JP2000072809A - 重合方法 - Google Patents

重合方法

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JP2000072809A
JP2000072809A JP11153709A JP15370999A JP2000072809A JP 2000072809 A JP2000072809 A JP 2000072809A JP 11153709 A JP11153709 A JP 11153709A JP 15370999 A JP15370999 A JP 15370999A JP 2000072809 A JP2000072809 A JP 2000072809A
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佳樹 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、原子移動ラジカル重合において、
末端ハロゲン基を高率で残存させ、触媒の沈降や触媒量
の変化による重合速度の調整が困難である等の問題を解
決し、容易で安全な重合の開始方法を提供し、重合速度
の制御方法を提供し、重合方法の改善法を示す。 【解決手段】 ビニル系モノマーの原子移動ラジカル重
合を、以下の(1)、(2)、(3)及び(4)からな
る群から選択される少なくとも一つの条件下において行
なうことを特徴とする重合方法である。(1)実質的に
脱水条件下、(2)ニトリル化合物存在下、(3)重合
触媒の配位子を系中に添加して重合を開始する、(4)
重合中に重合触媒の活性を変化させて重合速度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子移動ラジカル
重合の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに、様々なリビング重合が開発
され、分子量、分子量分布及び末端構造などの制御され
た重合体が製造されるようになってきた。例としては、
ポリプロピレングリコールの配位アニオン重合、イニフ
ァーターとルイス酸触媒を用いたリビングカチオン重合
などが挙げられる。これらに加えて、近年、制御が非常
に困難であると考えられてきたラジカル重合を制御する
ことを可能にしたリビングラジカル重合が開発されてき
た。
【0003】リビングラジカル重合は、重合末端の活性
が失われることなく維持されるラジカル重合である。リ
ビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち
続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化
されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビ
ング重合も含まれる。本発明における定義も後者であ
る。リビングラジカル重合は近年様々なグループで積極
的に研究がなされている。その例としては、コバルトポ
ルフィリン錯体(J.Am.Chem.Soc.199
4、116、7943)やニトロキシド化合物などのラ
ジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecul
es、1994、27、7228)、有機ハロゲン化物
等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジ
カル重合(Atom Transfer Radical
Polymerization:ATRP)などがあ
げられる。原子移動ラジカル重合は、一般に有機ハロゲ
ン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤
とし、周期律表第7族、第8族、9族、10族、または
11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合
される。(例えば、Matyjaszewskiら、
J.Am.Chem.Soc.1995,117,56
14,Macromolecules 1995,2
8,7901,Science 1996,272,8
66、あるいはSawamotoら、Macromol
ecules 1995,28,1721を参照)。こ
れらの方法によると一般的に非常に重合速度が高く、ラ
ジカル同士のカップリングなどの停止反応が起こりやす
いラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行
し、分子量分布の狭い(Mw/Mn=1.1〜1.5)
重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤の仕込み比
によって自由にコントロールすることができる。本明細
書中、分子量分布というときは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量/数平均
分子量の比の値をいうものとする。
【0004】そして、原子移動ラジカル重合という名称
が示す通り、重合体の成長末端には通常は開始剤由来の
ハロゲン基が存在する。しかし、実際には様々な副反応
により消失することが問題となる。
【0005】原子移動ラジカル重合に用いられる触媒と
しては、重合系において完全に溶解し均一系となるもの
もあるが、多くのものは完全には溶解せず不均一系で用
いられる。例えば、CuClあるいはCuBrを用いた
重合で、配位子として最も多く使用されるものの一つで
ある2,2′−ビピリジルを用いると重合系は通常不均
一となる。これを均一系にするための工夫として、アル
キル基をビピリジルのピリジン環上に置換する方法があ
り、1−ブチルペンチル基等を置換すると均一系になる
ことが報告されている。また、エチレンカーボネート等
の極性の高い溶媒を用いると、錯体の溶解度が上がり、
均一系に近づくことも報告されている(Macromo
lecules,1998,31,1535)。しか
し、これにおいても、溶媒量を減少させると、溶解性が
低下し、速度が低下すること等が記述されている。
【0006】最近、ビピリジル系の配位子に変えて、安
価で工業的に入手可能なペンタメチルジエチレントリア
ミン等の脂肪族ポリアミンも有効な配位子であることが
報告された。しかし、この配位子を用いた場合でも、重
合系は完全な均一系ではない。重合系が不均一な場合、
触媒が沈降したり、器壁に固着したりするために、重合
速度が安定化が容易でなく、触媒量の変化による重合速
度の制御が困難である。
【0007】一方、アセトニトリルを溶媒として使用す
ることは、特許(WO97/18247)に例示されて
いるが、その特別な効果については全く記述されておら
ず、また、脂肪族系ポリアミン配位子に対してこのもの
が好適であるということも書かれていない。更に、これ
らの記載は全て溶媒としての記述であって、アセトニト
リルあるいはニトリル系化合物を添加物として少量添加
することは全く記載されていない。
【0008】原子移動ラジカル重合の重合開始は一般
に、モノマー/触媒/溶媒を混合した後に、最後に開始
剤を添加して実施されている。開始剤が液状のものを用
いる場合はシリンジ等により容易に添加することができ
るし、固体の場合でも溶媒に溶解させて同様に添加する
ことができる。開始剤が添加された時点から重合がすぐ
に開始されるので、分子量分布の狭い重合体を得るため
には、開始剤を一気に添加することが必要である。しか
し、一気に開始剤を添加し、すぐに重合が開始する場合
には、大きな発熱を伴うことになりがちである。スケー
ルアップをしていく場合には、この発熱は非常に危険で
ある。この問題を回避するために、モノマー/開始剤/
溶媒を混合した後に、最後に触媒を添加する方法が考え
られる。この場合、重合の開始の様子を見ながら添加す
ることができ、危険を回避することができる。触媒の場
合、上述の開始剤の場合と比べて、時間をかけて添加し
ても、原理的に、生成物の分子量分布等に大きな影響は
与えない。しかし、原子移動ラジカル重合の触媒は多く
の場合、金属錯体であり、固体である。しかも上述した
ように重合系が不均一になる触媒が多く、溶媒に溶解さ
せることも容易ではないので、触媒を添加して重合を開
始することは容易ではなく、これまで報告されたことは
ない。
【0009】また、一般にリビング重合では、重合の初
期から終期まで、成長末端の重合活性が保持され、その
結果、重合速度はモノマーの濃度に対してほぼ一次の関
係になる。重合に用いるモノマー全量を初期に反応装置
に加えておくバッチ重合法でリビング重合を実施した場
合、単位時間あたりに重合するモノマーの量は、初期が
最も多く、モノマーの消費に伴い、徐々に低下してい
く。ラジカル重合の場合に特に懸念される重合の暴走な
どの危険を回避するために、モノマーを後から逐次ある
いは連続で追加して実施されるセミバッチ重合法におい
ても同様の問題がある。この場合は、重合系中に残留す
るモノマー量を仮に一定に保った場合でも、その成長末
端及び触媒の濃度は初期が最も高く、生成した重合体の
蓄積により希釈されていく。その結果、バッチ重合法と
同様に単位時間あたりに重合するモノマーの量は、初期
が最も多く、徐々に低下していく。この単位時間あたり
に重合するモノマーの量が発熱量を決定するので、工業
的な重合においては、この発熱をいかに制御して安定化
するかが非常に重要である。しかし、上述したようなリ
ビング重合においては、上述した理由で初期に大きな発
熱が発生するのが常であり、これがスケールアップや生
成物の構造制御の障害になっている。この発熱を抑える
ために、触媒活性を低下させると、その結果として、ト
ータルの重合時間が長くなりすぎてしまうことがある。
工業的生産においては、生産性は非常に重要な要素であ
るが、トータルの重合時間を短縮するために触媒活性を
高めると、今度は初期の発熱が大きくなりすぎるという
ジレンマに陥る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原子移動ラ
ジカル重合において、末端ハロゲン基を高率で残存さ
せ、触媒の沈降や触媒量の変化による重合速度の調整が
困難である等の問題を解決し、容易で安全な重合の開始
方法を提供し、重合速度の制御方法を提供し、重合方法
の改善法を示すことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビニル系モノ
マーの原子移動ラジカル重合を、以下の(1)、
(2)、(3)及び(4)からなる群から選択される少
なくとも一つの条件下において行なうことを特徴とする
重合方法である。 (1)実質的に脱水条件下 (2)ニトリル化合物存在下 (3)重合触媒の配位子を系中に添加して重合を開始す
る (4)重合中に重合触媒の活性を変化させて重合速度を
制御する
【0012】原子移動ラジカル重合には、開始剤及び成
長末端と遷移金属錯体触媒とからなる平衡反応が介在し
ているが、基本的には、成長末端にラジカルが発生し、
それがモノマーの重合を行うラジカル重合である。一般
に、工業的には、ラジカル重合は、エマルジョン重合や
ディスパージョン重合などのように、水中で行われてい
ることが示すように、水の影響はうけない。そして、原
子移動ラジカル重合においても、エマルジョン重合やデ
ィスパージョン重合が可能であると文献及び特許等で示
されている。更に水を重合系中に添加しても問題ないと
いう記述はあっても、水を添加してはいけないという報
告はない。また、重合制御の成否に関しては、通常、数
平均分子量及び分子量分布をもって判断されており、末
端基の残存率に関しては、その定量が困難なこともあ
り、ほとんど議論されていない。原子移動ラジカル重合
はバルク重合も可能であり、文献等においては、蒸留さ
れたモノマーが用いられた例も開示されているが、触媒
や開始剤を含めたトータルの水分量及び末端基残存率に
ついては言及されていず、溶媒を用いた場合にはなおさ
らである。
【0013】我々は、鋭意研究の結果、重合系中の水分
が、末端ハロゲン基の消失と深く関わっていることを見
出し、それを除くことにより、末端ハロゲン基が高率で
残存した重合体が得られることを見出した。更に、この
技術は本発明のニトリル化合物や触媒配位子等の比較的
親水性の高い極性化合物を使用する場合に有効である。
【0014】我々は、また、鋭意研究の結果、ニトリル
系化合物を添加すると、その遷移金属化合物に対する配
位力から、触媒の拡散性を向上させる効果があることを
見出した。この効果をより高めるためには、CuBr等
の触媒の前駆体遷移金属化合物を、アミン等の配位子を
添加する前に、ニトリル系化合物と混合しておくことが
好ましい。
【0015】本発明により得られる上記の効果は、単な
る極性溶媒を使用した効果とは異なる。重合系が不均一
系となる触媒を用いた場合、一般に極性溶媒を用いると
触媒の溶解度が向上するが、溶媒量を少なくすると系全
体の極性が低下し、その溶解性は落ち、反応速度が低下
するなどの結果を招く(Macromolecule
s,1998,31,1535)。これに対し、本発明
のニトリル系化合物の添加は、少量の添加でも効果を発
揮するものであり、単に触媒の溶解性を向上させるわけ
ではなく、不均一系となる触媒の器壁などへの付着や沈
降などを防ぎ、その結果、攪拌において均一な拡散を達
成するものである。そして、本技術は、次に述べる触媒
配位子添加による重合開始において、配位子添加前の金
属錯体あるいは塩の拡散性を高めておくためにも有効で
ある。
【0016】我々は、更に、鋭意研究の結果、原子移動
ラジカル重合の配位子を添加することにより重合を開始
する方法を見出した。すなわち、配位子を持たないCu
Br等の金属塩だけを重合系中に添加しておき、触媒の
配位子を添加すると系中で錯体を形成し、触媒活性を発
揮し、重合が開始される。原子移動ラジカル重合の触媒
は前述したように重合系が不均一となるものが多く、こ
れをそのままあるいは溶媒に溶解させて添加することは
容易ではない。これに対し、配位子自体は液体あるいは
容易に溶媒に溶解させられるものが多く、これを添加す
ることは容易である。配位子を添加する前の金属錯体
(塩)は、触媒となる金属錯体以上に溶解性及び拡散性
が悪い場合が多く、この配位子を添加する前の金属錯体
(塩)が器壁に固着してしまうと、配位子を添加しても
すぐに錯体形成ができないことがある。これを防ぐため
には、上述のニトリル化合物の添加が有効である。
【0017】我々は、更にまた、研究の結果、重合中に
触媒の活性を変化させて重合速度を制御することにより
重合を制御することを見出した。触媒活性を変化させる
方法としては、触媒を追加する方法と、上述の開始反応
と同様に触媒となる遷移金属錯体の配位子を追加する方
法が提示される。本発明の触媒となる遷移金属錯体とし
ては銅錯体が好ましく、溶媒あるいは添加剤としては、
この遷移金属と錯体を形成するが触媒活性は持たないも
のを添加することが好ましい。
【0018】本発明によって見出された上述値のこれら
4つの条件(1)〜(4)は、それぞれ単独でも原子移
動ラジカル重合を制御する方法として有効であるが、そ
れぞれを組み合わせることにより、より大きな効果を発
揮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 <原子移動ラジカル重合概説>「リビングラジカル重合
法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング
などによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいと
されるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりに
くく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5
程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の
仕込み比によって分子量は自由にコントロールすること
ができる。
【0020】従って「リビングラジカル重合法」は、分
子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる
上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任
意の位置に導入することができるため、上記特定の官能
基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ま
しいものである。
【0021】「リビングラジカル重合法」の中でも、有
機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等
を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマー
を重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リ
ビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反
応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触
媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有
するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい
ものである。この原子移動ラジカル重合法としては、上
述の文献に加えて、例えばWO96/30421号公
報,WO97/18247号公報、WO98/0148
0号公報,WO98/40415号公報、特開平9−2
08616号公報、特開平8−41117号公報などが
挙げられる。
【0022】また、上記のような有機ハロゲン化物ある
いはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤として用い
る通常の原子移動ラジカル重合以外に、過酸化物のよう
な一般的なフリーラジカル重合の開始剤と銅(II)の
ような通常の原子移動ラジカル重合触媒の高酸化状態の
錯体を組み合わせた「リバース原子移動ラジカル重合」
も原子移動ラジカル重合に含まれる。
【0023】<モノマー>本発明に用いられるビニル系
モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いる
ことができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アク
リル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペン
チル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘ
プチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノ
エチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメ
トキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイ
ド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチ
ル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−
パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメ
チル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−
パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パー
フルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系
モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩
等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パー
フルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有
ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無
水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキル
エステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸
のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレ
イミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピ
ルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミ
ド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステア
リルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシル
マレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モ
ノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド
基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニ
ル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のア
ルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアル
コール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良い
し、複数を共重合させても構わない。限定はされない
が、なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマ
ー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より
好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリ
ル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、アクリ
ル酸ブチルである。本発明においては、これらの好まし
いモノマーを他のモノマーと共重合させても良く、その
際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上
含まれていることが好ましい。
【0024】<開始剤>原子移動ラジカル重合は、開始
剤として一般に、有機ハロゲン化物(例えば、α位にハ
ロゲンを有するエステル化合物や、ベンジル位にハロゲ
ンを有する化合物)又はハロゲン化スルホニル化合物等
を用いる。また、ハロゲンの代わりになる基を用いても
構わない。具体的に例示するならば、 C65 −CH2 X、 C65 −C(H)(X)CH3 、 C65 −C(X)(CH32 、 (ただし、上の化学式中、C65 はフェニル基、Xは
塩素、臭素、またはヨウ素) R1 −C(H)(X)−CO22 、 R1 −C(CH3 )(X)−CO22 、 R1 −C(H)(X)−C(O)R2 、 R1 −C(CH3 )(X)−C(O)R2 、 (式中、R1 及びR2 は、同一若しくは異なって、水素
原子または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル
基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素) R1 −C64 −SO2 X、 (上記の各式において、R1 及びR2 は、同一若しくは
異なって、水素原子または炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜2
0のアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)等
が挙げられる。
【0025】リビングラジカル重合の開始剤として、重
合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン
化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもで
きる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他
方の主鎖末端にハロゲン基を有するビニル系重合体が製
造される。このような官能基としては、アルケニル基、
架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ
基、アミド基等が挙げられる。
【0026】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
しては限定されず、例えば、一般式(1)に示す構造を
有するものが例示される。 R45 C(X)−R6 −R7 −C(R3 )=CH2 (1) (式中、R3 は水素、またはメチル基、R4 、R5 は水
素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリ
ール基、またはアラルキル、または他端において相互に
連結したもの、R6 は、−C(O)O−(エステル
基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p
−フェニレン基、R7 は直接結合、または炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
ても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
【0027】置換基R4 、R5 の具体例としては、水
素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ
る。R4とR5 は他端において連結して環状骨格を形成
していてもよい。
【0028】一般式(1)で示される、アルケニル基を
有する有機ハロゲン化物の具体例としては、 XCH2 C(O)O(CH2n CH=CH2 、 H3 CC(H)(X)C(O)O(CH2n CH=C
2 、 (H3 C)2 C(X)C(O)O(CH2n CH=C
2 、 CH3 CH2 C(H)(X)C(O)O(CH2n
H=CH2
【0029】
【化1】
【0030】(上記の各式において、Xは塩素、臭素、
またはヨウ素、nは0〜20の整数) XCH2 C(O)O(CH2n O(CH2m CH=
CH2 、 H3 CC(H)(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m CH=CH2 、 (H3 C)2 C(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m CH=CH2 、 CH3 CH2 C(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2m CH=CH 2
【0031】
【化2】
【0032】(上記の各式において、Xは塩素、臭素、
またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整
数) o,m,p−XCH2 −C64 −(CH2n −CH
=CH2 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −(CH
2n −CH=CH2 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
(CH2n −CH=CH2 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2 −C64 −(CH2n −O−
(CH2m −CH=CH2 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −(CH
2n − O−(CH2m −CH=CH2 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
(CH2n −O−(CH2m CH=CH2 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2 −C64 −O−(CH2n
CH=CH2 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −O−
(CH2n −CH=CH 2 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
O−(CH2n −CH=CH2 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2 −C64 −O−(CH2n
O−(CH2m −CH=CH2 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −O−
(CH2n −O−(CH2m −CH=CH2 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
O−(CH2n −O−(CH2m −CH=CH2 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
【0033】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
してはさらに一般式(2)で示される化合物が挙げられ
る。 H2 C=C(R3 )−R6 −C(R4 )(X)−R8 −R5 (2) (式中、R3 、R4 、R5 、R6 、Xは上記に同じ、R
8 は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C
(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニ
レン基を表す)
【0034】R6 は直接結合、または炭素数1〜20の
2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても
良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結
合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化
アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって
炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R8 とし
てC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずし
もなく、直接結合であってもよい。R6 が直接結合でな
い場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R
8 としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が
好ましい。
【0035】式(2)の化合物を具体的に例示するなら
ば、 CH2 =CHCH2 X、CH2 =C(CH3 )CH2
X、 CH2 =CHC(H)(X)CH3 、CH2 =C(CH
3 )C(H)(X)CH 3 、 CH2 =CHC(X)(CH32 、CH2 =CHC
(H)(X)C25 、 CH2 =CHC(H)(X)CH(CH32 、 CH2 =CHC(H)(X)C65 、CH2 =CHC
(H)(X)CH265 、 CH2 =CHCH2 C(H)(X)−CO2 R、 CH2 =CH(CH22 C(H)(X)−CO2 R、 CH2 =CH(CH23 C(H)(X)−CO2 R、 CH2 =CH(CH28 C(H)(X)−CO2 R、 CH2 =CHCH2 C(H)(X)−C65 、 CH2 =CH(CH22 C(H)(X)−C65 、 CH2 =CH(CH23 C(H)(X)−C65 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基)等を挙げることができる。
【0036】アルケニル基を有するハロゲン化スルホニ
ル化合物の具体例を挙げるならば、 o−,m−,p−CH2 =CH−(CH2n −C6
4 −SO2 X、 o−,m−,p−CH2 =CH−(CH2n −O−C
64 −SO2 X、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)等である。
【0037】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としては特に限定されず、例えば一般式(3)に示
す構造を有するものが例示される。 R45 C(X)−R6 −R7 −C(H)(R3 )CH2 − [Si(R92-b (Y)b O]m −Si(R103-a (Y)a (3) (式中、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、Xは上記に同
じ、R9 、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基、アラルキル基、または(R' ) 3 Si
O−(R' は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であっ
て、3個のR' は同一であってもよく、異なっていても
よい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R9
またはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加
水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは
同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,
1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示
す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1
であることを満足するものとする)
【0038】一般式(3)の化合物を具体的に例示する
ならば、 XCH2 C(O)O(CH2n Si(OCH33 、 CH3 C(H)(X)C(O)O(CH2n Si(O
CH33 、 (CH32 C(X)C(O)O(CH2n Si(O
CH33 、 XCH2 C(O)O(CH2n Si(CH3 )(OC
32 、 CH3 C(H)(X)C(O)O(CH2n Si(C
3 )(OCH32 、 (CH32 C(X)C(O)O(CH2n Si(C
3 )(OCH32 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
0〜20の整数、) XCH2 C(O)O(CH2n O(CH2m Si
(OCH33 、 H3 CC(H)(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m Si(OCH3 3 、 (H3 C)2 C(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m Si(OCH3 3 、 CH3 CH2 C(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2m Si(OCH33 、 XCH2 C(O)O(CH2n O(CH2m Si
(CH3 )(OCH32、 H3 CC(H)(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m −Si(CH3 )(OCH32 、 (H3 C)2 C(X)C(O)O(CH2n O(CH
2m −Si(CH3 )(OCH32 、 CH3 CH2 C(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2m −Si(CH3 )(OCH32 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2 −C64 −(CH22 Si
(OCH33 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −(CH
22 Si(OCH3 3 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
(CH22 Si(OCH33 、 o,m,p−XCH2 −C64 −(CH23 Si
(OCH33 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −(CH
23 Si(OCH3 3 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
(CH23 Si(OCH33 、 o,m,p−XCH2 −C64 −(CH22 −O−
(CH23 Si(OCH33 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −(CH
22 −O−(CH23 Si(OCH33 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
(CH22 −O−(CH23 Si(OCH33 、 o,m,p−XCH2 −C64 −O−(CH23
i(OCH33 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −O−
(CH23 Si(OCH 33 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
O−(CH23 −Si(OCH33 、 o,m,p−XCH2 −C64 −O−(CH22
O−(CH23 −Si(OCH33 、 o,m,p−CH3 C(H)(X)−C64 −O−
(CH22 −O−(CH23 Si(OCH33 、 o,m,p−CH3 CH2 C(H)(X)−C64
O−(CH22 −O−(CH23 Si(OCH3
3 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素)等が挙げられる。
【0039】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としてはさらに、一般式(4)で示される構造を有
するものが例示される。 (R103-a (Y)a Si−[OSi(R92-b (Y)bm − CH2 −C(H)(R3 )−R11−C(R4 )(X)−R8 −R5 (4) (式中、R3 、R4 、R5 、R7 、R8 、R9 、R10
a、b、m、X、Yは上記に同じ)
【0040】このような化合物を具体的に例示するなら
ば、 (CH3 O)3 SiCH2 CH2 C(H)(X)C6
5 、 (CH3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 C(H)
(X)C65 、 (CH3 O)3 Si(CH22 C(H)(X)−CO
2 R、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH22 C(H)
(X)−CO2 R、 (CH3 O)3 Si(CH23 C(H)(X)−CO
2 R、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH23 C(H)
(X)−CO2 R、 (CH3 O)3 Si(CH24 C(H)(X)−CO
2 R、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH24 C(H)
(X)−CO2 R、 (CH3 O)3 Si(CH29 C(H)(X)−CO
2 R、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH29 C(H)
(X)−CO2 R、 (CH3 O)3 Si(CH23 C(H)(X)−C6
5 、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH23 C(H)
(X)−C65 、 (CH3 O)3 Si(CH24 C(H)(X)−C6
5 、 (CH3 O)2 (CH3 )Si(CH24 C(H)
(X)−C65 、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基)等が挙げられる。
【0041】上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限
定されず、下記のようなものが例示される。 HO−(CH2n −OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
【0042】上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、ま
たはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定され
ず、下記のようなものが例示される。 H2 N−(CH2n −OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
【0043】上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定さ
れず、下記のようなものが例示される。
【0044】
【化3】
【0045】(上記の各式において、Xは塩素、臭素、
またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の
整数)
【0046】上記リビングラジカル重合において、開始
剤として、2つ以上の開始点を有する有機ハロゲン化物
又はハロゲン化スルホニル化合物を用いて重合を行う
と、ハロゲン基を両末端に有するビニル系重合体が得ら
れる。この開始剤を具体的に例示すれば、
【0047】
【化4】
【0048】(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20アリール基、または炭素数7〜20
アラルキル基を表す。C64 は、フェニレン基を表
す。nは0〜20の整数を表す。Xは塩素、臭素、また
はヨウ素を表す。)
【0049】
【化5】
【0050】(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20アリール基、または炭素数7〜20
アラルキル基を表す。C64 は、フェニレン基を表
す。nは0〜20の整数を表す。Xは塩素、臭素、また
はヨウ素を表す。)等が挙げられる。
【0051】<触媒>原子移動ラジカル重合の触媒とし
て用いられる遷移金属錯体としては特に限定されず、P
CT/US96/17780に記載されているものが利
用可能である。中でも好ましいものとして、0価の銅、
1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッ
ケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好まし
い。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第
一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸
化第一銅、過塩素酸第一銅等である。また、2価の塩化
ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(Ru
Cl2 (PPh33 )も触媒として好適である。ルテ
ニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤とし
てアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2
価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2
(PPh32 )、2価のニッケルのビストリフェニル
ホスフィン錯体(NiCl2 (PPh32 )、及び、
2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(Ni
Br2 (PBu32 )も、触媒として好適である。
【0052】触媒として銅化合物を用いる場合、その配
位子として、PCT/US96/17780に記載され
ている配位子の利用が可能である。特に限定はされない
が、アミン系配位子が良く、好ましくは、2,2′−ビ
ピリジル及びその誘導体等のビピリジル化合物、1,1
0−フェナントロリン及びその誘導体、ヘキサメチルト
リエチレンテトラアミン、ビスピコリルアミン、トリア
ルキルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタ
メチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミ
ノエチル)アミン等の脂肪族アミン等の配位子である。
本発明においては、これらの内では、ポリアミン化合
物、特にペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメ
チル(2−アミノエチル)アミン等の脂肪族ポリアミン
が好ましい。また、触媒として銅化合物を用いる場合の
配位子として、ポリアミン化合物、ピリジン系化合物、
又は脂肪族アミン化合物を用いる場合には、これらの配
位子がアミノ基を3つ以上持つものであることが好まし
い。なお、本発明におけるアミノ基とは、窒素原子−炭
素原子結合を有する基を表すが、この中でも、窒素原子
が炭素原子及び/又は水素原子とのみ結合する基である
ことが好ましい。
【0053】本発明の脱水条件での重合という点におい
て、末端ハロゲン基の消失は重合系中の塩基性にも影響
を受けるので、アミン類、特に脂肪族アミン類を配位子
として用いる場合において、本発明の効果は大きい。
【0054】触媒は、触媒活性を持つ錯体の状態で、重
合装置に加えてもよいし、触媒の前駆体である遷移金属
化合物と配位子を重合装置中で混合して錯体化しても構
わない。公知の原子移動ラジカル重合においては、一般
にこの錯体化の操作は、開始剤を添加する前に行われ
る。それに対し、本発明では、配位子を、開始剤を添加
した後に重合系中に添加し、触媒の前駆体である遷移金
属化合物と錯体化させ、触媒活性を発現し、重合を開始
する、及び/または、触媒活性を制御することが開示さ
れる。
【0055】また、本発明のニトリル系化合物存在下で
重合を行う場合、開始剤を錯体形成後に添加する通常の
原子移動ラジカル重合の開始方法においても、錯体前駆
体遷移金属化合物とニトリル系化合物を配位子よりも先
に混合しておくことが、錯体の分散性が高まるので好ま
しい。
【0056】上記のような配位子を用いる量は、通常の
原子移動ラジカル重合の条件では、遷移金属の配位座の
数と、配位子の配位する基の数から決定され、ほぼ等し
くなるように設定されている。例えば、通常、2,2′
−ビピリジル及びその誘導体をCuBrに対して加える
量はモル比で2倍であり、ペンタメチルジエチレントリ
アミンの場合はモル比で1倍である。本発明において配
位子を添加して重合を開始する、及び/または、配位子
を添加して触媒活性を制御する場合は、特に限定はされ
ないが、金属原子が配位子に対して過剰になる方が好ま
しい。配位座と配位する基の比は好ましくは1.2倍以
上であり、更に好ましくは1.4倍以上であり、特に好
ましくは1.6倍以上であり、特別に好ましくは2倍以
上である。
【0057】本発明においては、ニトリル系化合物を添
加する代わりに、最初からニトリル系化合物が配位した
遷移金属錯体を触媒前駆体の遷移金属化合物として用い
ても同様の効果が得られる。このような錯体としては、
特に限定はされないが、ニトリル系化合物が過剰に存在
する状態に、遷移金属化合物を添加しニトリル系化合物
を配位させ、過剰のニトリル系化合物を除くことにより
得られる錯体が例示される。また、CuBr(NC−
R)n 、CuCl(NC−R)n (式中、Rはメチルな
どの一価の有機基、nは1以上の整数)等も例示され
る。
【0058】<溶媒、添加剤>本発明の重合は無溶媒又
は各種の溶媒中で行うことができる。上記溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエ
ーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル
系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコ
ール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶
媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合
して用いることができる。
【0059】これらの溶媒の中ではアプロティックな溶
媒が好ましい。また、極性の高い溶媒は一般的に吸水性
が高く、また、末端消失反応も速い傾向があるので、本
発明の脱水条件での重合はより有効である。基準として
は、25℃における比誘電率が10以上の溶媒を用いた
場合が挙げられる。本発明において添加剤として用いる
ことが提示されているニトリル系化合物は、溶媒として
用いても構わない。
【0060】これらの溶媒、あるいは他に重合系に添加
される添加剤としては、触媒として用いられる金属化合
物に対して配位し、触媒活性を持たない錯体を形成する
が、配位子が添加されると活性な触媒となるものが好ま
しい。溶媒が配位性を持たない場合でも、配位子の追加
による触媒活性の制御は可能であるが、配位子のない状
態のCuBr等の金属化合物の分散性が不十分で、器壁
に付着したりなどして、安定した活性制御が容易ではな
い場合がある。このような要件を満たす例として、Cu
Brを金属化合物として用い、溶媒としてニトリル系溶
媒を用いる組み合わせが挙げられる。PCT/US96
/17780においては、アセトニトリルは重合触媒の
好ましい配位子として記述されているが、実際には、C
uBrのアセトニトリル錯体は重合活性を持たないこと
が確認された。しかし、この錯体は、結晶性が高く、不
均一でも適切な攪拌により、重合系中に良好に分散する
ことが我々の研究で明らかになった。そして、ペンタメ
チルジエチレントリアミンなどの配位子の添加により、
速やかに活性な錯体を形成し、重合を触媒する。
【0061】<水分量>本発明の実質上の脱水条件と
は、好ましくは、水分量が重合系全体で1000ppm
以下であることであり、更に好ましくは300ppm以
下であり、特に好ましくは50ppm以下であることで
ある。
【0062】また、重合系中の水分は末端ハロゲン基を
等量反応的に攻撃するので、この末端ハロゲン基と水分
量の比という視点も重要であり、水分量は末端ハロゲン
基に対して等量以下が好ましく、更に好ましくは50%
以下であり、特に好ましくは10%以下である。
【0063】<ニトリル系化合物>本発明において用い
られるニトリル系化合物は、特に限定されないが、以下
の化合物が例示される。アセトニトリル、プロピオニト
リル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニ
トリル、イソバレロニトリル、2−メチルバレロニトリ
ル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、4
−メチルバレロニトリル、ヘプチルシアニド、オクチル
シアニド、ウンデカンニトリル、ウンデシルシアニド、
ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、マロノニト
リル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、2−メチ
ルグルタロニトリル、1,4−ジシアノブタン、1,5
−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、アゼ
ラニトリル、セバコニトリル、1,1,3,3−プロパ
ンテトラカルボニトリル等の飽和脂肪族系ニトリル類、
シクロプロピルシアニド、シクロペンタンカルボニトリ
ル、シクロヘプチルシアニド、2−ノルボルナンカルボ
ニトリル、1−アダマンタンカルボニトリル等の脂肪族
環状系ニトリル類、グリコロニトリル、ラクトニトリ
ル、3−ヒドロキシプロピオニトリル、アセトンシアノ
ヒドリン、シクロヘキサノンシアノヒドリン等のヒドロ
キシル基含有ニトリル類、メトキシアセトニトリル、メ
チルチオアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリ
ル、3−エトキシプロピオニトリル、3,3−ジエトキ
シプロピオニトリル、2−シアノエチルエーテル、ジエ
トキシアセトニトリル、3,3−ジメトキシプロピオニ
トリル、3−シアノプロピオンアルデヒドジメチルアセ
タール、3−シアノプロピオンアルデヒドジエチルアセ
タール等のエーテル基含有ニトリル類、シアンアミド、
ジメチルシアンアミド、ジエチルシアンアミド、ジイソ
プロピルシアンアミド、1−ピロリジンカルボニトリ
ル、1−ピペリジンカルボニトリル、4−モルフォリン
カルボニトリル、1,4−ピペラジンジカルボニトリル
等のシアンアミド類、ジメチルアミノアセトニトリル、
2−(ジエチルアミノ)アセトニトリル、イミノジアセ
トニトリル、N−メチル−β−アラニンニトリル、3,
3−イミノジプロピオンニトリル、3−(ジメチルアミ
ノ)プロピオニトリル、1−ピペリジンプロピオニトリ
ル、4,4′−トリメチレンビス(1−ピペリジンプロ
ピオニトリル)、4−モルフォリンプロピオニトリル、
1−ピロリジンブチロニトリル等のアミノ基含有ニトリ
ル類、トリス(2−シアノエチル)ニトロメタン等のニ
トロ基含有ニトリル類、ピルボニトリル、4−メチル−
2−オキソペンタンニトリル、5−オキソヘキサンニト
リル、2−オキソオクタンニトリル、アセチルマロノニ
トリル、2−オキソ−1−シクロヘキサンプロピオニト
リル等のシアノケトン類、メチルシアノフォルメート、
エチルシアノフォルメート、1,1−ジシアノエチルア
セテート、メチルシアノアセテート、メチルイソシアノ
アセテート、エチルシアノアセテート、エチルイソシア
ノアセテート、ブチルシアノアセテート、オクチルシア
ノアセテート等のシアノカルボネート類、ベンジルシア
ニド、αメチルベンジルシアニド、ベンゾニトリル、置
換基を持つベンゾニトリル等の芳香族ニトリル類が挙げ
られる。
【0064】本発明においてニトリル系化合物を重合系
に添加する量は特に制限はないが、重合系全体の体積比
で50%以下が好ましく、通常は30%以下が好まし
く、更に10%以下が好ましく、特に5%以下が好まし
い。
【0065】また、ニトリル系化合物は遷移金属原子に
対し、配位するので、その添加量は、遷移金属原子との
モル比で規定しても構わない。特に限定はされないが、
遷移金属原子に対して、好ましくは、4倍以上で、10
0倍以下、更に好ましくは30倍以下、特に好ましくは
10倍以下である。4倍より少なすぎると、十分な効果
を発揮しないことがある。
【0066】<触媒活性を制御する方法>本発明の触媒
活性を制御する方法としては特に限定されないが、触媒
である錯体自体を重合開始後に追加添加する方法、及
び、配位子と錯体を形成して触媒となりうるが配位子が
ない状態では触媒活性がないあるいは低い金属化合物
を、初期には配位子に対し過剰に系中に添加しておき、
後に配位子を追加する方法、すなわち、重合触媒の金属
錯体の配位子を重合開始後に追加添加することにより、
重合中に触媒の活性を変化させて重合速度を制御する方
法が挙げれる。これらの中では、限定はされないが後者
が好ましい。
【0067】触媒となる錯体は多くの場合、不均一であ
り、これを制御して追加することは困難である場合があ
るので、後者の方が好ましい。触媒錯体及び配位子は、
単独で添加しても、適当な溶媒の溶液あるいは分散液に
して添加しても構わない。
【0068】これらの化合物を追加する時期は、特に限
定されない。連続的に添加しても構わないし、逐次に分
割して添加しても構わない。
【0069】追加する量は特に限定されないが、配位子
を追加する場合、触媒金属原子に対し配位飽和する以上
に添加しても、それ以上の活性の向上は期待できないの
で、そうならないように、金属化合物は最終的な配位子
の添加量に対して過剰であることが好ましい。また、金
属化合物をも後から追加しても構わないが、最初から必
要な全量を添加しておく方が工程上好ましい。
【0070】理想的な条件であれば、原子移動ラジカル
重合においては、重合速度は一般に、触媒量に対して一
次の関係、成長末端の量に対して一次の関係、モノマー
の量に対して一次の関係であると考えられている。よっ
て、特に限定はされないが例示すると、バッチ重合で、
単位時間当たりのモノマーの重合量を一定にしようとす
る場合、モノマーの残存量と活性な触媒量の積が一定に
なるように触媒量を調整していけば良いことになる。ま
た、モノマーを追加していくセミバッチ重合では、モノ
マーの追加に伴い全体積が増加し、触媒及び成長末端の
濃度が低下するので、例えば、最終的な重合速度が好ま
しくなるように最終的な触媒濃度を決定し、この時の触
媒濃度と成長末端濃度の積と、モノマー追加中の各時点
での触媒濃度と成長末端濃度の積が等しくなるように触
媒の必要量を計算することが考えられる。
【0071】<重合条件>重合は、特に限定されない
が、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましく
は、室温〜150℃の範囲である。重合の雰囲気は、特
に限定されないが、酸素不存在雰囲気が好ましい。ラジ
カルは酸素による影響を受けるし、また、酸素存在下で
は、触媒が酸化され活性を失う可能性がある。
【0072】重合混合物はよく攪拌されることが好まし
い。特に、触媒金属錯体あるいは配位子を添加する際に
は、速やかに均一に拡散させるためにも、十分な攪拌が
好ましい。
【0073】重合の方法としては、バッチ重合、モノマ
ーを追加していくセミバッチ重合、連続重合等に適用で
きる。
【0074】<末端ハロゲン残存率>本発明の方法は、
末端のハロゲン基が高率で残存する重合体を与える効果
を有する。末端のハロゲン基が高率で残存するとは、通
常、ハロゲン基の残存率が20%以上のものを示すが、
好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上であ
る。
【0075】一般に、末端ハロゲン基の残存率は、モノ
マーの重合率が高い場合に問題になる場合が多い。重合
率が低い場合には、重合速度(単位時間当たりのモノマ
ーの重合する量)が充分に速く、競争反応である末端基
消失があまり目立たないが、重合率が高くなってくる
と、重合速度が落ちるため、末端基消失が目立ってく
る。また、重合率が高まってから末端基が消失しても、
数平均分子量、分子量分布等にはあまり大きな影響を与
えないので、見過ごされる場合が多い。本発明の方法
は、高重合率でより効果を発揮し、好ましくはモノマー
の重合率がモル数で50%以上、更に好ましくは80%
以上、特に好ましくは90%以上である。
【0076】<分子量分布>本発明の方法によれば、限
定はされないが、一般にゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の
比で表される分子量分布の狭い重合体が得られる。分子
量分布は、一般に1.8未満であり、好ましくは1.5
以下、更に好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.
15以下である。
【0077】<スケール>本発明の方法は、実験室レベ
ルの重合だけでなく、更に大きなスケールへの利用が可
能であり、スケールが大きくなればなるほど発熱量や重
合時間を制御する必要が高まるので、効果が大きい。好
ましくは重合系全体の体積が1L以上、更に好ましくは
10L以上、特に好ましくは1000L以上である。
【0078】本発明によって見出されたこれら4つの条
件;(1)実質上脱水条件、及び/または、(2)ニト
リル化合物存在下、及び/または、(3)重合触媒の配
位子を系中に添加して重合を開始する、及び/または、
(4)重合中に触媒の活性を変化させて重合速度を制御
する、は、それぞれ単独でも原子移動ラジカル重合を制
御する方法として有効であるが、それぞれは密接な関与
を持っており、それぞれを組み合わせることにより、よ
り大きな効果を発揮することができる。
【0079】例えば、次のような一連の操作が挙げられ
る。CuBrを乾燥したアセトニトリルと混合して錯体
化させておき、乾燥したモノマー及び開始剤を加えて加
熱する。ここに、乾燥したペンタメチルジエチレントリ
アミンを添加して重合を開始する。その後、重合の進行
に伴い、乾燥したペンタメチルジエチレントリアミンを
追加していき、触媒活性を向上させる。
【0080】本発明の方法により製造された高率で末端
にハロゲン基を持つ重合体は、そのままで、あるいは様
々な変換反応により水酸基、アルケニル基やシリル基等
の様々な官能基を導入し、硬化性組成物等に利用でき
る。
【0081】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。下記実施例中、「数平均分子量」および「分
子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を
用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただ
し、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填し
たもの、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。ま
た、系中の水分はカールフィッシャー滴定法により測定
した。末端官能基量は、1 H−NMRを利用して定量し
た。
【0082】実施例1 100mLのガラス反応容器に、脱水した試薬;アクリ
ル酸ブチル(50.0mL、44.7g、349mmo
l)、臭化第一銅(625mg、4.36mmol)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(0.910mL、
756mg、4.36mmol)、およびアセトニトリ
ル(5mL)を仕込み、冷却後減圧脱気したのち窒素ガ
スで置換した。よく撹拌した後、2ーブロモプロピオン
酸メチル(0.243mL、364mg、2.18mm
ol)を添加し、70℃で加熱撹拌した。70℃で加熱
撹拌を7時間継続し、時々、サンプリングを実施した。
反応混合物は活性アルミナで処理して触媒を除去した
後、溶媒及び残存モノマーを減圧下加熱して留去した。
300分でのサンプリング物は、重合率が67%、生成
した重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン
換算)により16600、分子量分布は1.10であっ
た。開始剤基準の官能基残存率は0.8であった。最終
生成物は、重合率が84%、数平均分子量は2150
0、分子量分布は1.12で、官能基残存率は0.7で
あった。この重合系に含まれている水分量は、末端に対
し14%(120ppm)であった。
【0083】実施例2 実施例1と同様に脱水した試薬;アクリル酸ブチル(5
0.0mL、44.7g、349mmol)、臭化第一
銅(625mg、4.36mmol)、ペンタメチルジ
エチレントリアミン(0.910mL、756mg、
4.36mmol)、アセトニトリル(5mL)、2,
5−ジブロモアジピン酸ジエチル(785mg、2.1
8mmol)を70℃で重合を8時間実施し、両末端に
ブロモ基を持つ重合体を製造した。最終生成物は、重合
率が90%、数平均分子量は23600、分子量分布は
1.14で、官能基残存率は1.46であった。
【0084】実施例3 実施例1と同様にして、脱水した試薬;アクリル酸ブチ
ル(300.0mL、268g、2090mmol)、
臭化第一銅(3.00g、20.9mmol)、ペンタ
メチルジエチレントリアミン(4.37mL、3.63
g、20.9mmol)、アセトニトリル(30m
L)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(18.8
g、52.3mmol)を70℃で重合を450分間実
施し、両末端にブロモ基を持つ重合体を製造した。34
0分で重合率が84%、数平均分子量は4700、分子
量分布は1.40で、官能基残存率は1.90であっ
た。最終生成物は、重合率が99%、数平均分子量は5
400、分子量分布は1.37で、官能基残存率は1.
73であった。
【0085】比較例1 実施例1と同様にして、脱水していない試薬;アクリル
酸ブチル(10.0mL、8.94g、69.8mmo
l)、臭化第一銅(250mg、1.74mmol)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(0.364mL、
302mg、1.74mmol)、トルエン(1m
L)、2ーブロモプロピオン酸メチル(0.049m
L、72.8mg、0.44mmol)を70℃で重合
を8時間実施した。120分で重合率が93%、数平均
分子量は22500、分子量分布は1.26で、官能基
残存率は0.14であった。最終生成物は、重合率が9
6%、数平均分子量は24200、分子量分布は1.2
8で、官能基残存率は0であった。
【0086】参考例1 末端基消失のモデル実験 2−ブロモブチル酸エチル(1.29ml、1.70
g、8.72mmol)、臭化第一銅(1.25g、
8.72mmol)、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン(1.82mL、1.51g、8.72mmol)、
アセトニトリル(5mL)を70℃で加熱攪拌し、ガス
クロマトグラフィーで2−ブロモブチル酸エチルの残存
量を定量した。結果は参考例2と共に記す。
【0087】参考例2 参考例1の条件に蒸留水(0.157ml、0.157
g、8.72mmol)添加し、同条件で反応させた。
約10時間後に、水を添加していない参考例1では2−
ブロモブチル酸エチルの残存率が56%、水を添加した
参考例2では38%であった。
【0088】実施例4 CuBr(625mg、4.36mmol)、アセトニ
トリル(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、4
4.70g、348.8mmol)、ペンタメチルジエ
チレントリアミン(0.910ml、756mg、4.
36mmol)を攪拌機のついたフラスコ中に加え、冷
却減圧脱気し、窒素置換した。この混合物を70℃の油
浴中で加熱攪拌した。器壁に付着した触媒は全くなく、
攪拌により、触媒は反応系全体に均一に拡散していた。
この混合物に重合開始剤である2−ブロモプロピオン酸
メチル(0.973ml、1.456g、8.72mm
ol)を添加した。すぐに重合が開始したことが、重合
系の昇温により確認された。40分後に86℃まで昇温
し、その後、徐々に低下し浴温と一致した。重合率は3
0分後に38%、60分後に84%であった。30分後
のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリ
スチレン基準の数平均分子量Mn=2400、重量平均
分子量と数平均分子量の比Mw/Mn=1.18、60
分後のMn=5100、比Mw/Mn=1.11であっ
た。この反応混合物は、240分後に重合率が99%に
達した時点まで、器壁への触媒の付着は見られず、攪拌
による均一な拡散が保たれていた。
【0089】実施例5 CuBr(250mg、1.74mmol)、アセトニ
トリル(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、4
4.70g、348.8mmol)、ペンタメチルジエ
チレントリアミン(0.364ml、302mg、1.
74mmol)を攪拌機のついたフラスコ中に加え、冷
却減圧脱気し、窒素置換した。この混合物を70℃の油
浴中で加熱攪拌した。器壁に付着した触媒は全くなく、
攪拌により、触媒は反応系全体に均一に拡散していた。
この混合物に重合開始剤である2−ブロモプロピオン酸
メチル(0.973ml、1.456g、8.72mm
ol)を添加した。すぐに重合が開始したことが、重合
系の昇温により確認された。50分後に77℃まで昇温
し、その後、徐々に低下し浴温と一致した。重合率は3
0分後に23%、60分後に46%、120分後に84
%であった。60分後のゲルパーミエーションクロマト
グラフィーによるポリスチレン基準の数平均分子量Mn
=2700、重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/
Mn=1.15、120分後のMn=4600、比Mw
/Mn=1.11であった。この反応混合物は、240
分後に重合率が95%に達した時点まで、器壁への触媒
の付着は見られず、攪拌による均一な拡散が保たれてい
た。実施例4と5の結果を総合して、ニトリル系化合物
(本実施例ではアセトニトリル)の添加により、重合中
終始、重合触媒が系中で均一に拡散し、また、この効果
として、触媒量により重合速度が制御できていることが
明らかである。
【0090】比較例2 CuBr(625mg、4.36mmol)、トルエン
(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、44.70
g、348.8mmol)、ペンタメチルジエチレント
リアミン(0.910ml、756mg、4.36mm
ol)を攪拌機のついたフラスコ中に加え、冷却減圧脱
気し、窒素置換した。この混合物を70℃の油浴中で加
熱攪拌した。この時点ですでに一部の触媒が器壁に付着
していた。この混合物に重合開始剤である2−ブロモプ
ロピオン酸メチル(0.973ml、1.456g、
8.72mmol)を添加した。すぐに重合が開始した
ことが、重合系の昇温により確認された。25分後に1
04℃まで昇温し、その後、徐々に低下し浴温と一致し
た。重合率は15分後に43%、30分後に90%であ
った。15分後のゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーによるポリスチレン基準の数平均分子量Mn=17
00、重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mn=
1.34、30分後のMn=5100、比Mw/Mn=
1.16であった。この反応混合物は、60分後に重合
率が96%に達した時点で加熱を止めたが、重合の進行
に伴い、触媒の器壁への付着が増加した。
【0091】比較例3 CuBr(250mg、1.74mmol)、トルエン
(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、44.70
g、348.8mmol)、ペンタメチルジエチレント
リアミン(0.364ml、302mg、1.74mm
ol)を攪拌機のついたフラスコ中に加え、冷却減圧脱
気し、窒素置換した。この混合物を70℃の油浴中で加
熱攪拌した。器壁に付着した触媒は全くなく、攪拌によ
り、触媒は反応系全体に均一に拡散していた。この混合
物に重合開始剤である2−ブロモプロピオン酸メチル
(0.973ml、1.456g、8.72mmol)
を添加した。発熱は観察されず、重合は240分後でも
ほとんど進行しなかった。比較例2、3の結果を総合
し、実施例4、5の結果と比較すると、ニトリル系化合
物を添加していない条件では、触媒の拡散が不十分で、
器壁への触媒の付着が観察され、また、触媒量を変化さ
せた場合の反応速度の制御が困難であることが明らかで
ある。
【0092】実施例6 CuBr(1.251g、8.72mmol)、アセト
ニトリル(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、4
4.70g、348.8mmol)を攪拌機のついたフ
ラスコ中に加え、冷却減圧脱気し、窒素置換した。この
混合物を70℃の油浴中で加熱攪拌した。CuBrは白
色の結晶になり、器壁に付着した触媒は全くなく、攪拌
により反応系全体に均一に拡散していた。この混合物に
重合開始剤である2−ブロモプロピオン酸メチル(0.
973ml、1.456g、8.72mmol)を添加
した。360分間加熱攪拌したが、重合は全く進行しな
かった。
【0093】これに、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン(1.821ml、1.511g、8.72mmo
l)を添加すると、すぐに反応系全体に緑色の錯体が現
れ、これは攪拌により均一に拡散した。添加と同時に発
熱し重合が開始したことが確認された。重合率は15分
後に85%、30分後に96%であった。この反応混合
物は、最後まで、器壁への触媒の付着は見られず、攪拌
による均一な拡散が保たれていた。この結果より、アミ
ン配位子がない状態では、ニトリル系化合物が配位した
錯体は触媒活性をほとんど持たないことが確認された。
よって、遷移金属原子がアミン配位子等の触媒配位子に
対して過剰な場合、触媒配位子が配位していないと考え
られる遷移金属原子は、触媒活性を持たないことが確認
された。
【0094】実施例7 攪拌機付きの100mlの丸底フラスコに、CuBr
(250mg、1.74mmol)、アセトニトリル
(5ml)を入れ、よく攪拌した。これにアクリル酸ブ
チル(15.0ml、13.4g、0.105mol)
を添加し、冷凍減圧脱気し、窒素置換した。オイルバス
中70℃で30分間攪拌した。CuBrの淡緑色の沈殿
はなくなり、白色結晶が均一に分散した状態になった。
これによく攪拌しながら、ペンタメチルジエチレントリ
アミン(0.0583ml、48.4mg、0.28m
mol)(これ以降トリアミンと表す)を加えた。混合
物の色が、薄い緑色になった。ここに70℃で、2官能
開始剤である2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル
(1.570g、4.36mmol)をアクリル酸ブチ
ル(5.0ml、4.47g、34.9mmol)に溶
解させたものを添加した。わずかに発熱しながら、重合
が開始した。30分後から、アクリル酸ブチル(30.
0ml、26.8g、0.209mol)を約6.3m
l/時間の速度で連続的に滴下した。時々、サンプリン
グし、モノマーの残存量をガスクロマトグラフィーで確
認しながら、2時間後にトリアミン(0.10ml、8
3mg、0.48mmol)を添加した。トリアミンを
添加するとすぐにわずかな発熱が観察され、重合速度が
回復したことが確認された。この後も4時間30分後に
トリアミン(0.06ml、50mg、0.29mmo
l)、5時間10分後にトリアミン(0.10ml、8
3mg、0.48mmol)添加した。7時間後に重合
を終了した。モノマーの添加量、残存量、消費量の時間
に対するグラフを図1に示す。アクリル酸ブチルは添加
に合わせて消費され、残存量がよく制御されていること
が明らかである。生成物のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによるポリスチレン基準の数平均分子量
は、モノマーの消費量に比例して設定通り上昇した。重
合終了時点での重合率は93%で、生成物の数平均分子
量Mn=11700、重量平均分子量と数平均分子量の
比で表される分子量分布Mw/Mn=1.18で、両末
端の臭素基の残存量は、1分子当たり1.8個であっ
た。重合全体を通じて内温の最高は、浴温+4℃であ
り、上記の結果とも併せ、重合速度は非常によく制御さ
れたことが明らかである。
【0095】実施例8 攪拌機付きの500mlの丸底フラスコに、CuBr
(3.00g、20.9mol)、アセトニトリル(3
0ml)を入れ、よく攪拌した。これにアクリル酸ブチ
ル(100.0ml、89.4g、0.680mol)
を添加し、冷凍減圧脱気し、窒素置換した。オイルバス
中70℃で30分間攪拌した。CuBrの淡緑色の沈殿
はなくなり、白色結晶が均一に分散した状態になった。
これに2官能開始剤である2、5−ジブロモアジピン酸
ジエチル(18.83g、52.3mmol)をアクリ
ル酸ブチル(20.0ml、17.9g、140mmo
l)に溶解させたものを添加した。この時点では、開始
剤存在下でも重合は全く進行していなかった。ここに7
0℃で、よく攪拌しながらペンタメチルジエチレントリ
アミン(0.175ml、145mg、0.84mmo
l)(これ以降トリアミンと表す)を加えた。混合物の
色が、薄い緑色になり、すぐにわずかな発熱を伴いなが
ら、重合が開始した。30分後から、アクリル酸ブチル
(180.0ml、161g、1.26mol)を約3
8ml/時間の速度で連続的に滴下した。時々、サンプ
リングし、モノマーの残存量をガスクロマトグラフィー
で確認しながら、30分から1時間置きにトリアミンを
0.02ml(17mg、0.10mmol)から0.
04ml(33mg、0.19mmol)を添加した。
トリアミンを添加するとすぐにわずかな発熱が観察さ
れ、重合速度が回復したことが確認された。7時間30
分後に重合を終了した。モノマーの添加量、残存量、消
費量の時間に対するグラフを図2に示す。アクリル酸ブ
チルは添加に合わせて消費され、残存量がよく制御され
ていることが明らかである。生成物のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーによるポリスチレン基準の数平
均分子量は、モノマーの消費量に比例して設定通り上昇
した。重合終了時点での重合率は99%で、生成物の数
平均分子量Mn=5400、重量平均分子量と数平均分
子量の比で表される分子量分布Mw/Mn=1.37
で、両末端の臭素基の残存量は、1分子当たり1.7個
であった。重合スケールが実施例7に比較して大きくな
ったが、重合全体を通じて内温は浴温+8℃以下に保た
れ、上記の結果とも併せ、重合速度は非常によく制御さ
れたことが明らかである。
【0096】実施例9 CuBr(1.251g、8.72mmol)、アセト
ニトリル(5ml)、アクリル酸ブチル(50ml、4
4.70g、348.8mmol)を攪拌機のついたフ
ラスコ中に加え、冷却減圧脱気し、窒素置換した。この
混合物を70℃の油浴中で加熱攪拌した。CuBrは白
色の結晶になり、器壁に付着した触媒は全くなく、攪拌
により反応系全体に均一に拡散していた。この混合物に
重合開始剤である2−ブロモプロピオン酸メチル(0.
973ml、1.456g、8.72mmol)を添加
した。360分間加熱攪拌したが、重合は全く進行しな
かった。
【0097】これに、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン(1.821ml、1.511g、8.72mmo
l)を添加すると、すぐに反応系全体に緑色の錯体が現
れ、これは攪拌により均一に拡散した。添加と同時に発
熱し重合が開始したことが確認された。重合率は15分
後に85%、30分後に96%であった。この反応混合
物は、最後まで、器壁への触媒の付着は見られず、攪拌
による均一な拡散が保たれていた。この結果より、アミ
ン配位子がない状態では、ニトリル系化合物が配位した
錯体は触媒活性をほとんど持たないことが確認された。
よって、遷移金属原子がアミン配位子等の触媒配位子に
対して過剰な場合、触媒配位子が配位していないと考え
られる遷移金属原子は、触媒活性を持たないことが確認
された。
【0098】比較例4 攪拌機付きの100mlの丸底フラスコに、CuBr
(625mg、4.36mmol)、アセトニトリル
(5ml)、ペンタメチルジエチレントリアミン(0.
910ml、756mg、4.36mmol)を入れ、
アクリル酸ブチル(20.0ml、17.9g、140
mmol)を添加し、冷凍減圧脱気し、窒素置換した。
オイルバス中70℃で30分間攪拌した。少し冷却した
後、1官能開始剤である2−ブロモプロピオン酸メチル
(0.973ml、1.46g、8.72mmol)を
添加し、70℃のオイルバス中で加熱すると共に、アク
リル酸ブチル(30.0ml、26.8g、209mm
ol)を6.3ml/分の速度で連続的な滴下を開始し
た。すぐに発熱が起こり、87℃まで内温が上がった。
わずかに発熱しながら、重合が開始した。30分後か
ら、アクリル酸ブチル(30.0ml、26.8g、
0.209mol)を約6.3ml/時間の速度で連続
的に滴下した。時々、サンプリングし、モノマーの残存
量をガスクロマトグラフィーで確認した。モノマーの添
加量、残存量、消費量の時間に対するグラフを図3に示
す。アクリル酸ブチルの消費が昇温のためもあり、初期
に非常に大きく、その後は、残存量が増加する傾向にあ
ることが確認できる。8時間後に重合を終了した時点で
も、アクリル酸ブチルの重合率は76%であった。この
結果から、通常の方法では、重合速度の制御に問題があ
ることが確認できる。
【0099】実施例10 TREN配位子を用いた重合 30mLのガラス反応容器に窒素雰囲気下、臭化第一銅
(12.5mg、0.0871mmol)、アセトニト
リル(1.0mL)を加え、70℃で加熱攪拌し、錯体
化した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル
(0.314g、0.872mmol)をアクリル酸ブ
チル(10.0mL、69.8mmol)に溶解させた
ものを添加した。70℃で攪拌しながら、トリス(ジエ
チルアミノエチル)アミン(16μL、0.0699m
mol)を少量ずつ添加した。310分後、加熱を停止
し、この時GC測定よりアクリル酸ブチルの消費率は9
3.6%であった。混合物をトルエンで希釈して活性ア
ルミナで処理した後、揮発分を減圧下加熱して留去する
ことで無色透明重合体を得た。得られた重合体のGPC
測定(ポリスチレン換算)により、数平均分子量は12
100、重量平均分子量13400、分子量分布は1.
10、数平均分子量基準の臭素基導入率は1.99であ
った。
【0100】実施例11 4kgBAセミバッチ重合 10Lのガラス反応容器に窒素雰囲気下、臭化第一銅
(35.3g、0.246mol)、アセトニトリル
(470mL)を投入し、70℃で60分間加熱した。
これにアクリル酸ブチル(940mL、6.56mo
l)を加えてさらに60分攪拌した。これにペンタメチ
ルジエチレントリアミン(2.00mL、9.58mm
ol)を加えると反応溶液の穏やかな発熱が観測され、
重合が開始した。55分後からアクリル酸ブチル(3.
76L、26.2mol)を260分かけて加えた。こ
の最中、反応溶液のサンプリングを行って反応を追跡し
ながら、ペンタメチルジエチレントリアミン(5.00
mL、24.0mmol)を少量ずつ加えた。ペンタメ
チルジエチレントリアミンの投入時には速やかに穏やか
な発熱が見られ、触媒活性が向上したことが確認され
た。アクリル酸ブチルの添加後さらに90分加熱を続け
た。この時GC測定よりアクリル酸ブチルの消費率は9
7.1%であった。混合物をトルエンで希釈して活性ア
ルミナで処理した後、揮発分を減圧下加熱して留去する
ことで無色透明重合体を得た。得られた重合体のGPC
測定(ポリスチレン換算)により、数平均分子量は10
800、重量平均分子量12400、分子量分布は1.
15、数平均分子量基準の臭素基導入率は1.8であっ
た。
【0101】実施例12 5kgアルケニル末端BAセ
ミバッチ重合 10Lのガラス反応容器に窒素雰囲気下、臭化第一銅
(41.9g、0.293mol)、アセトニトリル
(559mL)投入し、70℃で45分間加熱した。こ
れにアクリル酸ブチル(1.12L、7.80mol)
を加えてさらに40分間加熱した。これにペンタメチル
ジエチレントリアミン(4.00mL、19.2mmo
l)を加えると反応溶液の発熱が観測された。70℃で
加熱攪拌を続け、60分後からアクリル酸ブチル(4.
47L、31.2mol)を190分かけて加えた。こ
の最中、反応溶液のサンプリングを行って反応を追跡し
ながら、ペンタメチルジエチレントリアミン(4.00
mL、19.2mmol)を少量ずつ加えた。ペンタメ
チルジエチレントリアミンの投入時速やかに穏やかな発
熱が見られ、触媒活性が向上したことが確認された。ア
クリル酸ブチルの添加終了後さらに60分加熱を続け
た。この時GC測定よりアクリル酸ブチルの消費率は9
3.2%であった。1,7−オクタジエン(1.44
L、9.75mol)およびペンタメチルジエチレント
リアミン(20.5mL、98.2mmol)を加えて
210分加熱を続けた。混合物をトルエンで希釈して活
性アルミナで処理した後、揮発分を減圧下加熱して留去
することで淡黄色重合体を得た。得られた重合体のGP
C測定(ポリスチレン換算)により、数平均分子量は1
4000、重量平均分子量18800、分子量分布は
1.34、数平均分子量基準のアルケニル基導入率は
2.49であった。
【0102】実施例13 100mLのガラス反応容器に窒素雰囲気下、臭化第一
銅(0.375g、2.62mmol)、アセトニトリ
ル(1.67mL)を加え、70℃で25分間加熱攪拌
した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル
(1.57g、4.36mmol)をアクリル酸ブチル
(50.0mL、0.349mol)に溶解させたもの
を添加した。70℃で60分攪拌した。これにペンタメ
チルジエチレントリアミン(90.0μL、0.437
mmol)を添加すると速やかに重合が開始した。最終
的なアクリル酸ブチルの重合率は98%であった。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、原子移動ラジカル重合
により末端のハロゲン基が高率で残存したビニル系重合
体が得られる。また、不均一な重合触媒を用いた場合で
も、触媒が器壁に付着したりなどせず、攪拌によって均
一に拡散させることができ、重合のスケールアップ時等
には、反応制御を容易にする。更に、この効果から、添
加した触媒量により、重合速度を調整することが容易に
なる。そして、原子移動ラジカル重合において、重合速
度を重合反応中に任意に調整することができ、発熱量な
ども制御することができる。これにより、一般に、初期
の大きな発熱と重合時間のバランスが問題になるリビン
グ重合において、初期の発熱を抑制し、且つ、重合時間
の短縮も可能にする方法を与える。この効果は、スケー
ルが大きくなるほど大きくなり、本発明は、原子移動ラ
ジカル重合の工業化において非常に重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7におけるモノマーの添加量、残存量、
消費量の時間に対するグラフ
【図2】実施例8におけるモノマーの添加量、残存量、
消費量の時間に対するグラフ
【図3】比較例4におけるモノマーの添加量、残存量、
消費量の時間に対するグラフ

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系モノマーの原子移動ラジカル重
    合を、以下の(1)、(2)、(3)及び(4)からな
    る群から選択される少なくとも一つの条件下において行
    なうことを特徴とする重合方法。 (1)実質的に脱水条件下 (2)ニトリル化合物存在下 (3)重合触媒の配位子を系中に添加して重合を開始す
    る (4)重合中に重合触媒の活性を変化させて重合速度を
    制御する
  2. 【請求項2】 重合触媒は、周期律表第7族、8族、9
    族、10族、または11族元素を中心金属とする遷移金
    属錯体である請求項1記載の重合方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属錯体が、銅、ニッケル、ルテニ
    ウム、または鉄の錯体である場合の請求項2記載の重合
    方法。
  4. 【請求項4】 遷移金属錯体が、銅錯体である請求項3
    記載の重合方法。
  5. 【請求項5】 銅錯体が、CuClまたはCuBrより
    調製されるものである請求項4記載の重合方法。
  6. 【請求項6】 ビニル系モノマーが、(メタ)アクリル
    系モノマーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    重合方法。
  7. 【請求項7】 (メタ)アクリル系モノマーは、アクリ
    ル酸エステル系モノマーである請求項6記載の重合方
    法。
  8. 【請求項8】 ビニル系モノマーが、スチレン系モノマ
    ーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合方
    法。
  9. 【請求項9】 製造される重合体の分子量分布が1.8
    未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合方
    法。
  10. 【請求項10】 水分量が、重合系全体で1000pp
    m以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合
    方法。
  11. 【請求項11】 水分量が、重合系全体で300ppm
    以下である請求項10記載の重合方法。
  12. 【請求項12】 水分量が、重合系全体で50ppm以
    下である請求項11記載の重合方法。
  13. 【請求項13】 水分量が、重合系全体で重合の成長末
    端のハロゲン基量に対してモル数で等量以下である請求
    項1〜9のいずれか1項に記載の重合方法。
  14. 【請求項14】 ニトリル化合物が、アセトニトリルで
    ある請求項1〜13のいずれか1項に記載の重合方法。
  15. 【請求項15】 ニトリル化合物の添加量が、遷移金属
    原子の量に対しモル比で4倍以上100倍以下である請
    求項1〜14のいずれか1項に記載の重合方法。
  16. 【請求項16】 ニトリル化合物を添加する代わりに、
    重合触媒の前駆体である遷移金属化合物として、ニトリ
    ル配位子を持つ錯体を使用する請求項1〜15のいずれ
    か1項に記載の重合方法。
  17. 【請求項17】 重合触媒の前駆体である遷移金属化合
    物が、CuX(CH3 CN)n (式中、Xは塩素原子、
    または臭素原子を表し、nは1以上の整数である)であ
    る請求項16記載の重合方法。
  18. 【請求項18】 系中に添加して重合を開始する重合触
    媒の配位子が、ポリアミン化合物である請求項1〜17
    のいずれか1項に記載の重合方法。
  19. 【請求項19】 ポリアミン化合物が、アミノ基を3つ
    以上持つものである請求項18記載の重合方法。
  20. 【請求項20】 アミノ基を3つ以上持つポリアミン化
    合物が、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメ
    チル(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチルトリエ
    チレンテトラアミン、およびビスピコリルアミンよりな
    る群より選ばれる少なくとも1種である請求項19記載
    の重合方法。
  21. 【請求項21】 配位子が、ビピリジル化合物である請
    求項1〜17のいずれか1項に記載の重合方法。
  22. 【請求項22】 配位子が、脂肪族アミン化合物である
    請求項1〜17のいずれか1項に記載の重合方法。
  23. 【請求項23】 重合触媒である金属錯体を開始剤添加
    後に追加添加することにより、重合中に触媒の活性を変
    化させて重合速度を制御する請求項1〜22のいずれか
    1項に記載の重合方法。
  24. 【請求項24】 重合触媒の金属錯体の配位子を開始剤
    添加後に追加添加することにより、重合中に触媒の活性
    を変化させて重合速度を制御する請求項1〜22のいず
    れか1項に記載の重合方法。
  25. 【請求項25】 重合は、バッチ重合である請求項1〜
    24のいずれか1項に記載の重合方法。
  26. 【請求項26】 重合は、セミバッチ重合である請求項
    1〜24のいずれか1項に記載の重合方法。
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