JP2000079184A - ソリッドゴルフボール用ゴム組成物 - Google Patents

ソリッドゴルフボール用ゴム組成物

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JP2000079184A
JP2000079184A JP10252957A JP25295798A JP2000079184A JP 2000079184 A JP2000079184 A JP 2000079184A JP 10252957 A JP10252957 A JP 10252957A JP 25295798 A JP25295798 A JP 25295798A JP 2000079184 A JP2000079184 A JP 2000079184A
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rubber composition
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Satoshi Iwami
聡 岩見
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボール特性、生産性の低下を招くことなく、
ボールの原料コストダウンを図ることができるゴルフボ
ール用ゴム組成物及びゴルフボールを提供する。 【解決手段】 基材ゴム、α,β−不飽和カルボン酸の
金属塩、有機過酸化物、並びに充填剤として酸化亜鉛、
炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムを含有するソリッド
ゴルフボール用ゴム組成物であって、前記充填剤の含有
総量に対する酸化亜鉛の含有率が10〜36重量%で、
炭酸カルシウムの含有率が20〜40重量%で、硫酸バ
リウムの含有率が35〜55重量%であって、且つ硫酸
バリウムの含有量が炭酸カルシウムの含有量より多い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール特性及び成
形性を損なうことなく、安価な重量調整剤を用いてボー
ル原料のコストダウンを図ったゴルフボールを提供でき
るゴルフボール用ゴム組成物、及び該ゴム組成物でコア
を構成したゴルフボールに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】中実の
ゴム製コアにカバーを被覆してなるソリッドゴルフボー
ルは、製造が容易で、量産性に優れているという点か
ら、現在ゴルフボールの主流になっている。
【0003】ここで、ゴム製コアを構成するゴム組成物
には、基材ゴム、架橋剤(主として有機過酸化物)、共
架橋剤(主としてα,β−不飽和カルボン酸の金属塩)
の他、ゴルフボールの重量を調整する目的で、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、タングステンカーバイド、珪酸ジル
コニウム、炭酸カルシウムなどが配合され、また必要に
応じて、加硫助剤として酸化亜鉛が配合されている。
【0004】しかし、これらの重量調整剤は、ボールの
重量を調整する目的で配合されるわけであるが、その種
類、含有量は、ボールの特性、ボールの生産コストと密
接に関係している。
【0005】例えば、タングステンカーバイド(比重1
5.8)のように、高比重の調整剤を用いることによ
り、コアにおけるゴムの体積分率を相対的に高めてボー
ルの反発性を向上させ、ボールの初速度を上げることが
考えられている(特公平2−51930号)。しかし、
タングステンカーバイドは重量調整剤のなかでも高価で
あり、ボールのコストアップの原因となる。
【0006】また、特開平9−220300号公報で
は、平均粒子径が30〜1000μmという大径の重量
調整剤を用いることにより重量調整剤の接触面積を減少
せしめ、重量調整剤の種類に拘らずコアの反発性を高め
ることが提案されている。当該公報では、安価で且つ比
重が4g/cm3 以上の重量調整剤として、珪酸ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、クロム鉄鋼を用いることが挙げ
られている。
【0007】一方、基材ゴムとしてブタジエンゴムを使
用し、架橋系として有機過酸化物と不飽和カルボン酸の
金属塩との組合わせを用いたゴム組成物は、混練作業が
困難で、ゴム中で凝集塊を形成しやすく、分散性が悪い
ことが知られている。不飽和カルボン酸の金属塩の分散
性の低下は、反発性、打撃時に受ける衝撃(打撃フィー
リング)の悪化の原因となる。このため、特開平9−2
35413号公報には、硫酸バリウムがゴムと不飽和カ
ルボン酸の金属塩との摩擦係数を低減させて、混練作業
を向上させることに着目して、不飽和カルボン酸金属塩
の粒径を限定するとともに、硫酸バリウムを配合するこ
とが提案されている。
【0008】しかし、硫酸バリウムや珪酸ジルコニウ
ム、クロム鉄鋼は、充填剤としてタングステン等の金属
粉末よりは安価であるが、更なる原料費のコストダウン
のためには、もっと安価な重量調整剤(充填剤)への転
換、代用品が求められている。
【0009】安価な充填剤としては、例えば炭酸カルシ
ウムや酸化亜鉛を使用することが考えられる。しかし、
炭酸カルシウムの比重は約2.6g/cm3 と、比較的
に重量調整剤の中では軽い方であるため、所望とする重
量調整のために要する体積が大きくなり、ゴム組成物の
混練性が低下する上に、コアをプレス成形した際の金型
からの離型性が低下し、生産性の低下を招くという問題
がある。また、酸化亜鉛は、加硫助剤としても作用する
ため、酸化亜鉛だけで重量調整を行なおうとすると、ボ
ールのコンプレッションや打撃フィーリングに与える影
響が大きくなる。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、ボール特性、生産性の低下
を招くことなく、ボールの原料コストダウンを図ること
ができるソリッドゴルフボール用ゴム組成物及びこれを
用いたソリッドゴルフボールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のソリッ
ドゴルフボール用ゴム組成物は、基材ゴム、α,β−不
飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物、並びに充填剤
として酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムを
含有するソリッドゴルフボール用ゴム組成物であって、
前記充填剤の含有総量に対する酸化亜鉛の含有率が10
〜36重量%で、炭酸カルシウムの含有率が20〜40
重量%で、硫酸バリウムの含有率が35〜55重量%で
あって、且つ硫酸バリウムの含有量が炭酸カルシウムの
含有量より多いことを特徴とする。
【0012】酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及び硫酸バリ
ウムの含有総量が、基材ゴム100重量部に対して10
〜40重量部であることが好ましく、前記炭酸カルシウ
ムの平均粒子径は40μm未満、前記硫酸バリウムの平
均粒子径は30μm未満であることが好ましい。
【0013】本発明のソリッドゴルフボールは、本発明
のゴム組成物で構成されるコアと、該コアを被覆するカ
バーで構成されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】先ず、本発明のゴルフボール用ゴ
ム組成物について説明する。本発明のゴルフボール用ゴ
ム組成物は、基材ゴムに、架橋剤として有機過酸化物、
共架橋剤としてα,β−不飽和カルボン酸の金属塩を含
有し、さらに酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム
を含有する。
【0015】基材ゴムとしては、分子内にジエン成分を
有しているジエン系ゴムであれば、天然ゴムでも合成ゴ
ムでもよく、合成ゴムとしては、例えば、エチレンプロ
ピレンジエン3元共重合体(EPDM)、ブタジエンゴ
ム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)などが挙げられ、これらのうち、1種又は2
種以上混合して用いてもよい。これらのうち、シス構造
を40%以上有するシス1,4−ポリブタジエンが好ま
しく用いられる。
【0016】不飽和カルボン酸の金属塩は、共架橋剤と
して添加され、具体的には、アクリル酸又はメタクリル
酸等のような炭素数3〜8のα、β−不飽和カルボン酸
の亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は二価の金属塩が用
いられ、これらのうち高い反発性を付与するアクリル酸
亜鉛が好ましく用いられる。不飽和カルボン酸金属塩の
配合量は、基材ゴム100重量部に対して15〜40重
量部が好ましく、より好ましくは25〜35重量部であ
る。40重量部より多いと硬くなりすぎてフィーリング
が悪くなり、15重量部より少ないと反発性が悪くなる
からである。
【0017】有機過酸化物は、架橋剤又は硬化剤として
添加され、具体的には、ジクミルパーオキサイド、1、
1―ビス(t―ブチルパーオキシ)―3、5―トリメチ
ルシクロヘキサン、2、5―ジメチルー2、5―ジ(t
―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジーt―ブチルパーオ
キサイド等が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキ
サイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量
は、基材ゴム100重量部に対して0.3〜5.0重量
部が好ましく、0.5〜2.5重量部がさらに好まし
く、1.0〜2.5重量部が特に好ましい。
【0018】本発明のゴム組成物は、主に重量調整のた
めの充填剤として、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、及び硫
酸バリウム(以下、これらの3種類の化合物をまとめて
いうときは、単に「充填剤」と総称する)が配合される
ことを特徴とする。
【0019】ここで、炭酸カルシウムは、重量調整剤と
して安価であることから、ボールの材料コストダウンを
図るために用いられる。しかし、炭酸カルシウムの比重
は約2.6g/cm3 と比較的軽いため、所望の重量調
整のためにはその含有体積が大きくなり、ゴム組成物の
混練性低下の原因となる。混練性が不良の組成物は、加
硫成形前の混練物を冷却するためにシート状物を形成し
ようとしても、破断したり、亀裂が生じたりして、金型
に充填するためのコア1個分の塊(プラグ)を加工する
ための加工性が悪く、生産性が低下する。また、炭酸カ
ルシウムを多く含むゴム組成物を金型内でプレス加硫し
た場合、金型に対する加硫成形体の離型性が悪くなり、
ひいては生産性低下を招来する。理由は明らかではない
が、炭酸カルシウムは、硫酸バリウムとの併用により離
型性が改善されるので、炭酸カルシウム配合による離型
性の低下防止のために硫酸バリウムを併用しなければな
らない。以上のような理由から、充填剤の含有量総量
(酸化亜鉛、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムの配合量
合計:以下同じ)に対する炭酸カルシウムの含有率が2
0重量%以上、好ましくは25重量%以上で、40重量
%以下、好ましくは35重量%以下である。40重量%
を上回ると、コアを金型内で加硫した後の金型に対する
成形体の離型性が悪くなるからである。一方、20重量
%を下回ると、他の重量調整剤である酸化亜鉛や硫酸バ
リウムの含有割合を大きくする必要があり、コストアッ
プの原因となるとともに、酸化亜鉛に関しては打球感と
の関係から含有率を大きくできないからである。
【0020】また、炭酸カルシウムとしては、粒径が4
0μm以下程度であることが好ましい。粒径の大きな炭
酸カルシウムを使用すると、混練時の加工性が悪くな
り、組成物中の分散が不均一となって、耐久性低下の原
因となるからである。尚、炭酸カルシウムの粒径の下限
は、特に限定しないが、一般に5μm以上のものが安価
に市場に出回っている。
【0021】酸化亜鉛は、比重が約5.6g/cm3
炭酸カルシウムよりも重い。従って、重量調整剤として
酸化亜鉛を用いることにより、配合する重量調整剤が全
体の体積量を少なくすることができ、混練性や分散性を
向上させることができる。また、炭酸カルシウムの配合
量を減らした分だけ混練性の低下を防止することがで
き、離型性の低下を防止することもできる。但し、酸化
亜鉛は単なる重量調整剤としてだけでなく、加硫助剤と
しての役割もある。このため、酸化亜鉛を所望の重量に
調整できる程、多量を配合すると、酸化亜鉛の加硫助剤
としての働き故に、加硫成形体が硬くなりすぎ、打撃時
の衝撃(打球感)が低下する。このような理由から、充
填剤の含有量総量に対する酸化亜鉛の含有率が10重量
%以上、好ましくは15重量%以上で、36重量%以
下、好ましくは30重量%以下である。酸化亜鉛の加硫
助剤としての働きから、10重量%未満では、コアが軟
らかくなりすぎて反発性が低下するからである。逆に3
6重量%を上回ると、硬くなりすぎて、柔軟性に欠ける
からである。また、酸化亜鉛の含有量は、基材ゴム10
0重量部に対して3重量部超となるように配合すること
が好ましい。基材ゴム100重量部に対して酸化亜鉛の
配合量が3重量部未満になると、ゴム成形体であるコア
が軟らかくなりすぎて、打撃時の変形が大きくなり、ボ
ールの耐久性が低下するからである。
【0022】硫酸バリウムは、炭酸カルシウムの配合に
よる金型離型性の低下を防止するために配合される。ま
た、硫酸バリウムの比重は約4.2g/cm3 で炭酸カ
ルシウムよりも重いことから、炭酸カルシウムの配合量
の低減、ひいては混練性の向上に役立つ。但し、硫酸バ
リウムの価格は、炭酸カルシウムに比して高いので、そ
の配合量は、炭酸カルシウム配合による金型離型性の低
下を防止し、酸化亜鉛を所定範囲内で配合した場合にお
いて、ボールを所望の重量に調整するのに必要最低限度
の量だけ配合すればよい。このような理由から、充填剤
の配合総量に対する硫酸バリウムの含有率が35重量%
以上、好ましくは40重量%以上で、55重量%以下、
好ましくは50重量%以下である。35重量%未満で
は、相対的に重量調整のために炭酸カルシウム及び/又
は酸化亜鉛の含有率を上げる必要があるが、酸化亜鉛の
含有率が上がりすぎると、上記のように硬くなって柔軟
性に欠けることになり、炭酸カルシウムの含有率が増大
すると金型離型性が悪くなるからである。一方、55重
量%を上回ると、硫酸バリウムは他の重量調整剤に比べ
て高価であるため、コストアップを招来することとなる
からである。また、硫酸バリウムの含有量は、炭酸カル
シウムの含有量以上とする必要がある。炭酸カルシウム
の配合量が硫酸バリウムの含有量以上となると、炭酸カ
ルシウムの使用による離型性低下の防止が不十分だから
である。好ましくは、〔硫酸バリウムの含有量−炭酸カ
ルシウムの含有量〕の値が、3〜10重量%となるよう
に選択する。
【0023】使用する硫酸バリウムの種類は特に限定し
ないが、混練時における分散性の観点から、粒径30μ
m以下のものを使用することが好ましい。
【0024】炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム
の各配合量については、以上のような要件を満足する範
囲内で適宜選択すればよいが、さらに充填剤の配合総量
が、基材ゴム100重量部に対して10重量部以上、好
ましくは15重量部以上であり、40重量部以下、好ま
しくは35重量部以下となるように選択することが好ま
しい。10重量部未満では所望の比重に調整することが
困難であり、ボールが軽くなりすぎると、規格を達成で
きなくなるおそれがあるからである。逆に、40重量部
を超えると、ゴム組成物中の粉末成分が増加しすぎて混
練性が低下し、充填剤の分散不良に伴うボールの耐久性
が低下するからである。
【0025】本発明のボール用ゴム組成物には、上記必
須成分に加えて、老化防止剤や可塑剤、分散剤、紫外線
吸収剤、着色剤など、ゴルフボール用コア材に配合され
る通常の添加剤を必要に応じて適宜配合することが可能
である。
【0026】以上のような配合組成を有するゴム組成物
は、特にソリッドゴルフボールのコア材料として好適で
ある。
【0027】本発明のゴルフボールは、本発明のゴム組
成物でコアを構成し、これにカバーを被覆してなるもの
である。
【0028】コアの作製方法は特に限定しないが、従来
より一般に用いられている作製方法を利用すればよい。
すなわち、ゴム組成物をプレス金型に充填し、130〜
170℃で15〜40分間プレス成形すれば、ソリッド
コアを構成することができる。本発明のゴム組成物は、
充填剤として炭酸カルシウムを使用しているが、離型性
の低下を防止しているので、従来通りプレス成形しても
生産性の低下を招かずに済む。
【0029】カバーは、作製したソリッドコアを被覆す
ることにより形成するが、被覆方法としては、通常の射
出成形による方法、予めカバーのハーフカップを成形
し、これにコアを詰め込んで熱プレス成形する方法など
が用いられる。
【0030】尚、カバーの種類は特に限定せず、パラタ
カバー、アイオノマーカバーのいずれでもよいが、強度
に優れている点でアイオノマーカバーを用いる方が好ま
しい。また、アイオノマーカバーを構成するアイオノマ
ーの種類も特に限定しない。
【0031】そして、カバー成形時に通常はディンプル
と呼ばれる窪みを表面に多数形成し、美観や商品価値を
高めるためのペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を
施すことにより商品とされる。
【0032】
【実施例】〔評価方法〕 混練性 配合したコア用組成物を、密閉型混練機(ニーダー)で
混練し、その混練物を2軸ロールでシート状に成形した
ところ、破断することなく亀裂のないシート状物が得ら
れた場合を「○」、充填物の分散が不十分な混練物とな
って得られたシート状物に亀裂が生じていた場合を
「△」、充填物の分散が不十分でシート状物の成形に際
しては途中でシートが破断してしまう場合を「×」とし
た。
【0033】コアの離型性 離型剤を塗布してから、5回目のプレス成形が終わった
後に、手でコアを取り出す際、通常の力で取れなかった
コアの割合を調べた。取り出せなかったコアの割合が0
〜5%の場合を「○」、6〜15%の場合を「△」、1
6%以上の場合を「×」とした。
【0034】PGAコンプレッション コアに10kgfの荷重負荷時の変形量を基準とし、1
30kgfの荷重を負荷した時の圧縮変形量(mm)を
測定した。変形量が小さい程、一般にボールが硬いこと
を示す。変形量が増大すると耐久性が低下し、また反発
性も低下する。逆にコンプレッションが大きくなりすぎ
ると、コアが硬くなりすぎて打球感が低下する。従っ
て、耐久性と打球感とのバランスから、コンプレッショ
ン値は、80〜95が好ましく、より好ましくは80〜
90である。
【0035】耐久性 ツルーテンパー社製のスイングロボットにウッド1番ク
ラブを取り付け、ボールを45m/secの速度で打撃
し、ボールに破れが生じるまでの打撃回数を調べた。比
較例1の打撃回数を100として指数化した。指数の値
が大きい程、ボールの耐久性が優れている。
【0036】打球感 チタンヘッドのウッド型クラブを用いて10名が試打を
行ない、各ゴルファーが打撃時に衝撃を感じる程度を、
衝撃が少ないと感じる場合を1点、普通の場合を2点、
衝撃が大きいと感じる場合を3点で評価し、10名の平
均点が1.7点未満の場合を「○」、1.7〜2.3点
の場合を「△」、2.3点以上の場合を「×」とした。
【0037】〔ゴルフボールの製造〕ボール重量が規格
範囲内となるような表1(本発明の実施例に該当)及び
表2(本発明の比較例に該当)に示す配合組成に基づい
て、コア用ゴム組成物No.1〜14を調製し、混練時
の混練性を評価した。尚、表1及び表2中、基材ゴムで
あるBRとしては、日本合成ゴム製のBR11(シス
1,4結合の含有率が96%のシス1,4−ポリブタジ
エン)を用い、老化防止剤としては吉富製薬株式会社製
の「ヨシノックス425」を用いた。また、酸化亜鉛と
しては、東邦亜鉛株式会社製の平均粒径約60μmのも
のを使用した。硫酸バリウム及び炭酸カルシウムの平均
粒径は、表1及び表2に示す通りである。
【0038】調製したゴム組成物を160℃で20分間
加硫成形して、直径39.0mmの球状のソリッドコア
を作製した。このときの離型性を、上記評価方法に基づ
いて評価した。
【0039】表1及び表2の配合組成に示すコアを被覆
するように、カバー用組成物を射出成形してカバーを形
成し、さらにカバー表面を塗装して、外径42.7mm
のツーピースソリッドゴルフボールNo.1〜14を製
造した。
【0040】製造したゴルフボールについて、上記評価
方法に基づいて、コンプレッション、耐久性、打球感
を、上記評価方法に基づいて評価した。以上の評価結果
を、表1及び表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2に示すように、炭酸カルシウム単独で
重量調整を行なおうとした場合、その配合量の多さか
ら、混練性が劣り、離型性が劣っていた(No.1
0)。また、炭酸カルシウムの配合量を減らして、その
分酸化亜鉛の配合により重量を調整すると混練性は解消
されるが、離型性の低下を解消できない(No.8)。
【0044】炭酸カルシウム、酸化亜鉛とともに、硫酸
バリウムを配合することにより離型性は改善されるが、
硫酸バリウムの配合量が炭酸カルシウムの配合量よりも
少ないと、その改善効果は不十分であり(No.9,1
1)、硫酸バリウムの配合量が炭酸カルシウムの配合量
よりも多いときに十分な改善効果を得ることができた
(No.12〜14)。
【0045】一方、酸化亜鉛の含有量が少なくなると、
コンプレッションが小さくなって、耐久性が低下し、所
望のコンプレッション値を確保するためには、他の充填
剤とのバランスにもよるが、4重量部以上は必要である
(No.1参照)。逆に酸化亜鉛の配合量が多くなりす
ぎると、硫酸バリウムと炭酸カルシウムとの要件が満足
していても、コンプレッションが高くなりすぎて打球感
が悪かった(No.13)。
【0046】酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム
の配合量について、本発明の条件を満足しているNo.
1〜7について、混練性、離型性を満足し、しかもボー
ルとしてコンプレッション、打球感、耐久性を満足する
ことができた。
【0047】
【発明の効果】本発明のゴルフボール用ゴム組成物は、
ボール特性を維持しつつ従来よりも安価な材料で、しか
も配合調製にあたっての混練作業、成形、生産性に影響
を及ぼすことがない。
【0048】従って、本発明のゴム組成物を用いてコア
を構成してなる本発明のゴルフボールは、打球感、反発
性というボール特性が従来と同程度で、しかも従来より
安価である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材ゴム、α,β−不飽和カルボン酸の
    金属塩、有機過酸化物、並びに充填剤として酸化亜鉛、
    炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムを含有するソリッド
    ゴルフボール用ゴム組成物であって、 前記充填剤の含有総量に対する酸化亜鉛の含有率が10
    〜36重量%で、炭酸カルシウムの含有率が20〜40
    重量%で、硫酸バリウムの含有率が35〜55重量%で
    あって、且つ硫酸バリウムの含有量が炭酸カルシウムの
    含有量より多いことを特徴とするソリッドゴルフボール
    用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及び硫酸バ
    リウムの含有総量が、基材ゴム100重量部に対して1
    0〜40重量部である請求項1に記載のゴルフボール用
    ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウムの平均粒子径は40
    μm未満、前記硫酸バリウムの平均粒子径は30μm未
    満である請求項1又は2に記載のゴルフボール用ゴム組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかのゴム組成物で
    構成されるコアと、該コアを被覆するカバーで構成され
    ることを特徴とするソリッドゴルフボール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226157A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mizuno Corp ゴルフボール用ゴム組成物及び該組成物から形成されるコアを含むマルチピースゴルフボール

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JP2009226157A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mizuno Corp ゴルフボール用ゴム組成物及び該組成物から形成されるコアを含むマルチピースゴルフボール

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