JP4819512B2 - ラミネート電池 - Google Patents
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Description
本発明は、ラミネート電池に関し、特に外形形状を小型化したラミネート電池に関する。
近年、携帯電話やデジタルスチールカメラなどの携帯機器用の電源として高容量化、小型化の要求によりリチウムイオン電池が用いられている。携帯機器においては、薄型化が要求され、それに伴いリチウムイオン電池も小型化、薄型化の設計が要求されてきている。
そのため、金属製の外装体を用いた電池では、薄型化には限界があり、さらに、電池のエネルギー密度からも有利であるラミネート外装体を用いたラミネート電池が使用されるようになってきている。
図５は、従来のラミネート電池の封止後の状態を説明する図であり、図５（ａ）はラミネート電池の正面図、図５（ｂ）は底面図、図５（ｃ）は側面図である。図６は従来のラミネート電池の封止部を折り曲げた後の状態を説明する図であり、図６（ａ）はラミネート電池の正面図、図６（ｂ）は底面図、図６（ｃ）は側面図である。
ラミネート電池は、図５に示すように、アルミニウム箔等の金属薄膜の両面に合成樹脂製フィルムを積層したラミネート材からなるラミネート外装体にあらかじめエンボス加工等により形成した凹部からなる電池要素収納部１に電池要素を収納し、正極タブ７、負極タブ８を先端がラミネート外装体から突出すようにラミネート外装体の上に載置し、ラミネート外装体の一辺（この場合は底辺６）を折り曲げて電池要素の上、及び正極タブ７、負極タブ８の上に重ね合わせる。次いで、正極タブ７、負極タブ８の上を含めて電池要素収納部１の周囲三辺を熱融着し、正極タブ７、負極タブ８を挟み込んだ状態で封止部２を形成する。
次いで、図６に示すように、正極タブ７、負極タブ８の封止部２を含む一辺を除く電池要素収納部１の両側の二辺の封止部２を一旦１８０度折り返して側面に折り返し部３を形成し、折り返し部３を側面に沿うように９０度折り曲げ、ラミネート電池を完成する。これは、封止部２は封止のために所定の幅が必要となるが、ラミネート電池としての幅寸法を電池要素の大きさに近づけ小さくするためと、側面の強度を確保するためであり、電池の厚さ寸法も電池要素に合わせるために電池要素が薄い場合には側面の封止部２の折り返しは複数回となることもある。
ラミネート電池の寸法を小型化するため、特許文献１には、折り返し部と電池要素収納部が接着された電池が提案されている。しかしながら、ラミネート電池の電池要素収納部はエンボス加工等で形成されており、コーナ部は、図５に示すように通常曲面となっている（例えば特許文献２参照）。コーナ部の寸法も、携帯機器に装着される場合には携帯機器の装着スペース、形状との関係から小型化に影響を及ぼす。そのため、特許文献１のラミネート電池では幅寸法は押さえられるものの、折り返し部３の角がありコーナ部の寸法の小型化には不満足なものであった。
コーナ部の寸法の小型化のため、封止部のコーナ部に対応する折り返し部の角を再度上方向に折り返すことが必要となるが、折り返し部ではラミネート材が二重になっているため厚みがあり、強度もあるため角を折り返すことは困難であった。
図７は、従来のラミネート電池の封止後に折り返し部を切断した状態を示す図であり、図７（ａ）は正面図、図７（ｂ）は図７（ａ）のラミネート電池の封止部折り曲げ後の状態の側面図である。図７に示すように、封止部のコーナ部に対応する折り返し部３を切り込み部４により切断した場合には、切り込み部４により、封止部の幅が減少するため、封止が不完全となる可能性が高くなるという問題点があった。
従来のラミネート電池においては、側面に封止部の折り返し部を形成していたが、小型化のためには折り返し部の構造が障害になっていた。本発明は、折り返し部の影響を抑えて小型化でき、封止の信頼性も高いラミネート電池を提供するものである。
本発明のラミネート電池は、正極タブと負極タブが上部に引き出された電池要素が収納された電池要素収納部と、前記電池要素収納部を封止するための封止部とを備えたラミネート外装体の前記電池要素収納部の側面の封止部を内側に１８０度折り返した折り返し部を有し、前記折り返し部を前記電池要素収納部の側面に沿うように９０度折り曲げたラミネート電池において、前記側面の封止部の底辺近傍の前記折り返し部に、折り返しの線から外側に切り込み部を設け、前記底辺の角部を切り込み部に沿って内側上方に折り返した後、側面全体にわたり内側に折り返した折り返し部を有することを特徴とする。
本発明のラミネート電池によれば、側面の折り返し部分の外側の部分に切り込み部を設けることにより角部を内側に折り返すことができ、ラミネート電池のコーナ部に対向する封止部の角部を見かけ上削除できることにより、ラミネート電池の信頼性を損なうことなく小型化が可能となる等の効果がある。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図１は、本発明のラミネート電池の第一の実施の形態の封止後、切り込み部を設けた状態を説明する図であり、図１（ａ）はラミネート電池の正面図、図１（ｂ）は底面図、図１（ｃ）は側面図である。図２は、本発明のラミネート電池の第一の実施の形態の封止部を折り曲げた後の状態を説明する図であり、図２（ａ）はラミネート電池の正面図、図２（ｂ）は底面図、図２（ｃ）は側面図である。
本発明の第一の実施の形態のラミネート電池の製造について説明する。まず、アルミニウム箔からなる正極集電体上にリチウムイオンを吸蔵、放出するＬｉＭｎ２Ｏ４等の正極活物質を含む正極塗布層を有する正極と、銅箔からなる負極集電体上にリチウムイオンを吸蔵、放出するグラファイト等の負極活物質を含む負極塗布層を有する負極とを、ポリオレフィン製のセパレータを介して扁平に巻回、或いは積層し電池要素を形成する。このとき外部接続端子として正極集電体には正極タブ、負極集電体には負極タブを接続しておく。
この電池要素をアルミニウム箔等の金属薄膜の両面に合成樹脂製フィルムを積層したラミネート材からなるラミネート外装材にあらかじめエンボス加工等により凹部を形成した電池要素収納部１に挿入する。その際に正極タブ７、負極タブ８の先端がラミネート外装体から突出すようにラミネート外装体の上に載置しラミネート外装体の一辺（この場合は底辺６）を折り曲げて電池要素の上、及び正極タブ７、負極タブ８の上に重ね合わせる。次いで、正極タブ７、負極タブ８上を含めて電池要素収納部１の周囲三辺を電解液注入部を残して熱融着し、正極タブ７、負極タブ８を挟み込んだ状態で封止部２を形成する。その後、真空含浸法により電解液を注入したのち、電解液注入部を封止し、封止後のラミネート電池を作製した。
次に、電池要素収納部１の側面の封止部２の外側を１８０度折り返して、側面に折り返し部３を形成することになるが、その前に、図１に示すように、側面の封止部２の折り返し部分の底辺６の近傍に折り返しの線から外側に切り込み部４を設ける。そして、底辺の角部５を切り込み部４に沿って一旦内側上方に折り返した後、側面全体にわたり内側に折り返し、電池要素収納部１の側面に沿うように折り返し部を９０度折り曲げて形成することによりラミネート電池を完成させた。
切込み部を折り返し部から外側に設けることにより、封止部の幅は充分に保たれ、また、一辺について１または２箇所の最小限の切り込み部とすることにより、封止部の信頼性を損なうことはない。また、切り込み部の位置、角度、形状は、電池要素の収納部のコーナの形状に合わせるよう角部を内側に折り返すことができればよい。
なお、正極タブ、負極タブ側の封止部２の上には保護回路等を配置する場合があり、有効に空きスペースを利用できる場合には、折り返し部に切り込み部を形成し折り返す必要はないが、切り込み部を形成しても問題はない。
次に、第二の実施の形態について、図面を参照して説明する。図３は、本発明のラミネート電池の第二の実施の形態の封止後、切り込み部を設けた状態を説明する図であり、図３（ａ）はラミネート電池の正面図、図３（ｂ）は切り込み部の拡大図、図３（ｃ）は封止部を折り曲げた後の切り込み部の拡大図である。第二の実施の形態のラミネート電池は、第一の実施の形態のラミネート電池と同様に、電池要素をラミネート外装材で封止し、封止後のラミネート電池を作製した後、図３（ａ）に示すように、側面の封止部２の折り返し部分の底辺６の近傍に折り返し部分から外側にＶ字状の切り込み部４を設ける。そして、図３（ｂ）、図３（ｃ）に示すように、底辺の角部５を切り込み部４に沿って一旦内側上方に折り返した後、側面全体にわたり内側に折り返し、電池要素収納部１の側面に折り返し部を折り曲げて形成することによりラミネート電池を完成させた。
第二の実施の形態のラミネート電池は、切り込み部をＶ字状としたため折り曲げ部の先端が鋭角とならないため、折り返し時等に、先端でラミネート外装材を傷つける可能性が小さくなる効果がある。また、一旦内側上方に折り曲げた際に封止部の重なる面積が小さくなり、折り曲げ後のスプリングバックを軽減できる効果がある。
次に、第三の実施の形態について、図面を参照して説明する。図４は、本発明のラミネート電池の第三の実施の形態の封止後、切り込み部を設けた状態を説明する図であり、図４（ａ）はラミネート電池の正面図、図４（ｂ）は切り込み部の拡大図、図４（ｃ）は側面図である。第三の実施の形態のラミネート電池は、第一の実施の形態のラミネート電池と同様に電池要素をラミネート外装材で封止し、封止後のラミネート電池を作製した後、図４（ａ）に示すように、側面の封止部２の折り返し部分の底辺６の近傍に、折り返し部分から外側に先端が曲線形状のＶ字状の切り込み部４を設ける。その後、第二の実施の形態と同様に折り返し部を形成しラミネート電池を完成させた。
第三の実施の形態のラミネート電池は、切り込み部を曲線形状としたため、切り込み部の内側先端においては折り曲げの際に先端部が裂けにくくなり、切り込み部の外側においては折り曲げ部の先端でラミネート外装材を傷つけることがなくなる効果がある。
１ 電池要素収納部
２ 封止部
３ 折り返し部
４ 切り込み部
５ 角部
６ 底辺
７ 正極タブ
８ 負極タブ
２ 封止部
３ 折り返し部
４ 切り込み部
５ 角部
６ 底辺
７ 正極タブ
８ 負極タブ
Claims (3)
- 正極タブと負極タブが上部に引き出された電池要素が収納された電池要素収納部と、前記電池要素収納部を封止するための封止部とを備えたラミネート外装体の前記電池要素収納部の側面の封止部を内側に１８０度折り返した折り返し部を有し、前記折り返し部を前記電池要素収納部の側面に沿うように９０度折り曲げたラミネート電池において、前記側面の封止部の底辺近傍の前記折り返し部に、折り返しの線から外側に切り込み部を設け、前記底辺の角部を切り込み部に沿って内側上方に折り返した後、側面全体にわたり内側に折り返した折り返し部を有することを特徴とするラミネート電池。
- 前記切り込み部がＶ字状であることを特徴とする請求項１記載のラミネート電池。
- 前記切り込み部の縁辺が曲線形状であることを特徴とする請求項１記載のラミネート電池。
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