JP2000073620A - 制振装置、建物、ユニット建物、及びユニット建物の施工方法 - Google Patents

制振装置、建物、ユニット建物、及びユニット建物の施工方法

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JP2000073620A
JP2000073620A JP10243172A JP24317298A JP2000073620A JP 2000073620 A JP2000073620 A JP 2000073620A JP 10243172 A JP10243172 A JP 10243172A JP 24317298 A JP24317298 A JP 24317298A JP 2000073620 A JP2000073620 A JP 2000073620A
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damping device
vibration
vibration damping
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持ゴムと減衰材をコンパクトに収容できる
制振装置を提供すること、また、建物の振動方向により
固有振動数が異なる建物に対して対応できる制振装置を
提供すること、更に、このような制振装置を用いた好適
な建物とユニット建物の施工方法を提供すること目的と
している。 【解決手段】 本発明は、取付け金具41と、取付け金
具41に設けた支持ゴム421と、支持ゴム421に載
置させたウエイト43と、取付け金具41とウエイト4
3との間に張り設けた周波数調整用バネ44、45とを
有してなる制振装置40において、支持ゴム421内に
減衰材424が内蔵されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振装置、建物、
ユニット建物、及びユニット建物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の水平方向振動を低減する制
振装置としては、例えば、特開平8−128229号公
報に記載されている。上記公報記載の制振装置は、長方
形断面を有する棒状のウエイト(重り)、ウエイトを水
平方向の全方向に振動可能に支持しつつウエイトに水平
方向の復元力を与える支持ゴム、ウェイトの水平方向運
動に対して減衰力を与える減衰材、ウェイトの水平方向
の固有振動数を調整するための周波数調整用バネ及びウ
ェイトの過大変位と脱落を防止するためのストッパーか
らなるものである。なお、支持ゴムの復元力によりウエ
イトの初期設定の固有振動数が決まる。この制振装置
は、強風や交通振動や人の歩行等によって生じる小さい
水平方向の揺れを建物が揺れる方向と逆方向にウエイト
を揺らし、互いの振動エネルギーを打ち消すことにより
軽減するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の制振装置は、支持ゴムと減衰材を並べて設置し
ているので、その設置に場所を取るという問題が有っ
た。また、減衰材の弾性率が全方向に寄与するため、建
物の振動方向により極端に固有振動数が異なる建物に対
して、十分対応できないという問題が有った。
【0004】そこで、本発明は、上記のような問題を解
消し、支持ゴムと減衰材をコンパクトに収容できる制振
装置を提供すること、また、建物の振動方向により固有
振動数が異なる建物に対して対応できる制振装置を提供
することを目的としている。さらに、このような制振装
置を用いた好適な建物を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
取付け金具と、取付け金具に設けた支持ゴムと、支持ゴ
ムに載置させたウエイトと、取付け金具とウエイトとの
間に張り設けた周波数調整用バネとを有してなる制振装
置において、支持ゴム内に減衰材が内蔵されていること
を特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、取付け金具と、取
付け金具に設けた支持ゴムと、支持ゴムに載置させたウ
エイトと、取付け金具とウエイトとの間に張り設けた周
波数調整用バネとを有してなる制振装置において、前記
周波数調整用バネに、減衰材が張り付けられていること
を特徴としている。
【0007】上記請求項2記載の発明において、周波数
調整用バネを、水平方向の複数の方向に設けることによ
り、振動特性に方向性をもたすことができる。このた
め、直行する二方向に周波数調整用バネを設け、一方向
のみに減衰材を張り付けるか、又は両方向に異なる減衰
材を張り付けるのがよい。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の制振装置が設けられていることを特徴とする建物
である。
【0009】請求項4記載の発明は、制振装置がユニッ
ト建物を構成する建物ユニットに取り付けられているこ
とを特徴とするユニット建物である。
【0010】上記請求項4記載の発明における制振装置
としては、取付け金具と、取付け金具に設けた支持ゴム
と、支持ゴムに載置させたウエイトと、取付け金具とウ
エイトとの間に張り設けた周波数調整用バネとを有して
なるものが好適である。そして、上記制振装置のウエイ
トは、棒状のものが好適である。棒状であると、天井梁
間に架け渡して設置できるので建物ユニットに取り付け
易く、省スペースである。また、ユニット建物として
は、3階以上の建物が好適である。尚、請求項2記載の
制振装置を用いるのに好適なユニット建物としては、軸
組建物ユニットを組み合わせてなるユニット建物であっ
て、最下階が建物ユニットを一列に配置したものであ
り、しかも、車庫や店舗に利用される等のために一部に
床梁のない建物ユニットを用いたユニット建物が挙げら
れる。
【0011】請求項5記載の発明は、最上階にぺントハ
ウスが設けられ、このぺントハウスに制振装置が設置さ
れていることを特徴とする建物である。
【0012】上記請求項5記載の発明における制振装置
としては、取付け金具と、取付け金具に設けた支持ゴム
と、支持ゴムに載置させたウエイトと、取付け金具とウ
エイトとの間に張り設けた周波数調整用バネとを有して
なるものが好適である。ペントハウスとしては、最上階
に突出した階段室や、倉庫室等が挙げられる。特に、ペ
ントハウスが建物の平面視端部にある場合に好適であ
る。
【0013】請求項6記載の発明は、建物ユニットに制
振装置を予め設置しておき、この建物ユニットを据え付
けることを特徴とするユニット建物の施工方法である。
【0014】(作用)請求項1記載の制振装置は、支持
ゴム内に減衰材が内蔵されているので、支持ゴムと減衰
材をコンパクトに収容できる。
【0015】請求項2記載の制振装置は、周波数調整用
バネに、減衰材が張り付けられているので、支持ゴムと
減衰材をコンパクトに収容できる。そして、周波数調整
用バネを水平方向の複数の方向に設けて、それぞれの振
動方向を独立させて減衰率と弾性率を設定できるため、
対象建物の振動特性に合わせて制振装置を設定すること
が容易となる。従って、建物の振動方向により固有振動
数が異なる建物に対して対応できる。また、周波数調整
用バネに減衰材を張り付けるため、増築や建て直しによ
り建物の固有振動数が変わる場合にも、制振装置の再調
整が容易にでき、それまで使っていた制振装置を利用で
きる。
【0016】請求項3記載の建物は、請求項1または2
記載の制振装置が設けられているので、上記作用特性を
備えた建物とすることができる。
【0017】請求項4記載のユニット建物は、制振装置
がユニット建物を構成する建物ユニットに取り付けられ
ているので、ユニット建物の建築現場での制振装置取付
け工数を省略でき、工期の短縮が図れる。また、構造体
の共通な建物ユニットの組み合わせにより建物が構成さ
れるので、建物の固有振動数が規格化され、制振装置の
仕様を規格化でき、設計、生産の工数が少なくて済む。
【0018】請求項5記載の建物では、最上階にぺント
ハウスが設けられている。ペントハウスがない建物の場
合、制振装置の配置は、建物の剛心に近い位置に設置し
ていたが、変形した建物プランにおいては微小な偏心振
動が発生し、制振装置が有効に働かない場合がある。ま
た、ペントハウスはもともと重量が最上階にくるため、
振動特性が不利であることと、建物の剛心から離れた位
置に来る場合、微小な偏心振動を誘発する恐れがある。
これに対し、本発明の建物は、最上階のぺントハウスに
制振装置が設置されているので、一次並進振動に対して
は有効に振動効果を発揮できるとともに、偏心振動が発
生する場合は、最も偏心の大きい場所に制振装置を設置
していることになるため、確実に偏心振動を制振でき
る。
【0019】請求項6記載のユニット建物の施工方法
は、建物ユニットに制振装置を予め設置しておき、この
建物ユニットを据え付けるので、およそ100〜200
kg重の制振装置を工場で建物構造体に取着でき、安全
かつ容易に作業でき、ユニット建物の建築現場での制振
装置取付け工数を省略でき、工期の短縮が図れる。尚、
ペントハウスを建物ユニットとすることにより、下階が
ユニット建物でなくても、制振装置の施工が容易な作用
が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の一実施例
であって、図1は制振装置の説明図であって、(イ)図
は図2のI −I 線に沿う断面図、(ロ)図は減衰材が内
蔵された制振ゴムの斜視図、(ハ)図は(ロ)図の制振
ゴムの断面図である。図2は制振装置の平面図、図3
(イ)図は制振装置が取り付けられるユニット建物の説
明図、(ロ)図は建物ユニットの説明図、図4は制振装
置の取付け過程を示す説明図である。
【0021】(制振装置−1)図1と図2において、4
0は制振装置であって、制振装置40は、制振装置40
の長手方向の両端部のそれぞれに設けられる一対の取付
け金具41、41を有する。取付け金具41の形状は、
後述の棒状ウエイト43を挿入可能な略四角の開口を有
する筒状であって、その両側に取付け座41A、41A
が設けられている。 そして、制振装置40は、両取付
け金具41の下部内面に取着された制振ゴム42と、制
振ゴム42に長手方向の両端部を載置して取着された長
尺棒状ウエイト43と、取付け金具41とウエイト43
との間に張り設けた長手方向の周波数調整用バネ44及
び短手方向の周波数調整用バネ45とを有する。
【0022】上記ウエイト43の両端部は、取付け金具
41の筒内を貫通している。上記周波数調整用バネ4
4、45は、いずれもつる巻きバネであって、長手方向
の周波数調整用バネ44は、ウエイト43の一端側と他
端側のそれぞれの両側面に一対づつ、合計4個取り付け
られている。そして、長手方向の周波数調整用バネ44
の一端はウエイト43の端部に固定され、他端は取付け
金具41に固定されて架け渡されている。また、短手方
向の周波数調整用バネ45は、ウエイト43の一端側と
他端側のそれぞれの両端面に取り付けられ、それぞれ、
直列する一対でなり、合計4個取り付けられている。そ
して、短手方向の周波数調整用バネ45の一端は、ウエ
イトの端面から突出する取付け部に固定され、他端は取
付け金具41に固定されて架け渡されている。
【0023】上記制振ゴム42は、図1(ロ)図と
(ハ)図に示すように、支持ゴム421の内部に減衰材
424が内蔵されているものであって、円筒形状の支持
ゴム421と、支持ゴム421の中に充填された減衰材
424と、支持ゴム421の上下に設けられた取付け用
フランジ板425、425とからなっている。制振ゴム
42は、鉛直方向に高い剛性を、水平方向に低い剛性と
減衰性を有している。支持ゴム421としては、例え
ば、天然ゴム系等のゴム板422と鋼板423を交互に
積層した積層ゴムが好適である。また、減衰材424と
しては、減衰性の高い合成ゴム、または合成樹脂のゲル
状物等であって、合成ゴムとしてはブチルゴム、アクリ
ルゴム、シリコーンゴム等が好適である。また、合成樹
脂のゲル状物としては、シリコーンゲルが好適である。
【0024】なお、両取付け金具41の上部に螺着され
たボルト46は制振装置40の輸送時にウエイト43を
押さえ保持する。また、ウエイト43の両端部に固定さ
れたストッパー47は異常に大きな長手方向振動時に取
付け金具41の端面に衝合し、その振動を制止する。短
手方向の振動に対しては取付け金具41の内面で、ウエ
イト43の動きが規制される。また、ウエイト43の両
端部には吊り金具48が設けられている。
【0025】(ユニット建物−1とその施工方法)本実
施例においては、建物はユニット建物Tであって、上記
構成になされた制振装置40が、このユニット建物Tを
構成する建物ユニットUに設けられている。ユニット建
物Tは、図3(イ)図に示すように、3階建であって、
1階部分の建物ユニットU1、2階部分の建物ユニット
U2、3階部分の建物ユニットU3、及び屋根ユニット
UYを左右上下に接合して構築されたものである。建物
ユニットUは、図3(ロ)図に示すように、床パネル1
1の外縁部に壁パネル21を立設して構築されたパネル
式のものである。
【0026】建物ユニットUの床パネル11は、図4に
示すように、相対する端根太12の間に複数の床根太1
3を掛け渡して床枠組14を構成し、床枠組14の上面
には床面材(不図示)を設け、床枠組14の下面には頭
つなぎ16を設けている。
【0027】上記ユニット建物Tにおける制振装置40
の設置位置は、最上階の建物ユニットU3の床パネル1
1であり、平面的には建物中央部とするのが、制振効果
の点で好ましい。然るに、建物ユニットU3にあって
は、図4に示すように、床パネル11の相隣る床根太1
3に制振装置40を掛け渡してある。このとき、床パネ
ル11の相隣る床根太13の相対向する側面のそれぞれ
の長手方向に支持具31をボルト32により固定し、こ
れら支持具31のそれぞれに制振装置40の両端部のそ
れぞれを載置して固定し得るネジ31B付き取付け部3
1Aを備えている。そして、工場で建物ユニットUに取
り付ける工程にて、クレーン側の吊りワイヤー49のフ
ック49Aを制振装置40の吊り金具48に掛けて制振
装置40を吊り上げ、制振装置40の取付け金具41の
取付け座41Aを支持具31の取付け部31Aに載置し
て固定する。
【0028】本実施例によれば、以下の作用がある。 本実施例の制振装置40は、支持ゴム421内に減衰
材424が内蔵されているので、ユニット建物Tの水平
振動を制振できるとともに、支持ゴム421と減衰材4
24をコンパクトに収容できる。
【0029】制振装置40は、ユニット建物Tを構成
する建物ユニットUの床パネル11に取り付けられてい
るので、ユニット建物Tの建築現場での制振装置40の
取付け工数を省略でき、工期の短縮が図れる。
【0030】制振装置40のウエイト43が棒状であ
り、床根太13、13の間隔を大きくする必要がなく、
床パネル11の強度を低下させない。
【0031】(ユニット建物−2)図5は、本発明の別
の実施例であって、(イ)図は制振装置が設置されるユ
ニット建物の説明図、(ロ)図は制振装置が設置された
建物ユニットの斜視図である。本実施例のユニット建物
TAは、図5(イ)図に示すように、軸組式建物ユニッ
トUAを一列に配置し、1階部分の建物ユニットUA1
と、2階部分の建物ユニットUA2と、3階部分の建物
ユニットUA3とを組み合わせてなる3階建の建物であ
る。最下階は車庫に利用されるため、一部に床梁11A
のない建物ユニットUA1を用いている。そして、この
ユニット建物TAの延べ床面積は約160m2 であっ
て、前記実施例に示したものと同じ制振装置40一基
が、3階部分の中央部の建物ユニットUA3に設置され
ている。
【0032】上記軸組式建物ユニットUAは、図5
(ロ)図に示すように、4本の柱21Aと、柱21Aの
下端間に掛け渡された床梁11Aと、柱21Aの上端に
掛け渡された天井梁11Bとから箱型形状に骨組構造体
に構成され、制振装置40は、輸送制限幅の方向、すな
わち長辺側の天井梁11B、11B間に掛け渡して取り
付けられている。
【0033】本実施例のユニット建物TAは、軸組式建
物ユニットUAを一列に配置した3階建であり、しか
も、最下階は車庫に利用されるため、一部に床梁11A
のない建物ユニットUA1を用いている。このため、強
風や交通振動等による不快な水平振動を生じ易い。しか
るに、本実施例では、3階部分の中央部の建物ユニット
UA3に制振装置40を設置しているので、上記不快な
水平振動を効果的に抑えることができる。
【0034】また、構造体の共通な軸組式建物ユニット
UAの組み合わせによりユニット建物TAが構成される
ので、建物の固有振動数が規格化され、制振装置40の
仕様を規格化でき、設計、生産の工数が少なくて済む。
【0035】(制振装置−2)図6と図7は、本発明の
別の実施例であって、図6(イ)図は周波数調整用バネ
の斜視図、(ロ)図と(ハ)図は減衰材の断面図であ
る。図7は支持ゴムの説明図であって、(イ)図はその
斜視図であり、(ロ)図は断面図である。本実施例の制
振装置においては、前記実施例の制振装置40と基本的
構成が略同じであるが、前記実施例と異なる所は、短手
方向の周波数調整用バネ45に、減衰材451が張り付
けられていることと、制振ゴム42に代えて支持ゴム4
2Aを使用していることである。従って、前記実施例と
同じものは同符合を付けて説明を省略し、異なるものだ
けに別符合を付けて説明をする。
【0036】上記周波数調整用バネ45に張り付ける減
衰材451としては、以下の選択をする。 、制振装置40の固有周期を変えずに減衰性を付加し
たい場合、図4(ハ)図に示すように、周波数調整用バ
ネ45に張り付ける減衰材451には、その片側面に拘
束層452を粘着または接着し、反対側面を周波数調整
用バネ45に張り付ける。すなわち、周波数調整用バネ
45の周囲に減衰材451を巻き付け、その周囲を拘束
層452で巻き付けるようにする。上記減衰材451と
しては、弾性率2.5×105 kgf/cm2 、tan
δ=0.7のブチルゴム、またはアクリルゴム系シート
材(厚さ0.5〜5mm)を使用するが、シリコーンゴ
ム、シリコーンゲルも好適である。上記拘束層452と
しては、鉄板、ポリプロピレンフィルム、PETフィル
ム、アルミニウム板等を使用する。
【0037】固有周期と減衰性の両方を調整したい場
合、減衰材451としては、弾性率3.0×107 kg
f/cm2 、tanδ=1.0のブチルゴム、アクリル
ゴム系シート材を使用し、拘束層452有り(図4の
(ハ)図)、または拘束層452無し(図4の(ロ)
図)で周波数調整用バネ45と粘着または接着により張
り付けて使用する。
【0038】なお、本実施例の制振装置40には、前記
実施例に示した制振ゴム42に代えて支持ゴム42Aを
使用するが、前記実施例と同じく制振ゴム42を使用し
てもよい。上記支持ゴム42Aは、天然ゴム系のゴム板
422と鋼板423を交互に積層した支持ゴム本体42
1だけで構成され、その中に減衰材を充填していないも
のである。
【0039】本実施例の制振装置40によると、周波数
調整用バネ45に、減衰材451が張り付けられている
ので、支持ゴム42Aと減衰材451をコンパクトに収
容できる。そして、それぞれの振動方向を独立させて減
衰率と弾性率を設定できるため、対象建物の振動特性に
合わせて制振装置40を設定することが容易となる。従
って、建物の振動方向により固有振動数が異なる建物に
対して対応できる。
【0040】(ユニット建物−3)図8と図9は、本発
明の他の実施例であって、図8はペントハウスを有する
ユニット建物の説明図であって、(イ)図はその正面
図、(ロ)図は平面図である。図9はペントハウスの配
置が異なるユニット建物の平面図である。図8と図9に
おいて、Tはユニット建物、U1〜U3は1階〜3階を
構成する建物ユニット、U31〜U38は3階部分の建
物ユニット、Pはペントハウス(ペントハウスユニッ
ト)である。
【0041】図8と図9に示す本実施例のユニット建物
Tは、いずれも、前記図5に示した第2実施例のユニッ
ト建物TAと同様の軸組式の3階建であって、3階の上
の屋上部であって4階相当の最上階にぺントハウスPが
設けられ、このぺントハウスPの上に制振装置40が設
置されている。上記ペントハウスPは階段室であって、
エレベーターが設置されていてもよい。
【0042】図8においては、ユニット建物Tの3階部
分は4つの建物ユニットU31〜U34で構成され、一
列目の建物ユニットU31(平面視上側)の右側部に設
けられたペントハウスPの上に制振装置40が設置され
ている。このように、ペントハウスPを設けたユニット
建物Tは、もともと重量が最上階にくるため振動性能上
不利であるが、ペントハウスPの上に制振装置40を設
置しているので、一次並進振動に対して有効に制振効果
を発揮できる。また、ペントハウスPが、一列目の建物
ユニットU31の右側部に設けられ、矢印S1とS2と
で示すように、偏心振動を発生するが、最も偏心の大き
い場所に制振装置40を設置しているので、確実に偏心
振動を制振できる。
【0043】図9(イ)図においては、ユニット建物T
の構成は図8と同じであるが、ペントハウスPが二列目
の建物ユニットU32の右側部に設けられ、このペント
ハウスPの上に制振装置40が設置されている。このよ
うに、ペントハウスPが中央部に近いほど偏心振動の発
生に対して有利となり、一層確実に偏心振動を制振でき
る。
【0044】図9(ロ)図においては、ユニット建物T
の構成が、左側の建物ユニットU31〜U34と、右側
の建物ユニットU35〜U38とにより構成されてい
る。ペントハウスPは、左側1列目の建物ユニットU3
1の右側に設けられ、このペントハウスPの上に制振装
置40が設置されている。この場合、矢印S1とS2と
で示すように、偏心振動が発生するが、剛芯に近いため
有利であり、最も偏心の大きい場所に制振装置40を設
置しているので、確実に偏心振動を制振できる。
【0045】図9(ハ)図においては、建物ユニットU
31の左側に、制振装置40を設置したペントハウスP
が設けられている。この場合、偏心振動S1、S2が斜
めに作用しても、最も偏心の大きい場所に制振装置40
を設置しているので、偏心振動を制振できる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の制振装置は、支持ゴム内
に減衰材が内蔵されているので、支持ゴムと減衰材をコ
ンパクトに収容できる。
【0047】請求項2記載の制振装置は、周波数調整用
バネに、減衰材が張り付けられているので、支持ゴムと
減衰材をコンパクトに収容できる。そして、それぞれの
振動方向を独立させて減衰率と弾性率を設定できるた
め、対象建物の振動特性に合わせて制振装置を設定する
ことが容易となる。従って、建物の振動方向により固有
振動数が異なる建物に対して対応できる。
【0048】請求項3記載の建物は、請求項1または2
記載の制振装置が設けられているので、上記作用特性を
備えた建物とすることができる。
【0049】請求項4記載のユニット建物は、制振装置
がユニット建物を構成する建物ユニットに取り付けられ
ているので、ユニット建物の建築現場での制振装置取付
け工数を省略でき、工期の短縮が図れる。
【0050】請求項5記載の建物では、最上階のぺント
ハウスに制振装置が設置されているので、一次並進振動
に対しては有効に振動効果を発揮できるとともに、偏心
振動が発生する場合は、最も偏心の大きい場所に制振装
置を設置していることになるため、確実に偏心振動を制
振できる。
【0051】請求項6記載のユニット建物の施工方法
は、建物ユニットに制振装置を予め設置しておき、この
建物ユニットを据え付けるので、ユニット建物の建築現
場での制振装置取付け工数を省略でき、工期の短縮が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であって、制振装置の説明図
である。
【図2】図1の制振装置の平面図である。
【図3】(イ)図はユニット建物の説明図、(ロ)図は
建物ユニットの斜視図である。
【図4】制振装置の取付け過程を示す説明図である。
【図5】(イ)図はユニット建物の説明図、(ロ)図は
制振装置が設置された建物ユニットの斜視図である。
【図6】本発明の別の実施例であって、(イ)図は周波
数調整用バネの斜視図、(ロ)図と(ハ)図は減衰材の
断面図である。
【図7】支持ゴムの説明図である。
【図8】本発明の他の実施例であって、ペントハウスを
有するユニット建物の説明図である。
【図9】ペントハウスの配置が異なるユニット建物の平
面図である。
【符合の説明】
T、TA ユニット建物 U1〜U3,UA1〜UA3,U31〜U38 建
物ユニット P ペントハウス 40 制振装置 41 取付け金具 42 制振ゴム 421 支持ゴム 43 ウエイト 44、45 周波数調整用バネ 424、451 減衰材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付け金具と、取付け金具に設けた支持
    ゴムと、支持ゴムに載置させたウエイトと、取付け金具
    とウエイトとの間に張り設けた周波数調整用バネとを有
    してなる制振装置において、 支持ゴム内に減衰材が内蔵されていることを特徴とする
    制振装置。
  2. 【請求項2】 取付け金具と、取付け金具に設けた支持
    ゴムと、支持ゴムに載置させたウエイトと、取付け金具
    とウエイトとの間に張り設けた周波数調整用バネとを有
    してなる制振装置において、 前記周波数調整用バネに、減衰材が張り付けられている
    ことを特徴とする制振装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の制振装置が設け
    られていることを特徴とする建物。
  4. 【請求項4】 制振装置がユニット建物を構成する建物
    ユニットに取り付けられていることを特徴とするユニッ
    ト建物。
  5. 【請求項5】 最上階にぺントハウスが設けられ、この
    ぺントハウスに制振装置が設置されていることを特徴と
    する建物。
  6. 【請求項6】 建物ユニットに制振装置を予め設置して
    おき、この建物ユニットを据え付けることを特徴とする
    ユニット建物の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005068641A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Misawa Homes Co Ltd 制振装置付き居室ユニットおよびその居室ユニットを備えたユニット式建物
JP2009074655A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Tokai Rubber Ind Ltd 自動車用制振装置

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