JP2000072473A - 低融点ガラス、および封着用組成物 - Google Patents
低融点ガラス、および封着用組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的小さい熱膨張係数を有する材料を、低
温で、封着することが可能であるガラスおよびこのガラ
スを用いた封着用組成物を提供する。 【解決手段】 重量%で、P2O5 45〜70%、Zn
O 5〜30%、Bi2O3 5〜30%、CuO 1〜
10%、Sb2O3 0〜10%、V2O5 0〜10%、M
nO2 0〜10%、FeO 0〜10%、ただし、Cu
O、Sb2O3、V2O5、MnO2およびFeOの一種ま
たは二種以上の合計量が2〜20%、SiO2 0〜5
%、B2O3 0〜5%、Al2O3 0〜5%、La2O
3 0〜5%の割合で含まれる、これら組成成分からな
ることを特徴とする低融点ガラスと、このガラスを含有
する封着用組成物である。前記封着用組成物は、Pbお
よびアルカリ金属を含有しない耐火性フィラーを5〜4
2重量%含有していてもよい。
温で、封着することが可能であるガラスおよびこのガラ
スを用いた封着用組成物を提供する。 【解決手段】 重量%で、P2O5 45〜70%、Zn
O 5〜30%、Bi2O3 5〜30%、CuO 1〜
10%、Sb2O3 0〜10%、V2O5 0〜10%、M
nO2 0〜10%、FeO 0〜10%、ただし、Cu
O、Sb2O3、V2O5、MnO2およびFeOの一種ま
たは二種以上の合計量が2〜20%、SiO2 0〜5
%、B2O3 0〜5%、Al2O3 0〜5%、La2O
3 0〜5%の割合で含まれる、これら組成成分からな
ることを特徴とする低融点ガラスと、このガラスを含有
する封着用組成物である。前記封着用組成物は、Pbお
よびアルカリ金属を含有しない耐火性フィラーを5〜4
2重量%含有していてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子部品やガ
ラス部品等の封着、接着、被覆等に好適である、低融点
ガラスと、この低融点ガラスを含有する封着用組成物に
関するものである。
ラス部品等の封着、接着、被覆等に好適である、低融点
ガラスと、この低融点ガラスを含有する封着用組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品やガラス部品等を封着または接
着したり、電極、抵抗体等を保護または絶縁のために被
覆したりするための封着剤として、従来より種々のガラ
スが用いられている。これらのガラスには、上記各種の
用途に応じて、流動性、電気絶縁性、機械的強度および
化学的耐久性等の種々の特性が要求される。これに加え
て、封着、接着または被覆等の作業を行う際、作業温度
をガラスが充分に軟化する温度まで加熱しなければなら
ないため、たとえば、電子部品を気密封着する場合に
は、電子部品の回路や基板等に熱によるダメージを与え
ないために、ガラスの作業温度、つまり軟化温度が低い
ことが要求される。また、強固な接着力を持たせるため
には、ガラスと、封着、接着、または被覆される部品等
を構成する材料との接着強度が強く、かつ、ガラスとそ
れらの材料の熱膨張係数(α)ができるだけ近似してい
ることが必要となる。
着したり、電極、抵抗体等を保護または絶縁のために被
覆したりするための封着剤として、従来より種々のガラ
スが用いられている。これらのガラスには、上記各種の
用途に応じて、流動性、電気絶縁性、機械的強度および
化学的耐久性等の種々の特性が要求される。これに加え
て、封着、接着または被覆等の作業を行う際、作業温度
をガラスが充分に軟化する温度まで加熱しなければなら
ないため、たとえば、電子部品を気密封着する場合に
は、電子部品の回路や基板等に熱によるダメージを与え
ないために、ガラスの作業温度、つまり軟化温度が低い
ことが要求される。また、強固な接着力を持たせるため
には、ガラスと、封着、接着、または被覆される部品等
を構成する材料との接着強度が強く、かつ、ガラスとそ
れらの材料の熱膨張係数(α)ができるだけ近似してい
ることが必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラスの熱
膨張係数を小さくするということは、ガラスの原子レベ
ルの結合を強くすることであり、結合が強くなれば、ガ
ラスの軟化温度が上がってしまい、前記のガラスの作業
温度を低下させることと相反することとなる。したがっ
て、ガラスにより、電子部品等に使用される基板等の熱
膨張係数が比較的小さい材料を、低温で、封着、接着ま
たは被覆するのは困難とされてきた。
膨張係数を小さくするということは、ガラスの原子レベ
ルの結合を強くすることであり、結合が強くなれば、ガ
ラスの軟化温度が上がってしまい、前記のガラスの作業
温度を低下させることと相反することとなる。したがっ
て、ガラスにより、電子部品等に使用される基板等の熱
膨張係数が比較的小さい材料を、低温で、封着、接着ま
たは被覆するのは困難とされてきた。
【0004】この困難をある程度克服し、上記要求を満
たした種々の低融点ガラス(軟化温度が低いガラスの
意)、あるいは、ガラス転移点が低いガラスであれば融
点が低いことから、低いガラス転移点を有するガラスが
開発され、特にPbO−B2O3系の低融点ガラスが封着
剤として広く一般に使用されている。しかしながらPb
Oは、人体への影響や環境対策上処理にコストがかかる
点を考慮した場合好ましくなく、PbOを含有しない上
記要求を満たし得る低融点ガラスが望まれている。
たした種々の低融点ガラス(軟化温度が低いガラスの
意)、あるいは、ガラス転移点が低いガラスであれば融
点が低いことから、低いガラス転移点を有するガラスが
開発され、特にPbO−B2O3系の低融点ガラスが封着
剤として広く一般に使用されている。しかしながらPb
Oは、人体への影響や環境対策上処理にコストがかかる
点を考慮した場合好ましくなく、PbOを含有しない上
記要求を満たし得る低融点ガラスが望まれている。
【0005】そこで、PbO成分を含有しない低融点ガ
ラスとして、例えば、特開昭52−15511号公報に
は、P2O5−ZnO−Na2O系のガラスが開示されて
いるが、Na2Oのようなアルカリ金属を含有するガラ
スを用いると、アルカリ金属イオンが、ガラスと接する
材料中に拡散することにより、電気絶縁性が低下する
等、材料の電気特性が変化して電子部品に悪影響を与え
るという欠点がある。また、特開昭61−151042
号公報には、比較的低い軟化温度を有するP2O5−R2
O−RO−F2系の低融点ガラスが開示されているが、
このガラスもR2O(アルカリ金属)を含有し上記公報
のガラスと同じ欠点を有するうえ、さらにF2を含有し
ているため、プラズマディスプレイパネル等の封着に使
用した場合、揮発したフッ素が電極を痛めることがあ
り、製品の信頼性を考慮した場合、好ましくない。
ラスとして、例えば、特開昭52−15511号公報に
は、P2O5−ZnO−Na2O系のガラスが開示されて
いるが、Na2Oのようなアルカリ金属を含有するガラ
スを用いると、アルカリ金属イオンが、ガラスと接する
材料中に拡散することにより、電気絶縁性が低下する
等、材料の電気特性が変化して電子部品に悪影響を与え
るという欠点がある。また、特開昭61−151042
号公報には、比較的低い軟化温度を有するP2O5−R2
O−RO−F2系の低融点ガラスが開示されているが、
このガラスもR2O(アルカリ金属)を含有し上記公報
のガラスと同じ欠点を有するうえ、さらにF2を含有し
ているため、プラズマディスプレイパネル等の封着に使
用した場合、揮発したフッ素が電極を痛めることがあ
り、製品の信頼性を考慮した場合、好ましくない。
【0006】あるいは、特開平9−278483号公報
には、Bi2O3−B2O3−(BaO+SrO)−(Zn
O+CaO+Fe2O3+CuO)系のガラスが開示され
ているが、この組成系のガラスは、この公報の実施例が
示すとおり、熱膨張係数が大きいガラスはガラス転移点
が低いものの、熱膨張係数が比較的小さなガラスはいず
れもガラス転移点が高く、熱膨張係数が小さい材料を低
温で接着、封着および被覆するには適していない。
には、Bi2O3−B2O3−(BaO+SrO)−(Zn
O+CaO+Fe2O3+CuO)系のガラスが開示され
ているが、この組成系のガラスは、この公報の実施例が
示すとおり、熱膨張係数が大きいガラスはガラス転移点
が低いものの、熱膨張係数が比較的小さなガラスはいず
れもガラス転移点が高く、熱膨張係数が小さい材料を低
温で接着、封着および被覆するには適していない。
【0007】本発明は、前記従来技術の実情を鑑みなさ
れたものであり、比較的小さい熱膨張係数を有する材料
を低温で、封着、接着および被覆することが可能である
ように、低いガラス転移点、および小さい熱膨張係数
(α)を有し、鉛成分を含有せず、さらに、電子部品等
の信頼性確保のため、アルカリ金属およびフッ素の両成
分を含有しない、低融点ガラスおよびこのガラスを含有
する封着用組成物を提供することを目的とする。
れたものであり、比較的小さい熱膨張係数を有する材料
を低温で、封着、接着および被覆することが可能である
ように、低いガラス転移点、および小さい熱膨張係数
(α)を有し、鉛成分を含有せず、さらに、電子部品等
の信頼性確保のため、アルカリ金属およびフッ素の両成
分を含有しない、低融点ガラスおよびこのガラスを含有
する封着用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために、種々の試験研究を重ねた結果、P2O5
−ZnO−Bi2O3−CuO系のガラスにおいて、良好
な化学的耐久性を維持しつつ、低いガラス転移点および
小さい熱膨張係数を有する低融点ガラスが得られること
を見出し、本発明をなすに至った。
達成するために、種々の試験研究を重ねた結果、P2O5
−ZnO−Bi2O3−CuO系のガラスにおいて、良好
な化学的耐久性を維持しつつ、低いガラス転移点および
小さい熱膨張係数を有する低融点ガラスが得られること
を見出し、本発明をなすに至った。
【0009】本発明の請求項1に記載の発明は、重量%
で、 P2O5 45〜70%、 ZnO 5〜30%、 Bi2O3 5〜30%、 CuO 1〜10%、 Sb2O3 0〜10%、 V2O5 0〜10%、 MnO2 0〜10%、 FeO 0〜10%、ただし、CuO、Sb2O3、
V2O5、MnO2およびFeOの一種または二種以上の
合計量が2〜20%、 SiO2 0〜5%、 B2O3 0〜5%、 Al2O3 0〜5%、 La2O3 0〜5%の割合で含まれる、これら組成成
分からなることを特徴とする低融点ガラスである。
で、 P2O5 45〜70%、 ZnO 5〜30%、 Bi2O3 5〜30%、 CuO 1〜10%、 Sb2O3 0〜10%、 V2O5 0〜10%、 MnO2 0〜10%、 FeO 0〜10%、ただし、CuO、Sb2O3、
V2O5、MnO2およびFeOの一種または二種以上の
合計量が2〜20%、 SiO2 0〜5%、 B2O3 0〜5%、 Al2O3 0〜5%、 La2O3 0〜5%の割合で含まれる、これら組成成
分からなることを特徴とする低融点ガラスである。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の低融点ガラスにおいて、ガラス転移点(Tg)が28
0〜400℃の範囲にあって、30〜180℃の温度範
囲における熱膨張係数(α)が68〜95×10-7/℃
の範囲にあることを特徴とする。
の低融点ガラスにおいて、ガラス転移点(Tg)が28
0〜400℃の範囲にあって、30〜180℃の温度範
囲における熱膨張係数(α)が68〜95×10-7/℃
の範囲にあることを特徴とする。
【0011】請求項1の組成成分からなる低融点ガラス
であれば、低いガラス転移点、および小さな熱膨張係数
を有する所望のガラスを得ることができ、具体的には、
請求項2に記載のガラス転移点および熱膨張係数を有す
るガラスを得ることができる。したがって、従来のガラ
スと比べて、比較的低い温度で、強固な接着力をもっ
て、電子部品等の封着剤として好適に用いることができ
る。しかも、Pb成分、アルカリ金属成分、フッ素成分
を含有しないことから、環境や電子部品等に悪影響を及
ぼすこともない。
であれば、低いガラス転移点、および小さな熱膨張係数
を有する所望のガラスを得ることができ、具体的には、
請求項2に記載のガラス転移点および熱膨張係数を有す
るガラスを得ることができる。したがって、従来のガラ
スと比べて、比較的低い温度で、強固な接着力をもっ
て、電子部品等の封着剤として好適に用いることができ
る。しかも、Pb成分、アルカリ金属成分、フッ素成分
を含有しないことから、環境や電子部品等に悪影響を及
ぼすこともない。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の低融点ガラスを含有することを特徴とする封
着用組成物である。
2に記載の低融点ガラスを含有することを特徴とする封
着用組成物である。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の封着用組成物において、前記低融点ガラスの粉末58
〜95重量%と、Pbおよびアルカリ金属を含有しない
耐火性フィラー5〜42重量%とからなることを特徴と
する。
の封着用組成物において、前記低融点ガラスの粉末58
〜95重量%と、Pbおよびアルカリ金属を含有しない
耐火性フィラー5〜42重量%とからなることを特徴と
する。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の封着用組成物において、30〜180℃の温度範囲に
おける熱膨張係数(α)が、50〜90×10-7/℃の
範囲にあることを特徴とする。
の封着用組成物において、30〜180℃の温度範囲に
おける熱膨張係数(α)が、50〜90×10-7/℃の
範囲にあることを特徴とする。
【0015】請求項3〜5の封着用組成物によれば、請
求項1または2に記載の低融点ガラスを含有することか
ら、比較的低い温度で、強固な接着力をもって、電子部
品等を封着することができる。本発明の封着用組成物
は、前記低融点ガラスを含有していればよく、たとえ
ば、低融点ガラスのみからなるものであってもよいが、
請求項4または5に記載の発明のように、Pbおよびア
ルカリ金属を含有しない耐火性フィラーを混合してもよ
い。耐火性フィラーを含有することで、請求項5に示す
ような、より一層、低い熱膨張係数を有する封着用組成
物となる。また、耐火性フィラーを含有することで、接
着強度を上げることも可能である。
求項1または2に記載の低融点ガラスを含有することか
ら、比較的低い温度で、強固な接着力をもって、電子部
品等を封着することができる。本発明の封着用組成物
は、前記低融点ガラスを含有していればよく、たとえ
ば、低融点ガラスのみからなるものであってもよいが、
請求項4または5に記載の発明のように、Pbおよびア
ルカリ金属を含有しない耐火性フィラーを混合してもよ
い。耐火性フィラーを含有することで、請求項5に示す
ような、より一層、低い熱膨張係数を有する封着用組成
物となる。また、耐火性フィラーを含有することで、接
着強度を上げることも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0017】まず、本発明にかかるガラスの組成を前記
のように限定した理由を説明する。P2O5成分は、本発
明のガラスにおいて、ガラス状態を形成するとともに、
ガラス転移点を低くする効果があり、安定で充分な耐失
透性を有する低融点ガラスを得るために必要不可欠な成
分である。しかし、その量が45%未満であると所望の
熱膨張係数を得難くなり、また、70%を超えると、ガ
ラスの化学的耐久性の劣化が著しくなり、実用性が乏し
くなる。
のように限定した理由を説明する。P2O5成分は、本発
明のガラスにおいて、ガラス状態を形成するとともに、
ガラス転移点を低くする効果があり、安定で充分な耐失
透性を有する低融点ガラスを得るために必要不可欠な成
分である。しかし、その量が45%未満であると所望の
熱膨張係数を得難くなり、また、70%を超えると、ガ
ラスの化学的耐久性の劣化が著しくなり、実用性が乏し
くなる。
【0018】ZnO成分は、ガラスの熱膨張係数を小さ
くする効果があり、ガラスを低膨張にするための成分と
して、本発明の低融点ガラスに欠くことのできない成分
である。しかし、その量が5%未満では、熱膨張係数が
所望の値より大きくなるとともに化学的耐久性が劣化
し、また、30%を超えるとガラスの転移点が目的とす
る温度より高くなり、低温での接着、封着、被覆等に適
さなくなる。
くする効果があり、ガラスを低膨張にするための成分と
して、本発明の低融点ガラスに欠くことのできない成分
である。しかし、その量が5%未満では、熱膨張係数が
所望の値より大きくなるとともに化学的耐久性が劣化
し、また、30%を超えるとガラスの転移点が目的とす
る温度より高くなり、低温での接着、封着、被覆等に適
さなくなる。
【0019】Bi2O3成分は、ガラス転移点を下げる効
果があり、低温での封着性等を良好にするために導入さ
れるが、その量が5%未満では上記効果が得られず、ま
た、30%を超えると熱膨張係数が大きくなり、所望の
値を得難くなるとともに、ガラスの化学的耐久性が悪く
なる。
果があり、低温での封着性等を良好にするために導入さ
れるが、その量が5%未満では上記効果が得られず、ま
た、30%を超えると熱膨張係数が大きくなり、所望の
値を得難くなるとともに、ガラスの化学的耐久性が悪く
なる。
【0020】CuO、Sb2O3、V2O5、MnO2およ
びFeOの各成分は、本発明のガラスにおいて、これら
の成分の一種または二種以上をP2O5−ZnO−Bi2
O3系のガラスに導入すると、熱膨張係数を大きくする
ことなくガラスの化学的耐久性を著しく高めることがで
きることを見出した重要な成分であるが、これらの成分
の一種または二種以上の合計量が2%未満であると上記
効果が充分でなく、また、上記合計量が20%を超える
と、熱膨張係数が大きくなり、所望の値を得難くなる。
また、CuO成分は、上記各成分の中で化学的耐久性を
高める効果が最も大きいため1%以上添加すべきであ
る。また、上記各成分の量が、それぞれ10%を超える
と、ガラスの安定性が急激に悪くなる。
びFeOの各成分は、本発明のガラスにおいて、これら
の成分の一種または二種以上をP2O5−ZnO−Bi2
O3系のガラスに導入すると、熱膨張係数を大きくする
ことなくガラスの化学的耐久性を著しく高めることがで
きることを見出した重要な成分であるが、これらの成分
の一種または二種以上の合計量が2%未満であると上記
効果が充分でなく、また、上記合計量が20%を超える
と、熱膨張係数が大きくなり、所望の値を得難くなる。
また、CuO成分は、上記各成分の中で化学的耐久性を
高める効果が最も大きいため1%以上添加すべきであ
る。また、上記各成分の量が、それぞれ10%を超える
と、ガラスの安定性が急激に悪くなる。
【0021】SiO2、B2O3およびAl2O3成分は、
ガラスの熱膨張係数を下げ、化学的耐久性を向上させる
ために任意に添加し得るが、上記各成分の量がそれぞれ
5%を超えるとガラスの失透傾向が大きくなり安定なガ
ラスが得難くなる。
ガラスの熱膨張係数を下げ、化学的耐久性を向上させる
ために任意に添加し得るが、上記各成分の量がそれぞれ
5%を超えるとガラスの失透傾向が大きくなり安定なガ
ラスが得難くなる。
【0022】上記本発明の低融点ガラスは、酸化物、水
酸化物等の通常のガラス原料を所定の組成割合で秤量混
合した後、石英坩堝等を用いて、ガラスの溶融性の難易
度に応じて、所定温度で加熱、溶解し、所定時間、攪
拌、均質化した後、金型等に鋳込み徐冷することにより
容易に得ることができる。
酸化物等の通常のガラス原料を所定の組成割合で秤量混
合した後、石英坩堝等を用いて、ガラスの溶融性の難易
度に応じて、所定温度で加熱、溶解し、所定時間、攪
拌、均質化した後、金型等に鋳込み徐冷することにより
容易に得ることができる。
【0023】以上の組成を有する低融点ガラスは、非結
晶性であり化学的耐久性に優れ、安定である。しかも、
ガラス転移点(Tg)が280〜400℃の範囲であ
り、従来のガラスより、軟化により良好な流動性を示
す。また、30〜180℃の温度範囲における熱膨張係
数(α)が、68〜95×10-7/℃であって、比較的
小さな熱膨張係数を有する。また、ガラスであることか
ら、当然のことながら、使用時の形態は特に制限がな
く、板状、棒状等のバルク状または粉末状等、その用途
に応じて種々の形状に成形、加工して使用することがで
き、様々な用途に適用することができる。したがって、
比較的小さい熱膨張係数を有する材料を低温で、封着、
接着および被覆する封着用組成物に、好適に利用でき
る。
晶性であり化学的耐久性に優れ、安定である。しかも、
ガラス転移点(Tg)が280〜400℃の範囲であ
り、従来のガラスより、軟化により良好な流動性を示
す。また、30〜180℃の温度範囲における熱膨張係
数(α)が、68〜95×10-7/℃であって、比較的
小さな熱膨張係数を有する。また、ガラスであることか
ら、当然のことながら、使用時の形態は特に制限がな
く、板状、棒状等のバルク状または粉末状等、その用途
に応じて種々の形状に成形、加工して使用することがで
き、様々な用途に適用することができる。したがって、
比較的小さい熱膨張係数を有する材料を低温で、封着、
接着および被覆する封着用組成物に、好適に利用でき
る。
【0024】本発明の封着用組成物は、前記低融点ガラ
スを含有するものである。本発明の低融点ガラスは、前
記のようなガラス転移点や熱膨張係数を有することか
ら、この低融点ガラス単独で、封着用組成物として利用
してもよい。
スを含有するものである。本発明の低融点ガラスは、前
記のようなガラス転移点や熱膨張係数を有することか
ら、この低融点ガラス単独で、封着用組成物として利用
してもよい。
【0025】さらに、本発明の封着用組成物としては、
低融点ガラスの粉末58〜95重量%と、Pbおよびア
ルカリ金属を含有しない耐火性フィラー5〜42重量%
とからなるように、両者を混合したものでもよい。この
ように、耐火性フィラーを混合することで、より一層、
熱膨張係数の値が小さい組成物となる。また、耐火性フ
ィラーを混合することで、接着強度を高める効果も得ら
れる。ここで用いられるPbおよびアルカリ金属を含有
しない耐火性フィラーとしては、コージェライト、ムラ
イト、石英、ウィレマイト系セラミックス、アルミナ、
ジルコニア等の粉末の一種または二種以上を使用するこ
とができる。このうち、封着用組成物の熱膨張係数を低
くする効果の点から、特に、コージェライト、ムライ
ト、石英、ウィレマイト系セラミックスが好ましい。
低融点ガラスの粉末58〜95重量%と、Pbおよびア
ルカリ金属を含有しない耐火性フィラー5〜42重量%
とからなるように、両者を混合したものでもよい。この
ように、耐火性フィラーを混合することで、より一層、
熱膨張係数の値が小さい組成物となる。また、耐火性フ
ィラーを混合することで、接着強度を高める効果も得ら
れる。ここで用いられるPbおよびアルカリ金属を含有
しない耐火性フィラーとしては、コージェライト、ムラ
イト、石英、ウィレマイト系セラミックス、アルミナ、
ジルコニア等の粉末の一種または二種以上を使用するこ
とができる。このうち、封着用組成物の熱膨張係数を低
くする効果の点から、特に、コージェライト、ムライ
ト、石英、ウィレマイト系セラミックスが好ましい。
【0026】前記耐火性フィラーは、封着用組成物の熱
膨張係数の調整および接着強度の向上等の目的で添加さ
れるが、その量が5重量%未満では、上記効果が充分で
なく、また、42重量%を超えると、封着等の作業時に
封着用組成物が充分に流動しなくなり、充分な接着強度
や、気密性を保てなくなる。特に優れた接着強度や、気
密性を得るためには、耐火性フィラーの量を32重量%
以下とすることが好ましい。
膨張係数の調整および接着強度の向上等の目的で添加さ
れるが、その量が5重量%未満では、上記効果が充分で
なく、また、42重量%を超えると、封着等の作業時に
封着用組成物が充分に流動しなくなり、充分な接着強度
や、気密性を保てなくなる。特に優れた接着強度や、気
密性を得るためには、耐火性フィラーの量を32重量%
以下とすることが好ましい。
【0027】低融点ガラスと耐火性フィラーからなる封
着用組成物は、まず、低融点ガラスを板状に成形後、急
冷し、ボールミル等を用いて粉砕し、必要な粒度に分級
し、得られた粉末状の低融点ガラスと、粉末状、粒状な
どの耐火性フィラーを、必要に応じて篩等にかけた後、
それぞれ所定量を混合して得られる。また、取り扱い
上、成形した方が好ましい場合には、混合したものを、
さらに焼結し、所定の形状に成形してもよい。
着用組成物は、まず、低融点ガラスを板状に成形後、急
冷し、ボールミル等を用いて粉砕し、必要な粒度に分級
し、得られた粉末状の低融点ガラスと、粉末状、粒状な
どの耐火性フィラーを、必要に応じて篩等にかけた後、
それぞれ所定量を混合して得られる。また、取り扱い
上、成形した方が好ましい場合には、混合したものを、
さらに焼結し、所定の形状に成形してもよい。
【0028】以上の本発明の封着用組成物によれば、低
いガラス転移点を有する低融点ガラスを含むことから、
低温での封着が可能である。また、耐火性フィラーを含
有している場合、30〜180℃の温度範囲で50〜9
0×10-7/℃の範囲の熱膨張係数(α)を有する。し
たがって、低融点ガラス単独の封着用組成物と比較して
も、より一層、熱膨張係数が小さい材料の封着、接着ま
たは被覆等に好適に用いることができる。また、接着強
度の点でも、低融点ガラス単独の場合と比して、高くな
り、その点からも、優れた封着用組成物となる。
いガラス転移点を有する低融点ガラスを含むことから、
低温での封着が可能である。また、耐火性フィラーを含
有している場合、30〜180℃の温度範囲で50〜9
0×10-7/℃の範囲の熱膨張係数(α)を有する。し
たがって、低融点ガラス単独の封着用組成物と比較して
も、より一層、熱膨張係数が小さい材料の封着、接着ま
たは被覆等に好適に用いることができる。また、接着強
度の点でも、低融点ガラス単独の場合と比して、高くな
り、その点からも、優れた封着用組成物となる。
【0029】なお、本発明の低融点ガラスは、封着用組
成物に、特に好適に用いることができるが、その用途を
限定するものではない。
成物に、特に好適に用いることができるが、その用途を
限定するものではない。
【0030】
【実施例】以下、本発明について、実施例によりさらに
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0031】表1は、本発明の低融点ガラスの実施例
(No.1〜No.10)における、ガラスの組成(重
量%)と、熱膨張係数、ガラス転移点および作業温度の
測定結果とを示すものである。
(No.1〜No.10)における、ガラスの組成(重
量%)と、熱膨張係数、ガラス転移点および作業温度の
測定結果とを示すものである。
【0032】実施例1〜10の低融点ガラスは、いずれ
も、酸化物、水酸化物等の通常のガラス原料を所定の組
成割合で秤量混合した後、石英坩堝等を用いて、ガラス
の溶融性の難易度に応じて、約700〜1100℃で、
30分〜2時間、加熱して溶解し、攪拌、均質化した
後、金型等に鋳込み徐冷することにより容易に得た。
も、酸化物、水酸化物等の通常のガラス原料を所定の組
成割合で秤量混合した後、石英坩堝等を用いて、ガラス
の溶融性の難易度に応じて、約700〜1100℃で、
30分〜2時間、加熱して溶解し、攪拌、均質化した
後、金型等に鋳込み徐冷することにより容易に得た。
【0033】また、表1において、熱膨張係数は、各実
施例で得られたガラスから切断、加工して作製した棒状
試料(長さ50mm×直径4mm)について、押棒式熱
膨張測定装置を用いて、30〜180℃の範囲の熱膨張
係数を測定した結果であり、ガラス転移点は、示差熱分
析計(DTA)を用いて測定した結果である。また、作
業温度は、実際に封着用組成物として使用する場合に、
必要な流動性が得られるおよその温度を求めたものであ
り、各試料のガラスから切断、加工して作製した円柱状
試料(高さ5mm×直径18mm)を10℃毎に昇温、
加熱し、それらの試料の直径が23mm程度となった時
の温度としている。
施例で得られたガラスから切断、加工して作製した棒状
試料(長さ50mm×直径4mm)について、押棒式熱
膨張測定装置を用いて、30〜180℃の範囲の熱膨張
係数を測定した結果であり、ガラス転移点は、示差熱分
析計(DTA)を用いて測定した結果である。また、作
業温度は、実際に封着用組成物として使用する場合に、
必要な流動性が得られるおよその温度を求めたものであ
り、各試料のガラスから切断、加工して作製した円柱状
試料(高さ5mm×直径18mm)を10℃毎に昇温、
加熱し、それらの試料の直径が23mm程度となった時
の温度としている。
【0034】表2は、従来の低融点ガラスのガラスの組
成(重量%)と、熱膨張係数、ガラス転移点および作業
温度を、比較例(No.1〜No.3)として示したも
ので、製造方法、および各物性評価は、表1に示す低融
点ガラスと同様である。
成(重量%)と、熱膨張係数、ガラス転移点および作業
温度を、比較例(No.1〜No.3)として示したも
ので、製造方法、および各物性評価は、表1に示す低融
点ガラスと同様である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1および表2に示すとおり、実施例1〜
10の低融点ガラスは、いずれも、比較例No.1およ
びNo.2の低融点ガラス組成物と比べて熱膨張係数が
一段と小さい値を示し、比較例No.3の低融点ガラス
組成物と比べて転移点および作業温度が一段と低い温度
を示している。言い換えれば、表2に示すように、従来
のガラスは、ガラス転移点が低くても熱膨張係数が大き
いものであったり、逆に、熱膨張係数が小さくてもガラ
ス転移点が高く作業温度も高くなってしまう。しかし、
実施例1〜10の本発明の低融点ガラスは、小さい熱膨
張係数と、低いガラス転移点および作業温度を有する。
よって、小さい熱膨張係数を有し比較的低温で封着等す
ることが望ましい電子部品等の、封着用として低融点ガ
ラス単独でも、また他との混合物としても好適に用いる
ことができることが分かる。
10の低融点ガラスは、いずれも、比較例No.1およ
びNo.2の低融点ガラス組成物と比べて熱膨張係数が
一段と小さい値を示し、比較例No.3の低融点ガラス
組成物と比べて転移点および作業温度が一段と低い温度
を示している。言い換えれば、表2に示すように、従来
のガラスは、ガラス転移点が低くても熱膨張係数が大き
いものであったり、逆に、熱膨張係数が小さくてもガラ
ス転移点が高く作業温度も高くなってしまう。しかし、
実施例1〜10の本発明の低融点ガラスは、小さい熱膨
張係数と、低いガラス転移点および作業温度を有する。
よって、小さい熱膨張係数を有し比較的低温で封着等す
ることが望ましい電子部品等の、封着用として低融点ガ
ラス単独でも、また他との混合物としても好適に用いる
ことができることが分かる。
【0038】表3は、表1に示した実施例2〜8の低融
点ガラスと、耐火性フィラーを混合して得られた実施例
11〜17の封着用組成物における、組成(重量%)
と、熱膨張係数、および作業温度の測定結果とを示すも
のである。実施例11〜17の封着用組成物は、表1に
示した実施例(No.2〜No.8)の低融点ガラスを
ボールミルで粉砕し、350メッシュの篩を通過させて
得た低融点ガラス粉末と、100メッシュの篩を通過さ
せた耐火性フィラーとを混合して得た。
点ガラスと、耐火性フィラーを混合して得られた実施例
11〜17の封着用組成物における、組成(重量%)
と、熱膨張係数、および作業温度の測定結果とを示すも
のである。実施例11〜17の封着用組成物は、表1に
示した実施例(No.2〜No.8)の低融点ガラスを
ボールミルで粉砕し、350メッシュの篩を通過させて
得た低融点ガラス粉末と、100メッシュの篩を通過さ
せた耐火性フィラーとを混合して得た。
【0039】ここで、熱膨張係数は、各試料の混合粉末
を焼結、加工して作製した棒状試料(長さ50mm×直
径4mm)について、押棒式熱膨張測定装置を用いて、
30〜180℃の範囲の熱膨張係数を測定した結果であ
り、作業温度は、各試料の混合粉末を焼結、加工して作
製した円柱状試料(高さ5mm×直径18mm)を10
℃毎に昇温、加熱し、それらの試料の直径が23mm程
度となった時の温度を作業温度である。
を焼結、加工して作製した棒状試料(長さ50mm×直
径4mm)について、押棒式熱膨張測定装置を用いて、
30〜180℃の範囲の熱膨張係数を測定した結果であ
り、作業温度は、各試料の混合粉末を焼結、加工して作
製した円柱状試料(高さ5mm×直径18mm)を10
℃毎に昇温、加熱し、それらの試料の直径が23mm程
度となった時の温度を作業温度である。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示すとおり、実施例11〜17の封
着用組成物は、30〜180℃の温度範囲で51〜87
×10-7/℃の範囲の熱膨張係数を有しており、表1に
示した低融点ガラスと比較して、より小さい熱膨張係数
を有している。また、作業温度についても、低融点ガラ
スの有する作業温度と同程度の温度であり、実施例11
〜17の封着用組成物は、小さい熱膨張係数と、低い作
業温度を有する。よって、小さい熱膨張係数を有し比較
的低温で封着することが望ましい電子部品等の、封着用
として好適に用いることができる。
着用組成物は、30〜180℃の温度範囲で51〜87
×10-7/℃の範囲の熱膨張係数を有しており、表1に
示した低融点ガラスと比較して、より小さい熱膨張係数
を有している。また、作業温度についても、低融点ガラ
スの有する作業温度と同程度の温度であり、実施例11
〜17の封着用組成物は、小さい熱膨張係数と、低い作
業温度を有する。よって、小さい熱膨張係数を有し比較
的低温で封着することが望ましい電子部品等の、封着用
として好適に用いることができる。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明にかかる
低融点ガラスおよび低融点ガラスを含有する封着用組成
物は、特定組成範囲のP2O5−ZnO−Bi2O3−Cu
O系のガラスであるから、低いガラス転移点(Tg)お
よび小さい熱膨張係数(α)を有し、比較的小さい熱膨
張係数を有する材料を低温で、封着、接着および被覆す
ることが可能である。また、R2O(アルカリ金属酸化
物)およびフツ素の各成分を含有しないことから、電子
部品等の封着等に使用しても、その品質に悪影響を及ぼ
すことがないため、電子部品等の信頼性を高めることが
できる。さらに、PbOのような鉛成分を含有しないた
め、人体に悪影響を及ぼすこともないし、環境対策等に
コストを要しないという利点がある。また、本発明にか
かる低融点ガラス粉末と耐火性フィラーとからなる封着
用組成物は、上記効果に加えて、熱膨張係数をより小さ
い値に調整することができるため、より小さい熱膨張係
数を有する材料を、低温で、封着、接着および被覆する
ことが可能である。加えて、封着用組成物として、さら
に高い接着強度を有するようになる。
低融点ガラスおよび低融点ガラスを含有する封着用組成
物は、特定組成範囲のP2O5−ZnO−Bi2O3−Cu
O系のガラスであるから、低いガラス転移点(Tg)お
よび小さい熱膨張係数(α)を有し、比較的小さい熱膨
張係数を有する材料を低温で、封着、接着および被覆す
ることが可能である。また、R2O(アルカリ金属酸化
物)およびフツ素の各成分を含有しないことから、電子
部品等の封着等に使用しても、その品質に悪影響を及ぼ
すことがないため、電子部品等の信頼性を高めることが
できる。さらに、PbOのような鉛成分を含有しないた
め、人体に悪影響を及ぼすこともないし、環境対策等に
コストを要しないという利点がある。また、本発明にか
かる低融点ガラス粉末と耐火性フィラーとからなる封着
用組成物は、上記効果に加えて、熱膨張係数をより小さ
い値に調整することができるため、より小さい熱膨張係
数を有する材料を、低温で、封着、接着および被覆する
ことが可能である。加えて、封着用組成物として、さら
に高い接着強度を有するようになる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 3/19 C03C 3/19 8/08 8/08 8/14 8/14 8/24 8/24 Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB09 DA01 DA02 DA03 DB01 DB02 DB03 DC01 DC02 DC03 DD05 DD06 DE03 DE04 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FF02 FF03 FG01 FH01 FJ01 FK01 FK02 FK03 FL01 GA03 GA04 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM05 MM08 MM23 NN30 NN32 PP01 PP02 PP03 PP05 PP06
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、 P2O5 45〜70%、 ZnO 5〜30%、 Bi2O3 5〜30%、 CuO 1〜10%、 Sb2O3 0〜10%、 V2O5 0〜10%、 MnO2 0〜10%、 FeO 0〜10%、ただし、CuO、Sb2O3、
V2O5、MnO2およびFeOの一種または二種以上の
合計量が2〜20%、 SiO2 0〜5%、 B2O3 0〜5%、 Al2O3 0〜5%、 La2O3 0〜5%の割合で含まれる、これら組成成
分からなることを特徴とする低融点ガラス。 - 【請求項2】 ガラス転移点(Tg)が280〜400
℃の範囲にあって、30〜180℃の温度範囲における
熱膨張係数(α)が68〜95×10-7/℃の範囲にあ
ることを特徴とする請求項1に記載の低融点ガラス。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の低融点ガラス
を含有することを特徴とする封着用組成物。 - 【請求項4】 前記低融点ガラスの粉末58〜95重量
%と、Pbおよびアルカリ金属を含有しない耐火性フィ
ラー5〜42重量%とからなることを特徴とする請求項
3に記載の封着用組成物。 - 【請求項5】 30〜180℃の温度範囲における熱膨
張係数(α)が、50〜90×10-7/℃の範囲にある
ことを特徴とする請求項4に記載の封着用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10248545A JP2000072473A (ja) | 1998-09-02 | 1998-09-02 | 低融点ガラス、および封着用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10248545A JP2000072473A (ja) | 1998-09-02 | 1998-09-02 | 低融点ガラス、および封着用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072473A true JP2000072473A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=17179784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10248545A Pending JP2000072473A (ja) | 1998-09-02 | 1998-09-02 | 低融点ガラス、および封着用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000072473A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020061365A (ko) * | 2001-01-16 | 2002-07-24 | 한국과학기술연구원 | 열선 차단성 투명유리 |
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KR100994925B1 (ko) | 2008-07-28 | 2010-11-19 | (주)세라 | 평판 패널 디스플레이 봉착용 인산계 유리 조성물 |
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-
1998
- 1998-09-02 JP JP10248545A patent/JP2000072473A/ja active Pending
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KR100994925B1 (ko) | 2008-07-28 | 2010-11-19 | (주)세라 | 평판 패널 디스플레이 봉착용 인산계 유리 조성물 |
CN107459257A (zh) * | 2016-06-03 | 2017-12-12 | 南京豪祺新材料有限公司 | 一种封接用无铅低熔点玻璃及其制备方法 |
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