JP2000080091A - 2,3―ジヒドロベンゾフラン誘導体の製造方法 - Google Patents

2,3―ジヒドロベンゾフラン誘導体の製造方法

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JP2000080091A
JP2000080091A JP17057299A JP17057299A JP2000080091A JP 2000080091 A JP2000080091 A JP 2000080091A JP 17057299 A JP17057299 A JP 17057299A JP 17057299 A JP17057299 A JP 17057299A JP 2000080091 A JP2000080091 A JP 2000080091A
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Yuji Kogami
裕二 小上
Koichi Oshima
恒一 大島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 公知の製造方法に比較して、工程数が少な
く、且つ収率の点で大きく勝り、しかも簡便且つ安価な
極めて優れた製造方法を提供する。 【解決手段】 下記式(2) (式中、Xは脱離基を示し、*は不斉炭素をそれぞれ示
す。)で表される化合物と、H2 N−(CH2 )n−A
−B(式中、nは2から6までの整数を;AはHNCO
またはHNSO2 を示し、Bはナフチル基、チエニル
基、ピリジル基、フリル基などを示す。)で表される化
合物とを反応せしめ、必要に応じて、アルキル化剤によ
り、該反応生成物のNH2 基に低級アルキル基を導入す
ることを特徴とする式(1) で表される2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体または
その塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,3−ジヒドロベン
ゾフラン誘導体またはその塩の製法方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体ま
たはその塩は、例えば、特開平7−109265号公報
および特開平8−73451号公報に記載されている。
これらの特開平7−109265号公報および特開平8
−73451号公報に開示された化合物は、セロトニン
1A(5−HT1A)レセプターに作用することが記載
されている。
【0003】上記の5−HT1Aレセプタ−に作用する
化合物は、抗不安剤、抗うつ剤、摂食障害改善剤、血圧
降下剤、制吐剤(抗動揺病剤、抗宇宙酔い剤、抗めまい
剤、薬物誘発嘔吐抑制剤等を含む)などとして有用なこ
とが知られており、既に多くの報告がなされている。
(日本臨床、47巻、1989年増刊号、第1241−
1248頁;J.P.Feighnev,W.F.Bo
yer,Psychopathology,22,21
(1989);P.R.Saxena,C.M.Vil
lalon,Tips,11,95(1990),N.
Matsukiet al.,Jpa.J.Pharm
acol,Suppl.,58,313(1992)
等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開平7−10
9265号公報および特開平8−73451号公報に
は、2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体またはその塩
の製造方法が記載されているが、これらの公報に記載さ
れた製造方法は比較的煩雑で、多くの工程を必要として
いる。そこで、これらの化合物を製造するためのより優
れた製造方法を見い出し、これを提供することが望まれ
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究し、公知の方法に比較し
て、明らかに工程数が少なく、且つ収率の点で大きく勝
る本発明の製造方法を確立し、実際に、本発明の製造方
法が極めて優れていることを確認して本発明を完成させ
るに至った。
【0006】すなわち本発明は、式(2)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Xは脱離基を示し、*は不斉炭素
をそれぞれ示す。)で表される化合物と、H2 N−(C
H2 )n−A−B(式中、nは2から6までの整数、A
はHNCOまたはHNSO2 を示し、Bはナフチル基、
チエニル基、ピリジル基、フリル基または置換基R2 を
有していても良いフェニール基をそれぞれ示す。ただ
し、R2 は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置
換されていてもよい低級アルキル基、低級アルコキシ
基、水酸基、ニトロ基もしくはシアノ基を示す。)で表
される化合物とを反応せしめ、必要に応じて、アルキル
化剤により、該反応生成物のNH2 基に低級アルキル基
を導入するか、又は上記、式(2)で表される化合物
と、式(3)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1 は水素原子または低級アルキ
ル基を示し、n、A、Bは前記と同じ意味を示す。)で
表される化合物とを反応せしめることを特徴とする式
(1)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 、n、A、B、*は前記と同
じ意味を示す。)で表される2,3−ジヒドロベンゾフ
ラン誘導体またはその塩の製造方法を提供するものであ
る。本発明において低級アルキル基とは、C1 からC4
までの枝分かれのあってもよいアルキル基を示し、具体
的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロ
ピル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル等の基を表
す。特に、メチル基、エチル基が好ましい例として挙げ
られる。
【0013】また、本発明において低級アルコキシ基と
は、C1 からC4 までの枝分かれのあってもよいアルコ
キシ基を示し、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、第
二ブトキシ、第三ブトキシ等の基を表す。ハロゲン原子
とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙
げられる。特に弗素原子、塩素原子が好ましい例として
挙げられる。
【0014】ハロゲン原子で置換されていてもよい低級
アルキル基とは、前述の低級アルキル基、および低級ア
ルキル基の一部または全部の水素原子がハロゲン原子に
より置換されている基を意味し、ハロゲン原子が複数存
在する場合には、同一または互いに相違したハロゲン原
子であってもよく、またその位置も特に限定されない。
具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、クロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル
基等が挙げられる。
【0015】脱離基Xとは、式(2)の化合物と、式
(3)の化合物とが反応し、式(1)の化合物となる反
応に際し、反応の前後において式(2)の化合物より脱
離する基を示し、通常は塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子や、メタンスルホニルオキシ基などのアルキルス
ルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トル
エンスルホニルオキシ基などのアリールスルホニルオキ
シ基などがあげられる。
【0016】式(2)の化合物を得るための方法は、例
えば薬学雑誌88(5)、503−512(1968)
または特開平3−188077号公報に記載されてい
る。これらの方法に準じて、式(2)の化合物は、市販
の2−アリルフェノ−ルから合成することが出来る。式
(2)の化合物を得るための別の方法は、例えば、以下
の方法により調製される。すなわち、式(2)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、X及び*は前記と同じ意味を示
す。)で表される化合物のXがメタンスルホニルオキシ
基、p−トルエンスルホニルオキシ基等である場合は、
例えば、式(4)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、*は前記と同じ意味を示す。)で
表される化合物と、p−トルエンスルホニルクロリド、
p−トルエンスルホニックアンヒドリド、メタンスルホ
ニルクロリドなどのスルホニル化試薬と反応させること
によって得られる。これらのスルホニル化試薬は、式
(4)の化合物に対して、1〜10当量、とくに好まし
くは、1〜1.5当量用いればよい。反応においては、
塩基を存在せしめることが好ましく、その塩基として
は、トリエチルアミン、ピリジン、4−メチルモルホリ
ン等の有機塩基もしくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどの無機塩基等が例示される。
【0021】用いる塩基の量は、スルホニル化試薬と当
量もしくは1.5当量までの少過剰量用いることが好ま
しい。反応は、通常、不活性媒体中で行えばよく、不活
性媒体としては、反応に不活性で有れば使用可能であ
る。すなわち、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフランなどを例としてあげるこ
とができる。不活性媒体の量は、適宜の量を選択すれば
よいが、式(4)の化合物の5〜100倍の用量が例示
される。反応は、通常−25℃から40℃、特に好まし
くは、室温付近で行うことができる。反応の終了は、原
料の消失をもって知ることができるが、通常1時間から
24時間で完了する。
【0022】また、式(2)のXが塩素原子、臭素原子
などのハロゲン原子である場合は、式(4)の化合物
と、ハロゲン含有化合物を、トリフェニールホスフィン
などのホスフィン化合物存在下に反応させることによっ
て得られる。ハロゲン含有化合物としては、四塩化炭素
または四臭化炭素等が例示される。ハロゲン含有化合物
の量は、式(4)の化合物に対して、1当量以上用いれ
ばよいが、通常10当量以上であってもよい。
【0023】トリフェニールホスフィンなどのホスフィ
ン化合物は、式(4)の化合物に対して、1〜10当
量、とくに好ましくは、1〜3当量用いればよい。反応
は、通常、不活性媒体中で行ってもよく、例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどが例示される。また不
活性媒体の代わりに、ハロゲン含有化合物を用いても好
ましい。不活性媒体の量は、適宜の量を選択すればよい
が、式(4)の化合物の5〜100倍の用量が例示され
る。反応は、通常、冷却条件乃至加熱条件下で行えばよ
く、特に好ましくは、室温付近でおこなうことができ
る。反応時間は、原料の消失をもって反応の終了を知る
ことができるが、通常30分間から1日間までに完了す
る。
【0024】式(4)の化合物は、例えば以下の方法に
より調製される。すなわち式(5)
【0025】
【化10】
【0026】(式中、Rは水素原子または低級アルキル
基を示し、*は前記と同じ意味を示す。)で表される化
合物を還元することにより調製できる。すなわち、式
(5)の化合物に対して水素化リチウムアルミニウム、
水素化ホウ素ナトリウム、ボランジメチルスルヒドコン
プレックス、ボランテトラヒドロフランコンプレック
ス、ボランピリジンコンプレックスなどを使用して還元
する。還元剤は、式(5)の化合物に対して、0.1〜
10当量、とくに好ましくは、0.5〜3当量用いれば
よい。
【0027】還元反応は、通常、不活性媒体中で行えば
よく、不活性媒体としては、反応に不活性であればよ
く、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノ
ール、エタノールまたは水等を用いることができる。不
活性媒体の量は、適宜の量を選択すればよいが、式
(5)の化合物の5〜100倍の用量が例示される。反
応は、通常、冷却条件乃至加熱条件下で行えばよく、特
に好ましくは、室温付近でおこなうことができる。反応
時間は、原料の消失をもって反応の終了を知ることがで
きるが、通常30分間から3日間までに完了する。
【0028】式(5)の化合物は、例えば以下の方法に
より調製される。すなわち式(6)
【0029】
【化11】
【0030】(式中、Rは水素原子または低級アルキル
基を示す。)で表される化合物を還元することにより調
製できる。すなわち式(6)の化合物に対して触媒量、
典型的には、式(6)の化合物の1重量%〜20重量
%、特に好ましくは、5重量%〜10重量%のパラジウ
ム−活性炭を用い、水素ガスを添加する。パラジウム−
活性炭としては、市販のパラジウム−活性炭を用いるこ
とができるが、典型的には、5%パラジウム−活性炭ま
たは、10%パラジウム−活性炭を用いる。その他の方
法として、ナトリウムアマルガム、ラネーニッケル、金
属マグネシウム−メタノール系などを使用して還元する
こともできる。
【0031】還元反応は、通常、不活性媒体中で行えば
よく、不活性媒体としては、反応に不活性で有ればよ
く、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノ
ール、エタノールまたは水等を用いることができる。不
活性媒体の量は、適宜の量を選択すればよいが、式
(6)の化合物の5〜100倍の用量が例示される。反
応は、通常、冷却条件乃至加熱条件下で行えばよく、特
に好ましくは、室温付近でおこなうことができる。反応
時間は、原料の消失をもって反応の終了を知ることがで
きるが、通常30分間から3日間までに完了する。以上
のようにして、式(2)の化合物は、市販のベンゾフラ
ン−2−カルボン酸より調製することが出来る。
【0032】一方、H2N−(CH2)n−A−Bで表
される化合物(以下、式(3’)化合物と略称すること
がある)を得るための方法は、例えばヘルベチカケミカ
アクタ(Helvetica Chimica Act
a)66(2)、542−556(1983)、シンセ
シス(Synthesis)404(1982)、10
32(1984)、917(1988)、ジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Jou
rnal of American Chemical
Society)61、822(1939)ジャーナ
ル・オブ・オーガニック ケミストリー(Journa
l of Organic Chemistry)4
8、1047(1983)、52、2592(198
7)などに記載されている。これらの方法に準じて、式
(3’)の化合物は、市販のジアミン化合物と市販の酸
塩化物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、ニト
リルなどのカルボン酸誘導体との反応により容易に調製
することが出来る。
【0033】すなわち、例えば、1,4−ジアミノブタ
ンなどのジアミン化合物を不活性媒体中、塩基の存在下
にベンゾイルクロリドなどのカルボン酸誘導体と反応さ
せることにより、式(3’)の化合物を得ることが出来
る。反応に用いるジアミン化合物としては例えば、1,
2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,
4−ジアミノブタン、N−(t−ブトキシカルボニル)
−1,2−ジアミノエタン、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−1,3−ジアミノプロパン、N−(t−ブトキ
シカルボニル)−1,4−ジアミノブタン、N−(t−
ブトキシカルボニル)−1,5−ジアミノペンタンなど
のジアミン化合物などが挙げられるが、例えば、東京化
成社、アルドリッチ社、ランカスター社等より市販され
ており、利用することが簡便である。
【0034】一方、反応に用いるカルボン酸誘導体とし
ては例えば、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミ
ド、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゾイックアンヒ
ドリド、o−メチルベンゾイルクロリド、p−ブチルベ
ンゾイルクロリド、o−メトキシベンゾイルクロリド、
m−メトキシベンゾイルクロリド、p−メトキシベンゾ
イルクロリド、o−クロロベンゾイルクロリド、o−ブ
ロモベンゾイルクロリド、o−フルオロベンゾイルクロ
リド、o−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド、p
−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド、o−ニトロ
ベンゾイルクロリド、m−シアノベンゾイルクロリド、
p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、p−クロロ
ベンゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスル
ホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリ
ド、1−ナフトイルクロリド、2−ナフトイルクロリ
ド、ニコチノイルクロリド・塩酸塩、イソニコチノイル
クロリド・塩酸塩、2−チオフェンカルボニルクロリ
ド、2−フロイルクロリド、メチルベンゾエート、エチ
ルベンゾエート、メチル2−メチルベンゾエート、メチ
ル3−メチルベンゾエート、メチル4−メチルベンゾエ
ート、エチル2−メチルベンゾエート、メチル2−メト
キシベンゾエート、メチル4−メトキシベンゾエート、
メチル4−シアノベンゾエート、ベンズアミドなどが挙
げられるが、例えば、東京化成社、アルドリッチ社等よ
り市販されており、利用することが簡便である。
【0035】反応に用いる塩基としては、トリエチルア
ミン、ピリジン、4−メチルモルホリン等の有機塩基も
しくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機
塩基等が例示される。また、上記のジアミン化合物が塩
基を兼ねていても良い。用いる塩基の量は、上記のカル
ボン酸誘導体と当量もしくは3当量程度の少過剰量用い
ることが好ましい。不活性媒体としては、好ましくない
反応を生じなければ使用可能である。すなわち、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、DM
F、水などを例としてあげることができる。また、上記
のジアミン化合物が不活性媒体を兼ねていても良い。
【0036】不活性媒体の量は、適宜の量を選択すれば
よいが、式(4)の化合物の5〜100倍の用量が例示
される。反応は、通常−25℃から還流条件下、特に好
ましくは、室温付近乃至還流条件下で行うことができ
る。反応の終了は、原料の消失をもって知ることができ
るが、通常1時間から7日間で完了する。以上のように
して式(3’)の化合物を得ることが出来る。
【0037】また、式(3)の化合物(式中のR1が低
級アルキル基である場合)を得るには、前記(3’)の
化合物すなわち、式(3)の化合物において、式中のR
1 が水素原子である場合の化合物に、後述のアルキル化
剤により、低級アルキル基を導入すれば良い。
【0038】式(2)の化合物と式(3’)化合物との
反応、又は式(2)の化合物と式(3)の化合物との反
応は、従来知られたアミノ化の手法を用いて実施でき
る。典型的には、式(2)の化合物と式(3)の化合物
(又は式(3’)の化合物)とを不活性媒体中で反応さ
せればよく、不活性媒体としては、アセトニトリル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、DMF、水など
が例として挙げられる。式(2)の化合物に対し式
(3)の化合物(又は式(3’)の化合物)を、通常
0.1〜10当量、特に好ましくは1〜2当量用いれば
よい。
【0039】式(2)の化合物と式(3)の化合物との
反応において、塩基を存在せしめることがさらに好まし
く、またその塩基が上記不活性媒体を兼ねていてもよ
い。その塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、
4−メチルモルホリン等の有機塩基もしくは、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基等が例示され
る。
【0040】用いる塩基の量は、通常、式(2)の化合
物と通常0.1〜10当量、特に好ましくは1〜3当量
用いればよい。不活性媒体は、適宜の量を選択すればよ
いが、式(2)の化合物の5〜100倍の用量が例示さ
れる。反応は、典型的には、室温付近または加熱条件下
で行うことができるが、特に好ましくは環流条件下で行
うことが出来る。
【0041】反応の終了は、原料の消失または目的物が
最大量に達したときをもって知ることができるが、通常
1時間から3日間で完了する。原料の消失または目的物
が最大量に達したときは、通常の分析方法により知るこ
とが出来るが、例えば薄層クロマトグラフィー(TL
C)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い
るのが簡便である。以上のようにして、式(1)のR1
が水素原子である化合物を、得ることが出来る。
【0042】式(1)のR1 が低級アルキル基である化
合物を得るには、上記のようにして得られた式(1)の
化合物のR1 が水素原子である化合物を、アルキル化試
薬により低級アルキル基を導入する方法により得ること
が出来る。アルキル化試薬により低級アルキル基を導入
する方法は従来知られた手法を用いて得ることが出来
る。例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロ
ピル、ヨウ化イソプロピル、臭化メチルなどのアルキル
化試薬により低級アルキル基を導入することによって得
られる。これらのアルキル化試薬は、式(1)の化合物
に対して、1〜10当量、特に好ましくは、1〜3当量
用いればよい。反応においては、塩基を存在せしめるこ
とが好ましく、その塩基としては、トリエチルアミン、
ピリジン、4−メチルモルホリン等の有機塩基もしく
は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ムなどの無機塩基等が挙げられる。
【0043】用いる塩基の量は、通常1当量以上である
が、好ましくは、1〜100当量の用量が例示される。
反応は、通常、不活性媒体中で行ってもよく、例えば、
クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、アセトニトリルなどを例としてあげる
ことができる。不活性媒体の量は、適宜の量を選択すれ
ばよいが、式(1)の化合物の5〜100倍の用量が例
示される。反応は、典型的には、−25℃から40℃、
特に好ましくは、室温付近で行うことができる。反応の
終了は、原料の消失をもって知ることができるが、通常
1時間から3日間で完了する。
【0044】式(1)のR1 が低級アルキル基である化
合物を得る他の方法としては、例えば、ホルムアルデヒ
ド水溶液、ホルムアルデヒドのアルコール溶液、アセト
アルデヒド等のアルデヒド試薬と式(1)の化合物を反
応させ、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素
ナトリウム等の還元剤により、還元的にアルキル化する
ことによって得られる。反応に用いるアルデヒド試薬の
量は、式(1)の化合物に対して、1〜10当量、特に
好ましくは、1〜3当量用いればよい。
【0045】反応に用いる還元剤の量は、式(1)の化
合物に対して、1〜10当量、特に好ましくは、1〜3
当量用いればよい。反応は、通常、不活性媒体中で行
い、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
メタノール、エタノールなどを例としてあげることがで
きる。不活性媒体の量は、適宜の量を選択すればよい
が、式(1)の化合物の5〜100倍の用量が例示され
る。反応は、典型的には、−25℃から40℃、特に好
ましくは、室温付近で行うことができる。反応の終了
は、原料の消失をもって知ることができるが、通常1時
間から3日間で完了する。以上のようにして、式(1)
の化合物を得ることが出来る。
【0046】上記反応により得られる本発明の式(1)
の化合物は、反応物中から精製してもまた、精製しなく
ともよいが、例えばシリカゲルなどの担体を用いるカラ
ムクロマトグラフィ−等の公知の精製法により精製する
ことが好ましい。本発明の式(1)の化合物は、酸付加
塩となすことができる。そのような塩としては、例え
ば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、または、酢酸、
プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、マレイン酸、
酒石酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク
酸、リンゴ酸などの有機酸との酸付加塩をあげることが
できる。また、式(1)におけるR1 の種類によって
は、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩となすこともでき
る。
【0047】これらの塩を式(1)の化合物から得るに
は、遊離塩基から塩を得る公知の方法によって製造する
ことができる。例えば、本発明の式(1)の化合物に1
当量以上の塩酸/メタノ−ル溶液を加えて塩酸塩を析出
させ、これを回収すればよい。塩が析出しがたい場合に
は、これにジエチルエ−テルなどの媒体を加えて析出さ
せてもよい。
【0048】式(1)の化合物は、不斉炭素を有してお
り、ラセミ体もしくは、光学活性体として存在する。式
(1)の化合物は、これらラセミ体もしくは、光学活性
体を包括する意図がある。特定の光学活性体は、従来知
られたとおりに、キラル静止相でのクロマトグラフィー
や、キラル塩形成とその後の選択的結晶化による分離を
経由する分割、または立体選択的エステラーゼを使用す
る酵素的加水分解のような手法によって分離、回収でき
る。また、光学活性な出発原料から誘導することもでき
る。
【0049】以上のように、本発明の2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン誘導体またはその塩の製造方法によると、
例えば、実施例7のように、共通の中間体である2−ブ
ロモメチル−2,3−ジヒドロベンゾフランから、1工
程で目的の2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体を製造
できるのに比べて、特開平8−73451号公報に記載
されている製造方法では、7工程を必要とし、本発明の
製造方法が短工程で、目的物を容易に得られる方法であ
ることがわかる。また、収率的にも、特開平8−734
51号公報の実施例6では、全収率47.4%であるの
に対し、本発明の実施例7では、全収率91.6%と高
く、ひいては、簡便且つ安価に製造することができ、本
発明の製造方法が極めて優れた方法であることが確認で
きる。
【0050】斯くして得られた2、3−ジヒドロベンゾ
フラン誘導体またはその塩は、特開平7−109265
号公報および特開平8−73451号公報に記載されて
いるとおり、5−HT1Aレセプタ−に作用し、もっ
て、セロトニン神経系関連疾患治療剤となすことができ
る。本発明でセロトニン神経系関連疾患とは、セロトニ
ンが関与する神経系の疾患を意味し、具体的には不安、
うつ、摂食障害、高血圧、嘔吐(動揺病、宇宙酔い、め
まい、薬物誘発嘔吐等を含む)等が挙げられる。
【0051】このようなセロトニン神経系関連疾患治療
剤を調製するには、式(1)の化合物または、それらの
塩と薬学的に許容される医薬担体とを組み合わせ、公知
方法により経口もしくは非経口投与用に製剤化すればよ
い。上記製剤化のための剤型としては、注射剤、点滴
剤、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤等が挙げら
れるが、その製造のためには、これらの製剤に応じた薬
学的に許容される各種医薬担体などを用いることができ
る。
【0052】例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの
経口剤の調製にあたっては、澱粉、乳糖、白糖、マンニ
ット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、
無機塩類などの賦形剤、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセル
ロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、マクロゴールなどの崩壊剤、ラウリル硫
酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリソルベート80などの界面活性剤、タルク、ロウ、
水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤、
流動性促進剤、矯味剤を用いることができる。また、本
発明の薬剤は、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシ
ル剤としても使用することができる。
【0053】非経口剤を調製するには、希釈剤として一
般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射
用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどを用いることができる。更に必要に応じて、殺
菌剤、防腐剤、安定剤、等張剤、無痛化剤などを加えて
もよい。本発明のセロトニン神経経関連疾患治療剤は、
経口もしくは非経口により投与することができるが、非
経口投与としては、筋肉内注射、静脈内注射等による投
与や経皮、経鼻、経膣等の投与が例示される。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0055】
【参考例1】2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロベン
ゾ[b]フランの合成 工程A 2−アセトキシアリルベンゼンの合成 2−アリルフェノール(東京化成社製)1.3ml(1
0mmol)をピリジン6.5mlに溶かし、0℃に冷
やして、ジメチルアミノピリジン24mg(0.2mm
ol)、アセチルクロリド1.9ml(20mmol)
を加えた。
【0056】次いで反応液を0℃で2時間撹拌した後、
クロロホルム50mlを加えて、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水50ml、水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄
後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧下濃縮した。残渣を減圧蒸留(78〜80℃/4mm
Hg)し、表題化合物1.64gを無色の油状物として
得た。収率93%
【0057】工程B 3−(2−アセトキシフェニー
ル)−1,2−ジブロモプロパンの合成 工程Aで調製した、2−アセトキシアリルベンゼン58
0mg(3.0mmol)を四塩化炭素5mlに溶か
し、0℃に冷やして、臭素0.16ml(3.0mmo
l)を滴下した。反応液を0℃で2時間撹拌した後、ク
ロロホルム20mlを加えて、亜硫酸水素ナトリウム水
20ml、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄後、
クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下
濃縮して、表題化合物0.93gを無色の油状物として
得た。この化合物はこれ以上の精製を行わず次の反応に
用いた。収率92%
【0058】工程C 2−ブロモメチル−2,3−ジヒ
ドロベンゾフランの合成 工程Bで調製した、3−(2−アセトキシフェニール)
−1,2−ジブロモプロパン340mg(1.0mmo
l)をエタノール3mlに溶かし、0℃に冷やして、1
規定のナトリウムエトキシドのエタノール溶液1.2m
l(1.2mmol)を滴下した。
【0059】次いで反応液を0℃で2時間撹拌した後、
クロロホルム20mlを加えて、10%クエン酸水20
ml、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄後、クロ
ロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
ルク社製、Art.9385,10g)に付し、ヘキサ
ン:酢酸エチル=30:1の混合溶媒で溶媒で溶出し、
表題化合物140mgを無色の油状物として得た。収率
66%
【0060】
【参考例2】N−ベンゾイル−1,4−ジアミノブタン
の合成 ベンズアミド(東京化成社製)526mg(5.00m
mol)を1,4−ジアミノブタン(アルドリッチ社
製)1.51ml(15.0mmol)に加え、アルゴ
ン気流下、50時間還流撹拌した。反応液をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(メルク社製、Art.93
85,50g)に付し、クロロホルム:メタノール=1
0:1の混合溶媒で溶媒で溶出し、表題化合物579m
gを黄色の油状物として得た。収率66%
【0061】
【参考例3】N−ベンゾイル−1,4−ジアミノブタン
塩酸塩の合成 工程A N−(t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジ
アミノブタンの合成1,4−ジアミノブタン13.2g
(150mmol)をt−ブタノール270ml、水2
40mlの混合溶媒に溶解し、0℃に冷やして、2.5
Nの水酸化ナトリウム水36ml(90mmol)、ジ
−t−ブトキシ−ジ−カーボネート(Boc2O)(東
京化成社製)13.1g(60.0mmol)を加え
た。
【0062】次いで室温で一昼夜撹拌後、減圧濃縮し、
析出してきた結晶を濾過により除去、母液に塩化メチレ
ン100mlを加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水10
0ml、水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄
後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧下濃縮して、表題化合物6.24gを無色の油状物と
して得た。この化合物はこれ以上の精製を行わず次の反
応に用いた。収率55.2%(Boc2Oからの収率)
【0063】工程B N−ベンゾイル−N’−(t−ブ
トキシカルボニル)−1,4−ジアミノブタンの合成 工程Aと同様の方法で調製した、N−(t−ブトキシカ
ルボニル)−1,4−ジアミノブタン94.0g(50
0mmol)を塩化メチレン1000mlに溶解し、ト
リエチルアミン83.5ml(600mmol)を加え
た。0℃に冷やして、ベンゾイルクロリド64ml(5
50mmol)を滴下した後、0℃で1時間、室温で1
時間撹拌した。
【0064】次いで反応液にクロロホルム1000ml
を加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水1000ml、水
1000ml、飽和食塩水1000mlで洗浄後、クロ
ロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮
した。残渣にヘキサン:酢酸エチル=4:1の混合溶媒
500mlを加えて、析出した結晶を濾過して、表題化
合物134gを黄色の結晶として得た。収率91.4%
【0065】工程C N−ベンゾイル−1,4−ジアミ
ノブタン塩酸塩の合成 工程Bで調製した、N−ベンゾイル−N’−(t−ブト
キシカルボニル)−1,4−ジアミノブタン29.2g
(100mmol)を4Nの塩酸・ジオキサン溶液10
0mlに溶解し、室温で3時間撹拌した。反応液にエー
テル100mlを加えて、析出した結晶を濾過して、表
題化合物22.1gを淡赤色の結晶として得た。収率9
6.6%
【0066】
【参考例4】N−ベンゾイル−1,3−ジアミノプロパ
ン塩酸塩の合成 工程A N−ベンゾイル−N’−(t−ブトキシカルボ
ニル)−1,3−ジアミノプロパンの合成 N−(t−ブトキシカルボニル)−1,3−ジアミノプ
ロパン(ランカスター社製)8.71g(50mmo
l)を塩化メチレン100mlに溶解し、トリエチルア
ミン8.35ml(60mmol)を加えた。0℃に冷
やして、ベンゾイルクロリド6.4ml(55mmo
l)を滴下した後、0℃で1時間、室温で1時間撹拌し
た。
【0067】次いで反応液にクロロホルム100mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、水10
0ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣にヘキサン:酢酸エチル=4:1の混合溶媒50ml
を加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物11.
5gを淡黄色の結晶として得た。収率86.3%
【0068】工程B N−ベンゾイル−1,3−ジアミ
ノプロパン塩酸塩の合成 工程Aで調製した、N−ベンゾイル−N’−(t−ブト
キシカルボニル)−1,3−ジアミノプロパン8.0g
(30mmol)を4Nの塩酸・ジオキサン溶液10m
lに溶解し、室温で3時間撹拌した。反応液にエーテル
30mlを加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合
物5.79gを淡赤色の結晶として得た。収率95.2
【0069】
【参考例5】N−(2−メトキシベンゾイル)−1,4
−ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程A N−(t−ブトキシカルボニル)−N’−(2
−メトキシベンゾイル)−1,4−ジアミノブタンの合
成 参考例3工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−1,4−ジアミノブタン9.4g(50mmo
l)を塩化メチレン100mlに溶解し、トリエチルア
ミン10.5ml(75.0mmol)を加えた。0℃
に冷やして、2−メトキシベンゾイルクロリド8.93
ml(60.0mmol)を滴下した後、0℃で2時間
撹拌した。
【0070】次いで反応液にクロロホルム100mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、水10
0ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣にヘキサン:酢酸エチル=3:1の混合溶媒32ml
を加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物14.
9gを黄色の結晶として得た。収率92.6%
【0071】工程B N−(2−メトキシベンゾイル)
−1,4−ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボニル)−
N’−(2−メトキシベンゾイル)−1,4−ジアミノ
ブタン9.67g(30.0mmol)を塩化メチレン
5mlに溶解し、0℃に冷やして、トリフルオロ酢酸5
mlを加えた後、0℃で2時間撹拌した。トリフルオロ
酢酸5mlを加えた後さらに室温で一昼夜撹拌し、減圧
濃縮した。
【0072】次いで残渣にクロロホルム100mlを加
えて、1Nの水酸化ナトリウム水100ml、水100
ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、クロロホルム層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣
にエーテル20ml、濃塩酸4mlを加え、減圧濃縮
後、酢酸エチル:エーテル=5:1の混合溶媒24ml
を加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物5.6
4gを赤色の結晶として得た。収率72.6%
【0073】
【参考例6】N−(3−クロロベンゾイル)−1,4−
ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程A N−(t−ブトキシカルボニル)−N’−(3
−クロロベンゾイル)−1,4−ジアミノブタンの合成 参考例3工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−1,4−ジアミノブタン18.8g(100m
mol)を塩化メチレン200mlに溶解し、トリエチ
ルアミン16.7ml(120mmol)を加えた。0
℃に冷やして、3−クロロベンゾイルクロリド14.0
ml(110mmol)を滴下した後、0℃で2時間撹
拌した。
【0074】次いで反応液にクロロホルム200mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水200ml、水20
0ml、飽和食塩水200mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣にヘキサン:酢酸エチル=4:1の混合溶媒100m
lを加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物3
0.2gを白色の結晶として得た。収率92.3%
【0075】工程B N−(3−クロロベンゾイル)−
1,4−ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボニル)−
N’−(3−クロロベンゾイル)−1,4−ジアミノブ
タン9.81g(30.0mmol)を4Nの塩酸・ジ
オキサン溶液30mlに溶解し、室温で一昼夜撹拌し
た。反応液にエーテル30mlを加えて、析出した結晶
を濾過して、表題化合物7.72gを淡赤色の結晶とし
て得た。収率97.8%
【0076】
【参考例7】N−(4−フルオロベンゾイル)−1,2
−ジアミノエタン塩酸塩の合成 工程A N−(t−ブトキシカルボニル)−N’−(4
−フルオロベンゾイル)−1,2−ジアミノエタンの合
成 N−(t−ブトキシカルボニル)−1,2−ジアミノエ
タン(ランカスター社製)3.2g(20mmol)を
塩化メチレン32mlに溶解し、トリエチルアミン4.
18ml(30.0mmol)を加えた。0℃に冷やし
て、4−フルオロベンゾイルクロリド2.84ml(2
4.0mmol)を滴下した後、0℃で2時間撹拌し
た。
【0077】次いで反応液にクロロホルム100mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、水10
0ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣にヘキサン:酢酸エチル=4:1の混合溶媒10ml
を加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物5.1
4gを白色の結晶として得た。収率91.0%
【0078】工程B N−(4−フルオロベンゾイル)
−1,2−ジアミノエタン塩酸塩の合成 工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボニル)−
N’−(4−フルオロベンゾイル)−1,2−ジアミノ
エタン2.82g(10.0mmol)を4Nの塩酸・
ジオキサン溶液20mlに溶解し、室温で4時間撹拌し
た。反応液にエーテル50mlを加えて、析出した結晶
を濾過して、表題化合物2.16gを白色の結晶として
得た。収率98.8%
【0079】
【参考例8】N−(2−チオフェン)カルボニル−1,
4−ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程A N−(t−ブトキシカルボニル)−N’−(2
−チオフェン)カルボニル−1,4−ジアミノブタンの
合成 参考例3工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−1,4−ジアミノブタン18.8g(100m
mol)を塩化メチレン200mlに溶解し、トリエチ
ルアミン16.7ml(120mmol)を加えた。0
℃に冷やして、2−チオフェンカルボニルクロリド(ア
ルドリッチ社製)11.8ml(110mmol)を滴
下した後、室温で一昼夜撹拌した。
【0080】次いで反応液にクロロホルム200mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水400ml、水40
0ml、飽和食塩水400mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残
渣にヘキサン:酢酸エチル=4:1の混合溶媒100m
lを加えて、析出した結晶を濾過して、表題化合物2
7.2gを白色の結晶として得た。収率91.1%
【0081】工程B N−(2−チオフェン)カルボニ
ル−1,4−ジアミノブタン塩酸塩の合成 工程Aで調製した、N−(t−ブトキシカルボニル)−
N’−(2−チオフェン)カルボニル−1,4−ジアミ
ノブタン5.97g(20.0mmol)を4Nの塩酸
・ジオキサン溶液20mlに溶解し、室温で3時間撹拌
した。反応液にエーテル40mlを加えて、析出した結
晶を濾過して、表題化合物4.62gを白色の結晶とし
て得た。収率98.4%
【0082】
【実施例1】(R)−2−(N−(4−ベンゾイルアミ
ノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン塩酸塩の合成。 −アセトニトリル、炭酸カリウムによる製法− 工程A 2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−2−カ
ルボン酸の合成 ベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸(アルドリッチ社
製)1.02g(6.3mmol)を水に溶かし、水酸
化ナトリウム水でpH9に調製した。反応液を2%ナト
リウムアマルガム(ナトリウム440mg、水銀21.
56gより調製)に徐々に加え、室温で5分間反応させ
た。
【0083】次いで反応液をセライト上で濾過し、母液
を濃塩酸で酸性にした後、エーテルで抽出、水10m
l、飽和食塩水10mlで洗浄後、エーテル層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物83
9mgを白色の結晶として得た。収率81.1%
【0084】工程B (R)−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン−2−カルボン酸の合成 工程Aと同様の方法で調製した、2,3−ジヒドロベン
ゾ[b]フラン−2−カルボン酸985mg(6.00
mmol)をメタノール10mlに溶かし、(R)−
(+)−α−メチルベンジルアミン(東京化成社製)
0.77ml(6.0mmol)を加えて、減圧濃縮し
た。
【0085】次いで残渣にメタノール:酢酸エチル=
1:10の混合溶媒26.4mlを加え、加熱溶解し、
室温で一昼夜静置、析出した結晶を濾過した。この結晶
を2度、メタノール:酢酸エチル=1:5の混合溶媒で
再結晶化して得られた結晶を、1Nの塩酸に溶かし、ク
ロロホルム10mlで抽出し、飽和食塩水10mlで洗
浄後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
減圧下濃縮し、表題化合物195mgを白色の結晶とし
て得た。収率19.8%
【0086】工程C (R)−2,3−ジヒドロ−2−
ヒドロキシメチルベンゾ[b]フランの合成 工程Bで調製した、(R)−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン−2−カルボン酸90mg(0.55mm
ol)を無水テトラヒドロフラン0.9mlに溶かし、
アルゴン雰囲気下0℃に冷やした。反応液にボランジメ
チルスルヒドコンプレックス(東京化成社製)0.1m
l(1.1mmol)を滴下し、反応液を0℃で1.5
時間、室温で30分撹拌した。反応液を再び0℃に冷や
し、メタノール1mlを加えて、30分撹拌した後、反
応液を減圧濃縮して、表題化合物83mgを無色の油状
物として得た。収率100%
【0087】工程D (R)−2,3−ジヒドロ−2−
メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フランの合
成 工程Cと同様の方法で調製した、(R)−2,3−ジヒ
ドロ−2−ヒドロキシメチルベンゾ[b]フラン9.0
1g(60.0mmol)を塩化メチレン90mlに溶
かし、0℃に冷やして、トリエチルアミン16.7ml
(120mmol)を加えた。反応液にメタンスルホニ
ルクロリド6.97ml(90.0mmol)を滴下
し、0℃で40分間撹拌した。
【0088】次いで反応液にクロロホルム100mlを
加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水100ml、水10
0ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、クロロホルム
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得
られた残渣にエーテル:ヘキサン=3:1の混合溶媒4
0mlを加えて、析出した結晶を濾過し、表題化合物1
0.5gを淡黄色の結晶として得た。収率77.0%
【0089】工程E (R)−2−(N−(4−ベンゾ
イルアミノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロ
ベンゾ[b]フラン塩酸塩の合成 工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒドロ−2−メ
タンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フラン1.8
3g(8.00mmol)をアセトニトリル16.0m
lに溶かし、炭酸カリウム3.32g(24.0mmo
l)、参考例3で調製した、N−ベンゾイル−1,4−
ジアミノブタン塩酸塩2.75g(12.0mmol)
を加えた。
【0090】次いで反応液を24時間還流した後、塩化
メチレン24.0ml,水8.0mlを加えて抽出、塩
化メチレン層を水16ml、水16ml、飽和食塩水
9.6mlで洗浄後、減圧下濃縮し、得られた残渣をエ
タノール8.0mlに溶解し0℃に冷やし、塩酸0.8
ml滴下し、2時間静置した後、濾過により1.83g
の白色結晶を得た。この結晶1.25gをエタノール
9.0ml、水1.1mlに入れ、80℃バス中にて加
熱溶解後、室温静置4時間後、結晶を濾過し、減圧乾燥
し、表題化合物0.79gを白色の結晶として得た。収
率40%
【0091】
【実施例2】(R)−2−(N−(4−ベンゾイルアミ
ノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン塩酸塩の合成 −t−ブチルメチルエーテルによる抽出法− 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.83g(8.00mmol)をアセトニトリル
16.0mlに溶かし、炭酸カリウム3.32g(2
4.0mmol)、参考例3で調製した、N−ベンゾイ
ル−1,4−ジアミノブタン塩酸塩2.75g(12.
0mmol)を加えた。
【0092】次いで反応液を24時間還流した後、t−
ブチルメチルエーテル24.0ml,水8.0mlを加
えて抽出、t−ブチルメチルエーテル層を水16ml、
水16ml、飽和食塩水9.6mlで洗浄後、減圧下濃
縮し、得られた残渣をエタノール8.0mlに溶解し0
℃に冷やし、塩酸0.8ml滴下し、2時間静置した
後、濾過により1.64gの白色結晶を得た。この結晶
1.25gをエタノール9.0ml、水1.1mlに入
れ、80℃バス中にて加熱溶解後、室温静置4時間後、
結晶を濾過し、減圧乾燥し、表題化合物0.91gを白
色の結晶として得た。収率41%
【0093】
【実施例3】(R)−2−(N−(4−ベンゾイルアミ
ノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン塩酸塩の合成 −N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸カリウムによる
製法− 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.83g(8.00mmol)をN,N−ジメチ
ルホルムアミド16.0mlに溶かし、炭酸カリウム
3.32g(24.0mmol)、参考例3で調製し
た、N−ベンゾイル−1,4−ジアミノブタン塩酸塩
2.75g(12.0mmol)を加えた。
【0094】次いで反応液を24時間還流した後、t−
ブチルメチルエーテル24.0ml,水8.0mlを加
えて抽出、塩化メチレン層を水16ml、水16ml、
飽和食塩水9.6mlで洗浄後、減圧下濃縮し、得られ
た残渣をエタノール8.0mlに溶解し0℃に冷やし、
塩酸0.8ml滴下し、2時間静置した後、濾過により
0.29gの白色結晶を得た。この結晶0.25gをエ
タノール1.79ml、水0.23mlに入れ、80℃
バス中にて加熱溶解後、室温静置4時間後、結晶を濾過
し、減圧乾燥し、表題化合物0.17gを白色の結晶と
して得た。収率6.8%
【0095】
【実施例4】(R)−2−(N−(4−ベンゾイルアミ
ノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン塩酸塩の合成 −アセトニトリル−水系による製法− 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.83g(8.00mmol)をアセトニトリル
12.0ml、水4.0mlに溶かし、炭酸カリウム
3.32g(24.0mmol)、参考例3で調製し
た、N−ベンゾイル−1,4−ジアミノブタン塩酸塩
2.75g(12.0mmol)を加えた。
【0096】次いで反応液を24時間還流した後、t−
ブチルメチルエーテル24.0ml,水8.0mlを加
えて抽出、塩化メチレン層を水16ml、水16ml、
飽和食塩水9.6mlで洗浄後、減圧下濃縮し、得られ
た残渣をエタノール8.0mlに溶解し0℃に冷やし、
塩酸0.8ml滴下し、2時間静置した後、減圧濾過に
より2.39gの白色結晶を得た。この結晶1.25g
をエタノール9.0ml、水1.1mlに入れ、80℃
バス中にて加熱溶解後、室温静置4時間後、結晶を減圧
濾過し、減圧乾燥し、表題化合物1.10gを白色の結
晶として得た。収率72.8%
【0097】
【実施例5】2−(N−(3−ベンゾイルアミノ)プロ
ピル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フ
ラン塩酸塩の合成 工程A (R)−2−(N−(3−ベンゾイルアミノ)
プロピル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン塩酸塩の合成 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.83g(8.00mmol)をアセトニトリル
16.0mlに溶かし、炭酸カリウム3.32g(2
4.0mmol)、参考例4で調製した、N−ベンゾイ
ル−1,3−ジアミノプロパン塩酸塩2.58g(1
2.0mmol)を加えた。
【0098】次いで反応液を24時間還流した後、塩化
メチレン24.0ml,水8.0mlを加えて抽出、塩
化メチレン層を水16ml、水16ml、飽和食塩水
9.6mlで洗浄後、減圧下濃縮し、得られた残渣をエ
タノール8.0mlに溶解し0℃に冷やし、塩酸0.8
ml滴下し、2時間静置した後、濾過により1.65g
の白色結晶を得た。この結晶1.13gをエタノール
5.8ml、水0.71mlに入れ、80℃バス中にて
加熱溶解後、室温静置4時間後、結晶を濾過し、減圧乾
燥し、表題化合物0.59gを白色の結晶として得た。
収率44%
【0099】
【実施例6】(R)−2−(N−(2−(4−フルオロ
ベンゾイル)アミノ)エチル)アミノメチル−2,3−
ジヒドロベンゾ[b]フラン塩酸塩の合成 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.83g(8.00mmol)をアセトニトリル
16.0mlに溶かし、炭酸カリウム3.32g(2
4.0mmol)、参考例7で調製した、N−(4−フ
ルオロベンゾイル)−1,2−ジアミノエタン塩酸塩
2.62g(12.0mmol)を加えた。
【0100】次いで反応液を24時間還流した後、塩化
メチレン50ml,水50mlを加えて抽出、塩化メチ
レン層を水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄後、減
圧下濃縮し、得られた残渣ををエタノール8.0mlに
溶解し0℃に冷やし、塩酸0.8ml滴下し、2時間静
置した後、濾過により2.12gの白色結晶を得た。こ
の結晶をエタノール15ml、水2.1mlに入れ、8
0℃バス中にて加熱溶解後、室温静置4時間後、結晶を
濾過し、減圧乾燥し、表題化合物1.90gを白色の結
晶として得た。収率65%
【0101】
【実施例7】2−(N−(4−(2−チエニルカルボニ
ルアミノ)ブチル))アミノメチル−2,3−ジヒドロ
ベンゾ[b]フランの合成 参考例8で調製した、N−(2−チオフェン)カルボニ
ル−1,4−ジアミノブタン塩酸塩108mg(0.4
6mmol)をアセトニトリル1mlに加え、炭酸カリ
ウム127mg(0.92mmol)、参考例1で調製
した、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フラン50mg(0.23mmol)を加えて、
80℃で一昼夜撹拌した。
【0102】次いで反応液にクロロホルム20mlを加
えて、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄後、クロ
ロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
ルク社製、Art.9385,10g)に付し、クロロ
ホルム:メタノール=20:1の混合溶媒で溶媒で溶出
し、表題化合物77.3mgを黄色の油状物として得
た。収率91.6%
【0103】
【実施例8】2−(N−メチル−N−(4−(2−チエ
ニルカルボニルアミノ)ブチル))アミノメチル−2,
3−ジヒドロベンゾ[b]フランの合成 実施例7で調製した、2−(N−(4−(2−チエニル
カルボニルアミノ)ブチル))アミノメチル−2,3−
ジヒドロベンゾ[b]フラン73mg(0.22mmo
l)をメタノール1.5mlに溶かし、0℃に冷やし
て、37%ホルムアルデヒド水溶液0.20ml(2.
5mmol)、水素化シアノホウ素ナトリウム16mg
(0.25mmol)を加えて、2時間撹拌した。
【0104】次いで反応液にクロロホルム20mlを加
えて、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄後、クロ
ロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
ルク社製、Art.9385,10g)に付し、クロロ
ホルム:メタノール=30:1の混合溶媒で溶媒で溶出
し、表題化合物72.8mgを黄色の油状物として得
た。収率82.8%
【0105】
【実施例9】2−(N−エチル−N−(4−(2−チエ
ニルカルボニルアミノ)ブチル))アミノメチル−2,
3−ジヒドロベンゾ[b]フランの合成 実施例7で調製した、2−(N−(4−(2−チエニル
カルボニルアミノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジ
ヒドロベンゾ[b]フラン83mg(0.25mmo
l)をアセトニトリル0.8mlに溶かし、0℃に冷や
して、ヨウ化エチル0.024ml(0.30mmo
l)、炭酸カリウム70mg(0.50mmol)を加
えて、80℃で2時間撹拌した。
【0106】次いで反応液にクロロホルム20mlを加
えて、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄後、クロ
ロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
ルク社製、Art.9385,10g)に付し、クロロ
ホルム:メタノール=30:1の混合溶媒で溶媒で溶出
し、表題化合物65.5mgを黄色の油状物として得
た。収率73.0%
【0107】
【実施例10】(R)−2−(N−(4−(3−クロロ
ベンゾイル)アミノ)ブチル)アミノメチル−2,3−
ジヒドロベンゾ[b]フランの合成 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン2.28g(10.0mmol)をアセトニトリル
23.0mlに溶かし、炭酸カリウム4.15g(3
0.0mmol)、参考例6で調製した、N−(3−ク
ロロベンゾイル)−1,4−ジアミノブタン塩酸塩3.
95g(15.0mmol)を加えた。
【0108】次いで反応液を24時間還流した後、反応
液にクロロホルム100mlを加えて抽出、クロロホル
ム層を水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、
クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(メルク社製、Art.9385,50g)に付し、ク
ロロホルム:メタノール=20:1の混合溶媒で溶媒で
溶出し、表題化合物1.92gを淡黄色の結晶として得
た。収率53.5%
【0109】
【実施例11】(R)−2−(N−(4−(2−メトキ
シベンゾイル)アミノ)ブチル)アミノメチル−2,3
−ジヒドロベンゾ[b]フランの合成 実施例1の工程Dで調製した、(R)−2,3−ジヒド
ロ−2−メタンスルホニルオキシメチルベンゾ[b]フ
ラン1.14g(5.00mmol)をアセトニトリル
20mlに溶かし、炭酸カリウム2.07g(15.0
mmol)、参考例5で調製した、N−(2−メトキシ
ベンゾイル)−1,4−ジアミノブタン塩酸塩1.94
g(7.50mmol)を加えた。
【0110】次いで反応液を24時間還流した後、反応
液にクロロホルム50mlを加えて抽出、クロロホルム
層を水50ml、飽和食塩水50mlで洗浄後、クロロ
ホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メル
ク社製、Art.9385,20g)に付し、クロロホ
ルム:メタノール=30:1の混合溶媒で溶媒で溶出
し、表題化合物751mgを黄色の油状物として得た。
収率42.4%
【0111】
【実施例12】(R)−2−(N−(4−ベンゼンスル
ホニルアミノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒド
ロベンゾ[b]フランの合成 実施例1と同様の方法により実施例1の工程Dで調製し
た(R)−2,3−ジヒドロ−2−メタンスルホニルオ
キシメチルベンゾ[b]フラン1.14gから表題化合
物1.08gを黄色の油状物として得た。収率59.9
【0112】
【実施例13】2−(N−(4−(1−ナフトイル)ア
ミノ)ブチル)アミノメチル−2,3−ジヒドロベンゾ
[b]フランの合成 実施例1と同様の方法により参考例1で調製した2−ブ
ロモメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン50
0mgから表題化合物510mgを黄色の油状物として
得た。収率59.2%

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(2) 【化1】 (式中、Xは脱離基を示し、*は不斉炭素をそれぞれ示
    す。)で表される化合物と、H2 N−(CH2 )n−A
    −B(式中、nは2から6までの整数を;AはHNCO
    またはHNSO2 を;Bはナフチル基、チエニル基、ピ
    リジル基、フリル基または置換基R2 を有していても良
    いフェニール基をそれぞれ示す。ただし、R2 は水素原
    子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよ
    い低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ
    基もしくはシアノ基を示す。)で表される化合物とを反
    応せしめ、必要に応じて、アルキル化剤により、該反応
    生成物のNH2 基に低級アルキル基を導入するか、又は
    上記、式(2)で表される化合物と、式(3) 【化2】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を示し、
    n、A、Bは前記と同じ意味を示す。)で表される化合
    物とを反応せしめることを特徴とする式(1) 【化3】 (式中、R1 、n、A、B、*は前記と同じ意味を示
    す。)で表される2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体
    またはその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記式(2) 【化4】 (式中、Xは脱離基を示し、*は不斉炭素をそれぞれ示
    す。)で表される化合物と、H2 N−(CH2 )n−A
    −B(式中、nは4を示し、AはHNCOを示し、Bは
    フェニール基をそれぞれ示す。)で表される化合物とを
    反応せしめることを特徴とする請求項1に記載の2,3
    −ジヒドロベンゾフラン誘導体またはその塩の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006047288A2 (en) * 2004-10-21 2006-05-04 Wyeth Asymmetric synthesis of dihydrobenzofuran derivatives
US7728155B2 (en) 2003-10-24 2010-06-01 Wyeth Llc Dihydrobenzofuranyl alkanamines and methods for using same as cns agents
US9613771B2 (en) 2014-01-28 2017-04-04 Lsis Co., Ltd. Relay

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