JP2000076676A - ディスク記録及び／又は再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦点調節機構の小型化、回転の高速化、デー
タの高密度化を図ったディスク記録及び／又は再生装置
を提供する。 【解決手段】 回転体３の上部にはディスク１が載置さ
れ、ピックアップ７がディスク１のデータ記録層１３又
はデータ記録層１５の信号面に対し、レーザ光を照射す
る。回転体３の半径方向位置を調整するため、上側半径
方向位置制御用電磁石３１と下側半径方向位置制御用電
磁石３３が回転体３を挟んで対称に配設されている。ま
た、回転体３には金属ディスク２７が固定されている。
この金属ディスク２７の軸方向の位置調整を行うため、
軸方向位置制御用電磁石３５が配設されている。モータ
３９は、回転体３を回転駆動するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はディスク記録及び／
又は再生装置に係わり、特に焦点調節機構の小型化を図
り、また回転の高速化やデータの高密度化をも図ったデ
ィスク記録及び／又は再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のディスク記録及び／又は再生装置
の簡略全体概念図を図４に示す。また、図５には、一方
向から二層に渡り記録再生の可能なディスクの簡略構成
図を示す。ディスク１には、半透明膜１１内にデータ記
録層１３及びデータ記録層１５が配設されている。ディ
スク種類判定／切替／読取装置３７はＣＤ（Ｃｏｍｐａ
ｃｔ Ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓ
ａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）等のディスクの種類を判定し
て、モードを切り替え、再生しうるものである。

【０００３】ディスク１は、回転体３を介しモータ５に
より回転駆動される。回転体３の回転速度は、回転サー
ボ２５により調節される。ピックアップ７は、データ記
録層１３又はデータ記録層１５に対しレーザ光を照射
し、かつこのデータ記録層１３又はデータ記録層１５の
記録面で反射されたレーザ光を受光する。

【０００４】一般的に、従来のディスク記録及び／又は
再生装置において、ディスク１に記録されたデータを読
み出す際、図５に示すようにピックアップ７の焦点を調
節する必要があり、ピックアップ７にフォーカスサーボ
アクチュエータ２１を取り付け、これを実現していた。

【０００５】また、ディスク１のデータを読み出すため
に、ディスク１の半径方向に向けてピックアップ７の対
物レンズを移動するためのトラッキングサーボアクチュ
エータ２３も必要であり、フォーカスサーボアクチュエ
ータ２１と併せて２種類のアクチュエータをピックアッ
プに具備していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピック
アップ７内部にアクチュエータが存在することは、装置
の小型化の難しさやアクチュエータからの発熱対策が必
要等の問題があった。また、従来のディスク記録及び／
又は再生装置は、ディスク１の中心に配設した回転体３
の支持に玉軸受等の機械的接触のある軸受を用いていた
ため、ディスク１の回転速度をあまり高くすることがで
きなかった。

【０００７】さらに、玉軸受等の機械的接触のある軸受
を用いた場合には、回転体３のアンバランスや回転体３
と軸受との間に隙間があること等により回転体３には回
転に伴う振れが生じていた。これらに対する解決策の一
つとして、気体軸受等の軸受を用いて機械的接触を避け
ることも考えられる。

【０００８】しかし、気体軸受等を用いる場合にも、こ
の種の軸受は磁気力を利用した軸受と異なり能動的な制
御を行うことが難しい。このため、回転体３の振れにつ
いては玉軸受等の機械的接触のある軸受を用いた場合と
比べて本質的な改善にはならず、回転体３の振れ等に起
因するデータ密度への制約も存在している。

【０００９】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、焦点調節機構の小型化を図り、さらには
回転の高速化やデータの高密度化をも図ったディスク記
録及び／又は再生装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、回転
体を支持し、かつ該回転体の軸方向位置を調整可能な少
なくとも一つの磁気軸受手段と、上記回転体を回転させ
る回転手段と、上記回転体に固定又は上記回転体ととも
に一体成形されたテーブルと、該テーブルに載置された
ディスクの記録層に対しレーザ光を照射するとともに該
記録層で反射されたレーザ光を受光するピックアップ
と、上記ディスクの記録層が上記ピックアップから照射
されるレーザ光の焦点位置に一致するように上記磁気軸
受手段を制御して上記回転体の軸方向位置を調整する制
御手段とを備えたことを特徴とする。

【００１１】ディスクの記録層は一層又は複数層配設さ
れている。回転体は、その形状を問わない。例えば、中
実軸でもよいし、中空円筒等でもよい。ピックアップか
ら照射されたレーザ光が、データ記録層に対し焦点を結
ぶようにするため、ディスクを回転体の軸方向に磁気浮
上により移動させる。この磁気浮上には、回転体の軸方
向位置を磁気的に調整するための軸方向位置制御用電磁
石及び／又は永久磁石を用いる。

【００１２】また、上記回転体の軸方向に異なる２箇所
の半径方向位置をそれぞれ磁気的に調整するための２組
の半径方向位置制御用電磁石及び／又は永久磁石を設け
るのが望ましい。しかしながら、例えば下側の半径方向
位置調整手段を省略しても制御は可能であるし、また一
部の位置調整手段の代わりに動圧軸受等による非接触軸
受を用いてもよい。これらの位置調整手段には、電動機
巻線、半径方向位置制御巻線及び軸方向位置制御巻線の
いずれか少なくとも一つが巻回された電磁石を含む。

【００１３】さらに本発明は、ベアリングレスモータの
ように、上記回転手段に配設された電動機巻線により発
生した磁力が上記軸方向位置制御用電磁石又は上記半径
方向位置制御用電磁石により発生した磁力により不平衡
とされることで回転力を発生しつつ軸方向位置又は半径
方向位置を磁気的に調整することを特徴とする。このよ
うな構成とすることで、軸方向位置制御用電磁石や半径
方向位置制御用電磁石を小型化及び低消費電力化するこ
とも可能である。

【００１４】以上により、ディスクの支持に、焦点調節
機能を有する磁気軸受を用いたので、フォーカスサーボ
アクチュエータを省略でき、装置の小型化を実現でき
る。また、フォーカスサーボアクチュエータの発熱に伴
うピックアップへの影響を小さくできる。更に、回転体
の機械的接触は回避されているため回転の高速度化を図
ることができる。また、磁気軸受を用いた能動制御によ
り回転体の振れを抑制することが可能なため、データ記
録方式の高密度化も図ることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１に、本発明の実施形態の主要構
成図を示す。図１において、中実又は中空の回転体３の
上部にはテーブル２が固定又は一体成形され、このテー
ブル２上にディスク１が載置されているが、これらの構
成は従来より慣用的に実施されている構成と同じであ
る。

【００１６】ピックアップ７がディスク１のデータ記録
層１３又は１５に対し、レーザ光を照射等する点は図２
及び図３と同様なので省略している。回転体３の上側半
径方向位置を調整するため、上側半径方向位置制御用電
磁石３１が回転体３を挟んで対称に配設されている。上
側半径方向位置制御用電磁石３１には、半径方向位置制
御巻線が各々巻回されている。

【００１７】また、同様に回転体３の下側半径方向位置
を調整するため、下側半径方向位置制御用電磁石３３が
回転体３を挟んで対称に配設されている。さらに、回転
体３には金属ディスク２７が固定されている。この金属
ディスク２７の軸方向の位置を調整するため、軸方向位
置制御用電磁石３５が配設されている。モータ３９は、
回転体３を回転駆動するようになっている。

【００１８】次に動作を説明する。図２にピックアップ
とディスクのデータ記録層の位置関係を示す。図２に示
すように、ピックアップ７は回転体３の軸方向には移動
させない。その代わり、回転体３自体を磁気浮上させつ
つ軸方向に移動させ、まずディスク１のデータ記録層１
３又はデータ記録層１５のいずれか一方に対し、レーザ
光の焦点が一致するように位置調整する。

【００１９】焦点が一致したか否かを検出する方法は、
ナイフエッジ法、非点収差法等、従来より用いられてい
る方法を用いればよい。この検出結果に基づき、軸方向
位置制御用電磁石３５をフィードバック制御し、回転体
３の軸方向位置を制御する。

【００２０】次に、もう一方のデータ記録層に対し、レ
ーザ光の焦点を一致させる場合を考える。このとき、上
側半径方向位置制御用電磁石３１及び下側半径方向位置
制御用電磁石３３で回転体３の半径方向位置を維持させ
つつ、回転体３を軸方向位置制御用電磁石３５で軸方向
に移動させて、もう一方のデータ記録層にレーザ光の焦
点が一致するよう位置合せする。

【００２１】従来の例との対比を容易にするため、図３
に本発明のディスク記録及び／又は再生装置の簡略全体
概念図を示す。図３において、従来のフォーカスサーボ
アクチュエータ２１に代えて、磁気軸受制御回路／フォ
ーカスサーボ４１が設けられている。すなわち、磁気軸
受制御回路における軸方向位置制御の為の構成がフォー
カスサーボを兼用しているのである。

【００２２】このような構成とすることで、従来用いら
れていたピックアップ７のレーザ焦点を合わせるための
レンズ移動用アクチュエータが不要となり、小型化が可
能となるとともにアクチュエータの発熱に伴うピックア
ップ７部分への熱の影響をなくすことができる。

【００２３】本発明によれば、従来のフォーカスサーボ
アクチュエータ２１の機能は、回転体３を軸方向に磁気
的に支持するための磁気軸受部分で実現する。回転体３
支持用の軸受は従来のディスクドライブにも存在するも
のであるから、このことにより、著しく装置が大型化す
るということはない。

【００２４】また、磁気軸受制御用の回路が新たに必要
となるが、そのうち軸方向位置制御用の構成は従来のフ
ォーカスサーボアクチュエータ２１制御用回路と同等の
ものであり、これに半径方向位置制御用の回路構成を付
加したものであるため、従来の回路と比べて、著しく大
型化するということはない。

【００２５】なお、半径方向位置制御用電磁石３１、３
３は永久磁石に置き換えることも可能であり、その場合
は、磁気軸受制御回路は軸方向位置制御用の回路構成だ
けで済むことになり、従来の構成とほぼ同程度のものと
することができる。

【００２６】また、磁気軸受を用いることにより、ディ
スク１回転用の回転体３は非接触支持され、機械的な接
触抵抗は存在しなくなり、ディスク１の高速回転が可能
となる。したがって、従来は実現の難しかった（超）高
倍速のディスクドライブを実現可能である。

【００２７】さらに、この磁気軸受は能動制御を行って
いるため、従来の軸受を用いた場合に比べて、回転体の
振れを小さくできる。このことにより、従来のディスク
以上の高密度のデータ記録が可能となる。

【００２８】また、モータと磁気軸受を一体化させたベ
アリングレスモータを用いることで、装置の更なる機能
集約及び小型化が期待できる。具体的には、例えば、電
動機巻線３９と半径方向位置制御巻線３１、３３とを独
立、かつ重複して巻回し、電動機巻線により発生した磁
力が半径方向位置制御巻線により発生した磁力により不
平衡とされることで回転力を発生しつつ半径方向位置を
磁気的に調整するように構成する。

【００２９】また、電動機巻線と軸方向位置制御巻線と
を独立、かつ重複して巻回し、しかも金属ディスクに永
久磁石又は巻線を設け、電動機巻線により発生した磁力
が軸方向位置制御巻線により発生した磁力により不平衡
とされることで金属ディスクに対して回転力を発生しつ
つ軸方向位置を磁気的に調整するように構成してもよ
い。

【００３０】上記の例では、モータ３９を半径方向位置
制御用電磁石３１と３３の間に設けたが、これに限ら
ず、回転体３の図面下方端面側に配設した端面モータを
用いるようにしてもよい。

【００３１】また、電磁石３１、３３及び３５はいずれ
か一つ又は二つ又は全てを永久磁石に置き換えることも
できるし、各電磁石の一部のみを永久磁石に置き換える
ことも可能である。各電磁石の全てを永久磁石に置き換
える場合には、この永久磁石の運動を制御することで回
転体３の軸方向位置制御を行うことも可能である。

【００３２】さらに、ディスクの記録層は上記の例のよ
うに２層のものに限らず、１層又は３層以上の多層のも
のにも適用可能である。本発明は、ＣＤやＤＶＤ等の光
ディスクの記録専用装置、再生専用装置及び記録再生兼
用装置のいずれにも適用可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、デ
ィスクの支持に焦点調節機能を有する磁気軸受を用いた
ことで、装置の小型化を図ることができ、また回転の高
速化、データ記録の高密度化を実現可能である。

【００３４】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施形態の主要構成図

【図２】 ピックアップとディスクのデータ記録層の位
置関係を示す図

【図３】 本発明のディスク記録再生装置の簡略全体概
念図

【図４】 従来のディスク記録再生装置の簡略全体概念
図

【図５】 ディスクの簡略構成図

【符号の説明】

１ ディスク ２ テーブル ３ 回転体 ５、３９ モータ ７ ピックアップ １１ 半透明膜 １３、１５ データ記録層 ２７ 金属ディスク ３１ 上側半径方向位置制御用電磁石 ３３ 下側半径方向位置制御用電磁石 ３５ 軸方向位置制御用電磁石 ３７ ディスク種類判定／切替／読取装置 ４１ 磁気軸受制御回路／フォーカスサーボ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3J102 AA01 BA03 BA19 CA19 DA02 DA03 DA09 DB05 DB10 DB11 GA03 5D109 BB01 BB02 BB05 BB19 BB21 DA15 5D118 AA02 AA23 BA01 BB02 BF02 BF03 CA11 EA01 FA46 FA47 5H607 AA12 AA14 BB01 BB02 CC07 DD03 EE10 FF11 GG13 GG20 GG21

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転体を支持し、かつ該回転体の軸方向
   位置を調整可能な少なくとも一つの磁気軸受手段と、上
   記回転体を回転させる回転手段と、上記回転体に固定又
   は上記回転体とともに一体成形されたテーブルと、該テ
   ーブルに載置されたディスクの記録層に対しレーザ光を
   照射するとともに該記録層で反射されたレーザ光を受光
   するピックアップと、上記ディスクの記録層が上記ピッ
   クアップから照射されるレーザ光の焦点位置に一致する
   ように上記磁気軸受手段を制御して上記回転体の軸方向
   位置を調整する制御手段とを備えたことを特徴とするデ
   ィスク記録及び／又は再生装置。
2. 【請求項２】 上記磁気軸受手段は、上記回転体の軸方
   向位置を磁気的に調整するための軸方向位置制御用電磁
   石及び／又は永久磁石を有することを特徴とする請求項
   １記載のディスク記録及び／又は再生装置。
3. 【請求項３】 上記磁気軸受手段は、上記回転体の軸方
   向に異なる２箇所の半径方向位置をそれぞれ磁気的に調
   整するための２組の半径方向位置制御用電磁石及び／又
   は永久磁石を有することを特徴とする請求項１又は請求
   項２記載のディスク記録及び／又は再生装置。
4. 【請求項４】 上記回転手段は、上記各組の半径方向位
   置制御用電磁石及び／又は永久磁石の間に設けた電動機
   巻線を有することを特徴とする請求項３記載のディスク
   記録及び／又は再生装置。
5. 【請求項５】 上記磁気軸受手段は、上記回転手段に配
   設された電動機巻線により発生した磁力が上記軸方向位
   置制御用電磁石又は上記半径方向位置制御用電磁石によ
   り発生した磁力により不平衡とされることで回転力を発
   生しつつ軸方向位置又は半径方向位置を磁気的に調整す
   ることを特徴とする請求項２、３又は４記載のディスク
   記録及び／又は再生装置。