JP2000078402A - 量子化方法及びその方法を用いた記録装置ならびに記憶媒体 - Google Patents

量子化方法及びその方法を用いた記録装置ならびに記憶媒体

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JP2000078402A
JP2000078402A JP11153694A JP15369499A JP2000078402A JP 2000078402 A JP2000078402 A JP 2000078402A JP 11153694 A JP11153694 A JP 11153694A JP 15369499 A JP15369499 A JP 15369499A JP 2000078402 A JP2000078402 A JP 2000078402A
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健太郎 矢野
Tetsuya Suwa
徹哉 諏訪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃淡記録や、大小記録等複数の階調で記録画
素を表現する際に、極めて負荷の軽い制御で疑似輪郭の
発生を防止した、高画質な画像を得ることができる量子
化方法及びその方法を用いた記録装置ならびに記憶媒体
を提供する。 【解決手段】 記録装置が淡ドット濃ドットそれぞれ3
階調表現でき1画素の入力データに対し、全部で5階調
記録できる場合、その5階調のそれぞれのドットを打つ
か否かを決定するために5つの量子化処理部を設けるの
ではなく、濃ドット用と淡ドット用の2つの量子化処理
部S3,S4でそれぞれ3値化処理し、記録レベルを決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は入力画像データを略
同一色相で階調が異なる複数の階調で記録する第1及び
第2の記録手段用のデータに量子化処理する量子化方法
及びその方法を用いた記録装置ならびに記憶媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年パソコンやワープロなどのOA機器
が広く普及してきており、これら機器で入力した情報を
プリントアウトする方法として、例えばインクジェット
方式、電子写真方式、ワイヤードット方式など種々の記
録方式が開発されてきている。現状のこれら記録方式で
は記録媒体上にドット(記録画素)を記録するかしない
かのいわゆる2値記録方式が主流であるが、記録画像は
パソコンやワープロなどの機能の進化に伴い写真画像や
DTP画像の出力なども一般的になってきており、滑ら
かな中間調表現の実現が強く望まれてきている。
【0003】2値記録装置で中間調を表現する代表的な
方法として「NIKKEI ELECTRONICS
1978.5.1」号のP50〜P65「ディザ法によ
る濃淡画像の2値表示」に開示されているように「ディ
ザ法」と呼ばれる表現方法がある。更に該ディザ法には
その量子化の特徴によって「組織的ディザ法」と「条件
付き決定法」の大きくは2つの方式に分類することがで
きる。該代表的な2値量子化方式について以下で簡単に
説明する。
【0004】組織的ディザ法では、始めに階調を表現す
る単位マトリクスを決定し該マトリクス内に記録する記
録画素数を制御することによって階調表現が行われる。
この組織的ディザ法によれば、例えば4*4の単位マト
リクスを例に説明すると、該単位マトリクスに記録する
記録画素数を0ドットから16ドットまで制御すること
により17段階の階調を表現できる。該組織的ディザ法
は後述の条件付き決定法と比べて相対的に処理が軽く高
速処理が可能であるが再現画像にテクスチャが生じ易く
一般的には写真調の自然画像には向かない。
【0005】ところが近年、例えばUSP511131
0に開示されているように、十分に大きなディザマトリ
クスを用い、量子化処理上は従来のディザ法と同等で高
速処理の特徴を継続しつつ、該マトリクスにブルーノイ
ズと称される空間周波数特性を示すパターンを割り付け
ることで視覚的に優れた中間調の再現を可能とした量子
化技術が知られている。(以後、ブルーノイズディザ法
と称する)。
【0006】ブルーノイズディザ法は、人間の目の感度
の優れた低周波成分のパワースペクトルを抑えて出力画
像のノイズ感を視覚的に抑制させる量子化方法である。
【0007】一方「条件付き決定法」としてはED(誤
差拡散)法が知られている。この2値化量子化法は、文
献R.W.Floyd and L.Steinber
g“An Adaptive Algorithm f
or Spatial Gray Scale” SI
D 75 Digest〈1976〉にその原理が公開
されているように、原画像の個々の画素濃度と記録装置
により記録される記録画素濃度との濃度差(誤差デー
タ)を演算し、該演算結果である誤差データを量子化前
の周辺画素に特定の重み付けを施して分散させながら量
子化していく階調表現方法である。これは、画素毎の量
子化誤差を未量子化画素に伝播しながら量子化を行なっ
ていく方式であるので、組織的ディザ法に比べ相対的に
処理は重く高速処理には不向きであるが原画像の濃度が
保存されるなど写真調の中間調画像を忠実に再現する量
子化手段として最も一般的に用いられている手法であ
る。
【0008】これら、ディザ法、誤差拡散法は、多値原
画素を1か0かの2値に量子化する方法だけでなく、多
値原画素を3値以上のn値の量子化レベルに量子化(n
値量子化)する方法も知られている。
【0009】組織的ディザ法のn値量子化方法としては
濃度パターン法がある。この量子化方法では入力画素の
レベルに応じて出力(記録)画素数を定義して2値記録
装置で1画素を複数階調表現させる。例えば入力画素が
8ビット(256階調)データである場合に該入力画素
データを16レベル毎に16階調に量子化し、該入力画
素レベルにしたがって出力パターンを一義的に対応させ
て記録を行わせる方法である。この時16段階の記録の
させ方として夫々異なった記録位置に記録ドットを配す
る方式と同じ記録位置に記録画素を重ね印字していく方
法、更には部分的に重ね印字していく方法など様々な工
夫が施される。また、複数のディザマトリクスを予め用
意しておき1入力画素を複数回(設定したディザマトリ
クスの枚数分)評価して該画素位置への記録回数を決定
する方法も有る。
【0010】また「条件付き決定法」のn値量子化の例
としては、特開平08−32805号公報に開示されて
いるように少なくとも3レベル以上の閾値を設けて誤差
拡散処理を行うn値誤差拡散法が知られている。
【0011】この様に、多値入力レベルを記録装置の出
力レベルに量子化する方法として各種手法が研究開示さ
れている。
【0012】一方上記各種の方式を用いて量子化した記
録データを用いて記録する記録装置としては、例えば濃
インクで記録画素形成を行う濃ドットと、略同一色相で
濃度の薄い淡インクで記録画素形成を行う淡ドットの組
み合わせで中間調表現を行う濃淡記録方式や、記録ドッ
トサイズを変調して記録画素を形成して中間調表現を行
う大小記録方式や、或いは双方の記録方式を組み合わせ
た大小濃淡方式など従来の同一ドットのみで中間調再現
を行う2値記録から、複数の階調を再現できる記録ドッ
トを形成できる記録装置が開発されている。
【0013】また忠実な中間調再現を行う手段として、
記録解像度も日進月歩で高められており、記録画素の高
画質化が急速に進んでいる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の高
画質化に対応した量子化方法及び記録装置、にあっては
次のような不具合がある。
【0015】濃淡記録の量子化として前記従来の3値量
子化方法を用いると出力画像のグラデーションにテクス
チャーや擬似輪郭が生じることが有る。3値量子化方法
では前記の通り入力画像データの1画素を0、1、2の
3値情報に量子化する方法であり、0は印字を行わない
画素、1は淡インクによりドットを印字する画素、2は
濃インクによりドットを印字する画素と対応づけられ
る。
【0016】ここで、人間は視覚特性上、一般に視覚系
のMTFとして説明される対象画像の空間周波数特性に
依存したフィルタリングされた画像を認識することとな
る。よって例えば3値化誤差拡散法を用いて低階調から
高階調へ変化する階調画像を記録する場合、ある階調の
全画素が淡記録ドットで印字された淡100%デューテ
ィーの後に濃ドットが印字されることとなる。出力解像
度にも依存するが、現状一般的な300DPI、600
DPI程度の解像度の記録装置を前提とした場合、淡の
印字ディーティーが100%となる直前では殆どがDC
成分となっておりドットとドット間のコントラストの差
を認識できない状態となっており、結果として2値記録
で有るにもかかわらず粒状態の少ない非常に滑らかな画
像と認識させられる。入力階調値が上がり該状態から更
に濃度を上げる為に濃ドットが入りはじめると、当初は
極めてまばらにしか濃ドットが入らないので、濃ドット
の混在による空間周波数は視覚特性上非常に感度の高い
低周波特性を示すこととなる。即ち視覚的に非常に滑ら
かに認識されていた画像から急激にざらついた粒状感の
高い画像に画像が切り替わることとなる。この時、出力
画像の濃度特性を入力画像の階調値と略等しく推移させ
ても、粒状感の急激な変化によってグラデーションの画
像上に輪郭を認識してしまう。これが濃淡画像で問題と
なる擬似輪郭の主要因の1つである。
【0017】またこの現象は入力階調レベル毎に記録さ
れた記録画像のRMS粒状度の変化の仕方から説明する
ことが出来る。該RMS粒状度は画像の粒状感を定量化
する一般的な手法であるが、上記従来の3値量子化方法
においては粒状感が滑らかなグラデーションの変化の途
中でRMS粒状度は急激に変化する。この変化が視覚的
に擬似輪郭として認識される。
【0018】このように濃淡記録の場合は2値記録の場
合に比べて画像弊害を起こし易い。この対策として、例
えば異なる色の量子化記録データを別々の量子化処理で
生成する考え方と同じように、濃記録データと淡記録デ
ータを別々に量子化処理(以後別プレーン処理と称す
る)すれば濃記録ドットと淡記録ドットのつなぎを制御
でき、これによって粒状感の具合いを制御し、上述のよ
うな記録ドットのパターンに依存した擬似輪郭の発生を
抑制することができる。
【0019】だが濃淡記録装置は写真調の画像を高品位
で出力することが望まれている記録装置であり当然記録
解像度も高く、色相が異なる複数の色データも処理しな
ければならず、別プレーン処理をするには負荷が重すぎ
て快適に動作させることが困難となる。特に、濃記録ド
ット、淡記録ドットがそれぞれ複数のレベルを有する場
合、例えば、それぞれ2レベルずつ有すると、1色に対
し、4プレーン処理しなければならず、構成が極めて複
雑化する欠点があった。
【0020】本発明は上述した従来技術の課題を解決す
るためになされたものであり、濃淡記録や、大小記録等
複数の階調で記録画素を表現する際に、極めて負荷の軽
い制御で疑似輪郭の発生を防止した、高画質な画像を得
ることができる量子化方法及びその方法を用いた記録装
置ならびに記憶媒体の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明の量子化方法は、入力画像データを略同一色
相で階調が異なる複数の階調で記録する第1及び第2の
記録手段用のデータに量子化処理する量子化方法におい
て、多値レベルの画像データを入力する入力工程と、第
1の記録手段用に前記入力した画像データを入力画像デ
ータのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処理
する第1の量子化工程と、第2の記録手段用に前記入力
した画像データを入力画像データのレベルよりも小さい
レベルのデータに量子化処理する第2の量子化工程と、
前記第1及び第2の記録手段のいずれか一方の記録手段
が複数の階調で画像を記録するように前記第1又は第2
の量子化工程の少なくともいずれか一方の量子化工程
が、入力画像データを3レベル以上の多値データに量子
化処理することを特徴とする。
【0022】また、本発明の記録装置は、入力画像デー
タを略同一色相で階調が異なる複数の階調で記録する第
1及び第2の記録手段を有する記録装置において、多値
レベルの画像データを入力する入力手段と、第1の記録
手段用に前記入力した画像データを入力画像データのレ
ベルよりも小さいレベルのデータに量子化処理する第1
の量子化処理手段と、第2の記録手段用に前記入力した
画像データを入力画像データのレベルよりも小さいレベ
ルのデータに量子化処理する第2の量子化処理手段と、
前記第1の量子化手段からの量子化結果に基づき第1及
び第2の階調で記録する第1及び第2の記録手段とを有
し、前記第1又は第2の量子化手段の少なくともいずれ
か一方を、入力画像データを3レベル以上の多値データ
に量子化処理する構成とし、前記第1及び第2の記録手
段のいずれか一方の記録手段は複数の階調で画像を記録
することを特徴とする。
【0023】また、本発明の記憶媒体は、入力画像デー
タを略同一色相で階調が異なる複数の階調で記録する第
1及び第2の記録手段用のデータに量子化処理するため
の制御プログラムをコンピュータ読み出し可能にする記
憶媒体であって、第1の記録手段用に入力した画像デー
タを入力画像データのレベルよりも小さいレベルのデー
タに量子化処理する第1の量子化工程モジュールと、第
2の記録手段用に入力した画像データを入力画像データ
のレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処理する
第2の量子化工程モジュールと、前記第1及び第2の量
子化工程からの結果を出力する出力工程モジュールを含
み、前記第1及び第2の記録手段のいずれか一方の記録
手段が複数の階調で画像を記録するように、前記第1又
は第2の量子化工程モジュールの少なくともいずれか一
方の量子化工程モジュールは入力画像データを3レベル
以上の多値データに量子化処理することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本実施の形態における量子化処理
は、濃淡記録、大小ドット記録、或いは大小濃淡記録な
ど、1次色のグラデーションの記録を複数階調の記録画
素を用いて記録する記録装置に用いられる。量子化方法
は、該複数の各記録手段毎に別々に入力データを量子化
する量子化手段を有し、且つ複数の階調画素記録手段の
少なくとも2つの階調画素記録手段が夫々重複して階調
記録を行う事によって階調を再現するオーバーラップ記
録領域を有し、該オーバーラップ記録領域において双方
の階調画素記録手段がともに記録レベルを上昇させる階
調記録領域を有する量子化手段を有する。該量子化方法
で量子化した量子化データで記録を行うことにより、各
記録手段毎に互いに独立に且つ最適に記録画素を配する
ことが可能になり、例えば淡記録部から濃記録部へのグ
ラデーションのつなぎ部で視覚的に滑らかな階調の再現
を実現することが可能となる。
【0025】更に、前記各々独立に量子化される独立プ
レーン毎のデータを、夫々n値データにプレーン内で量
子化する量子化手段を用いることにより、例えば記録解
像度よりも低解像度相当の画像処理で記録解像度相当の
中間調の再現を可能と出来るなど、画像処理全般の処理
の工数を大幅に削減した画像処理手段を提供することが
可能となる。
【0026】以上のように、記録手段毎に別々に量子化
する量子化手段と、該夫々の量子化にn値量子化手段を
用いることにより、複数階調の記録画素を記録できる記
録装置に於いて、高速且つ高画質に中間調を再現させる
ことが可能な量子化方法及び該量子化方法を用いた記録
装置を実現できる。
【0027】〔第1の実施の形態〕次に図面を参照して
具体的に説明する。
【0028】図2は本実施の形態が適用される画像処理
システムを示した図である。図においてホスト201は
CPU2011と、メモリ2012と、外部記憶201
3と、入力部2014と、プリンタとのインターフェイ
ス2015とを備えている。CPU2011はメモリ2
012に格納されたプログラムを実行することで後述す
る色処理、量子化処理の手順などを実現する。これらの
処理プログラムは外部記憶部2013に記憶され、或い
は外部装置から供給される。なお、ホスト201は量子
化処理に特化したハードウェアーを備え詳細に後述する
量子化の手順をそこで行わせることもできる。ホスト2
01はインターフェイス2015を介して記録装置20
2と接続されており、色処理を施した画像データを記録
装置205に送信して印刷記録を行わせる。
【0029】〈記録装置概要〉図3は記録装置202の
一例である。インクジェット方式の記録装置の斜視説明
図である。
【0030】先ず記録装置の全体構成を説明すると、図
3に於いて1は紙或いはプラスチックシートよりなる記
録シートであって、カセット等に複数枚積層されたシー
ト1が給紙ローラ(不図示)によって一枚ずつ供給さ
れ、一定間隔を隔てて配置され、夫々個々のステッピン
グモータ(図示せず)によって駆動する第1搬送ローラ
対3及び第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送
されるごとく構成されている。
【0031】5a〜5cは前記記録シート1に記録を行
うためのインクジェット式の記録ヘッドである。図3中
5aはシアン系のインクを吐出する記録ヘッドであり、
濃いシアンインクドットと淡いシアンインクドットの濃
淡のインクドットを吐出することが可能な記録ヘッドで
ある。以下同様に、5bは濃マゼンタドットと淡マゼン
タドットを記録する記録ヘッドであり、5cは濃イエロ
ードットと淡イエロードットを記録する記録ヘッドであ
り、5dは濃ブラックドットと淡ブラックドットを記録
する記録ヘッドである。更に各記録ヘッド5a〜5d
は、大きなドットと小さなドットを1つのノズルから打
ち分ける大小ドット記録が可能な記録ヘッドである。各
インクは不図示のインクカートリッジより夫々の記録ヘ
ッドに供給され、ノズルから画信号に応じて吐出され
る。1つの記録ヘッドの複数の記録ノズルを、複数のグ
ループにグループ分けして異なるインクの記録ドットを
吐出する技術、及び、1つのノズルからドットボリュー
ムの異なるドットを吐出する技術は公知でありここでの
詳細な説明は省略する。
【0032】記録ヘッド5及びインクカートリッジはキ
ャリッジ6に搭載され、該キャリッジ6にはベルト7及
びプーリ8a,8bを介してキャリッジモータ23が連
結している。従って、前記キャリッジモータ23の駆動
により前記キャリッジ6がガイドシャフト9に沿って往
復走査するように構成されている。
【0033】前記構成により、記録ヘッド5a〜5dが
矢印B方向に移動しながら画信号に応じてインクを記録
シート1に吐出してインク像を記録し、必要に応じて記
録ヘッド5a〜5dはホームポジションに戻ってインク
回復装置によりノズルの目づまりを解消すると共に、搬
送ローラ対3,4が駆動して記録シート1を矢印A方向
に1行分搬送する。これを繰り返すことによって記録シ
ート1に所定記録を行うものである。
【0034】次に前記記録装置の各部材を駆動させる為
の制御系について説明する。
【0035】この制御系は図4に示すように、例えばマ
イクロプロセッサ等のCPU20a,該CPU20aの
制御プログラムや各種データを格納しているROM20
b,及びCPU20aのワークエリアとして使用される
と共に、記録画像データなどの各種データの一時保管等
を行うRAM20c等を備えた制御系20、インターフ
ェイス21、操作パネル22、各種モータ(キャリッジ
駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用のモータ24、
第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ
対駆動用のモータ26)を駆動するためのドライバー2
7、及び記録ヘッド駆動用ドライバー28からなる。
【0036】上記制御部20はインターフェイス21を
介して操作パネル22からの各種情報(例えば文字ピッ
チ、文字種類等)や、外部装置29との画信号などのI
/O(情報の入出力)を行う。また前記制御部20はイ
ンターフェイス21を介して各モータ23〜26を駆動
させるためのON、OFF信号、及び画信号を出力し、
該画信号によって各部材を駆動させる。
【0037】〈画像処理概要〉次に、前記記録装置で記
録を行う記録データをホストで生成する場合の画像処理
方法について説明する。
【0038】図5は、入力されるRGB各8ビット(2
56階調)画像データを、CMYKの各濃インク画像各
2ビットデータと、C′M′Y′K′の各淡インク画像
各2ビットデータの、8プレーン各2ビット情報として
出力する画像処理フローである。
【0039】この処理はホスト201で実施される。
【0040】RGB各色8ビットデータはまず輝度濃度
変換ブロック501でCMY各色8ビットデータに変換
される。本実施の形態では以下に記すログ変換が行われ
る。
【0041】C0=(−255/2.4)*(log1
0〔R/255〕) M0=(−255/2.4)*(log10〔G/25
5〕)Y0=(−255/2.4)*(log10〔B
/255〕)
【0042】次にC0、M0、Y0各8ビットデータは
マスキングブロックにより色空間変換のためにマスキン
グ変換される。本実施の形態では入力CMYデータに
〔3*3〕の行列変換が施されC1、M1、Y1各色8
ビットのデータが出力される。
【0043】次に黒生成のUCR/BG処理が施され
る。本UCR/BGの処理では下色除去と黒生成が行わ
れ、C1、M1、Y1各色8ビットデータがC2、M
2、Y2、K各色8ビットデータに変換される。具体的
にはC1、M1、Y1の各色記録データの最小値uc
(uc=min〔CMY〕)をアンダーカラーとして各
C1、M1、Y1から除去(リムーブ)し、該除去した
最小値ucに応じてC1、M1、Y1及びKに黒生成成
分を追加してC2、M2、Y2、Kを生成する。
【0044】C2=C1−uc+CGR〔uc〕M2=
M1−uc+MGR〔uc〕Y2=Y1−uc+YGR
〔uc〕K=BGR〔uc〕
【0045】ここでCGR〔uc〕、MGR〔uc〕、
YGR〔uc〕がすべてのucに対してゼロの時、黒生
成はKインク画像のみにより行われる。該CGR〔u
c〕、MGR〔uc〕、YGR〔uc〕がucに応じて
値を有することにより、アンダーカラーとして除去した
黒成分の一部がKインクのデータとして、残りがC,
M,Yのカラー成分の混合(コンポジットBk)として
表現されることとなる。但し、本実施例では淡ブラック
インクを有しているので必ずしも上記下色除去、墨生成
工程は必要ない。
【0046】この後、出力γ補正が施され色処理は完了
しC3,M3,Y3,K3各色8ビットデータが生成さ
れる。
【0047】該色処理完了データは前記の通り8ビット
の階調レベルを有しており記録装置の出力レベルに変換
されていないので、該出力レベルに変換する量子化処理
が施される。C、M、Y、K各色ともに濃ドットと淡ド
ットによる記録が可能であるので、色処理が施されたC
MYK各色のデータは、各色毎に濃画素記録用の量子化
と淡画素出力用の量子化の、夫々少なくとも2回の量子
化処理が施されることとなる(該量子化方法の詳細は後
述)。また本実施の形態では該各量子化が3値量子化さ
れるので、量子化処理完了後は、濃画素記録用の量子化
データC,M,Y,K各色2ビット情報、及び淡画素記
録用の量子化データC′,M′,Y′,K′各色2ビッ
ト情報に量子化され、該量子化データが記録装置に転送
される事によって濃淡記録が行われる。
【0048】〈量子化詳細〉本実施例の記録装置は、記
録解像度は縦横双方向とも600DPIの濃淡記録装置
であり、A4サイズ(8インチ*10インチ)の記録の
為に2880万画素のデータを生成する必要があり、デ
ータ処理に要する工数の多さと、濃淡記録のつなぎ部で
擬似輪郭の発生が懸念されるが次のような量子化方法を
用いることにより該問題の発生を抑制している。
【0049】図1は入力8ビットデータを記録装置の出
力5値データに変換する量子化方法を説明する説明図で
ある。例えば入力レベルが150/255の階調レベル
であった場合を例として説明すると、入力レベル150
が別々に濃記録濃記録量子化処理、淡記録量子化処理さ
れる。ここで、各階調レベルと量子化レベルの対応表を
図6に記す。図6(a)は淡記録に対応する量子化レベ
ルの対応表であり、図6(b)は濃記録に対応する量子
化レベルの対応表である。図6から明らかなように濃、
淡、夫々量子化レベルは3値であり、淡記録では入力
「0から21」までが出力レベル0、以下「22から6
2」が出力レベル1、「63から170」が出力レベル
1、「171から200」が出力レベル2、「201か
ら255」が出力レベル0に対応する。濃記録では同様
に「0から62」が出力レベル0、「63から170」
が出力レベル1、「171から200」が出力レベル
1、「201から255」が出力レベル2に相当する。
各記録画素の記録レベルを図7に記す。淡画素の量子化
レベル1に対応した種類の記録ドットが濃度レベル43
の記録に相当し、淡記録2がレベル85に相当する。ま
た濃記録1が濃度レベル85に相当し、濃記録2が濃度
レベル255に夫々相当する。また、量子化により発生
する誤差の伝播位置及び伝播係数を図8に記す。量子化
対象画素で発生した誤差の129/256が右隣の未量
子化画素に、また70/256、37/256、20/
256の比率が図8に記す下方の未量子化画素に夫々伝
播される。
【0050】ここで図1に戻って説明を継続する。入力
画像の量子化対象位置の画素の階調レベルが150であ
るので、該レベル150が図6の濃淡の量子化レベルと
突き合わされる。即ち入力レベル150に対する淡画素
の出力レベルは「1」、濃画素の出力レベル「1」が決
定される。次いで各々の誤差を計算する。淡画素1の出
力レベルは図7から「43」、濃画素1の出力レベルは
図7から「85」となる。即ち入力レベル150の画素
位置に出力レベル43の画素を1画素と、85の画素を
1画素(合計128)出力したことにより、総合的な過
不足、即ち量子化誤差は「+22」となる。該画素位置
に22レベル少なく記録が行われたことを意味する。該
誤差「+22」を図8に従って誤差伝播する。隣の12
9/255の割合が伝播される位置には「+11」レベ
ルが伝播され、以下同様に下方のラスターの画素に夫々
「+6」「+3」「+1」の誤差が伝播され、原画像の
入力レベルが夫々150であったのが夫々「161」
「156」「153」「151」と補正される。
【0051】以下同様に誤差伝播しながら入力多値レベ
ルが出力装置の出力可能な量子化レベルに量子化され
る。
【0052】本実施の形態における量子化方法に於いて
は、入力の8ビット(0〜255)の中の「21から6
2」までの階調値が淡インクの記録ドットによって再現
され、「201から255」までの階調値が濃インクの
記録ドットによって再現される。その間の「62から2
00」は入力階調値は淡ドットと濃ドットを混在させる
ことによって表現されることとなる。そして、「62か
ら200」までは、淡ドット、濃ドット双方記録レベル
が上昇する領域である。
【0053】ここで上記量子化で濃淡ドットのつなぎを
行ったことによる効果について説明する。
【0054】本実施の形態では、記録装置が表現できる
ドットの階調数は前記の通り5階調である。即ち入力画
素の8ビット256階調値を記録装置の該5階調情報に
量子化することとなる。
【0055】図9は従来の5値ED量子化方法で量子化
した場合の各階調値とRMS粒状度をグラフに記した図
である。図9から明らかなように、濃と淡の記録ドット
が切り替わる図中Aの階調値で粒状感が急激に変化して
いる様子が分かる。つまり従来方式では前記A階調前後
の階調値を有するグラデーションを再現させた時、まさ
に該A階調値の近傍で明らかな画像の変化が現れ擬似的
な輪郭として認知されてしまう、よって、該画像弊害を
抑制するために、全階調の階調の再現域において滑らか
に粒状感が推移するグラデーションを保証する必要があ
る。本実施の形態では、前述の通り淡画素による階調再
現の過渡期にオーバーラップさせて濃画素による記録を
付加してこのオーバーラップ領域に、淡画素、濃画素双
方がともに記録レベルを上昇させる領域を設けたので、
淡画素の記録密度が上がって淡画素により生じる粒状感
が急激に減少していくのに応じて濃画素の出現により生
じる粒状感が増していき、全体としては粒状感の急激な
変化を招くことなく淡画素記録から濃画素記録への滑ら
かなつなぎを実現することが可能となる。尚、上記RM
S粒状度を計算する上で、アパーチャー径は記録解像度
とし、一般的なRMS粒状度を求める場合同様、各階調
の平均濃度から該アパーチャーで測定した各測定値の偏
差の二重和の平方根を取った値としたが、アパーチャー
径のサイズや各5階調の記録ドットの発色濃度が変化す
れば勿論図9のグラフを相対的な形は変わってくる。し
かし、本実施の形態の5値化に限らず多値ED量子化方
法を用いて複数の階調ドット再現手段を有する記録装置
で記録を行えば、前記濃ドットと淡ドットのつながり部
の様に階調ドットの記録手段毎のつながり部で必ず粒状
感が急激に変化する階調再現個所が原理的に存在してし
まう。本実施の形態の方式では、該粒状感の急激な変化
を互いに補間する方向に制御できるので該問題点を抑制
することが可能となる。
【0056】図10は本実施の形態における量子化処理
を説明するためのフローチャートであり、このフローチ
ャートは、ホスト201のCPU2011で実施され
る。
【0057】ステップS1では、注目画素のデータを入
力する。ステップS2では、注目画素周辺の量子化処理
で発生した誤差データを注目画素の入力データに加算し
誤差補正を行う。ここで、注目画素周辺の量子化処理で
発生した誤差データはメモリ2012にストアされてい
る。
【0058】ステップS3では、誤差補正されている入
力データのレベルが図6(a)のどの量子化レベルに属
するかを判別し、濃ドットのレベルを決定する。
【0059】ステップS4では、誤差補正されている入
力データのレベルが図6(b)のどの量子化レベルに属
するかを判別し、淡ドットレベルを決定する。
【0060】ステップS5ではステップS3,S4で決
定した濃ドットレベルと淡ドットレベルに対応するそれ
ぞれの再現濃度レベル(図7)を合計し、注目画素の実
際の再現濃度を求める。
【0061】ステップS6では、ステップS2で誤差補
正されたデータと、ステップS6で計算された、注目画
素の再現濃度との差を求め、これを誤差データとする。
この誤差データは重みを乗じられて、メモリ2012に
ストアされる。
【0062】ステップS7では量子化結果を記録装置へ
出力する。
【0063】以上の処理は、ステップS8の判断に基づ
き最終画素のデータの処理が終了するまで続けられる。
【0064】本実施の形態では淡ドット、濃ドットが夫
々3階調表現でき、ドットの階調性として表現できる全
5階調であるが、この5階調夫々対応させて5プレーン
処理させる場合と比較して、前述の通り濃と淡の2プレ
ーン処理で、各プレーン内を3値量子化処理したので、
大幅な処理工数の低減が実現できる。本実施例の形態で
は、各プレーン内で3値表現の実現手段は、大ドットと
小ドットを打ち分けることにより実現しているが、打ち
込むドット数を制御する方法によって再現させる方法で
あっても勿論良い。
【0065】また、本実施の形態に於いて画像弊害を招
くことなく同一プレーン内は多値量子化処理にて量子化
できるのは、所定位置に例えば大小のドットを打ち分け
る方式においては多値量子化手段を用いても前記RMS
粒状度に変極点が現れないことを以って実現された方式
だからである。
【0066】また本実施の形態では前記大小のドットを
打ち分けることでプレーン内のドット単位の階調再現を
行ったが、基本解像度に打ち込むドットの数を変化させ
る方式でプレーン内のドットの階調再現をさせても勿論
良い。
【0067】更には、記録(基本)解像度が600DP
Iである記録装置に、300DPI相当のピクセル解像
度で画像処理を行い各プレーンを5値量子化して擬似的
に600DPI記録を行う系に応用することも勿論出来
る。なお、本実施の形態では、濃ドットレベル、淡ドッ
トレベルを共に3値化する例を説明したが、少なくとも
1つのドットレベルを多値化する場合でも、本発明は用
いることができる。
【0068】この様に、濃淡インク記録やマルチサイズ
ドット記録など略同一色相の記録画素を少なくとも2種
類以上の複数の階調で記録する複数階調画素記録手段を
有する記録装置において、該複数階調画素記録手段毎に
別プレーン処理で量子化処理する別プレーン量子化手段
と、少なくとも1つの該プレーンに相当する入力情報を
更に少なくとも3値以上に量子化するn値量子化手段
と、1次色の階調を再現記録する時に上記複数階調画素
記録手段の少なくとも2つの階調画素記録手段が夫々重
複して記録を行い階調再現を行うオーバーラップ記録手
段と、該オーバーラップ領域において双方の階調画素記
録手段がともに記録レベルを上昇させる階調記録領域を
設けたことにより、大きな処理負荷をかけることなく高
速に、擬似輪郭などの画素弊害を誘発することなく滑ら
かな階調再現を可能となる。
【0069】〔第2の実施の形態〕次に第2の実施の形
態として組織的ディザ法を混在して用いる例について説
明する。
【0070】前記実施の形態では濃淡どちらのプレーン
の量子化にも条件付き法のED処理を用いたが、本実施
の形態では淡プレーンの量子化として従来の技術で述べ
たブルーノイズディザ法による2値化処理を用いる。つ
まり淡インクは、ドットを打つか打たないかだけの記録
制御となる。
【0071】本実施の形態で用いるブルーノイズディザ
は、記録画像の低域空間周波数成分が低減されており、
前記の通り視覚的にED処理した画像に近い高画像品位
で中間調画像の出力を行うことが可能である量子化方法
である。(但し、該マトリクス生成方法や更に詳しい特
徴については前記「USP5111310」で開示され
ており公知の技術であるのでここでの更なる詳細な説明
は省略する。)ディザ法はED方に比べ構成が簡単であ
る。
【0072】よって、淡記録画像のプレーンの量子化方
法としてブルーノイズディザ法を用いることで、処理工
数を増大させることなく視覚的に好ましい中間調の再現
を可能にでき、写真調の画像を再現させる手段として適
している。
【0073】更に組織的ディザ法を淡画像に適応させる
事により新たな効果が期待できる。
【0074】ブルーノイズディザ法は前記の通りマスク
を用いて量子化する方法であるので各階調毎のドットの
印字比率を容易に制御出来る。例えば該ディザマスクサ
イズを256*256のサイズで8ビット階調処理を行
う場合、原則として該マスクには評価値として0〜25
5までの数値が各256個配されることとなる。これは
前記ED処理の場合も同様で、一定面積にドットが配さ
れる個数は階調値に応じて決まり、同ED処理に於いて
も例えば256*256のエリアに記録されるドット数
は階調レベルが1階調上昇する度に平均で256ドット
増加することとなる。勿論出力γ補正によって入力階調
値が1階調上がっても出力階調値が1階調上昇するとは
限らないが、最小単位の入力階調値の増減に対して出力
ドット数は変わらないか、若しくは処理ビット数に応じ
たドットが付加されて打ち込まれる事に変わりはない。
【0075】記録密度を増減させる面積階調手段で階調
を表現する記録装置に於いて、最もその粒状感が出やす
い個所の1つが最小単位の階調値を表現するところ、即
ち本実施の形態では1/256の階調値を表現する個所
近傍であるが、8ビット処理では必ず256*256の
単位面積の中にはドットを全く打たないか若しくは25
6個のドットを打ち込まなくてはならない。もし、粒状
感の顕著に現れる低階調部のドットの入れ方をもっと少
ない入れ方で制御しようとすると、該処理のビット数を
上げなくてはならない。しかし、最も粒状感の目立つ低
階調部の量子化方法を、即ち淡インク記録の量子化方法
をブルーノイズディザとすることで、容易にドットの配
される数を制御することが可能となる。本実施の形態で
は始めの8階調、即ち1〜8階調値までのドットの出現
頻度を正規の出現頻度よりも少なくすることでハイライ
ト部の粒状感を更に低減させる。
【0076】具体的には8ビット階調の256*256
のディザマスクに於いて、階調値を「n」、階調値nの
時に印字されるドット数をNnとした時0<n≦8→N
n=N(n−1)+256−256/(2*n)n=9
→N9=N8+2569<n≦246→Nn=N(n−
1)+257246<n≦255→Nn=N(n−1)
+258(但し、nは自然数、N0=0)
【0077】即ち、ハイライト部ではドットは相対的に
少なめに入りはじめ、規定数のドットが配さないことに
より生じるひずみを以降の全体階調により吸収させてい
る。
【0078】多くの場合記録装置の記録ドットは解像度
相当の記録ドットよりも1割ないし2割大きめに設定さ
れている。これは記録を行う上での誤差を吸収する目的
など複号的な理由により大きく設定されている場合が多
い。よって階調値に比例したドット数の記録を行うと希
望濃度よりも高濃度となってしまうので前記出力γ補正
で調整している。
【0079】該観点からして必ずしも階調値通りの記録
ドット数を記録必要はなく、トータル品質で、即ち特に
ハイライト部など中間調を視覚的に最も高画質に再現さ
せる手段として極めて有効な手段となる。
【0080】尚、本第2の実施の形態では2値のディザ
法で量子化する場合について説明したが、前記第1の実
施の形態のように多値量子化して適用できることは言う
までもない。この場合、1つの入力画素に対し、複数の
ディザマトリクスの閾値を割り当て多値量子化する。
【0081】〔その他の実施の形態〕前記実施の形態で
は、淡プレーンの量子化と濃プレーンの量子化を夫々E
DとED(第1の実施の形態)、及びディザとED(第
2の実施の形態)で実現させたが、淡プレーンの量子化
にED、濃プレーンの量子化にディザで実現させても勿
論良い。前記実施の形態では記録媒体にドットが記録さ
れ始める個所での粒状感を重視して、空間周波数的には
EDに若干及ばない場合があるもののドットの増減のさ
せ方で優位性の有るディザを低階調部を表現させるプレ
ーンの量子化に用いたが、低階調部を表現する手段であ
る例えば淡インクが十分に薄く、むしろ濃インクドット
の粒状感をより重視する必要がある系に於いては、濃プ
レーンの方にブルーノイズディザに代表されるような空
間周波数特性を有するディザを持ってくることで、画像
品位を向上できる。
【0082】又、前記実施の形態では、主にダーク部の
階調を表現するプレーンと主にハイライト部を表現する
プレーンを、濃ドット記録と淡ドット記録に限定して説
明してきたが、本発明は濃淡記録に限定されるものでは
なく、大小ドット記録等にも適用できる。またプレーン
分解は濃淡に限らず、濃中淡やそれ以上の分解であって
も勿論良い。
【0083】この様に本実施の形態によれば、略同系統
色の記録画素を複数の記録手段により記録できる記録手
段と、出力できる記録画素(ドット)の種類に応じて別
々のプレーンで量子化処理する別プレーン量子化手段
と、少なくとも1つのプレーンの記録画素をn値化量子
化によって量子化する量子化手段と、略同系統色の複数
の記録手段を用いて1次色のグラデーションを記録する
際に主にハイライト部を記録する記録手段による記録と
ダーク部を記録する記録手段による記録の双方の記録レ
ベルがともに上昇する階調表現域を持つ量子化手段を有
することにより、濃淡記録や大小記録など1つの記録画
素を複数の階調値で記録することが可能な記録装置に於
いて、大きな処理負荷をかけることなく高速に、擬似輪
郭などの画像弊害を誘発することなく滑らかな階調再現
が可能となる。
【0084】なお、以上の実施形態において、特にイン
クジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生す
る手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前
記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方
式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成
できる。
【0085】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0086】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0087】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558383号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0088】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0089】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0090】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0091】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置することもでき
る。
【0092】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。
【0093】加えて、積極的にエネルギーによる昇温を
インクの固形状態から液体状態への状態変化への状態エ
ネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するた
め、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固
化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いず
れにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によっ
てインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記
録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよ
うな、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質
のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。こ
のような場合インクは、特開昭54−56847号公報
あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるよ
うな、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形
物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向
するような形態としてもよい。本発明においては、上述
した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸
騰方式を実行するものである。
【0094】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0095】また本発明は、例えば、ホストコンピュー
タ、インターフェイス機器,リーダ,プリンタ等の複数
のデバイスによって構成されるシステムにも適用でき、
更に、例えば、複写機、ファクシミリ装置等の単体の装
置に適用できる。
【0096】また、前述した実施形態の機能を実現する
ソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体
を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムある
いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記
憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する
ことにも適用できる。
【0097】この場合、記憶媒体から読み出されたプロ
グラムコード自体が、上述した実施形態の機能を実現す
ることになる、そのプログラムコードを記憶した記憶媒
体は本発明を構成することになる。
【0098】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM等
を用いることができる。
【0099】また、コンピュータが読み出したプログラ
ムコードを実行することにより、上述した実施形態の機
能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指
示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペ
レーティングシステム)等が実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって、上述した実施形態の機能
が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの・指
示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに
備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって、上述した実施形態の機能が実現され
る場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】
【発明の効果】以上説明した如く本発明によれば、濃淡
記録や、大小記録等複数の階調で記録画素を表現する際
に、極めて負荷の軽い制御で疑似輪郭の発生を防止し
た、高画質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態における量子化方法を説明するた
めの図である。
【図2】ホストと記録装置の関係を示した図である。
【図3】記録装置の主要部の機構を示した斜視図であ
る。
【図4】記録装置の構成を示したブロック図である。
【図5】画像処理の流れを説明するための図である。
【図6】濃淡各プレーンの入力階調値と、量子化レベル
の関係を示した図である。
【図7】量子化レベルと印字される濃度レベルとの関係
を示した図である。
【図8】量子化により発生する誤差を拡散する際の各線
テーブルを示した図である。
【図9】淡インクと濃いインクの切り替わり部分で、粒
状間が急激に変わるのを説明するための図である。
【図10】本実施の形態における量子化処理で実施され
る制御フローチャート図である。
【符号の説明】
1 記録シート 3 第1搬送ローラ 4 第2搬送ローラ 5 記録ヘッド 6 キャリッジ 7 ベルト 8a,8b プーリ 9 ガイドシャフト 10 インクカートリッジ 20 制御部 20a CPU 20b ROM 20c RAM

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像データを略同一色相で階調が異
    なる複数の階調で記録する第1及び第2の記録手段用の
    データに量子化処理する量子化方法において、 多値レベルの画像データを入力する入力工程と、 第1の記録手段用に前記入力した画像データを入力画像
    データのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処
    理する第1の量子化工程と、 第2の記録手段用に前記入力した画像データを入力画像
    データのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処
    理する第2の量子化工程と、 前記第1及び第2の記録手段のいずれか一方の記録手段
    が複数の階調で画像を記録するように前記第1又は第2
    の量子化工程の少なくともいずれか一方の量子化工程
    が、入力画像データを3レベル以上の多値データに量子
    化処理することを特徴とする量子化方法。
  2. 【請求項2】 入力画像データを略同一色相で階調が異
    なる複数の階調で記録する第1及び第2の記録手段を有
    する記録装置において、 多値レベルの画像データを入力する入力手段と、 第1の記録手段用に前記入力した画像データを入力画像
    データのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処
    理する第1の量子化処理手段と、 第2の記録手段用に前記入力した画像データを入力画像
    データのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処
    理する第2の量子化処理手段と、 前記第1の量子化手段からの量子化結果に基づき第1及
    び第2の階調で記録する第1及び第2の記録手段とを有
    し、 前記第1又は第2の量子化手段の少なくともいずれか一
    方を、入力画像データを3レベル以上の多値データに量
    子化処理する構成とし、 前記第1及び第2の記録手段のいずれか一方の記録手段
    は複数の階調で画像を記録することを特徴とする記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の記録手段はそれぞ
    れ、インク液滴を記録媒体に付着させることにより記録
    を行うインクジェット方式により画像を記録することを
    特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の記録手段は淡インク
    及び濃インクで画像を記録することを特徴とする請求項
    3に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第1または第2の記録手段は複数の
    階調で記録する場合、インク滴の大きさを制御すること
    を特徴とする請求項4記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記入力した画像データのレベルに応じ
    て、前記第1及び第2の記録手段の両方の記録手段を用
    いて記録するとともに、両方の記録手段がともに記録レ
    ベルを上昇させながら記録を行う領域を有することを特
    徴とする請求項2記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 入力画像データを略同一色相で階調が異
    なる複数の階調で記録する第1及び第2の記録手段用の
    データに量子化処理するための制御プログラムをコンピ
    ュータ読み出し可能にする記録媒体であって、 第1の記録手段用に入力した画像データを入力画像デー
    タのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処理す
    る第1の量子化工程モジュールと、 第2の記録手段用に入力した画像データを入力画像デー
    タのレベルよりも小さいレベルのデータに量子化処理す
    る第2の量子化工程モジュールと、 前記第1及び第2の量子化工程からの結果を出力する出
    力工程モジュールを含み、 前記第1及び第2の記録手段のいずれか一方の記録手段
    が複数の階調で画像を記録するように、前記第1又は第
    2の量子化工程モジュールの少なくともいずれか一方の
    量子化工程モジュールは入力画像データを3レベル以上
    の多値データに量子化処理することを特徴とする記憶媒
    体。
JP11153694A 1998-06-18 1999-06-01 量子化方法及びその方法を用いた記録装置ならびに記憶媒体 Withdrawn JP2000078402A (ja)

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