JP2000077206A - チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法 - Google Patents

チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2000077206A
JP2000077206A JP10246783A JP24678398A JP2000077206A JP 2000077206 A JP2000077206 A JP 2000077206A JP 10246783 A JP10246783 A JP 10246783A JP 24678398 A JP24678398 A JP 24678398A JP 2000077206 A JP2000077206 A JP 2000077206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
main electrode
sub
inner layer
conductive polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10246783A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ikeda
隆志 池田
Koichi Morimoto
光一 森本
Kiyoshi Ikeuchi
揮好 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10246783A priority Critical patent/JP2000077206A/ja
Publication of JP2000077206A publication Critical patent/JP2000077206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermistors And Varistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 面実装対応が可能で、かつ内部電極と側面電
極との長期的な接続信頼性において優れているチップ形
PTCサーミスタを提供することを目的とする。 【解決手段】 導電性ポリマ11の内部に位置して第
1、第2の主電極12a,12cに平行に設けられた奇
数の内層主電極15aと、前記内層主電極15aと同じ
面に位置し、かつこの内層主電極15aと独立した奇数
の内層副電極15bとを備え、前記内層主電極15aお
よび内層副電極15bを前記第1、第2の側面電極13
a,13bとの接続部付近で下向きに傾斜する形状に構
成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正の温度係数(P
ositive Temperature Coefficient、以下「PTC」
と記す)特性を有する導電性ポリマを用いたチップ形P
TCサーミスタおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PTCサーミスタは過電流保護素子とし
て使用でき、電気回路に過電流が流れると、PTC特性
を有する導電性ポリマが自己発熱し、導電性ポリマが熱
膨張して高抵抗に変化し、電流を安全な微小領域まで減
衰させるものである。
【0003】以下、従来のPTCサーミスタについて説
明する。従来のPTCサーミスタとしては、特開昭61
−10203号公報に示されているように複数枚の導電
性ポリマと電極とが交互に積層され、対向する側面に引
出し部を備えたPTCサーミスタが開示されている。
【0004】図19は従来のPTCサーミスタの断面図
である。図19において、1a,1b,1cは架橋され
たポリエチレン等の高分子材料にカーボンブラック等の
導電性粒子が混在された導電性ポリマである。2a,2
b,2c,2dは導電性ポリマ1a,1b,1cの始端
および終端に開口部3を交互に有するように導電性ポリ
マ1a,1b,1cの上下面に設けられた銅またはニッ
ケル等からなる電極で、この電極2a,2b,2c,2
dと導電性ポリマ1a,1b,1cとを交互に積層する
ことにより積層体4としている。5a,5bは積層体4
の側面に、電極2a,2b,2c,2dの一端と電気的
に接続するように設けられた引出し部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のPTCサーミスタの構造では、構成材料間の熱膨張
係数の大きな差(例えば、銅は1.62×10-5/K、
ニッケルは5.3×10 -5/K、ポリエチレンは約5×
10-4/Kで特に130度以上では更に1桁大きくな
る。)により、PTCサーミスタの動作時等の機械的応
力で電極2a,2cと引出し部5aとの接続部、および
電極2b,2dと引出し部5bとの接続部がクラック等
により劣化したり、時には断線にまで至るという問題点
を有していた。
【0006】また、引出し部5aが導電性ポリマ1cの
最下部まで伸びていないため、面実装部品として対応で
きないという問題点も有していた。そこで、引出し部5
aを導電性ポリマ1cの最下部まで伸ばして、面実装に
対応できるような構造にした場合のチップ形PTCサー
ミスタの2積層品、3積層品の断面図をそれぞれ図20
(a),(b)に示す。また、図21に3積層品をプリ
ント基板にはんだ付けした場合の断面図を示す。6a,
6bはプリント基板のランドであり、7a,7bははん
だフィレットである。しかし、このように面実装に対応
できる構造とした場合でも、電極2a,2b,2c,2
dと引出し部5a,5bとの接続部(特に内部に挟み込
まれている電極2b,2cと引出し部5a,5bとの接
続部8)がクラック等により劣化し、時には断線にまで
至るという問題点を有していた。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、面実装対応が可能で、かつ内層電極と引出し部であ
る側面電極との長期的な接続信頼性において優れている
チップ形PTCサーミスタを提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のチップ形PTCサーミスタは、直方体形状を
したPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポ
リマの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主
電極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立し
た第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対
向する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主
電極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立し
た第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の主電
極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
の側面全面および前記第1の主電極と前記第2の主電極
とに回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1
の副電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するよう
に前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面
全面および前記第1の副電極と前記第2の副電極とに回
り込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリ
マの内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設
けられた奇数の内層主電極と、前記内層主電極と同じ面
に位置し、かつこの内層主電極と独立した奇数の内層副
電極とを備え、前記内層主電極および内層副電極を前記
第1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜す
る形状に構成したもので、この構成によれば、面実装対
応が可能で、かつ内層電極と引出し部である側面電極と
の長期的な接続信頼性において優れているチップ形PT
Cサーミスタを提供することができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、直方体形状をしたPTC特性を有する導電性ポリマ
と、前記導電性ポリマの第1面に位置する第1の主電極
と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、かつ前記第1
の主電極と独立した第1の副電極と、前記導電性ポリマ
の前記第1面に対向する第2面に位置する第2の主電極
と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、かつ前記第2
の主電極と独立した第2の副電極と、前記第1の主電極
と前記第2の主電極とを電気的に接続するように前記導
電性ポリマの一方の側面全面および前記第1の主電極と
前記第2の主電極とに回り込むように設けた第1の側面
電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電極とを電気
的に接続するように前記導電性ポリマの一方の側面に対
向する他方の側面全面および前記第1の副電極と前記第
2の副電極とに回り込むように設けた第2の側面電極
と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第1、第2
の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極と、前記
内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主電極と独
立した奇数の内層副電極とを備え、前記内層主電極およ
び内層副電極を前記第1、第2の側面電極との接続部付
近で下向きに傾斜する形状に構成したもので、この構成
によれば、内層主電極および内層副電極を第1、第2の
側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成
しているため、通常、機械的応力の集中しやすい内層電
極と第1、第2の側面電極との接続部に対して、下側か
らの機械的応力の集中を少なくすることができ、これに
より、内層主電極、内層副電極と第1、第2の側面電極
との長期的な接続信頼性において優れたものが得られる
という作用を有するものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の副電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の副電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の主電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた偶数の内層主電極と、前記内層主電極と同じ面に
位置し、かつこの内層主電極と独立した偶数の内層副電
極とを備え、前記内層主電極および内層副電極を前記第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成したもので、この構成によれば、内層主電極
および内層副電極を第1、第2の側面電極との接続部付
近で下向きに傾斜する形状に構成しているため、通常、
機械的応力の集中しやすい内層電極と側面電極との接続
部に対して、下側からの機械的応力の集中を少なくする
ことができ、これにより、内層主電極、内層副電極と第
1、第2の側面電極との長期的な接続信頼性において優
れたものが得られるという作用を有するものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の主電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の主電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の副電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた奇数の内層主電極と、前記内層主電極と同じ面に
位置し、かつこの内層主電極と独立した奇数の内層副電
極とを備え、前記内層主電極および内層副電極を前記第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成するとともに、前記内層主電極および内層副
電極と前記第1、第2の側面電極との接続部付近におけ
る前記内層主電極および内層副電極の下向きに傾斜する
面とは反対側の欠如部に前記第1、第2の側面電極を延
在させたもので、この構成によれば、内層電極と側面電
極との接続面積を大幅に増やすことができ、これによ
り、通常、機械的応力の集中しやすい内層電極と側面電
極との接続部に対して、下側および上側の両方からの機
械的応力の集中を少なくすることができるため、内層主
電極、内層副電極と第1、第2の側面電極との長期的な
接続信頼性において優れたものが得られるという作用を
有するものである。
【0012】請求項4に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の副電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の副電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の主電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた偶数の内層主電極と、前記内層主電極と同じ面に
位置し、かつこの内層主電極と独立した偶数の内層副電
極とを備え、前記内層主電極および内層副電極を前記第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成するとともに、前記内層主電極および内層副
電極と前記第1、第2の側面電極との接続部付近におけ
る前記内層主電極および内層副電極の下向きに傾斜する
面とは反対側の欠如部に前記第1、第2の側面電極を延
在させたもので、この構成によれば、内層電極と側面電
極との接続面積を大幅に増やすことができ、これによ
り、通常、機械的応力の集中しやすい内層電極と側面電
極との接続部に対して、下側および上側の両方からの機
械的応力の集中を少なくすることができるため、内層主
電極、内層副電極と第1、第2の側面電極との長期的な
接続信頼性において優れたものが得られるという作用を
有するものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、PTC特性を有
する導電性ポリマの上下面をパターン形成した内層主電
極および内層副電極で挟み加熱加圧成形により一体化し
て第1のシートを形成する工程と、前記一体化した第1
のシートの上下面にPTC特性を有する導電性ポリマを
配置するとともにこのPTC特性を有する導電性ポリマ
の上下面をパターン形成した電極で挟んで積層し加熱加
圧成形により一体化する工程を一回または二回以上繰り
返して積層し第2のシートを形成する工程と、前記一体
化した第2のシートに打ち抜きプレスにより開口部を設
けるとともに前記内層主電極および内層副電極を下向き
に傾斜させる工程と、前記開口部を設けた第2のシート
の上下面に保護コートを形成する工程と、前記開口部を
設けかつ前記保護コートを形成した第2のシートに電解
ニッケルめっきにより側面電極を形成する工程と、前記
側面電極を形成した第2のシートを個片状に切断する工
程とを備えたもので、この製造方法によれば、一体化し
た第2のシートに打ち抜きプレスにより開口部を設ける
とともに内層主電極および内層副電極を下向きに傾斜さ
せるようにしているため、通常、機械的応力の集中しや
すい内層電極と側面電極との接続部に対して、下側から
の機械的応力の集中を少なくすることができ、これによ
り、内層主電極、内層副電極と側面電極との長期的な接
続信頼性において優れたものを製造することができると
いう作用を有するものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、PTC特性を有
する導電性ポリマの上下面をパターン形成した内層主電
極および内層副電極で挟み加熱加圧成形により一体化し
て第1のシートを形成する工程と、前記一体化した第1
のシートの上下面にPTC特性を有する導電性ポリマを
配置するとともにこのPTC特性を有する導電性ポリマ
の上下面をパターン形成した電極で挟んで積層し加熱加
圧成形により一体化する工程を一回または二回以上繰り
返して積層し第2のシートを形成する工程と、前記一体
化した第2のシートに打ち抜きプレスにより開口部を設
けるとともに前記内層主電極および内層副電極を下向き
に傾斜させる工程と、前記開口部を設けた第2のシート
の少なくとも前記開口部の内壁にブラスト加工を施し前
記内層主電極および内層副電極を下向きに傾斜させた面
とは反対側部分の導電性ポリマを除去する工程と、前記
ブラスト加工を施した第2のシートの上下面に保護コー
トを形成する工程と、前記保護コートを形成した第2の
シートに電解ニッケルめっきにより側面電極を形成する
工程と、前記側面電極を形成した第2のシートを個片状
に切断する工程とを備えたもので、この製造方法によれ
ば、一体化した第2のシートに打ち抜きプレスにより開
口部を設けるとともに内層主電極および内層副電極を下
向きに傾斜させ、さらに開口部を設けた第2のシートの
少なくとも開口部の内壁にブラスト加工を施し内層主電
極および内層副電極を下向きに傾斜させた面とは反対側
部分の導電性ポリマを除去するようにしているため、第
2のシートに側面電極を形成した場合、この側面電極が
前記導電性ポリマの除去部分に入り込むことになり、通
常、機械的応力の集中しやすい内層電極と側面電極との
接続部に対して、下側および上側の両方からの機械的応
力の集中を少なくすることができるため、内層主電極、
内層副電極と側面電極との長期的な接続信頼性において
優れたものを製造することができるという作用を有する
ものである。
【0015】請求項7に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の主電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の主電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の副電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた奇数の内層主電極とを備え、前記内層主電極を、
前記第2の側面電極との接続部付近、もしくは前記第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成したもので、この構成によれば、内層主電極
を、第2の側面電極との接続部付近、もしくは第1、第
2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する形状に
構成しているため、通常、機械的応力の集中しやすい内
層主電極と第2の側面電極との接続部付近、もしくは第
1、第2の側面電極との接続部に対して、下側からの機
械的応力の集中を少なくすることができ、これにより、
内層主電極と側面電極との長期的な接続信頼性において
優れたものが得られるという作用を有するものである。
【0016】請求項8に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の副電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の副電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の主電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた偶数の内層主電極とを備え、前記内層主電極を前
記第1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜
する形状に構成したもので、この構成によれば、内層主
電極を第1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに
傾斜する形状に構成しているため、通常、機械的応力の
集中しやすい内層主電極と側面電極との接続部に対し
て、下側からの機械的応力の集中を少なくすることがで
き、これにより、内層主電極と第1、第2の側面電極と
の長期的な接続信頼性において優れたものが得られると
いう作用を有するものである。
【0017】請求項9に記載の発明は、直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポリ
マの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立した
第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対向
する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主電
極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立した
第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の主電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面全面および前記第1の主電極と前記第2の主電極と
に回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1の
副電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するように
前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面全
面および前記第1の副電極と前記第2の副電極とに回り
込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリマ
の内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設け
られた奇数の内層主電極とを備え、前記内層主電極を、
前記第2の側面電極との接続部付近、もしくは前記第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成するとともに、前記内層主電極の下向きに傾
斜する面とは反対側の欠如部に前記第2の側面電極、も
しくは前記第1、第2の側面電極を延在させたもので、
この構成によれば、内層主電極と側面電極との接続面積
を大幅に増やすことができ、これにより、通常、機械的
応力の集中しやすい内層主電極と側面電極との接続部に
対して、下側および上側の両方からの機械的応力の集中
を少なくすることができるため、内層主電極と第2の側
面電極、もしくは内層主電極と第1、第2の側面電極と
の長期的な接続信頼性において優れたものが得られると
いう作用を有するものである。
【0018】請求項10に記載の発明は、直方体形状を
したPTC特性を有する導電性ポリマと、前記導電性ポ
リマの第1面に位置する第1の主電極と、前記第1の主
電極と同じ面に位置し、かつ前記第1の主電極と独立し
た第1の副電極と、前記導電性ポリマの前記第1面に対
向する第2面に位置する第2の主電極と、前記第2の主
電極と同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極と独立し
た第2の副電極と、前記第1の主電極と前記第2の副電
極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
の側面全面および前記第1の主電極と前記第2の副電極
とに回り込むように設けた第1の側面電極と、前記第1
の副電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよう
に前記導電性ポリマの一方の側面に対向する他方の側面
全面および前記第1の副電極と前記第2の主電極とに回
り込むように設けた第2の側面電極と、前記導電性ポリ
マの内部に位置して前記第1、第2の主電極に平行に設
けられた偶数の内層主電極とを備え、前記内層主電極を
前記第1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾
斜する形状に構成するとともに、前記内層主電極と前記
第1、第2の側面電極との接続部付近における前記内層
主電極の下向きに傾斜する面とは反対側の欠如部に前記
第1、第2の側面電極を延在させたもので、この構成に
よれば、内層主電極と側面電極との接続面積を大幅に増
やすことができ、これにより、通常、機械的応力の集中
しやすい内層主電極と側面電極との接続部に対して、下
側および上側の両方からの機械的応力の集中を少なくす
ることができるため、内層主電極と第1、第2の側面電
極との長期的な接続信頼性において優れたものが得られ
るという作用を有するものである。
【0019】請求項11に記載の発明は、PTC特性を
有する導電性ポリマの上下面をパターン形成した内層主
電極で挟み加熱加圧成形により一体化して第1のシート
を形成する工程と、前記一体化した第1のシートの上下
面にPTC特性を有する導電性ポリマを配置するととも
にこのPTC特性を有する導電性ポリマの上下面をパタ
ーン形成した電極で挟んで積層し加熱加圧成形により一
体化する工程を一回または二回以上繰り返して積層し第
2のシートを形成する工程と、前記一体化した第2のシ
ートに打ち抜きプレスにより開口部を設けるとともに前
記内層主電極を下向きに傾斜させる工程と、前記開口部
を設けた第2のシートの上下面に保護コートを形成する
工程と、前記開口部を設けかつ前記保護コートを形成し
た第2のシートに電解ニッケルめっきにより側面電極を
形成する工程と、前記側面電極を形成した第2のシート
を個片状に切断する工程とを備えたもので、この製造方
法によれば、一体化した第2のシートに打ち抜きプレス
により開口部を設けるとともに内層主電極を下向きに傾
斜させるようにしているため、通常、機械的応力の集中
しやすい内層主電極と側面電極との接続部に対して、下
側からの機械的応力の集中を少なくすることができ、こ
れにより、内層主電極と側面電極との長期的な接続信頼
性において優れたものを製造することができるという作
用を有するものである。
【0020】請求項12に記載の発明は、PTC特性を
有する導電性ポリマの上下面をパターン形成した内層主
電極で挟み加熱加圧成形により一体化して第1のシート
を形成する工程と、前記一体化した第1のシートの上下
面にPTC特性を有する導電性ポリマを配置するととも
にこのPTC特性を有する導電性ポリマの上下面をパタ
ーン形成した電極で挟んで積層し加熱加圧成形により一
体化する工程を一回または二回以上繰り返して積層し第
2のシートを形成する工程と、前記一体化した第2のシ
ートに打ち抜きプレスにより開口部を設けるとともに前
記内層主電極を下向きに傾斜させる工程と、前記開口部
を設けた第2のシートの少なくとも前記開口部の内壁に
ブラスト加工を施し前記内層主電極を下向きに傾斜させ
た面とは反対側部分の導電性ポリマを除去する工程と、
前記ブラスト加工を施した第2のシートの上下面に保護
コートを形成する工程と、前記保護コートを形成した第
2のシートに電解ニッケルめっきにより側面電極を形成
する工程と、前記側面電極を形成した第2のシートを個
片状に切断する工程とを備えたもので、この製造方法に
よれば、一体化した第2のシートに打ち抜きプレスによ
り開口部を設けるとともに内層主電極を下向きに傾斜さ
せ、さらに開口部を設けた第2のシートの少なくとも開
口部の内壁にブラスト加工を施し内層主電極を下向きに
傾斜させた面とは反対側部分の導電性ポリマを除去する
ようにしているため、第2のシートに側面電極を形成し
た場合、この側面電極が前記導電性ポリマの除去部分に
入り込むことになり、通常、機械的応力の集中しやすい
内層主電極と側面電極との接続部に対して、下側および
上側の両方からの機械的応力の集中を少なくすることが
できるため、内層主電極と側面電極との長期的な接続信
頼性において優れたものを製造することができるという
作用を有するものである。
【0021】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1におけるチップ形PTCサーミスタについて図面を
参照しながら説明する。
【0022】図1(a)は本発明の実施の形態1におけ
るチップ形PTCサーミスタの斜視図、図1(b)は図
1(a)のA−A′線断面図である。
【0023】図1(a),(b)において、11は結晶
性ポリマである高密度ポリエチレンと導電性粒子である
カーボンブラックとの混合物からなる直方体形状をした
PTC特性を有する導電性ポリマである。12aは前記
導電性ポリマ11の第1面に位置する第1の主電極であ
り、12bは前記第1の主電極12aと同じ面に位置
し、かつ前記第1の主電極12aと独立した第1の副電
極であり、12cは前記導電性ポリマ11の第1面に対
向する第2面に位置する第2の主電極であり、12dは
前記第2の主電極12cと同じ面に位置し、かつ前記第
2の主電極12cと独立した第2の副電極であり、それ
ぞれ電解銅箔等からなる。13aは前記導電性ポリマ1
1の一方の側面全面および前記第1の主電極12aの端
縁部と前記第2の主電極12cの端縁部とに回り込むよ
うに設けられ、かつ前記第1の主電極12aと前記第2
の主電極12cとを電気的に接続するニッケルめっき層
からなる第1の側面電極であり、13bは前記第1の側
面電極13aに対向する前記導電性ポリマ11の他方の
側面全面および前記第1の副電極12bと前記第2の副
電極12dとに回り込むように設けられ、かつ前記第1
の副電極12bと前記第2の副電極12dとを電気的に
接続するニッケルめっき層からなる第2の側面電極であ
る。14a,14bは前記導電性ポリマ11の第1面と
第2面の最外層に設けられたエポキシ混合アクリル系樹
脂からなる第1、第2の保護コートである。15aは前
記導電性ポリマ11の内部に前記第1の主電極12aと
前記第2の主電極12cに平行に設けられ、かつ前記第
2の側面電極13bとの接続部付近で下向きに傾斜する
ように構成された内層主電極であり、15bは前記内層
主電極15aと同じ面に位置し、かつ前記内層主電極1
5aと独立し、前記第1の側面電極13aとの接続部付
近で下向きに傾斜するように構成された内層副電極であ
る。
【0024】以上のように構成された本発明の実施の形
態1におけるチップ形PTCサーミスタについて、以下
にその製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0025】図2(a)〜(c)および図3(a)〜
(e)は、本発明の実施の形態1におけるチップ形PT
Cサーミスタの製造方法を示す工程図である。
【0026】まず、結晶化度70〜90%の高密度ポリ
エチレン42重量%と、ファーネス法で製造した平均粒
径58nm、比表面積38m2/gのカーボンブラック
57重量%と、酸化防止剤1重量%とを約170℃に加
熱した2本熱ロールにより約20分間混合し、そして前
記混合物を2本熱ロールからシート状で取り出し、図2
(a)に示す厚みが約0.16mmのシート状の導電性
ポリマ21を作製した。
【0027】次に、約80μmの電解銅箔に金型プレス
によりパターン形成を行い、図2(b)に示す電極22
を作製した。
【0028】次に、図2(c)に示すように、シート状
の導電性ポリマ21と電極22を交互に重ね、温度15
0℃、真空度約30Torr、面圧力約50kg/cm
2で約1分間の真空熱プレスにより加熱加圧成形し、図
3(a)に示す一体化したシート23を得た。その後、
一体化したシート23を熱処理(110℃〜120℃で
1時間)した後、電子線照射装置内で電子線を約40M
rad照射し、高密度ポリエチレンの架橋を行った。
【0029】次に、図3(b)に示すように、打ち抜き
プレスにより、細長い一定間隔の開口部24を所望のチ
ップ形PTCサーミスタの長手方向幅を残して形成する
とともに、一体化したシート23の内部に挟み込まれて
いる電極22(内層主電極および内層副電極)の開口部
24付近を下向きに傾斜させた。
【0030】次に、図3(c)に示すように、開口部2
4を形成したシート23の上下面に開口部24の周辺を
除いて、エポキシ混合アクリル系のUV硬化と熱硬化と
の併用硬化型樹脂をスクリーン印刷し、UV硬化炉で片
面ずつ仮硬化し、その後、熱硬化炉で両面同時に本硬化
を行って保護コート25を形成した。
【0031】次に、図3(d)に示すようにシート23
の保護コートが形成されていない部分と開口部24の内
壁に、スルファミン酸ニッケル浴中で約30分間、電流
密度約4A/dm2の条件で、約15μmのニッケルめ
っき層からなる側面電極26を形成した。
【0032】その後、図3(d)に示すシート23をダ
イシングにより個片に分割し、図3(e)に示す本発明
のチップ形PTCサーミスタ27を作製した。
【0033】チップ形PTCサーミスタは、過電流が流
れたときなどに保護動作(導電性ポリマが熱膨張して高
抵抗に変化)する部品である。保護動作時には、導電性
ポリマの熱膨張により大きな機械的応力が発生し、その
繰り返しにより電極の接続部分などを劣化させる恐れが
ある。そのため、長期的な接続信頼性の確保が非常に重
要である。
【0034】以下に、本発明において前述の接続信頼性
を向上させるために、内層主電極15aおよび内層副電
極15bを第1、第2の側面電極13a,13bとの接
続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したことによる
効果について説明する。
【0035】本発明の実施の形態1に記載した製造方法
で、内層主電極15aおよび内層副電極15bを第1、
第2の側面電極13a,13bとの接続部付近で下向き
に傾斜させたチップ形PTCサーミスタと比較するため
に、図3(b)に示した開口部24を形成する工程だけ
を打ち抜きプレスからダイシングに変更し、内層主電極
15aおよび内層副電極15bを第1、第2の側面電極
13a,13bとの接続部付近で下向きに傾斜させない
サンプルを作製した。
【0036】第1、第2の主電極12a,12c、内層
主電極15a、第1、第2の副電極12b,12d、内
層副電極15bと第1、第2の側面電極13a,13b
との接続信頼性を確認するために以下の試験を行った。
【0037】試験は前述の内層主電極15aおよび内層
副電極15bを下向きに傾斜させたサンプルと、内層主
電極15aおよび内層副電極15bを下向きに傾斜させ
ないサンプルとをそれぞれ20個ずつプリント基板に実
装し、熱膨張収縮の加速試験として、トリップサイクル
試験(6Vの直流電源に接続し、40Aの過電流を流し
て保護動作(トリップ)させ、そのまま6秒間ONし、
60秒間OFFするのを1サイクルとした試験)を60
00サイクルまで行い、それぞれ3000,6000サ
イクル後に10個ずつ抜き取り評価した。
【0038】それぞれのサンプルを第1、第2の側面電
極13a,13bに対して垂直に研磨していき、断面を
観察して、第1、第2の主電極12a,12c、内層主
電極15a、第1、第2の副電極12b,12d、内層
副電極15bと第1、第2の側面電極13a,13bと
の接続部分へのクラック発生の有無を確認した。試験の
結果、内層主電極15aおよび内層副電極15bを下向
きに傾斜させたサンプルは6000サイクル後でもクラ
ックは発生しなかった。比較例としての内層主電極15
aおよび内層副電極15bを下向きに傾斜させないサン
プルは3000サイクル後で10個中1個に、6000
サイクル後では10個中3個に、第2の側面電極13b
と内層主電極15aとの接続部分で、内層主電極15a
にクラックが発生した(図4参照)。
【0039】なお、内層主電極15aおよび内層副電極
15bを下向きに傾斜させたサンプルを上下逆にしてプ
リント基板に実装し、同様の加速試験を行い評価したと
ころ、これにおいては、3000サイクル後で10個中
3個に、6000サイクル後では10個中5個に、第2
の側面電極13bと内層主電極15aとの接続部分で、
内層主電極15aにクラックが発生しており(図5参
照)、内層主電極15aおよび内層副電極15bを下向
きに傾斜させないサンプルより悪い結果となった。
【0040】内層主電極15aおよび内層副電極15b
は上向きではなく、下向きに傾斜させることが重要であ
り、これにより、下側からの機械的応力の集中を少なく
することができるため、接続信頼性を向上させることが
できるものである。
【0041】以上のことから、本発明の実施の形態1に
よれば、面実装対応が可能で、かつ電極12a,12
b,12c,12d,15a,15bと引出し部である
側面電極13a,13bとの長期的な接続信頼性におい
て優れているチップ形PTCサーミスタを提供できると
いう効果を有するものである。
【0042】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2におけるチップ形PTCサーミスタについて図面を
参照しながら説明する。図6は本発明の実施の形態2に
おけるチップ形PTCサーミスタの断面図である。
【0043】図6において、31は結晶性ポリマである
高密度ポリエチレンと導電性粒子であるカーボンブラッ
クとの混合物からなる直方体形状をしたPTC特性を有
する導電性ポリマである。32aは前記導電性ポリマ3
1の第1面に位置する第1の主電極であり、32bは前
記第1の主電極32aと同じ面に位置し、かつ前記第1
の主電極32aと独立した第1の副電極であり、32c
は前記導電性ポリマ31の第1面に対向する第2面に位
置する第2の主電極であり、32dは前記第2の主電極
32cと同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極32c
と独立した第2の副電極であり、それぞれ電解銅箔等か
らなる。33aは前記導電性ポリマ31の一方の側面全
面および前記第1の主電極32aの端縁部と前記第2の
副電極32dとに回り込むように設けられ、かつ前記第
1の主電極32aと前記第2の副電極32dとを電気的
に接続するニッケルめっき層からなる第1の側面電極で
あり、33bは前記第1の側面電極33aに対向する前
記導電性ポリマ31の他方の側面全面および前記第1の
副電極32bと前記第2の主電極32cの端縁部とに回
り込むように設けられ、かつ前記第1の副電極32bと
前記第2の主電極32cとを電気的に接続するニッケル
めっき層からなる第2の側面電極である。34a,34
bはエポキシ混合アクリル系樹脂からなる第1、第2の
保護コートである。35aは前記導電性ポリマ31の内
部に前記第1の主電極32aと前記第2の主電極32c
に平行に設けられ、かつ前記第2の側面電極33bとの
接続部付近で下向きに傾斜するように構成された第1の
内層主電極であり、35bは前記第1の内層主電極35
aと同じ面に位置し、かつ前記第1の内層主電極35a
と独立し、前記第1の側面電極33aとの接続部付近で
下向きに傾斜するように構成された第1の内層副電極で
あり、35cは前記導電性ポリマ31の内部に前記第1
の主電極32aと前記第2の主電極32cに平行に設け
られ、かつ前記第2の側面電極33aとの接続部付近で
下向きに傾斜するように構成された第2の内層主電極で
あり、35dは前記第2の内層主電極35cと同じ面に
位置し、かつ前記第2の内層主電極35cと独立し、前
記第1の側面電極33bとの接続部付近で下向きに傾斜
するように構成された第2の内層副電極である。
【0044】続いて、本発明の実施の形態2におけるチ
ップ形PTCサーミスタの製造方法について図面を参照
しながら説明する。
【0045】図7(a)〜(c)、図8(a),(b)
および図9(a)〜(e)は本発明の実施の形態2にお
ける製造方法を示す工程図である。
【0046】まず、本発明の実施の形態1と同様に図7
(a)に示すシート状の導電性ポリマ41を作製し、約
80μmの電解銅箔に金型プレスでパターン形成を行
い、図7(b)に示す電極42を作製した。
【0047】次に図7(c)に示すようにシート状の導
電性ポリマ41と電極42を交互に重ね、加熱加圧成形
して、図8(a)に示す一体化した第1のシート43を
作製した。
【0048】次に図8(b)に示すように第1のシート
43の両側から、2枚のシート状の導電性ポリマ41
と、2枚の電極42を電極42が最外層にくるように交
互に積層し、加熱加圧成形して図9(a)に示す第2の
シート44を作製した。
【0049】以下、図9(b),(c)に示すように本
発明の実施の形態1と同様に開口部45と保護コート4
6を形成していき、そして側面電極47を形成する工程
ではスルファミン酸ニッケル浴中で約50分間、電流密
度約4A/dm2でニッケルめっき層を約25μmの厚
みで形成した。
【0050】その後、図9(d)に示す第2のシート4
4をダイシングにより個片に分割し、図9(e)に示す
本発明のチップ形PTCサーミスタ48を作製した。
【0051】以下に、本発明において、第1、第2の内
層主電極35a,35cおよび第1、第2の内層副電極
35b,35dを第1、第2の側面電極33a,33b
との接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したこと
による効果について説明する。
【0052】本発明の実施の形態2に記載した製造方法
で、第1、第2の内層主電極35a,35cおよび第
1、第2の内層副電極35b,35dを第1、第2の側
面電極33a,33bとの接続部付近で下向きに傾斜さ
せたチップ形PTCサーミスタと比較するために、図9
(b)に示した開口部45を形成する工程だけを打ち抜
きプレスからダイシングに変更し、第1、第2の内層主
電極35a,35cおよび第1、第2の内層副電極35
b,35dを第1、第2の側面電極33a,33bとの
接続部付近で下向きに傾斜させないサンプルを作製し
た。
【0053】第1、第2の内層主電極35a,35c、
第1、第2の内層副電極35b,35dと第1、第2の
側面電極33a,33bとの接続信頼性を確認するため
に以下の試験を行った。
【0054】試験は前述の第1、第2の内層主電極35
a,35cおよび第1、第2の内層副電極35b,35
dを下向きに傾斜させたサンプルと、第1、第2の内層
主電極35a,35cおよび第1、第2の内層副電極3
5b,35dを下向きに傾斜させないサンプルとをそれ
ぞれ20個ずつプリント基板に実装し、熱膨張収縮の加
速試験として、トリップサイクル試験(6Vの直流電源
に接続し、40Aの過電流を流して保護動作(トリッ
プ)させ、そのまま6秒間ONし、60秒間OFFする
のを1サイクルとした試験)を6000サイクルまで行
い、それぞれ3000,6000サイクル後に10個ず
つ抜き取り評価した。
【0055】それぞれのサンプルを第1、第2の側面電
極33a,33bに対して垂直に研磨していき、断面を
観察して、第1、第2の内層主電極35a,35c、第
1、第2の内層副電極35b,35dと第1、第2の側
面電極33a,33bとの接続部分へのクラック発生の
有無を確認した。試験の結果、第1、第2の内層主電極
35a,35cおよび第1、第2の内層副電極35b,
35dを下向きに傾斜させたサンプルは6000サイク
ル後でもクラックは発生しなかった。比較例としての第
1、第2の内層主電極35a,35cおよび第1、第2
の内層副電極35b,35dを下向きに傾斜させないサ
ンプルは3000サイクル後で10個中3個に、600
0サイクル後では10個中7個に、第1の側面電極33
aと第2の内層主電極35cとの接続部分で、第2の内
層主電極35cにクラックが発生した(図10参照)。
【0056】なお、第1、第2の内層主電極35a,3
5cおよび第1、第2の内層副電極35b,35dを下
向きに傾斜させたサンプルを上下逆にしてプリント基板
に実装し、同様の加速試験を行い評価したところ、これ
においては、3000サイクル後で10個中4個に、6
000サイクル後では10個中9個に、第1の側面電極
33aと第2の内層主電極35cとの接続部分で、第2
の内層主電極35cにクラックが発生しており(図11
参照)、第1、第2の内層主電極35a,35cおよび
第1、第2の内層副電極35b,35dを下向きに傾斜
させないサンプルより悪い結果となった。
【0057】第1、第2の内層主電極35a,35cお
よび第1、第2の内層副電極35b,35dは上向きで
はなく、下向きに傾斜させることが重要であり、これに
より、下側からの機械的応力の集中を少なくすることが
できるため、接続信頼性を向上させることができるもの
である。
【0058】以上のことから、本発明の実施の形態2に
よれば、面実装対応が可能で、かつ電極32a,32
b,32c,32d,35a,35b,35c,35d
と引出し部である側面電極33a,33bとの長期的な
接続信頼性において優れているチップ形PTCサーミス
タを提供できるという効果を有するものである。
【0059】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3におけるチップ形PTCサーミスタについて図面を
参照しながら説明する。
【0060】図12(a)は本発明の実施の形態1にお
けるチップ形PTCサーミスタの斜視図、図12(b)
は図12(a)のB−B′線断面図である。
【0061】図12(a),(b)において、51は結
晶性ポリマである高密度ポリエチレンと導電性粒子であ
るカーボンブラックとの混合物からなる直方体形状をし
たPTC特性を有する導電性ポリマである。52aは前
記導電性ポリマ51の第1面に位置する第1の主電極で
あり、52bは前記第1の主電極52aと同じ面に位置
し、かつ前記第1の主電極52aと独立した第1の副電
極であり、52cは前記導電性ポリマ51の第1面に対
向する第2面に位置する第2の主電極であり、52dは
前記第2の主電極52cと同じ面に位置し、かつ前記第
2の主電極52cと独立した第2の副電極であり、それ
ぞれ電解銅箔等からなる。53aは前記導電性ポリマ5
1の一方の側面全面および前記第1の主電極52aの端
縁部と前記第2の主電極52cの端縁部とに回り込むよ
うに設けられ、かつ前記第1の主電極52aと前記第2
の主電極52cとを電気的に接続するニッケルめっき層
からなる第1の側面電極であり、53bは前記第1の側
面電極53aに対向する前記導電性ポリマ51の他方の
側面全面および前記第1の副電極52bと前記第2の副
電極52dとに回り込むように設けられ、かつ前記第1
の副電極52bと前記第2の副電極52dとを電気的に
接続するニッケルめっき層からなる第2の側面電極であ
る。54a,54bは前記導電性ポリマ51の第1面と
第2面の最外層に設けられたエポキシ混合アクリル系樹
脂からなる第1、第2の保護コートである。55aは前
記導電性ポリマ51の内部に前記第1の主電極52aと
前記第2の主電極52cに平行に設けられ、かつ前記第
2の側面電極53bとの接続部付近で下向きに傾斜する
ように構成された内層主電極であり、55bは前記内層
主電極55aと同じ面に位置し、かつ前記内層主電極5
5aと独立し、前記第1の側面電極53aとの接続部付
近で下向きに傾斜するように構成された内層副電極であ
る。
【0062】なお、第1、第2の側面電極53a,53
bは、内層主電極55a、内層副電極55bが下向きに
傾斜する面とは反対側の欠如部にまで延在するように構
成した。
【0063】以上のように構成された本発明の実施の形
態3におけるチップ形PTCサーミスタについて、以下
にその製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0064】図13(a)〜(c)および図14(a)
〜(e)は、本発明の実施の形態3におけるチップ形P
TCサーミスタの製造方法を示す工程図である。
【0065】まず、結晶化度70〜90%の高密度ポリ
エチレン42重量%と、ファーネス法で製造した平均粒
径58nm、比表面積38m2/gのカーボンブラック
57重量%と、酸化防止剤1重量%とを約170℃に加
熱した2本熱ロールにより約20分間混合し、そして前
記混合物を2本熱ロールからシート状で取り出し、図1
3(a)に示す厚みが約0.16mmのシート状の導電
性ポリマ61を作製した。
【0066】次に、約80μmの電解銅箔に金型プレス
によりパターン形成を行い、図13(b)に示す電極6
2を作製した。
【0067】次に、図13(c)に示すように、シート
状の導電性ポリマ61と電極62を交互に重ね、温度1
50℃、真空度約30Torr、面圧力約50kg/c
2で約1分間の真空熱プレスにより加熱加圧成形し、
図14(a)に示す一体化したシート63を得た。その
後、一体化したシート63を熱処理(110℃〜120
℃で1時間)した後、電子線照射装置内で電子線を約4
0Mrad照射し、高密度ポリエチレンの架橋を行っ
た。
【0068】次に、図14(b)に示すように、打ち抜
きプレスにより、細長い一定間隔の開口部64を所望の
チップ形PTCサーミスタの長手方向幅を残して形成す
るとともに、一体化したシート63の内部に挟み込まれ
ている電極62(内層主電極および内層副電極)の開口
部64付近を下向きに傾斜させた。その後、ブラスト加
工により、一体化したシート63の上下面および開口部
64の内壁を粗面化するとともに、開口部64の内壁に
おける電極62(内層主電極および内層副電極)を下向
きに傾斜させた面とは反対側部分の導電性ポリマ61を
除去した。
【0069】次に、図14(c)に示すように、開口部
64を形成したシート63の上下面に開口部64の周辺
を除いて、エポキシ混合アクリル系のUV硬化と熱硬化
との併用硬化型樹脂をスクリーン印刷し、UV硬化炉で
片面ずつ仮硬化し、その後、熱硬化炉で両面同時に本硬
化を行って保護コート65を形成した。
【0070】次に、図14(d)に示すようにシート6
3の保護コートが形成されていない部分と開口部64の
内壁に、スルファミン酸ニッケル浴中で約30分間、電
流密度約4A/dm2の条件で、約15μmのニッケル
めっき層からなる側面電極66を形成した。この場合、
側面電極66は前記導電性ポリマ61の除去部分にも入
り込んだ形で形成されるものである。
【0071】その後、図14(d)に示すシート63を
ダイシングにより個片に分割し、図14(e)に示す本
発明のチップ形PTCサーミスタ67を作製した。
【0072】以下に、本発明において、内層主電極55
aおよび内層副電極55bを第1、第2の側面電極53
a,53bとの接続部付近で下向きに傾斜する形状に構
成するとともに、下向きに傾斜する面とは反対側の欠如
部に第1、第2の側面電極53a,53bを延在させた
ことによる効果について説明する。
【0073】本発明の実施の形態3に記載した製造方法
で、内層主電極55aおよび内層副電極55bを第1、
第2の側面電極53a,53bとの接続部付近で下向き
に傾斜する形状に構成するとともに、下向きに傾斜する
面とは反対側の欠如部に第1、第2の側面電極53a,
53bを延在させたチップ形PTCサーミスタを作製
し、第1、第2の主電極52a,52c、内層主電極5
5a、第1、第2の副電極52b,52d、内層副電極
55bと第1、第2の側面電極53a,53bとの接続
信頼性を確認するために以下の試験(実施の形態1と同
様の試験)を行った。
【0074】試験は上記サンプル20個をプリント基板
に実装し、熱膨張収縮の加速試験として、トリップサイ
クル試験(6Vの直流電源に接続し、40Aの過電流を
流して保護動作(トリップ)させ、そのまま6秒間ON
し、60秒間OFFするのを1サイクルとした試験)を
6000サイクルまで行い、それぞれ3000,600
0サイクル後に10個ずつ抜き取り評価した。
【0075】上記サンプルを第1、第2の側面電極53
a,53bに対して垂直に研磨していき、断面を観察し
て、第1、第2の主電極52a,52c、内層主電極5
5a、第1、第2の副電極52b,52d、内層副電極
55bと第1、第2の側面電極53a,53bとの接続
部分へのクラック発生の有無を確認した。試験の結果、
内層主電極55aおよび内層副電極55bを下向きに傾
斜させるとともに、下向きに傾斜する面とは反対側の欠
如部に第1、第2の側面電極53a,53bを延在させ
たサンプルは3000サイクルおよび6000サイクル
後でもクラックは発生しなかった。
【0076】また、上記サンプルを上下逆にしてプリン
ト基板に実装し、同様の加速試験を行い評価したものに
ついても、3000サイクルおよび6000サイクル後
でもクラックは発生しなかった。
【0077】上記本発明の実施の形態1で説明した加速
試験結果と比べて、本発明の実施の形態3においては、
上下どちら向きに実装されても接続信頼性を確保できて
いることから、内層主電極55aおよび内層副電極55
bは下向きに傾斜させるとともに、下向きに傾斜する面
とは反対側の欠如部に第1、第2の側面電極53a,5
3bを延在させることにより、内層主電極55aおよび
内層副電極55bと第1、第2の側面電極53a,53
bとの接続面積を増やすことができ、かつ上下両方から
の機械的応力の集中を少なくすることができるため、接
続信頼性をさらに向上させることができるものである。
【0078】以上のことから、本発明の実施の形態3に
よれば、面実装対応が可能で、かつ電極52a,52
b,52c,52d,55a,55bと引出し部である
側面電極53a,53bとの長期的な接続信頼性におい
て優れているチップ形PTCサーミスタを提供できると
いう効果を有するものである。
【0079】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4におけるチップ形PTCサーミスタについて図面を
参照しながら説明する。図15は本発明の実施の形態4
におけるチップ形PTCサーミスタの断面図である。
【0080】図15において、71は結晶性ポリマであ
る高密度ポリエチレンと導電性粒子であるカーボンブラ
ックとの混合物からなる直方体形状をしたPTC特性を
有する導電性ポリマである。72aは前記導電性ポリマ
71の第1面に位置する第1の主電極であり、72bは
前記第1の主電極72aと同じ面に位置し、かつ前記第
1の主電極72aと独立した第1の副電極であり、72
cは前記導電性ポリマ71の第1面に対向する第2面に
位置する第2の主電極であり、72dは前記第2の主電
極72cと同じ面に位置し、かつ前記第2の主電極72
cと独立した第2の副電極であり、それぞれ電解銅箔等
からなる。73aは前記導電性ポリマ71の一方の側面
全面および前記第1の主電極72aの端縁部と前記第2
の副電極72dとに回り込むように設けられ、かつ前記
第1の主電極72aと前記第2の副電極72dとを電気
的に接続するニッケルめっき層からなる第1の側面電極
であり、73bは前記第1の側面電極73aに対向する
前記導電性ポリマ71の他方の側面全面および前記第1
の副電極72bと前記第2の主電極72cの端縁部とに
回り込むように設けられ、かつ前記第1の副電極72b
と前記第2の主電極72cとを電気的に接続するニッケ
ルめっき層からなる第2の側面電極である。74a,7
4bはエポキシ混合アクリル系樹脂からなる第1、第2
の保護コートである。75aは前記導電性ポリマ71の
内部に前記第1の主電極72aと前記第2の主電極72
cに平行に設けられ、かつ前記第2の側面電極73bと
の接続部付近で下向きに傾斜するように構成された第1
の内層主電極であり、75bは前記第1の内層主電極7
5aと同じ面に位置し、かつ前記第1の内層主電極75
aと独立し、前記第1の側面電極73aとの接続部付近
で下向きに傾斜するように構成された第1の内層副電極
であり、75cは前記導電性ポリマ71の内部に前記第
1の主電極72aと前記第2の主電極72cに平行に設
けられ、かつ前記第2の側面電極73aとの接続部付近
で下向きに傾斜するように構成された第2の内層主電極
であり、75dは前記第2の内層主電極75cと同じ面
に位置し、かつ前記第2の内層主電極75cと独立し、
前記第1の側面電極73bとの接続部付近で下向きに傾
斜するように構成された第2の内層副電極である。
【0081】なお、前記第1、第2の側面電極73a,
73bは、第1、第2の内層主電極75a,75cおよ
び第1、第2の内層副電極75b,75dが下向きに傾
斜する面とは反対側の欠如部にまで延在するように構成
した。
【0082】続いて、本発明の実施の形態4におけるチ
ップ形PTCサーミスタの製造方法について図面を参照
しながら説明する。
【0083】図16(a)〜(c)、図17(a),
(b)および図18(a)〜(e)は本発明の実施の形
態4における製造方法を示す工程図である。
【0084】まず、本発明の実施の形態3と同様に図1
6(a)に示すシート状の導電性ポリマ81を作製し、
約80μmの電解銅箔に金型プレスでパターン形成を行
い、図16(b)に示す電極82を作製した。
【0085】次に図16(c)に示すようにシート状の
導電性ポリマ81と電極82を交互に重ね、加熱加圧成
形して、図17(a)に示す一体化した第1のシート8
3を作製した。
【0086】次に、図17(b)に示すように第1のシ
ート83の両側から、2枚のシート状の導電性ポリマ8
1と、2枚の電極82を電極82が最外層にくるように
交互に積層し、加熱加圧成形して図18(a)に示す第
2のシート84を作製した。
【0087】以下、図18(b),(c)に示すように
本発明の実施の形態3と同様に開口部85の形成と導電
性ポリマ81の除去ならびに保護コート86の形成を行
い、そして側面電極87を形成する工程ではスルファミ
ン酸ニッケル浴中で約50分間、電流密度約4A/dm
2の条件で、約25μmのニッケルめっき層からなる側
面電極87を形成した。この場合、側面電極87は前記
導電性ポリマ81の除去部分にも入り込んだ形で形成さ
れるものである。
【0088】その後、図18(d)に示す第2のシート
84をダイシングにより個片に分割し、図18(e)に
示す本発明のチップ形PTCサーミスタ88を作製し
た。
【0089】以下に、本発明において、第1、第2の内
層主電極75a,75cおよび第1、第2の内層副電極
75b,75dを第1、第2の側面電極73a,73b
との接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成するとと
もに、下向きに傾斜する面とは反対側の欠如部に第1、
第2の側面電極73a,73bを延在させたことによる
効果について説明する。
【0090】本発明の実施の形態4に記載した製造方法
で、第1、第2の内層主電極75a,75cおよび第
1、第2の内層副電極75b,75dを第1、第2の側
面電極73a,73bとの接続部付近で下向きに傾斜す
る形状に構成するとともに、下向きに傾斜する面とは反
対側の欠如部に第1、第2の側面電極73a,73bを
延在させたチップ形PTCサーミスタを作製し、第1、
第2の主電極72a,72c、第1、第2の内層主電極
75a,75c、第1、第2の副電極72b,72d、
第1、第2の内層副電極75b,75dと第1、第2の
側面電極73a,73bとの接続信頼性を確認するため
に以下の試験(実施の形態2と同様の試験)を行った。
【0091】試験は上記サンプル20個をプリント基板
に実装し、熱膨張収縮の加速試験として、トリップサイ
クル試験(6Vの直流電源に接続し、40Aの過電流を
流して保護動作(トリップ)させ、そのまま6秒間ON
し、60秒間OFFするのを1サイクルとした試験)を
6000サイクルまで行い、それぞれ3000,600
0サイクル後に10個ずつ抜き取り評価した。
【0092】上記サンプルを第1、第2の側面電極73
a,73bに対して垂直に研磨していき、断面を観察し
て、第1、第2の主電極72a,72c、第1、第2の
内層主電極75a,75c、第1、第2の副電極72
b,72d、第1、第2の内層副電極75b,75dと
第1、第2の側面電極73a,73bとの接続部分への
クラック発生の有無を確認した。試験の結果、第1、第
2の内層主電極75a,75cおよび第1、第2の内層
副電極75b,75dを下向きに傾斜させるとともに、
下向きに傾斜する面とは反対側の欠如部に第1、第2の
側面電極73a,73bを延在させたサンプルは300
0サイクルおよび6000サイクル後でもクラックは発
生しなかった。
【0093】また、上記サンプルを上下逆にしてプリン
ト基板に実装し、同様の加速試験を行い評価したものに
ついても、3000サイクルおよび6000サイクル後
でもクラックは発生しなかった。
【0094】上記本発明の実施の形態2で説明した加速
試験結果と比べて、本発明の実施の形態4においては、
上下どちら向きに実装されても接続信頼性を確保できて
いることから、第1、第2の内層主電極75a,75c
および第1、第2の内層副電極75b,75dを下向き
に傾斜させるとともに、下向きに傾斜する面とは反対側
の欠如部に第1、第2の側面電極73a,73bを延在
させることにより、第1、第2の内層主電極75a,7
5cおよび第1、第2の内層副電極75b,75dと第
1、第2の側面電極73a,73bとの接続面積を増や
すことができ、かつ、上下両方からの機械的応力の集中
を少なくすることができるため、接続信頼性をさらに向
上させることができるものである。
【0095】以上のことから、本発明の実施の形態4に
よれば、面実装対応が可能で、かつ電極72a,72
b,72c,72d,75a,75b,75c,75d
と引出し部である側面電極73a,73bとの長期的な
接続信頼性において優れているチップ形PTCサーミス
タを提供できるという効果を有するものである。
【0096】なお、上記本発明の実施の形態1〜4にお
いては、内層副電極を備えたチップ形PTCサーミスタ
について説明したが、電極の対向面積を増やして低抵抗
化を図るために、内層副電極を形成せずに、その分内層
主電極を大きくして、内層主電極のみを設けたチップ形
PTCサーミスタにおいても、本発明の実施の形態1〜
4で説明した内容と同様の効果を得ることができるもの
である。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明のチップ形PTCサ
ーミスタは、直方体形状をしたPTC特性を有する導電
性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第1
の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、かつ
前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導電
性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第2
の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、かつ
前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第1
の主電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよう
に前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1の
主電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた第
1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電極
とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方の
側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電極
と前記第2の副電極とに回り込むように設けた第2の側
面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
1、第2の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極
と、前記内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主
電極と独立した奇数の内層副電極とを備え、前記内層主
電極および内層副電極を前記第1、第2の側面電極との
接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したもので、
この構成によれば、内層主電極および内層副電極を第
1、第2の側面電極との接続部付近で下向きに傾斜する
形状に構成しているため、通常、機械的応力の集中しや
すい内層電極と側面電極との接続部に対して、下側から
の機械的応力の集中を少なくすることができ、これによ
り、面実装対応が可能で、かつ内層主電極、内層副電極
と第1、第2の側面電極との長期的な接続信頼性におい
て優れたものが得られるという優れた効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるチップ形
PTCサーミスタの斜視図 (b)(a)におけるA−A′線断面図
【図2】(a)〜(c)本発明の実施の形態1における
チップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図3】(a)〜(e)本発明の実施の形態1における
チップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図4】内層電極を下向きに傾斜させないサンプル(2
層構造)のトリップサイクル試験後のクラック発生を示
す断面図
【図5】内層電極を下向きに傾斜させたサンプル(2層
構造)を上下逆に実装した場合のトリップサイクル試験
後のクラック発生を示す断面図
【図6】本発明の実施の形態2におけるチップ形PTC
サーミスタの断面図
【図7】(a)〜(c)本発明の実施の形態2における
チップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図8】(a),(b)本発明の実施の形態2における
チップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図9】(a)〜(e)本発明の実施の形態2における
チップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図10】内層電極を下向きに傾斜させないサンプル
(3層構造)のトリップサイクル試験後のクラック発生
を示す断面図
【図11】内層電極を下向きに傾斜させたサンプル(3
層構造)の上下逆に実装した場合のトリップサイクル試
験後のクラック発生を示す断面図
【図12】(a)本発明の実施の形態3におけるチップ
形PTCサーミスタの斜視図 (b)(a)におけるB−B′線断面図
【図13】(a)〜(c)本発明の実施の形態3におけ
るチップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図14】(a)〜(e)本発明の実施の形態3におけ
るチップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図15】本発明の実施の形態4におけるチップ形PT
Cサーミスタの断面図
【図16】(a)〜(c)本発明の実施の形態4におけ
るチップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図17】(a),(b)本発明の実施の形態4におけ
るチップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図18】(a)〜(e)本発明の実施の形態4におけ
るチップ形PTCサーミスタの製造方法を示す工程図
【図19】従来のPTCサーミスタの断面図
【図20】(a)従来のPTCサーミスタ2積層構造を
面実装対応にした場合の断面図 (b)従来のPTCサーミスタ3積層構造を面実装対応
にした場合の断面図
【図21】図20(b)に示すチップ形PTCサーミス
タをプリント基板に実装した場合の断面図
【符号の説明】
11,31,51,71 導電性ポリマ 12a,32a,52a,72a 第1の主電極 12b,32b,52b,72b 第1の副電極 12c,32c,52c,72c 第2の主電極 12d,32d,52d,72d 第2の副電極 13a,33a,53a,73a 第1の側面電極 13b,33b,53b,73b 第2の側面電極 15a,55a 内層主電極 15b,55b 内層副電極 35a,75a 第1の内層主電極 35b,75b 第1の内層副電極 35c,75c 第2の内層主電極 35d,75d 第2の内層副電極 41,81 導電性ポリマ 42,82 電極 43,83 第1のシート 44,84 第2のシート 45,85 開口部 46,86 保護コート 47,87 側面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 揮好 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E034 AA07 AB01 AC10 DA07 DB05 DC01 DC03 DC05 DC10 DE05 DE16 DE17 DE20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極
    と、前記内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主
    電極と独立した奇数の内層副電極とを備え、前記内層主
    電極および内層副電極を前記第1、第2の側面電極との
    接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したことを特
    徴とするチップ形PTCサーミスタ。
  2. 【請求項2】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の主電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた偶数の内層主電極
    と、前記内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主
    電極と独立した偶数の内層副電極とを備え、前記内層主
    電極および内層副電極を前記第1、第2の側面電極との
    接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したことを特
    徴とするチップ形PTCサーミスタ。
  3. 【請求項3】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極
    と、前記内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主
    電極と独立した奇数の内層副電極とを備え、前記内層主
    電極および内層副電極を前記第1、第2の側面電極との
    接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成するととも
    に、前記内層主電極および内層副電極と前記第1、第2
    の側面電極との接続部付近における前記内層主電極およ
    び内層副電極の下向きに傾斜する面とは反対側の欠如部
    に前記第1、第2の側面電極を延在させたことを特徴と
    するチップ形PTCサーミスタ。
  4. 【請求項4】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の主電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた偶数の内層主電極
    と、前記内層主電極と同じ面に位置し、かつこの内層主
    電極と独立した偶数の内層副電極とを備え、前記内層主
    電極および内層副電極を前記第1、第2の側面電極との
    接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成するととも
    に、前記内層主電極および内層副電極と前記第1、第2
    の側面電極との接続部付近における前記内層主電極およ
    び内層副電極の下向きに傾斜する面とは反対側の欠如部
    に前記第1、第2の側面電極を延在させたことを特徴と
    するチップ形PTCサーミスタ。
  5. 【請求項5】 PTC特性を有する導電性ポリマの上下
    面をパターン形成した内層主電極および内層副電極で挟
    み加熱加圧成形により一体化して第1のシートを形成す
    る工程と、前記一体化した第1のシートの上下面にPT
    C特性を有する導電性ポリマを配置するとともにこのP
    TC特性を有する導電性ポリマの上下面をパターン形成
    した電極で挟んで積層し加熱加圧成形により一体化する
    工程を一回または二回以上繰り返して積層し第2のシー
    トを形成する工程と、前記一体化した第2のシートに打
    ち抜きプレスにより開口部を設けるとともに前記内層主
    電極および内層副電極を下向きに傾斜させる工程と、前
    記開口部を設けた第2のシートの上下面に保護コートを
    形成する工程と、前記開口部を設けかつ前記保護コート
    を形成した第2のシートに電解ニッケルめっきにより側
    面電極を形成する工程と、前記側面電極を形成した第2
    のシートを個片状に切断する工程とを備えたチップ形P
    TCサーミスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 PTC特性を有する導電性ポリマの上下
    面をパターン形成した内層主電極および内層副電極で挟
    み加熱加圧成形により一体化して第1のシートを形成す
    る工程と、前記一体化した第1のシートの上下面にPT
    C特性を有する導電性ポリマを配置するとともにこのP
    TC特性を有する導電性ポリマの上下面をパターン形成
    した電極で挟んで積層し加熱加圧成形により一体化する
    工程を一回または二回以上繰り返して積層し第2のシー
    トを形成する工程と、前記一体化した第2のシートに打
    ち抜きプレスにより開口部を設けるとともに前記内層主
    電極および内層副電極を下向きに傾斜させる工程と、前
    記開口部を設けた第2のシートの少なくとも前記開口部
    の内壁にブラスト加工を施し前記内層主電極および内層
    副電極を下向きに傾斜させた面とは反対側部分の導電性
    ポリマを除去する工程と、前記ブラスト加工を施した第
    2のシートの上下面に保護コートを形成する工程と、前
    記保護コートを形成した第2のシートに電解ニッケルめ
    っきにより側面電極を形成する工程と、前記側面電極を
    形成した第2のシートを個片状に切断する工程とを備え
    たチップ形PTCサーミスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極
    とを備え、前記内層主電極を、前記第2の側面電極との
    接続部付近、もしくは前記第1、第2の側面電極との接
    続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したことを特徴
    とするチップ形PTCサーミスタ。
  8. 【請求項8】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の副電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の主電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた偶数の内層主電極
    とを備え、前記内層主電極を前記第1、第2の側面電極
    との接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成したこと
    を特徴とするチップ形PTCサーミスタ。
  9. 【請求項9】 直方体形状をしたPTC特性を有する導
    電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する第
    1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記導
    電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する第
    2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、か
    つ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記第
    1の主電極と前記第2の主電極とを電気的に接続するよ
    うに前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第1
    の主電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた
    第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の副電
    極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一方
    の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副電
    極と前記第2の副電極とに回り込むように設けた第2の
    側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記第
    1、第2の主電極に平行に設けられた奇数の内層主電極
    とを備え、前記内層主電極を、前記第2の側面電極との
    接続部付近、もしくは前記第1、第2の側面電極との接
    続部付近で下向きに傾斜する形状に構成するとともに、
    前記内層主電極の下向きに傾斜する面とは反対側の欠如
    部に前記第2の側面電極、もしくは前記第1、第2の側
    面電極を延在させたことを特徴とするチップ形PTCサ
    ーミスタ。
  10. 【請求項10】 直方体形状をしたPTC特性を有する
    導電性ポリマと、前記導電性ポリマの第1面に位置する
    第1の主電極と、前記第1の主電極と同じ面に位置し、
    かつ前記第1の主電極と独立した第1の副電極と、前記
    導電性ポリマの前記第1面に対向する第2面に位置する
    第2の主電極と、前記第2の主電極と同じ面に位置し、
    かつ前記第2の主電極と独立した第2の副電極と、前記
    第1の主電極と前記第2の副電極とを電気的に接続する
    ように前記導電性ポリマの一方の側面全面および前記第
    1の主電極と前記第2の副電極とに回り込むように設け
    た第1の側面電極と、前記第1の副電極と前記第2の主
    電極とを電気的に接続するように前記導電性ポリマの一
    方の側面に対向する他方の側面全面および前記第1の副
    電極と前記第2の主電極とに回り込むように設けた第2
    の側面電極と、前記導電性ポリマの内部に位置して前記
    第1、第2の主電極に平行に設けられた偶数の内層主電
    極とを備え、前記内層主電極を前記第1、第2の側面電
    極との接続部付近で下向きに傾斜する形状に構成すると
    ともに、前記内層主電極と前記第1、第2の側面電極と
    の接続部付近における前記内層主電極の下向きに傾斜す
    る面とは反対側の欠如部に前記第1、第2の側面電極を
    延在させたことを特徴とするチップ形PTCサーミス
    タ。
  11. 【請求項11】 PTC特性を有する導電性ポリマの上
    下面をパターン形成した内層主電極で挟み加熱加圧成形
    により一体化して第1のシートを形成する工程と、前記
    一体化した第1のシートの上下面にPTC特性を有する
    導電性ポリマを配置するとともにこのPTC特性を有す
    る導電性ポリマの上下面をパターン形成した電極で挟ん
    で積層し加熱加圧成形により一体化する工程を一回また
    は二回以上繰り返して積層し第2のシートを形成する工
    程と、前記一体化した第2のシートに打ち抜きプレスに
    より開口部を設けるとともに前記内層主電極を下向きに
    傾斜させる工程と、前記開口部を設けた第2のシートの
    上下面に保護コートを形成する工程と、前記開口部を設
    けかつ前記保護コートを形成した第2のシートに電解ニ
    ッケルめっきにより側面電極を形成する工程と、前記側
    面電極を形成した第2のシートを個片状に切断する工程
    とを備えたチップ形PTCサーミスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 PTC特性を有する導電性ポリマの上
    下面をパターン形成した内層主電極で挟み加熱加圧成形
    により一体化して第1のシートを形成する工程と、前記
    一体化した第1のシートの上下面にPTC特性を有する
    導電性ポリマを配置するとともにこのPTC特性を有す
    る導電性ポリマの上下面をパターン形成した電極で挟ん
    で積層し加熱加圧成形により一体化する工程を一回また
    は二回以上繰り返して積層し第2のシートを形成する工
    程と、前記一体化した第2のシートに打ち抜きプレスに
    より開口部を設けるとともに前記内層主電極を下向きに
    傾斜させる工程と、前記開口部を設けた第2のシートの
    少なくとも前記開口部の内壁にブラスト加工を施し前記
    内層主電極を下向きに傾斜させた面とは反対側部分の導
    電性ポリマを除去する工程と、前記ブラスト加工を施し
    た第2のシートの上下面に保護コートを形成する工程
    と、前記保護コートを形成した第2のシートに電解ニッ
    ケルめっきにより側面電極を形成する工程と、前記側面
    電極を形成した第2のシートを個片状に切断する工程と
    を備えたチップ形PTCサーミスタの製造方法。
JP10246783A 1998-09-01 1998-09-01 チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法 Pending JP2000077206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246783A JP2000077206A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246783A JP2000077206A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000077206A true JP2000077206A (ja) 2000-03-14

Family

ID=17153611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10246783A Pending JP2000077206A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000077206A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0955643B1 (en) Ptc thermistor and method for manufacturing the same
JP3892049B2 (ja) Ptcサーミスタ
JP4238335B2 (ja) チップ型ptcサーミスタおよびその製造方法
JPH04213881A (ja) 多層ピエゾ電気素子およびその製造方法
JP4419214B2 (ja) チップ形ptcサーミスタ
EP1139352B1 (en) Method of manufacturing a ptc chip thermistor
JP2000188205A (ja) チップ形ptcサ―ミスタ
TWI552172B (zh) Ptc裝置
JP2005197660A (ja) 過電流保護素子およびその製造方法
TWI295472B (ja)
JP3991436B2 (ja) チップ形ptcサーミスタ
JP2000077206A (ja) チップ形ptcサーミスタおよびその製造方法
JP2993909B2 (ja) コンデンサの製造方法
JPH08288606A (ja) 金属コア型のプリント基板およびその製造方法および電気回路基板
JP2000114004A (ja) チップ形ptcサ―ミスタ及びこれを用いた回路基板
JP4253871B2 (ja) チップ形ptcサーミスタの製造方法
WO2011086796A1 (ja) コンデンサ内蔵基板の製造方法
JP2002260903A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2002260902A (ja) チップ形ptcサーミスタ
JPH11354368A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2000188207A (ja) Ptcサ―ミスタ
JP2000311801A (ja) チップ型有機質サーミスタおよびその製造方法
JPH10302605A (ja) チップフューズおよびその製造法
JPH09320445A (ja) チップ型電流保護素子の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050310

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071120