JP2000075108A - 集光体および太陽光発電システム - Google Patents

集光体および太陽光発電システム

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JP2000075108A
JP2000075108A JP10243804A JP24380498A JP2000075108A JP 2000075108 A JP2000075108 A JP 2000075108A JP 10243804 A JP10243804 A JP 10243804A JP 24380498 A JP24380498 A JP 24380498A JP 2000075108 A JP2000075108 A JP 2000075108A
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resin
alicyclic structure
polymer
ene
condenser
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JP10243804A
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English (en)
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Koji Minami
幸治 南
Tadashi Takishima
正 滝島
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿の影響による変形がなく、大型薄肉サイズ
の高精度かつ高転写性の成形が可能であるとともに、透
明性および耐光性にも優れる透過型集光方式太陽光発電
システム用集光体およびこれを用いた太陽光発電システ
ムを提供する。 【解決手段】本発明に係る集光体は、脂環式構造含有重
合体樹脂からなる。本発明によれば、透明性および耐光
性に優れ、成形時に高温でも熱分解や加水分解を生ずる
おそれは少なく、大型薄肉サイズの集光体を精度良く成
形可能であり、溶融時の流動性に優れるので、集光用突
起を形成する際にも転写不良を生じるおそれが少なく、
成形品に吸湿の影響による変形を生ずるおそれが少な
く、かつ成形品に割れや反りを生ずるおそれが少ない集
光体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型集光方式太
陽光発電システムへの使用に適した集光体およびこれを
用いた太陽光発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池はクリーンエネルギーと
して注目を集めており、これを用いた太陽光発電システ
ムの応用が検討されている。太陽光発電システムは、採
光方式によってフラットパネル型と集光型に大別され
る。中でも、集光体を用いて集光させた太陽光を照射し
て、点状または線状に配置された太陽電池を動作させる
「透過型集光方式」では、集光体として、分割した凸レ
ンズの曲面をそれぞれつなぎ合わせた円型または線型フ
レネルレンズなどが用いられている。こうした集光体と
しては、従来から、ガラス製レンズが多く用いられてい
る。
【0003】しかしながら、ガラス製レンズは、重く、
また割れやすいため取り扱いが煩雑であり、かつその加
工は主として研磨によるものであるために、仕上げのた
めに長持間の加工が必要であり、生産性の低さとコスト
の上昇を招いていた。
【0004】そこで、ガラス製の集光体の代替品とし
て、軽く、耐衝撃性が高く、成形性に優れ、低コストで
あるという利点を有するプラスチック製の集光体が提唱
されている。
【0005】こうしたプラスチック製の集光体として
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカー
ボネート(PC)などの無色かつ高透明性の熱可塑性樹
脂を成形したものが使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PMM
AおよびPC双方とも、成形時の吸湿の影響により成形
品に変形を生じ、そのため、こうした集光体を使用する
と太陽電池への焦点位置の変動を来し、エネルギー変換
効率の低下を招くという問題があった。
【0007】また、PMMAは、成形時の溶融粘度が高
く流動性に劣るので、大型薄肉サイズ(たとえば、直径
450mmφ程度、厚み4mm程度)の集光体を精度良
く成形できず、また成形品に割れを生じたり、集光用突
起の転写性に劣るなどの問題があった。一方、樹脂の流
動性を高めるために樹脂温度を上げると、成形機内で樹
脂が熱分解して発泡するおそれがあり、成形品にボイド
を生じて透明性が低下するなどの問題があった。
【0008】さらに、PCは、熱分解温度はPMMAよ
りも高いが、熱変形温度もPMMAに比較して高いた
め、大型薄肉サイズの成形品を成形するために十分な流
動性を得るには成形温度をより高めなければならず、そ
の結果、集光体の大型薄肉化は達成できても、成形品に
反りが生じたり、PMMAと同様、集光用突起の転写性
に劣るなどの問題があった。また、吸湿の影響により成
形機内で樹脂が加水分解して発泡するおそれがあり、P
MMAと同様の問題を生ずる。さらにはPCは耐候性が
ないため、これを用いたレンズは太陽光発電システムの
集光体用途には適さない。
【0009】なお、シクロオレフィンポリマーなどの脂
環式構造含有重合体樹脂は、その優れた成形性から、脂
環式構造含有重合体樹脂を用いて集光体を製造すること
が検討されている。
【0010】本発明はこうした実状に鑑みてなされ、吸
湿の影響による変形がなく、大型薄肉サイズの高精度か
つ高転写性の成形が可能であるとともに、透明性および
耐候性にも優れる透過型集光方式太陽光発電システム用
集光体およびこれを用いた太陽光発電システムを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透過型集
光方式太陽光発電システムに好適な集光体について鋭意
検討した結果、脂環式構造含有重合体樹脂からなる集光
体が、吸湿の影響による変形がなく、大型薄肉サイズの
高精度かつ高転写性の成形が可能であるとともに、透明
性および耐候性にも優れることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る透過型集光方式太
陽光発電用集光体は、脂環式構造含有重合体樹脂からな
ることを特徴とする。
【0013】本発明に係る集光体は、脂環式構造含有重
合体樹脂からなるので、透明性および耐候性に優れる。
また脂環式構造含有重合体樹脂から構成してあることか
ら、高温で成形しても成形機内で樹脂が熱分解や加水分
解を生ずるおそれは少なく、大型薄肉サイズの集光体を
精度良く成形可能であり、溶融時の流動性に優れるの
で、集光用突起を形成する際にも転写不良を生じるおそ
れが少なくなる。また脂環式構造含有重合体樹脂からな
るので、成形品に吸湿の影響による変形を生ずるおそれ
が少なく、かつ成形品に割れや反りを生ずるおそれが少
なくなる。したがって、本発明に係る集光体を、透過型
集光方式太陽光発電システムに使用した場合、太陽電池
への焦点位置の変動を来たすおそれが少なく、エネルギ
ー変換効率を高く保持することができる。
【0014】前記脂環式構造含有重合体樹脂は、重合体
を構成する繰り返し単位中に脂環式構造を有していれば
特に限定されないが、好ましくはノルボルネン系開環重
合体またはその水素添加物であることが望ましい。成形
品に割れが生じることを一層防止できるからである。
【0015】また、脂環式構造含有重合体樹脂として
は、脂環式構造を有する繰り返し単位を有し、該脂環式
構造を有する繰り返し単位中にノルボルナン環を有さな
い脂環式構造を有する繰り返し単位を、好ましくは10
重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好
ましくは50重量%以上含有する熱可塑性樹脂であるこ
とが望ましい。こうした特定の脂環式構造含有重合体樹
脂を使用することで、溶融時の樹脂の流動性に一層優れ
るとともに、転写性も向上し、しかも耐候性の一層の向
上が図れるからである。
【0016】脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温
度(Tg)は、特に限定されないが、好ましくは70°
C以上、より好ましくは80°C以上であることが望ま
しい。太陽光発電システムは、屋外に曝露された状態で
使用されることが多く、これに用いられる集光体もある
程度の耐熱性を有する必要がある。Tgが好ましくは7
0°C以上の脂環式構造含有重合体樹脂を用いること
で、耐熱性にも一層優れるからである。
【0017】本発明に係る集光体の態様は、特に限定さ
れず、集光体への入射光を所定の位置に集光できる形状
であればよく、フレネル形状またはプリズム形状のもの
が好適に用いられる。
【0018】また、本発明に係る集光体の厚みや寸法な
ども、特に限定されないが、厚みが好ましくは1mm〜
50mm、より好ましくは2mm〜30mm、さらに好
ましくは3mm〜20mm、集光するために用いられる
有効な面積が通常50cm 〜10,000cm
好ましくは80cm〜5,000cm、より好
ましくは100cm〜1,000cm、フレネ
ル形状などのレンズ形状の場合の焦点距離が10mm〜
1,000mmである。特にフレネル形状のフレネルレ
ンズは、通常の凸レンズに比較し、同じ大きさおよび焦
点距離であれば厚みを薄く成形でき好適である。すなわ
ち、厚みおよび直径が上記範囲にあるフレネルレンズを
用いることで、透過型集光方式の太陽光発電システム全
体の薄型化が容易となる。また、脂環式構造含有重合体
樹脂を用いて上記寸法範囲の集光体とすることで、太陽
光発電システム用集光体として、耐候性および成形性を
兼ね備え、さらに軽量化が図られる。
【0019】本発明に係る集光体の製造方法は、特に限
定されず、たとえば、ペレット状とした脂環式構造含有
重合体樹脂からなる成形材料(必要に応じて添加された
その他の成分も含む)を、射出成形、押出成形、カレン
ダー成形またはプレス成形などの成形方法を用いて製造
することができる。射出成形、押出成形、カレンダー成
形またはプレス成形によると、高寸法精度の集光体を高
生産性で製造できるからである。なお、好ましくは、射
出成形またはプレス成形により成形することが望まし
い。
【0020】集光体 本発明において、「集光体」とは、透過型集光方式太陽
光発電システムに用いられる集光体を意味しており、集
光体に入射してきた太陽光を一定方向に集光させる機能
を有する。
【0021】集光体の断面形状は、特に限定されない
が、たとえば、太陽光入射面側から見て、凹凸形状(入
射面が凹形、出射面が凸形)、平凸形状(入射面が略平
滑、出射面が凸形)、両凸形状(入射面および出射面と
もに凸形)、凸平形状(入射面が凸形、出射面が略平
滑)、凸凹形状(入射面が凸形、出射面が凹形)などが
挙げられる。
【0022】集光体の光入射面または光出射面の断面形
状(集光用突起)としては、入射した光を集光させて出
射できる形状であれば特に限定されず、たとえば、フレ
ネル形状、レンチキュラー形状、プリズム形状、球面形
状、非球面形状などが例示できる。
【0023】集光体の平面形状は、特に限定されず、太
陽電池モジュールの配置などに応じて適宜決定される。
たとえば、円型、方形状などが挙げられる。
【0024】集光体の製造方法として、たとえば射出成
形、押出成形、カレンダー成形またはプレス成形などの
成形方法を用いて製造することができる。
【0025】成形条件は、 (1)射出成形の場合、脂環式構造含有重合体樹脂から
なる成形材料のガラス転移点で、ガラス転移点が2点以
上ある場合は最も高いガラス転移点をTg(°C)とす
ると、特に格別な制限はないがシリンダー温度を、通常
Tg+50(°C)〜Tg+350(°C)、好ましく
はTg+80(°C)〜Tg+300(°C)、より好
ましくはTg+100(°C)〜Tg+250(°C)
の温度範囲で成形する。シリンダー温度が低すぎると、
流動性が下がり大型精密成形が困難になる。成形温度が
高すぎると、冷却時間が長くなるため生産性が低くな
る。
【0026】金型温度については、特に格別な制限はな
いが、通常Tg−150(°C)〜Tg+10(°
C)、好ましくはTg−100(°C)〜Tg+0(°
C)の温度範囲で成形する。金型温度が低すぎると、樹
脂の流動性が下がり型形状の転写が悪くなる。高すぎる
と、型形状の転写はよくなるが、樹脂が固化せず型から
抜きづらくなる。
【0027】射出速度は、精密成形を行う目的で特に格
別な制限はないが、通常20cm /秒〜100cm
/秒、好ましくは30cm/秒〜90cm
/秒である。
【0028】射出圧は、特に格別な制限はないが、通
常、500kg/cm〜2000kg/cm
好ましくは800kg/cm〜1700kg/cm
で成形する。
【0029】(2)押出成形の場合、Tダイ法が好まし
い。シリンダー温度、およびTダイの温度は、通常Tg
+50(°C)〜Tg+350(°C)、好ましくはT
g+80(°C)〜Tg+300(°C)、より好まし
くはTg+100(°C)〜Tg+250(°C)であ
る。
【0030】Tダイに最も近いロール温度は、特に格別
な制限はないが、通常、Tg−150(°C)〜Tg+
20(°C)、好ましくはTg−100(°C)〜Tg
+0(°C)の温度範囲で成形する。ロール温度が低す
ぎると、ロール形状の転写が悪くなる。高すぎると、ロ
ール面形状の転写はよくなるが、ロール離れが悪くな
る。ロールにはレンズなどの集光パターンをあらかじめ
設けておいてもよく、また、2本以上のロールで圧着し
て成形してもよい。1対のロールの間には樹脂溜まり
(バンク)をつけて押し出してもよい。
【0031】(3)カレンダー成形の場合、ロール温度
は、特に格別な制限はないが、通常、Tg−50(°
C)〜Tg+100(°C)、好ましくはTg−30
(°C)〜Tg+80(°C)の温度範囲で成形する。
ロール温度が低すぎると、ロール形状の転写が悪くな
る。高すぎると、ロール面形状の転写はよくなるが、ロ
ール離れが悪くなる。ロール表面にはレンズなどの集光
パターンをあらかじめ設けておいてもよい。
【0032】(4)プレス成形の場合、プレス型温度
は、特に格別な制限はないが、通常、Tg+30(°
C)〜Tg+200(°C)、好ましくはTg+40
(°C)〜Tg+150(°C)、より好ましくはTg
+50(°C)〜Tg+120(°C)である。プレス
型表面の少なくとも1面には、レンズなどの集光パター
ンが設けてある事が好ましい。プレス型温度が低すぎる
と、プレス面の転写が悪くなる。高すぎると、プレス型
形状の転写はよくなるが、型離れが悪くなる。
【0033】太陽光発電システム 本発明に係る「太陽光発電システム」とは、集光体およ
び太陽電池を少なくとも有し、必要に応じて、蓄電装
置、制御装置(直交変換装置、連系保護装置など)など
を備え、特に透過型集光方式の採光方式を採用したシス
テムを意味している。
【0034】本発明において、「太陽電池(素子または
セル)」とは、半導体の光起電力効果を利用して発電す
るものを意味しており、たとえば、シリコン(単結晶
系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、
化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電
池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などが挙げられ
る。太陽電池(素子またはセル;エネルギー変換素子と
もいう)は、通常、所定の電圧が得られるように配置さ
れるとともに、使用環境に耐えられるようにその他の
層、たとえば表面または裏面保護層などを含めて構成さ
れたモジュールとして用いられる。太陽電池モジュール
は、複数個配列されてパネルを構成する。
【0035】脂環式構造含有重合体樹脂 本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖
及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機
械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を
含有するものが好ましい。
【0036】重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭
化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素
(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強
度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシク
ロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造
を有するものが最も好ましい。
【0037】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別
な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランス
され、好適である。
【0038】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使
用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量
%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは9
0重量%である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式
構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと透明
性および耐熱性に劣り好ましくない。
【0039】また、本発明に使用される脂環式構造含有
重合体樹脂中の脂環式構造のうち、ノルボルナン構造以
外の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目
的に応じて適宜選択されればよいが、通常10重量%以
上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重
量%以上である。ノルボルナン構造以外の脂環式構造を
有する繰り返し単位の割合が多い方が耐候性に優れる。
【0040】ちなみに、脂環式構造含有重合体樹脂中の
脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な
限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0041】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂
の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合
体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状
共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重
合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0042】これらの中でも、ノルボルナン構造以外の
脂環式構造単位を有するノルボルネン系重合体、環状共
役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、
ノルボルナン構造以外の脂環式構造単位を有するノルボ
ルネン系重合体がより好ましい。
【0043】(1)ノルボルネン系重合体 本発明に使用されるノルボルネン系重合体は、格別な制
限はなく、例えば、特開平3−14,882号公報や特
開平3−122,137号公報などに開示されている公
知の重合体であり、具体的には、ノルボルネン系単量体
の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量
体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物
の付加型重合体などが挙げられる。
【0044】これらの中でも、耐熱性や透明性、耐候性
を高度にバランスさせる上で、ノルボルナン構造以外の
脂環式構造単位を有するノルボルネン系重合体が好まし
く、たとえば、ノルボルナン構造が1つのノルボルネン
系単量体を含むノルボルネン系単量体の開環重合体およ
びその水素添加物が好ましく、ノルボルナン構造が1つ
のノルボルネン系単量体を含むノルボルネン系単量体の
開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0045】ノルボルナン骨格を1つ有するノルボルネ
ン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチ
ル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エ
チル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキ
シ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;5−メトキシカル
ボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2
−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン
酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒ
ドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン;5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド;5−シクロ
ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン;トリシクロ[4.3.0.
2,5 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロ
ペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.
2,5 ]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.
0.12,5 ]ウンデカ−3,7−ジエン; トリシ
クロ[4.4.0.12,5 ]ウンデカ−3,8−ジ
エン; トリシクロ[4.4.0.12,5 ]ウンデ
カ−3−エン; テトラシクロ[7.4.0.1
10,13 .02,7 ]トリデカ−2,4,6,1
1−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a
−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ
[8.4.0.111,14 .03,8 ]テトラデ
カ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−
1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアント
ラセンともいう); などが挙げられる。
【0046】これらのノルボルナン骨格を1つ有するノ
ルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以
上組合わせて用いられる。
【0047】ノルボルナン骨格を2つ以上有するノルボ
ルネン系単量体としては、テトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(単にテ
トラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3
−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチ
リデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデ
カ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10.]−ドデカ−3−エン、8−
プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12, .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒ
ドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−カ
ルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
,10]−ドデカ−3−エン;8−シクロペンチル−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ
[4.4.0.12, .17,10]−ドデカ−3
−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エ
ン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3
−エン; ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0
2,7 .09, 13]ペンタデカ−3,10−ジエ
ン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.1
10,13 .02,7 ]ペンタデカ−4,11−ジ
エン; などが挙げられる。
【0048】これらのノルボルナン骨格を2つ以上有す
るノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2
種以上組合わせて用いられる。
【0049】ノルボルネン系単量体中のノルボルナン骨
格を1つ有するノルボルネン系単量体の含有量は、前記
ノルボルナン骨格以外の脂環式構造を有する繰り返し単
位の好ましい割合に応じて適宜選択すればよいが、通常
10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ま
しくは50重量%以上である。上限は100重量%であ
る。
【0050】これらノルボルネン系単量体の開環(共)
重合体は、ノルボルネン系単量体を、開環重合触媒とし
て、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒
系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タ
ングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物また
はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物
とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通
常、−50°C〜100°Cの重合温度、0〜50kg
/cmの重合圧力で開環(共)重合させることによ
り得ることができる。
【0051】触媒系に、分子状酸素、アルコール、エー
テル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、
エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハ
ロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの
第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高め
ることができる。
【0052】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に
従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水
素により水素化する方法により得ることができる。
【0053】ノルボルネン系単量体とビニル系化合物と
の付加共重合体は、例えば、単量体成分を、溶媒中また
は無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム化
合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在
下で、通常、−50°C〜100°Cの重合温度、0〜
50kg/cmの重合圧力で共重合させる方法によ
り得ることができる。
【0054】なお、ビニル系化合物としては、共重合可
能なものであれば格別制限はないが、共重合可能なビニ
ル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、
4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭
素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジ
メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2
−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7
−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オ
クタジエンなどの非共役ジエン; などが用いられる。
これらのビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0055】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66,216号公報に開示されているシクロロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環
の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることが
できる。
【0056】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136,057号公報や特開平7−258,318号公
報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサ
ジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または
1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを
用いることができる。
【0057】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59,989号公報に開示されているビニルシ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環
式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開
昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706
号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチ
レンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分
の水素添加物などを用いることができる。
【0058】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はト
ルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フ法で測定したポリイソプレン換算の重量平均分子量
で、5,000以上、好ましくは5,000〜500,
000、より好ましくは8,000〜200,000、
特に好ましくは10,000〜100,000の範囲で
あるときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバラン
スし、好適である。
【0059】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の、280°C、荷重2.16kgfにおけるJI
S−K6719により測定したメルトフローレート(M
I)は、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常
1〜100g/10min.、好ましくは10〜50g
/10min.の範囲である。MIがこの範囲にあると
きに、低温での加工性と、成形時のバリの発生などが低
減され好適である。
【0060】ちなみに、これらの脂環式構造含有重合体
樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0061】その他の成分 本発明に使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、必要
に応じてその他のポリマーや各種の配合剤を添加するこ
とができる。
【0062】その他のポリマーとしては、軟質重合体や
その他の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0063】(1)軟質重合体 軟質重合体としては、通常30°C以下のガラス転移温
度(Tg)を有する重合体のことをいい、Tgが複数存
在する重合体やTgと融点(Tm)の両方を有する重合
体の場合にも、最も低いTgが30°C以下であれば、
該軟質重合体に含まれる。
【0064】このような軟質重合体としては、(a)エ
チレンや、プロピレンなどのα−オレフィンから主とし
てなるオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンか
ら主としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなる
ジエン系軟質重合体、(d)ノルボルネン、シクロペン
テンなどの環状オレフィンから主としてなる環状オレフ
ィン系開環重合体、(e)けい素−酸素結合を骨格とす
る軟質重合体(有機ポリシロキサン)、(f)α,β−
不飽和酸とその誘導体から主としてなる軟質重合体、
(g)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル
誘導体またはアセタールから主としてなる軟質重合体、
(h)エポキシ化合物の重合体、(i)フッ素ゴム、
(j)その他の軟質重合体、などが挙げられる。
【0065】これらの軟質重合体の具体例としては、例
えば、(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチッ
クポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンなど
の単独重合体; エチレン・α−オレフィン共重合体、
プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・環状
オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体などの共重合体が挙げられる。
【0066】(b)としては、ポリイソブチレン、イソ
ブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共
重合体などが挙げられる。
【0067】(c)としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレンなどの共役ジエンの単独重合体; ブタジエン
・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンラ
ンダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加
物、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体
などの共役ジエンのランダム共重合体; ブタジエン・
スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・
スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・
ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・
ブロック共重合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭
化水素のブロック共重合体、およびこれらの水素添加物
などが挙げられる。
【0068】(d)としては、ノルボルネン、ビニルノ
ルボルネン、エチリデンノルボルネンなどのノルボルネ
ン系モノマー、またはシクロブテン、シクロペンテン、
シクロオクテンなどのモノ環状オレフィンのメタセシス
開環重合体およびその水素添加物が挙げられる。
【0069】(e)としては、ジメチルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロ
キサン、などのシリコーンゴムなどが挙げられる。
【0070】(f)としては、ポリブチルアクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチル
メタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニ
トリルなどのアクリルモノマーの単独重合体; ブチル
アクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノマ
ーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0071】(g)としては、ポリビニルアルコール、
エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、
ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマ
レイン酸ビニルなどの(エステル化)不飽和アルコール
の単独重合体; 酢酸ビニル・スチレン共重合体などの
(エステル化)不飽和アルコールとその他のモノマーと
の共重合体などが挙げられる。
【0072】(h)としては、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシド、エピクロロヒドリンゴム、な
どが挙げられる。
【0073】(i)としては、フッ化ビニリデン系ゴ
ム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられ
る。
【0074】(j)としては、天然ゴム、ポリペプチ
ド、蛋白質、および特開平8−73709号公報記載の
ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱
可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマ
ーなどが挙げられる。
【0075】これらの軟質重合体は、架橋構造を有した
ものであってもよく、また、変性により官能基を導入し
たものであってもよい。
【0076】本発明においては、上記軟質重合体の中で
も(a)、(b)、(c)の軟質重合体が、特にゴム弾
性に優れ、機械強度、柔軟性、分散性に優れるため好ま
しい。なかでも、(c)のジエン系軟質重合体が好まし
く、さらに共役ジエン結合単位の炭素−炭素不飽和結合
が水素添加されたジエン系軟質重合体の水素添加物が、
より好ましい。このような軟質重合体の具体例として
は、例えば、ポリブタジエンなどの単独重合体の水素添
加物、ブタジエン・スチレン共重合体などのランダム共
重合体の水素添加物; ブタジエン・スチレン・ブロッ
ク共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロッ
ク共重合、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、
スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体な
どのブロック共重合体の水素添加物; などが挙げられ
る。
【0077】(2)その他の熱可塑性樹脂 その他の熱可塑性樹脂としては、格別な制限はなく、そ
の他の非晶性樹脂や、結晶性樹脂を用いることが出来
る。特に結晶性樹脂を用いることで、機械的強度や、耐
溶剤性の面ですぐれ好適である。
【0078】 その他の非晶性樹脂 その他の非晶性樹脂では、ポリ塩化ビニル、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ートスチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリア
クリロニトリルスチレン共重合体、ハイインパクトポリ
スチレン(HIPS)、アクリロニトルブタジエンスチ
レン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
【0079】 その他の結晶性樹脂 その他の結晶性樹脂としては、熱測定で結晶融点をが観
察されるものであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレン
等の、鎖状ポリオレフィン系重合体や、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステ
ル系重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
2、ポリアミドイミド等のポリアミド系重合体、ポリビ
ニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重
合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レンなどのフッ素系重合体や、ポリアクリロニトリル、
シンジオタクチックポリスチレン、ポリオキシメチレ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテ
ルケトン、液晶ポリマー、が挙げられる。
【0080】これらの軟質重合体やその他の熱可塑性樹
脂は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて
用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損な
わない範囲で適宜選択される。一般的には、軟質重合体
やその他の熱可塑性樹脂の配合量は、脂環式構造含有重
合体樹脂100重量部に対して通常0.01〜100重
量部、好ましくは0.05〜50重量部の範囲である。
【0081】(3)その他の配合物 さらに本発明においては、必要に応じて、樹脂工業にお
いて通常用いられる配合剤を配合することができる。配
合剤としては、例えば、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸
収剤、結晶核剤、塩酸吸収剤、顔料、染料、帯電防止
剤、充填剤、滑剤、多価アルコールの部分エーテルまた
は部分エステル、ブロッキング防止剤、難燃剤などを挙
げることができる。
【0082】これらのその他のポリマーや配合剤を添加
する方法は、配合剤が樹脂中で光線透過率を低下させな
い程度に十分に分散する方法であれば、特に限定されな
い。例えば、ミキサーや一軸混練機、二軸混練機、ロー
ル、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶融した状態で
配合剤を添加して混練する方法や、適当な溶剤に溶解し
て配合剤を分散させた後、凝固法、キャスト法、または
直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
【0083】混練する場合には、一般に、脂環式構造含
有重合体樹脂のTg、またはその他の配合剤のTgもし
くは融点(Tm)のいずれか最高温度をT(°C)とす
ると、T+20°C〜T+150°Cの樹脂温度で、十
分にシェアをかける。樹脂温度が低すぎると粘度が高く
なり混練が困難であり、高すぎると樹脂や配合剤が劣化
し、粘度や融点の差により両者がうまく混練できない。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で
棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切
り、ペレット化して用いられることが多い。
【0084】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0085】図1は本発明に係る集光体を組み込んだ太
陽光発電システムの要部を示す概略斜視図、図2は図1
の断面図、図3は本実施形態に係る太陽光発電システム
の一態様を示す図である。
【0086】本実施形態に係る太陽光発電システム2
は、図1および図2に示すように、太陽光入射側から、
集光体4と、太陽電池パネル8とを有する。
【0087】太陽電池パネル8は、太陽電池モジュール
82を複数個配列して構成してある。
【0088】集光体4は、太陽光入射側が略平滑形状、
出射側の集光用突起5がフレネル形状となっている。こ
うした集光体4は脂環式構造含有重合体樹脂を射出成形
して構成される。脂環式構造含有重合体樹脂を用いて構
成することで、大型薄肉サイズとしてもレンズに割れを
生じるおそれが少なくなる。なお、本実施形態における
集光体4は、集光部面積が100cm〜10,00
0cm、厚みT が1mm〜50mm、焦点距離f
が10mm〜1,000mmである円形状をしている
が、この集光部面積、厚み、焦点距離および形状などに
は限定されず、用いる太陽電池パネル8中の太陽電池モ
ジュール82の配列などに適した形状に種々変更可能で
ある。
【0089】集光体4と太陽電池パネル8との距離T
は、集光体4の焦点距離に応じて適宜選択されれば
よく、また、集光体4と太陽電池パネル8との間には、
集光した太陽光を平行光にして、太陽電池パネル8全面
に均一に導く役割を果たす図示しないフィルター、集光
体4で一旦集光した太陽光の面分布を均一化できる図示
しないインテグレーター、および図示しない集光レンズ
をさらに組み入れてもよい。
【0090】なお、本実施形態に係る太陽光発電システ
ム2は、たとえば、図3に示すように、上記太陽電池パ
ネル8などに加えて、蓄電装置10と、直交変換装置
(インバーター)12と、連系保護装置14とを有す
る。
【0091】蓄電装置10は、充電可能な二次電池(た
とえば、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素蓄
電池など)を有しており、太陽光量が少なくなったとき
でも、発電できるようになっている。
【0092】直交変換装置(インバーター)12は、直
流電力を交流電力に変換する装置であり、電圧調整機能
や周波数調整機能などを有する。
【0093】連系保護装置14は、既存の電力系統と太
陽光発電システムとを結合するものであり、過不足電
圧、過不足周波数、過電流などを検知して、系統と切り
離す機能を有している。なお、こうした機能は前記イン
バーターに内蔵してもよく、この場合特に連系保護装置
を設けることを要しない。
【0094】以上のように、本実施形態に係る太陽光発
電システム2では、集光体4が脂環式構造含有重合体樹
脂から構成されているため、透明性および耐候性に優
れ、成形時に高温でも熱分解や加水分解を生ずるおそ
れは少なく、大型薄肉サイズのレンズを精度良く成形可
能であり、溶融時の流動性に優れるので、最大高さ2
mm以下、最小幅0.1mm以上の集光用突起5を形成
する際にも転写不良を生じるおそれが少なく、成形品
に吸湿の影響による変形を生ずるおそれが少なく、かつ
成形品に割れや反りを生ずるおそれが少なくなる。した
がって、本実施形態に係る集光体4を、太陽光発電シス
テム2に使用した場合、太陽電池への焦点位置の変動を
来たすおそれが少なく、エネルギー変換効率を高く保持
することができる。
【0095】以上、説明した実施形態は、本発明の理解
を容易にするために記載されたものであって、本発明を
限定するために記載されたものではない。したがって、
本発明の範囲内で種々の設計変更や改変が可能である。
【0096】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。また、以下の例において、特に断りのない限り、部
及び%は重量基準である。なお各種の物性の測定は、下
記の方法に従って行った。
【0097】(1)樹脂の物性は、分子量、分子量分
布、主鎖水素添加率および芳香環の水素添加率(核水素
添加率)、ガラス転移温度、メルトフローレートを測定
した。ここで、「分子量」は、シクロヘキサンを溶媒と
するゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(G
PC)による標準ポリイソプレン換算値、またはトルエ
ンを溶媒とするGPCによるポリスチレン換算値として
の重量平均分子量(Mw)または数平均分子量(Mn)
を求めた。
【0098】「分子量分布」は、シクロヘキサンを溶媒
にしてGPCで測定し、標準ポリイソプレン換算の重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、M
wとMnの比(Mw/Mn)を算出した。「主鎖水素添
加率および芳香環の水素添加率(核水素添加率)」は、
H−NMRにより測定した。「ガラス転移温度(T
g)」は、JIS−K7121に基づく、示差走査熱量
計(DSC)により測定した値とする。「メルトフロー
レート(MI)」は、JIS−K6719に基づいて、
280°C、2.16kgfの荷重で測定した。 (2)光電エネルギー変換効率 成形し得られたフレネルレンズを、アモルファスシリコ
ン素子および英弘精機(株)社製の製品番号I−Vカー
ブトレーサーMP−123とを組み合わせた光電エネル
ギー変換測定装置に取り付けて、光を電力に変換する効
率を測定した。フレネルレンズの取り付け位置は、フレ
ネルレンズの中心と焦点とを結ぶ同一線上にアモルファ
スシリコン素子の中心が通り、かつフレネルレンズとア
モルファスシリコン素子とが平行になるようにし、フレ
ネルレンズとアモルファスシリコン素子との距離が、フ
レネルレンズの焦点距離の80%の距離になるように配
置し、固定した。耐吸湿変形試験、耐候試験後の光電エ
ネルギー変換効率を、それぞれの試験前の光電エネルギ
ー変換効率で除した値を変換効率変化率とした。
【0099】(3)強度 落錘強度をJIS-K7211にしたがって測定した。
判断基準は重錘の形状を直径50mmの球1型にした場
合の落錘強度が10J以上を「◎」、1J以上10J未
満を「○」、1J未満を「×」とした。
【0100】(4)そり 得られた平板試験片を、水平面上に凸面側を下にして置
き、平板試験辺片の1角を水平面に押し付け、他方の最
も水平面より離れた端の、水平面と試験片との距離(そ
り)を測定する。そりの量が少ないほど変形が少なく、
レンズとして好適に用いられる。耐吸湿変形試験後のそ
りから、試験前のそりを引いた値をそり変化量とした。
【0101】(5)成形性 フレネルレンズのパターンの転写の正確性や、製品の出
来不出来を、評価する基準であり、フレネルレンズの中
心を含む任意の10cm角の範囲に、金型を正確に転写
していない欠陥や、シルバーストリーク、気泡などの箇
所が、目視で、0個のものを「◎」、1〜3個を
「○」、4個以上を「×」として判断した。
【0102】(6)光線透過率 得られた3mm厚さの平板試験片の全光線透過率を、J
IS−K7105に準じた測定を行った。
【0103】耐吸湿変形試験後の光線透過率から、試験
前の光線透過率を引いた値を光線透過率変化量とした。
【0104】(7)耐吸湿変形試験 耐吸湿変形性は、試験片を、温度60°C、湿度50%
の恒温恒湿槽に1000時間放置し、試験片の吸湿変形
(反り)の大きさを測定した。試験後の試験片の反りが
少ないほど、耐吸湿変形性に優れる。
【0105】(8)耐候試験 耐候性は、サンシャインウエザーメーターを、ブラック
パネル温度63°C、湿度50%で、360時間稼働さ
せる促進曝露試験を行い、試験前後の、全光線透過率お
よび変換効率変化率で評価した。試験前後の変化が少な
いほど耐候性に優れる。
【0106】[参考例1]窒素雰囲気下、トリシクロ
[4.3.0.12,5 ]デカ−3,7−ジエン(3
環体ノルボルネン類、慣用名ジシクロペンタジエン、以
下DCPと略す)100重量部を公知のメタセシス開環
重合触媒系で重合し、次いで公知の方法で水素添加し、
DCP開環重合体水素添加物を得た。このDCP開環重
合体水素添加物の、Mnは13,000、水素添加率は
99.8%以上、Tgは97°Cであった。このDCP
開環重合体水素添加物100重量部に対して、0.5重
量部のフェノール系酸化防止剤ペンタエリスリチル−テ
トラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を混合し、二
軸混練機で混練し、ストランド(棒状の溶融樹脂)をス
トランドカッターを通してペレット(粒状)状の重合体
組成物(成形材料)を得た。
【0107】[参考例2]DCP100重量部の代わり
に、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.
,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(4環体
ノルボルネン類、以下ETCDと略す)15重量部と、
DCP85重量部とを用い(計100重量部)、参考例
1と同様にしてETCD/DCP開環共重合体水素添加
物を得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比率
を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスク
ロマトグラフィー法による)から計算したところ、ET
CD/DCP=15/85でほぼ仕込組成に等しかっ
た。このETCD/DCP開環共重合体水素添加物の、
Mnは16,500、水素添加率は99.8%以上、T
gは106°Cであった。
【0108】[参考例3]DCP100重量部の代わり
に、ETCD85重量部と、DCP15重量部とを用い
(計100重量部)、参考例1と同様にしてETCD/
DCP開環共重合体水素添加物を得た。重合体中の各ノ
ルボルネン類の共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノ
ルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)
から計算したところ、ETCD/DCP=85/15で
ほぼ仕込組成に等しかった。このETCD/DCP開環
共重合体水素添加物の、Mnは20,500、水素添加
率は99.8%以上、Tgは134°Cであった。
【0109】[参考例4]DCP100重量部の代わり
に、ETCD40重量部と、DCP60重量部とを用い
(計100重量部)、参考例1と同様にしてETCD/
DCP開環共重合体水素添加物を得た。重合体中の各ノ
ルボルネン類の共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノ
ルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)
から計算したところ、ETCD/DCP=40/60で
ほぼ仕込組成に等しかった。このETCD/DCP開環
共重合体水素添加物の、Mnは20,500、水素添加
率は99.8%以上、Tgは112.4°Cであった。
【0110】[参考例5]窒素雰囲気下、ETCD10
0重量部を公知のメタセシス開環重合触媒系で重合し、
次いで公知の方法で水素添加しETCD開環重合体水素
添加物を得た。このETCD開環重合体水素添加物の、
Mnは28,000、水素添加率は99.8%以上、T
gは140°Cであった。
【0111】実施例1〜5 脂環式構造含有重合体樹脂として、参考例1〜5で作製
したDCP開環重合体水素添加物、ETCD/DCP開
環共重合体水素添加物およびETCD開環重合体水素添
加物の、それぞれのペレットを射出成形して90mm×
90mm×3mm厚さの試験片をそれぞれ15枚ずつ作
製した。
【0112】また、同様の射出成形により、厚さ4m
m、直径400mmの円形フレネルレンズをそれぞれ3
個ずつ作製した。フレネルレンズに形成しようとした集
光用突起の最大高さtは1.5mm、最小幅pは0.8
mmであった。
【0113】射出成形の成形条件は、試験片およびフレ
ネルレンズいずれも、東芝機械株式会社製の製品番号I
S450の射出成形機を用いた。金型温度、シリンダー
温度、ノズル温度は、それぞれ重合体の樹脂によって代
え、その値を表1に表した。その他の条件として、射出
圧1000kgf/cm 、保圧800kgf/cm
、型締め圧1200kgf/cm 、射出速度(ス
クリュー前進速度に対応する)40cm /s、スク
リュー背圧70kgf/cm 、スクリュー回転数3
0rpmとした。また金型内への充填開始から充填終了
までの時間は1.8秒であった。
【0114】得られたそれぞれのフレネルレンズの焦点
距離を測定したところ、いずれも、400mmであっ
た。
【0115】これらの光電エネルギー変換効率、強度、
耐吸湿変形性、成形性、耐候性の評価結果を表1に示
す。
【0116】比較例1 ポリメチルメタクリレート(PMMA)(住友化学工業
社製の製品番号スミペックス−MG5)を用い、金型温
度80°C、シリンダー温度を250°C、ノズル温度
を230°Cに変えた以外は実施例1〜5と同様にし
て、かつ同様の条件で成形し、試験片およびフレネルレ
ンズを作製した。
【0117】得られたフレネルレンズの焦点距離を測定
したところ、390mmであった。
【0118】これらの光電エネルギー変換効率、強度、
耐吸湿変形性、成形性、耐候性の評価結果を表1に示
す。
【0119】比較例2 ポリカーボネート(PC)(帝人化成製;パンライト−
122)を用いた以外は実施例1〜5と同様にして、か
つ同様の条件で成形し、試験片およびフレネルレンズを
作製した。
【0120】得られたフレネルレンズの焦点距離を測定
したところ、385mmであった。
【0121】これらの光電エネルギー変換効率、強度、
耐吸湿変形性、成形性、耐候性の評価結果を表1に示
す。
【0122】
【表1】
【0123】考察 実施例1〜5と比較例1〜2との比較に示すように、実
施例1〜5では、比較例1〜2と比較して、特に、耐吸
湿変形性および耐候性に優れていた。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、透明性および耐候性に
優れ、成形時に高温でも熱分解や加水分解を生ずるおそ
れは少なく、大型薄肉サイズの集光体を精度良く成形可
能であり、溶融時の流動性に優れるので、集光用突起を
形成する際にも転写不良を生じるおそれが少なく、成形
品に吸湿の影響による変形を生ずるおそれが少なく、か
つ成形品に割れや反りを生ずるおそれが少ない集光体を
提供できる。
【0125】したがって、本発明に係る集光体を、太陽
光発電システムに使用した場合、太陽電池への焦点位置
の変動を来たすおそれが少なく、エネルギー変換効率を
高く保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る集光体を組み込んだ太陽光
発電システムの要部を示す概略斜視図である。
【図2】図2は図1の断面図である。
【図3】図3は本実施形態に係る太陽光発電システムの
一態様を示す図である。
【符合の説明】
2…太陽光発電システム 4…集光体 5…集光用突起 8…太陽電池パネル 82…太陽電池モジュール 10…蓄電装置 12…直交変換装置(インバーター) 14…連系保護装置
フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 CA23 CA24 CA25 CA27 CA28 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CA62 CB03 CD02 CD03 CD04 CD05 CD07 CD09 CE03 CE05 CE18 CE22 CG02 CG07 5F051 BA18 JA12 JA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環式構造含有重合体樹脂からなる透過型
    集光方式太陽光発電システム用集光体。
  2. 【請求項2】集光体がフレネル形状またはプリズム形状
    である請求項1に記載の集光体。
  3. 【請求項3】集光体が射出成形またはプレス成形により
    成形されるものである請求項1または2に記載の集光
    体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の集光体と、
    太陽電池とを少なくとも有する太陽光発電システム。
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JPWO2014010571A1 (ja) * 2012-07-09 2016-06-23 株式会社クラレ 光学素子及び集光型太陽光発電装置

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