JP2000071234A - 外殻PCa柱部材の製造方法 - Google Patents

外殻PCa柱部材の製造方法

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JP2000071234A JP11078886A JP7888699A JP2000071234A JP 2000071234 A JP2000071234 A JP 2000071234A JP 11078886 A JP11078886 A JP 11078886A JP 7888699 A JP7888699 A JP 7888699A JP 2000071234 A JP2000071234 A JP 2000071234A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】型枠組立や配筋作業の効率化及び精度向上が図
れるとともに、限られたスペースを有効に活用しなが
ら、高品位の外殻PCa柱の製作を可能とする。 【解決手段】外型枠を固定外型枠2と移動外型枠3A〜
3Dとで構成し、製作ヤード上に移動台車4A〜4Dを
配設するとともに、この移動台車上4A〜4Dに、内型
枠6を位置拘束する底型枠ユニット7と共に載置し、前
記移動台車を固定外型枠2から離間させた状態で内型枠
6の周囲に先組みされた鉄筋Dを配置した後、移動台車
を前記固定外型枠2に対して接合させるとともに、移動
外型枠3A〜3Dを前記固定外型枠2に対して接合し、
両者を堅固に連結した後、上面に配設された塞ぎ型枠8
によって内型枠6の上部位置を固定し、前記外型枠の下
部に形成された注入口55より内型枠6と外型枠2、3
A…とによって挟まれた空間部分にコンクリートを圧入
によって充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型枠組立および配
筋作業の効率化および精度向上が図れるとともに、限ら
れた製作スペース条件下において、高い作業効率にて高
品位の中空プレキャストコンクリート柱(以下、外殻P
Ca柱という。)を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築または土木構造物におい
ては、躯体工事の省力化、工期短縮、品質向上、環境問
題に対する配慮等からプレキャストコンクリート部材が
使用されてきた。
【0003】今までは、充実コンクリート内に主筋およ
びスターラップ等の剪断筋または組立筋等を埋設した、
所謂フルプレキャストコンクリートが主流であったが、
近年は、さらなる省力化や工期短縮等のために、内部を
中空にするとともに、外殻コンクリート部分に実質的に
スターラップ等の剪断筋のみを配設した筒状の外殻PC
a柱が使用されるようになってきた。施工に当たって
は、前記外殻PCa柱を所定の柱構築位置に配置すると
ともに、内空部に縦方向の主筋を配筋した後、この外殻
PCa柱を型枠代わりとしながら内部に生コンクリート
を打設し、コンクリート柱を構築する。この外殻PCa
柱を使用する他の利点としては、前述のフルPCa柱部
材よりも重量が軽いため現場での取扱いが容易となると
ともに、揚重設備が簡易で済むようになる点と、後打ち
コンクリートにより躯体PCa部材を使用した柱/梁と
の一体化が確実となる点を挙げることができる。
【0004】従来より、前記外殻PCa柱の製造に当た
っては、端太材で補強されたコンポーネントパネル(以
下、単にコンパネという。)やプレキャスト製造用鋼製
型枠などを用いて、先ず、外型枠を先組した後、この外
型枠の内部に先組鉄筋を挿入し、次いで内型枠を前記先
組鉄筋の内側に挿入する手順により型枠組立および配筋
作業を行った後、上部からコンクリートを流し込んで製
造していた。このような手順によるものとしては、たと
えば特開昭62−233206号公報、特開平5−27
8022号公報、特開平4−186131号公報などを
挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような手順、すなわち外側から順に外型枠組立→配筋→
内型枠組立の作業手順では、内型枠および外型枠の設置
状態の確認が困難であるとともに、配筋状態、具体的に
は所定の「かぶり」を確保しているか否か、或いは鉄筋
組全体が傾いて配置されていないかなどの確認が困難で
ある、さらには特に内型枠の設置、調整に手間と時間が
掛かるなどの問題があった。この場合、前記「かぶり」
は内型枠に鉄筋が接触している場合は最終的にPCa柱
部材の内部に別途主筋が配置され、かつ内部にコンクリ
ートが充填されるため実質的な問題は生じないが、外側
型枠の内面と鉄筋が接している場合には鉄筋が部分的に
露出したり、ほとんど「かぶり」のない状態となるため
強度低下や鉄筋腐食などの原因となってしまうことがあ
った。
【0006】他方、1つの外殻PCa柱を製造する度
に、各型枠面毎に型枠設置作業と脱型作業とを必要とす
るとともに、型枠の設置精度が要求されるため作業に熟
練を要する。そのため、製造効率の向上が望めず、その
結果、コストダウンが図れないなどの問題が生じてい
た。このような問題を解決するために、たとえば特開昭
6−317016号公報では、無垢のコンクリート柱を
構築する現場施工の例ではあるが、横断面形状がL字形
状、すなわち隣接する2面分の型枠面を分担する可動型
枠ユニットを2つ一組として、これらの可動型枠ユニッ
トを組み合わせることにより方形状の柱外型枠とするも
のが提案されている。
【0007】前記特開昭6−317016号公報記載の
型枠装置はもちろん、工場製作または現場サイトでの外
殻PCa柱製造に際し、外型枠装置として応用すること
も可能であるが、仮にこれらの可動型枠ユニットを複数
台用意し、併行作業にて外殻PCa柱の製作を行うこと
を考えた場合、各可動型枠ユニットは背部に型枠板を支
持するために大掛かりなサポート脚を備えているため、
各可動型枠ユニットを個別に移動させるためのスペース
が各々必要となり、全体として広い製作用スペースを必
要とすることとなる。特に、近年は運搬費を節約するた
め、工場製作よりも現場サイトのスペースで製作が行わ
れる傾向にあり、限られたスペースを有効活用しながら
現場サイトで効率よく外殻PCa柱を製造する方法が切
望されている。また、前記可動型枠ユニットは、型枠設
置精度に対する配慮が製造体毎に必要になる、換言すれ
ば作業に熟練を要するとともに、組み立て時に作業床に
対し堅固に固定しなければ、コンクリート打設中に型枠
装置全体が移動する虞があるなどの問題もある。
【0008】さらに、コンクリートの充填に係り、型枠
の上部開口から打設する場合には、実質的に内型枠と外
型枠に挟まれた狭隘空間にバイブレーターなどを差し込
んで均一な締め固めを行うことが困難であるなどの問題
が生じる。そこで、実質的に締め固めを不要とすること
ができる高流動性コンクリートを下部注入口より圧入に
よって充填することが考えられるが、この場合には最上
部まで一気にコンクリートを圧入することとなるため、
外型枠および内型枠が決して位置ずれしないように堅固
に固定されていることが条件となる。そのため、型枠装
置が大掛かりとなる、内型枠の設置固定に大変な手間が
掛かるなどの問題があった。
【0009】そこで本発明の主たる第1課題は、型枠組
立および配筋作業の効率化および精度向上が図れるよう
にすることにある。
【0010】また、第2の課題は、前記第1課題に加え
て、熟練を要せず堅牢かつ高精度な型枠の組立を実現す
るとともに、限られたスペースを有効に活用しながら、
高い作業効率で高品位の外殻PCa柱の製作を可能とす
ること等にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1課題を解決する
ために本第1発明は、製造される外殻PCa柱部材の壁
厚分の隙間を空けて内型枠と外型枠とを設置するととも
に、これら内型枠と外型枠との間に鉄筋を配設した状態
とした後、これら内型枠と外型枠との間の空間部分にコ
ンクリートを充填することにより外殻PCa柱部材を製
造する方法において、前記内型枠を設置した後、この内
型枠の周囲に鉄筋を配置し、次いで外型枠を前記鉄筋の
周囲に設置する手順により型枠組立および配筋作業を行
うことを特徴とするものである。
【0012】本第1発明では、従来とは全く逆の手順、
すなわち内型枠→鉄筋→外型枠の手順により型枠組立お
よび配筋作業を行うようにしている。したがって、内型
枠組立の段階で内型枠の設置状態が確認できるようにな
る。次いで、鉄筋配置作業についても、配筋後の配筋状
況、全体に傾きがないか、所定の「かぶり」が長手方向
全長に亘って確保されているかなどを簡単に確認できる
ようになる。鉄筋がきっちりと配筋されていることが確
認できたならば、最後に外型枠を設置する。以上のよう
な手順により作業を進めることにより各型枠設置作業お
よび鉄筋配置作業が効率的に行えるようになるととも
に、PCa柱部材の品質も同時に確保されるようにな
る。
【0013】なお、従来法が外型枠→鉄筋→内型枠の手
順を採用していた主な理由は、脱型時に内型枠の解体が
問題となるため、内型枠については解体の容易な構造の
ものを用い、鉄筋の支持などは外型枠によって行ってい
たためであり、その結果、先ず外型枠の組立を行い、次
いでこの外型枠に鉄筋を支持させる手順を採用してい
た。しかし本願発明では、後述するように、内型枠とし
て解体が容易であるにも拘わらず、支持構造が堅牢な構
造を採用しているため、鉄筋を支持することが可能とな
り、前述した内型枠→鉄筋→外型枠の手順により型枠組
立および配筋作業が可能となっている。
【0014】次いで、前記第2課題を解決し得る本第2
発明は、製造される外殻PCa柱部材の壁厚分の隙間を
空けて内型枠と外型枠とを設置するとともに、これら内
型枠と外型枠との間に鉄筋を配設した状態とした後、こ
れら内型枠と外型枠との間の空間部分にコンクリートを
充填することにより外殻PCa柱部材を製造する方法に
おいて、前記外型枠を構成する全型枠面の内、少なくと
も1面以上の型枠面を起立状態で対地固定とし、かつ残
る型枠面については所定の形状に組み上げた状態で移動
可能としておき、一方、製作ヤード上に移動台車を配設
するとともに、この移動台車上に、内型枠の下部位置決
め部材を載置するとともに、この下部位置決め部材によ
り相対的移動を拘束した状態で前記内型枠を載置し、次
いで、前記移動台車を固定外型枠から離間させた状態
で、内型枠の周囲に先組みされた鉄筋を配置した後、移
動台車を前記固定外型枠に対して接合させるとともに、
移動外型枠を前記固定外型枠に対して接合し、両者を堅
固に連結した後、上面に配設された塞ぎ型枠によって内
型枠の上部位置を固定し、前記外型枠の下部に形成され
た注入口より内型枠と外型枠とによって挟まれた空間部
分にコンクリートを圧入によって充填することを特徴と
するものである。
【0015】本発明においては、前記第1発明の手順に
より、型枠組立と配筋作業が行われるため、前述した効
果が得られるようになることはもちろんの事、外殻PC
a柱部材の外周型枠面の内、任意数の型枠面は作業ヤー
ド上に起立支持された固定外型枠によって構成し、残り
の面は移動外型枠によって構成するようにしているた
め、型枠の一方側を固定とした分だけ作業スペースが少
なくても済むようになる。また、固定外型枠の側では常
に鉛直精度が確保されるようになり、これに接合される
移動外型枠の鉛直精度も間接的に維持されるようになる
ため、型枠設置に熟練を要さず、かつ一連の作業工程の
繰り返しにより効率的に外殻PCa柱を製造することが
できるようになる。しかも、下部位置決め部材および内
型枠が搭載される架台も移動可能となっているため、前
記固定外型枠から離間した位置で剪断補強筋等の配筋が
容易に行えるようになる。
【0016】コンクリートを圧入によって充填する施工
態様との関係においても、非常に好適な構造態様となっ
ている。すなわち、コンクリートを圧入によって充填す
る場合には、最上部まで一気にコンクリートを圧入する
ため、通常の型枠支保工では構造が大掛かりとなる。し
かし、本発明の場合には、少なくとも外型枠の一面が対
地固定の型枠となっているため、移動外型枠との連結を
堅固に行うのみで外型枠全体が決して移動しないように
堅固に固定することができる。他方、内型枠は移動台車
上に載置された下部位置決め部材によって下端位置が拘
束され、かつ上部位置が塞ぎ型枠によって拘束されてい
るため、コンクリートによる側圧を受けても決して位置
ずれすることがない。
【0017】以上のように、限られたスペース内で、外
型枠および内型枠の両方を堅固に支持することができる
ようになったことで、コンクリート圧入による充填方法
が採用可能となり、しかも高強度・高流動性コンクリー
トの圧入により、所謂“す”と呼ばれる充填不良個所な
ども無くすことができるようになる。
【0018】本発明の最も好適な実施態様は、前記固定
外型枠は十字横断面形に構築された壁面構造体の各L字
壁面部分をそれぞれ、製造される外殻PCa柱部材毎の
型枠面とする対地固定の型枠とし、前記移動外型枠はL
字横断面形に構築された壁面構造体のL字壁面部分を型
枠面とする移動自在の型枠とする態様である。このばあ
いには、同時併行的に4つの外殻PCa柱の製造が可能
になるとともに、各L字型枠面毎に異なる断面サイズや
高さの異なるものが製作可能となる。
【0019】なお、前記下部位置決め部材としては、前
記下部位置決め部材は内型枠の下端部が嵌合される嵌合
溝が形成された底型枠または底型枠ベースとすることが
できる。また前記塞ぎ型枠は、吊り治具によって先組鉄
筋を吊り上げた状態から、枠板の開口部内に内型枠を挿
入させながら所定の位置まで吊り降ろし、その後、該吊
り治具を解体することなく、そのまま塞ぎ型枠として使
用することにより、吊り治具の撤去の必要がなくなる、
自動的に枠板によって内型枠が保持されるようになるな
ど、型枠設置作業の大幅な省力化が図れるようになる。
【0020】他方、型枠の解体に当たっても、内型枠の
パネルを剥離させる際に、床に固定されている固定外型
枠またはこれに連結固定されている移動外型枠から反力
を取ることにより、硬化した外殻PCa柱に何ら外力的
負担を与えることなく内型枠の解体を行うことができる
ようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る型
枠装置1の要部概略斜視図であり、図2はその平面図で
ある。
【0022】本型枠装置1は、コンクリート作業床Fに
起立状態で固定された十字横断面形の固定外型枠2と、
この固定外型枠2の交点部より平面視で45度方向に沿
って夫々敷設された4本の走行レール5A〜5Dと、こ
れら各走行レール5A〜5Dに沿って移動可能とされ、
内型枠6および底型枠ユニット7が搭載される移動台車
4A〜4Dと、同じく各走行レール5A〜5Dに沿って
移動可能とされるL字横断面形の移動外型枠3A〜3D
とから構成される型枠装置である。
【0023】前記固定外型枠2は、コンクリート作業床
Fに基部が埋設されるか、アンカー手段によって前記作
業床Fに堅固に固定された外型枠であり、図2に示され
る如く、フレーム部材によって横断面十字状に構築され
た支保架構の各隅角面部、すなわち4つの各L字壁面部
分を利用して、同時併行的に4つの外殻PCa柱を製造
し得るようにしたものである。
【0024】詳細には、図3および図4等に示されるよ
うに、正八角形状の底面板48A上に十字柱48Bが起
立支持された中心軸柱48の各十字片方向に対し、下部
位置に脚部繋ぎ材14を配設するとともに、上部位置に
頭部繋ぎ材15を配置し、かつ前記脚部繋ぎ材14と頭
部繋ぎ材15とを複数の縦桟16、16…によって連結
支持するとともに、上下方向の複数箇所に横桟17、1
7…を横架させて壁面架構を構築し、次いで各L字壁面
部において、縦方向に沿って端太材代わりとなる補助支
柱18,18…を複数箇所に配設するとともに、その外
側にセキ板19A、19Bを配置したものであり、外殻
PCa柱の外周型枠面(4面)の内、2面の型枠面を分
担させるようにしたものである。前記セキ板19A、1
9Bとしては、合板は勿論のこと、合成樹脂板、鋼製板
等の種々のものを使用することができるが、剥離剤を使
用することなく数十回の使用に耐えるものとして、ウレ
タン系樹脂によるものが好適に選定される。
【0025】前記頭部繋ぎ材15の上面には、固定外型
枠2と後述の移動外型枠3A〜3Dとを緊結するための
クランプ締め具20,20を備えている。このクランプ
20は、図5に示されるように、頭部繋ぎ材15を上下
方向に貫通して設けられた支持ボルト25によって断面
コ字形状の緊結金具26を回動自在に支持するととも
に、緊結金具26の中間フランジに対して締付けボルト
27を螺設した構造のもので、図6に示されるように、
移動外型枠3の同じく頭部繋ぎ材に設けられたネジ受け
板33b(34b)に対して前記緊結ボルト27の先端
を当接させることにより、両者を堅固に連結固定するも
のである。このクランプ締め具20は、頭部繋ぎ材のみ
ならず、脚部繋ぎ材14および上下方向の適宜の位置の
横桟17,17…に対しても設けるようにする。
【0026】前記固定外型枠2の中心より平面視で45
度方向、すなわち各L字壁面の入隅より対角線方向には
それぞれ作業床F上に断面リップ溝型形状の走行レール
5A〜5Dが敷設されている。そして、これらの走行レ
ール5A〜5Dに沿って移動自在とされる移動台車4A
〜4Dと、移動外型枠3A〜3Dとが設けられる。
【0027】先ず、前記固定外型枠2と移動外型枠3A
〜3Dとの中間に位置する前記移動台車4A〜4Dは、
図1に鎖線で示されるように、内型枠6および底型枠ユ
ニット7が搭載されるものである。詳細には図7および
図8に示されるように、方形状の台板29の下面に、中
心列に沿って3個の走行車輪46a〜46cを配設する
とともに、両側部にそれぞれ走行車輪47a、47bを
設け、前記中心列の走行車輪46a〜46cを走行レー
ル5A内に嵌挿し、走行レール5A方向に沿って移動自
在としている。なお、前記台板29の上面に設けられた
ボス29aは後述の底型枠ベース7Bに設けられた通孔
に嵌合し、底型枠ユニット7の位置合わせを行うための
ものである。
【0028】一方、前記内型枠6は、図9および図10
に示されるように、4枚の面パネル11A〜11Dと、
4本のコーナーパネル12A〜12Dと、4枚の緩衝パ
ネル13A〜13Dと、1個のエアチューブ10とによ
り構成されるものである。
【0029】前記面パネル11A〜11Dは、それぞれ
相対的に幅の狭い面板42と相対的にやや幅の大きい面
板43とを積層することにより両端部に段差を形成した
ものであり、表面側に位置する面板42の前面には縦方
向に適宜の間隔で外方に突出するコッター44,44…
が多数形成されている。このコッター44は、外殻PC
a柱の内空部に打設されるコンクリートとの付着を確保
するためのものである。裏面側に位置する面板43の背
面側には、2条のリップ溝型状補強材45、45が一体
的に固定されている。この補強材45の下端部45a
は、後述のように、面パネル11A〜11Dの解体時に
内側に傾倒し易いようにテーパー45aが設けられてい
る。
【0030】次いで、前記コーナーパネル12A〜12
Dは、相対的にサイズの大きいL型部材と、このL型部
材の内側に相対的に小サイズのL型部材とを組み合わ
せ、両端部に夫々前記面パネル11A〜11Dの段差部
に係合する段差を形成した柱状の部材である。
【0031】図9に示されるように、前記面パネル11
A〜11Dと、コーナーパネル12A〜12Dとを、各
段差を相互に係合させながら方形枠状に組み立て、前記
補強材45,45の内側に緩衝パネル13A〜13Dを
介在した状態で内空部に前記エアチューブ10を挿入設
置する。このような構造を採用した内型枠6によれば、
後段で詳述される底型枠ユニット7との関係によって、
先ず前記コーナーパネル12A〜12Dが所定の平面位
置(コーナー部)に対し、高い鉛直精度で位置決めされ
るようになり、かつこのコーナーパネル12A〜12D
に段差部が係合しながら設置される面パネル11A〜1
1Dも間接的に所定の位置に精度良く位置決めされるこ
ととなる。また、背面側に挿入設置された前記エアチュ
ーブ10から外方向の圧力を受けることにより、所定の
位置に不動の状態に設置される。また、解体時にあって
は、エアチューブ10の圧搾空気を解放すれば、面パネ
ル11A〜11Dとコーナーパネル12A〜12Dとが
簡単に脱型ができる、などの利点を有するものとなる。
【0032】次いで、前記底型枠ユニット7は、上段側
に配置される方形枠状の底型枠7Aと、下段側に配置さ
れる底型枠ベース7Bとから構成されるものである。
【0033】底型枠7Aは、図11および図12に示さ
れるように、断面L字状のアングル部材7aを用いてこ
れを方形枠状に成形するとともに、その周囲に保護板7
bを固定した枠状部材であり、一方、底型枠ベース7B
は、図13および図14に示されるように、ベースとな
る基板28の上面に、外周縁に沿って平面形状が製造さ
れる外殻PCa柱の断面形状に対応する升状突体30を
形成するとともに、この升状突体30の内側に内型枠6
の厚み分の離間を空けて方形状枠状の突壁29を設けた
ものである。前記升状突体30と突壁29との空間が内
型枠6の下端が嵌合挿入される嵌合溝Uとなる。なお、
前記突壁29は、断面L字状のアングルを方形枠状に成
形するとともに、所定の位置に通孔を形成し、基板28
に植設されたバー部材28a,28a…を前記通孔に挿
通させることで平面的に動かないように固定されてい
る。また、中央に形成された通孔28bは前記移動台車
4A〜4Dの上面に形成されたボス29aが嵌入される
ためのものである。
【0034】前記底型枠7Aは、図14に示されるよう
に、底型枠ベース7Bの升状突体30上に載置され、か
つ升上突体30と方形枠状突壁29との間に、面板4
2,43及び補強材45からなる面パネル11A〜11
Dと、緩衝パネル13A〜13Dとが同時に嵌合される
ようになっている。
【0035】他方、前記移動外型枠3A〜3Dは、図1
5〜図17等に示されるように、下端部に走行レール5
A内に沿って移動自在の走行体40を備えるメイン支柱
32の部材長手方向の適所の位置において、平面視の状
態で走行レール5Aを対角線方向とする直交2方向に対
しそれぞれセキ板37A・37Bのコラムクランプとな
る横桟33,34を固定し、かつ各横桟33,34の中
間を共通的に支持する縦桟36,36を設けるととも
に、各横桟33,34の先端部を共通的に支持する補助
支柱35を設けた壁面架構であり、前記補助支柱35の
下端には図11に示されるように、ローラ41aを有す
る走行体41が設けられ、移動外型枠3A〜3Dが自立
した状態で前記移動台車4A〜4Dと同様、走行レール
5A〜5Dに沿って移動自在となっている。
【0036】前記横桟33,34はそれぞれ外殻PCa
柱の断面サイズ変更が容易に行えるように、その張出し
長さが調整可能となっている。具体的には、図18およ
び図19に示されるように、各横桟33,34の基端側
部分に部材長手方向に沿って適宜の間隔で縦方向通しの
ボルト通孔33a,34a…を形成しておき、メイン支
柱32に横桟固定のために設けられたクランプ受け37
と前記横桟33,34とを固定ボルト38,39によっ
て固定するに当たり、横桟33,34に形成された前記
ボルト通孔33a,34a…を任意に選定可能としてお
く。このように構成された断面L字状の壁面架構の内面
側に、縦方向に沿って端太材代わりとなる補助支柱1
8,18…を複数箇所に配設するとともに、その外側に
セキ板37A、37Bを配置し、外殻PCa柱の外周型
枠面(4面)の内、残りの2外型枠面を分担させるよう
にしたものである。
【0037】ところで、前記固定外型枠2、内型枠6と
移動外型枠3A〜3Dとの相対的サイズ関係に係り、前
記固定外型枠2と内型枠6とは、製作される外殻PCa
柱の高さ変更があっても共通的に使用可能なように、移
動外型枠3A〜3Dに比べて十分な高さとなっており、
一方移動外型枠3A〜3Dは製造される外殻PCa柱に
合わせた高さとなっている。つまり、前記固定外型枠2
と内型枠6とは製作される外殻PCa柱の高さが変わっ
ても汎用的に使用できるように十分な高さとしておき、
製作される外殻PCa柱の高さを変更したい場合には、
前記移動外型枠3A〜3Dの高さのみを変えれば良いよ
うになっている。
【0038】また、外殻PCa柱の断面サイズを容易に
変更可能とするために、固定外型枠2については、製作
される外殻PCa柱の断面サイズ変更があっても共通的
に使用可能なように各十字壁面の張出し長さを十分な長
さとする一方、移動外型枠3A〜3Dについては、前述
のように横桟33,34の張出し長さを変更するととも
に、底型枠ユニット7および内型枠6のサイズを変更す
ることにより容易に対応できるようになっている。
【0039】前述した外型枠装置1を用いて外殻PCa
柱を製造するに当たっては、先ず固定外型枠2から移動
台車4A〜4Dおよび移動外型枠3A〜3Dをそれぞれ
離間させた状態としておき、前記移動台車4A〜4Dの
上に底型枠ユニット7を載置するとともに、この底型枠
ユニット7上に内型枠6を載置する。
【0040】前記底型枠ユニット7および内型枠6のセ
ットが完了したならば、内型枠6の周りに剪断補強筋を
高さ方向に適宜の間隔で配設する。配筋は、図20に示
される吊り治具8を用い、移動台車4A〜4Dに搭載さ
れた内型枠6の周囲に先組された鉄筋Dを一気に落とし
込みによって設置する。なお、前記吊り治具8は、その
まま塞ぎ型枠として用いられる。また、吊り治具8が既
に形状が固定されて動かなくなっている内型枠6に固定
されることで、鉄筋Dの位置も正確に決まるようになる
とともに(図24参照)、外型枠2、3A〜3Dがまだ
セットされていないため、鉄筋Dの状態が容易に確認で
きるようになる。
【0041】吊り治具8は、内部に方形の開口が形成さ
れ、平面ロ字形状に成形された方形枠板21を吊り治具
本体として、その上面側において、それぞれの辺に部材
長手方向に沿って、かつ方形枠板の開口縁に起立壁面を
合わせて配設固定された断面L字形状のアングル部材2
2A〜22Dを設けるとともに、各隅部位置に、方形枠
板21に配設固定された断面L字状の掛止金具取付け台
23A〜23Dと、この掛止金具取付け台23A〜23
Dに取り付けられたJ字状のフック金具24A〜24D
およびこのフック金具24A〜24Dの基端部に螺設さ
れた引込み用ナット24a〜24dとからなる先組鉄筋
Dに対する掛止金具K、K…を取り付けたものである。
【0042】以下、さらに具体的に詳述すると、前記方
形枠板8は、そのまま外殻PCa柱を製造をするための
型枠装置1の上面塞ぎ型枠として利用できるように、各
辺の幅は少なくとも製造される外殻PCa柱の壁厚相当
または壁厚以上とされる。すなわち、外型枠の上面に対
して前記方形枠板8を固定させる場合には、その固定が
わの辺については外殻PCa柱の壁厚以上の幅としてお
き、移動外型枠3A〜3Dの上面に対してボルト等によ
って固定できるようにする。本例では、前述のように固
定外型枠2については移動外型枠3A〜3Dよりも相対
的に高さを高くしてあるため、構成4辺の内、固定外型
枠2に対して接する二辺は外殻PCa柱の壁厚相当の幅
とし、移動外型枠3A〜3Dに接する二辺について移動
外型枠3A〜3Dの上面に対する固定のために広幅とし
てある。これらの側辺には該方形枠板21を塞ぎ型枠と
して固定するためのボルト通孔21e〜21hが形成さ
れている。また、開口寸法については、前述した内型枠
6の外形寸法とほぼ同じ大きさとしてある。
【0043】また、前記方形枠板8の各隅部には、縦方
向筋40が嵌入される縦筋嵌入用切欠き部21a〜21
dが形成されている。この縦筋嵌入用切欠き部21a〜
21dは、縦方向筋40がコンクリート打設空間内に配
置されるようにするために設けられた切欠きであり、コ
ンクリートが打設される際のエア抜き孔ともなる。な
お、吊り治具8を外殻PCa柱以外の通常の吊り込み用
として用いる場合には、前記縦筋嵌入用切欠き21a〜
21dを省力することもできる。また、エア抜き孔につ
いては、上記のもの以外に別途、アングル部材22A〜
22Dを方形枠板8と共に貫いて各辺毎に3カ所(符号
22a〜22c)づつ形成してある。
【0044】次いで、方形枠板8の上面に固定されたア
ングル部材22A〜22Dは、吊りワイヤーを掛止させ
るための金具として、および内型枠6に対する連結のた
めに設けられた部材であり、起立壁面に設けられた2つ
の通孔22f、22gと共に面パネル11A〜11Dを
貫通させたボルトにより吊り治具8と内型枠6とを相互
に連結するようになっている。
【0045】また、前記アングル部材22A〜22Dの
両側部には、側板22d、22eが固定されており、こ
の側板22d、22eに形成された吊り孔にたとえばシ
ャックルを止め、吊りワイヤによって吊持するようにな
っている。
【0046】鉄筋組から内型枠6周面位置への配筋まで
の一連の作業は、下記に示す手順によって行われる。
【0047】内型枠6の周囲に、所謂フープ筋と言われ
る方形形状の剪断補強筋52,52…を高さ方向に沿っ
て所定の間隔で配置するために、通常は図21に示され
る先組用ラック9が用いられる。この先組用ラック9
は、一方の面に高さ方向に所定の間隔で鉄筋棚9a、9
a…(9b、9b…)が固定された左右一対のラック壁
9A、9Bからなり、これらのラック壁9A、9Bを対
面配置の状態で向かい合わせ、同じ高さ位置にある鉄筋
棚9a,9bに横架させて剪断補強筋52を各段毎に設
置した後、剪断補強筋52内の四隅部分にそれぞれ縦方
向筋51,51…を配設し、この縦方向筋51と各剪断
補強筋52,52…とを番線等により緊縛して先組鉄筋
Dの組立を行うものある。
【0048】組立が完了したならば、最上部の剪断補強
筋52よりも上方に突出させてある縦方向筋51,51
…に対して吊り治具8を取り付ける。取付けは、方形枠
板21の内側四隅位置に前記縦方向筋51,51が配設
されるように、上方側から前記吊り治具8を落とし込
み、各縦方向鉄筋51位置において、フック金具24A
〜24DのU字状部を縦方向に掛止させるとともに、基
端側のネジ部を掛止金具取付け台23A〜23Dの通孔
に挿通し、次いで背面側においてナット24a〜24d
を螺設するとともに、このナット24a〜24dをフッ
ク金具24A〜24Dの引込み方向に回して前記縦方向
筋51を縦筋嵌入用切欠き部21a〜21d内に引き寄
せ、縦筋嵌入用切欠き部21a〜21dの底部と前記フ
ック金具24A〜24Dとにより押圧保持することによ
って固定する。なお、前記縦方向筋51には長手方向に
適宜の間隔で周方向に沿った節が形成されており、前記
フック金具24A〜24Dによる締付けにより抜け出す
ことはない。
【0049】先組鉄筋Dに対する吊り治具8の取付けが
完了したならば、吊り治具8上面に固定されたアングル
部材22A〜22Dの任意の吊り孔を利用して吊りワイ
ヤをシャックルなどを介して連結し、所定の吊り上げ設
備によって吊り状態で支持する。先組鉄筋Dを吊り支持
した状態で前記ラック壁9A、9Bを側方に移動させた
ならば上方に引き上げ、図22に示されるように、方形
枠板21の開口内部に、既に組み上がっている前記内型
枠6を挿入させながら所定の位置まで吊り降ろす。この
際、吊り治具8の開口が内型枠6の外形に合っているた
め、自動的に縦方向筋51が所定の位置に位置決めさ
れ、かつ剪断補強筋52,52…が間接的に所定の位置
に位置決めされる。また、同時に方形枠板21により内
型枠6の周囲が拘束される。なお、四隅にある縦方向筋
51,51…は、方形枠板21の各縦筋嵌入用切欠き部
21a〜21d内に収まっているため、先組鉄筋Dの落
とし込みの際に障害となることはない。
【0050】以上の要領にて、前記内型枠6をセット
し、次いでこの内型枠6に対して剪断補強筋のセットが
完了したならば、移動台車4A〜4Dを走行レール5A
〜5Dに沿って、かつ固定外型枠2に密着させるまで移
動させた後、前記移動外型枠3A〜3Dを固定外型枠2
側に移動させる。移動外型枠3A〜3Dを、固定外型枠
2のセキ板19A、19Bと移動外型枠3A〜3Dのセ
キ板37A,37Bとにより閉塞された囲繞空間が形成
される位置まで移動させたならば、クランプ締め具2
0,20…により固定外型枠2に対して前記移動外型枠
3A〜3Dを堅固に緊結する。
【0051】さらに、図23および図24に示されるよ
うに、方形枠板21の上面に形成されたボルト通孔21
e〜21hに対しボルト53,53…を挿入し、移動外
型枠3A〜3Dに対して吊り治具8を固定する。また、
吊り治具8の上面に固定されたアングル部材22A〜2
2Dの起立壁面に形成された通孔22f、22gに対し
て面パネル11A〜11Dを共に貫く内型枠固定ボルト
54,54…を挿入して、該吊り治具8と内型枠6とを
堅固に連結させる。
【0052】以上の工程によりすべての型枠設置作業が
完了したならば、図24に示されるように、下側に設け
られたコンクリート注入口55から高強度で高流動性の
コンクリートをポンプ圧入し、その後吊り治具8の上部
に設けたエア抜き口22a〜22cからコンクリートが
漏出したことを確認しコンクリート打設作業を完了す
る。
【0053】その後、コンクリートが硬化するのを待
ち、脱型作業に入る。脱型は先ず移動外型枠3A〜3D
を固定外型枠2から切り離す前に先ず内型枠6を解体す
る。内型枠6の解体は、図24に示される状態から先
ず、内部に充満されている圧搾空気を抜いてエアチュー
ブ10を撤去する。この際、エアチューブ10は緩衝パ
ネル13A〜13によって保護されているため補強材4
5に引っ掛かることはなく容易かつ安全に撤去が可能で
ある。
【0054】次いで、緩衝パネル13A〜13Dを引き
抜いて撤去した後、外型枠2,3A…の天端よりも上方
に突出している面パネル11A〜11Dの上端部に水平
外力を加え、補強材45下端(P点)を支点として前記
面パネル11A〜11Dを内側に倒し、コンクリート面
から剥離させる。この内倒しの際に、補強材24の下端
に予めテーパー45aが形成されていること、および前
記緩衝パネル13A〜13Dが撤去されていることによ
って「遊び」が確保されていることにより面パネル11
A〜11Dの傾倒が容易になる。
【0055】以上の工程により、内型枠6の解体が完了
したならば、次に作業床Fに連結された、レバーブロッ
ク等の引込み手段から繰り出されたワイヤの先端を前記
移動外型枠3A〜3Dに連結し、前記レバーブロック操
作によって前記移動外型枠3A〜3Dを外殻PCa柱か
ら剥離させると共に所定の離間位置まで移動させる。ま
た、同様の方法により移動台車4A〜4Dについても製
作された外殻PCa柱を載せたまま、固定外型枠2から
剥離させると共に所定の離間位置まで移動させ、4t程
度のユニック車により前記製作された外殻PCa柱を荷
台上に積み上げ、所定のストック場所まで運搬する。上
記工程を1サイクルとして繰り返すことにより多数の外
殻PCa柱を効率的に製造することができる。
【0056】本型枠装置1では、固定外型枠2の各L字
壁面を夫々利用することにより同時併行的に4体の外殻
PCa柱の製作が可能となる。また、各L字壁面におけ
る製作が独立的に行えるため、たとえば各L字壁面毎に
全く異なるサイズの外殻PCa柱を製造することも可能
となる。図25に示される例は、固定外型枠2の十字部
材を境に、右側の上下2つのL字壁面において相対的に
大サイズの外殻PCa柱を製作し、かつ左側の上下2つ
のL字壁面において相対的に小サイズの外殻PCa柱を
製作している状態を示したものである。
【0057】本型枠装置1の最も好適な実施態様は、も
ちろん図1に示されるように、固定外型枠2を断面十字
状の外型枠とし、移動外型枠3A〜3Dを断面L字状の
外型枠としたケースであるが、製作本数が少なくて済
む、或いは製作ヤードが非常に狭いため十字外型枠の設
置が困難である等の事情がある場合には、図26に示さ
れるように、横断面T字状の固定外型枠2’とし、2体
の外殻PCa柱を併行して製作できるようにしてもよ
い。さらに、極端な例では断面L字状の固定外型枠と、
同じく断面L字状の移動外型枠とによって外型枠装置を
構成することも可能である。
【0058】ところで、本発明は外殻PCa柱の計4つ
の外型枠面を固定外型枠2と移動外型枠3A〜3Dとで
均等に2面づつ分担させる場合に限定されるものではな
い。たとえば、図27に示されるように、前記固定外型
枠2のL字壁面の一方端側からさらに固定壁2a〜2d
を設け、4面の外型枠の内、3面を固定外型枠によって
分担させ、残る1型枠面のみを移動外型枠3E〜3Hに
よって分担させるようにしてもよい。但し、この場合に
は、詳述した図1の外型枠装置1に比べて、断面サイズ
の変更が困難である、移動外型枠3E〜3Hが単独では
自立しないため支保構造がやや大掛かりとなるなどの不
利を伴う。
【0059】さらに、製造される外殻PCa柱の外形状
に関しても、四角形状のものに限定されるものではな
い。五角形、六角形等の多角形状の外殻PCa柱であっ
ても、外殻PCa柱の合計外型枠面数を固定外型枠と移
動外型枠とにより夫々分担させるようにすればよい。
【0060】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、型
枠組立および配筋作業の大幅な省力化および精度向上が
図れるようになるとともに、限られたスペースを有効に
活用しながら、高い作業効率でかつ高品位の外殻PCa
柱が製作出来るようになる。また、作業に熟練を要しな
いなど、種々の利点がもたらされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る型枠装置1の要部概略斜視図であ
る。
【図2】その平面図である。
【図3】要部拡大平面図である。
【図4】固定外型枠2の側面図である。
【図5】クランプ締め具20の正面図である。
【図6】クランプ締め具20による緊結要領図である。
【図7】移動台車4Aの正面図である。
【図8】移動台車4Aの底面図である。
【図9】内型枠6および底型枠ユニット7の斜視図であ
る。
【図10】内型枠6の分解図である。
【図11】底型枠7Aの平面図である。
【図12】底型枠7Aの縦断面図(図11のXII−XII
線)である。
【図13】底型枠ベース7Bの平面図である。
【図14】底型枠ベース7Bの縦断面図(図13のXIV
−XIV線)である。
【図15】移動外型枠3Aの側面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線矢視図である。
【図17】図15のA部拡大図である。
【図18】移動外型枠4Aの要部拡大平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線矢視図である。
【図20】吊り治具8の平面図である。
【図21】先組鉄筋Dの組立要領図である。
【図22】先組鉄筋Dの吊り込み要領図である。
【図23】型枠設置完了状態時の平面図である。
【図24】コンクリート充填完了状態時の縦断面図であ
る。
【図25】異サイズ外殻PCa柱の製作要領平面図であ
る。
【図26】型枠装置1の変形例図である。
【図27】型枠装置1の他の変形例図である。
【符号の説明】
1…型枠装置、2…固定外型枠、3A〜3D…移動外型
枠、4A〜4D…移動台車、5A〜5D…走行レール、
6…内型枠、7…底型枠ユニット、8…吊り治具、10
…エアチューブ、11A〜11D…面パネル、12A〜
12D…コーナーパネル、13A〜13D…緩衝パネ
ル、14…脚部繋ぎ材、15…頭部繋ぎ材、16…縦
桟、17・33.34…横桟(コラムクランプ)、18
…補助支柱、19A・19B・37A・37B…セキ
板、20…クランプ締め具、F…コンクリート作業床、

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製造される外殻PCa柱部材の壁厚分の隙
    間を空けて内型枠と外型枠とを設置するとともに、これ
    ら内型枠と外型枠との間に鉄筋を配設した状態とした
    後、これら内型枠と外型枠との間の空間部分にコンクリ
    ートを充填することにより外殻PCa柱部材を製造する
    方法において、 前記内型枠を設置した後、この内型枠の周囲に鉄筋を配
    置し、次いで外型枠を前記鉄筋の周囲に設置する手順に
    より型枠組立および配筋作業を行うことを特徴とする外
    殻PCa柱部材の製造方法。
  2. 【請求項2】製造される外殻PCa柱部材の壁厚分の隙
    間を空けて内型枠と外型枠とを設置するとともに、これ
    ら内型枠と外型枠との間に鉄筋を配設した状態とした
    後、これら内型枠と外型枠との間の空間部分にコンクリ
    ートを充填することにより外殻PCa柱部材を製造する
    方法において、 前記外型枠を構成する全型枠面の内、少なくとも1面以
    上の型枠面を起立状態で対地固定とし、かつ残る型枠面
    については所定の形状に組み上げた状態で移動可能とし
    ておき、 一方、製作ヤード上に移動台車を配設するとともに、こ
    の移動台車上に、内型枠の下部位置決め部材を載置する
    とともに、この下部位置決め部材により相対的移動を拘
    束した状態で前記内型枠を載置し、 次いで、前記移動台車を固定外型枠から離間させた状態
    で、内型枠の周囲に先組みされた鉄筋を配置した後、移
    動台車を前記固定外型枠に対して接合させるとともに、
    移動外型枠を前記固定外型枠に対して接合し、両者を堅
    固に連結した後、上面に配設された塞ぎ型枠によって内
    型枠の上部位置を固定し、 前記外型枠の下部に形成された注入口より内型枠と外型
    枠とによって挟まれた空間部分にコンクリートを圧入に
    よって充填することを特徴とする外殻PCa柱部材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記固定外型枠は十字横断面形に構築され
    た壁面構造体の各L字壁面部分をそれぞれ、製造される
    外殻PCa柱部材毎の型枠面とする対地固定の型枠と
    し、前記移動外型枠はL字横断面形に構築された壁面構
    造体のL字壁面部分を型枠面とする移動自在の型枠とす
    る請求項2記載の外殻PCa柱部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記下部位置決め部材は内型枠の下端部が
    嵌合される嵌合溝が形成された底型枠または底型枠ベー
    スである請求項2,3いずれかに記載の外殻PCa柱部
    材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記塞ぎ型枠は、吊り治具によって先組鉄
    筋を吊り上げた状態から、枠板の開口部内に内型枠を挿
    入させながら所定の位置まで吊り降ろし、その後、該吊
    り治具を解体することなく、そのまま塞ぎ型枠として使
    用するものである請求項2〜4いずれかに記載の外殻P
    Ca柱部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012240374A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Taisei Corp 柱部材の製造方法および柱部材
CN108490023A (zh) * 2018-03-20 2018-09-04 宁波和邦检测研究有限公司 一种建筑门窗保温性能检测装置及其检测方法

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