JP2000082237A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2000082237A
JP2000082237A JP11271873A JP27187399A JP2000082237A JP 2000082237 A JP2000082237 A JP 2000082237A JP 11271873 A JP11271873 A JP 11271873A JP 27187399 A JP27187399 A JP 27187399A JP 2000082237 A JP2000082237 A JP 2000082237A
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protective film
sensitive adhesive
layer
recording medium
adhesive layer
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JP11271873A
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Yuji Arai
雄治 新井
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】剥離が容易であり、かつ浮きや剥がれがなく、
糊残りのないような保護膜を剥離可能に設けた光情報記
録媒体を提供すること。 【構成】透光性基板の記録する側とは反対側に保護膜を
アクリル系粘着剤層を介して設ける。 【効果】アクリル系粘着剤層の粘着力を適度にすること
ができ、上記目的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透光性基板に設けた記
録する側又は記録した側とは反対側の再生光が入射する
側に剥離可能な保護膜を有する光情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、透光性基板の一方の主面が記録す
る側であり、その他方の主面側から記録光や、再生光を
入射して情報を記録をしたり、再生できるようにした光
ディスク等の光情報記録媒体は周知であるが、情報を記
録あるいは再生して使用するのはその製造後時間をおい
て行われることが多いので、その記録光や再生光が入射
する側の基板表面がゴミの付着や、外部からの摩擦や衝
撃により傷つくことがあり、そのようになると記録や再
生のエラー等が生じるので、これらを防止するために、
剥離可能な保護膜を設けることが行われている。例え
ば、使用時に基板から剥離可能な保護膜として、特開平
2−165441号公報に記載されているように、ポリ
ビニルアルコール樹脂溶液をスプレー方式で塗布するこ
とにより形成される保護膜、特開平3−272891号
公報に記載されているように、アクリル系樹脂を塗布し
て硬化させることにより形成される保護膜、さらには特
開昭61−40726号公報に記載されているように、
ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の樹脂フ
ィルムを基板に張りつけることにより形成される保護膜
が知られている。その他、特開昭61−40726号公
報、実開昭56−90718号公報、実開昭60−60
019号公報、実開昭57−49734号公報、実開昭
58−49337号公報、実開昭59−189733号
公報、実開昭59−189734号公報、実開昭61−
189734号公報にもこれらに類する保護膜が記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板表
面に直接樹脂の塗膜を形成し硬化させることにより形成
される保護膜は、その硬化の条件によっては必要なとき
に剥離し難いことがあり、使い勝手が良くなく、また、
その保護膜には塗布漏れのような塗布膜の欠陥を生じる
ことがあるのでこれを防ぐ余分な手段が必要であり、さ
らには加熱硬化工程を設けることにより製造コストがか
かるという問題がある。また、樹脂フィルムを張り合わ
せることにより保護膜を形成する方法は、フィルム自体
が剛性を有するので、剥離性そのものは良いが、温度や
湿度変化によりフィルムの伸縮や皺が生じたり、剥がれ
たりすることがあり、また、剥離する際そのフィルムを
接着させた接着剤が基板上に残る、いわゆる糊残り現象
を生じ、記録光による記録あるいは再生光による読み取
りが正確に行われなくなることがあるという問題があ
る。
【0004】本発明の目的は、容易に剥離することがで
き、かつ温度や湿度等の変化のある環境下においても浮
きや剥がれがないのみならず、糊残り現象を生じない剥
離可能な保護膜を有する光情報記録媒体を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、透光性基板の一方の主面側が記
録する側又は記録した側であり、該透光性基板の他方の
主面側が少なくとも再生光が入射される側であって剥離
可能な保護膜を有する光情報記録媒体において、該保護
膜はアクリル系粘着剤層を介することにより剥離可能に
設けられいる光情報記録媒体を提供するものである。
【0006】また、本発明は、(2)、アクリル系粘着
剤層のアクリル系粘着剤はガラス転移温度を低くくし柔
らかくする成分としての主モノマーと、ガラス転移温度
を高くし硬くする成分としてのコモノマーと、官能基含
有モノマーを含有するモノマー組成から得られるアクリ
ル系共重合体を含有する上記(1)の光情報記録媒体、
(3)、アクリル系共重合体は架橋前の平均分子量が6
00000〜900000であり、主モノマーによる重
合成分が少なくとも50%である上記(2)の光情報記
録媒体、(4)、アクリル系粘着剤層の厚さは1μm〜
50μmである上記(1)ないし(3)のいずれかの光
情報記録媒体、(5)、アクリル系粘着剤層の厚さは保
護膜の厚さより薄い上記(1)ないし(4)のいずれか
の光情報記録媒体、(6)、アクリル系粘着剤層は保護
膜の全面に設けられている上記(1)ないし(5)のい
ずれかの光情報記録媒体を提供するものである。
【0007】本発明において、光情報記録媒体として
は、記録や再生を光学的なレーザ光のみによるものや、
光磁気的な記録再生方式等を使用したいずれのものも含
まれる。いずれも情報の記録や再生は透光性基板の一方
の主面側の記録する側とは反対側の他方の主面側の片側
のみから行われる。例えば、光情報記録媒体としては具
体的には、透光性基板の一方の主面上に記録層として色
素層、その上に金属の反射層、さらにその上に保護層を
設け、他方の主面に剥離可能な保護膜を設けた光ディス
クや、また、予め透光性基板にトラッキング用の案内溝
を設けておきその上に色素層を設ける以外は前記と同様
にして構成した光ディスクが挙げられるが、これらに記
録、再生を行うには保護膜を剥がした面側から記録光、
再生光を入射させる。その記録光、再生光としてレーザ
光を用いる場合には、波長770〜830nmのものが
一般的であるが、これ以外のレーザ光を使用してもよ
い。上記は記録層として色素層を有する場合であった
が、この色素層を有さず、透光性基板そのものに記録を
行い、その上に反射層及び保護層を順次積層したCD等
の読み出し専用の光ディスクもあり、これもその記録を
した側とは反対側の透光性基板側から再生光を入射し、
その透光性基板上に形成された記録用ピット列とそれを
覆う反射層とにより情報の再生を行う。
【0008】上記色素層や反射層のほかに、他の層、例
えばこれらの層と他の隣接層との結着性を向上させるた
めの層、情報を記録する以外に信頼性を向上させるため
の例えばSiO2 などの酸素不透過性の層、さらには光
反射層と保護層との間に光反射層の酸化を防止する耐酸
化層を介在させても良い。反射層の上に設ける保護層は
外的な物理的あるいは機械的障害に対して情報記録部分
を保護する層であり、その厚さは5〜10ミクロンの範
囲が好ましい。特に、その保護層の形成の際に基板や記
録層への加熱による悪影響を回避し、短時間で形成でき
る紫外線硬化型樹脂からなる保護層が好ましい。
【0009】本発明において、上記透光性基板として
は、レーザ光に対する屈折率が1.4〜1.6の範囲の
透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた樹脂が使用され
る。具体的には、ポリカーボネート、ポリオレフィン、
アクリル等の樹脂を用いて射出成形等の手段により形成
されるが、その際、上記した案内溝としてはスパイラル
状や他の形状によるトラッキングガイド手段を設けてお
いても良い。このようなトラッキングガイド手段は、通
常、スタンパを用い、公知の方法にて形成できる。
【0010】本発明において、保護膜としては、例えば
ポリエステル、ナイロン、アセテート、あるいはポリエ
チレン等のポリオレフィン等のフィルムが挙げられ、こ
れらは例えば100μm程度の厚さであることが好まし
い。また、保護膜としては、他のエポキシ系材料、アク
リル系材料などの種々の材料も考えら、その中ではアク
リル系材料が好ましい。その具体例としては、例えば、
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、
フェニルセロソルブアクリレート、イソボルニルアクリ
レート、ジシクロペンタジエンオキシエチルアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ボリエチレングリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレートなどのアクリル酸エステルのモ
ノマ−、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアク
リレート、ポリオールアクリレート等の中から選ばれる
一種以上のモノマー又はさらにポリマーを適宜用いて得
られるアクリル系重合体が挙げられる。この重合体によ
りフィルムを調製し、これを上記と同様にフィルムとし
て使用しても良いが、透光性基板上に形成した後に詳述
するアクリル系粘着剤層上にその溶液を塗布し、乾燥さ
せて保護膜としても良い。また、12.5%のポリビニ
ルアルコール樹脂水溶液を調製し、これを透光性基板上
に形成した上記アクリル系粘着剤層上にスプレー法によ
り塗布し、5分間セッテイングした後、50℃で30分
乾燥し、剥離用保護膜としても良い。なお、別の被塗面
に塗布し、その得られたフィルムを上記と同様に用いて
も良い。また、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘
導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル共重合体、上記のほかのアクリル酸
エステル重合体、ポリウレタン等の高分子重合体も上記
と同様に用いられる。その塗料化のためにはケトン類、
塩素化炭化水素、芳香族炭化水素などの強溶媒が用いら
れ、また、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート
などの可塑剤も用いられる。上記の保護膜を樹脂性の透
光性基板に溶媒を用いて形成する場合には、基板を侵さ
ないよう溶媒を考慮して形成する。また、保護層には印
刷を施しても良く、例えば予めフィルムの状態で紫外線
硬化性インキで表示しようとするものを印刷して硬化さ
せ、このような表示を設けた光情報記録媒体とすること
もできる。
【0011】アクリル系粘着剤層としては、従来よりも
かなり粘着力が小さいものが用いられ、その粘着力は後
述の実施例で述べる環境試験下において1〜100g/
25mm、望ましくは1〜30g/25mm、その塗布
厚さは1μm〜50μm、望ましくは5μm〜20μm
であることがいわゆる糊残りの現象を生じることなく、
かつ浮きを防止しつつ、剥離用保護膜を基板から剥離で
きる点で好ましい。上記(1)以降の発明において、
「アクリル系粘着剤層の粘着力が環境試験下において1
g〜100g/25mm(又は1〜30g/25mm)
である」限定を設けても良い。本発明において使用され
るアクリル系粘着剤は、ガラス転移点Tgを低くし柔ら
かくする成分としての主モノマー(Tgは100℃以下
が望ましい)と、接着性や凝集力の改良のためにガラス
転移点Tgを高くし硬くする成分としてのコモノマー
(Tgは150〜250℃の範囲が望ましい)を少量、
さらに架端や接着性の改良のための成分として官能基含
有モノマーを共重成分に有するアクリル系共重合体を主
成分とする組成物が挙げられ、アクリル酸エステルなど
の合成品等からなる。上記主モノマーとしては、エチル
アクリレート(Tg:−22℃)、ブチルアクリレート
(Tg:−55℃、タッキネス大)、2−エチルヘキシ
ルアクリレート(Tg:−70℃、タッキネス大)等が
挙げられ、コモノマーとしては、酢酸ビニル(Tg:3
2℃、安価、凝集力)、アクリルニトリル(Tg:97
℃、凝集力)、アクリルアマイド(Tg:165℃、凝
集力)、スチレン(Tg:80℃、凝集力)、メチルメ
タクリレート(Tg:105℃、凝集力、タッキネス制
御)、メチルアクリレート(Tg:8℃、親水性)等が
挙げられ、官能基含有モノマーとしては、メタクリル酸
(Tg:228℃、接着力)、アクリル酸(Tg:10
6℃、接着力)等の不飽和一塩基酸、イタコン酸(架橋
化基点)等の不飽和二塩基酸、ヒドロキシエチルメタア
クリレート(55℃、86℃、架橋化基点)、ヒドロキ
シプロピルメタアクリレート(Tg:76℃、NCO反
応が遅い)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(T
g:13℃、乳化剤のいらないエマルジョンができ
る)、アクリルアマイド(Tg:165℃、凝集力)、
メチロールアクリルアマイド(自己架橋性)、グリシジ
ルメタクリレート(架橋化基点)、無水マレイン酸(密
着性、架橋化基点)等が挙げられる。なお、括弧内のT
gはそのポリマーのガラス転移点、その他の注釈はその
モノマーを用いることにより得られる特徴である。これ
らのモノマーから得られるアクリル系共重合体として
は、主モノマーが50重量%以上、コモノマーが35重
量%以下、官能基含有モノマーが15〜3重量%である
ことが好ましく、これらに例えは過酸化ベンゾイル、ア
ゾビスイソブチルニトリルなどのラジカル重合開始剤等
を加えて重合させ、さらにこれにポリアミン、ポリイソ
シアネート、ポリオール等を加え、架橋したものが好ま
しい。アクリル系共重合体の架橋前の平均分子量は60
0000〜900000が好ましく、その内に占める主
モノマーによる重合成分は少くとも50%であることが
好ましい。この平均分子量範囲及び組成が後述する粘着
剤の物性から好ましい。なお、モノマー組成比とその重
合率から主モノマーの重合比率は計算できる。具体的に
は、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アル
キルエステル(炭素数4〜12)50〜30重量部と、
酢酸ビニル又は短鎖アクリル酸アルキルエステルあるい
はメタクリル酸アルキルエステル(炭素数1〜4)50
〜20重量部と無水マレイン酸1〜6重量部とを混合し
た共重合体組成を窒素気流下において全共重合体量に対
して0.5〜3.0%のラジカル開始剤、例えば過酸化
ベンゾイルあるいはアゾビスイソブチロニトリルの存在
下にトルエン、ベンゼン、酢酸エチルの単独あるいはそ
れらの混合溶媒中(全共重合体20〜40部に対し80
〜60部)で60〜70℃で重合させる。重合後この粘
着剤溶液中の共重合体に含まれる無水マレイン酸に対
し、0.01〜3.0当量のポリオール、またはポリア
ミン、またはポリイソシアネートを添加し、架橋すると
耐熱性のすぐれた粘着剤が得られる。
【0012】一般に粘着剤については、粘着テープを被
着体に粘着し、粘着剤を相手に残さず、きれいに剥がす
その原理は、J.Dowがその構成を例えば図3に示す
ように図解し、説明しているように、Tac(タック)
<Adhesion(粘着力)<Cohesion(凝
集力)<Keying(投錨力)の力関係が必要であ
り、投錨力は支持体と粘着剤との結合力であり、下引剤
で解決できるので、実用的には粘着剤そのもので、タッ
ク、粘着力、凝集力の力バランスを如何にとるかであ
る。凝集力は粘着剤そのものの凝集する力であり、分子
間力、架橋、分子のからみ合い、分子量などに関係し、
また、粘着力は剥離力であり、被着体への界面での結合
力と粘着剤の粘弾性的変形エネルギーの大きさが関係
し、実用的には貼ったテープが剥がれてくるかどうかの
目安になる。タックは濡れ易さ、表面接着、初期粘着と
言われるようにテープを相手に付着させるときの付着の
し易さに関係する値と考えられる。一般的には、粘着力
P=b ta fc 2 /4Ea (b:テープ幅、 ta :粘着
剤の厚さ、 fc :界面での結合力、Ea :弾性率)で表
され、粘着力Pは内容的には変形エネルギーであると解
される。この式から、Pを大きくするには、 fc を大き
くする必要があり、界面での結合力を高める必要があ
る。厚さを厚くすることも粘着力を高める要素となる。
これらのことから、保護膜に対する上記の投錨力を大き
くし、保護膜とアクリル系粘着剤層との結合力を高め、
凝集力を大きくして粘着剤層の内部破壊がないように
し、粘着剤の基板に対する粘着力を相対的にこれらより
小さくすることがその粘着剤をいわゆる糊残り現象を生
じることなく剥がすことができるということがわかる
が、あまりに粘着力を小さくしすぎると、基板表面に付
着した異物や塗布ムラが原因で、いわゆる浮き(部分的
に保護膜が浮く現象)を生じさせるため、適度な粘着力
が必要である。
【0013】アクリル系粘着剤の塗布方法としては、フ
ィルムを使用する場合には、保護膜に予め塗布しておい
たものを基板に貼着することが好ましく、その塗布方法
としてはナイフロールコータ、ロールドクターコータ、
グラビヤコータ等が適用できる。アクリル系粘着剤層の
厚さは5〜50μmであることが好ましく、これより薄
いと保護膜の貼着力が十分でないことがあり、これより
多いと経済的でなくなる。また、アクリル系粘着剤層の
厚さは保護膜の厚さより薄いことが好ましく、これより
厚いと剥離した際に糊残りが生じるだけでなく、粘着力
が強すぎて、保護膜のフィルムが伸びたり、保護膜を設
けた状態で耐湿試験等の環境試験を行った場合等におけ
る粘着力の変化が大きくなったりして、剥離する際に光
情報記録媒体に損傷を与えてしまう恐れがある。また、
アクリル系粘着剤は保護膜の全面に設けられていること
が保護膜が基板から剥がれるのを防止したり、皺がよっ
たりするのを防止できる点で好ましいがこれに限らな
い。また、アクリル系粘着剤を塗布する前に、保護膜と
して使用される上記フィルム表面にコロナ放電処理を
し、その接着性を高めるようにしても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】例えば図1、2に示す光ディスク
のように、ポリカーボネート樹脂等からなる透光性基板
1の一方の主面に色素層3が形成され、さらにその上に
金、銀、アルミニウム等の金属膜からなる反射層4が形
成され、その上に保護層5が設けられ、さらに上記透光
性基板の他方の主面にアクリル系粘着剤層6を介して剥
離可能な保護膜6を設けられた構成が挙げられる。な
お、保護膜には例えばつかみしろ6aを設けたり、その
表面に取扱いの注意事項を記載することが好ましい。7
はスピンドルのクランパーでクランプするためのクラン
プ孔である。また、図示省略したが、上記透光性基板1
の一方の主面に予め螺旋状にトラッキング用の案内溝が
形成し、これを用いた以外は上記と同様に作製したライ
トワンス型の光ディスクも具体例として挙げられる。こ
れらの光ディスクにおいては、例えば波長770〜83
0nmのレーザ光により、保護膜6を剥がした面側から
記録光、再生光を入射させる。透光性基板1上に設ける
各層の具体的構成については以下の実施例の欄で説明す
る。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例 1 図2の透光製基板1として、スタンパによりスパイラル
状にトラッキングガイドを行うための幅0.8μm、深
さ0.08μm、トラックピッチ1.6μmのガイド溝
が直径46〜117mmの範囲に形成された外径120
mmφ、内径15mmφ、厚み1.2mmのポリカーボ
ネート基板(コービロン:三菱ガス化学社製)を用意す
る。この基板の硬さは、鉛筆硬度HBであり、熱膨脹係
数は20〜120℃において6×10.5/℃であっ
た。0.65gの1,1’−ジブチル3,3,3’,
3’テトラメチル4,5,4’,5’−ジベンゾインド
ジカーボシアニンパークロレート(日本感光色素研究所
製)をジアセトンアルコール10mlに溶解し、これを
上記ポリカーボネート基板のガイド溝を設けた側に回転
数を適当に変化させながら平均膜厚が130nmになる
ようにスピンコートし、乾燥させて記録層として図2に
示す色素層3を形成した。この色素層の上に金をスパッ
タリングし、図2に示す反射層4として厚さ100nm
の反射層を形成した。さらに、上記色素層と反射層の不
要部分を除去して色素層と反射層の二重層を直径42〜
118mmφの範囲に同心円状に形成した。次にスピン
コート法により多官能アクリレートモノマーを主成分と
する紫外線硬化樹脂(SD−17:大日本インキ社製)
を塗布し、高厚水銀灯で230mj/cm2 の紫外線を
照射し、硬化させ、厚さ10μmの保護層を形成した。こ
の保護層の硬さは、鉛筆硬度5H/on glass
(2H/on PC)であった。
【0016】次いで、図2に示す保護膜6としてのガス
透過性のポリプロピレンフィルム(厚さ60μm)に図
2に示すアクリル系粘着剤層5を形成するために、リバ
ースコータでアクリル系粘着剤として、下記組成の架橋
アクリル酸共重合体からなる粘着剤を全面塗布し、乾燥
膜厚13μmのアクリル系粘着剤層(LS163Bリン
テック(株)製架橋アクリル酸共重体系粘着剤使用)を
形成した。この架橋アクリル酸共重合体の架橋前の平均
分子量は500000〜600000であった。。この
粘着剤の粘着力は、JISZ0237による180度剥
離で2g/25mmであった。このアクリル系粘着剤層
を形成したポリプロピレンフィルムを内径40mmφ、
外径119mmφのリング状に打ち抜き、そのリング片
をローラ加圧摺動方式にて上記ポリカーボネート基板の
色素層を設けた側とは反対側の主面に貼着した。このよ
うにして得られた光ディスクについて環境試験を行った
後そのリング片の基板に対する状態を調べた。すなわ
ち、環境試験は、リング片を貼付してから24時間後、
70℃,乾燥状態で16時間放置、23℃,乾燥状態で
1時間放置、−20℃,乾燥状態で9時間放置及び23
℃,乾燥状態で1時間放置を1サイクルとして10サイ
クル繰り返して行い、その後リング片の基板からの浮き
の有無、剥がれの有無を目視により評価するとともに、
剥離を行って糊残りの有無を顕微鏡観察により評価し
た。その結果、本実施例においては、これら項目の糊残
り、浮き、剥がれのいずれも認められなかった。なお、
アクリル系粘着剤層の粘着力を上記と同様に測定したと
ころ、24時間後で、3g/25mm、サイクル試験後
で10g/25mmであった。また、得られた光ディス
クについて、貼付したリング片を剥がしてからレーザ光
による記録を行い、再生したところ再生信号のエラーも
なく良好な記録再生を行うことができた。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に保護膜がアク
リル系粘着剤層を介することにより剥離可能に設けられ
ているので、その粘着剤層の粘着力を適度にすることが
でき、これにより光情報記録媒体を損傷することなく保
護膜を剥離することができ、しかも糊残りがないように
剥離することができ、また、保護膜の浮きや剥がれを起
こさないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光ディスクの保護膜を一部
剥離した状態を示す斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】粘着剤の作用原理の説明図である。
【符号の説明】
1 透光性基板 2 色素層 3 反射層 4 保護層 5 アクリル系粘着剤層 6 保護膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月27日(1999.9.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 (1)、透光性基板の一方の主面側が記録する側又は記
録した側であり、該透光性基板の他方の主面側が少なく
とも再生光が入射される側であって剥離可能な保護膜を
有する光情報記録媒体において、該保護膜はアクリル系
粘着剤層を介することにより浮きや剥がれを起こさず、
剥離面を損傷することなくかつ糊残りがないように剥離
可能に設けられいる光情報記録媒体を提供するもので
ある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、本発明は、(2)、アクリル系共重
合体は架橋前の平均分子量が500000〜90000
0であり、主モノマーによる重合成分が少なくとも50
%である上記()の光情報記録媒体、()、アクリ
ル系粘着剤層の厚さは1μm〜50μmである上記
(1)又は)の光情報記録媒体、()、アクリル
系粘着剤層の厚さは保護層の厚さより薄い上記(1)な
いし()のいずれかの光情報記録媒体、()、アク
リル系粘着剤層は保護膜の全面に設けられている上記
(1)ないし()のいずれかの光情報記録媒体を提供
するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に保護膜がアク
リル系粘着剤層を介することにより浮きや剥がれを起こ
さず、剥離面を損傷することなくかつ糊残りがないよう
剥離可能に設けられているので、その粘着剤層の粘着
力を適度にすることができ、これにより光情報記録媒体
を損傷することなく保護膜を剥離することができ、しか
も糊残りがないように剥離することができ、また、保護
膜の浮きや剥がれを起こさないようにすることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板の一方の主面側が記録する側
    又は記録した側であり、該透光性基板の他方の主面側が
    少なくとも再生光が入射される側であって剥離可能な保
    護膜を有する光情報記録媒体において、該保護膜はアク
    リル系粘着剤層を介することにより剥離可能に設けられ
    いる光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 アクリル系粘着剤層のアクリル系粘着剤
    はガラス転移温度を低くくし柔らかくする成分としての
    主モノマーと、ガラス転移温度を高くし硬くする成分と
    してのコモノマーと、官能基含有モノマーを含有するモ
    ノマー組成から得られるアクリル系共重合体を含有する
    請求項1の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合体は架橋前の平均分子
    量が500000〜900000であり、主モノマーに
    よる重合成分が少なくとも50%である請求項2記載の
    光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 アクリル系粘着剤層の厚さは1μm〜5
    0μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の光情
    報記録媒体。
  5. 【請求項5】 アクリル系粘着剤層の厚さは保護膜の厚
    さより薄い請求項1ないし4のいずれかに記載の光情報
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 アクリル系粘着剤層は保護膜の全面に設
    けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の光情
    報記録媒体。
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