JP2000084106A - 耐火スクリーン - Google Patents
耐火スクリーンInfo
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Abstract
(特に衝撃試験)及び遮煙性能を満足できる耐火スクリ
ーンを提供する。 【解決手段】 耐火スクリーン3は、平常時には建物の
天井に設置される巻取装置に巻き取られ、火災発生時に
は巻取装置から巻き解かれて垂らされる。この耐火スク
リーン3は、シリカ繊維を主体とするヤーン8で例えば
朱子織された1層(1枚)の不燃性織布9に、難燃性の
臭素化合物、アンチモン化合物、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムの群から選ばれ
る一又は二以上を主体とする目ずれ防止剤10を被覆又
は含浸して形成されている。
Description
した際に炎や煙が広がるのを食い止める耐火スクリーン
に関するものである。
るのを食い止める新しい装置として、図3に示すような
延焼防止装置50が考えられている(例えば特開平7−
328137号公報)。この延焼防止装置50は、ガラ
スクロス(ガラス繊維ヤーンで製織された織布)等より
なる耐火スクリーン52を天井53の巻取装置51から
床54の上方約50〜100cmの高さまで垂らし、天
井53付近に設置したスプリンクラー55から水56を
耐火スクリーン52に噴射し、該耐火スクリーン52を
濡らすように構成されている。この耐火スクリーン52
は、そのままでは炎57にさらされると溶融するおそれ
があるが、前記のように濡らすと、水56の蒸発による
冷却効果によって温度が50〜60℃に抑えられるた
め、溶融しない。また、耐火スクリーン52より下方で
は、耐火スクリーン52の下端から滴り落ちる水56の
膜で炎57や煙58の通過を遮断する。
維ヤーンで製織された織布)よりなる耐火スクリーン5
2を使用することにより、スプリンクラー55による水
56の噴射を不要にした延焼防止装置も考えられてい
る。
2は、図4に実線で示すようにきれいな長方形状で垂れ
る必要がある。ところが、シリカクロスよりなる耐火ス
クリーン52は、ヤーン同志が滑って面延長方向に変形
し易いことから、図4に二点鎖線で示すように平行四辺
形状に変形(いわゆる目ずれ)して垂れ、耐火スクリー
ン52側方に隙間ができるという問題があった。
よりなる耐火スクリーン52の表面にシリコン樹脂60
を塗布してヤーン同志の滑りを止めることにより、目ず
れを防ぐことが検討されている。しかし、この耐火スク
リーン52が炎にさらされると、耐火スクリーン52が
著しく脆弱化し、破れやすくなるという問題があった。
これは、シリコン樹脂中のシロキサン結合部分がSiO
2 化する際に、基材のシリカクロスと反応して該シリカ
クロスを脆弱化させるためであると考えられる。
により、防火区画における開口部すなわち防火戸(特に
甲種防火戸)に準じ、次に概略的に示す防火性能及び遮
煙性能が要求される。
についてそれぞれ60分間、加熱温度が925℃に達す
るまで制御しながら加熱した後、次の判定〜を行な
う。 加熱により加熱面の裏面側に発炎を生じないこと。 加熱により隙間、加熱面の裏面側に達する亀裂等を
生じないこと。 加熱により加熱面の裏面側に著しい発煙を生じない
こと。 加熱終了後、重量3kgの砂袋を鉛直距離50cm
の高さから落下させて衝撃を与えたとき、防火上有害な
破壊、剥離、脱落等を起こさないこと。
についてそれぞれ空気圧を加え、両面における空気圧の
圧力差が2kg/m2 の場合における通気量が、毎分
0.2m3 /m2 以下であること。
ロス製の耐火スクリーン52は、防火性能のと、
遮煙性能とを満足するが、上記加熱後の脆弱化により、
防火性能の(加熱終了後の衝撃試験)は満足しないの
である。
き、かつ、法定の防火性能(特に衝撃試験)及び遮煙性
能を満足できる耐火スクリーンを提供することにある。
に、本発明は、平常時には建物の天井に設置される巻取
装置に巻き取られ、火災発生時には前記巻取装置から巻
き解かれて垂らされる耐火スクリーンにおいて、無機繊
維を主体とするヤーンで製織した不燃性織布に、難燃性
の臭素化合物、アンチモン化合物、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムの群から選
ばれる一又は二以上を主体とする目ずれ防止剤を被覆又
は含浸して形成したことを特徴とする。
は、特に限定されず、シリカ繊維、アルミナシリカ系繊
維、アルミナ繊維、岩綿、スラグウール、一般的なガラ
ス繊維等を例示でき、その耐熱性の基準としては、安全
使用温度が600℃以上であることが好ましい。特に、
前述したようにシリコン樹脂との反応による脆弱化が起
こるシリカ繊維を採用する場合に、該シリコン樹脂の使
用を回避又は低減できる本発明は有効である。
等を高めたりするために、有機繊維又は金属繊維を含ん
でいてもよい。有機繊維としては、難燃スフ、アラミド
繊維等の難燃繊維や、炭化有機繊維(例えばポリアクリ
ロニトリル繊維が60%前後炭化したもの)等の不燃繊
維を例示できる。金属繊維としてはステンレス繊維を例
示できる。
めるために、補強線状体で補強されたものでもよい。補
強線状体としては、ヤーンに芯糸として入れるシリカ繊
維、一般的なガラス繊維、アルミナ繊維等の無機繊維
や、補強線としてヤーンと撚り合わせるステンレス鋼線
等の金属線を例示できる。
織、朱子織等を例示できる。不燃性織布は、1層(1
枚)でもよいが、2層以上に重ねて接合することもでき
る。
え、他の化学物質が副次的に配合されていてもよい。他
の化学物質としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
変性酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂等を例示できる。目ずれ防止剤の被覆含浸量(乾燥質
量)は、特に限定されないが、不燃性織布の単位面積当
り20〜200g/m2が好ましく、50〜150g/
m2 がさらに好ましい。
ル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラデカブロモ
−p−ジフェノキシベンゼン、テトラブロモシクロオク
タン、テトラブロモジペンタエリスリトール、2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エチル−2−ヒドロキシプロピ
ルテトラブロモフタレート、ヘキサブロモベンゼン、ペ
ンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロド
デカン等を例示できる。
化アンチモン、三酸化アンチモン等を例示できる。
いが、炎に耐えて炎や煙をしっかり遮断するとともに、
熱風にあおられないよう、0.3〜6.0mmとするこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.6〜2.0mmで
ある。従って、不燃性織布の厚さの好ましい範囲は、層
数に応じて決まる。2層以上の場合には、各層の不燃性
織布の厚さや種類を異ならせてもよい。
態を示している。延焼防止装置1は、建物の天井15の
上部又は下部に設置される巻取装置2と、平常時には巻
取装置2に巻き取られ、火災の発生時には巻取装置2か
ら巻き解かれて建物の床17付近まで垂らされる耐火ス
クリーン3と、天井15、壁16等に設置される火災検
知器4と、火災検知器4が火災の発生を検知したときに
巻取装置2を作動させる制御装置5とから構成されてい
る。巻取装置2は、回転可能に支持された巻取軸6と、
該巻取軸6を回転駆動するモータ使用の駆動装置7とか
らなる。火災検知器4には、温度センサ、煙センサ、ガ
スセンサ等が単独で又は組み合わせられて用いられ、温
度上昇、煙、ガス等の検知によって火災の発生を検知す
るようになっている。
するヤーン8で例えば朱子織された1層(1枚)の不燃
性織布(シリカクロス)9に、難燃性の臭素化合物、ア
ンチモン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム及び炭酸カルシウムの群から選ばれる一又は二以上
を主体とする目ずれ防止剤10を被覆又は含浸して形成
されたものである。ヤーン8は例えば95%以上のSi
O2 成分を含むシリカ繊維(高珪酸ガラス繊維)による
撚糸であり、ヤーン8の太さは例えば170テックスで
あり、シリカクロス9の厚さは例えば約0.6mmであ
る。
面を被覆するように塗布形成され、一部はヤーン8間及
びヤーン8内に含浸している。目ずれ防止剤10の被覆
含浸量(乾燥質量)は40〜120g/m2 である。
は、平常時には耐火スクリーン3が巻取装置2の巻取軸
6に巻き取られているので嵩張らず、どのような建物に
も設置しやすい。そして、火災が発生した時には、その
発生を火災検知器4が検知し、制御装置5が自動的に巻
取装置2の駆動装置7を作動させ、耐火スクリーン3を
巻取装置2から巻き解いて床17付近まで垂らす。
に目ずれ防止剤10を被覆又は含浸して形成されている
ので、図4に2点鎖線で示したような目ずれは起こさな
い。また、シリカクロス9は耐熱・耐火性が高いので、
水を散水して濡らす必要が無い。このため、従来例では
必要であったスプリンクラー及び水の配管が不要にな
り、設置の手間もコストも削減できる。よって、たとえ
水の設備が無い建物や水の配管が行き渡っていない部位
であっても、簡単かつ安価に設置することができる。
ときに、目ずれ防止剤10の主体化合物が難燃性なの
で、目ずれ防止剤10が激しく燃えたり著しい煙を出し
たりすることがないとともに、目ずれ防止剤10の主体
化合物がシリカクロス9を脆弱化させるようには反応し
ないので、耐火スクリーン52が破れやすくなることも
ない。従って、上記の防火性能の及び遮煙性能
の全てを満足することができる。特に、防火性能の
(加熱終了後の衝撃試験)を満足できることが、従来技
術に対する優位点である。
すような各種の目ずれ防止剤10を樹脂成分と混合して
塗布することにより被覆(一部含浸)し、実施例1〜5
の耐火スクリーン3を形成した。
の建築基準法により要求される防火性能及び遮煙性能を
調べた。まず、耐火スクリーン3の両面についてそれぞ
れ空気圧を加えて遮煙性能を調べたところ、いずれの実
施例1〜5においても、両面における空気圧の圧力差が
2kg/m2 の場合における通気量が、毎分0.2m3
/m2 以下であった。
れぞれ60分間、加熱温度が925℃に達するまで制御
しながら加熱して防火性能を調べたところ、いずれの実
施例1〜5においても、加熱面の裏面側に発炎を生じた
り、隙間や加熱面の裏面側に達する亀裂等を生じたり、
加熱面の裏面側に発煙を生じたりすることはなかった。
また、加熱終了後、前記砂袋を落下させて衝撃を与えて
も破壊、剥離、脱落等を起こさなかった。よって、上記
の防火性能の及び遮煙性能の全てを満足した。
定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨
から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化できる。 (1)耐火スクリーン3の両面に目ずれ防止剤10を被
覆すること。 (2)耐火スクリーン3の内部に、目ずれ防止剤10の
大部分を含浸させてしまうこと。
構成されているので、目ずれを防止でき、かつ、法定の
防火性能(特に衝撃試験)及び遮煙性能を満足できると
いう優れた効果を奏する。
である。
である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 平常時には建物の天井に設置される巻取
装置に巻き取られ、火災発生時には前記巻取装置から巻
き解かれて垂らされる耐火スクリーンにおいて、無機繊
維を主体とするヤーンで製織した不燃性織布に、難燃性
の臭素化合物、アンチモン化合物、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムの群から選
ばれる一又は二以上を主体とする目ずれ防止剤を被覆又
は含浸して形成したことを特徴とする耐火スクリーン。 - 【請求項2】 前記無機繊維が、シリカ繊維である請求
項1記載の耐火スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27647898A JP3340966B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 耐火スクリーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27647898A JP3340966B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 耐火スクリーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000084106A true JP2000084106A (ja) | 2000-03-28 |
JP3340966B2 JP3340966B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=17570022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27647898A Expired - Lifetime JP3340966B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 耐火スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3340966B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008296370A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 耐火・耐熱性膜材料 |
JP2009263939A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Nihon Glassfiber Industrial Co Ltd | 光天井、光天井用パネル並びに天井による光透過及び煙・空気流動方法 |
JP2017210712A (ja) * | 2017-08-15 | 2017-11-30 | 明電ケミカル株式会社 | 不燃性シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101503407B1 (ko) | 2014-11-19 | 2015-03-17 | 주식회사 우정유빅스엔지니어링종합감리전문회사 | 공동주택 건축물의 거주자 대피용 화재 차단장치 |
-
1998
- 1998-09-10 JP JP27647898A patent/JP3340966B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3340966B2 (ja) | 2002-11-05 |
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