JP2000079035A - 肘連動型座起立式椅子用カップホルダー - Google Patents

肘連動型座起立式椅子用カップホルダー

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JP2000079035A
JP2000079035A JP10252856A JP25285698A JP2000079035A JP 2000079035 A JP2000079035 A JP 2000079035A JP 10252856 A JP10252856 A JP 10252856A JP 25285698 A JP25285698 A JP 25285698A JP 2000079035 A JP2000079035 A JP 2000079035A
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elbow
chair
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seat
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Michiyoshi Momose
▲迪▼美 百瀬
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Kotobuki and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子を収納スペース内に収容する際や着座者
がカップホルダーを使用しない場合にカップホルダーが
邪魔にならないようにすることにある。 【解決手段】 二本の支柱2と、それらの間に位置する
座3および背4と、それらの支柱2の上端部にそれぞれ
配置された肘5と、背4に肘5を連動させるリンク部材
8とを有する肘連動型座起立式椅子1に用いられるカッ
プホルダーにおいて、肘5に支持されてその後端部から
後方へ突出するとともにカップ挿入口を有するカップ保
持部材12と、掛止位置と開放位置との間で移動可能に肘
5に支持され、掛止位置では支柱2に設けられた掛合部
材14と掛合して肘5を使用位置に掛止し、その開放位置
では掛合部材14から離間して肘5の起立位置へ向かう回
動を可能とする肘掛止部材11と、肘掛止部材11が開放位
置に位置する時はカップ挿入口内へ突出してカップ保持
部材12へのカップの載置を阻止し、肘掛止部材11が掛止
位置に位置する時はカップ挿入口内から後退してカップ
保持部材12へのカップの載置を可能にするカップ載置阻
止部材13とを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、公共施設等で用
いられる座起立式の椅子に用いられるカップホルダーに
関し、特には、座に肘が連動する肘連動型の座起立式椅
子用のカップホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の肘連動型の座起立式椅子として
は、例えば本願出願人が実公昭56-44424号公報にて開示
したものが従来知られ、この座起立式椅子は、二本の支
柱と、それらの支柱の間に位置する座および背と、その
支柱の上端部に配置された肘とを有しており、ここにお
ける座は、その両側部の前後端間の中間位置を両側方の
支柱の上下端間の中間位置にそれぞれ回動可能に支持さ
れて、略水平な使用位置と略垂直な起立位置との間で回
動することができ、またここにおける背は、その下端部
を座の後端部に回動可能に連結されるとともにその両側
部の上下端間の中間位置をそれぞれリンク部材を介して
両側方の支柱の上端部に連結され、前記リンク部材と座
の側部と支柱とその背の側部とでその背の両側にそれぞ
れ四節リンク機構を構成して座と連動し、座が上記使用
位置に位置する際には後方へ傾斜する使用位置に位置す
る一方、座が上記起立位置に位置する際には略垂直な起
立位置に位置して座と合わさった状態となる。
【0003】そしてここにおける肘は、その前後端間の
中間位置を支柱の上端部に回動可能に支持されて略水平
な使用位置と略垂直な起立位置との間で回動することが
できるとともに、その裏面にて上記リンク部材に対し掛
合および離間可能とされており、かかる構成により、着
座する人によって座が背とともに起立位置から使用位置
へ移動されて、その背に連結されたリンク部材が略垂直
位置から略水平位置へ回動すると、そのリンク部材で裏
面を押された肘がリンク部材と一緒に略水平な使用位置
に回動し、また、着座していた人が離座して座が背とと
もに使用位置から起立位置へ移動して、その背に連結さ
れたリンク部材が略水平位置から略垂直位置へ回動する
と、肘が自重でそのリンク部材と一緒に、座および背と
整列する略垂直な起立位置に回動する。
【0004】ところで、上記の如き肘連動型座起立式椅
子用の従来のカップホルダーとしては、背の裏側や肘の
前端部に固定されたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のカップホルダーは、背の裏側に固定されたもので
は、着座者がいないため椅子の座と背が互いに合わさっ
た起立位置にあってもカップホルダーが背の裏側から常
時突出することとなって、昇降式観覧席のように椅子の
不使用時にその座と背が合わさった状態の椅子を縦長の
収納スペース内に下降させて収納したり、移動式観覧席
のように椅子の不使用時にその座と背が合わさった状態
の椅子を水平に倒して床段の間の横長の収納スペース内
に収容したりする場合に、その背の裏側から突出したカ
ップホルダーが邪魔になるという問題があった。
【0006】そして、肘の前端部に固定されたもので
は、着座者がいないため椅子の座と背が互いに合わさっ
た起立位置にあるときは上記のように肘も略垂直な起立
位置に位置し、カップホルダーもその肘と一緒に略垂直
な起立位置に位置することとなるので、昇降式観覧席や
移動式観覧席において狭い収納スペースに椅子を収納す
る際にカップホルダーが邪魔になるという問題はない
が、着座者がいる通常の場合に、カップホルダーを使用
しない時でもカップホルダーが肘から常時前方に突出し
ていて邪魔になるという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、上記課題を有利に解決したカップホルダーを
提供することを目的とするものであり、この発明の肘連
動型座起立式椅子用カップホルダーは、二本の支柱と、
それらの支柱の間に位置する座および背と、それらの支
柱の上端部にそれぞれ配置された肘とを有し、前記座
が、その両側部の前後端間の中間位置を両側方の前記支
柱の上下端間の中間位置にそれぞれ回動可能に支持され
て略水平な使用位置と略垂直な起立位置との間で回動す
ることができ、前記背が、その下端部を前記座の後端部
に回動可能に連結されるとともにその両側部の上下端間
の中間位置をそれぞれリンク部材を介して両側方の前記
支柱の上端部に連結され、前記リンク部材と前記座の側
部と前記支柱とその背の側部とでその背の両側にそれぞ
れ四節リンク機構を構成して前記座と連動し、前記肘
が、略水平な使用位置とその位置よりも後端部が下方に
下がった起立位置との間で回動可能に前記支柱の上端部
に支持されるとともに、その起立位置へ向けて常時付勢
され、かつその裏面にて前記リンク部材に対し掛合およ
び離間可能とされている肘連動型座起立式椅子に用いら
れるカップホルダーにおいて、前記肘に支持されてその
後端部から後方へ突出するとともにカップ挿入口を有す
るカップ保持部材と、掛止位置と開放位置との間で移動
可能に前記肘に支持され、その掛止位置では前記支柱に
設けられた掛合部と掛合して前記肘を前記使用位置に掛
止し、その開放位置では前記掛合部から離間して前記肘
の前記起立位置へ向かう回動を可能とする肘掛止部材
と、前記肘掛止部材が前記開放位置に位置する時は前記
カップ挿入口内へ突出することで前記カップ保持部材へ
のカップの載置を阻止し、前記肘掛止部材が前記掛止位
置に位置する時は前記カップ挿入口内から後退すること
でそのカップ保持部材へのカップの載置を可能にするカ
ップ載置阻止部材と、を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0008】かかるカップホルダーにあっては、当該肘
連動型座起立式椅子の着座者がその座および背を使用位
置に位置させることでリンク部材により肘が連動して略
水平な使用位置に位置した状態、あるいは、当該肘連動
型座起立式椅子の後側の椅子の着座者が当該肘連動型座
起立式椅子の肘をリンク部材から離間させて上記使用位
置に位置させた状態で、当該肘連動型座起立式椅子の後
側の椅子の着座者が当該肘連動型座起立式椅子の肘に支
持された肘掛止部材を操作してその肘掛止部材を開放位
置から掛止位置に移動させると、肘掛止部材が、支柱に
設けられた掛合部と掛合して肘を使用位置に掛止し、こ
れによりカップ保持部材が、略水平な使用位置に位置し
た肘の後端部から後方へ突出して略水平に位置する。そ
してその際、カップ載置阻止部材が、カップ保持部材の
カップ挿入口内から後退することでそのカップ保持部材
へのカップの載置を可能にする。
【0009】そしてその後は、当該肘連動型座起立式椅
子の着座者が離座してその椅子の座および背が起立位置
に戻るとともにリンク部材が回動しても、肘は座および
背と連動することなく、リンク部材から離間して肘掛止
部材により使用位置に掛止され続けるのでカップ保持部
材も略水平な位置に維持され、当該肘連動型座起立式椅
子の後側の椅子の着座者はカップ保持部材の使用を継続
することができる。
【0010】この一方、当該肘連動型座起立式椅子に着
座者がなくその座および背が互いに合わさった起立位置
にあるときに、当該肘連動型座起立式椅子の後側の椅子
の着座者がカップ保持部材の使用を必要とせず当該肘連
動型座起立式椅子の肘掛止部材を開放位置のままにし、
あるいはカップ保持部材の使用後にその肘掛止部材を操
作して掛止位置から開放位置へ移動させた時は、支柱の
掛合部から離間したその肘掛止部材が、起立位置へ向か
う肘の回動を可能とし、これにより肘が、座および背と
ともに起立位置に位置し、その肘の後端部から突出した
カップ保持部材も下向きに下がった退避位置に位置す
る。
【0011】また、当該肘連動型座起立式椅子に着座者
があって肘が略水平な使用位置に位置しているが、当該
肘連動型座起立式椅子の後側の椅子の着座者が肘掛止部
材を掛止位置に移動させず開放位置のままにしている場
合には、カップ保持部材は、肘とともに現在は略水平位
置にあるが、その後に当該肘連動型座起立式椅子の着座
者が離座すると上記の如く肘の起立位置への回動ととも
に下向きに下がった退避位置に回動するので、かかる肘
が起立位置へ回動し得る状態にて当該椅子の後側の椅子
の着座者がカップ保持部材を誤って使用しないようにす
るため、肘掛止部材が開放位置に位置する場合には、カ
ップ載置阻止部材が、カップ保持部材のカップ挿入口内
へ突出し、カップ保持部材へのカップの載置を阻止す
る。
【0012】従ってこの発明のカップホルダーによれ
ば、当該肘連動型座起立式椅子に着座者がいないためそ
の椅子の座と背が互いに合わさった起立位置にあるとき
は肘も略垂直な起立位置に位置し、カップ保持部材もそ
の肘と一緒に、下向きに下がった退避位置に位置するこ
ととなるので、昇降式観覧席や移動式観覧席において狭
い収納スペースに椅子を収納する際にカップ保持部材が
邪魔になることがなく、しかも、当該肘連動型座起立式
椅子に着座者がいる通常の場合に、カップ保持部材は肘
の後端部から後方へ突出して当該椅子の後側の椅子の着
座者から離間しているので、当該椅子の着座者にも、当
該椅子の後側の椅子の着座者にも邪魔になることがな
い。
【0013】そしてこの発明のカップホルダーによれ
ば、当該椅子の着座者が離座した場合でも、当該椅子の
後側の椅子の着座者が当該椅子の肘掛止部材を掛止位置
に移動させておけば、当該椅子の肘が座および背と連動
して当該椅子のカップ保持部材が退避位置に回動してし
まうということがなく、また当該椅子の後側の椅子の着
座者が当該椅子の肘掛止部材を掛止位置に移動させなけ
れば、カップ載置阻止部材で阻止されてカップ保持部材
へのカップの載置がなされないので、着座者の離座によ
り当該椅子の肘が座および背と連動して当該椅子のカッ
プ保持部材が退避位置に回動しても、カップの落下とい
うような不都合を確実に回避することができる。
【0014】なお、この発明においては、前記カップ保
持部材は、前記肘の後端部に固定されていても良いが、
より好ましくは、前記カップ保持部材は、前記肘掛止部
材に一体的に結合されているものとする。このようにす
れば、当該椅子の後側の椅子の着座者が当該椅子の肘掛
止部材を掛止位置に移動させた時にはカップ保持部材を
その着座者に近づけ、当該椅子の後側の椅子の着座者が
当該椅子の肘掛止部材を開放位置のままにした時にはカ
ップ保持部材をその着座者から遠ざけておくことができ
るので、カップホルダーをより使用し易くすることがで
き、しかもカップ保持部材を操作することで肘掛止部材
を掛止位置と開放位置との間で移動させることができる
ので、肘掛止部材の操作性も高めることができる。
【0015】またこの発明においては、前記カップ載置
阻止部材は、例えば上記の如くカップ保持部材が肘掛止
部材に一体的に結合されてそれと一緒に移動する場合
に、肘の後端部に固定されてそこから後方へ突出してい
て、相対的にカップ保持部材と逆方向へ移動するように
しても良いが、より好ましくは、前記カップ載置阻止部
材は、前記肘掛止部材に揺動可能に連結されて、前記肘
掛止部材が前記開放位置に位置する時は前記肘の後端部
に当接して前記カップ保持部材の前記カップ挿入口内へ
揺動し、前記肘掛止部材が前記掛止位置に位置する時は
前記肘の後端部から離間して前記カップ保持部材の前記
カップ挿入口内から後退するものとする。このようにす
れば、カップ保持部材のカップ挿入口内から後退したカ
ップ載置阻止部材をカップ底受け部材として利用できる
ので、カップホルダーをより使用し易くすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1は、この発明の肘連動型座起立式椅子用カップ
ホルダーの一実施例を椅子の座および背が使用位置に位
置するとともに肘が使用位置に位置してカップ保持部材
が略水平な位置で使用可能となっている状態で示す側面
図、また図2は、その実施例のカップホルダーを椅子の
座および背が起立位置に位置するとともにカップ保持部
材が退避位置に位置している状態で示す側面図、そして
図3は、その実施例のカップホルダーを椅子の座および
背が起立位置に位置する一方で肘が使用位置に位置して
カップ保持部材が略水平な位置で使用可能となっている
状態で示す側面図である。
【0017】ここにおける肘連動型座起立式椅子1は、
図1〜図3の紙面と直交する方向に複数連結されて、競
技場や劇場その他の公共施設等で用いられる連結椅子を
構成するもので、その連結椅子は、不使用時に床台の下
に収容されるとともに使用時にその床台の下から図1〜
図3に示す如く所定位置までせり上げられて使用可能と
なる昇降式のものであり、かかる連結椅子を構成するこ
の肘連動型座起立式椅子1は、二本の支柱2と、それら
の支柱2の間に位置する座3および背4と、それらの支
柱2の上端部にそれぞれ配置された肘5とを有してい
る。
【0018】そしてこの椅子1においては、座3が、そ
の両側部の前後端間の中間位置を両側方の支柱2の上下
端間の中間位置に支持軸6を介しそれぞれ回動可能に支
持されて、図1に示す略水平な使用位置と、図2および
図3に示す略垂直な起立位置との間で回動することがで
き、また背4が、その両側部の下端部を座3の両側部の
後端部に連結軸7を介し回動可能に連結されるとともに
その両側部の上下端間の中間位置をそれぞれリンク部材
8およびその両端部の連結軸9,10を介して両側方の支
柱2の上端部に連結され、リンク部材8と座3の側部と
支柱2とその背4の側部とでその背4の両側にそれぞれ
四節リンク機構を構成して、座3と連動し、座3が上記
使用位置に位置する際には図1に示すように後方へ傾斜
する使用位置に位置する一方、座3が上記起立位置に位
置する際には図2および図3に示すように略垂直な起立
位置に位置して座3と合わさった状態となる
【0019】さらにこの椅子1においては、肘5が、図
1に示す略水平な使用位置と、その位置よりも後端部が
下方に下がった図2に示す起立位置との間で回動可能に
支持軸11を介して支柱2の上端部に支持されるととも
に、その起立位置へ向けて自重により常時付勢され、か
つその裏面にてリンク部材8に対し掛合および離間可能
とされており、これにより、着座する人によって座3が
背4とともに起立位置から使用位置へ移動されて、その
背4に連結されたリンク部材8が略垂直位置から略水平
位置へ回動すると、図1に示すように、そのリンク部材
8で裏面を押された肘5がリンク部材8と一緒に略水平
な使用位置に回動し、また、着座していた人が離座して
座3が背4とともに使用位置から起立位置へ移動して、
その背に連結されたリンク部材8が略水平位置から略垂
直位置へ回動すると、図2に示すように、肘5が自重で
そのリンク部材8と一緒に、座3および背4と整列す
る、後端部が下方に下がった略垂直な起立位置に回動す
る。
【0020】ところで、ここにおける肘5は、図4の分
解斜視図に拡大して示すように、下方が開口した断面コ
字状に形成されるとともに、その内側に挿入された支柱
2の上端部に連結軸9を介して揺動可能に連結されたフ
レーム5aと、そのフレーム5aの上から被せてそのフレー
ム5aを覆うように形成されたしたカバー5bとを有し、そ
のフレーム5aは、下向きに斜めに折曲された後端部5cを
有し、またそのカバー5bは、下方が開口した断面コ字状
をなすとともに、上部の内側に下向きに突設された長円
形の凸部5dに下向きに二カ所の突起5eを形成されてい
て、それらの突起5eにねじ込まれる二本の留めねじ5fに
よって上記フレーム5aに長円形の凸部5dの高さ分隙間を
空けて固定されている。そして、フレーム5aの裏面に
は、図1〜図3に示すように、リンク部材8と柔らかく
当接するためのパッド部材5gが固着されている。なお、
図1〜図3では、この実施例のカップホルダーの構造を
明示するため、カバー5bは仮想線(二点鎖線)で示され
ている。
【0021】かかる肘連動型座起立式椅子1の肘5に設
けられたこの実施例のカップホルダーは、図4に示すよ
うに、コ字状に折曲された前端部11a を持つとともに中
間部に長円形の長孔11b を持つ細長い板状の肘掛止部材
11と、その肘掛止部材11の後端部に一体に形成されこと
でその肘掛止部材11に一体的に結合されるとともにカッ
プ挿入口12a を有するリング状のカップ保持部材12と、
肘掛止部材11の裏面に突設された二カ所の支持部11c に
上端部を揺動可能に支持されたL字状のカップ載置阻止
部材13とを具えるとともに、掛合部として、図1〜図3
に示すように、支柱2の上端部の前側に固設された、コ
字状の突出部を持つ板状の掛合部材14を具えている。
【0022】ここにおける肘掛止部材11の長孔11b は、
上記カバー5bの長円形の凸部5cを挿通可能でかつその凸
部5cよりも長いものとされており、これにより肘掛止部
材11は、その長孔11b 内にカバー5bの凸部5cを挿通され
た状態でカバー5bと上記フレーム5aとの間に摺動可能に
挟持されて、カバー5bの凸部5cの前後端と長孔11b の前
後端との当接で規制される範囲内で肘5に対し前後に移
動されることができ、その肘掛止部材11の後端部に一体
に形成されたカップ保持部材12は、肘掛止部材11を介し
肘5に支持されて、図1〜図3に示すように、肘5の後
端部から後方へ突出している。
【0023】またここにおけるカップ載置阻止部材13
は、図2に示す、カップ保持部材12のカップ挿入口12a
内に先端部が入り込んでそのカップ挿入口12a 内へのカ
ップの挿入を阻止する挿入阻止位置と、図1および図3
に示す、カップ挿入口12a から下方に離間して、カップ
挿入口12a 内に挿入されたカップの底を保持するカップ
底保持位置との間で揺動することができ、そのカップ底
保持位置にてカップ載置阻止部材13の揺動を停止させる
ストッパとしては、ここでは図示しないが、カップ載置
阻止部材13の上端部に、そのカップ底保持位置への揺動
でカップ保持部材12に当接する部分が設けられている。
そしてこの実施例では、肘掛止部材11が前方へ移動され
ると、それに伴ってカップ載置阻止部材13の上部が肘5
のフレーム5aの下向きに斜めに折曲された後端部5cに当
接して後ろ向きに付勢されて、カップ載置阻止部材13が
上記カップ底保持位置から上記挿入阻止位置へ揺動し、
また肘掛止部材11が後方へ移動されると、カップ載置阻
止部材13の上部が上記フレーム5aの後端部5cから離間し
てカップ載置阻止部材13が自重で下降し、カップ載置阻
止部材13が上記挿入阻止位置から上記カップ底保持位置
へ揺動する。
【0024】上記のように構成されたこの実施例のカッ
プホルダーにあっては、図1および図5(a)に示すよ
うに、当該肘連動型座起立式椅子1の着座者がその座3
および背4を使用位置に位置させることでリンク部材8
により肘5が連動して略水平な使用位置に位置した状
態、あるいは、図3および図6(a)〜(c)に示すよ
うに、当該椅子1の後側の図示しない椅子の着座者が当
該椅子1の肘5をリンク部材8から離間させて上記使用
位置に位置させた状態で、図5(a)に矢印Aで示すと
ともに図5(c)に矢印Eで示すように、当該椅子1の
後側の椅子の着座者が当該椅子1の肘5に支持されたカ
ップ保持部材12を後方へ引くことで肘掛止部材11を操作
してその肘掛止部材11を図5(a)および図6(a)〜
(c)に示す開放位置から後方へ図5(b)および図6
(d)に示す掛止位置まで移動させると、肘掛止部材11
のコ字状に折曲された前端部11a が、支柱2に固設され
た掛合部材14のコ字状の突出部と掛合して肘5を使用位
置に掛止し、これによりカップ保持部材12が、図5
(b)および図6(d)に示すように、略水平な使用位
置に位置した肘5の後端部から後方へ突出して略水平に
位置する。
【0025】そしてカップ載置阻止部材13は、かかる肘
掛止部材11の後方移動の際、カップ保持部材12のカップ
挿入口12a 内に先端部が入り込んでそのカップ挿入口12
a 内へのカップの挿入を阻止する上記挿入阻止位置か
ら、カップ保持部材12のカップ挿入口12a 内から後退し
た上記カップ底保持位置へ揺動してそのカップ保持部材
12へのカップの載置を可能にする。なお、図7(a),
(b)および(c)は、図6(a),(c)および
(d)にそれぞれ示すこの実施例のカップホルダーの状
態を、肘5付近のみ拡大して示す斜視図である。
【0026】その後は、当該肘連動型座起立式椅子1の
着座者が離座してその椅子1の座3および背4が起立位
置に戻るとともにリンク部材8が回動しても、肘5は、
座3および背4と連動することなく、図3および図6
(d)に示すように、リンク部材8から離間して肘掛止
部材11により使用位置に掛止され続けるので、カップ保
持部材12も略水平な位置に維持され、当該椅子1の後側
の椅子の着座者はカップ保持部材12の使用を継続するこ
とができる。
【0027】この一方、当該肘連動型座起立式椅子1に
着座者がなくその座3および背4が互いに合わさった起
立位置にあるときに、当該椅子1の後側の椅子の着座者
がカップ保持部材12の使用を必要とせず当該椅子1の肘
掛止部材11を上記開放位置のままにし、あるいはカップ
保持部材12の使用後にそのカップ保持部材12を前方へ押
すことで肘掛止部材11を操作して上記掛止位置から前方
へ上記開放位置まで移動させた時は、支柱2に固設され
た掛合部材14のコ字状の突出部から離間したその肘掛止
部材11が、起立位置へ向かう肘5の回動を可能とし、こ
れにより、図2および図6(a)に示すように、肘5
が、座3および背4とともに起立位置に位置し、その肘
5の後端部から突出したカップ保持部材12も下向きに下
がった退避位置に位置する。
【0028】また、図5(a)に示すように、当該肘連
動型座起立式椅子1に着座者があって肘5が略水平な使
用位置に位置しているが、当該椅子1の後側の椅子の着
座者が肘掛止部材11を上記掛止位置に移動させず上記開
放位置のままにしている場合には、カップ保持部材12
は、肘5とともに現在は略水平位置にあるが、その後に
当該椅子1の着座者が離座すると図2に示す如く肘5の
起立位置への回動とともに下向きに下がった退避位置に
回動するので、かかる肘5が起立位置へ回動し得る状態
にて当該椅子1の後側の椅子の着座者がカップ保持部材
12を誤って使用しないようにするため、肘掛止部材11が
上記開放位置に位置する場合には、カップ載置阻止部材
13が、図5(a)に示すように、肘5のフレーム5aの下
向きに斜めに折曲された後端部5cへの当接により上記挿
入阻止位置に維持されて、カップ保持部材12のカップ挿
入口12a 内へ突出し、カップ保持部材12へのカップの載
置を阻止する。
【0029】従ってこの実施例のカップホルダーによれ
ば、当該肘連動型座起立式椅子1に着座者がいないため
その椅子1の座3と背4が互いに合わさった起立位置に
あるときは肘5も略垂直な起立位置に位置し、図2およ
び図6(a)に示すように、カップ保持部材12もその肘
5と一緒に、下向きに下がった退避位置に位置すること
となるので、昇降式観覧席において縦長の狭い収納スペ
ースに椅子1を下降させて収納する際にカップ保持部材
12が邪魔になることがなく、しかも当該肘連動型座起立
式椅子1に着座者がいる通常の場合に、図1および図5
(b)に示すように、カップ保持部材12は、肘5の後端
部から後方へ突出して当該椅子1の後側の椅子の着座者
から離間しているので、当該椅子1の着座者にも、当該
椅子1の後側の椅子の着座者にも邪魔になることがな
い。
【0030】そしてこの実施例のカップホルダーによれ
ば、当該椅子1の着座者が離座した場合でも、図3およ
び図6(d)に示すように、当該椅子1の後側の椅子の
着座者が当該椅子1の肘掛止部材11を掛止位置に移動さ
せておけば、当該椅子1の肘5が座3および背4と連動
して当該椅子1のカップ保持部材12が退避位置に回動し
てしまうということがなく、また図5および図6(c)
に示す状態のように、当該椅子1の後側の椅子の着座者
が当該椅子1の肘掛止部材11を掛止位置に移動させなけ
れば、カップ載置阻止部材13で阻止されてカップ保持部
材12へのカップの載置がなされないので、着座者の離座
により当該椅子1の肘5が座3および背4と連動して当
該椅子1のカップ保持部材12が退避位置に回動しても、
カップの落下というような不都合を確実に回避すること
ができる。
【0031】さらにこの実施例のカップホルダーによれ
ば、カップ保持部材12が肘掛止部材11に一体的に結合さ
れていることから、当該椅子1の後側の椅子の着座者が
当該椅子1の肘掛止部材11を掛止位置に移動させた時に
はカップ保持部材12をその着座者に近づけ、当該椅子1
の後側の椅子の着座者が当該椅子1の肘掛止部材11を開
放位置のままにした時にはカップ保持部材12をその着座
者から遠ざけておくことができるので、カップホルダー
をより使用し易くすることができ、しかもカップ保持部
材12を操作することで肘掛止部材11を掛止位置と開放位
置との間で移動させることができるので、簡易な構成で
肘掛止部材11の操作性も高めることができる。
【0032】加えてこの実施例のカップホルダーによれ
ば、カップ載置阻止部材13が肘掛止部材11に揺動可能に
連結されていて、肘掛止部材11が上記開放位置に位置す
る時は肘5のフレーム5aの後端部5cに当接してカップ保
持部材12のカップ挿入口12a内へ揺動し、肘掛止部材11
が上記掛止位置に位置する時は肘5のフレーム5aの後端
部5cから離間してカップ保持部材12のカップ挿入口12a
内から後退することから、カップ保持部材12のカップ挿
入口12a 内から後退したカップ載置阻止部材13をカップ
底受け部材として利用できるので、カップホルダーをよ
り使用し易くすることができる。
【0033】図8は、この発明の肘連動型座起立式椅子
用カップホルダーの他の一実施例を示すものであり、こ
の実施例のカップホルダーそれ自体は先の実施例で説明
したものと同一の構成を具えているが、そのカップホル
ダーが設けられた肘連動型座起立式椅子1は、先の実施
例で説明した椅子1と同様、図8の紙面と直交する方向
に複数連結されて公共施設等で用いられる連結椅子を構
成するものであって、先の実施例で説明した椅子1と同
様の構成を具えているものの、図示の階段状の展開位置
と図示しない上下に整列した縮小位置との間で移動可能
な複数段の床台15を持つ移動式観覧席の各床台15上にそ
の連結椅子全体として起倒可能に支持されていて、図示
しない駆動装置により駆動され、同図では左側に示すも
ののように起き上がった使用位置と、同図では右側に示
すもののように倒れた収納位置との間で起倒移動され
る。
【0034】かかる椅子1に設けられたこの実施例のカ
ップホルダーによっても、先の実施例と同様の作用効果
を得ることができ、特に、椅子1の収納時に肘掛止部材
11を上記開放位置に位置させておけば、椅子1を図8で
は右側に示すように倒して収納位置に位置させるとカッ
プ保持部材12も肘5と一緒に座3および背4に略整列し
て位置することから、上記の移動式観覧席において複数
段の床台15を上下に整列した縮小位置に移動させる時、
床台15の間の横長の狭い収納スペースに倒した椅子1を
収納する際にカップ保持部材12が邪魔になることがない
ので、椅子1をその床台15間の狭い収納スペースに支障
なく容易に収納することができる。
【0035】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、前記カ
ップ保持部材は、前記肘掛止部材と別体とされて前記肘
の後端部に固定されていても良い。そして例えばカップ
保持部材が上記の如く肘の後端部に固定されている場合
には、前記カップ載置阻止部材は、肘掛止部材と一体的
に結合されてその肘掛止部材の移動に伴いカップ保持部
材のカップ挿入口に出入りするものでも良く、その一方
カップ保持部材がこの実施例のように肘掛止部材と一緒
に移動する場合には、前記カップ載置阻止部材は、肘の
後端部に固定されてそこから後方へ突出していて、肘掛
止部材と一緒のカップ保持部材の移動に伴い相対的にカ
ップ保持部材と逆方向へ移動してカップ保持部材のカッ
プ挿入口に出入りするものでも良い。さらに、前記カッ
プ保持部材は、上記実施例におけるような環状のもので
なくカップ状のものでも良く、また前記肘掛止部材は、
上記実施例におけるような直線的に前後移動するもので
なく支柱に軸支されて揺動するものでも良い。そして前
記掛合部は、上記実施例におけるような支柱に固設され
た別体の掛合部材でなく支柱と一体に形成されたもので
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降式連結椅子に設けられた、この発明の肘連
動型座起立式椅子用カップホルダーの一実施例を、椅子
の座および背が使用位置に位置するとともに肘が使用位
置に位置してカップ保持部材が略水平な位置で使用可能
となっている状態で示す側面図である。
【図2】上記実施例のカップホルダーを、椅子の座およ
び背が起立位置に位置するとともにカップ保持部材が退
避位置に位置している状態で示す側面図である。
【図3】上記実施例のカップホルダーを、椅子の座およ
び背が起立位置に位置する一方で肘が使用位置に位置し
てカップ保持部材が略水平な位置で使用可能となってい
る状態で示す側面図である。
【図4】上記実施例のカップホルダーを、椅子の支柱上
部および肘とともに拡大して示す分解斜視図である。
【図5】椅子の座および背が起立位置にある時の上記実
施例のカップホルダーの作動状態を示す説明図である。
【図6】椅子の座および背が使用位置にある時の上記実
施例のカップホルダーの作動状態を示す説明図である。
【図7】上記実施例のカップホルダーの作動状態を拡大
して示す説明図である。
【図8】起倒式連結椅子に設けられた、この発明の肘連
動型座起立式椅子用カップホルダーの他の一実施例を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 椅子 2 支柱 3 座 4 背 5 肘 5a フレーム 5b カバー 5c 後端部 8 リンク部材 11 肘掛止部材 12 カップ保持部材 12a カップ挿入口 13 カップ載置阻止部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二本の支柱(2)と、それらの支柱の間
    に位置する座(3)および背(4)と、それらの支柱の
    上端部にそれぞれ配置された肘(5)とを有し、 前記座が、その両側部の前後端間の中間位置を両側方の
    前記支柱の上下端間の中間位置にそれぞれ回動可能に支
    持されて略水平な使用位置と略垂直な起立位置との間で
    回動することができ、 前記背が、その下端部を前記座の後端部に回動可能に連
    結されるとともにその両側部の上下端間の中間位置をそ
    れぞれリンク部材(8)を介して両側方の前記支柱の上
    端部に連結され、前記リンク部材と前記座の側部と前記
    支柱とその背の側部とでその背の両側にそれぞれ四節リ
    ンク機構を構成して前記座と連動し、 前記肘が、略水平な使用位置とその位置よりも後端部が
    下方に下がった起立位置との間で回動可能に前記支柱の
    上端部に支持されるとともに、その起立位置へ向けて常
    時付勢され、かつその裏面にて前記リンク部材に対し掛
    合および離間可能とされている肘連動型座起立式椅子
    (1)に用いられるカップホルダーにおいて、 前記肘に支持されてその後端部から後方へ突出するとと
    もにカップ挿入口を有するカップ保持部材(12)と、 掛止位置と開放位置との間で移動可能に前記肘に支持さ
    れ、その掛止位置では前記支柱に設けられた掛合部(1
    4)と掛合して前記肘を前記使用位置に掛止し、その開
    放位置では前記掛合部から離間して前記肘の前記起立位
    置へ向かう回動を可能とする肘掛止部材(11)と、 前記肘掛止部材が前記開放位置に位置する時は前記カッ
    プ挿入口内へ突出することで前記カップ保持部材へのカ
    ップの載置を阻止し、前記肘掛止部材が前記掛止位置に
    位置する時は前記カップ挿入口内から後退することでそ
    のカップ保持部材へのカップの載置を可能にするカップ
    載置阻止部材(13)と、 を設けたことを特徴とする、肘連動型座起立式椅子用カ
    ップホルダー。
  2. 【請求項2】 前記カップ保持部材(12)は、前記肘掛
    止部材(11)に一体的に結合されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の肘連動型座起立式椅子用カップホル
    ダー。
  3. 【請求項3】 前記カップ載置阻止部材(13)は、前記
    肘掛止部材(11)に揺動可能に連結されて、前記肘掛止
    部材が前記開放位置に位置する時は前記肘の後端部に当
    接して前記カップ保持部材の前記カップ挿入口内へ揺動
    し、前記肘掛止部材が前記掛止位置に位置する時は前記
    肘の後端部から離間して前記カップ保持部材の前記カッ
    プ挿入口内から後退することを特徴とする、請求項1ま
    たは請求項2載置の肘連動型座起立式椅子用カップホル
    ダー。
JP10252856A 1998-09-07 1998-09-07 肘連動型座起立式椅子用カップホルダー Ceased JP2000079035A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017158631A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 愛知株式会社 椅子

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