JP2000073179A - アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆されたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板 - Google Patents

アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆されたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板

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JP2000073179A
JP2000073179A JP24077898A JP24077898A JP2000073179A JP 2000073179 A JP2000073179 A JP 2000073179A JP 24077898 A JP24077898 A JP 24077898A JP 24077898 A JP24077898 A JP 24077898A JP 2000073179 A JP2000073179 A JP 2000073179A
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plated steel
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alloy plated
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Makoto Niwa
真 丹羽
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スレート、コンクリートなどの材料と接触す
るようなアルカリ環境下においても耐黒変性に優れ、ロ
ール成形性、後塗装密着性などの必要物性を有したアル
ミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれによ
り被覆されたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を安価
に提供することにある。 【解決手段】 粒子内にポリウレタンとビニル重合体と
が共存している高分子組成物粒子が水性媒体中に分散し
ており、かつ前記高分子組成物はポリウレタンとビニル
重合体の合計量を基準にしてポリウレタンが10〜90
重量%およびビニル重合体が90〜10重量%の割合で
共存しているものであることを特徴とするアルミニウム
−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆さ
れたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆
されたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、
めっき外観が美麗でかつ耐食性に優れていることから、
無塗装状態のまま多様な方法により成形加工され、建築
内外材・家電製品・自動車材料などに用いられている。
これらは長期の耐食性が要求されるとともにめっき表面
が直接目に触れる部分に用いられることがおおいため、
本来の外観表面が長期にわたって維持されていることが
要求される。
【0003】ところが、アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板は、めっきしたままの状態で湿潤環境下におかれる
と、亜鉛メッキ鋼板ほどではないが発錆を起こす。アル
ミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に発生する錆は、灰色〜
黒色であり、めっき表面が黒変するため、著しく商品価
値が低下する。
【0004】また、従来の溶融亜鉛めっき鋼板と比較し
て、めっき塗膜が硬くロール成形やプレス成形を行なっ
た際に潤滑性が悪く、摩擦熱によりめっき層が成形ロー
ルやプレス金型に融着する。これが外観不良などの欠陥
を生じる原因となることが多く、問題となっている。こ
れを防止するために油やワックスなどの潤滑剤を塗布す
る方法もあるが、塗布工程および成形後の脱脂工程が必
要なため、大変な手間であり、コストアップの原因とな
っている。
【0005】これらのアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板の黒変や潤滑不良を解決するために、アルミニウム−
亜鉛めっき層の上に、クロム化合物を含有したアクリル
系樹脂などの合成樹脂による皮膜形成処理が施されるよ
うになった(特公平1−53353)。
【0006】アクリル系樹脂は、アルミニウム−亜鉛合
金めっき鋼板用表面処理剤として広く用いられている
が、建材、土木用途に使用された場合、スレート、コン
クリートなどのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属
を含む材料と接触することが多く、これらから溶出した
アルカリ成分により、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板の表面が著しく影響を受けて発錆し黒変する。
【0007】こうしたアルカリ環境下での発錆を抑える
ためにポリウレタン系樹脂などを使用したアルミニウム
−亜鉛合金めっき鋼板用表面処理剤が開発された(特開
平6−146001)。しかしポリウレタン系樹脂は、
アクリル系樹脂に比較して、耐アルカリ性のみならず、
優れたリコート性すなわち本被覆剤のコーティングの後
に、他のコーティング剤を重ね塗りしたときの塗膜間の
密着性をも有しているが、アクリル系樹脂の3〜5倍高
価な材料であり、採算性を得るために塗工量を減らす
と、実用上充分な耐黒変性が得られない場合が多い。ま
た、コスト低下のために他の安価な樹脂を混合すること
は、大したコスト低減にならないどころか、耐黒変性・
後塗装密着性など著しく性能を低下させてしまうことに
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、前記従来技術の問題点を解決する、つまりスレー
ト、コンクリートなどの材料と接触するようなアルカリ
環境下においても耐黒変性に優れ、ロール成形性、リコ
ート性などの必要物性を有したアルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆されたアルミ
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板を安価に提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒子内にポリ
ウレタンとビニル重合体とが共存している高分子組成物
粒子が水性媒体中に分散しており、かつ前記高分子組成
物はポリウレタンとビニル重合体の合計量を基準にして
ポリウレタンが10〜90重量%およびビニル重合体が
90〜10重量%の割合で共存しているものであること
を特徴とするアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆
剤およびそれにより被覆されたアルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する
が、本発明は、1つの粒子中にポリウレタンとビニル重
合体とが共存していることが必要であり、この状態は、
1つの粒子中にポリウレタンとビニル重合体とが何らか
の形で共に存在していればよく、それは混合物の形でも
よいし、あるいはポリウレタンにビニル単量体がグラフ
トしたような両者の結合体であってもよい。本発明で
は、このようなものを樹脂複合体ということがある。
【0011】本発明に使用されるポリウレタンは水分散
性を示すものであり、とくに、多価イソシアネート[以
下成分(A)という]、多価アルコール[以下成分
(B)という]、酸性基を有する2官能性活性水素含有
化合物[以下成分(C)という]、および1価アミン
[以下成分(D)という]を必須の構成成分とするもの
が好ましい。
【0012】成分(A)の多価イソシアネートとして
は、従来ポリウレタンエマルジョン合成原料として知ら
れているものが使用できる。すなわち、エチレンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−
1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシア
ネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4
−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよび
1,5−ナフチレンジイソシアネートなどが挙げられ
る。さらにこれらの混合物が使用可能である。また、ウ
レタン、アロファネート、尿素、ビュレット、カルボイ
ミド、ウレタンイミンまたはイソシアヌレート残基で変
性された2官能性イソシアネートなども使用可能であ
る。
【0013】成分(B)の多価アルコールとしては、従
来ポリウレタンエマルジョン合成原料として知られてい
るものが使用できる。すなわち、ポリエステルポリオー
ル、ポリエステルポリアミドポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリオ
レフィンポリオール、ポリシロキサンポリオールなどを
挙げることができ、その分子量が500〜5000程度
のものが好ましい。必要によっては、これら同士の混合
物、あるいは次に挙げる低分子量多価アルコールを混合
してもよい。混合可能な多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、
トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールな
どが挙げられる。
【0014】成分(C)の酸性基を有する2官能性活性
水素含有化合物としては、従来陰イオン性ポリウレタン
エマルジョンの合成原料として知られているものが使用
できる。すなわち、2,2−ジメチロールプロパン酸、
2,2−ジメチロールブタン酸、リシンシスチン、3,
5−ジアミノ安息香酸および4,6−ジアミノベンゼン
−1,3−ジスルホン酸などを挙げることができる。こ
れらの化合物は分子中にカルボキシル基やスルホン基な
どの酸性を呈する陰イオン基をもち、ポリウレタンに陰
イオン性と水分散性を与える。
【0015】成分(D)の1価アミンとしては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンのよ
うなアルキルアミン、N−エチルモルホリンのようなN
−アルキル置換N含有複素環化合物などを挙げることが
できる。
【0016】本発明に使用されるビニル単量体として
は、エチレン性不飽和炭化水素類、そのエステル化物類
およびエーテル化物類などを挙げることができるが、特
に(メタ)アクリル酸のエステル化物類が好ましい。
(メタ)アクリル酸のエステル化物類の具体例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)
アクリレートなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸の
エステル化物類以外のエチレン性不飽和炭化水素類、そ
のエステル化物類およびエーテル化物類の具体例として
は、スチレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、ブ
タジエン、イソプレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル
などを挙げることができる。特に本発明で問題となって
いるアルカリ環境下での耐黒変性を高めるためには、オ
キシラン基を有するビニル単量体と水酸基を有するビニ
ル単量体とを併用することが望ましい。このオキシラン
基を有するビニル単量体として、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。水酸基を有するビニル単
量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
【0017】成分(A)(B)(C)および(D)から
主に構成されるポリウレタン樹脂とビニル重合体の組成
比は10:90〜90:10(重量比)特に50:50
〜80:20が望ましい。ビニル重合体の比率が10%
未満であると採算性と耐食性の良好なバランスを得るこ
とが困難となり、ポリウレタン樹脂の比率が10%未満
であると耐アルカリ性が著しく低下する。
【0018】粒子内にポリウレタンとビニル重合体とが
共存している高分子組成物粒子言いかえれば水分散型樹
脂複合体の製造方法としては、従来から知られている以
下の(a)〜(c)の方法などがあるが、特に限定され
るものではない。これに対して、製法(d)に類するよ
うな得られる水性樹脂分散液が単なるポリウレタン樹脂
粒子とビニル樹脂粒子の混合物よりなるようなものは、
粒子内にポリウレタンとビニル重合体とが共存している
高分子組成物粒子すなわち樹脂複合体ではないため、本
発明には含まれない。好ましい製造方法は、製造時の
コストが小さい、ウレタン樹脂とビニル単量体との相
溶性が良い、樹脂設計の幅が広い、などの理由より製
法(c)を使用するのが望ましい。
【0019】製法(a):成分(A)(B)(C)
(D)、触媒、溶剤および必要に応じて他の原料を用い
て水分散性ウレタン樹脂を重合したのち、ビニル単量体
を混合し、ビニル単量体を重合する。
【0020】製法(b):ビニル単量体存在下、成分
(A)(B)(C)(D)、触媒、溶剤および必要に応
じて他の原料を用いて水分散性ウレタン樹脂を重合した
のち、ビニル単量体を重合する。
【0021】製法(c):成分(A)(B)(C)
(D)、触媒、溶剤および必要に応じて他の原料を用い
て水分散性ウレタン樹脂を重合する途中の過程でビニル
単量体を添加し、水分散性ウレタン樹脂を得た後にビニ
ル単量体を重合する。
【0022】製法(d):成分(A)(B)(C)
(D)、触媒、溶剤および必要に応じて他の原料を用い
て水分散性ウレタン樹脂を重合し、それとは別にビニル
単量体を重合し、両者を混合する。
【0023】ポリウレタン形成用触媒としては、ウレタ
ン結合形成のために通常使用されている任意の触媒を使
用することができる。その例としては、ジブチル錫ジラ
ウレート、オクタン酸第1錫などを挙げることができ
る。
【0024】ビニル単量体重合用触媒としては、従来か
らのビニル単量体重合用触媒を挙げることができ、たと
えばアゾイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、t−ブ
チロニトリルなどの過酸化物触媒、あるいはこれらの過
酸化物触媒と亜硫酸ナトリウムなどの還元剤からなるレ
ドックス触媒などを挙げることができる。
【0025】該水性樹脂分散液に対して、耐黒変性を充
分なものとするために、通常はクロム化合物を混合す
る。このクロム化合物としては、CrO、K2CrO
、K Crなどの6価クロム化合物が挙げられ
る。クロム化合物の配合量としては、樹脂固形分に対し
て、CrO換算で0.1〜5.0%程度がよい。0.
1%より少ないと充分な耐黒変性が発現されず、5.0
%より多いと耐アルカリ性が低下する。
【0026】さらに該水性樹脂分散液は、用途あるいは
合成時の必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤など
の安定剤、ポリオレフィン系ワックスなどの滑剤、消泡
剤、レベリング剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤
などの添加剤を加えてもよい。これらの添加剤の部数は
特に限定しないが、該水性樹脂分散液の物性バランスを
考慮して、10部以下にするのが望ましい。また、添加
剤を該水性樹脂分散液中に添加する方法としては合成終
了後が望ましいが、該添加剤が水溶性に乏しい場合に
は、水分散工程以前に添加することも可能である。
【0027】該水性樹脂分散液は、鋼板上に形成された
アルミニウムを25〜75重量%含むアルミニウム−亜
鉛系合金めっき皮膜の表面に被覆、乾燥することによ
り、0.3〜2.0g/m2好ましくは、0.8〜1.
5g/m2の樹脂皮膜を形成する。0.3g/m2より少
ない塗布量では充分な潤滑性、耐黒変性が発揮できず、
2.0g/m2より多い場合にはコスト上昇を生じるた
め、望ましくない。
【0028】
【実施例】以下にこの発明の具体的な実施例と比較例と
併せて詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定す
るものではない。
【0029】実施例1 以下の工程[前記製法(c)]を経て、水性樹脂分散液
A1を得た。
【0030】1リットルセパラブルフラスコに、前記成
分(B)に相当する分子量2000のポリカーボネート
ジオール(東亞合成製、カルボジオールD−2000)
140.8gをはかりとり、撹拌ペラ(平板付)、セパ
ラブルフラスコフタ、還流用ジムロートを取り付け、6
0℃で撹拌(150rpm)しながら、前記成分(A)
に相当するイソホロンジイソシアネート(ヒュルス製、
VESTANAT)77.5gを混合し、ついでウレタ
ン形成用触媒であるジブチルスズジラウレート(和光純
薬製)0.032gを投入し、反応を開始した。内温上
昇を確認した後、65℃に調整し、60分間反応を行っ
た。300ミリリットルのポリ容器に、前記成分(C)
に相当するジメチロールプロパン酸(マリンクロット
製)22.1g、ビニル単量体の1種であるメチルメタ
クリレート(三菱レーヨン製)50.3g、ブチルアク
リレート(東亞合成製)54.5g、および前記成分
(D)に相当するトリエチルアミン(ダイセル化学製)
11.7gを撹拌混合した。得られた混合物にウレタン
形成用触媒であるジブチルスズジラウレート0.032
gをフラスコ内に投入し、内温を70℃に調整した。内
温が70℃を越えてから150分間反応した後、ビニル
単量体の重合用触媒である70%ブチルヒドロパーオキ
シド水溶液(日本油脂製、パーブチルH)1.5gを撹
拌混合し、冷却した。40℃以下に冷却後、撹拌数を2
50rpmに上げ、蒸留水539.9gを7分間かけて
加えた。100ミリリットルのポリ容器に、蒸留水6
0.0g、前記成分(D)に相当するジエチレントリア
ミン(キシダ化学製)1.8gを撹拌混合しておき、反
応器内に定量ポンプを用いて15分かけて加えた。ステ
ンレス製バブリング管により、窒素バブリングをおこな
い(75mL/分)、内温を65℃にカスケード制御し
た。ビニル単量体の重合用触媒である5%亜硫酸ナトリ
ウム/ホルムアルデヒド錯体水溶液(三菱瓦斯化学製、
スーパーライトロンガリットC)35.7gを調製し、
内温65℃で60分間かけて滴下した。滴下終了後、内
温65℃にカスケード制御しながら30分保持した後、
冷却した。
【0031】実施例2 以下の工程[前記製法(c)]を経て、水性樹脂分散液
A2を得た。
【0032】1リットルセパラブルフラスコに、前記成
分(B)に相当する分子量1000のポリカーボネート
ジオール(東亞合成製、カルボジオールD−1000)
114.0gをはかりとり、撹拌ペラ(平板付)、セパ
ラブルフラスコフタ、還流用ジムロートを取り付け、6
0℃で撹拌(150rpm)しながら、前記成分(A)
に相当するイソホロンジイソシアネート(ヒュルス製、
VESTANAT)73.3gを混合した。ついで得ら
れた混合物にウレタン形成用触媒であるジブチルスズジ
ラウレート(和光純薬製)0.027gを投入し、反応
を開始した。内温上昇を確認した後、65℃に調整し、
60分間反応した。300ミリリットルのポリ容器に、
前記成分(C)に相当するジメチロールプロパン酸(マ
リンクロット製)19.0g、ビニル単量体であるメチ
ルメタクリレート(三菱レーヨン製)50.4g、ブチ
ルアクリレート(東亞合成製)9.0g、グリシジルメ
タクリレート(三菱レーヨン製)12.6g、2−ヒド
ロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成
製、アロニックスM−5700)18.0g、前記成分
(D)に相当するトリエチルアミン(ダイセル化学製)
14.3gを撹拌混合した。得られた混合物とウレタン
形成用触媒であるジブチルスズジラウレート0.027
gをフラスコ内に投入し、内温を70℃に調整した。内
温が70℃を越えてから150分間反応した後、ビニル
単量体の重合用触媒である70%ブチルヒドロパーオキ
シド水溶液(日本油脂製、パーブチルH)1.3gを撹
拌混合し、冷却した。40℃以下に冷却後、撹拌数を2
50rpmに上げ、定量ポンプを用いて蒸留水463.
7gを7分間かけて加えた。100ミリリットルのポリ
容器に、蒸留水51.5g、前記成分(D)に相当する
ジエチレントリアミン(キシダ化学製)1.7gを撹拌
混合しておき、反応器内に定量ポンプを用いて15分か
けて加えた。ステンレス製バブリング管により、窒素バ
ブリングをおこない(75ミリリツトル/分)、内温を
65℃にカスケード制御した。5%亜硫酸ナトリウム/
ホルムアルデヒド錯体水溶液(三菱瓦斯化学製、スーパ
ーライトロンガリットC)33.7gを調製し、内温6
5℃にて60分間かけて滴下した。滴下終了後、内温6
5℃にカスケード制御して30分保持した後、冷却し
た。
【0033】比較例1 以下の工程を経て、水性樹脂分散液B1を得た。
【0034】1000ミリリットルのポリ容器に、蒸留
水210.0g、30%ラウリル酸ナトリウム水溶液
(花王製、エマール2F)3.5g 、メチルメタクリ
レート(三菱レーヨン製)176.4g、ブチルアクリ
レート(東亞合成製)31.5g、グリシジルメタクリ
レート(三菱レーヨン製)44.1g、2−ヒドロキシ
3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成製、ア
ロニックスM−5700)63.0gを攪拌混合し、プ
レエマルジョンを得た。1リットルセパラブルフラスコ
に、蒸留水245.0g、30%ラウリル酸ナトリウム
水溶液(花王製、エマール2F)8.2gをはかりと
り、撹拌ペラ(平板付)、セパラブルフラスコフタ、還
流用ジムロートを取り付け、85℃で撹拌をおこなった
(150rpm)。そこにプレエマルジョン12.9g
を投入した。その2分後、20%過硫酸アンモニウム水
溶液(キシダ化学製)15.1gを投入し、初期反応さ
せた。10分間初期反応後、3%過硫酸アンモニウム水
溶液(キシダ化学製)100.0gと残りのプレエマル
ジョンを180分間かけて連続滴下した。その後、内温
65℃に冷却し、70%ブチルヒドロパーオキシド水溶
液(日本油脂製、パーブチルH)0.8g、5%亜硫酸
ナトリウム/ホルムアルデヒド錯体水溶液(三菱瓦斯化
学製、スーパーライトロンガリットC)10.5gを添
加し、内温65℃にカスケード制御して30分保持した
後、冷却した。
【0035】比較例2 以下の工程を経て、水性樹脂分散液B2を得た。
【0036】1リットルセパラブルフラスコに、分子量
2000のポリカーボネートジオール(東亞合成製、カ
ルボジオールD−2000)255.6g、メチルエチ
ルケトン(三和化学製)34.3gをはかりとり、撹拌
ペラ(平板付)、セパラブルフラスコフタ、還流用ジム
ロートを取り付け、撹拌をおこなった(150rp
m)。イソホロンジイソシアネート(ヒュルス製、VE
STANAT)70.1gを混ぜ、外温制御により65
℃に調整した。ジブチルスズジラウレート(和光純薬
製)0.009gを投入し、反応を開始した。内温上昇
を確認した後、65℃に調整し、60分間反応した。1
00ミリリットルのポリ容器に、ジメチロールプロピオ
ン酸(マリンクロット製)17.2g、メチルエチルケ
トン34.3g、トリエチルアミン(ダイセル化学製)
13.0gを撹拌混合する。得られた混合物とジブチル
スズジラウレート0.033gをフラスコ内に投入し、
内温を83℃に調整した。内温が80℃を越えてから3
0分間反応した後、冷却した。40℃以下に冷却後、撹
拌数を250rpmに上げ、定量ポンプを用いて蒸留水
457.9gを7分間かけて加えた。200ミリリット
ルのポリ容器に、蒸留水114.5g、ジエチレントリ
アミン(キシダ化学製)1.6gを撹拌混合しておき、
これを反応器内に定量ポンプを用いて15分かけて加え
た。窒素フロー下で脱溶剤操作をおこない、70〜80
℃範囲で1時間かけてメチルエチルケトン/水混合物を
約137g溜去した後、冷却した。
【0037】比較例3 室温下で水性樹脂分散液B1とB2を樹脂分重量比で3
0:70になるように攪拌混合し、水性樹脂分散液B3
を得た。
【0038】表面処理剤の調製 水性樹脂分散液A1、A2、B1、B2、B3各250
gに対し、6価クロムを全クロムに対し50%含む酸化
クロムを2.5g加え、蒸留水で希釈して1kgの表面
処理剤をそれぞれ得た。
【0039】試験片への塗布・乾燥 各表面処理剤をバーコーターによりアルミニウム−亜鉛
合金めっき鋼板上に乾燥重量1g/cm2になるように
塗布した。この時アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と
して、板厚0.6mm、めっき層組成がAl=55%、
Zn=43.4%、Si=1.6%(いずれも重量比)
でめっき付着量が片面75g/m2のものを使用した。
表面処理剤を塗布後、直ちに140℃×7秒の焼き付け
乾燥をおこなった。
【0040】ロール成形性(メタルマーク) 各試験片を、荷重100kgf、押し出し速度70mm
/秒、変形高さ43mmの条件でビードドロー加工を行
なった。ビード部のメタルマークの発生を目視にて評価
した。
【0041】加工部耐黒変性 前記ビードドロー加工を行なった各試験片について、表
面処理剤塗布面に0.1%硫酸水溶液を接触させた状態
で、50℃98%RH条件の湿潤試験機に7日間放置し
たあと、サンプル表面の黒変程度を目視により5段階に
評価した。
【0042】 5:変化なし。 4:屈曲部にわずかに光沢変化が生じる。黒変なし。 3:屈曲部に一部黒変が生じる。 2:屈曲部に多数黒変が生じる。屈曲部以外にも一部黒
変が生じる。 1:試験片全体に多数黒変が生じ、塗膜の一部が脱落す
る。
【0043】耐食性 各試験片を100時間の塩水噴霧試験(JIS−Z23
71)に供したあと、目視で錆発生面積を評価した。こ
の時発生する錆は主に白色である。
【0044】 5:白錆発生なし。 4:白錆発生面積5%未満。 3:白錆発生面積5〜10%未満。 2:白錆発生面積10〜50%未満。 1:白錆発生面積50%以上。
【0045】耐酸性 各試験片を5%塩酸水溶液に室温×5分間浸漬したあ
と、サンプル表面の黒変程度を目視にて5段階評価し
た。
【0046】 5:変化なし。 4:わずかに光沢変化が生じる。黒変なし。 3:試験片の一部に黒変が生じる。 2:多数黒変が生じ、試験片全体が黒ずむ。 1:試験片全体に多数黒変が生じ、塗膜の一部が脱落す
る。
【0047】耐アルカリ性 各試験片を1%苛性ソーダ水溶液に室温×30分間浸漬
したあと、サンプル表面の黒変程度を目視にて5段階評
価した。
【0048】 5:変化なし。 4:わずかに光沢変化が生じる。黒変なし。 3:試験片の一部に黒変が生じる。 2:多数黒変が生じ、試験片全体が黒ずむ。 1:試験片全体に多数黒変が生じ、塗膜の一部が脱落す
る。
【0049】後塗装密着性 各試験片にアクリル系常乾塗料(アクライトNo50
0、日本油脂製)を膜厚20μmになるようにスプレー
塗装し、室温×7日間乾燥させた後、試験片を100℃
水中に2時間浸漬した。その後、試験片を取り出し塗膜
が乾燥してから、1mm幅(10×10個升目)の碁盤
目テープ剥離試験(JIS−K5400)に供した。塗
膜の残存率により、上塗り塗装との密着性を評価した。
【0050】略号:表1中の略号は、以下の通りであ
る。
【0051】 MMA:メチルメタクリレート BA:ブチルアクリレート GMA:グリシジルメタクリレート M−5700:東亞合成製「アロニックスM−570
0」(2−ヒド ロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート)
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スレート、コンクリートなどの材料と接触するようなア
ルカリ環境下における耐黒変性に優れ、ロール成形性、
後塗装密着性などの必要物性をも兼ね備えたアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれを被覆した
アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を安価に得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB03A AK25B AK51B BA02 JB01 JB02 JK06 JL01 4J038 DG001 DG051 DG261 MA02 MA08 MA10 PA07 PC02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA13 AA22 BA01 BA06 BB04 BB06 BB08 BB10 CA16 CA20 CA21 CA39

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子内にポリウレタンとビニル重合体と
    が共存している高分子組成物粒子が水性媒体中に分散し
    ており、かつ前記高分子組成物はポリウレタンとビニル
    重合体の合計量を基準にしてポリウレタンが10〜90
    重量%およびビニル重合体が90〜10重量%の割合で
    共存しているものであることを特徴とするアルミニウム
    −亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタンが、(A)多価イソシ
    アネート、(B)多価アルコール、(C)酸性基を有す
    る2官能性活性水素含有化合物および(D)1価アミン
    を含む原料から合成されたものである請求項1記載のア
    ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤。
  3. 【請求項3】 ビニル重合体がオキシラン基を有するビ
    ニル単量体単位および水酸基を有するビニル単量体単位
    を含む高分子物質である請求項1または2記載のアルミ
    ニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤。
  4. 【請求項4】 クロム化合物を含有する請求項1〜3い
    ずれか記載のアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載のアルミニウ
    ム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤で被覆されていること
    を特徴とするアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。
JP24077898A 1998-08-26 1998-08-26 アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板用被覆剤およびそれにより被覆されたアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板 Pending JP2000073179A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371372A (ja) * 2001-06-18 2002-12-26 Nippon Steel Corp 亜鉛系めっき鋼材とコンクリートの複合構造体

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