JP2000074046A - スピンドル装置 - Google Patents

スピンドル装置

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JP2000074046A
JP2000074046A JP10245835A JP24583598A JP2000074046A JP 2000074046 A JP2000074046 A JP 2000074046A JP 10245835 A JP10245835 A JP 10245835A JP 24583598 A JP24583598 A JP 24583598A JP 2000074046 A JP2000074046 A JP 2000074046A
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正和 上杉
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庄太郎 溝渕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スピンドル装置の更なる小型化を図り、内径の
小さな円筒状部材の内周面の研削加工等を高速で且つ高
精度に行い得るスピンドル装置を提供する。 【解決手段】クイル軸1と、ツール10が装着されるロ
ータ3と、上記クイル軸1の軸方向に対して所定角度傾
斜した状態で該クイル軸1に固定されたステータ2と、
このステータ2に対して上記ロータ3の回転を支承する
ラジアル動圧軸受と、上記ロータ3の軸方向への移動を
規制する一対のスラスト動圧軸受と、上記クイル軸1内
に挿通されると共に上記ロータ3にモータの回転動力を
伝達する駆動ワイヤ4とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械等におい
て工具もしくは被加工物をスピンドル主軸たるロータに
保持して回転するスピンドル装置に係り、詳細には、動
圧軸受を用いてロータの回転を支承した小型で且つ高速
回転に適したスピンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、研削盤等の工作機械に用いられる
スピンドル装置では、工具あるいは被加工物が固定され
るロータを転がり軸受で回転自在に支承すると共に、こ
のロータに対してプーリ及びベルトからなる動力伝達系
を介してモータの回転動力を伝達するものが一般的であ
った。
【0003】しかしながら、近年では被加工物に対する
高精密加工の要請から小型で且つ主軸回転数の高いスピ
ンドル装置が必要とされており、ベルトによってモータ
とロータを結合する従来のスピンドル装置では、このよ
うな小型化及び高速化の要求に十分に応えることかでき
なかった。また、従来のスピンドル装置ではロータの回
転数を高速化した場合に、ロータを支えている転がり軸
受に振動あるいは焼きつきが発生し、ロータの回転数を
高精密加工に十分な速度にまで高めることができなかっ
た。
【0004】そこで、このような小型化及び高速化の要
請に応えるものとして、特開平9−88957号公報、
特開平10−96424号公報には、タービンを用いて
ロータを回転駆動するるスピンドル装置が提案されてい
る。具体的には、固定軸の外径に対して所定の軸受隙間
を保って円筒状ロータを遊嵌させると共に、かかるロー
タの両端にはやはり所定の軸受隙間を保って一対のスラ
スト板を固定軸に配設し、上記固定軸とロータとの間で
ラジアル動圧軸受を構成する一方、上記ロータの一方の
端面とこれに対向するスラスト板との間でスラスト動圧
軸受を構成し、更に、上記ロータの他方の端面には上記
固定軸を通して径方向へ加圧流体が吹き込まれるタービ
ンを形成したものである。
【0005】そして、このようなタービン駆動のスピン
ドル装置によれば、ロータの端面に形成されたタービン
に対して僅かな流量の加圧流体を吹き込むだけで、かか
るロータに対して毎分数万回転の極めて高い回転数を与
えることができ、しかもロータの回転に伴って発生する
動圧で該ロータの回転を支承していることから、極めて
コンパクトに該スピンドル装置を構成することができ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなタ
ービン駆動によるスピンドル装置では、例えばロータに
保持した砥石で円筒状部材の内周面の研削加工を実施す
る場合等には、タービンの外径を大きく設計することが
できず、結果的にタービンの発生する回転トルクが不足
してしまうといった不都合があった。特開平10−96
424号公報に記載のスピンドル装置ではタービンから
排出される加圧流体を整流カバーで特定の方向へ導き、
タービンに吹き込まれる加圧流体の流量の増加等によっ
てかかる問題点の解決を試みたが、より一層小さな径の
内周面を研削するためには更なるタービンの小型化が必
要であり、タービン駆動によって研削加工に必要とする
回転トルクを発生させるのには限界があった。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、スピンドル装置
の更なる小型化を図り、内径の小さな円筒状部材の内周
面の研削加工等を高速で且つ高精度に行い得るスピンド
ル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピンドル装置は、クイル軸と、ツールが
装着されるロータと、上記クイル軸の軸方向に対して所
定角度傾斜した状態で該クイル軸に固定されたステータ
と、このステータに対して上記ロータの回転を支承する
ラジアル動圧軸受と、上記ロータの軸方向への移動を規
制する一対のスラスト動圧軸受と、上記クイル軸内に挿
通されると共に上記ロータにモータの回転動力を伝達す
る駆動ワイヤとから構成されることを特徴とするもので
ある。
【0009】このような技術的手段によれば、クイル軸
内に挿通された駆動ワイヤをモータによって回転させる
と、かかる駆動ワイヤは捩れながらモータの回転をロー
タに伝達し、これによってロータが回転を開始する。ロ
ータが回転を開始すると、上記ラジアル動圧軸受及びス
ラスト動圧軸受ではその軸受隙間に高圧の流体潤滑膜が
形成され、ロータはステータに対して非接触の状態で軽
く回転する。この場合、モータの回転トルクは駆動ワイ
ヤによってロータに伝達されるから、駆動ワイヤの捩じ
り剛性が十分に大きい場合はロータに対して十分に大き
な回転トルクを伝達することができる。従って、タービ
ンでロータを駆動する場合のように該ロータの径が回転
トルクの大きさに影響を及ぼすことはなく、タービン駆
動の場合よりもロータの径を小さくすることができる。
【0010】このようなスピンドル装置は、上記ロータ
がステータの外側で回転する所謂アウターロータタイプ
のものでも、ロータがステータの内側で回転する所謂イ
ンナーロータタイプのものでも差し支えない。すなわ
ち、前者のアウターロータタイプにあっては、上記ステ
ータが中空軸状に形成されて上記クイル軸に固定される
と共に、上記ロータが中空軸状ステータの外径に僅かな
隙間を介して遊嵌し、かかる中空軸状ステータの外周面
とロータの内周面とで上記ラジアル動圧軸受が構成され
る一方、上記駆動ワイヤが中空軸状ステータに挿通され
ると共に、その先端が中空軸状ステータを覆うようにし
てロータに装着されたツール固定部材に固定される。
【0011】但し、このようなアウターロータタイプと
した場合には、ステータを中空軸状に形成する分だけロ
ータが大型化し、また、ツール固定部材を介して駆動ワ
イヤをロータに固定する分だけ装置構成が複雑になる。
従って、かかる観点からすれば後者のインナーロータタ
イプ、すなわち上記ステータが円筒状に形成されて上記
クイル軸に固定されると共に、上記ロータが円筒状ステ
ータの内径に僅かな軸受隙間を介して遊嵌し、かかる円
筒状ステータの内周面とロータの外周面とで上記ラジア
ル動圧軸受が構成される一方、上記駆動ワイヤの先端が
上記ロータの軸方向の一端に固定されているのが好まし
い。
【0012】また、上記駆動ワイヤはクイル軸内におい
てロータと同一の回転数で高速回転することとなるが、
かかる駆動ワイヤがクイル軸の内壁と擦れ合って焼きつ
くのを防止するという観点からすれば、上記駆動ワイヤ
は金属繊維や炭素繊維からなる素線を寄り合わせてその
表面にスパイラル状の凹凸が表れるように形成するのが
好ましい。このように駆動ワイヤを形成すれば、かかる
駆動ワイヤがクイル軸内で回転すると、クイル軸内に潤
滑液を注油した際に駆動ワイヤ自らが潤滑液を巻き込む
結果となり、駆動ワイヤの表面に対する潤滑液の供給を
自ずと行うことが可能となる。
【0013】更に、クイル軸内における駆動ワイヤの振
れ回りを防止するためには、クイル軸内に所定の間隔で
駆動ワイヤのガイドリングを配設し、かかるガイドリン
グ内に駆動ワイヤを挿通させるのが好ましい。この場
合、駆動ワイヤがガイドリングに焼きつくのを防止する
という観点からすれば、かかるガイドリングの内径は駆
動ワイヤの挿通方向に沿って曲面状に形成されているの
が好ましい。このように構成すれば、ガイドリングと駆
動ワイヤの接触面積を可及的に減じることができ、ま
た、ガイドリングと駆動ワイヤとの間に潤滑液が侵入し
易くなるので、前述した焼きつきの問題を回避すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
のスピンドル装置を詳細に説明する。◎第1実施例 図1は本発明をボールねじナットの研削加工用スピンド
ル装置に適用した第1実施例を示すものである。同図に
おいて、符号1は砥石の送り量に応じて軸方向(紙面左
右方向)へ進退するクイル軸、符号2はクイル軸1の先
端に突設された中空軸状のステータ、符号3はこのステ
ータの外径に遊嵌すると共にツールである砥石10を装
着したロータ、符号4は上記クイル軸及びステータに挿
通されると共に図示外のモータの回転駆動力を上記ロー
タに伝達する駆動ワイヤである。
【0015】先ず、上記ステータ2はセラミクス材から
形成され、その一端には上記クイル軸1に固定される取
付部21を備えると共に他端には上記ロータ3が遊嵌す
るジャーナル部22を備え、これら取付部21とジャー
ナル部22との間にはロータ3の一方の端面に対向する
フランジ状のスラスト板23が突設されている。また、
ステータ2の中心には上記駆動ワイヤ4を挿通させるた
めの貫通孔24が形成されており、この貫通孔24には
駆動ワイヤ4を極僅かな隙間を介して案内するガイドシ
ャフト5が嵌合している。
【0016】このガイドシャフト5は上記ステータ2の
貫通孔24に対して取付部21側から挿入され、後端の
フランジ部51が上記ステータ2の取付部21の内径に
螺合して固定されるようになっている。また、ステータ
2に固定された状態では、ガイドシャフト5の先端がス
テータ2のジャーナル部22から突出するように構成さ
れており、この突出したガイドシャフト5の先端に止め
ねじ6を用いてスラスト板7が固定され、かかるスラス
ト板7がロータ3の端面と対向するようになっている。
【0017】上記ロータ3の内周面はステータ2のジャ
ーナル部22の外周面と7.5μmの軸受隙間を介して
対向してラジアル動圧軸受を構成しており、上記ジャー
ナル部22の外周面にはヘリングボーンパターンの動圧
発生溝(図示せず)が形成されている。また、上記スラ
スト板23,7の一面は各々ロータ3の端面と7.5μ
mの軸受隙間を介して対向してスラスト動圧軸受を構成
しており、ロータ3の両端面にはスパイラルパターンの
動圧発生溝(図示せず)が形成されている。これらラジ
アル動圧軸受とスラスト動圧軸受の軸受隙間は連通連結
されており、これらの軸受隙間に対してはクイル軸1に
形成された流体供給路11から潤滑流体が流入するよう
になっている。
【0018】ここで、上記ラジアル動圧軸受において
は、ロータ3の回転に伴って軸受隙間の潤滑流体がスラ
スト板23からスラスト板7の方向へ加圧されるように
動圧発生溝が形成される一方、上記スラスト動圧軸受に
おいては、ロータ3の回転に伴って軸受隙間の潤滑流体
が各スラスト板23,7の内径から外径へ向けて加圧さ
れるように動圧発生溝が形成されている。従って、ロー
タ3が回転すると、潤滑流体は上記流体供給路11から
図1中の白抜き矢印の如く流動し、最終的に各スラスト
動圧軸受の外周側から排出される。
【0019】一方、上記砥石10は砥石ホルダ8を介し
てロータ3の外周に嵌合しており、かかる砥石ホルダ8
はロータ3に螺合する砥石固定部材(ツール固定部材)
9によって該ロータ3上に固定されている。この砥石固
定部材9はステータ2の貫通孔24から突出したガイド
シャフト5の先端を覆うように設けられており、その回
転中心にはガイドシャフト5から突出した駆動ワイヤ4
の先端が固定されている。すなわち、この砥石固定部材
9は駆動ワイヤ4の回転をロータ3に伝達するジョイン
トの役割を果たしている。
【0020】従って、この研削加工用スピンドル装置で
は、図示外のモータに連結された駆動ワイヤ4を回転さ
せると、上記砥石固定部材9を介して駆動ワイヤ4の回
転がロータ3に伝達され、かかるロータ3が回転する。
ロータ3が回転を開始すると、上記ラジアル動圧軸受及
びスラスト動圧軸受の各軸受隙間に介在する潤滑流体が
加圧されて、かかる軸受隙間には高圧の流体潤滑膜が形
成され、ロータ3はステータ2及びスラスト板7,23
に対して非接触の状態で軽快に回転する。
【0021】もっとも、このスピンドル装置はボールね
じナットの内周面に形成された螺旋状のボール転走溝を
研削する目的で使用されることから、ロータ3及びステ
ータ2は上記ボール転走溝のリード角αと同一の角度だ
けクイル軸1の軸方向に対して傾斜しており、上記駆動
ワイヤ4はクイル軸1からステータ2に挿通される手前
で角度αだけ屈曲し、ドライブシャフトとしての機能の
他、自在継手としての機能をも併せて発揮している。
【0022】このように駆動ワイヤ4をクイル軸1から
ステータ2へ挿通させる手前で屈曲させた場合、かかる
位置では駆動ワイヤ4の振れ回りが生じ易いことから、
この実施例のスピンドル装置では駆動ワイヤ4をステー
タ2内のガイドシャフト5に導く位置に振れ回り防止リ
ング12を設け、当該位置で駆動ワイヤ4に曲げ応力が
集中するのを可及的に防止している。この振れ回り防止
リング12にはクイル軸1からガイドシャフト5へ向け
て先細りとなったテーパ状のガイド孔13が形成されて
おり、このガイド孔13に挿通された駆動ワイヤ4が極
端に屈曲するのを防止している。また、このガイド孔1
3の内周面にはスパイラル状の溝(図示せず)が形成さ
れており、駆動ワイヤ4に付着した潤滑油が該駆動ワイ
ヤ4の回転に伴ってガイドシャフト5内に流入し易いよ
うに構成されている。
【0023】そして、以上のように構成された本実施例
のスピンドル装置によれば、クイル軸及びステータ内を
挿通された駆動ワイヤによってモータの回転駆動力をロ
ータに伝達しているので、タービンによってロータを回
転駆動している従来のスピトンドル装置に比べ、かかる
ロータの径を小型化することができ、しかもロータに対
して研削加工に必要十分な回転トルクを与えることがで
きるものである。この実施例のスピンドル装置を実際に
製作して使用して見たところ、内径14mm、ボール転
走溝のリード角15°のボールねじナットの研削加工を
行うことができ、そのときのロータの回転数は2000
0rpm、ロータの剛性は12kN/μm、負荷容量は
26kNであった。
【0024】◎第2実施例 図2は本発明を適用した研削加工用スピンドル装置の第
2実施例を示すものである。前述の第1実施例のスピン
ドル装置はステータ2の周囲を円筒状のロータ3が回転
する所謂アウターロータタイプに構成したが、ロータの
更なる小型化及び構成の簡略化を図るため、この第2実
施例のスピンドル装置は円筒状のステータ61の内径で
ロータ62が回転する所謂インナーロータタイプに構成
されている。
【0025】すなわち、図2に示すように、ステータ6
1は円筒状に形成されると共に、クイル軸60に所定の
角度で傾斜して形成された貫通孔63の内径に固定され
ている。また、砥石64が装着されたロータ62は上記
ステータ61の内径に遊嵌している。かかるロータ62
はステータ61の内径に遊嵌するジャーナル部65及び
このジャーナル部65の一端にフランジ状に突設された
スラスト板66を具備しており、上記ジャーナル部65
は上記スラスト板66をステータ61の一方の端面に対
向させるようにして該ステータ61の内径に挿入されて
いる。また、ステータ61に挿入されたジャーナル部6
5の先端はステータ61の内径から突出しており、かか
る突出端には砥石64を保持した砥石ホルダ67が止め
ねじ68によって固定され、砥石ホルダ67の側面がス
テータ61の端面と対向している。
【0026】ステータ61の内周面とロータ62のジャ
ーナル部65の外周面は7.5μmの軸受隙間を介して
対向してラジアル動圧軸受を構成しており、かかるジャ
ーナル部65の外周面にはヘリングボーンパターンの動
圧発生溝(図示せず)が形成されている。また、上記ス
ラスト板66及び砥石ホルダ67とこれに対向するステ
ータ61の各端面とは7.5μmの軸受隙間を介して対
向してスラスト動圧軸受を構成しており、ステータ61
に対向する砥石ホルダ67の側面には図3に示すように
スパイラルパターンの動圧発生溝69が形成されてい
る。また、ロータ62に具備されたスラスト板66の側
面にも同様の動圧発生用溝が形成されている。これらラ
ジアル動圧軸受とスラスト動圧軸受の軸受隙間は連通連
結されており、これらの軸受隙間に対してはクイル軸6
0に形成された流体供給路70から潤滑流体が流入する
ようになっている。このため、上記ステータ61の軸方
向の中央部分には流体供給路70からラジアル動圧軸受
の軸受隙間に連通する供給孔71が外径から内径へ貫通
している。
【0027】ここで、上記ラジアル動圧軸受において
は、ロータ62の回転に伴って軸受隙間の潤滑流体がス
テータ61に対する供給孔71の開設位置からスラスト
板66及び砥石ホルダ77の方向へ加圧されるように動
圧発生溝が形成される一方、上記スラスト動圧軸受にお
いては、ロータ62の回転に伴って軸受隙間の潤滑流体
がスラスト板66及び砥石ホルダ67の内径から外径へ
向けて加圧されるように動圧発生溝が形成されている。
従って、ロータ62が回転すると、潤滑流体は上記流体
供給路70から供給孔71を介して図2中の白抜き矢印
の如く流動し、最終的に各スラスト動圧軸受の外周側か
ら排出される。
【0028】前述の第1実施例の如くアウターロータタ
イプのスピンドル装置では、図1に示すように、ラジア
ル動圧軸受の半径方向に重ねて砥石64等のツールを配
置することができるが、この第2実施例の如くインナー
ロータタイプのスピンドル装置では、ラジアル動圧軸受
と砥石64等のツールを軸方向にずらして配置せざるを
得ず、ツールに作用したラジアル荷重によってラジアル
動圧軸受にはモーメント荷重が作用し易い。従って、前
述の如くラジアル動圧軸受の軸受隙間に存在する潤滑流
体をスラスト板66及び砥石ホルダ77の方向へ加圧す
るように構成すると、ラジアル動圧軸受の軸方向の両端
において流体潤滑膜の圧力が高まるので、かかるラジア
ル動圧軸受がより大きなモーメント荷重を負荷するのに
適した構造、すなわちインナーロータタイプのスピンド
ル装置に適した構造となる。
【0029】一方、クイル軸60に挿通された駆動ワイ
ヤ72はその先端がロータ62の一端に螺合しており、
第1実施例とは異なり、図示外のモータの回転駆動力を
直接ロータ62に伝達するようになっている。図4に示
すように、クイル軸60には駆動ワイヤ72の挿通孔7
3が設けられており、この挿通孔73の内部には駆動ワ
イヤ72の回転を支承するためのセラミクス製ガイドリ
ング74が所定間隔で複数配列されている。このガイド
リング74は駆動ワイヤ72の回転中における振れ回り
やおどり現象を防止する目的で設けられており、かかる
目的を達成するためにガイドリング74の内径と駆動ワ
イヤ72との隙間量は100μm以下に抑えられてい
る。また、かかる隙間量が余りに小さいとガイドリング
74の内径と駆動ワイヤ72との間に潤滑油が入り込み
難く、加えて駆動ワイヤ72をガイドリング74に挿通
する作業も困難になることから、かかる隙間は10μm
以上に設定されている。更に、このガイドリング74
は、図5に示すように、その内径が駆動ワイヤ72の挿
通方向に沿って曲面状に形成されており、高速で回転す
る駆動ワイヤ72との接触面積を極力少なくし、ガイド
リング74に対する駆動ワイヤ72の焼き付きを防止す
るように構成されている。尚、ガイドリング74の断面
形状は図6に示す如く円形状であっても良く、この場合
でも同様の効果を得ることができる。
【0030】本実施例のスピンドル装置もボールねじナ
ットの研削加工用であるため、クイル軸60の軸方向と
ロータ62の回転軸方向とが所定の角度で交わってお
り、上記駆動ワイヤ72は第1実施例と同様に動力の伝
達方向を偏向する自在継手の役割を果たしている。従っ
て、ロータ62に高速回転を与えつつ長期にわたって使
用するためには、かかる駆動ワイヤ72が曲げ応力に強
いものでなければならない。そのため、本実施例では金
属繊維又は炭素繊維等を寄り合わせて駆動ワイヤ72を
製作した。また、駆動ワイヤ72に付着した潤滑油がガ
イドリング74と駆動ワイヤ72との隙間に入り込み易
くするため、図5に示すように、駆動ワイヤ72の表面
にスパイラル状の凹凸が形成されるようにした。駆動ワ
イヤ72の表面にこのようなスパイラル状の凹凸を形成
すれば、かかる駆動ワイヤ72の回転に伴って潤滑油が
ガイドリング74の内径に巻き込まれ、ガイドリング7
4と駆動ワイヤ72との隙間を容易に潤滑することが可
能となる。
【0031】また、このスピンドル装置では、図4に示
すように、駆動ワイヤがロータへの連結のために湾曲す
る位置に多数のガイドリング74を配列し、駆動ワイヤ
を緩やかに湾曲させることで該駆動ワイヤの局所に曲げ
応力が集中するのを防止している。
【0032】そして、以上のように構成された本実施例
の研削加工用スピンドル装置では、図示外のモータに連
結された駆動ワイヤ4を回転させると、第1実施例と同
様に駆動ワイヤ4の回転がロータ3に伝達され、かかる
ロータ3が砥石と共に回転する。また、ロータ3が回転
を開始すると、上記ラジアル動圧軸受及びスラスト動圧
軸受の各軸受隙間に介在する潤滑流体が加圧されて、か
かる軸受隙間には高圧の流体潤滑膜が形成され、ロータ
3はステータ2及びスラスト板7,23に対して非接触
の状態で軽快に回転する。この点も第1実施例の装置と
同じである。
【0033】但し、本実施例のスピンドル装置はインナ
ーロータタイプに構成していることから、駆動ワイヤ7
2をロータ62の回転中心に対して直接連結することが
でき、また、ロータ62に対する止めねじ68の螺合の
みで砥石64をロータ62から取り外すことができるよ
うになっている。従って、第1実施例のスピンドル装置
に比べて簡易な構成となっており、また、ロータ62の
外径を更に小型化することができるといった利点を備え
ている。この第2実施例のスピンドル装置を実際に製作
して使用して見たところ、第1実施例のスピンドル装置
では研削することができなかった内径5mm、ボール転
走溝のリード角30°のボールねじナットの研削加工を
行うことができ、そのときのロータの回転数は5000
0rpm、ロータの剛性は30kN/μm、負荷容量は
65kNであった。
【0034】◎第3実施例 図7は第2実施例のスピンドル装置を多関節のロボット
ハンドに応用した例を示すものである。本発明のスピン
ドル装置では駆動ワイヤでモータの回転駆動力をロータ
に伝達しており、モータからロータ経動力を伝達する経
路においてその伝達方向が偏向しても駆動ワイヤそれ自
体が自在継手として機能するので、かかる伝達方向が大
きく偏向しない限りは支承なくロータを回転駆動するこ
とができる。
【0035】従って、図7の如くクイル軸80を多数の
腕部材81を連結した多関節に構成しても、各腕部材8
1に配列されたガイドリング74によって駆動ワイヤ7
2を緩やかに湾曲させて案内すれば、かかるクイル軸8
0の先端に装着したロータ62に対してモータの回転駆
動力を伝達することができる。そして、このようにクイ
ル軸80を自在に屈曲可能な多関節に構成すれば、図7
如く小型カメラ82をクイル軸80の先端に搭載し、こ
れをロボットハンドに応用することにより、一層複雑な
形状の機械加工等にこのスピンドル装置を適用すること
も可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスピ
ンドル装置によれば、駆動ワイヤによってモータの回転
駆動力がツールを装着したロータに伝達され、タービン
によってロータを回転駆動する場合と比べ、ロータの径
を小型化しても十分な回転トルクをロータに対して与え
ることができるので、スピンドル装置の一層の小型化を
図ることができ、内径の小さな円筒状部材の内面の研削
加工等を高速で且つ高精度に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピンドル装置の第1実施例を示す
断面図である。
【図2】 本発明のスピンドル装置の第2実施例を示す
断面図である。
【図3】 第2実施例に係るスピンドル装置のクイル軸
の全体を示す断面図である。
【図4】 第2実施例に係るスピンドル装置の砥石ホル
ダを示す断面図及び側面図ある。
【図5】 第2実施例に係るスピンドル装置のガイドリ
ングと駆動ワイヤとの関係を示す図である。
【図6】 第2実施例に係るスピンドル装置のガイドリ
ングのその他の例を示す図である。
【図7】 本発明のスピンドル装置の第3実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…クイル軸、2…ステータ、3…ロータ、4…駆動ワ
イヤ、10…砥石(ツール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早坂 悟 東京都品川区西五反田3丁目11番6号、テ イエチケー株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA07 BA02 CA02 KA02 KA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クイル軸と、ツールが装着されるロータ
    と、上記クイル軸の軸方向に対して所定角度傾斜した状
    態で該クイル軸に固定されたステータと、このステータ
    に対して上記ロータの回転を支承するラジアル動圧軸受
    と、上記ロータの軸方向への移動を規制する一対のスラ
    スト動圧軸受と、上記クイル軸内に挿通されると共に上
    記ロータにモータの回転動力を伝達する駆動ワイヤとか
    ら構成されることを特徴とするスピンドル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスピンドル装置におい
    て、上記ステータは中空軸状に形成されて上記クイル軸
    に固定されると共に、上記ロータは中空軸状ステータの
    外径に僅かな隙間を介して遊嵌し、かかる中空軸状ステ
    ータの外周面とロータの内周面とで上記ラジアル動圧軸
    受が構成される一方、上記駆動ワイヤは中空軸状ステー
    タに挿通されると共に、その先端が中空軸状ステータを
    覆うようにしてロータに装着されたツール固定部材に固
    定されていることを特徴とするスピンドル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスピンドル装置におい
    て、上記ステータは円筒状に形成されて上記クイル軸に
    固定されると共に、上記ロータは円筒状ステータの内径
    に僅かな軸受隙間を介して遊嵌し、かかる円筒状ステー
    タの内周面とロータの外周面とで上記ラジアル動圧軸受
    が構成される一方、上記駆動ワイヤの先端は上記ロータ
    の軸方向の一端に固定されていることを特徴とするスピ
    ンドル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のスピンドル装置におい
    て、上記駆動ワイヤは素線を寄り合わせて形成すること
    によってその表面にスパイラル状の凹凸が形成されてお
    り、上記クイル軸内での回転に伴ってその周面に潤滑液
    を巻き込むことを特徴とするスピンドル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4記載のスピンドル装置に
    おいて、上記駆動ワイヤはクイル軸内に所定間隔で設け
    られた複数個のガイドリングに挿通された状態で回転自
    在に支承され、かかるガイドリングの内径は駆動ワイヤ
    の挿通方向に沿って曲面状に形成されていることを特徴
    とするスピンドル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のスピンドル装置におい
    て、上記クイル軸が多数の腕部材を連結して多関節に形
    成されていることを特徴とするスピンドル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013129029A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Ntn Corp 研削スピンドルユニット
JP2014037051A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Liebherr-Verzahntechnik Gmbh 工具装置及びマシニングセンタ
JP2014091171A (ja) * 2012-10-31 2014-05-19 Nsk Ltd ねじ研削盤の研削スピンドル

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