JP2000083522A - 中通し釣竿 - Google Patents

中通し釣竿

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JP2000083522A
JP2000083522A JP10254976A JP25497698A JP2000083522A JP 2000083522 A JP2000083522 A JP 2000083522A JP 10254976 A JP10254976 A JP 10254976A JP 25497698 A JP25497698 A JP 25497698A JP 2000083522 A JP2000083522 A JP 2000083522A
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JP
Japan
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fishing line
line guide
rod
fishing
guide ridge
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JP10254976A
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English (en)
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣糸案内突条を竿管内面に強固に一体的に形
成し、しかも、釣糸案内突条への水滴の付着を効果的に
防止して、釣糸案内突条と釣糸との摺動抵抗を減少させ
ることが可能な中通し釣竿を提供する。 【解決手段】 中通し釣竿は、竿管R1の内面に螺旋状
もしくはリング状の釣糸案内突条Gを一体に形成してい
る。釣糸案内突条Gの表面に固体潤滑粉1が分散、埋設
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中通し釣竿に関す
る。
【0002】
【従来の技術】竿管の外側に釣糸ガイドを設けた従来の
釣竿においては、この釣糸ガイドへの釣糸の絡みによる
トラブルが多発する傾向があった。一方、中通し釣竿
は、竿管の内部を釣糸が通過するように構成されてお
り、従来の釣竿における上述したトラブルを生ずること
がないため、近年では普及している。
【0003】この種の中通し釣竿に関して、特開平7−
39277号公報には、酸化アルミニウム撚糸等のヤー
ンを用いて、竿管内面に螺旋状あるいはリング状の釣糸
案内突条を形成した中通し釣竿が開示されている(以
下、「先行技術1」という)。
【0004】しかし、中通し釣竿においては、釣糸の巻
き取りに伴って竿内に水が巻き込まれ、このように竿内
に巻き込まれた水は、釣糸の円滑な繰り出しや巻き取り
の妨げとなる傾向にある。従って、先行技術1におい
て、酸化アルミニウム撚糸等のヤーンを用いて釣糸案内
突条を形成しても、この釣糸案内突条への水の付着を効
果的に防止することができず、釣糸案内突条と釣糸との
間に水が介在することによってこれ等両者の摺動抵抗が
増加する傾向があった。
【0005】先行技術1の上述した問題点を解決するた
めの手段として、特開平9−121722号公報には、
竿管内面に形成された釣糸案内突条への水滴等の付着を
防止するために、フッ素繊維を用いて釣糸案内突条を形
成する技術(以下、「手段1」という)、及び、カーボ
ン繊維等にエポキシ等の樹脂を含浸した繊維束にフッ素
コーティングをした素材を用いて釣糸案内突条を形成す
る技術(以下、「手段2」という)が開示されている
(以下、「先行技術2」という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術2の手段1においては、フッ素繊維は非常に柔らか
く、容易に切断され易いため、これを竿管内面に螺旋状
あるいはリング状に巻回する際に、このフッ素繊維が切
れる可能性がある。
【0007】一方、先行技術2の手段2においては、フ
ッ素コーティングに関する詳細な説明が開示されていな
い。フッ素コーティングに関して、フッ素樹脂の固体潤
滑粉を約360度の高温で加熱し、フッ素樹脂を液状に
してコーティングする、所謂、焼付け塗装が公知である
が、この方法は、先行技術2の手段2には不適当であ
る。即ち、カーボン繊維等がエポキシ樹脂で固められた
繊維に、上述した方法に従って高温処理すると、樹脂が
蒸発し、竿管の形成に支障を来す。また、先行技術2の
手段2においては、釣糸案内突条と竿管との間において
コーティング層が不可避的に介在されるため、釣糸案内
突条と竿管とを強固に一体化することができず、釣糸案
内突条への大きな負荷や竿管の撓みによって、釣糸案内
突条が剥離する虞がある。
【0008】本発明の目的は、釣糸案内突条を竿管内面
に強固に一体的に形成し、しかも、釣糸案内突条への水
滴の付着を効果的に防止して、釣糸案内突条と釣糸との
摺動抵抗を減少させることが可能な中通し釣竿を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の本発明は、竿管(R1)内面に螺旋
状もしくはリング状の釣糸案内突条(G)を一体的に形
成した中通し釣竿において、前記釣糸案内突条(G)の
表面に固体潤滑粉(1)が分散、埋設されていることを
特徴とする。
【0010】請求項2の本発明は、請求項1の中通し釣
竿において、前記釣糸案内突条(G)の表面に高硬度微
粒子(2)が分散、埋設されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】図1乃至図3を参照して本発明の
実施形態に係る中通し釣竿を以下に説明する。
【0012】本発明の中通し釣竿は、元竿管R1と、そ
の先端部内側に継ぎ合わされた先竿管R2とから構成さ
れており、図1は、これ等元竿管R1と先竿管R2との
継ぎ合わせ状態を示している。尚、図1において、矢印
Fは中通し釣竿の竿先側の方向を示し、矢印Rはその竿
元側の方向を示す。
【0013】図1に示すように、元竿管R1の先端部内
側には補強巻き4が設けられ、元竿管R1の先端部を補
強している。この補強巻き4の内側に、先竿管R2の後
端部が継ぎ合わされている。先竿管R2の後端縁内側に
は釣糸Lを案内するためのガイドリング5が取り付けら
れている。
【0014】元竿管R1の内面には、略四角形の断面形
状を有する釣糸案内突条Gが元竿管R1の周方向に螺旋
状に形成されている(図1及び図2参照)。この釣糸案
内突条Gは、図3に示すように、ヤーンYと、このヤー
ンYの周りを取り囲み、これを元竿管R1の内面に固定
する樹脂成形体10aと、この樹脂成形体10aの表面
に分散、埋設された固体潤滑粉1及び高硬度微粒子2と
から構成されている。
【0015】ヤーンYは、後述するように複数本のカー
ボン繊維3…3を撚り合わせ(図5参照)、これにエポ
キシ樹脂を含浸させることによって得られる。
【0016】樹脂成形体10aは、後述する中通し釣竿
の製造方法の一工程としてのヤーンへの樹脂含浸工程に
おいて、ヤーンYに含浸された樹脂と、当該製造方法の
他の一工程としての焼成工程において、釣竿本体形成用
のプリプレグPの構成要素の一部である樹脂とから成形
される。これにより、樹脂成形体10a全体、特に、そ
の角部に弾性を付与することができる。即ち、この角部
がこのように弾性を有することにより、この角部は、釣
糸Lの動きに追従して弾性変形しながら水滴を効果的に
しごき落とし、水滴の除去効率を向上させることができ
る。
【0017】固体潤滑粉1は、例えば、4弗化エチレン
樹脂粉末、シリコンパウダー等からなり、一方、高硬度
微粒子は、例えば、アルミナ球状微粒子等からなってい
る。釣糸案内突条Gに含まれた固体潤滑粉1及び高硬度
微粒子2のうちの一部は、樹脂成形体10aの表面上に
露出しているが、これ等の残りはその内部に埋設されて
いる。
【0018】樹脂成形体10aの表面上に露出した固体
潤滑粉1は、釣糸案内突条Gの表面に撥水性を付与し、
これによって、水滴の付着が防止され、すべり性が改善
される。従って、釣糸案内突条Gに接触、案内される釣
糸Lにも水滴が付着せず、釣糸Lと釣糸案内突条Gとの
摩擦抵抗が小さくなり、釣糸Lの摺動抵抗が減少する。
【0019】一方、樹脂成形体10aの表面上に露出し
た高硬度微粒子2は、釣糸案内突条Gの表面硬度を向上
させ、これによって、耐摩耗性が改善され、耐久性が向
上する。
【0020】上述した固体潤滑粉1及び高硬度微粒子2
の各々の一部は、樹脂成形体10aの表面上に露出して
いるが、これ等の各々の他の一部は、樹脂成形体10a
の表面付近の部分に埋設されている。その結果、万一、
樹脂成形体10aの表面上に露出している固体潤滑粉1
及び/又は高硬度微粒子2が剥離しても、内部に埋設さ
れた固体潤滑粉1及び/又は高硬度微粒子2が樹脂成形
体10aの表面上に露出し、従って、固体潤滑粉1及び
/又は高硬度微粒子2によってもたらされる効果を長期
間に亘って付与することができる。
【0021】上述した実施形態において、釣糸案内突条
Gは略四角形の断面形状を有しているものとして説明し
たが(図2及び図3参照)、釣糸Lを案内するために適
した形状であれば任意であり、例えば、台形、半円形、
三角形等の断面形状を有していてもよい。
【0022】また、釣糸案内突条Gは元竿管R1の内面
に螺旋状に形成されたものとして説明したが、リング状
に形成してもよい。この場合には、複数個のリング状の
釣糸案内突条が元竿管R1の内面にその長さ方向に間隔
をあけて配置される。
【0023】上述した元竿管R1及び/又は先竿管R2
は、それぞれ単一の竿管であっても、又、相互に継ぎ合
わされた複数本の竿管から構成されてもよい。
【0024】次に、本発明の上述した中通し釣竿の製造
方法を図4乃至図6を参照しながら以下に説明する。
【0025】本発明の中通し釣竿の製造方法は、ヤーン
への樹脂含浸工程と、ヤーンへの粉粒体付着工程と、ヤ
ーン及び剥離テープ巻回工程と、プリプレグ巻回工程
と、加圧焼成工程と、芯金及び剥離テープ除去工程とか
らなっている。
【0026】ヤーンへの樹脂含浸工程及びヤーンへの粉
粒体付着工程は、図4に示した装置Aを用いて行われ
る。この装置Aは、繰出し用ボビン6と、巻取り用ボビ
ン7と、これ等両者の間に配置された合成樹脂含浸手段
8と、合成樹脂含浸手段8と巻取り用ボビン7との間に
配置された粉粒体付着手段9とから構成されている。
【0027】ヤーンYは、図5に示すように、複数本の
カーボン繊維3…3を撚り合わせることによって得ら
れ、このようにして得られたヤーンYは、上記繰出し用
ボビン6に予め巻回されている。この繰出し用ボビン6
に巻回されたヤーンYの先端は、巻取り用ボビン7の位
置まで繰り出され、これに巻き取られる。
【0028】合成樹脂含浸手段8は、溶融状態の合成樹
脂を収容したタンクからなっており、このタンクは、溶
融合成樹脂に浸漬された浸漬ロール8aと、タンクの入
側に配置された入側案内ロール8bと、タンクの出側に
配置された出側案内ロール8cとを備えている。繰出し
用ボビン6から繰り出されたヤーンYは、入側案内ロー
ル8b、浸漬ロール8a及び出側案内ロール8cを経由
して、巻取り用ボビン7に巻き取られる。従って、ヤー
ンYは、タンク内に収容された溶融合成樹脂中に浸漬し
ながら、このタンクを連続的に通過し、これによって、
ヤーンYに合成樹脂が含浸される。
【0029】粉粒体付着手段9は、固体潤滑粉1として
の4弗化エチレン樹脂粉末、シリコンパウダー等と、高
硬度微粒子2としてのアルミナ球状微粒子とを均一に分
散した状態で、これ等を収容する容器からなっている。
この容器は入口9a及び出口9bをそれぞれ有してい
る。上述した合成樹脂含浸手段8を通過し、合成樹脂が
含浸されたヤーンYは、この合成樹脂が硬化する以前
に、粉粒体付着手段9の入口9aを通って、その内部に
導かれ、ここで、ヤーンYに含浸した未硬化状態の合成
樹脂に固体潤滑粉1及び高硬度微粒子2が付着する。次
いで、これ等の粉粒体が付着したヤーンYは、粉粒体付
着手段9の出口9bから外側に供給され、その後、ヤー
ンYに含浸した合成樹脂が硬化し、このような合成樹脂
の硬化後に、このヤーンYは巻取り用ボビン7に巻き取
られる。
【0030】図5は、固体潤滑粉1及び高硬度微粒子2
が付着したヤーンYの横断面図である。図5に示すよう
に、ヤーンYを構成する撚り合わされた複数本のカーボ
ン繊維3…3の周りにおいて硬化した合成樹脂には、固
体潤滑粉1及び高硬度微粒子2が実質的に均一に分散し
た状態で付着している。
【0031】ヤーン及び剥離テープ巻回工程は、図6に
示すように、釣竿形成用の芯金11に、固体潤滑粉1及
び高硬度微粒子2が付着したヤーンYと剥離テープ12
とを交互に螺旋状に巻回することによって行われる。剥
離テープ12は、加熱変形し難く、剥離性に優れたポリ
オレフィン系樹脂やフッ素系樹脂から成形される。これ
等樹脂からなる剥離テープの代わりに、ポリビニルアル
コール樹脂等から形成された水溶性テープを使用しても
よい。
【0032】プリプレグ巻回工程は、芯金11の外周面
にこのように巻回されたヤーンY及び剥離テープ11の
上に、釣竿本体形成用のプリプレグPを巻回することに
よって行われる。上述したプリプレグPは、カーボン等
の繊維をエポキシ樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂に含
浸させることによって得られる。
【0033】加圧焼成工程は、上述したプリプレグPを
加圧焼成することによって行われる。即ち、プリプレグ
Pを加圧焼成すると、ヤーンYに含浸した合成樹脂が溶
融し、溶融状態の合成樹脂の一部は、固体潤滑粉1及び
高硬度微粒子2と共に、隣接する剥離テープ12、12
間における空間部に浸入する。これと同時に、プリプレ
グPの構成要素である樹脂の溶融した一部もこの空間部
に浸入する。溶融した樹脂が硬化することにより、元竿
管R1の内面に略四角形状の縦断面形状を有する釣糸案
内突条Gが螺旋状に形成される。このようにして形成さ
れた釣糸案内突条Gの表面には、図3に示すように、固
体潤滑粉1及び高硬度微粒子2が分散、埋設されてい
る。
【0034】芯金及び剥離テープ除去工程は、上述した
加圧焼成工程完了後に、先ず、芯金11を除去し、次い
で、剥離テープ12を除去することによって行われる。
【0035】本発明の上述した中通し釣竿においては、
釣糸案内突条Gの表面に固体潤滑粉1及び高硬度微粒子
2が分散、埋設されているものとして説明したが、本発
明の上述した目的を達成するためには、少なくとも固体
潤滑粉1が釣糸案内突条Gの表面に分散、埋設されてい
ればよく、必ずしも、高硬度微粒子2をそこに分散、埋
設させる必要はない。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載した本発明によれば、釣
糸が接触、案内される釣糸案内突条の表面に固体潤滑粉
が分散、埋設されているので、この釣糸案内突条にすべ
り性及び撥水性が付与される。よって、釣糸と共に巻き
込まれた水滴が釣糸案内突条に付着せず、該水滴による
釣糸の釣糸案内突条への付着が未然に防止でき、しか
も、釣糸案内突条に対する釣糸の滑りが良くなり、釣糸
の摺動抵抗が低減し、釣糸をスムーズに繰り出すことが
できる。また、釣糸案内突条へのゴミの付着を防止し
て、これに起因する突条の損傷や釣糸の切断を防止でき
る。また、竿管の内面と釣糸案内突条とは、これ等の構
成要素の一部である樹脂が溶融硬化時に流動一体化する
ことにより強固に結合される。
【0037】請求項1の中通し釣竿において、請求項2
に記載したように、釣糸案内突条の表面に高硬度微粒子
を分散、埋設すれば、釣糸の摺動抵抗を低減するのみな
らず、釣糸案内突条に優れた耐摩耗性を付与して、釣糸
による損傷を防止すると共に、釣糸の切断を防止でき、
耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中通し釣竿を示す部分概略断面図。
【図2】図1の中通し釣竿の釣糸案内突条を示す断面
図。
【図3】図2の拡大図。
【図4】本発明の中通し釣竿の製造方法におけるヤーン
への樹脂含浸工程及び粉粒体付着工程を実施するための
装置を示す概説図。
【図5】図4に示した装置によって得られたヤーンの横
断面図。
【図6】本発明の中通し釣竿の製造方法におけるヤーン
及び剥離テープ巻回工程及びプリプレグ巻回工程を示す
概説図。
【符号の説明】
R1 竿管 G 釣糸案内突条 1 固体潤滑粉 2 高硬度微粒子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竿管内面に螺旋状もしくはリング状の釣
    糸案内突条を一体的に形成した中通し釣竿において、 前記釣糸案内突条の表面に固体潤滑粉が分散、埋設され
    ていることを特徴とする中通し釣竿。
  2. 【請求項2】 前記釣糸案内突条の表面に高硬度微粒子
    が分散、埋設されていることを特徴とする請求項1に記
    載の中通し釣竿。
JP10254976A 1998-09-09 1998-09-09 中通し釣竿 Pending JP2000083522A (ja)

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