JP2006277809A - ポリカーボネート用表面保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリカーボネート基板に対する接着力の経時変化が小さく、迅速かつ安価に製造可能なポリカーボネート用表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】 引張弾性率が1GPa以上であるフィルム基材と、接着剤層と、を備えたポリカーボネート用表面保護フィルムであって、接着剤層を、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)と、カチオン重合性樹脂(B)とを含むエネルギー硬化性接着剤をカチオン硬化して形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリカーボネート用表面保護フィルムに関する。特に、光情報記録媒体の表面保護フィルムとして好適なポリカーボネート用表面保護フィルムに関する。
近年、光学的特性や機械的特性が優れていることから、様々な用途にフィルム状やプレート状のポリカーボネート樹脂(以下、単にポリカーボネートと称する場合がある。)が用いられている。かかるポリカーボネート樹脂からなる基板は、単独で用いられることは極めて少なく、多くの場合、何らかの表面加工がなされている。例えば、光情報記録媒体として、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)を構成する場合には、ポリカーボネート基板の表面に記録層を設けた後、その上に紫外線硬化性樹脂による保護層を形成するか、あるいは、もう一枚のポリカーボネート基板を、紫外線硬化性樹脂を用いて貼り合せている。
また、図2に示すように、短波長の青色レーザを用いて情報の記録再生を行う次世代光ディスク(例えば、Blu−ray Disc)100も考案されている。かかる次世代光ディスク100の場合には、使用する青色レーザの波長が短く、焦点深度が浅くなることから、記録層102が形成されたポリカーボネート基板101(例えば、厚さ1.1mm)と、薄膜(例えば、厚さ0.075mm)のポリカーボネート製の光透過性フィルム106との間に、光ディスク用接着剤フィルムからなる接着剤層104を形成して貼り合せることが試みられている。
このような次世代光ディスク100に対して所望の加工を施す場合、各工程での傷つき防止や易滑性付与を目的として、次世代光ディスク100の表面に、保護フィルム17を貼り合せたり、他のフィルムを共巻きしたりしている。
より具体的には、シングルサイト触媒を用いて重合された特定のエチレン−α−オレフィン共重合体と、チーグラー触媒を用いて重合された特定の低密度ポリエチレンと、を所定割合で混合し、初期粘着力が約100〜500mN/25mmの範囲である接着剤層を備えたポリエチレンフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような光ディスクを製造する際に、例えば、接着剤層の両面に剥離シートを備えた光ディスク製造用シートが、ポリカーボネート基板やポリカーボネートフィルムの表面保護フィルムとして、使用されている。
すなわち、接着剤層の一部がスタンパーに付着することを防止すべく、基材としてのポリエステルフィルム等の上に、エネルギー線硬化性を有する高分子材料を主成分とし、硬化前の貯蔵弾性率が1×103〜1×106Paである紫外線硬化性接着剤層(スタンパー受容層)を形成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−303005号(特許請求の範囲) 特開2004−137457号(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1に記載されたポリエチレンフィルムを表面保護フィルムとして用いた場合、加熱処理等によって、粘着力が経時的に大きく変化するため、ポリカーボネート基板等からの剥離が困難になるという問題が見られた。また、特許文献1に記載されたポリエチレンフィルムは、表面保護フィルムとしては機械的特性に乏しく、しわになりやすいなどの問題が見られた。したがって、このような表面保護フィルムを貼り合わせたポリカーボネート基板等を長期間保管すると、表面保護フィルムの残留応力が原因となって、ポリカーボネート基板等が過度にカールするという問題が見られた。
また、特許文献2に記載されたポリエステルフィルム等を基材とした表面保護フィルムは、これらの問題を解決しているものの、紫外線硬化収縮を抑制するために、基材に対して、易接着処理を施す必要が生じたり、酸素阻害を防止するために製造コストが高くなったりするなどの新たな問題が見られた。
そこで、本発明の発明者らは従来の課題を鋭意検討した結果、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)と、カチオン重合性樹脂(B)と、を含むカチオン重合性組成物を硬化してなるエネルギー線硬化性樹脂を含むことにより、ポリカーボネート基板に対する接着力の経時変化が小さくなるばかりか、酸素阻害の影響が少なく、迅速かつ安価に製造できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート基板に対する接着力の経時変化が小さく、迅速かつ安価に製造可能なポリカーボネート用表面保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明によれば、引張弾性率が1GPa以上であるフィルム基材と、接着剤層と、を備えたポリカーボネート用表面保護フィルムであって、接着剤層が、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーと、カチオン重合性樹脂と、を含むカチオン重合性組成物を硬化してなるエネルギー線硬化性樹脂を含むことを特徴とするポリカーボネート用表面保護フィルムが提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、このようなポリカーボネート用表面保護フィルム
であれば、ポリカーボネート基板を貼り合せた状態で長期間保管した場合であっても、ポリカーボネート基板からの剥離力がほとんど変化しないためである。また、このようなポリカーボネート用表面保護フィルムであれば、酸素阻害されずに、迅速かつ安価に製造することができるためである。
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、エネルギー線硬化性樹脂がカチオン重合開始剤を含んで硬化してなることが好ましい。
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、カチオン重合性樹脂が、グリシジル基及びオキセタニル基、あるいはいずれか一方の基を有するカチオン重合性樹脂であることが好ましい。
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー100重量部に対して、カチオン重合性樹脂の添加量を1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、カチオン重合性基を有するビニルモノマーとの共重合物であることが好ましい。
本発明は、図1(a)に例示するような、引張弾性率が1GPa以上であるフィルム基材20と、接着剤層18と、を備えたポリカーボネート用表面保護フィルム17であって、接着剤層が、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)と、カチオン重合性樹脂(B)と、を含むカチオン重合性組成物を硬化してなるエネルギー線硬化性接着剤を含むことを特徴とするポリカーボネート用表面保護フィルムである。
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルム17は、使用する前には、粘着剤層18を剥離材19で被覆しておくこともできる。
以下、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成する接着剤層等について、具体的に説明する。
1.エネルギー線硬化性接着剤
(1)カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)は、側鎖に、カチオン重合性基を有するアクリル酸エステル共重合体である。
このようなカチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a1)から導かれる構成単位と、カチオン重合性基を含有するビニルモノマー(a2)とから導かれる構成単位と、を含んで構成される。
また、このような(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a1)としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロシキエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、あるいはアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、このようなカチオン重合性基を含有するビニルモノマー(a2)としては、エポキシ基やオキセタニル基等を分子内に有するモノマーである。具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタニル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、カチオン重合性基を含有するビニルモノマー(a2)の配合量としては、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)中に、通常1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
但し、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)を構成するにあたり、上述した(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a1)やカチオン重合性基を含有するビニルモノマー(a2)以外にも、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、2−ビニルー2−オキサゾリン、2−イソプロペニルー2−オキサゾリン等のビニルモノマーやアクリルアミド類、三級アミノ基含有アクリル酸エステル類、窒素含有複素環ビニルモノマー等を共重合しても良い。
また、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(a1)と、カチオン重合性基を含有するビニルモノマー(a2)との重合反応においては、反応の温度、圧力、溶媒、時間、触媒の有無、触媒の種類を適宜選択することができる。
このようにして得られるカチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)の重量平均分子量は、100,000以上であり、好ましくは150,000〜2,000,000であり、特に好ましくは200,000〜1,500,000である。
また、ガラス転移点としては、−40〜40℃が好ましい。
(2)カチオン重合性樹脂(B)
また、カチオン重合性樹脂(B)の具体例としては、グリシジル基含有樹脂、オキセタニル樹脂等がある。かかるグリシジル基含有樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノール型等のビスフェノール型樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型、グリシジルエステル、グリシジルアミン、脂環式エポキシ等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、オキセタニル樹脂としては、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−[1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン)]−ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3―オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、かかるカチオン重合性樹脂(B)の添加量を、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)100重量部に対して、1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(3)カチオン重合開始剤(C)
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、カチオン重合開始剤を含むことが好ましい。
このようなカチオン重合開始剤(C)としては、イオン性光酸発生タイプ又は非イオン性光酸発生タイプがあり、いずれも使用可能である。例えば、イオン性光酸発生タイプとしては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄―アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノールーアルミニウム錯体等の有機金属錯体等を挙げることができる。一方、非イオン性光酸発生タイプとしては、ニトロベンジルエステル、リン酸エステル、スルホン酸誘導体、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等の一種または二種以上の組み合わせを挙げることができる。
なお、かかるカチオン重合開始剤(C)の添加量を、エネルギー線硬化性接着剤の全体量に対して、0.01〜10重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
(4)他の配合成分
また、エネルギー線硬化性接着剤においては、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)と、カチオン重合性樹脂(B)と、カチオン重合開始剤(C)のほかに、適宜他の成分を配合しても良い。
このような他の成分としては、例えば、エネルギー線硬化性を有しないポリマー成分またはオリゴマー成分(D)、エネルギー線硬化性の多官能モノマーまたはオリゴマー成分(E)、架橋剤(F)、その他の添加剤(G)が挙げられる。
エネルギー線硬化性を有しないポリマー成分またはオリゴマー成分(D)としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、重量平均分子量が3,000〜250万のポリマーまたはオリゴマーが好ましい。
このようなエネルギー線硬化性の多官能モノマーまたはオリゴマー成分(E)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴ(メタ)アクリレート、ポリウレタンオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、架橋剤(F)としては、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)等が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。このような多官能性化合物の例としては、イソシアナート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩、反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。
また、その他の添加剤(G)としては、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、カップリング剤等が挙げられる。
これらの他の成分を接着剤に配合することにより、硬化前における凹凸パターンの転写の容易性、硬化後の強度、他の層との接着性および剥離性、保存安定性などを改善することができる場合がある。
(5)厚さ
また、ポリカーボネート用表面保護フィルムにおける接着剤層の厚さを5〜40μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる接着剤層の厚さが5μm未満の値になると、ポリカーボネート用表面保護フィルムと、光情報記録媒体との貼り合せが困難になったり、あるいは貼り合せた後に、ポリカーボネート用表面保護フィルムが自然剥離したりする場合があるためである。
一方、かかる接着剤層の厚さが40μmを超えると、ロール状に巻き取る際にロール径が大きくなる不具合が生じたり、ポリカーボネート用表面保護フィルムを貼り合せたポリカーボネート基板を長期間保管した場合や加熱した場合に、ポリカーボネート基板からポリカーボネート用表面保護フィルムを容易に剥がすことが困難となったり、する場合があるためである。
2.フィルム基材
(1)引張弾性率
本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムを構成するにあたり、使用するフィルム基材の引張弾性率(ヤング率)を1GPa以上の値とすることを特徴とする。この理由は、かかるフィルム基材の引張弾性率を1GPa以上の値とすることにより、ポリカーボネート用表面保護フィルムと、ポリカーボネートとの貼り合せ時に、ポリカーボネート用表面保護フィルムのテンションを低下させることができ、かつ、ポリカーボネートとポリカーボネート用表面保護フィルムのテンションの差を少なくすることができるためである。逆に、かかるフィルム基材の引張弾性率が1GPa未満の値であると、貼り合せ時のテンションを上げなければ、皺等が入りやすくなるため、結果として、残留応力が大きくなり、巻締りが生じやすくなるためである。
したがって、このような引張弾性率を有するフィルム基材を使用することにより、ポリカーボネート用表面保護フィルムを貼り合せたポリカーボネートを、ロール状態で長期間保管した場合や高温下に置いた場合であっても、ロールの巻締りを有効に防止することができる。
ただし、フィルム基材の引張弾性率の値が過度に大きくなると、ポリカーボネート用表面保護フィルムと、ポリカーボネートとを貼り合せた状態で、ロール状に巻くことが困難となったり、あるいは、ポリカーボネート用表面保護フィルムと、ポリカーボネートとを貼り合せた後に、ポリカーボネート用表面保護フィルムが自然剥離したりする場合がある。
したがって、フィルム基材の引張弾性率を1〜15GPaの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜10GPaの範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、フィルム素材の引張弾性率はJIS K 7127に準拠して測定される値である。
(2)種類
フィルム基材の種類としては特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸等が挙げられる。
また、フィルム基材の種類に関して、図1(b)に示すように、表面に接着力改善層21を設けた易接着性のフィルム基材20を用いても良い。
なお、このような接着力改善層21としては、プライマー層であっても良いし、あるいは、コロナ処理やフレーム処理(火炎処理)によって生成したフィルム基材表面の改質部からなる層であっても良い。
(3)厚さ
また、フィルム基材の厚さを10〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるフィルム基材の厚さが10μm未満の値になると、機械的強度が低下し、取り扱いが困難になる場合があるためであり、一方、かかるフィルム基材の厚さが100μmを超えると、ポリカーボネートフィルムとを貼り合せた状態で、ロール状に巻くことが困難となったり、あるいは、ポリカーボネート用表面保護フィルムと、ポリカーボネートとを貼り合せた後に、ポリカーボネート用表面保護フィルムが自然剥離したりする場合があるためである。
したがって、フィルム基材の厚さを15〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜40μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)透明性
また、フィルム基材を透明とすることが好ましい。この理由は、接着剤層がエネルギー線硬化性組成物から構成されているので、フィルム基材が透明であれば、当該フィルム基材を介して、効率的に硬化することができるためである。
したがって、フィルム基材における紫外線領域の透過率を70%以上の値にすることが好ましく、80%以上の値にすることがより好ましく、90%以上の値にすることがさらに好ましい。
3.剥離材
また、ポリカーボネート用表面保護フィルムにおいて、接着剤層の保護等を目的として、剥離材を接着剤層の表面に積層することが好ましい。
このような剥離材の基材としては特に制限されるものではないが、グラシン紙、コート紙、ポリエチレンラミネート紙等の紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等の樹脂が挙げられる。なお、剥離材の基材の厚さを、10〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、接着剤層から剥離材を容易に剥離できるように、剥離材の表面に、例えば、シリコーン樹脂層、長鎖アルキル基含有(共)重合体層等からなる剥離層を設けることが好ましい。
4.製造方法
また、本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムの製造方法は特に制限されるものではないが、フィルム基材を準備した後、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター、アプリケーターコーター、回転塗布装置等を用いて、エネルギー線硬化性組成物等からなる接着剤を塗布して、それをエネルギー線照射すると、カチオン硬化した接着剤層を形成することができる。
このようなエネルギー線としては、通常、紫外線や電子線等が用いられる。また、エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、照射量としては100〜1000mJ/cm2の範囲内が好ましく、電子線の場合には、10〜1000kradの範囲内が好ましい。
以下、実施例を参照しながら、さらに本発明を詳細に説明する。ただし、言うまでも無いが、実施例は本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲は実施例の記載に制限されるものでは無い。
[実施例1]
1.エネルギー線硬化性接着剤の調整
モノマー成分として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/グリシジルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=55/10/20/15(重量比)を用い、溶液重合によって、重量平均分子量が約114万、ガラス転移点がー28℃、希釈前の粘度が9700mPa・secであるカチオン重合性基を有するアクリル酸エステルポリマー溶液を得た。
得られたカチオン重合性基を有するアクリル酸エステルポリマー100gに対して、脂環式ベースレジン型エポキシ樹脂であるKRM−2110(旭電化工業株式会社製、エポキシ当量:131.143)を10gと、カチオン重合開始剤であるアデカオプトマーSP−152(旭電化工業株式会社製)を1.33gと、2−ブタノン31.3gとを添加した後、十分に攪拌してエネルギー線硬化性接着剤(固形分濃度32重量%)を得た。
2.ポリカーボネート用表面保護フィルムの作成
得られたエネルギー線硬化性接着剤を、ナイフコーターを用いて、25μm厚であって、引張弾性率が3.9GPaのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略す。)の片面に、乾燥後の接着剤層の厚さが10μmとなるように塗布した後、90℃、1分間の条件で、乾燥した。
次いで、接着剤層の面に、38μm厚のPETフィルムを基材とする剥離材であるSP−PET38GS(リンテック株式会社製)を貼り合わせた。
次いで、紫外線照射装置(リンテック株式会社製、Adwill RAD−2000)を用いて、照射量570mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、カチオン硬化させ、実施例1のポリカーボネート用表面保護フィルムとした。
3.ポリカーボネート用表面保護フィルムの評価
(1)フィルム基材への初期密着性
JIS K5400に準拠して、碁盤目試験を実施し、フィルム基材としてのPETフィルムへの初期密着性を評価した。すなわち、以下に示す条件で、25個の碁盤目のうち、剥がれずに残った碁盤目の数を測定した。
使用テープ:PET50 PLシン 8LK(リンテック株式会社製)
碁盤目の数:25個(隙間2mm)
剥離角度:135°
剥離速度:1〜2秒/10mm
(2)フィルム基材への経時密着性
ポリカーボネート用表面保護フィルムを70℃、20g/cm2、7daysの条件で保持した後(エージング後)、JIS K5400に準拠して、上記内容の碁盤目試験を実施し、フィルム基材としてのPETフィルムへの経時密着性を評価した。
(3)ポリカーボネート基板に対する初期接着力
JIS Z0237に準拠してポリカーボネートフィルムに対する初期接着力試験を実施した。
測定機器:ORIENTEC社製TENSILON
ポリカーボネート基板:帝人化成株式会社製「ピュアエース C110−100」
ポリカーボネート基板に貼付3日後(23℃50%RH条件下に放置)に測定した。
(4)ポリカーボネート基板に対する経時接着力
ポリカーボネート基板にポリカーボネート用保護フィルムを貼付し、70℃、20g/cm2、7daysの条件で保持した後(エージング後)、JIS Z0237に準拠し、上記接着力試験を実施した。
[実施例2]
実施例2においては、実施例1で得られたカチオン重合性基を有するアクリル酸エステルポリマー100gに対して、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂であるKRM−2408(旭電化工業株式会社製、エポキシ当量:235.260)を10gと、カチオン重合開始剤であるアデカオプトマーSP−172(旭電化工業株式会社製)を1.33gと、2−ブタノン60gとを添加して得られたエネルギー線硬化性接着剤(固形分濃度27重量%)を使用した以外は、実施例1と同様に、ポリカーボネート用表面保護フィルムを作成して、評価した。
[実施例3]
実施例3においては、実施例1で得られたカチオン重合性基を有するアクリル酸エステルポリマー100gに対して、オキセタニル樹脂として、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルであるOXT−221(東亜合成化学株式会社製、オキセタニル当量:107.15)を10gと、カチオン重合開始剤であるアデカオプトマーSP−172(旭電化工業株式会社製)を1.33gと、2−ブタノン20.6gとを添加して得られたエネルギー線硬化性接着剤(固形分濃度29.9重量%)を使用した以外は、実施例1と同様に、ポリカーボネート用表面保護フィルムを作成して、評価した。
[比較例1]
比較例1においては、モノマー成分として、n−ブチルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸=80/7.5/12.5(重量比)を用い、酢酸エチル溶液重合によって、重量平均分子量が約90万であるアクリル酸エステルポリマー溶液を得た。
得られたアクリル酸エステルポリマーに対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを、アクリル酸エステルポリマーのカルボキシル基1モル当たりに、0.2モルの割合となるように付加させ(付加率:20%)、側鎖に不飽和基を有するアクリル酸エステルポリマー溶液(溶媒:酢酸エチル、固形分濃度:35%)を得た。
次いで、得られた側鎖に不飽和基を有するアクリル酸エステルポリマー溶液100gに対して、多官能アクリレートであるセイカビーム14−29B NPI(大日精化株式会社製)12gと、ラジカル系光開始剤である2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651、チバスペシャリチィケミカルズ社製)2.3gと、2−ブタノン9.1gとを添加した後、十分に攪拌してエネルギー線硬化性接着剤(固形分濃度38重量%)を得た。得られたエネルギー硬化性接着剤を使用した以外は、実施例1と同様に、ポリカーボネートフィルムを作成して、評価した。
[比較例2]
ポリカーボネート用保護フィルムとして、ポリエチレンとエチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)とを共押出形成により積層した二層フィルムPAC2(株式会社サンエー化研製)を用いて、実施例1〜3と同様にポリカーボネート基板に対する接着力を評価した。
本発明のポリカーボネート用表面保護フィルムによれば、接着剤層中に、(メタ)アクリル酸エステルポリマー(A)及びカチオン重合性樹脂(B)の混合物を硬化してなるエネルギー線硬化性樹脂を含むことにより、ポリカーボネート基板に対する接着力の経時変化が小さくなるばかりか、酸素阻害が少なくなって、迅速かつ安価に製造できるようになった。
ポリカーボネート用表面保護フィルムの断面図である。 次世代光ディスク(Blu−ray Disc)を説明するために供する図である。
符号の説明
17 :ポリカーボネート用表面保護フィルム
17´:接着力改善層を加えたポリカーボネート用表面保護フィルム
18 :接着剤層
19 :剥離材
20 :フィルム基材
21 :接着力改善層
100:次世代光ディスク
101:ポリカーボネート基板
102:記録層
104:接着剤層
106:光透過性フィルム

Claims (5)

  1. 引張弾性率が1GPa以上であるフィルム基材と、接着剤層と、を備えたポリカーボネート用表面保護フィルムであって、
    前記接着剤層が、カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーと、カチオン重合性樹脂と、を含むカチオン重合性組成物を硬化してなるエネルギー線硬化性樹脂を含むことを特徴とするポリカーボネート用表面保護フィルム。
  2. 前記エネルギー線硬化性樹脂が、カチオン重合開始剤を含んで硬化してなることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート用表面保護フィルム。
  3. 前記カチオン重合性樹脂が、グリシジル基及びオキセタニル基、あるいはいずれか一方の基を有するカチオン重合性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート用表面保護フィルム。
  4. 前記カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマー100重量部に対して、前記カチオン重合性樹脂の添加量を1〜20重量部の範囲内の値とする請求項1〜3に記載のポリカーボネート用表面保護フィルム。
  5. 前記カチオン重合性基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、カチオン重合性基を含有するビニルモノマーとの共重合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート用表面保護フィルム。
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