JP2000072354A - エレベータガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物側の梁部材の設置状態等の構造に関係す
ることなく同じ部材を用いて容易に設置できるエレベー
タガイド装置を提供すること。 【解決手段】 エレベータのかご室６外側面に長尺状の
ガイドレール２、２を設け、昇降路５内に、同エレベー
タのかご室６が円滑に昇降されるようにガイドするガイ
ド片４を、該ガイドレール２、２のレール部３と係合す
るようかご室６の縦長さと略同一又はより短い間隔をも
って離隔させ配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータのかご
室を昇降路内にて円滑に昇降するようガイドするエレベ
ータガイド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、個人住宅等に設置するエレベー
タとして、従来、図５に示す如く、エレベータの昇降路
５下方に、かご室６を昇降させる昇降手段として油圧ユ
ニット５１が配設されたホームエレベータが提案されて
いる。この場合、昇降手段はこの油圧ユニット５１と、
かご室６の一側方に設けられた、油圧ユニット５１にて
駆動されるジャッキ５２とを備え、また、これら昇降手
段を制御するための制御盤Ｃが最下階の乗場扉上部に配
設具備されている。

【０００３】昇降路５には、かご室６が最下階に到達し
たときに最下階床面とかご室６底面とが略一致して乗客
の乗り降りに支障の無いよう、その下方に最下階床面よ
り深く位置するピット５５を設けてあり、このピット５
５底面に、油圧ユニット５１及び、ジャッキの支持部で
あるジャッキスタンド５３が設けられている。また、ジ
ャッキ５２は、この場合、かご室６の一側方に設けられ
るとともに、その先端がかご室６側面に固着されて、上
記のジャッキスタンド５３に立設され伸縮自在となって
おり、油圧ユニット５１からの油圧力にて伸縮駆動され
てかご室６を昇降させる。

【０００４】上記のかご室６は、ジャッキ５２からその
一側方に偏荷重が加わり昇降されるが、このジャッキ５
２に並設された昇降レール５４、５４と、エレベータガ
イド装置である、昇降路５内にその長手方向に沿って配
設された揺れ止め用のガイドレールＤ及び、かご室６の
他側方に設けたガイドローラＥとによって、偏荷重によ
る僅かな揺れが防止され、円滑に昇降路５内を昇降ガイ
ドされる。

【０００５】したがって、上記の構成のホームエレベー
タは、建物内に特別な機械室を設けることなく建物内空
間を有効に利用して設置できるとともに、かご室６が円
滑に昇降されて、乗客は心地よく昇降移動することがで
きる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、エレベータガイド装置は、建物側
で安定してかご室６からの荷重を受止めてかご室６をガ
イドさせるために、例えば、図６、図７に示すように、
ガイドレールＤを固定する固定片Ｆを取付調整片Ｇを介
して、建物内の梁部材Ｈに固定させ揺れ止め用のガイド
レールＤを設ける必要があり、その設置に手間がかかっ
た。また、建物内の梁部材Ｈの設けられている位置が設
置現場毎に異なるため、建物内の梁部材Ｈに、取付調整
片Ｇを介して固定される固定片Ｆの固定位置に容易に対
応可能となるよう、ガイドレールＤ側には多くの固定用
の孔を設ける必要があった。また、ガイドレールＤは、
設置現場毎に異なるかご室６を昇降させる行程長さに対
応させて、その長さの異なる複数種類のものを準備する
必要があり、ガイドレールＤの供給に手間のかかるもの
であった。

【０００７】ところで、梁部材Ｈに固定される取付調整
片Ｇは、かご室の荷重を安定して支持するため、図７に
示すように、固定片Ｆに溶接接続する必要も必要もあ
り、ガイドレールＤを現場に設置するときには、その長
手方向の芯出しに時間もかかり施工コスト上昇の要因に
もなっていた。

【０００８】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、建物側の梁部材の設置状
態等の構造に関係することなく同じ部材を用いて容易に
設置できるエレベータガイド装置を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載のエレベータガイド装置は、エレベー
タのかご室外側面に長尺状のガイドレールを設け、昇降
路内に、同エレベータのかご室が円滑に昇降されるよう
にガイドするガイド片を、該ガイドレールのガイド部と
係合するようかご室の縦長さと略同一又はより短い間隔
をもって離隔させ配設して成る。

【００１０】したがって、この場合、昇降路内にかご室
の縦長さと略同一又はより短い間隔をもって離隔させ配
設されたガイド片が、エレベータのかご室外側面に設け
られた長尺状のガイドレールのガイド部と係合してエレ
ベータのかご室の昇降がガイドされて、かご室を円滑に
昇降させることができる。

【００１１】また、請求項２記載のエレベータガイド装
置は、請求項１記載のガイド片を、昇降路の各階乗り場
の開口部の上下、又は上下何れかに設けている。

【００１２】したがって、この場合、昇降路の各階乗り
場の開口部の上下、又は上下何れかに設けられたガイド
片にてかご室を円滑に昇降させることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図４は、本発明の請求項
１、２に対応する一実施の形態を示し、図１は、本発明
の一実施の形態のエレベータガイド装置の概略構成を示
す平面図である。図２は、同エレベータガイド装置の概
略構成を示す側面図である。図３は、同エレベータガイ
ド装置の要部の構成の説明図である。図４は、同エレベ
ータガイド装置のガイド片の説明図である。

【００１４】この実施の形態のエレベータガイド装置１
は、エレベータのかご室６外側面に長尺状のガイドレー
ル２、２を設け、昇降路５内に、同エレベータのかご室
６が円滑に昇降されるようにガイドするガイド片４を、
該ガイドレール２、２のガイド部３と係合するようかご
室６の縦長さＡと略同一又はより短い間隔Ｂ１、Ｂ２を
もって離隔させ配設して成る

【００１５】又、該実施の形態のエレベータガイド装置
１においては、ガイド片４を、昇降路５の各階乗り場の
開口部７の上下、又は上下何れかに設けてもいる。

【００１６】詳しくは、このエレベータガイド装置１
は、例えば、従来の技術の項にて説明した前述の図５に
示すものと同様の、個人住宅等に設置されるホームエレ
ベータのかご室６の昇降路５内に設けられて、かご室６
が昇降路５内を円滑に昇降するようガイドするもので、
かご室６側に設けられるガイドレール２、２と、昇降路
５側に設けられるガイド片４とによって構成される。

【００１７】なお、この場合、かご室６は、電動にて開
閉自在のかご側の扉６２、６２を、乗り場の開口部７に
設けられた乗場扉７１、７１との対向する前面に備えた
かご室本体６１と、プラットホーム６３とを有してい
る。かご室本体６１は、全体を木材、強化プラスチック
等にて形成された一面開口の箱体で、扉６２、６２を設
けてある前側には滑り止めのための長尺のステップパネ
ル（図示せず）を設けてあり、一方の側方には、後述す
る昇降手段のジャッキ５２先端が固着され、また、これ
に対向する他方の側方前側には本発明の要部であるガイ
ドレール２、２が固着されている。

【００１８】また、かご室６は、前述の如く、図５に示
すように、建物内に設けられた昇降路５内に、昇降手段
である油圧ユニット５１及びジャッキ５２にて昇降自在
となるよう設置される。昇降路５には、かご室６が最下
階に到達したときに最下階床面とかご室６底面とが略一
致して乗客の乗り降りに支障の無いよう、プラットホー
ム６３下方にピット５５を設けてあり、このピット５５
底面に、油圧ユニット５１、ジャッキ５２の支持部であ
るジャッキスタンド５３を設けてある。

【００１９】ジャッキ５２は、かご室６側方に設けられ
るとともにその先端をかご室６側面に固着してあり、上
記ジャッキスタンド５３に立設されて伸縮自在となって
おり、油圧ユニット５１からの油圧力にて伸縮駆動され
かご室を昇降させる。なお、この場合においても、かご
室６はこのジャッキ５２に並設してある昇降レール５
４、５４にて昇降ガイドされている。

【００２０】ガイドレール２、２は、例えば木材あるい
は樹脂成形材等による角形長尺材で、この場合、かご室
６の側方前側にかご室６の上下にわたって所定間隔をも
って固着されて、このガイドレール２、２の対向部間の
隙間にガイド部３を形成している。このガイドレール
２、２の上下各端部には、後述するガイド片４のガイド
ローラ４３が円滑にガイドされるように、図２に示すよ
うに、内側のガイド部３に向けた面取り部２１、２１が
形成されている。

【００２１】ガイド片４は、上記かご室６が昇降路５内
を円滑に昇降されるようにガイドするもので、この場
合、各階乗り場の開口部７の昇降路５側に設けられる。
そして、図３に詳しく示すように、例えば、乗り場の開
口部７に設けられた、乗場扉７１をスライド自在に支持
する枠体の縦片である、戸当たり部７２の上下、又は上
下何れかに設けらた取付板４１と、取付板４１から上記
ガイド部３に向け突設されている軸４４にて、回転自在
に軸支されたガイド部材である合成樹脂製のガイドロー
ラ４３とを備えている。

【００２２】取付板４１は、例えば鋼板製で、略Ｌ字状
に折曲された基端の取付部４２が戸当たり部７２に固着
されており、取付部４２からかご室６側に向けてガイド
片４のＬ字の先端が突出するよう戸当たり部７２に設け
られる。なお、ガイド片４のガイド部材は、上記ガイド
ローラ４３に替えて摺動自在にガイドされる、例えば合
成樹脂製の摺動部材を用いても良い。

【００２３】また、ガイド片４は、昇降路５内のどの高
さ位置においてもかご室６を昇降ガイドするため、図４
に詳しく示す如く、上記ガイド部３と係合するようかご
室６の縦長さＡと、略同一又はより短い間隔Ｂ１、Ｂ２
をもって離隔させ、各階乗り場の開口部７の昇降路５側
上下、又は上下何れかに配設されている。

【００２４】上記エレベータガイド装置１は、例えば上
記の如くホームエレベータのかご室６の昇降のガイドに
使用される。そして、かご室６の昇降時に、昇降路５内
にかご室６の縦長さＡと略同一又はより短い間隔Ｂ１、
Ｂ２をもって離隔させ配設されたガイド片４が、エレベ
ータのかご室６外側面に設けられた長尺状のガイドレー
ル２、２のガイド部３と係合してガイドされ、かご室６
が円滑に昇降される。また、エレベータガイド装置１
は、昇降路５の各階乗り場の開口部７の上下、又は上下
何れかに設けられたガイド片４の日常の点検又は修理
を、各階乗り場の開口部７から容易に行って、かご室６
の昇降状態を良好に維持させることができる。

【００２５】したがって、以上説明したエレベータガイ
ド装置１によると、昇降路５内にかご室６の縦長さＡと
略同一又はより短い間隔Ｂ１、Ｂ２をもって離隔させ配
設されたガイド片４が、エレベータのかご室６外側面に
設けられた長尺状のガイドレール２、２のガイド部３と
係合してエレベータのかご室６の昇降がガイドされて、
かご室６を円滑に昇降させることができるので、建物側
の梁部材の設置状態等の構造に関係することなく同じ部
材を用いて容易に設置できる。

【００２６】また、昇降路５の各階乗り場の開口部７の
上下、又は上下何れかに設けられたガイド片４にてかご
室６を円滑に昇降させることができるので、エレベータ
ガイド装置１の日常の点検又は修理を容易に行うことが
出来、以て、メンテナンス性が向上する。

【００２７】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載のエ
レベータガイド装置は、昇降路内にかご室の縦長さと略
同一又はより短い間隔をもって離隔させ配設されたガイ
ド片が、エレベータのかご室外側面に設けられた長尺状
のガイドレールのガイド部と係合してエレベータのかご
室の昇降がガイドされて、かご室を円滑に昇降させるこ
とができるので、建物側の梁部材の設置状態等の構造に
関係することなく同じ部材を用いて容易に設置できる。

【００２８】また、請求項２記載のエレベータガイド装
置は、請求項１記載のものの効果に加え、昇降路の各階
乗り場の開口部の上下、又は上下何れかに設けられたガ
イド片にてかご室を円滑に昇降させることができるの
で、エレベータガイド装置の日常の点検又は修理を容易
に行うことが出来、以て、メンテナンス性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態のエレベータガイド装置
の概略構成を示す平面図である。

【図２】同エレベータガイド装置の概略構成を示す側面
図である。

【図３】同エレベータガイド装置の要部の構成の説明図
である。

【図４】同エレベータガイド装置のガイド片の説明図で
ある。

【図５】本発明の従来例であるエレベータガイド装置の
概略構成を示す斜視図である。

【図６】同エレベータガイド装置の概略構成を示す平面
図である。

【図７】同エレベータガイド装置の概略構成を示す側面
図である。

【符号の説明】

１ エレベータガイド装置 ２ ガイドレール ３ ガイド部 ４ ガイド片 ５ 昇降路 ６ かご室 ７ 開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新立 巖 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Ｆターム(参考） 3F305 AA08 BA07 BD02 BD08

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータのかご室外側面に長尺状のガ
   イドレールを設け、昇降路内に、同エレベータのかご室
   が円滑に昇降されるようにガイドするガイド片を、該ガ
   イドレールのガイド部と係合するようかご室の縦長さと
   略同一又はより短い間隔をもって離隔させ配設して成る
   エレベータガイド装置。
2. 【請求項２】 ガイド片を、昇降路の各階乗り場の開口
   部の上下、又は上下何れかに設けたことを特徴とする請
   求項１記載のエレベータガイド装置。