JP2000073143A - 高熱膨張性および高硬度を有するFe―Ni系合金とそれを用いたバネ材およびブラウン管用部品 - Google Patents

高熱膨張性および高硬度を有するFe―Ni系合金とそれを用いたバネ材およびブラウン管用部品

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JP2000073143A
JP2000073143A JP646199A JP646199A JP2000073143A JP 2000073143 A JP2000073143 A JP 2000073143A JP 646199 A JP646199 A JP 646199A JP 646199 A JP646199 A JP 646199A JP 2000073143 A JP2000073143 A JP 2000073143A
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Junji Taniguchi
淳二 谷口
Masashi Murakami
正志 村上
Kiyoshi Nagasaki
潔 長崎
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Fe−Ni系合金において、ブラウン管のフ
レームホルダ用バネ材などに求められる高熱膨張性を満
足させた上で、硬度や耐ヘタリ性を向上させる。 【解決手段】 Niを10〜25重量% 、Mnを 1〜10重量
% 、Si、Al、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、
V、NbおよびTaから選ばれる少なくとも 1種の元素
(M元素)を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残部が実質
的にFeからなるFe−Ni−Mn系合金、Niを10〜
25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、Mnを0.1〜10重量%
、上記したM元素を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残
部が実質的にFeからなるFe−Ni−Cr−Mn系合
金、あるいはNiを18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量%
、上記したM元素を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残
部が実質的にFeからなるFe−Ni−Cr系合金であ
って、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃
以上であり、かつビッカース硬さがHv 350以上、変位量
30mmの変形を20回加えたときの変形量が 2.0mm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管用のバ
ネ材などとして用いられる高熱膨張性および高硬度を有
するFe−Ni系合金と、それを用いたバネ材およびブ
ラウン管用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型のカラーブラウン管で
は、パネルの内面に形成された蛍光面に対して、電子ビ
ームを通過させる多数の細孔を有するシャドウマスクを
所定の間隙で対向配置している。シャドウマスクの外周
には、マスクフレームが固着されており、このマスクフ
レームはブラウン管のパネルにフレームホルダを介して
支持されている。
【0003】ところで、シャドウマスクの細孔を通過す
る電子ビームは、通常電子銃から照射された電子ビーム
の 20%程度であり、残りの 80%程度の電子ビームはシャ
ドウマスクやマスクフレームに衝突して吸収される。こ
の電子ビームの衝突によりシャドウマスクやマスクフレ
ームが熱膨張を起こすと、シャドウマスクの細孔と蛍光
面に形成されたドットとの相対位置が変位して色純度が
劣化してしまう。
【0004】このようなことから、ブラウン管のマスク
フレームはシャドウマスクの熱膨張によるミスランディ
ング(色ずれ)を補正するために、バイメタルのような
熱変形材料とバネ材とを組み合わせたフレームホルダを
介してパネルに支持されている。ブラウン管のフレーム
ホルダを構成するバネ材としては、従来、SUS 301 など
を用いることが一般的であった。
【0005】しかし、近年のブラウン管の高精細化やコ
ストダウンに対する要求の増大、特にコンピュータディ
スプレイ用カラーブラウン管(CDT)に対する要求の
増大などに伴うマスクフレーム材の材質変更によって、
現在バネ材として用いられている SUS 301ではミスラン
ディングの補正機能を十分に発揮することができない場
合が生じている。すなわち、 SUS 301は熱膨張係数が低
いため、マスクフレームの熱膨張係数とのマッチングが
低下し、これによりミスランディングを良好に補正する
ことができない場合がある。
【0006】一方、高熱膨張特性を有する金属材料とし
ては、例えばFe−Ni−Cr合金やFe−Ni−Mn
合金などのFe−Ni系合金が知られている。しかし、
従来の高熱膨張合金はバネ材に求められる耐ヘタリ性や
硬度が不足していることから、例えばブラウン管製造工
程においてマスクフレームの脱着を繰り返し行った際に
ヘタリが発生し、フレームホルダとしての所定の特性や
機能を発揮させることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、マス
クフレーム材の材質変更などに伴って、従来の SUS 301
からなるバネ材を用いたフレームホルダでは熱膨張係数
が低いために、ミスランディングの補正機能を十分に発
揮することができない場合が生じている。一方、従来の
高熱膨張合金はバネ材に求められる耐ヘタリ性や硬度が
不足していることから、ブラウン管製造工程などにおい
てヘタリが発生し、フレームホルダとしての所定の特性
や機能を得ることができない。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、例えばブラウン管のフレームホルダ用
バネ材などに用いた場合に、良好な特性が得られる高熱
膨張性を有すると共に、バネ材に求められる耐ヘタリ性
や硬度を改善したFe−Ni系合金、およびそのような
Fe−Ni系合金を用いることによって、耐ヘタリ性や
硬度などの特性改善を図ったバネ材やブラウン管用部品
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明において、第1の
高熱膨張性および高硬度を有するFe−Ni系合金は、
請求項1に記載したように、Niを10〜25重量% 、Mn
を 1〜10重量% 、Si、Al、Mo、W、Cu、Ti、
Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ばれる少なくと
も 1種を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残部が実質的に
FeからなるFe−Ni系合金であって、30〜 100℃の
範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃以上で、かつビッカ
ース硬さがHv 350以上であることを特徴としている。
【0010】第2の高熱膨張性および高硬度を有するF
e−Ni系合金は、請求項2に記載したように、Niを
10〜25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、Mnを 0.1〜10重
量%、Si、Al、Mo、W、Cu、Ti、Zr、H
f、V、NbおよびTaから選ばれる少なくとも 1種を
0.1〜10重量% の範囲で含み、残部が実質的にFeから
なるFe−Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱
膨張係数が 100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さ
がHv 350以上であることを特徴としている。
【0011】第3の高熱膨張性および高硬度を有するF
e−Ni系合金は、請求項3に記載したように、Niを
18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、Si、Al、M
o、W、Cu、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTa
から選ばれる少なくとも 1種を0.1〜10重量% の範囲で
含み、残部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金で
あって、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7
℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350以上であること
を特徴としている。
【0012】第4の高熱膨張性および高硬度を有するF
e−Ni系合金は、請求項4に記載したように、Niを
10〜25重量% 、Mnを 1〜10重量% 、SiおよびAlか
ら選ばれる少なくとも 1種を 1〜10重量% 、Mo、W、
Cu、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ば
れる少なくとも 1種を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残
部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金であって、
30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃以上
で、かつビッカース硬さがHv 350以上であることを特徴
としている。
【0013】第5の高熱膨張性および高硬度を有するF
e−Ni系合金は、請求項5に記載したように、Niを
10〜25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、Mnを 0.1〜10重
量%、SiおよびAlから選ばれる少なくとも 1種を 1
〜10重量% 、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、V、
NbおよびTaから選ばれる少なくとも 1種を 0.1〜10
重量% の範囲で含み、残部が実質的にFeからなるFe
−Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数
が 100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350
以上であることを特徴としている。
【0014】第6の高熱膨張性および高硬度を有するF
e−Ni系合金は、請求項6に記載したように、Niを
18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、SiおよびAlか
ら選ばれる少なくとも 1種を 1〜10重量% 、Mo、W、
Cu、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ば
れる少なくとも 1種を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残
部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金であって、
30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃以上
で、かつビッカース硬さがHv 350以上であることを特徴
としている。
【0015】本発明の高熱膨張性および高硬度を有する
Fe−Ni系合金は、請求項7に記載したように、さら
にCを0.05〜 1.0重量% の範囲で含むことを特徴として
いる。またさらに、請求項9に記載したように、変位量
30mmの変形を20回加えたときの変形量が 2.0mm以下であ
ることを特徴としている。
【0016】また、本発明のバネ材は、請求項10に記
載したように、上記した本発明の高熱膨張性および高硬
度を有するFe−Ni系合金からなることを特徴として
いる。本発明のブラウン管用部品は、請求項11に記載
したように、上記した本発明の高熱膨張性および高硬度
を有するFe−Ni系合金からなることを特徴としてい
る。本発明のブラウン管用部品の具体例としては、請求
項12に記載したように、ブラウン管のパネルとマスク
フレームとの間に介在されるバネ材が挙げられる。さら
に、本発明のブラウン管は請求項13に記載したよう
に、上記した本発明のブラウン管用部品を具備すること
を特徴としている。
【0017】本発明のFe−Ni系合金は、高熱膨張性
を有するFe−Ni−Mn、Fe−Ni−Cr−Mn、
あるいはFe−Ni−Crをベース組成とし、これにS
i、Al、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、V、N
bおよびTaから選ばれる少なくとも 1種を 0.1〜10重
量% の範囲で添加している。上記したようなベース組成
を有するFe−Ni系合金に対してSiやAl、あるい
はMo、W、Cu、Ti、Nbなどを添加することによ
って、バネ性を向上させることができる。具体的には、
耐ヘタリ性や硬度を高めることができる。
【0018】上記したような合金組成によって、本発明
のFe−Ni系合金では30〜 100℃の範囲の熱膨張係数
が 100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350
以上という特性、さらには変位量30mmの変形を20回加え
たときの変形量が 2.0mm以下という特性を満足させてい
る。このような特性を満足させることによって、本発明
のFe−Ni系合金を例えばブラウン管のフレームホル
ダ用バネ材に用いた場合に、ミスランディングの補正機
能を良好に得た上で、ブラウン管製造工程でのヘタリに
よる特性や機能の低下を抑制することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0020】本発明の高熱膨張性および高硬度を有する
Fe−Ni系合金は、基本成分としてまず第1に、Ni
を10〜25重量% 、Mnを 1〜10重量% の範囲で含有して
いる。Niは熱膨張係数を主として決定する成分であ
り、Ni含有量が10重量% 未満であると良好な熱膨張係
数を得ることができず、一方Ni含有量が25重量% を超
えると熱膨張係数が低下し、所望の熱膨張係数を得るこ
とができない。
【0021】Mnは熱間加工性を向上させると共に、N
iと同様に熱膨張係数の増大に寄与する。Mn含有量が
1重量% 未満では、Fe−Ni系合金の熱膨張係数を良
好に増大させることができない。一方、Mn含有量が10
重量% を超えると熱膨張係数が低下し、所望の熱膨張係
数を得ることができない。MnはNi含有量の低減にも
寄与する。NiはMnに比べて高価であるため、Ni量
の削減はFe−Ni系合金の製造コストの低減にも寄与
する。
【0022】本発明のFe−Ni系合金における基本成
分は、Crを 2〜 6重量% の範囲で含有してもよい。す
なわち、本発明のFe−Ni系合金は、基本成分として
第2に、Niを10〜25重量% 、Crを 2〜 6重量% 、M
nを 0.1〜10重量% の範囲で含有する組成を使用するこ
とができる。
【0023】CrはFe系合金の高熱膨張性を示すオー
ステナイト組織を安定化させる成分である。すなわち、
Fe−Ni系のみでは室温で加工によりマルテンサイト
組織が生成しやすく、熱膨張係数が低下するおそれがあ
るが、適量のCrを添加することによりオーステナイト
組織の安定性を高めることができる。これによって、安
定して高熱膨張性を得ることが可能となる。Cr含有量
が 2重量% 未満であるとオーステナイト組織の安定性が
低下し、一方Cr含有量が 6重量% を超えると耐ヘタリ
性が低下する。
【0024】ただし、Fe−Ni系合金の基本成分の 1
種としてCrを用いると安定性が向上しすぎるため、よ
り一層の高硬度が求められるような場合には、基本成分
としてFe−Ni−Mnを使用することが好ましい。ま
た、基本成分としてCrを用いた場合には、Crにより
熱膨張係数の増大を図ることができるため、Mn含有量
は 0.1〜10重量% の範囲とすることができる。
【0025】本発明のFe−Ni系合金は、基本成分と
して第3に、Niを18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量%
の範囲で含有する組成を使用することも可能である。基
本成分としてMnを用いない場合には、Ni含有量は18
重量% 以上とする。Ni含有量が18重量% 未満である
と、良好な熱膨張係数を得ることができない。Crの含
有量は上述した通りである。
【0026】本発明のFe−Ni系合金は、上記したよ
うな合金の基本成分(第1、第2および第3の基本成
分)によって、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×
10-7/℃以上となる。本発明のFe−Ni系合金の30〜
100℃の範囲の熱膨張係数は140×10-7/℃以上である
ことがさらに好ましい。このような高熱膨張性を有する
Fe−Ni系合金、より具体的にはFe−Ni−Mn系
合金、Fe−Ni−Cr−Mn系合金、Fe−Ni−C
r系合金によれば、それらを例えばブラウン管のフレー
ムホルダ用バネ材に用いた際に、マスクフレーム材の材
質を変更した場合においてもミスランディングの補正機
能を十分に得ることができる。
【0027】そして、本発明の高熱膨張性および高硬度
を有するFe−Ni系合金は、上記した基本成分(Fe
−Ni−Mn、Fe−Ni−Cr−MnまたはFe−N
i−Cr)に加えて、Si、Al、Mo、W、Cu、T
i、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ばれる少な
くとも 1種の金属元素(以下、M元素と記す)を 0.1〜
10重量% の範囲で含有するものである。これらM元素は
Fe−Ni系合金のバネ性の向上に寄与する。具体的に
は、Fe−Ni−Mn系合金、Fe−Ni−Cr−Mn
系合金およびFe−Ni−Cr系合金の耐ヘタリ性や硬
度を高めることができる。
【0028】上記したM元素はそれぞれ単独で添加して
もよいし、また 2種以上の混合体として添加してもよ
い。いずれにしても、M元素の含有量は 0.1重量% 以上
とする。M元素の含有量が 0.1重量% 未満であると、耐
ヘタリ性や硬度の向上効果を十分に得ることができな
い。一方、M元素の含有量が10重量% を超えると熱間加
工性が劣化する。個々の元素の含有量は元素の種類に応
じて設定することが好ましい。例えば、M元素としてA
lおよびSiを用いる場合には、Alは 0.1〜 7重量%
の範囲、Siは 0.1〜 8重量% の範囲とすることが好ま
しい。また、AlおよびSiの合計量は 1〜10重量% の
範囲とすることが好ましい。
【0029】本発明においては、上述した種々の金属元
素をM元素として用いることができるが、特にSi、A
l、Mo、W、Cu、TiおよびNbから選ばれる少な
くとも 1種の金属元素を用いることが好ましく、さらに
SiおよびAlから選ばれる少なくとも 1種を用いるこ
とが望ましい。これらは耐ヘタリ性や硬度の向上効果に
優れ、特にSiは耐ヘタリ性の向上などに対して大きな
効果を発揮する。ただし、より大きな熱膨張係数が求め
られるような場合には、Siに代えて、Mo、W、C
u、Ti、Nbなどを用いることが有利となることもあ
る。
【0030】さらに、上述した種々のM元素のうち、S
iおよびAlは脱酸効果を有し、一方Mo、W、Nb、
Ti、Zr、V、TaなどはFe−Ni系合金の耐熱性
の向上などにも寄与する。このようなことから、本発明
のFe−Ni系合金はSiおよびAlから選ばれる少な
くとも 1種を 1〜10重量% と、Mo、W、Cu、Ti、
Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ばれる少なくと
も 1種を 0.1〜10重量% とを含むことができる。
【0031】本発明の高熱膨張性および高硬度を有する
Fe−Ni系合金は、さらに、Cを0.05〜 1.0重量% の
範囲で含有することが好ましい。Cはオーステナイト組
織の安定化元素であると共に、硬度の向上にも寄与す
る。Cはその含有量を0.05重量% 以上とすることで良好
な効果を発揮するが、C含有量が 1.0重量% を超えると
熱間加工性が劣化する。
【0032】上述したように、Fe−Ni系合金の基本
成分としてのFe−Ni−Mn、Fe−Ni−Cr−M
nまたはFe−Ni−Crに、Si、Al、Mo、W、
Cu、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ば
れる少なくとも 1種のM元素を 0.1〜10重量% の範囲で
含有させることによって、上記した30〜 100℃の範囲の
熱膨張係数が 100×10-7/℃以上という高熱膨張性を維
持した上で、Fe−Ni系合金の耐ヘタリ性や硬度を向
上させることができる。
【0033】本発明のFe−Ni系合金においては、具
体的には変位量30mmの変形を20回加える繰り返し変形試
験後の変形量が 2.0mm以下という耐ヘタリ性を満足させ
ることが可能となる。ここで言う繰り返し変形試験と
は、図1(a)に示すように、まず長さ80mm×幅10mm×
厚さ 0.6mmの試験片1の一端を、回転軸2を有する治具
3に固定する。試験片1は10mmの長さ分だけ治具3に固
定されており、そこから55mmの位置に押え具4が配置さ
れている。そして、図1(b)に示すように、押え具4
で試験片1の他端部側の移動を規制した状態で、回転軸
2を軸として試験片1を回転させる。この際の押え具4
の位置における変位量(押え具4を使用せずに回転させ
た場合の仮想位置に対する変位量)が30mmとなる変形動
作を、20回繰り返し行った後に試験片1の変形量を測定
する。本発明のFe−Ni系合金は、このような繰り返
し変形試験後の変形量が 2.0mm以下という耐ヘタリ性を
有するものである。
【0034】このような優れた耐ヘタリ性を有するFe
−Ni系合金によれば、それを例えばブラウン管のフレ
ームホルダ用バネ材として用いた際に、ブラウン管製造
工程でマスクフレームの脱着を繰り返し行った場合のフ
レームホルダ(バネ材)のヘタリを有効に抑制すること
ができ、従ってフレームホルダとしての所定の特性や機
能を良好に得ることが可能となる。
【0035】また、本発明のFe−Ni系合金は合金素
材としてのビッカース硬さでHv 350以上という硬度を有
するものである。さらに、Fe−Ni系合金に歪時効処
理などを施すことによって、例えばNi−AlやNi−
Siなどの金属間化合物が析出するため、硬度を高める
ことができる。このような時効処理後の硬度としては、
ビッカース硬さでHv 380以上であることが好ましい。
【0036】このような硬度を有するFe−Ni系合金
を例えばブラウン管のフレームホルダ用のバネ材として
用いることによって、ブラウン管製造工程や運搬などに
おける耐衝撃性を十分に満足させることができる。な
お、Fe−Ni系合金の硬度は圧延率などによっても変
化し、圧延率を上げることで硬度を高めることができ
る。しかし、圧延率を上げすぎると熱膨張係数が低下す
る傾向にあるため、圧延率は適度に制御し、硬度はM元
素の含有量で調整することが好ましい。
【0037】本発明の高熱膨張性、高硬度および耐ヘタ
リ性を有するFe−Ni系合金はバネ材、特にブラウン
管用部品としてのバネ材に好適である。ブラウン管用バ
ネ材の具体例としては、ブラウン管のパネルとシャドウ
マスクを保持するマスクフレームとの間に介在されるフ
レームホルダのバネ材が挙げられる。本発明のブラウン
管は、このようなブラウン管用部品を具備するものであ
る。
【0038】上述したようなブラウン管用バネ材(フレ
ームホルダ)に、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100
×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350以上と
いう特性、さらには変位量30mmの変形を20回加えたとき
の変形量が 2.0mm以下という耐ヘタリ性を有する、本発
明のFe−Ni系合金を適用することによって、例えば
SCM415(1wt%Cr−0.2wt%Mo−Fe)などのクロム
モリブデン鋼のような材料で作製したマスクフレームを
使用する場合においても、ミスランディングの補正機能
を良好に得ることができる。その上で、ブラウン管製造
工程でのヘタリや変形による特性や機能の低下を抑制す
ることが可能となる。
【0039】このように、本発明によれば製造性や信頼
性に優れ、かつ高機能のブラウン管を提供することがで
きる。本発明のFe−Ni系合金は、特にコンピュータ
ディスプレイ用カラーブラウン管(CDT)のバネ材と
して好適である。
【0040】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0041】実施例1 表1に合金組成を示す各試料を溶解し、これらを鋳造し
た後、熱間鍛造、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を施す
ことによって、板厚 0.6mmの圧延材をそれぞれ作製し
た。なお、 0.6mmの圧延材への加工率は 70%とした。こ
れら圧延材からそれぞれ熱膨張係数測定用サンプル、ビ
ッカース硬さ測定用サンプル、および耐ヘタリ性測定用
サンプルを作製し、それぞれの特性を測定、評価した。
これらの特性は、各サンプルに 450℃×1hの熱処理を施
した後にそれぞれ測定した。その結果を表2に示す。な
お、ビッカース硬さの試験条件は1000g-15s とした。
【0042】
【表1】
【表2】 表2から明らかなように、本発明のFe−Ni系合金
(Fe−Ni−Mn系合金)は高熱膨張性を有する上
に、良好な耐ヘタリ性および高硬度を有することが分か
る。
【0043】次に、実施例1によるFe−Ni系合金
(Fe−Ni−Mn系合金)を用いてフレームホルダ用
バネを作製し、このバネを有するフレームホルダでSC
M415製のマスクフレームをブラウン管のパネルに固定
した。このようなパネルを用いて、コンピュータディス
プレイ用チューブ(CDT)を作製したところ、良好な
ミスランディングの補正機能が得られ、さらにブラウン
管製造工程でのヘタリや変形による特性や機能の低下を
抑制することができた。
【0044】実施例2 表3に合金組成を示す各試料を溶解し、これらを鋳造し
た後、熱間鍛造、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を施す
ことによって、板厚 0.6mmの圧延材をそれぞれ作製し
た。なお、 0.6mmの圧延材への加工率は 70%とした。こ
れら圧延材からそれぞれ熱膨張係数測定用サンプルおよ
び耐ヘタリ性測定用サンプルを作製し、それぞれの特性
を測定、評価した。
【0045】熱膨張係数および耐ヘタリ性は、各サンプ
ルに熱処理を施す前と各サンプルに450℃×1hの熱処理
を施した後にそれぞれ測定した。同様に、熱処理の前後
における硬度(ビッカース硬さ)、引張り強さ、伸びを
測定、評価した。これらの結果を表4に示す。
【0046】なお、表3および表4中には本発明との比
較例を併せて記載した。比較例1は従来のバネ材(SUS
301)であり、比較例2は従来のFe−Ni−Cr系合金
である。なお、比較例2のFe−Ni−Cr系合金は微
量のSiを含むものの、これは脱酸剤として添加された
ものであり、その含有量は本発明の範囲外である。
【0047】
【表3】
【表4】 表4から明らかなように、本発明のFe−Ni−Cr系
合金は高熱膨張性を有する上に、良好な耐ヘタリ性およ
び高硬度を有することが分かる。一方、比較例1として
のSUS 301 は熱膨張係数が低く、また比較例2としての
従来のFe−Ni−Cr系合金は耐ヘタリ性や硬度が不
足していることが分かる。
【0048】次に、実施例2によるFe−Ni−Cr系
合金を用いてフレームホルダ用バネを作製し、このバネ
を有するフレームホルダでSCM415 製のマスクフレー
ムをブラウン管のパネルに固定した。このようなパネル
を用いて、コンピュータディスプレイ用チューブ(CD
T)を作製したところ、良好なミスランディングの補正
機能が得られ、さらにブラウン管製造工程でのヘタリや
変形による特性や機能の低下を抑制することができた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
熱膨張性および高硬度を有すると共に、耐ヘタリ性に優
れるFe−Ni系合金を提供することができる。従っ
て、本発明の高熱膨張性および高硬度を有するFe−N
i系合金を、例えばブラウン管のフレームホルダ用バネ
材に用いることによって、良好なミスランディングの補
正機能を得た上で、バネ材のヘタリや変形による特性お
よび機能の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のFe−Ni系合金の耐ヘタリ性を規
定する繰り返し変形試験の様子を示す図である。
【符号の説明】
1……試験片 2……回転軸 3……治具 4……押え具

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Niを10〜25重量% 、Mnを 1〜10重量
    % 、Si、Al、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、
    V、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を 0.1
    〜10重量% の範囲で含み、残部が実質的にFeからなる
    Fe−Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱膨張
    係数が 100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv
    350以上であることを特徴とする高熱膨張性および高硬
    度を有するFe−Ni系合金。
  2. 【請求項2】 Niを10〜25重量% 、Crを 2〜 6重量
    % 、Mnを 0.1〜10重量% 、Si、Al、Mo、W、C
    u、Ti、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ばれ
    る少なくとも 1種を 0.1〜10重量% の範囲で含み、残部
    が実質的にFeからなるFe−Ni系合金であって、30
    〜 100℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃以上で、
    かつビッカース硬さがHv 350以上であることを特徴とす
    る高熱膨張性および高硬度を有するFe−Ni系合金。
  3. 【請求項3】 Niを18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量
    % 、Si、Al、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、
    V、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を 0.1
    〜10重量% の範囲で含み、残部が実質的にFeからなる
    Fe−Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱膨張
    係数が 100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv
    350以上であることを特徴とする高熱膨張性および高硬
    度を有するFe−Ni系合金。
  4. 【請求項4】 Niを10〜25重量% 、Mnを 1〜10重量
    % 、SiおよびAlから選ばれる少なくとも 1種を 1〜
    10重量% 、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、V、N
    bおよびTaから選ばれる少なくとも 1種を 0.1〜10重
    量% の範囲で含み、残部が実質的にFeからなるFe−
    Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が
    100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350以
    上であることを特徴とする高熱膨張性および高硬度を有
    するFe−Ni系合金。
  5. 【請求項5】 Niを10〜25重量% 、Crを 2〜 6重量
    % 、Mnを 0.1〜10重量% 、SiおよびAlから選ばれ
    る少なくとも 1種を 1〜10重量% 、Mo、W、Cu、T
    i、Zr、Hf、V、NbおよびTaから選ばれる少な
    くとも 1種を0.1〜10重量% の範囲で含み、残部が実質
    的にFeからなるFe−Ni系合金であって、30〜 100
    ℃の範囲の熱膨張係数が 100×10-7/℃以上で、かつビ
    ッカース硬さがHv 350以上であることを特徴とする高熱
    膨張性および高硬度を有するFe−Ni系合金。
  6. 【請求項6】 Niを18〜25重量% 、Crを 2〜 6重量
    % 、SiおよびAlから選ばれる少なくとも 1種を 1〜
    10重量% 、Mo、W、Cu、Ti、Zr、Hf、V、N
    bおよびTaから選ばれる少なくとも 1種を 0.1〜10重
    量% の範囲で含み、残部が実質的にFeからなるFe−
    Ni系合金であって、30〜 100℃の範囲の熱膨張係数が
    100×10-7/℃以上で、かつビッカース硬さがHv 350以
    上であることを特徴とする高熱膨張性および高硬度を有
    するFe−Ni系合金。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載のFe−Ni系合金において、 さらに、Cを0.05〜 1.0重量% の範囲で含むことを特徴
    とする高熱膨張性および高硬度を有するFe−Ni系合
    金。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載のFe−Ni系合金において、 SiおよびAlから選ばれる少なくとも 1種を 1〜10重
    量% の範囲で含むことを特徴とする高熱膨張性および高
    硬度を有するFe−Ni系合金。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    記載のFe−Ni系合金において、 変位量30mmの変形を20回加えたときの変形量が 2.0mm以
    下であることを特徴とする高熱膨張性および高硬度を有
    するFe−Ni系合金。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載の高熱膨張性および高硬度を有するFe−Ni系
    合金からなることを特徴とするバネ材。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載の高熱膨張性および高硬度を有するFe−Ni系
    合金からなることを特徴とするブラウン管用部品。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のブラウン管用部品に
    おいて、 ブラウン管のパネルとマスクフレームとの間に介在され
    るバネ材であることを特徴とするブラウン管用部品。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12記載のブ
    ラウン管用部品を具備することを特徴とするブラウン
    管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103667962A (zh) * 2013-11-08 2014-03-26 张超 一种用于离心泵叶片的抗磨合金钢材料及其制备方法
CN111378889A (zh) * 2020-03-03 2020-07-07 天龙科技炉业(无锡)有限公司 一种抗变形料叉及其制造方法

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