JP2000223087A - 薄型電池及びその製造方法 - Google Patents

薄型電池及びその製造方法

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JP2000223087A
JP2000223087A JP11021478A JP2147899A JP2000223087A JP 2000223087 A JP2000223087 A JP 2000223087A JP 11021478 A JP11021478 A JP 11021478A JP 2147899 A JP2147899 A JP 2147899A JP 2000223087 A JP2000223087 A JP 2000223087A
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sealing
lid
sealing portion
sheet
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Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Shinji Nakadeguchi
真治 中出口
Hideo Ichimura
英男 市村
Hirochika Ozaki
博規 尾崎
Kenji Kawaguchi
憲治 川口
Hiroaki Urushibata
広明 漆畑
Seiji Yoshioka
省二 吉岡
Makiko Kichise
万希子 吉瀬
Takashi Nishimura
隆 西村
Daigo Takemura
大吾 竹村
Shigeru Aihara
茂 相原
Atsushi Arakane
淳 荒金
Hisashi Shioda
久 塩田
Yasuhiro Yoshida
育弘 吉田
Michio Murai
道雄 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネートシートをパッケージに用いる薄型
電池の製造工程において封口部に電解液が付着すること
により、封口部の接着力が低下し、電池の信頼性が低下
する問題があった。 【解決手段】 パッケージに電解液を注入し、封口部を
仮に封止した後、ラミネートシートを2つ折して成る封
口補助部材を封口部を覆うよう装着し、熱融着する。こ
れにより、封口部に電解液が付着して封口部の接着状態
が悪化しても、封口部がさらに封口補助部材により覆わ
れており、かつ封口補助部材は電解液の影響を受けずに
熱融着されているため、封口部においてシール不良が発
生することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用電子機器等
に用いる薄型電池に関し、特に、パッケージの構造及び
パッケージへの電解液の封入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電池はさまざまな装置の主電源やバック
アップ電源として用いられており、特に近年では携帯用
電子機器の発達に伴い、リチウムイオン二次電池などの
高特性の二次電池が注目を集めている。
【0003】従来リチウムイオン二次電池は、正極及び
負極の間に絶縁及び電解質保持の機能を持つセパレータ
を配置し、これらを円筒状に巻き回す等したものを金属
製の缶に収納し、密閉型缶電池として使用に供されてい
た。しかし、缶が金属製であるために重量が重く、携帯
用電子機器の普及に伴って、さらなる軽量化・小型化・
薄型化が要求されていた。
【0004】この問題の1つの解決手段として、正極、
負極、セパレータ及び電解質から構成される電池体をラ
ミネートシートからなるパッケージに封入することによ
り、金属製の缶を必要としない電池の構造及び封口方法
が特開平10−172606号公報に開示されている。
この発明によれば、金属缶を用いない軽量かつ薄型の電
池の製造が可能である。
【0005】図9は特開平10−172606号公報に
示されているような軽量かつ薄型のリチウムイオン二次
電池の例であり、電池体が金属缶でなくラミネートシー
トから成るパッケージに密封されている。図9(a)は
電池の斜視図を示し、図9(b)は、b−b’断面の要
部断面図を示す。
【0006】電池のパッケージはパッケージ蓋10及び
パッケージ底12が貼り合わされた構造となっており、
パッケージ蓋10及びパッケージ底12は各々金属シー
ト10b、12bを、熱融着性樹脂シート10c、12
cと、保護用樹脂シート10a、12aにより挟んでな
るラミネートシートから成る。パッケージ内には、正極
体、負極体、セパレーターより構成される積層構造体で
ある電池体14が、電解液28と共に封入されている。
尚、電池体14の正極体及び負極体からは、電池体14
と外部回路との間を電気的に接続する通電体である集電
タブ16が、パッケージの外部に取り出されている。
【0007】かかる電池において、パッケージに電池体
14及び電解液を封入する工程について、図2を参照し
ながら説明する。図2は、電池の集電体16と逆側の一
部分をパッケージ蓋10の側から観察した平面図であ
る。尚、図中のハッチングは、接着された領域を示す。
まず、電池体14を収納し、電池体14に接続する集電
タブを挟み込んだ状態で、パッケージ蓋10及びパッケ
ージ底12を、封口部18を残して互いに熱融着により
貼り合わせる(図3(a))。次に、封口部18から、
電解液(図示せず)を、注入針を有する注入器22から
注入する(図3(b))。全体を減圧下においた後大気
圧に戻して電池体14内部のセパレーターに電解液を含
浸させ、集電タブ16を通して電池体14を予備充電し
た後に、その封口部18を接着して封入が完了する(図
3(c))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した構造の電
池とすれば、金属缶を用いずに軽量かつ薄型の電池が製
造可能である。ところで、リチウム二次電池において
は、リチウムの水に対する反応性が高いため、電池体を
完全に密封して空気中の水分の侵入を防ぐ必要があり、
パッケージの密封性が重要な課題となる。しかし、上記
構造の電池においては、封口部においてシール不良が発
生し易く、パッケージの密封性が悪いという問題があっ
た。
【0009】以下その不良発生メカニズムについて説明
する。前述のように、封入工程においては、パッケージ
に電池体を収納し、封口部18から電解液を注入して電
池体14に含浸させた後、電池体の予備充電を行い、開
口部を封口する。電解液はエチレンカーボネート/ジエ
チルカーボネート混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
を溶解させたもの等であり、予備充電は、電池が高温に
放置された場合などにカーボネート系の成分が分解して
メタン系などのガスが発生して封入袋を膨らませる恐れ
があるため、予めこのガスを放出するために行われる。
【0010】通常、パッケージは、電池サイズを小型に
するため電池体14を収納可能な限り小さく作製され
る。このため、最後にシールする封口部18は電池体1
4に近い位置にあり、電解液注入時の跳ねや、予備充電
時に発生する泡によりパッケージの封口部に電解液が付
着し易い。
【0011】封口部に電解液が付着した場合、熱融着に
よる接着力が低下し、シールが不完全となり易い。ま
た、封口部に付着した電解液が空気中の水分に触れる
と、電解液中の六フッ化リン酸リチウムが反応してHF
を発生し、このHFがパッケージの金属シートと樹脂シ
ートの層間剥離を引き起こして、さらにシール状態を悪
化させる。
【0012】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、外装に金属缶を用いない軽量な電
池において、パッケージの密封性が高く、信頼性の高い
薄型電池の構造及びその製造法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の薄型電池は、矩形のパッケージ蓋とパッケ
ージ底を封口部を残して接着したパッケージに、正極及
び負極をイオン伝導層を介して配置した電池体と、電解
液とを封入して成る薄型電池であって、上記パッケージ
蓋及びパッケージ底が、金属シートと樹脂シートが積層
されたラミネートシートから成り、上記パッケージ蓋及
びパッケージ底に、当該封口部における端部を覆って、
ラミネートシートを2つ折して成る封口補助部材が装着
され、上記封口補助部材がパッケージ蓋及びパッケージ
底に熱融着されたことを特徴とする。
【0014】これにより封口部に電解液が付着して封口
部の接着状態が悪化しても、封口部がさらに封口補助部
材により覆われており、かつ封口補助部材は電解液の影
響を受けずに熱融着されているため、封口部においてシ
ール不良が発生することはない。
【0015】上記パッケージ蓋、パッケージ底、及び封
口補助部材には、金属シートを熱融着性樹脂シートと保
護用樹脂シートにより挟んでなるラミネートシートを用
いることが好ましい。これにより、パッケージ蓋及びパ
ッケージ底の端面に露出した熱融着性シートと封口補助
部材の熱融着性シートが互いに融着するため、封口部の
密封性を向上することができる。
【0016】また、上記パッケージ蓋及びパッケージ底
の上記封口部における端部が波型形状を有することが好
ましい。これにより、封口部における封口補助シートの
接着界面の長さを延長し、封口部の密封性をさらに向上
することができる。
【0017】本発明の薄型電池製造方法は、正極体及び
負極体をイオン伝導層を介して配置した電池体と、電解
液を、矩形のパッケージ蓋とパッケージ底から成るパッ
ケージに、上記正極体及び負極体のそれぞれに接続する
集電タブを外部に取りだしつつ封入して成り、上記パッ
ケージ蓋及びパッケージ底が、金属シートと樹脂シート
が積層されたラミネートシートから成る薄型電池の製造
方法であって、(A)上記パッケージ蓋と上記パッケージ
底を封口部を残して接着し、上記集電タブを外部に取り
出しつつ上記電池体を収納する工程と、(B)上記パッケ
ージに上記封口部から電解液を注入する工程と、(C)上
記封口部において上記パッケージ蓋と上記パッケージ底
を接着する工程と、(D)上記パッケージ蓋及びパッケー
ジ底に、当該封口部における端部を覆って、ラミネート
シートを2つ折して成る封口補助部材を装着する工程
と、(E)上記封口補助部材を、パッケージ蓋及びパッケ
ージ底に熱融着させる工程を備えることを特徴とする。
【0018】これにより、封口補助部材を電解液付着の
影響を受けずに熱融着させ、封口部の密封を維持するこ
とが可能なため、信頼性の高い薄型電池を製造すること
ができる。
【0019】また、上記工程(C)の後、さらに、上記封
口部において、上記パッケージ蓋及び上記パッケージ底
を切断し、新たな端面を露出することが好ましい。これ
により、封口補助部材の接着面が清浄となり、さらに密
封性の高い薄型電池を製造することができる。
【0020】またさらに、上記パッケージ蓋及びパッケ
ージ底が、上記封口部を有する辺から延びた延長部を有
し、上記工程(A)において、上記パッケージ蓋及びパッ
ケージ底の上記延長部を袋形状に接着して上記封口部に
繋がる袋部分を形成し、上記工程(B)において、上記袋
部分を介して電解液を注入し、上記工程(B)の後、さら
に、上記延長部を切断する工程を備えることが好まし
い。
【0021】これにより、電解液を注入する工程におい
て、パッケージ蓋またはパッケージ底の内面を傷つける
ことなく電解液を注入することが可能となり、より信頼
性の高い薄型電池を製造することができる。
【0022】さらにまた、上記封口部をパッケージの集
電タブを取り出した辺に配置し、上記延長部により集電
タブを挟み、上記袋部分を正極体及び負極体に接続する
集電タブの間に配置して、袋部分を集電タブにより支持
することが好ましい。これにより、電解液注入時に袋部
分が電解液の重量により傾斜して電解液がこぼれる等の
不具合を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。尚、図中同一符号
は、同一又は対応する部材を示す。
【0024】実施の形態1 図1(a)は、本発明の薄型電池の一例を示す斜視図、
図1(b)はb−b’断面の一部分を示す要部断面図で
ある。本発明の薄型電池は、矩形のパッケージ蓋10と
パッケージ底12を封口部を残して接着して形成したパ
ッケージに、正極及び負極をイオン伝導層を介して配置
した電池体14と、電解液28とを封入することにより
構成されている。上記パッケージ蓋10及びパッケージ
底12は、金属シートと樹脂シートが積層されたラミネ
ートシートから成っており、上記パッケージ蓋10及び
パッケージ底12に、当該封口部における端部を覆っ
て、ラミネートシートを2つ折して成る封口補助部材2
0が装着され、熱融着されている。
【0025】封口補助部材20は、電解液を注入後に接
着されたパッケージの封口部を覆って熱融着されている
ため、封口部の接着状態が悪い場合であっても、電池の
密封を維持する役割を果たす。
【0026】封口補助部材20、パッケージ蓋10及び
パッケージ底12に用いるラミネートシートは、封口補
助部材20が封口部を覆って熱融着可能な構成であれば
良い。例えば、2つ折にした封口補助部材20の内面に
熱融着性を付与しても良いし、封口部のパッケージ蓋1
0及びパッケージ底12の外面に熱融着性を付与しても
良い。
【0027】好ましくは、封口補助部材20、パッケー
ジ蓋10及びパッケージ底12に、金属シートを熱融着
性樹脂シートと保護用樹脂シートにより挟んだ構造のラ
ミネートシートを用いる。図1(b)は、かかる構造の
ラミネートシートを用いて薄型電池を構成した場合の断
面図を示している。図において、10a、12a、及び
20aは保護用樹脂シート、10b、12b及び20b
は金属シート、10c、12c及び20cは熱融着性樹
脂シートを示す。尚、保護用樹脂シート10a、12
a、20a及び金属シート10b、12b、20bのハ
ッチングは省略している。この構成によれば、パッケー
ジ蓋10とパッケージ底12を熱融着により簡便に接着
可能であると共に、封口部の端面に露出したパッケージ
蓋10及びパッケージ底12の熱融着性樹脂シート10
c及び12cが、封口補助部材20の熱融着性樹脂シー
ト20cと互いに融着一体化するため、電池の密封性が
向上する。
【0028】熱融着性樹脂シートには、例えば、エチレ
ンアクリル酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
などを用いることができる。中でも、接着力の観点から
ポリプロピレンが好ましい。金属シートには、アルミニ
ウムシート、ニッケルシート、ステンレスシートなどを
用いることができるが、中でも軽量化の観点からアルミ
ニウムシートが好ましい。保護用樹脂シートには、傷の
付きにくいポリエチレンテレフタレート等を用いること
が好ましい。
【0029】次に、かかる薄型電池における、電池体1
4及び電解液28の封入方法について、図2及び図3を
参照しながら説明する。図2及び図3は、電池の集電体
16と逆側の一部分をパッケージ蓋10の側から観察し
た平面図である。尚、図中のハッチングは、接着された
領域を示す。途中工程までは、前述の従来の方法と同様
である。
【0030】まず、電池体14を収納し、電池体14の
正極体及び負極体に接続する集電タブを挟み込んだ状態
で、パッケージ蓋10及びパッケージ底を、封口部18
を残して互いに接着し(図3(a))、次に、封口部1
8から、電解液(図示せず)を注入する。注入には、例
えば注入針を有する注入器22を用いることができる
(図3(b))。電解液含浸、予備充電操作の後に、封
口部18を接着して仮封止を行い、電解液を密封する
(図3(c))。尚、仮封止した封口部18には、従来
同様、電解液が付着しているため、接着強度は弱い。
【0031】次に、図3(b)に示すように、パッケー
ジ蓋10及びパッケージ底12に、その封口部18にお
ける端部を覆って、2つ折にした封口補助部材20を装
着し、熱融着させる。パッケージ蓋10及びパッケージ
底12の外面には、通常、電解液は付着していないた
め、接着強度が高い。このため、封口補助部材20によ
り封口部18を安定して密封することが可能である。
【0032】尚、パッケージ蓋10及びパッケージ底1
2の外面に電解液が付着する場合は、上記仮封止後、封
口部18を、エタノール等の適当な溶剤により洗浄する
ことが好ましい。
【0033】また、仮封止後、図3(a)に示すように
上記封口部18においてパッケージ蓋10及びパッケー
ジ底12を切断し、新たな端面を露出することはさらに
好ましい。切断により露出した直後の端面は清浄である
ため、接着面として理想的である。したがって、これに
より、封口補助部材20の接着強度をさらに高め、薄型
電池の密封性を高めることができる。
【0034】またさらに、パッケージ蓋10及びパッケ
−ジ底12を切断する際に、図8(a)に示すように端
部を波型形状とすることが好ましい。波型形状の端面に
接着された封口補助部材20は可とう性を有するため、
図8(b)に示すように波型形状に倣い、その結果封口
補助部材20とパッケージの接着界面を延長して、封口
部の密封性がさらに高めることができる。
【0035】実施の形態2 本実施の形態は、電解液注入工程の改善を目的とする。
本実施の形態における薄型電池の製造工程を図4を参照
しながら説明する。図4は、電池の集電体と逆側の一部
分をパッケージ蓋10の側から観察した平面図である。
尚、図中のハッチングは、接着された領域を示す。
【0036】本実施の形態においては、図4(a)に示
すようにパッケージ蓋10及びパッケージ底12が、封
口部18を有する辺から延びた延長部30を有してお
り、パッケージ蓋10及びパッケージ底12を接着する
際に、延長部30を袋形状に接着することにより封口部
18に繋がる袋部分26を形成する。
【0037】次に、図4(b)に示すように、上記袋部
分26を介して電解液28を注入し、注入後に延長部3
0を切断する。
【0038】次に、電解液含浸、予備充電操作を行った
後、図4(c)に示すように封口部18を仮封止する。
仮封止後、実施の形態1同様の方法により封口補助部材
を装着、熱融着して電池が完成する。
【0039】本実施の形態において、電解液28の注入
には従来同様に注入針を有する注入器を用いるが、袋部
分26を介して注入を行うため、注入針は袋部分26に
先端が届くように挿入すれば足りる。一方、従来は、図
2(b)に示したように注入針を封口部18よりも内側
に挿入する必要があったため、注入針の挿入時にパッケ
ージ蓋またはパッケージ底の内面を傷つけ、電池の信頼
性を低下させる可能性があった。
【0040】即ち、本実施の形態のように袋部分26設
け、これを介して電解液の注入を行うことにより、パッ
ケージ蓋10及びパッケージ底12の内面を傷つけるこ
となく電解液を注入することができ、信頼性の高い薄型
電池の製造が可能となる。尚、注入針が延長部30にお
いてパッケージ蓋10またはパッケージ底12を傷つけ
る可能性はあるが、当該延長部は切断されるため電池の
密封性には何ら影響しない
【0041】実施の形態3 本実施の形態においても、パッケージ蓋及びパッケージ
底により封口部に繋がる袋部分を形成するが、実施の形
態2と異なり、集電タブの側に封口部及び袋部分を設け
る。本実施の形態の薄型電池の製造方法を図5を参照し
ながら説明する。図5は、電池の集電体側の一部分をパ
ッケージ蓋10の側から観察した平面図である。尚、図
中のハッチングは、接着された領域を示す。
【0042】まず、図5(a)に示すように、延長部分
30を有するパッケージ蓋10及びパッケージ底12
を、集電タブ16を挟んで接着し、封口部18及びこれ
に繋がる袋部分26を形成する。尚、集電タブ16は最
終的に露出させる必要があるため、集電タブ16の周囲
は接着を行わない。封口部18及び袋部分26は、正極
及び負極に接続する集電タブ16の間に配置する。
【0043】次に図5(b)に示すように電解液28
を、袋部分26を介して注入する。実施の形態2におい
ては、袋部分26はパッケージ蓋及びパッケージ底自身
の剛性のみによって支持されていたため、シート厚が薄
く、剛性が低い場合、電解液の重量により袋部分が倒
れ、電解液がこぼれる等の不具合が起こる可能性があっ
た。しかし、本実施の形態においては、袋部分26は、
パッケージ蓋及びパッケージ底の間に挟まれた集電タブ
16によって支持されるため、上記不具合の発生を防止
することができる。
【0044】電解液注入後、実施の形態2同様、延長部
分30を切断して集電タブ16を露出させ、所定の操作
の後封口部18を仮封止し(図5(c))、封口補助部
材20を装着、熱融着させて電池が完成する(図6)。
【0045】尚、上記延長部30の切断時、集電タブ1
6を傷つける恐れがあるため、図7に示すように、集電
タブ16を避けて延長部30を切断し、残った延長部3
0を電池本体側に折り返すことにより集電タブ16を露
出させても良い(図7(a))。折り返すことにより、
集電タブの周辺は全て樹脂で保護され、金属シートとの
短絡を完全に抑止できるので、極めて高い安全性が確保
できる。この場合、折り返した延長部30は、パッケー
ジ蓋10及びパッケージ底12に、適当な手段で接着固
定しておくことが好ましい(図7(b))。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、下記の効果を奏する。
【0047】本発明の薄型電池は、パッケージの封口部
を覆ってラミネートシートを2つ折して成る封口補助部
材が装着され、熱融着されているため、製造過程におい
て封口部に電解液が付着して封口部の接着状態が悪化し
てもパッケージの密封性を維持可能であり、高信頼性で
ある。
【0048】また、パッケージ蓋、パッケージ底、及び
封口補助部材を、金属シートを熱融着性樹脂シートと保
護用樹脂シートにより挟んでなるラミネートシートによ
って構成することにより、パッケージ蓋及びパッケージ
底の端面に露出した熱融着性シートと封口補助部材の熱
融着性シートを互いに融着させ、さらに密封性を高めて
高信頼性の電池を得ることができる。
【0049】さらにまた、パッケージ蓋及びパッケージ
底の封口部における端部を波型形状とすることにより、
封口部における封口補助部材の接着界面の長さを延長
し、封口部の密封性を向上して、またさらに高信頼性の
電池を得ることができる。
【0050】本発明の薄型電池製造方法は、パッケージ
蓋と上記パッケージ底を封口部を残して接着し、電池体
を収納し、封口部から電解液を注入し、封口部を仮封止
した後、封口部端部を覆って、ラミネートシートを2つ
折して成る封口補助部材を装着し、熱融着させる。これ
により、仮封止の状態に左右されず、安定した密封を行
うことができるため、高信頼性の薄型電池を製造するこ
とができる。
【0051】また、仮封止後、パッケージ端部を切断
し、新たな端面を露出させることにより、封口補助部材
の接着状態を改善し、さらに高信頼性の薄型電池を製造
することができる。
【0052】さらに、パッケージに延長部を設け、袋形
状に接着して上記封口部に繋がる袋部分を形成し、袋部
分を介して電解液を注入することにより、電解液を注入
する工程においてパッケージ蓋またはパッケージ底の内
面を傷つけることなく電解液を注入することが可能とな
り、またさらに高信頼性の薄型電池を製造することがで
きる。
【0053】さらにまた、上記袋部分を集電タブにより
支持させる配置とすることにより、電解液注入時に上記
袋部分が電解液の重量により傾斜して電解液がこぼれる
等の不具合を防止して、安定した薄型電池の製造が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄型電池の一例を示す(a)斜視図
及び(b)b−b’断面の要部断面図である。
【図2】 本発明の薄型電池の製造工程の一例であっ
て、従来との共通工程を模式的に示す工程図である。
【図3】 本発明の薄型電池の図2の工程に続く工程を
模式的に示す工程図である。
【図4】 本発明の薄型電池の製造工程の別の一例を模
式的に示す工程図である。
【図5】 本発明の薄型電池の製造工程のさらに別の一
例を模式的に示す工程図である。
【図6】 本発明の薄型電池の図5に続く工程を模式的
に示す工程図である。
【図7】 本発明の薄型電池の図5に示す製造工程の別
の一例を模式的に示す工程図である。
【図8】 本発明の薄型電池の図3に示す製造工程の別
の一例を模式的に示す工程図である。
【図9】 従来の薄型電池の一例を示す(a)斜視図
(b)b−b’断面の要部断面図である。
【符号の説明】
10 パッケージ蓋、12 パッケージ底、14 電池
体、16 集電タブ、20 封口補助部材、10a、1
2a及び20a 保護用樹脂シート、10b、12b及
び20b 金属シート、10c、12c及び20c 熱
融着性樹脂シート、18 封口部、22 注入器、26
袋部分、28 電解液、30 延長部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市村 英男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 尾崎 博規 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川口 憲治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 漆畑 広明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 吉岡 省二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 吉瀬 万希子 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 西村 隆 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 竹村 大吾 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 相原 茂 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 荒金 淳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 塩田 久 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 吉田 育弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 村井 道雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA10 AA17 CC02 CC06 CC10 DD06 DD07 DD13 EE04 FF01 GG09 HH02 JJ12 5H029 AJ15 AM03 AM05 AM07 BJ04 BJ12 CJ04 CJ05 CJ06 CJ13 DJ02 DJ05 EJ01 EJ12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形のパッケージ蓋とパッケージ底を封
    口部を残して接着したパッケージに、正極及び負極をイ
    オン伝導層を介して配置した電池体と、電解液とを封入
    して成る薄型電池であって、 上記パッケージ蓋及びパッケージ底が、金属シートと樹
    脂シートが積層されたラミネートシートから成り、 上記パッケージ蓋及びパッケージ底に、当該封口部にお
    ける端部を覆って、ラミネートシートを2つ折して成る
    封口補助部材が装着され、 上記封口補助部材がパッケージ蓋及びパッケージ底に熱
    融着されたことを特徴とする薄型電池。
  2. 【請求項2】 上記パッケージ蓋、パッケージ底、及び
    封口補助部材が、金属シートを熱融着性樹脂シートと保
    護用樹脂シートにより挟んでなるラミネートシートから
    成ることを特徴とする請求項1記載の薄型電池。
  3. 【請求項3】 上記パッケージ蓋及びパッケージ底の上
    記封口部における端部が波型形状を有することを特徴と
    する請求項1記載の薄型電池。
  4. 【請求項4】 正極体及び負極体をイオン伝導層を介し
    て配置した電池体と、電解液を、矩形のパッケージ蓋と
    パッケージ底から成るパッケージに、上記正極体及び負
    極体のそれぞれに接続する集電タブを外部に取りだしつ
    つ封入して成り、上記パッケージ蓋及びパッケージ底
    が、金属シートと樹脂シートが積層されたラミネートシ
    ートから成ることを特徴とする薄型電池の製造方法であ
    って、(A)上記パッケージ蓋と上記パッケージ底を封口
    部を残して接着し、上記集電タブを外部に取り出しつつ
    上記電池体を収納する工程と、(B)上記パッケージに上
    記封口部から電解液を注入する工程と、(C)上記封口部
    において上記パッケージ蓋と上記パッケージ底を接着す
    る工程と、(D)上記パッケージ蓋及びパッケージ底に、
    当該封口部における端部を覆って、ラミネートシートを
    2つ折して成る封口補助部材を装着する工程と、(E)上
    記封口補助部材を、パッケージ蓋及びパッケージ底に熱
    融着させる工程を備える製造方法。
  5. 【請求項5】 上記工程(C)の後、さらに、上記封口部
    において、上記パッケージ蓋及び上記パッケージ底を切
    断し、新たな端面を露出する工程を備える請求項4記載
    の薄型電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記パッケージ蓋及びパッケージ底が、
    上記封口部を有する辺から延びた延長部を有し、 上記工程(A)において、上記パッケージ蓋及びパッケー
    ジ底の上記延長部を袋形状に接着して上記封口部に繋が
    る袋部分を形成し、 上記工程(B)において、上記袋部分を介して電解液を注
    入し、 上記工程(B)の後、さらに、上記延長部を切断する工程
    を備えることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記封口部が上記パッケージの上記集電
    タブを取り出した辺に配置され、上記延長部が上記集電
    タブを挟み、上記袋部分が上記正極体及び負極体に接続
    する集電タブの間に配置するよう形成され、上記袋部分
    が上記集電タブにより支持されることを特徴とする請求
    項6記載の製造方法。
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