JP2000077043A - シート電池およびその製造方法 - Google Patents
シート電池およびその製造方法Info
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Abstract
よびその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 二つのシート状の外装部材(1、2)を
その周縁部(1a、2a)で接合してなる電池ケース3
を有するシート電池10において、電池ケース3の一方
又は両方の外装部材(1、2)に、少なくとも正極5、
セパレータ6、負極7及び電解液を収容する形状保持性
の凹部4を形成する。
Description
その製造方法に関する。
種電子機器の小型化、軽量化が進行している。特に、ノ
ート型パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの分野
においては顕著であり、これらの機器においては電源と
なる電池についてもより一層の小型化、軽量化が要求さ
れている。また、これらの機器においては、小型化と共
に内部の余剰空間が減少しており、電源のための空間を
確保するのも困難な場合がある。そのため、最近におい
ては電子機器内部の空間の形状や大きさに影響されない
シート電池が各種開発されてきている。
り、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
同図(b)は線B−Bを通る厚み方向の断面を示してい
る。同図の例ではシート電池40は、矩形のフィルム4
1とフィルム42との間に、正極45、セパレータ4
6、負極47を積層してなる積層体48を挟み込み、さ
らにその間に電解液(図示せず)を注入して形成されて
いる。フィルム41の周縁部41aとフィルム42の周
縁部42aとは、ヒートシールによって接合されてい
る。49はヒートシールされた部位をハッチングを施し
て示している。フィルム41およびフィルム42は可撓
性を有する材料で形成されており、積層体48の形状に
合わせて弾性変形して積層体48を挟み込んでいる。正
極45および負極47には、外部へと突出するリード端
子(正極リード端子45a、負極リード端子47a)が
それぞれ接続されている。リード端子(45a、47
a)は周縁部41aと周縁部42aとで挟まれ、これら
の間を通って外部へと突出している。
ィルム(41、42)の四辺ある周縁部のうちの二辺を
予めヒートシールして接合し、積層体48を挿入し、残
る二辺のうちの一辺をヒートシールして接合し、未だ接
合されていない一辺から電解液を注入し、この一辺につ
いてもヒートシールすることで製造される。または、
(2)フィルム41、積層体48及びフィルム42を順
に重ね、四辺ある周縁部のうちの三辺をヒートシールし
て接合し、接合されていない一辺から電解液を注入し、
この一辺についてもヒートシールすることで製造され
る。
示す製造方法のうち、(2)の製造方法においては、積
層体48の位置合わせが難しいため、ヒートシール時に
積層体48を挟み込んでしまう危険性がある。よって、
通常シート電池は(1)の製造方法に従って製造され
る。しかしながら、シ─ト電池を上記(1)の製造方法
に従って製造する場合においては、積層体48をフィル
ム間に挿入する際に、積層体48にシワや折れが発生す
るという問題がある。
る観点からは、積層体48の外周とフィルム(41、4
2)との間にできる電池内部の空きスペースSを出来る
限り小さくする必要があり、そのためには接合された周
縁部(41a、42a)と積層体48との距離Lが出来
る限り短くなるようにヒートシールする必要がある。
48を配置又は挿入した後のヒートシールにおいて、積
層体48にかかる部分の周縁部までヒートシールしてし
まう場合がある。この場合、積層体48において内部短
絡が生じてしまうため、空きスペースSの縮小には限界
がある。
電池内部に減圧処理を施して空きスペースSを減少させ
たシート電池が開示されている。しかし、このシート電
池においては、減圧処理により空きスペースSはある程
度小さくできるが、周縁部(41a、42a)と積層体
48との距離Lは短くすることが出来ず、結果として電
池の小サイズ化を図ることは困難である。
の小型・軽量化を図り得るシート電池およびその製造方
法を提供することにある。
次の特徴を有するものである。 (1) 二つのシート状の外装部材をその周縁部で接合
してなる電池ケースを有し、該ケースの一方又は両方の
外装部材には、少なくとも正極、セパレータ、負極及び
電解液を収容する形状保持性の凹部が形成されているこ
とを特徴とするシート電池。
層と、金属材料を含む金属層と、接着剤を含む接着剤層
とを積層してなる多層構造を有している上記(1)記載
のシート電池。
μm、金属層の厚みが15μm〜100μm、接着剤層
の厚みが30μm〜100μmであり、外装部材の厚み
が55μm〜300μmである上記(2)記載のシート
電池。
次の特徴を有するものである。 (4) 二つのシート状の外装部材をその周縁部で接合
してなる電池ケースを有するシート電池の製造方法であ
って、一方の外装部材と他方の外装部材とを接合する前
に、外装部材の一方又は両方に正極、セパレータ、負極
および電解液を収容するための形状保持性の凹部を予め
設ける工程を少なくとも有しているシート電池の製造方
法。
は、電池ケースを構成する外装部材に、正極、セパレー
タ、負極および電解液を収容するための凹部が予め設け
られており、凹部は形状保持性である。よって、正極、
セパレータおよび負極を積層してなる積層体を外装部材
間に挿入することによって配置する場合であっても、従
来のように積層体にシワや折れが発生するのを抑制する
ことができる。また、電池ケース内の空きスペースを縮
小できるので、ヒートシールによる積層体における短絡
を回避することもできる。さらに、従来のように電池ケ
ース内を減圧する必要もない。
説明する。図1は、本発明のシート電池およびその製造
方法の一例を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図
(b)は断面図である。なお、同図(b)は線A−Aを
通る厚み方向の断面を示している。図1の例に示すよう
に、本発明のシート電池10は、二つのシート状の外装
部材(1、2)をその周縁部(1a、2a)で接合して
なる電池ケース3を有している。電池ケース3の一方又
は両方の外装部材(1、2)には、正極5、セパレータ
6、負極7および電解液を収容する形状保持性の凹部4
が形成されている。正極5および負極7には、外部へと
突出するリード端子(正極リード端子5a、負極リード
端子7a)がそれぞれ接続されている。リード端子(5
a、7a)は周縁部1aと周縁部2aとで挟まれ、これ
らの間を通って外部へと突出している。
設けられている。凹部4は外装部材1を絞り加工または
張出し成形して形成されており、形状保持性となってい
る。即ち、凹部4は、図4に示すような弾性変形されて
形成されたものではなく、塑性変形されて形成されたも
のである。本発明でいう形状保持性とは、塑性変形のよ
うに外力が除去されても凹状の形状を保持し得ることを
いう。正極5、セパレータ6及び負極7は順に積層され
て積層体8となっている。外装部材(1、2)は、同図
では図示していないが、後述する図3に示すように多層
構造を有している。
ート電池10は、外装部材1と外装部材2とを接合する
前に、外装部材(1、2)の一方又は両方に、正極5、
セパレータ6、負極7および電解液を収容するための形
状保持性の凹部4を設ける工程を少なくとも有した製造
方法によって製造されている。具体的には、外装部材1
に絞り加工または張出し成形を施して凹部4を設けた
後、外装部材1の凹部4内に積層体8を配置し、外装部
材2を重ね合わせ、これらの四辺の周縁部(1a、2
a)のうち三辺をヒートシールによって接合する。次
に、接合されていない残りの一辺から電解液を注入す
る。さらに、残りの一辺をヒートシールすることでシー
ト電池10は製造されている。9はヒートシールされた
部位をハッチングを施して示している。なお、この場合
においては、前述の(2)の製造方法の場合と異なり、
凹部4により積層体8の位置ズレは抑制されている。よ
って、位置ズレによってヒートシール時に積層体8が挟
み込まれてしまう危険性は少ないといえる。
す図である。同図ではシート電池は断面でのみ示してい
る。同図の例では、凹部4は外装部材1、2の両方に設
けられている。凹部4には図1と同様に正極5、セパレ
ータ6、負極7および電解液が収容されている。また、
凹部4は絞り加工されて形成されており、形状保持性で
ある。外装部材の周縁部(1a、2a)は図1と同様に
ヒートシールによって接合されている。また、図1の例
と同様に正極5および負極7にはリード端子(5a、7
a)が接続されている。9はヒートシールされた部位を
ハッチングを施して示している。
においては、正極5、セパレータ6、負極7を積層して
なる積層体8の大きさや形状に合わせて形状保持性の凹
部4を形成している。よって、接合された周縁部(1
a、2a)と積層体8との距離Lを短くでき、空きスペ
ースSを必要最小限に抑えることができる。
部分的に拡大して示した図であり、断面で示している。
同図の例に示すように外装部材1、2は、それぞれ、樹
脂材料を含む保護層(11a、12a)と、金属材料を
含む金属層(11b、12b)と、接着剤を含む接着剤
層(11c、12c)とを積層してなる多層構造を有し
ている。外装部材の周縁部1aと周縁部2aとは、接着
剤層11cと接着剤層12cとが熱融着されることによ
って接合されている。このように外装部材を多層構造と
すれば、外傷に対する抵抗性を高くでき、さらに防湿性
を向上させることができる。
ては、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスル
フィド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等
のフィルムが挙げられる。このうち、汎用材料であると
の理由からポリエステル、ナイロンが好ましく用いられ
る。保護層11a、12aはシート電池において外殻と
なるものである。従って、その厚みは強度の点から10
μm以上、好ましくは12μm〜100μm、特に好ま
しくは16μm〜75μmに設定するのが良い。
ては、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔が挙げ
られる。このうち、軽量性に優れている点からアルミニ
ウムが好ましく用いられる。金属層11b、12bはシ
ート電池において防湿性を付与するためのものである。
金属層11b、12bの厚みは、ピンホールを避けるた
め15μm以上、好ましくは20μm〜100μm、特
に好ましくは25μm〜80μmに設定するのが良い。
但し、凹部4の成形の容易性及び形状の維持性を高める
点からは、凹部4が形成される金属層11bの厚みは、
凹部4が形成されない金属層12bの厚みよりも厚く設
定するのが好ましい。なお、凹部4が形成されない金属
層12bの厚みは、基本的には可能な限り薄くするのが
好ましい。
しては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンアクリル
酸エチル共重合体(EEA)、変性ポリプロピレン樹脂
等のオレフィン系ホットメルト系接着剤が挙げられる。
このうち、リード端子に対する接着性が優れている点か
らエチレンアクリル酸共重合体が好ましく用いられる。
接着剤層11c、12cは、外装部材の周縁部を接合す
るものであって、電池構成要素を外気から密封するもの
である。接着剤層の厚みは、密封性の点から30μm以
上、好ましくは35μm〜100μm、特に好ましくは
40μm〜80μmに設定するのが良い。
成するものであれば良く、図3に示すような多層構造を
有していても良い。多層構造とする場合では、積層する
層の数は限定されるものではなく、電池の種類や大きさ
に応じて適宜設定すれば良い。
り加工、張出し成形等が挙げられる。このうち、加工が
容易である点からは、張出し成形によるのが好ましい。
なお凹部は、その側壁と底面とのなす角、或いはその側
壁と周縁部とのなす角(図1で示す角α)が、製造の容
易性と空きスペースSの抑制との兼ね合いから、91度
〜135度、好ましくは91度〜105度となるように
形成するのが良い。凹部の大きさは、収容する積層体の
大きさに応じて決定すれば良い。但し、凹部の深さはシ
ート電池の厚みが限定されるため、0.5mm〜3m
m、好ましくは0.5mm〜2mm、特に好ましくは
0.5mm〜1mmとするのが良い。外装部材の周縁部
の接合方法としては、図1〜3に示したヒートシールに
よる接合方法が挙げられる。
よび電解液としては、従来よりリチウムイオン電池に使
用されているものと同様の材料で構成したものを利用す
ることができる。本発明のシート電池はリチウムイオン
電池として使用することができる。
す。 実施例1 以下の手順に従い、図1、3に示すシート電池の作製を
行なった。最初に、外形120mm×120mm、厚み
0.016mmのポリエステル製のフィルムと、外形が
上記と同じで厚み0.020mmのアルミニウム製の金
属箔とを、ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート
法により貼り合わせ、さらに金属箔の上にEVAからな
るホットメルト系接着剤フィルム(厚み0.050m
m)を熱接着して多層体を形成した。次に、この多層体
に張出し成形を行って形状保持性の凹部4を設け、外装
部材1を形成した。なお、外装部材1は、外形120m
m×120mm、凹部の深さ1.0mm、凹部の底面の
大きさ100mm×100mm、角度α100度となっ
ている。外装部材2は外装部材1の外形に合わせ、同様
の材料を貼り合わせて形成した。
体(98mm×98mm×1mm)を配置し、その上に
外装部材2を互いの周縁部で重ね合わせ、その内の三辺
のヒートシールを行なった。残りの一辺から電解液を9
ml注入した後、この一辺をヒートシールして本発明の
シート電池を得た。なお、周縁部と積層体との距離Lは
1mmであった。また、積層体および電解液としては、
従来よりリチウムイオン電池に使用されているものと同
一のものを使用している。
mのアルミニウム製の金属箔を使用した以外は、実施例
1と同様にしてシート電池を作製した。なお、外装部材
2に使用する金属箔としては実施例1と同様のものを使
用している。本実施例では、外装部材1の金属箔の厚み
は実施例1に比べて厚くなっている。よって、実施例1
よりも凹部を容易に成形でき、又凹部の形状維持性が高
められている。
の多層体からなる外装部材(凹部なし)を用いて図4に
示す従来のシート電池を作製した。完成したシート電池
の外形は128mm×128mmとなり、実施例1、2
と比べて電池面積が約13%増大している。周縁部と積
層体との距離Lは5mmであった。なお、距離Lをこれ
より縮めようとすると、ヒートシールを行った場合に、
積層体に内部短絡を生じさせてしまうことがあった。
池を用いれば、発電能力が同一の条件下において、外形
を小さくでき、余分なスペースSを縮小できる。また、
ヒートシールの際に内部短絡が生じることを抑制でき
る。
ば、電池ケース内の余分なスペースを縮小でき、従来の
シート電池に比べて小型・軽量化されたシート電池を提
供することができる。また、本発明を用いれば、正極、
セパレータ、負極などを外装部材に容易に収容すること
ができる。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 二つのシート状の外装部材をその周縁部
で接合してなる電池ケースを有し、該ケースの一方又は
両方の外装部材には、少なくとも正極、セパレータ、負
極及び電解液を収容する形状保持性の凹部が形成されて
いることを特徴とするシート電池。 - 【請求項2】 外装部材が、樹脂材料を含む保護層と、
金属材料を含む金属層と、接着剤を含む接着剤層とを積
層してなる多層構造を有している請求項1記載のシート
電池。 - 【請求項3】 保護層の厚みが10μm〜100μm、
金属層の厚みが15μm〜100μm、接着剤層の厚み
が30μm〜100μmであり、外装部材の厚みが55
μm〜300μmである請求項2記載のシート電池。 - 【請求項4】 二つのシート状の外装部材をその周縁部
で接合してなる電池ケースを有するシート電池の製造方
法であって、 一方の外装部材と他方の外装部材とを接合する前に、外
装部材の一方又は両方に正極、セパレータ、負極および
電解液を収容するための形状保持性の凹部を予め設ける
工程を少なくとも有しているシート電池の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP25934298A JP3993320B2 (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | シート電池およびその製造方法 |
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Publications (2)
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Country Status (1)
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-
1998
- 1998-08-28 JP JP25934298A patent/JP3993320B2/ja not_active Expired - Lifetime
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