりを検知するために、この実施
の形態のノズル詰まり検知装置は、ノズル7から吐出さ
れるインク8の衝突を検出する検出手段としての小型の
マイクロホン9を備えており、このマイクロホン9の振
動板10に、ノズルユニット6のノズル7からインクを
直接衝突させて検出するように構成している。
【0037】この実施の形態のマイクロホン9は、音波
で振動板に係止された磁界中のコイルを振動させて発電
するダイナミック形のマイクロホンであり、このマイク
ロホン9の出力は、図3に示されるように、増幅器11
で増幅された後、ゲート回路12でインクの吐出のタイ
ミングに応じた検出信号が取り出され、さらに、バンド
パスフィルタ13によって有効な帯域の検出信号が取り
出されてコントローラとしてのマイクロコンピュータに
与えられる。なお、増幅器11は、ゲート回路12の後
段側に配置してもよい。また、ゲート回路12はなくて
もよい。
【0038】この実施の形態では、先ず、印画に先立っ
てノズルユニット6を移動させて各ノズル7を、例えば
プリンタ1の幅方向の隅部などに配置されたマイクロホ
ン9の振動板10に順次臨ませてインクを振動板10に
向けて通常の印画時と同様の圧力で吐出し、マイクロホ
ン9によってインクの衝突による振動板10の振動を検
出し、各ノズル7の吐出のタイミングに応じて、予め定
めた閾値以上の振動が検出されたときには、インクが吐
出されたものであって、対応するノズル7の詰まりは生
じておらず、前記閾値以上の振動が検出されないときに
は、インクが吐出されておらず、あるいは、吐出が不十
分であって対応するノズル7の詰まりが生じていると判
定するものである。
【0039】なお、ノズル7の詰まりの有無の判定およ
び吐出並びに移動の制御は、上述のコントローラとして
のマイクロコンピュータによって行われるものであり、
ノズル7の詰まりが生じていると判定された場合には、
そのノズル7についてのみ通常の印画時よりも加圧して
強制的にインクを吐出させたり、ノズル表面をワイパで
なぞることなどにより、クリーニングを行うものであ
る。
【0040】このように、マイクロホン9では、インク
の衝突による振動板10の振動を検出するのであるが、
インクの衝突以外の外部音声によっても振動板10が振
動するので、インクの吐出の検出感度を高める上では、
外部音声の検出感度をできるだけ抑えることが好まし
い。
【0041】そこで、この実施の形態では、ダイナミッ
ク形のマイクロホン9を、次のように構成している。す
なわち、図4は、マイクロホン9の断面図であり、図5
は図4の背面(下方)から見た図である。
【0042】これらの図において、23はケース、10
は該ケース23の前面側に設けられた振動板、24は振
動板10と一体のコイル、25はポール、26はヨー
ク、27は永久磁石である。
【0043】従来のダイナミック形のマイクロホンで
は、基本的にはケースの背面側は開放されていないけれ
ども、この実施の形態では、ケース23の背面側には、
周方向に沿って複数の円形の開口部28が形成されてお
り、これらの開口部28によって振動板10の背面側を
開放している。
【0044】従来のダイナミック形のマイクロホンは、
振動板の背面側は、基本的には密閉された構造となって
おり、振動板の前面にかかる音圧によって振動板が振動
して電気信号が発生する。これは、音圧による圧力と内
部の気圧とが均衡を保とうとし、振動板が振動すること
で、磁気回路から電気信号を出力するものである。
【0045】これに対して、この実施の形態では、上述
のように、振動板10の背面側を開口部28を介して開
放して前面側との音圧差を極小化することで、音圧によ
る振動板10の振動を抑制し、インクの衝突以外の外部
音声の感度を抑えるようにしている。
【0046】その一方、インクに対しては、振動板10
に衝突するインクの衝突エネルギーによって直接振動板
10を振動させるので、衝突エネルギーに応じたそのま
まの電気信号を得ることができ、高感度で検出できるこ
とになる。
【0047】このようにインクなどの吐出物の衝突は、
高感度で検出できる一方、外部音声の検出感度を低く抑
えることができる。
【0048】なお、開口部の形状、数あるいは形成箇所
などは、この実施の形態に限らず、適宜変更してもよい
のは勿論である。
【0049】振動板10の厚みは、基本的には、振動板
10に吐出されたインクなどの吐出物が滞留しなけれ
ば、より薄い方が振動し易く感度はよいけれども、吐出
されるインク粒が極々微量な場合、振動板10を傾斜さ
せてもインク滴が下方へ流れ出すまでの一時的な滞留の
可能性も考えられ、この場合、その重量に対して振動板
10がくぼみ易いような厚みであれば、インク粒の吐出
に対して振動板10が振動しなくなるため、すぐに検知
能力を失ってしまうことになる。
【0050】そこで、インクなどの吐出物の一時的な滞
留によるその重量に対し、振動板10の形状を維持でき
る適度な振動板10の厚みを選定する必要があり、選定
する厚みの範囲は、振動板10の外径をD、振動板10
の厚みをtとしたときに、D/t=100〜10000
の範囲とするのが好ましい。
【0051】この実施の形態の振動板10は、図6
(a)の平面図およびその矢視A−A断面図である図6
(b)に示されるように、従来例と同様な複雑なコルゲ
ーション(ひだ)を有している。
【0052】なお、振動板10は、図7(a),(b)
の平面図およびその矢視A−A断面図に示されるよう
に、インクが吐出される中央部10aを平坦にし、複雑
なコルゲーションをもたない構成にしてもよい。すなわ
ち、複雑なコルゲーションがあると、吐出されたインク
が、凹部などに滞留して検出性能を低下させることにな
り、このため、中央部10aを平坦に構成して、マイク
ロホン9を傾斜させて配置したときに、インクが振動板
10から下方へ円滑に流れるようにするものである。
【0053】また、マイクロホン9の振動板10として
は、図8(a)に示される平面図、図8(b)に示され
るその矢視A−A断面図、図8(c)に示される矢視B
−B断面図、図8(d)に示される矢視C−C断面図お
よび図9の斜視図に示されるように、中央部10aを平
坦に構成するとともに、傾斜部分10bにコルゲーショ
ンを形成してもよい。これにより、膜の補強を図り、ま
た、マイクロホン9上に落ちたインクの排出溝として機
能させている。
【0054】さらに、振動板10は、図10(a)の平
面図および図10(b)の断面図に示されるように、振
動板10の中央部10aを、上方に凸のドーム状に形成
し、これによって、ノズル7から検出面10aに向けて
吐出されたインク滴が、周縁部に円滑に流れて検出面と
なる中央部10aに滞留しないように構成してもよい。
また、図7ないし図9の振動板10では、中央部10a
が平坦であるので、マイクロホン9を傾斜して配置する
ことによって振動板10を傾斜させて吐出されたインク
が振動板10に滞留することなく、下方に円滑に流れる
ようにする必要があるが、この図10の構成では、振動
板10がドーム状であるので、必ずしも傾斜して配置し
なくてもよい。
【0055】また、本発明の他の実施の形態として、振
動のレベルを細かく検出し、詰まり具合に応じて、その
詰まりを解消するためのクリーニングの際の吐出圧力、
吐出時間あるいは吐出回数などを適宜選択するようにし
てもよく、クリーニングの際のインクの消費をさらに抑
制するようにしてもよい。
【0056】この実施の形態によれば、印画の開始前
に、すべてのノズル7について詰まりが生じているか否
かを検知し、詰まりが生じているときには、そのノズル
7のみから強制的にインクを吐出させてクリーニングを
行うので、印画不良が生じることがなく、しかも、ノズ
ル7の詰まりを検知するためのノズル7からの吐出は、
通常の印画時と同様の圧力であるので、高い圧力に加圧
して強制的にすべてのノズルについてクリーニングを行
う従来例あるいはクリーニング時間やクリーニング周期
などを最悪の条件に設定してクリーニングを行う従来例
に比べて、消費されるインクの量は大幅に削減されるこ
とになり、ランニングコストを大幅に低減できる。
【0057】また、ノズルが詰まっているかどうかを検
知できるので、必要最小限のクリーニング回数でよく、
ランニングコストの低減およびプリンタの印字可能とな
るまでの時間を短縮できる。
【0058】さらに、ノズル7の外におけるインクの衝
突に基づいてノズル7の詰まりを検知するので、ノズル
内の圧力を、圧力センサで検知する従来例のように、超
小型のノズルの場合には、極めて小型の圧力センサが必
要となって技術的に難しいといったこともなく、また、
ノズルの一本ずつに圧力センサを設置することなく比較
的低いコストで詰まりを生じたノズルを特定できること
になる。
【0059】特に、この実施の形態では、マイクロホン
9の振動板10に向けて吐出されるインクの衝突による
振動を検出するので、微小な振動でも高感度で検出で
き、しかも、インクの衝突以外の外部音声に対しては検
出感度を低く抑えることができる。
【0060】また、吐出されるインクの衝突による微小
な振動をリニアに検出することにより、ノズルの詰まり
の検知に止まらず、例えば、温度やインクの粘度の変化
等によらず、吐出量を一定にするといった最適制御を行
うことも可能となり、さらに、ドットに対応するノズル
からの吐出量を制御してノズルでの階調表現も可能とな
る。さらには、各ノズルの吐出量のバラツキを検知し、
それを補正して各ノズルの吐出量を揃えることにより、
精細な印画が可能となる。
【0061】また、インクの吐出周期は、任意に変更で
きるので、機器(プリンタ)が動作することによる振動
や音、例えば、ノズルユニットの移動や紙送りといった
動作による振動や音の影響を除くために、図11(a)
の出力波形に示される吐出周期Tおよび対応する検出の
タイミングを、機器が動作することによる振動や音と異
なる周期に予め設定したり、あるいは、インクの衝突に
よる検出信号であるかノイズであるか不明な場合には、
ノイズの影響を受けないように、吐出の周期を変えると
ともに、検出のタイミングもそれに応じて変更して再度
吐出させて検出を行ったり、さらには、複数回繰り返し
て検出出力が確認されたときに、吐出有りと判定するよ
うにして検出精度を高めるようにしてもよい。
【0062】また、インクの吐出圧力を変更することも
可能であることから、検知時には、図11(b)の出力
波形に示されるように、通常印字以上に高い圧力で衝突
させることにより、S/Nの向上を図ることも可能であ
る。
【0063】(実施の形態2)図12は、本発明の他の
実施の形態のダイナミック形のマイクロホンの断面図で
あり、図13は、その背面(下方)から見た図であり、
図14は図13の矢視A−A断面図であり、図4に対応
する部分には同一の参照符号を付す。
【0064】この実施の形態では、振動板10の背面側
のケース23’はほぼ完全に開放されており、4本の支
持アーム部23’aがケース23’の前面側から屈曲延
出されて背面側の中央部で連結されてヨーク等の支持部
23’bが形成されている。
【0065】このように、振動板23’の背面側をほぼ
完全に開放することにより、インクの衝突以外の外部音
声に対する検出感度を一層抑えることができ、これによ
って、インクの衝突を高感度で検出できる。
【0066】その他の構成および効果は、上述の実施の
形態1と同様である。
【0067】なお、この実施の形態2の変形例として、
図15およびそのA−A断面図である図16に示される
ように、マグネット27をリング状とし、例えばそのリ
ング内径に準じてポール25、ヨーク26、ケース2
3’も中空構造としてもよい。
【0068】(実施の形態3)図17は、本発明のさら
に他の実施の形態のダイナミック形のマイクロホンの平
面図であり、図18(a),(b)は、図17の矢視A
−A,B−B断面図であり、上述の実施の形態1に対応
する部分には、同一の参照符号を付す。
【0069】上述の実施の形態1では、ケース23の背
面側に開口部28を形成して、振動板10の背面側を開
放したけれども、この実施の形態のマイクロホン91
は、ケース231は、背面側に開口部281を有するとと
もに、その前面側にも長手方向の両側に矩形の開口部4
5を有しており、この前面側および背面側の開口部4
5,281を介して振動板10の背面側が開放されてい
る。
【0070】このように前面側に開口部45を形成する
ために、この実施の形態では、振動板10は、矩形に形
成されており、ケース231の長手方向(図17の左右
方向)に沿う二辺が、ケース231の前面側の縁部に取
付け支持されている。また、ケース231の背面側に開
口部281を形成するために、マグネット27、ポール
25およびヨーク26も開口部281に対応した中空構
造としている。
【0071】このように、ケース231の背面のみなら
ず、ケース231の前面側に開口部45を形成し、これ
ら開口部281,45を介して振動板10の背面側を開
放しているので、振動板10の背面側と前面側との音圧
差を一層小さくして音圧による振動板10の振動を抑制
し、インクの衝突以外の外部音声の感度を抑えることが
できる。
【0072】その他の構成および効果は、上述の実施の
形態1と同様である。
【0073】この実施の形態では、振動板10に吐出さ
れたインク8が、図17の矢符で示されるようにケース
231外の下方に流れるように、ケース231の幅方向が
上下方向に沿うように配置されるのであるが、この実施
の形態の変形例として、図19に示されるように、振動
板10のケース231の幅方向に沿う両端を鈍角に屈曲
形成して吐出されたインクが円滑に下方へ流れるように
してもよい。
【0074】さらに、この実施の形態の変形例として、
図20の平面図および図21の断面図に示されるよう
に、ケース231の長手方向を上下方向に沿うように配
置し、吐出されたインク8が図20の矢符で示されるよ
うに、前面の開口部45からケース231内に落下する
ように構成し、このインク8を、ケース231内の開口
部45に対応する位置に配置したスポンジなどの吸収材
46に吸収させるとともに、この吸収材46を、ケース
231外のスポンジなどの排インク吸収材に接続しても
よい。このようにケース231外の排インク吸収材に接
続することによって、ケース231内の吸収材46が小
さくても十分な吸収性能を得ることができる。
【0075】また、振動板10に向けて吐出されたイン
クをそのままケース外に流してしまう構成では、そのイ
ンクを回収するために、設置箇所が制限されるけれど
も、この実施の形態では、振動板10に向けて吐出され
たインクを、ケース231内の吸収材46で吸収するの
で、設置の自由度が高まることになる。
【0076】なお、振動板は、矩形に限らず、例えば、
図9に示されるように、振動板10を円形とし、ケース
23の前面に開口部を形成してもよい。
【0077】(実施の形態4)図22は、本発明の他の
実施の形態の検出手段を示す図であり、上述の実施の形
態1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0078】この実施の形態のマイクロホン9は、バス
レフ型のキャビネット29に装着されており、このバス
レフ型のキャビネット29には、その前面に、マイクロ
ホン9を組み込むための取付孔が形成されるとともに、
前面からの音を、マイクロホン9の背面に導くためのポ
ート(孔)30が形成されている。
【0079】このキャビネット29に装着されたマイク
ロホン9の振動板10に、上述の実施の形態1と同様
に、ノズルからインクを吐出させるものであり、この実
施の形態では、ポート30には、スポンジ等の音を妨げ
にくい材料からなる蓋体38を設けており、これによっ
て、飛散したインクがスポンジ等の蓋体38に吸収され
てキャビネット29内の矢符で示される音の経路にイン
クが侵入するのを防止することができる。なお、この蓋
体38は省略してもよい。
【0080】この実施の形態においては、前面のポート
30から侵入した音は、キャビネット29内の音の経路
を通ってマイクロホン9の背面に導かれ、この結果、マ
イクロホン9の振動板10の前面側にかかった音と打ち
消し合い、外部音声による振動を抑制して感度を低く抑
えることができる。その一方、ノズル7からのインク
は、マイクロホン9の振動板10に向けて吐出されるの
で、マイクロホン9の振動板10へのインクの衝突によ
る振動は、高感度に検出できる。
【0081】その他の構成および効果は、上述の実施の
形態1と同様である。
【0082】なお、バスレフ型のキャビネット29に、
上述の実施の形態2,3のマイクロホン9’,91を組
み込んでもよい。また、キャビネットに形成されるポー
トの位置や音の経路はこの実施の形態に限らず、適宜変
更してもよく、また、ポートにダクトを配備してもよ
い。
【0083】(実施の形態5)図23は、本発明のさら
に他の実施の形態のノズル詰まり検知装置の要部の概略
構成を示す図であり、図2に対応する部分には、同一の
参照符号を付す。
【0084】この実施の形態のノズル詰まり検知装置
は、ノズルユニット6のノズル7から吐出されるインク
8の衝突による音を検出する検出手段として、ノズル7
から吐出されるインク8の衝突によって振動する振動膜
19と、この振動膜19の振動によって生じる空気の振
動波である音を検出するマイクロホン21とを備えてお
り、振動膜19とマイクロホン21とは、保持具20に
よって一体的に保持されている。
【0085】このマイクロホン21は、上述の実施の形
態1〜3のマイクロホン9,9’,91と同様の構成、
すなわち、振動板の背面側が開放されている。振動膜1
9は、例えば、金属薄膜、プラスチックフィルムあるい
は高分子フィルムなどによって構成され、インク8の衝
突によって振動するように構成されている。
【0086】この振動膜19の材質を変えることで、音
が大きくなるようにすることもできる。
【0087】この実施の形態によれば、吐出されたイン
ク8がマイクロホン21に直接付着しないので、マイク
ロホン21の耐久性が向上し、また、振動膜19のクリ
ーニングも容易となる。
【0088】その他の構成および効果は、上述の実施の
形態1と同様である。
【0089】なお、インク8の衝突によって振動する振
動膜19の材質、大きさ、厚さ等を変更することによ
り、該振動膜19が振動することによって発生する空気
の振動波(音)の周波数を変更するといったことも考え
られる。
【0090】(実施の形態6)図24は、本発明のさら
に他の実施の形態の図3に対応するブロック図であり、
図3の実施の形態1に対応する部分には、同一の参照符
号を付す。
【0091】上述のように、実施の形態1では、ノズル
ユニット6のノズル7からマイクロホン9の振動板10
に向けてインクを吐出するのであるが、吐出されたイン
クが、マイクロホン9の振動板10に付着して除去され
ないと、インクの重量が、振動板10の荷重に付加され
て振動板10の慣性質量を増やす結果、振動しにくくな
るとともに、付着したインク滴の粘性によって振動板1
0の振動が抑制されて検知性能が低下する。また、付着
したインクの成分による腐食や化学変化によって振動板
10が劣化するという難点もある。
【0092】そこで、この実施の形態6では、マイクロ
ホン9の振動板10に吐出されたインクを、一層確実に
除去するために、次のように構成している。
【0093】すなわち、この実施の形態では、マイクロ
ホン9の振動板10に、振動を与える振動付与手段40
を備えており、この振動付与手段40によってマイクロ
ホン9の振動板10を強制的に振動させ、振動板10に
付着したインクを飛散あるいは振動させながら下方へ流
して除去するようにしている。
【0094】この実施の形態の振動付与手段40は、マ
イクロホン9の接続を切り換える切換回路41と、振動
板10の共振周波数で発振する発振回路42とを備えて
おり、上述のマイクロコンピュータからの制御信号によ
って切換回路41および発振回路42が制御されるよう
になっている。
【0095】切換回路41は、通常、マイクロホン9を
増幅器11に接続してマイクロホン9の出力を増幅器1
1に与え、マイクロホン9の振動板10を振動させると
きには、発振回路42の発振信号をマイクロホン9に印
加するように切換制御される。
【0096】この振動付与手段40は、マイクロホン9
のコイルに、切換回路41を介して振動板10の共振周
波数に等しい周波数の発振信号を印加し、これによっ
て、振動板10を振動させて該振動板10の検出面に付
着したインクを除去するものである。
【0097】振動付与手段40による振動の付与は、例
えば、ノズル7からマイクロホン9の振動板10にイン
クが吐出されてノズル詰まりの有無の検知動作が終了し
た直後あるいはインクが検出面から自然に下方に流れて
除去されるに必要な所定時間経過後などの適宜の時期に
行うようにすればよい。
【0098】このように、マイクロホン9の振動板10
を振動させて付着したインクを除去するようにしている
ので、ワイパやスポンジ等の吸収材で振動板の表面をな
ぞって付着したインクを除去する構成に比べて、ワイパ
や吸収材などの可動部材を追加する必要がなく、構造が
簡単となってコストの低減を図ることができる。
【0099】なお、発振回路42の発振周波数は、振動
板10を強く振動させるためには、共振周波数であるの
が好ましいが、共振周波数でなくてもよいのは勿論であ
る。
【0100】また、発振回路42を用いてマイクロホン
9のコイルを振動させると、音を発生させることができ
る。この性質を利用し、この実施の形態におけるマイク
ロホンを、ブザー等の音発生装置として使用することも
考えられる。
【0101】この実施の形態では、マイクロホン9に発
振信号を印加して振動板10を振動させたけれども、本
発明の他の実施の形態として、超音波振動子や圧電振動
子などの振動源を、マイクロホン9に密着配置し、該振
動源を駆動してその振動によってマイクロホン9、した
がって、振動板10を振動させてインクを除去するよう
に構成してもよく、さらに、振動源を必要なときに、マ
イクロホン9に密着させて振動させるように構成しても
よい。
【0102】その他の構成および効果は、上述の実施の
形態1と同様である。
【0103】なお、この振動板に対する振動の付与は、
上述の実施の形態1に限らず、他の実施の形態にも同様
に適用してもよいのは勿論である。
【0104】(その他の実施の形態)上述の実施の形態
では、マイクロホンとして、ダイナミック形のマイクロ
ホンを用いたけれども、本発明の他の実施の形態とし
て、汎用されている比較的安価なエレクトレット形のマ
イクロホンやその他のマイクロホンに適用してもよい。
接話形のマイクロホンは、従来のものもケースの背面側
に開口部が形成されているけれども、その開口率は、5
〜15%程度であるのに対して、本発明のマイクロホン
では、外部音声の感度を低くするために、その開口率
を、30%以上とすることが好ましい。
【0105】本発明の他の実施の形態として、マイクロ
ホンの振動板を、撥水性の高い材料、例えばテトラフル
オロエチレンでコーティング処理し、あるいは、撥水性
の高い材料で構成し、吐出されたインク滴が一層円滑に
流れて滞留しないように構成してもよい。
【0106】上述の各実施の形態では、インクの衝突を
検出する検出手段としてマイクロホンを用いたけれど
も、マイクロホンに代えて、二枚の電極間に、例えば、
PZT(ジルコン・チタン酸鉛)などのセラミックスや
PVDFなどの高分子膜からなる圧電膜が挟み込まれて
構成される圧電形の振動センサを用い、該振動センサを
ケースの前面側に設けて該振動センサにインクなどの吐
出物を吐出させ、ケース背面側に、本発明のマイクロホ
ンと同様に開口部を形成してもよい。また、この圧電形
の振動センサにおいても、上述のマイクロホンの場合と
同様に、振動付与手段によって振動させて吐出物を除去
するようにしてもよい。
【0107】上述の実施の形態では、ノズルの一本ずつ
からインクを吐出させて詰まりを検知したけれども、本
発明の他の実施の形態として、複数(例えば10本)の
ノズルから一斉に吐出させ、検出された振動ないし音が
閾値に達しなかったときには、いずれかのノズルが詰ま
っているとして、各ノズルから順次吐出させて詰まって
いるノズルを特定し、また、検出された振動ないし音が
閾値に達したときには、前記複数のノズルには詰まりが
生じていないとして、次の複数のノズルの検知に移行す
るようにしてもよく、このように複数のノズル毎に検知
することにより、効率的にノズルの詰まりを検知するこ
とができる。
【0108】上述の実施の形態では、詰まりを検知する
ためのインクの吐出は、通常の印画時と同様の圧力であ
ったけれども、印画時の圧力よりも低くてもよく、ある
いは、高くてもよい。また、吐出圧力でなく、クリーニ
ングの際のインク吐出時間、吐出回数を適宜変更しても
よい。要は、検出手段がインクを検出でき、かつ、無駄
なインクの消費を低減できればよい。
【0109】上述の実施の形態では、ノズル側のみを移
動させたけれども、本発明の他の実施の形態として、検
出手段側を移動させてノズルに臨ませてもよい。
【0110】上述の実施の形態では、ノズルの詰まりの
検知を、印画の前に行うようにしたけれども、本発明の
他の実施の形態として、定期的あるいは適宜に行うよう
にしてもよい。
【0111】上述の実施の形態では、プリンタに適用し
て説明したけれども、本発明は、プリンタに限らず、ノ
ズルから吐出物を吐出する他のノズル噴射装置、例えば
ノズルが一本だけの噴射装置に適用してもよいのは勿論
である。
【0112】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果が奏される。
【0113】すなわち、本発明のマイクロホンによれ
ば、振動板の背面側から音を入射させるために前記背面
側を開放しているので、振動板の前面側と背面側との音
圧差を小さくして音圧による振動板の振動を抑制するこ
とができ、本発明のノズル詰まり検知装置に適用した場
合に、その検知感度を高めることができる。
【0114】本発明のノズル詰まり検知装置によれば、
ノズルから吐出される吐出物の衝突を検出する検出手段
を備え、この検出手段の検出出力に基づいて、ノズルの
詰まりを検知するので、従来のように、ノズル内の圧力
を通常の吐出時よりも高圧にして強制的に吐出させて定
期的なクリーニングを行う必要がなく、また、クリーニ
ング時間およびクリーニング周期などを最悪の条件に設
定する必要がなく、吐出物の無駄な消費を抑制できると
ともに、必要な吐出に先立ってノズルの詰まりを検知す
ることによって、吐出不良を事前に回避できる。さら
に、ノズル外の吐出物の衝突に基づいてノズルの詰まり
を検知するので、ノズル内の圧力を圧力センサで検知す
る従来例のように、ノズル毎に圧力センサを設けること
なく、ノズルの詰まりを検知することができる。
【0115】しかも、検出手段は、本発明のマイクロホ
ンまたは振動検知装置を備えているので、吐出物の衝突
によってマイクロホンの振動板または振動検知装置の検
出面を振動させて高感度に検出する一方、衝突以外の外
部音声や外部振動に対して、マイクロホンの前面側の音
と、開放された背面側からの音とによってその音圧差が
小さくなって、または、振動検知装置の検出面側と反対
の面側との圧力差が小さくなって、感度を低く抑えるこ
とができ、吐出物の衝突以外の外部音声や外部振動の影
響を低減できることになり、ノズル詰まり検知装置の検
知感度を高めることができる。
【0116】また、ノズルからの吐出物をマイクロホン
の振動板または振動検知装置の検出面に向けて吐出させ
るので、吐出物の衝突によって振動板または検出面を直
接振動させることができ、高感度でノズルの詰まりを検
知することができる。
【0117】さらに、マイクロホンの振動板または振動
検知装置の検出面に振動を与える振動付与手段を備えて
いるので、振動板または検出面に向けて吐出された吐出
物が、振動板または検出面に付着しても、振動板または
検出面を振動させることによって、付着した吐出物を飛
散あるいは振動させながら下方に流して除去することが
でき、これによって、吐出物の付着による検知性能の低
下を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるプリンタの斜視図である。
【図2】本発明の一つの実施の形態に係るノズル詰まり
検知装置の要部の概略構成図である。
【図3】図2の実施の形態の信号処理のブロック図であ
る。
【図4】図2の実施の形態のマイクロホンの断面図であ
る。
【図5】図4のマイクロホンの背面図である。
【図6】図4のマイクロホンの振動板を示す図である。
【図7】振動板の他の例を示す図である。
【図8】振動板のさらに他の例を示す図である。
【図9】図8の斜視図である。
【図10】振動板の他の例を示す図である。
【図11】検出出力の波形図である。
【図12】本発明の他の実施の形態のマイクロホンの断
面図である。
【図13】図12のマイクロホンの背面図である。
【図14】図13のマイクロホンの断面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態のマイクロホンの背
面図である。
【図16】図15のマイクロホンの断面図である。
【図17】本発明の他の実施の形態の平面図である。
【図18】図17の断面図である。
【図19】図17の変形例の断面図である。
【図20】図17の変形例の平面図である。
【図21】図20の断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態の断面図である。
【図23】本発明の他の実施の形態のノズル詰まり検知
装置の要部の概略構成図である。
【図24】本発明の他の実施の形態のブロック図であ
る。
【図25】従来例の概略構成図である。
【図26】他の従来例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 プリンタ 7 ノズル 8 インク 9,9’,21 マイクロホン 10 振動板 23,23’,231 ケース 28,281,45 開口部 29 キャビネット 40 振動付与手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 徹 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 (72)発明者 宮倉 隆志 大阪府八尾市北久宝寺1丁目4番33号 ホ シデン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA24 EB40 KD06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板の背面側を開放したことを特徴と
    するマイクロホン。
  2. 【請求項2】 前記振動板は、ケースの前面側に備えら
    れ、該ケースの背面側に形成された開口部を介して振動
    板の背面側を開放する請求項1記載のマイクロホン。
  3. 【請求項3】 前記振動板は、ケースの前面側に備えら
    れ、該ケースの前面側に形成された開口部を介して振動
    板の背面側を開放する請求項1または2記載のマイクロ
    ホン。
  4. 【請求項4】 バスレフ型のキャビネットに装備される
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    マイクロホン。
  5. 【請求項5】 振動を検出する検出面を有する振動検出
    手段を備え、該振動検出手段の前記検出面とは反対側の
    面を開放したことを特徴とする振動検知装置。
  6. 【請求項6】 前記検出面は、ケースの前面からケース
    外に臨み、該ケースの背面側に形成された開口部を介し
    て前記検出面とは反対側の面を開放する請求項5記載の
    振動検知装置。
  7. 【請求項7】 前記検出面は、ケースの前面からケース
    外に臨み、該ケースの前面側に形成された開口部を介し
    て前記検出面とは反対側の面を開放する請求項5または
    6記載の振動検知装置。
  8. 【請求項8】 吐出物を吐出するノズルの詰まりを検知
    する装置であって、 前記ノズルから吐出される吐出物の衝突を検出する検出
    手段を備え、該検出手段の検出出力に基づいて、前記ノ
    ズルの詰まりを検知するとともに、前記検出手段は、前
    記請求項1ないし7のいずれかに記載のマイクロホンま
    たは振動検知装置を備えることを特徴とするノズル詰ま
    り検知装置。
  9. 【請求項9】 前記ノズルからの吐出物が、前記マイク
    ロホンの振動板または前記振動検知装置の前記検出面に
    向けて吐出される請求項8記載のノズル詰まり検知装
    置。
  10. 【請求項10】 前記マイクロホンの振動板または前記
    振動検知装置の検出面に、振動を与える振動付与手段を
    備える請求項8または9記載のノズル詰まり検知装置。
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