JP2000075507A - 電子写真用感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真用感光体の製造方法

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JP2000075507A
JP2000075507A JP10262322A JP26232298A JP2000075507A JP 2000075507 A JP2000075507 A JP 2000075507A JP 10262322 A JP10262322 A JP 10262322A JP 26232298 A JP26232298 A JP 26232298A JP 2000075507 A JP2000075507 A JP 2000075507A
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anodic oxide
sealing treatment
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English (en)
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Hidetaka Yahagi
秀隆 矢萩
Naoyuki Senba
直幸 仙庭
Shigeyuki Nakayama
茂幸 中山
Takayuki Kubo
孝幸 久保
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極酸化ピットの生成を促進するとともに封孔
処理後の洗浄条件を最適にして、黒点や白点等の画像欠
陥がない上にレーザー光干渉による干渉縞模様の発生も
ない電子写真用感光体の製造方法を得る。 【解決手段】陽極酸化処理時に毎分1.5A/dm2
下の電流密度上昇速度で定常電流密度に到達させ、次い
で封孔処理後に40℃以上の純水で基体を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子写真用感光体
に使用するアルミニウム基体の製造方法に係り、特に黒
点や白点の発生がなく、且つレーザー光干渉のないアル
ミニウム基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は従来から複写機の分野
で発展を遂げ、最近ではレーザプリンターなどにも応用
され、従来のインパクトプリンターとは比較にならない
ほど高画質、高速、静粛性を誇り、急速に広まってい
る。これらの装置で使用される感光体は導電性基体表面
に光導電層を設けて形成される。光導電物質としては、
最近、有機物質を使用したものが主流で層構成としては
機能分離型構造(積層型)が一般的である。機能分離型
構造(積層型)は下引き層を形成した基体の上に電荷発
生層や電荷輸送層を積層するものである。
【0003】下引き層(Under Coat Layer) としては、
ポリアミドを代表とする有機系樹脂を使用するタイプと
アルミニウム基体の表面に陽極酸化皮膜を形成させるタ
イプの2種類に分けられるが、高温高湿環境下における
信頼性では後者の方が一般的に有利である。アルミニウ
ム基体表面の陽極酸化皮膜は、アルミニウム基体を所定
の電流密度で陽極酸化処理し、封孔処理し、次いで洗浄
処理して形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】陽極酸化皮膜は陽極酸
化の際にアノード電流が通過して生じた通電孔やアルミ
ニウム中の不純物による晶出物が選択溶解して生じた酸
化ピット等を有して多孔質であり、ほとんど全ての波長
域の光を透過する。特に780nmの波長を有するレー
ザ光源に用いるプリンターにおいては、単波長光による
過干渉性の故にアルミニウムと陽極酸化皮膜の界面での
反射光と陽極酸化皮膜表面の反射光との干渉を生じ、陽
極酸化皮膜が不均一で陽極酸化皮膜に膜厚偏差があると
干渉の強弱により等高線のような干渉縞模様が生じると
いう問題があった。
【0005】上述のような干渉を防止するために現在種
々の対策が講じられている。 ア)皮膜厚さの均一化 干渉縞模様は基本的に陽極酸化皮膜(以下に皮膜とも略
称する)の膜厚偏差が原因となるので、皮膜厚さの均一
化を行えばよいことになるが、780nmの光源の場
合、皮膜の屈折率(n=1.6)を考慮に入れると、膜
厚偏差を0.24μm以下に抑える必要がある。これは
一度の電解処理数を減らせば可能であるが、通常の量産
処理条件においては皮膜厚偏差を0.24μm以下に抑
えることは不可能に近い。
【0006】イ)基板表面粗さの適正化 またアルミニウム基体表面の切削加工をある一定の粗さ
(断面形状)に仕上げることにより、皮膜とアルミニウ
ムの界面で乱反射を付与して干渉縞模様を回避する方法
は既に公知となっているが、適正粗さの数値化(規格
化)が複雑であり、量産には適しないことが明らかにな
っている。
【0007】ウ)パルス電解法 一方、パルス電解法により陽極酸化皮膜の通電孔の形状
を皮膜中で変化させ、干渉を抑制する方法が特開平07
−301935号公報や特開平06−317921号公
報に提案されているが、皮膜の硬度が増加し、耐熱性が
劣るという欠点がある。
【0008】エ)陽極酸化ピットによる方法 アルミニウム中のMg2Si 等の晶出物を有するアルミニウ
ムを電解処理して陽極酸化ピットを形成する方法がレー
ザー光を散乱し、干渉を抑制するために有効であること
が明らかになり、この方法が最も簡便で確実であると考
えられる。。しかし詳細な調査の結果、干渉抑制に寄与
する陽極酸化ピットの数および径の分布はアルミニウム
中の晶出物の粒径分布のみで決定されるものではなく、
電解条件にも依存することが特開平07−319194
号公報に開示されている。従って電解時の定常電流密度
に達する速度を一定以下にすることにより、陽極酸化ピ
ットを強制的に生成させれば干渉抑制が可能となる。し
かしながら陽極酸化ピットにより干渉を抑制する場合は
黒点や白点等の画像欠陥を生じる場合がある。
【0009】発明者等は陽極酸化ピットによる黒点や白
点等の画像欠陥につき鋭意検討した結果、これらの画像
欠陥は陽極酸化ピットの存在自体により発生するのでは
なく、陽極酸化ピットの存在と酢酸ニッケルを用いる封
孔処理および封孔処理後の洗浄条件が絡んで発生するこ
とが明らかになった。この発明は上述の点に鑑みてなさ
れその目的は、陽極酸化ピットの生成を促進するととも
に封孔処理後の洗浄条件を最適にして、黒点や白点等の
画像欠陥がない上にレーザー光干渉による干渉縞模様の
発生もない電子写真用感光体の製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よればアルミニウムを陽極酸化し、酢酸ニッケルを用い
て封孔処理し、次いで洗浄してアルミニウム基体を調製
する電子写真用感光体の製造方法において、陽極酸化処
理時に毎分1.5A/dm2 以下の電流密度上昇速度で
定常電流密度に到達させ、次いで封孔処理後に40℃以
上の純水で基体を洗浄することにより達成される。
【0011】陽極酸化処理時に毎分1.5A/dm2
下の電流密度上昇速度で定常電流密度に到達させると、
陽極酸化ピットの生成が促進される。封孔処理後の洗浄
を40℃以上の純水を用いて実施すると、封孔処理に用
いた酢酸ニッケルの陽極酸化ピット上に残留した酢酸ニ
ッケル汚染がなくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】陽極酸化時の電流密度上昇速度は
0.05〜1.5A/dm2 ・分以下で行われる。酢酸
ニッケルを用いた封孔処理をした後に40℃以上の純水
を用いて洗浄を行う。
【0013】図1はこの発明の製造方法で得られた陽極
酸化ピットの分布とサイズを示す拡大図である。陽極酸
化ピットの直径は約5ないし10μm の範囲にあること
がわかる。
【0014】
【実施例】実施例1 アルミニウムはJIS6063を用い切削加工により所
望の寸法に加工し、表面粗さを1.0Sに仕上げた。そ
の後に以下の条件で陽極酸化処理を行った。トップアル
クリーン#101(奥野製薬工業:30g/l,60
℃,3分)で脱脂し、水洗を行った。その後、硫酸(1
80g/l,Alイオン1〜10g/l,20℃)中で
電解処理を31分間(電流密度設定値0.74A/dm
2 )行い皮膜厚8μmとした。このときの電流密度の上
昇速度を0.05, 0.1,0.5, 1.0,
1.5, 2.0A/dm2 ・分の6条件で行った。そ
の後、水洗を行い封孔処理を行った。封孔処理剤は酢酸
ニッケル(トップシールH298(奥野製薬工業),8
5℃,14分)を使用した。その後シャワーおよび常温
純水洗浄後、さらに40℃の純水で、1分間の洗浄を行
った。
【0015】その後、得られた基板をアルカリ洗剤(カ
ストロール450:カストロール(株))により2分間
洗浄して乾燥させ、X型無金属フタロシアニン顔料を塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体に重量比4:6で分散した
電荷発生層と、ヒドラゾン系電荷輸送剤にポリカーボネ
ート系樹脂および添加剤を加えた電荷輸送層を積層し
た。 比較例1 封孔処理後に35℃の純水で、1分間の洗浄を行う他は
実施例1と同様にして感光体を作製した。 実施例2 封孔処理剤に酢酸ニッケル(トップシールDX300
(奥野製薬工業製),85℃,14分)を使用する他は
実施例1と同様にして感光体を作製した。 比較例2 封孔処理後に35℃の純水で、1分間の洗浄を行う他は
実施例2と同様にして感光体を作製した。 参考例1 アルミニウムはJIS6063を用い切削加工により所
望の寸法に加工し、表面粗さを1.0Sに仕上げた。そ
の後に以下の条件で陽極酸化処理を行った。
【0016】トップアルクリーン#101(奥野製薬工
業:30g/l,60℃,3分)で脱脂し、水洗を行っ
た。その後、硫酸(180g/l,Alイオン1〜10
g/l,20℃)中で電解処理を31分間(電流密度設
定値0.74A/dm2 )行い皮膜厚8μmとした。こ
のときの電流密度の上昇速度を0.05, 0.1,
0.5, 1.0, 1.5, 2.0A/dm2 ・分
の6条件で行った。その後、水洗を行い封孔処理を行っ
た。封孔剤は非ニッケル系の界面活性剤(トップシール
E110(奥野製薬工業製),85℃,5ml/l, 14
分)を使用した。その後シャワーおよび常温純水洗浄
後、さらに純水で35℃,1分間洗浄を実施した。
【0017】その後、得られた基板をアルカリ洗剤(カ
ストロール450:カストロール(株))により2分間
洗浄して乾燥させ、X型無金属フタロシアニン顔料を塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体に重量比4:6で分散した
電荷発生層と、ヒドラゾン系電荷輸送剤にポリカーボネ
ート系樹脂および添加剤を加えた電荷輸送層を積層し
た。 参考例2 封孔処理後に40℃の純水で、1分間の洗浄を行う他は
参考例1と同様にして感光体を作製した。 参考例3 封孔処理剤に非ニッケル系の界面活性剤(almeco seal
SLT- F(ヘンケルジャパン),85℃,14分)を
使用する以外は参考例1と同じ条件で感光体を作製し
た。 参考例4 封孔処理後に40℃の純水で、1分間の洗浄を行う他は
参考例3と同様にして感光体を作製した。
【0018】結果が表1と表2に示される。表中、○は
干渉や黒点等の発生がなく良好な特性であること、×は
干渉や黒点の発生があり特性が良くないことを示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】実施例1,実施例2,比較例1,比較例2
で得られた結果と参考例1,参考例2,参考例3,参考
例4で得られた結果を比較すると、酢酸ニッケル封孔剤
が黒点や白点等の画像欠陥に関与していることがわか
る。また実施例1,比較例1で得られた結果と、実施例
2,比較例2で得られた結果を比較すると、酢酸ニッケ
ル封孔剤の影響は、封孔剤のメーカーや製品に依存しな
いことがわかる。参考例1,参考例2で得られた結果
と、参考例3,参考例4で得られた結果の比較について
も同様である。
【0022】
【発明の効果】この発明によればアルミニウムを陽極酸
化し、酢酸ニッケルを用いて封孔処理し、次いで洗浄し
てアルミニウム基体を調製する電子写真用感光体の製造
方法において、陽極酸化処理時に毎分1.5A/dm2
以下の電流密度を用いて定常電流密度を達成し、次いで
封孔処理後に40℃以上の純水で基体を洗浄するので、
定常電流密度に到達する時間が長くなって、陽極酸化ピ
ットが積極的により多くまた大きく生成することとな
り、アルミニウム基板と陽極酸化皮膜の界面での乱反射
効果が増してレーザー光による干渉が抑制される。また
封孔処理後の洗浄を40℃以上の純水を用いて行うと、
酢酸ニッケルの洗浄が良く行われ、酢酸ニッケルの付着
に起因する画像欠陥がなくなる。このようにして黒点や
白点等の画像欠陥がない上にレーザー光干渉による干渉
縞模様の発生もない電子写真用感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法で得られた陽極酸化ピット
の分布とサイズを示す拡大図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 茂幸 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 久保 孝幸 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA41 AA51 CA32 EA00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムを陽極酸化し、酢酸ニッケル
    を用いて封孔処理し、次いで洗浄してアルミニウム基体
    を調製する電子写真用感光体の製造方法において、陽極
    酸化処理時に毎分1.5A/dm2 以下の電流密度上昇
    速度で定常電流密度に到達させ、次いで封孔処理後に4
    0℃以上の純水で基体を洗浄することを特徴とする電子
    写真用感光体の製造方法。
JP10262322A 1998-09-01 1998-09-01 電子写真用感光体の製造方法 Pending JP2000075507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017010058A (ja) * 2011-08-19 2017-01-12 昭和電工株式会社 感光ドラム用基体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017010058A (ja) * 2011-08-19 2017-01-12 昭和電工株式会社 感光ドラム用基体

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