JP2000084961A - 樹脂フィルムの製造装置 - Google Patents

樹脂フィルムの製造装置

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JP2000084961A JP25291298A JP25291298A JP2000084961A JP 2000084961 A JP2000084961 A JP 2000084961A JP 25291298 A JP25291298 A JP 25291298A JP 25291298 A JP25291298 A JP 25291298A JP 2000084961 A JP2000084961 A JP 2000084961A
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resin
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勝史 山川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流延されたフィルムの幅方向端部からのエア
噛みを抑制することにより、安定した樹脂フィルムの製
造を可能とする樹脂フィルムの製造装置を提供する。 【解決手段】 流動性を有する樹脂をフィルム状に吐出
する口金装置、該口金装置から吐出されたフィルムが載
置され連続して移動するキャスト面を有するキャスト装
置、および、該キャスト面に載置されたフィルムを該キ
ャスト面に密着させるフィルム吸引装置とを有する樹脂
フィルムの製造装置において、前記口金装置から吐出さ
れたフィルムの幅方向端部上方に、該フィルムに向けて
気体を噴出する単一もしくは複数の気体噴出手段を設け
たことを特徴とする樹脂フィルムの製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂フィルムの製
造装置に関し、とくに、溶融した、あるいは、溶媒に溶
解された流動性を有する樹脂を口金のスリット間隙から
吐出しフィルムを成形する装置に好適な樹脂フィルムの
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶融樹脂又は溶液樹脂をスリ
ット状の口金からフィルム状に押し出してキャスト面に
密着させた後、冷却あるいは乾燥工程を経て樹脂フィル
ムにする製造方法が知られている。この様な樹脂フィル
ムの製造方法において、口金から吐出されたフィルムの
キャスト面への密着点が安定しているか否かは、その後
の工程に基本的な影響をおよぼし、製品品質を左右する
重要な因子になっている。
【0003】すなわち、この密着点が不安定であると、
密着点が最も遅れた箇所からフィルムとキャスト面との
間にエアが噛み込むという現象が生じる(以後、これを
“エア噛み”と称する)。このエア噛みが発生すると、
フィルム面に厚みむらを生じたり、その後の延伸過程で
エア噛み部分に応力集中が生じてフィルムが破れるなど
の問題があった。このエア噛み現象は、製膜速度が高速
になるほど顕著になるため、生産性向上の支障になって
いた。
【0004】従来、このエア噛みの対策としては、静電
気力利用や空気による強制押しつけ、あるいは吸引ノズ
ルによるエア吸引等のいくつかの密着方式が提案されて
いる。しかし、これらの密着方式のうち、空気による強
制押しつけ法は、過剰な空気を吹き付けるためキャスト
面のフィルムを乱し、特にキャスト面が高速になった
り、フィルムが薄物になると密着点が不安定になるとい
う欠点がある。
【0005】また、静電気力利用による密着方式は、キ
ャスト面の高速化に伴って静電気的印加力を増大させる
と、金属キャスト面への放電現象により密着点が不安定
になるため、低速度の製膜に制限されるという欠点があ
る。また、静電気を利用する方法は、製膜する樹脂が不
導体である場合には十分な効果が得にくいという本質的
な問題点もある。
【0006】これらに対して、吸引ノズルによる吸引方
式は、過剰な空気の供給を必要とせず、また樹脂が不導
体であっても適用できるという利点があり、広く利用さ
れている。しかしながら吸引ノズルを用いると、その吸
引力により、フィルム両端部からもエアが吸引されるた
め、フィルムとキャスト面との間に流入するエアの量が
増大する。このフィルム端部より流入したエアは、とく
に液体膜状のフィルムの両端部において液体膜の乱れを
生じさせ、フィルム端部固有のエア噛み現象の発生につ
ながる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、吸引
ノズルを用いてフィルムをキャスト面に密着させるに際
し、フィルム両端部からフィルムとキャスト面との間へ
のエアの流入を防ぎ、製品の高品質化および高速製膜が
可能な樹脂フィルムの製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の樹脂フィルムの製造装置は、流動性を有す
る樹脂をフィルム状に吐出する口金装置、該口金装置か
ら吐出されたフィルムが載置され連続して移動するキャ
スト面を有するキャスト装置、および、該キャスト面に
載置されたフィルムを該キャスト面に密着させるフィル
ム吸引装置とを有する樹脂フィルムの製造装置におい
て、前記口金装置から吐出されたフィルムの幅方向端部
上方に、該フィルムに向けて気体を噴出する単一もしく
は複数の気体噴出手段を設けたことを特徴とするものか
らなる。
【0009】この樹脂フィルムの製造装置においては、
気体噴出手段から噴出する気体の風速が、5m/秒以上
100m/秒以下であることが好ましい。
【0010】また、上記気体噴出手段には、フィルムの
幅方向端部近傍で、気体噴出手段を1軸方向または多軸
方向に任意に移動させることのできる移動手段を設けて
おくことが好ましい。これによって、気体吹き付け位
置、方向の調整を可能とすることができる。
【0011】また、上記気体噴出手段を設けた場合、噴
出された気体がフィルム端縁からフィルムとキャスト面
との間にまわり込むおそれが生じる場合もある。これを
防止するために、気体噴出手段の近傍に、該気体噴出手
段から噴出された気体を吸引する局所的な気体吸引手段
を設けておくことが好ましい。この気体吸引手段は、フ
ィルムの端縁側方、とくに両端縁側方に設けておくこと
が好ましい。
【0012】フィルム吸引装置は、口金装置からキャス
ト面へと吐出される液膜状のフィルムに対し、キャスト
面の移動方向とは反対側からエアを吸引し、着地される
フィルムとキャスト面との間に極力エアが噛まないよう
にして、フィルムをキャスト面に密着させるための装置
である。
【0013】このフィルム吸引装置の構造は特に限定し
ないが、口金装置とキャスト面との間に位置する着地ま
でのフィルムに向けて吸引口が開口されているものが好
ましい。
【0014】また、フィルム吸引装置を、複数の吸引口
と複数の吸引手段を有し、吸引口の少なくとも1つがフ
ィルムに接する箇所に負圧領域を形成するように設けら
れた吸引ノズルである構造とすることもできる。この構
造においては、各々の吸引口に対し吸引配管およびブロ
ア等の吸引手段を配設することが好ましい。
【0015】キャスト面は、たとえば周回する無端ベル
トで形成される。このような無端ベルトを用いたキャス
ト装置は、とくに溶液製膜に好適であり、フィルムが溶
液膜である場合、無端ベルトの温度は50℃以上である
ことが好ましい。溶媒を用いた溶液製膜の場合、このよ
うなベルト温度としておくことで溶媒が除去されやすく
なる。
【0016】上記のような本発明に係る樹脂フィルムの
製造装置においては、口金装置から吐出された液体膜状
のフィルムは、フィルム吸引装置によりキャスト面に密
着されるが、このとき、該装置による吸引によって、フ
ィルム両端部より、フィルムとキャスト面との間に過剰
なエアが流入されようとする。ところが、本発明におい
ては、フィルム端部においてフィルム上方から高速で気
体を噴出する気体噴出手段が設けられているので、噴出
された気体は、少なくともフィルム端部からその側方に
逃げる流れを形成する。この気体流によって、上記流入
しようとする過剰なエアが阻止され、流入エアが適切に
排除される。また同時に、噴出された気体はフィルムの
端部をキャスト面に向けて押圧するので、フィルム端部
における着地の際の形状が、フィルムとキャスト面との
隙間を小さくするように変形され、端部からのエアの流
入が抑えられる。その結果、フィルム端部からのエア流
入量が小さく抑えられ、フィルム端部における望ましく
ないエア噛みが防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明の樹脂
フィルムの製造装置を用いて製造されるフィルムの原料
である樹脂は、溶融するかあるいは溶液として流動性を
有し、製膜可能なものであれば特に限定されない。例え
ば、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
などに代表される熱可塑性樹脂、メタ系アラミド、パラ
系アラミドなどの耐熱性樹脂が挙げられる。勿論、使用
される樹脂には、安定剤、帯電防止剤などの添加剤が配
合されていてもよい。
【0018】図1は、本発明の一実施態様に係る樹脂フ
ィルムの製造装置の概略を示す斜視図であり、図2は、
図1に示した装置の側面図である、図3は図1に示した
装置の下面図である。
【0019】図1、2および3において、流動性を有す
る樹脂をフィルム状に連続して吐出する口金装置1に
は、樹脂の供給源である押出機(図示せず)が接続され
ている。口金装置1の下端部には、樹脂をフィルム状に
吐出するスリット(図示せず)が設けられ、スリットの
長手方向の両端部には、スリットの長さを調節、規制可
能な側板1a、1bがそれぞれ設けられている。
【0020】また、口金装置1の下方には、キャスト装
置を構成する周回する無端ベルト4が設けられ、その外
側表面は、キャスト面4aとなっている。なお、この実
施態様においては、口金装置1に対向する部分のキャス
ト面4aが水平方向になるように無端ベルト4が設置さ
れており、無端ベルト4は、矢印17で示す方向へ水平
方向に移動する。また、この実施態様では、キャスト面
4aが無端ベルト4で構成されているが、キャスト面4
aは、回転キャストドラムの外側表面で形成されるよう
にしてもよい。
【0021】一方、口金装置1の前記スリットとキャス
ト面4aとの近傍に、フィルム吸引装置としての吸引ノ
ズル2が設けられている。吸引ノズル2は、口金装置1
の前記スリットとキャスト面4aとの間の空間部におい
て吸引口が開口され、この空間の空気を主として吸引す
ることにより、スリットから吐出されたフィルム3をキ
ャスト面4aに密着させる作用を有する。吸引ノズル2
には吸引配管11、12が接続され、各々の吸引配管1
1、12に対しブロア15、16が接続されている。吸
引配管11、12には絞り弁13、14が接続されてお
り、吸引流量、吸引圧力を調整できるようになってい
る。
【0022】押出機から供給された溶融樹脂あるいは溶
液樹脂は、口金装置1のスリットから下方に向けて吐出
され、フィルム3となり、矢印17の方向へ移動するキ
ャスト面4aの上に載置されるように流下する。フィル
ム3のキャスト面4aに対する密着の度合いは、フィル
ム3がキャスト面4aに接する点(着地点)より上流側
(矢印17の逆方向側)に配設された吸引ノズル2が空
気を吸引することによって発生する吸引圧(負圧)によ
り制御される。
【0023】この実施態様における以上に説明した樹脂
フィルムの製造装置は、それ自体は、公知のものであ
る。
【0024】本発明の樹脂フィルムの製造装置の特徴
は、次の点にある。口金装置1の前部(フィルム吐出方
向下流側)には、流延された液体膜からなるフィルム3
の幅方向端部へ気体を吹き付けるための気体噴出手段と
しての気体噴出管5、6が取り付けられている。気体噴
出管5、6には気体配管7、8が接続され、絞り弁9、
10により吹き出す気体の流量、風速を調節できるよう
になっている。気体噴出管5、6には、気体噴出方向、
気体噴出位置を調整出来るよう、少なくとも1軸方向、
本実施態様では多軸方向に移動可能な移動手段としての
調整装置18、19が取り付けられている。気体噴出管
5、6の断面形状は円形、または矩形であることが好ま
しく、内径が1〜10mmであることが好ましい。
【0025】本発明では、流延された液体膜からなるフ
ィルム3の幅方向端部へ気体を吹き付けるが、本発明の
気体を吹き付ける幅方向端部は、好ましくは、流延され
たフィルムの端縁から100mm以内の部分であり、さ
らに好ましくは、液体膜の端縁部、とくに端縁から5m
m以内の部分である。
【0026】本発明において、吹き付ける気体の種類
は、特に限定されないが、乾燥空気、窒素等が好まし
く、フィルムへの異物の混入を防ぐためフィルターを通
した清浄なものが好ましい。
【0027】本発明において、吹き付ける気体の強さ
は、風速としては、5から100m/秒程度が好まし
い。
【0028】以上においては、気体噴出手段としての気
体噴出管5、6を備えた本発明の樹脂フィルムの製造装
置の実施態様を説明したが、気体噴出手段の設置場所
は、口金装置1であっても吸引ノズル2であっても、口
金装置の支持台(図示せず)であってもよい。要は、方
向、流量等調節可能な気体噴出手段により、液体膜両端
部への気体の吹き付けが可能であればよい。
【0029】以下、本発明の実施例及び比較例により、
より具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限
定されるものではない。
【0030】実施例1 N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、芳香族ジア
ミン成分として80モル%に相当する2−クロルパラフ
ェニレンジアミンと、20モル%に相当する4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに10
0モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを
添加し、2時間攪拌して重合を完了した。これを水酸化
リチウムで中和して、ポリマ濃度11重量%、粘度20
00ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液
を、2m幅の吐出スリットを有する口金装置1により、
2kg/分で、フィルム状に連続して吐出させ、フィル
ム3を製造した。
【0031】吸引ノズルとしては、図3に示す前部吸引
口20および後部吸引口21の2個の吸引口を有するボ
ックス型吸引装置2を用いた。前部吸引口20により、
フィルム3に接する箇所に負圧領域を形成するようにし
た。詳細寸法は次の通りである。前部吸引口20のA寸
法は100mmとした。後部吸引口21は、前部吸引口
20のフィルム3側に位置する部分を除き、前部吸引口
20を取り囲むように配設されている。後部吸引口21
のC寸法は80mmとし、F寸法は20mmとし、B寸
法およびD寸法はそれぞれ60mmとし、E寸法および
G寸法はそれぞれ25mmとした。この吸引装置2によ
り、表面温度90℃で矢印17方向に移動する無端ベル
ト4(キャスト面4a)に、吐出されたフィルム3を密
着させた。その後、熱風による乾燥、水洗工程(図示せ
ず)における延伸と水洗、熱処理工程(図示せず)にお
ける延伸と熱処理とを経た後、巻取厚さ6μmのポリア
ミドフィルムを得た。
【0032】図1に示す気体噴出手段を構成する気体噴
出管5、6および調整装置18、19を、口金装置1の
前面に設置し、これら気体噴出装置を、圧空源(図示せ
ず)にエア管7、8および絞り弁9、10を用いて接続
した。
【0033】口金装置1とベルト4のキャスト面4aと
の距離(対キャスト面距離)“X”を3mmとし、ベル
ト4の移動速度を5m/分とした時点から、フィルム3
とキャスト面4aとの所望の密着が始まり、以後、前部
吸引口20および後部吸引口21の真空度を上昇させな
がらベルト移動速度を増速させた。流延されたフィルム
の端縁から内側5mmで、かつ、フィルムのキャスト面
への着地線から2mm前方の位置に、キャスト面の10
mm上方から内径2mmのパイプ(気体噴出管5、6)
で乾燥空気を20m/秒の風速で吹きつけた。
【0034】ベルト移動速度が22m/分に達し、前部
吸引口20の真空度が100mmAq、後部吸引口21
の真空度が110mmAqにおいて、エア噛みの発生し
ない安定製膜となった。
【0035】比較例1 実施例1と同条件で押し出されたフィルム3を実施例1
と同寸法を持つ吸引装置2にてキャスト面4aへの密着
を行い製膜した。気体噴出装置は、実施例1と同じ場所
に設置したが、気体の吹き付けは行わなかった。
【0036】ベルト4の移動速度を5m/分とした時点
から、フィルム3とキャスト面4aとの所望の密着が始
まり、以後、前部吸引口20および後部吸引口21の真
空度を上昇させながらベルト移動速度を増速させた。ベ
ルト移動速度が13m/分にて、前部吸引口20の真空
度が100mmAq、後部吸引口21の真空度が110
mmAqにおいて、エア噛みの発生しない安定製膜とな
ったが、ベルト速度を1m/分上昇させると、エア噛み
が発生した。前部吸引口20の真空度が150mmA
q、後部吸引口21の真空度が170mmAqまで真空
度を上昇させたが、エア噛み発生を抑えることが出来な
かった。
【0037】比較例2 実施例1と同条件で押し出されたフィルム3を実施例1
と同寸法を持つ吸引装置2にてキャスト面4aへの密着
を行い製膜した。気体噴出装置は、実施例1と同じ場所
に設置し、吹き付ける空気の風速も実施例1と同条件に
した。ただし、吸引装置2による吸引を行わなかった。
【0038】ベルト4の移動速度を2m/分とした時点
から、フィルム3とキャスト面4aとの所望の密着が始
まり、以後、0.5m/分ずつ増速させた。ベルト移動
速度が7m/分にて、エア噛みが発生し、気体噴出装置
から吹き付ける空気の風速を30m/分まで上昇させた
が、エア噛みの発生を抑えることが出来なかった。
【0039】比較例3 実施例1と同条件で押し出されたフィルム3を実施例1
と同寸法を持つ吸引装置2にてキャスト面4aへの密着
を行い製膜した。気体噴出装置は、実施例1と同じ場所
に設置した。しかし、気体の吹き付けを行わず、吸引装
置2による吸引も行わなかった。
【0040】ベルト4の移動速度を2m/分とした時点
から、フィルム3とキャスト面4aとの所望の密着が始
まり、以後、0.3m/分ずづ増速させた。ベルト移動
速度が3.3m/分にて、エア噛みが発生した。
【0041】上述したように、本発明の前記実施態様に
よれば、樹脂フィルムの製造装置において、気体噴出手
段を設け、気体噴出手段より、流延される液体膜からな
るフィルムの幅方向両端部に気体を吹きつけることによ
り、フィルム面でのエア噛み発生を抑えることが出来
た。この結果、フィルム形成が安定するので、その後の
延伸工程によるフィルムの破れが無くなり生産性向上が
可能となった。
【0042】上記エア噛みの抑制は、前述したように、
気体噴出手段からの噴出気体が、フィルムの端部外方に
逃げる流れを形成することによる、流入エアの阻止と、
図4に示すように、気体噴出手段5(6)からの噴出気
体によりフィルム3の端部が変形され、着地しようとす
るフィルム3の端部とキャスト面4aとの隙間が小さく
抑えられて、流入エア量が抑えられることとの両方によ
るものである。
【0043】上記実施態様では、気体噴出手段として気
体噴出管5、6を設けたが、条件が適合しないと、たと
えば気体噴出管5、6の向きや風速が適合していない
と、噴出された気体が、図5に示すようにフィルム3の
端部からフィルム3とキャスト面4aとの間にまわり込
むおそれがある場合もある。
【0044】本発明は、このようなおそれを除去するた
めの構成についても提供する。
【0045】図6は、本発明の別の実施態様に係る樹脂
フィルムの製造装置を示している。本実施態様において
は、図1に示した実施態様の構成に加え、気体噴出管
5、6の近傍に、気体噴出管5、6から噴出された気体
を吸引する気体吸引手段としての気体吸引管31、32
が設けられている。気体吸引管31、32には、吸引配
管33、34が接続され、真空源としてのブロワ35、
36により吸引されるとともに、その吸引量を絞り弁3
7、38により調節できるようになっている。
【0046】このような構成とすることにより、図7に
示すように気体噴出管5(6)からの噴出気体をフィル
ム3の背面にまわり込ませることなく、局所的に気体吸
引管31(32)に吸引させることができる。つまり、
気体噴出管5からの流れを所望の方向に整流させ、か
つ、余剰の気体を発生させずにまわり込みを防止でき
る。その結果、図5に示したような不都合の発生のおそ
れを除去でき、より安定した高速製膜が可能になる。
【0047】実施例2、3、比較実施例4 上記気体吸引管31、32を取り付けた場合(実施例
2、3)と取り付けない場合(比較実施例4)とを、前
述の実施例1と同様の製膜条件で比較した結果を表1に
示す。なお、この比較実施例4と前述の実施例1は実質
的に同等のものである。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、気体吸引管3
1、32を付加することで、さらに製膜速度を向上でき
ることが判る。製膜速度は、通常高速になるとフィルム
にエアを噛み込み、フィルム破れにつながる。したがっ
て可能な製膜速度の上限がその装置の能力を示すパラメ
ータとなる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルム端部に対し気体噴出管を設けたことによりエア
噛みを抑制でき、製膜を安定化させるとともにフィルム
の品質を向上でき、しかも製膜速度を向上して生産性を
向上できる。
【0051】また、さらに気体吸引管を付加すれば、一
層の製膜の安定化、品質の向上、製膜速度の向上を達成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る樹脂フィルムの製造
装置の概略斜視図である。
【図2】図1の装置の側面図である。
【図3】図1の装置の下面図である。
【図4】図1の装置の拡大部分側面図である。
【図5】図1の装置における条件不適合の場合を示す部
分斜視図である。
【図6】本発明の別の実施態様に係る樹脂フィルムの製
造装置の概略斜視図である。
【図7】図6の装置の拡大部分斜視図である。
【符号の説明】
1 口金装置 2 フィルム吸引装置(吸引ノズル) 3 フィルム 4 ベルト(キャスト装置) 4a キャスト面 5、6 気体噴出管 7、8 エア配管 9、10 絞り弁 11、12 吸引配管 13、14 絞り弁 15、16 ブロワ(真空源) 17 キャスト面移動方向 18、19 調整装置(移動手段) 20 前部吸引口 21 後部吸引口 31、32 気体吸引管 33、34 吸引配管 35、36 ブロワ 37、38 絞り弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡城 英敏 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F205 AA29 AA30 AC05 AG01 AM26 AR06 AR14 GA07 GB02 GC07 GF01 GF23 GF24 GF30 GN13 GN24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動性を有する樹脂をフィルム状に吐出
    する口金装置、該口金装置から吐出されたフィルムが載
    置され連続して移動するキャスト面を有するキャスト装
    置、および、該キャスト面に載置されたフィルムを該キ
    ャスト面に密着させるフィルム吸引装置とを有する樹脂
    フィルムの製造装置において、前記口金装置から吐出さ
    れたフィルムの幅方向端部上方に、該フィルムに向けて
    気体を噴出する単一もしくは複数の気体噴出手段を設け
    たことを特徴とする樹脂フィルムの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記気体噴出手段から噴出する気体の風
    速が5m/秒以上100m/秒以下であることを特徴と
    する、請求項1に記載の樹脂フィルムの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記気体噴出手段に、フィルムの幅方向
    端部近傍で、前記気体噴出手段を1軸方向または多軸方
    向に任意に移動させる移動手段を設けたことを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の樹脂フィルムの製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記気体噴出手段の近傍に、該気体噴出
    手段から噴出された気体を吸引する気体吸引手段を設け
    たことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の
    樹脂フィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記気体吸引手段が、フィルムの端縁側
    方に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載
    の樹脂フィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルム吸引装置は、前記口金装置
    とキャスト面との間に位置する着地までのフィルムに向
    けて吸引口が開口されていることを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載の樹脂フィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルム吸引装置が、複数の吸引口
    と複数吸引手段を有し、吸引口の少なくとも1つがフィ
    ルムに接する箇所に負圧領域を形成するように設けられ
    た吸引ノズルであることを特徴とする、請求項1〜6の
    いずれかに記載の樹脂フィルムの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記キャスト装置のキャスト面が、周回
    する無端ベルトで形成されていることを特徴とする、請
    求項1〜7のいずれかに記載の樹脂フィルムの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記口金装置から吐出されるフィルムが
    溶液膜であり、前記無端ベルトの温度が50℃以上であ
    ることを特徴とする、請求項8に記載の樹脂フィルムの
    製造装置。
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