JP2000068744A - 2逓倍回路 - Google Patents

2逓倍回路

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JP2000068744A JP10231691A JP23169198A JP2000068744A JP 2000068744 A JP2000068744 A JP 2000068744A JP 10231691 A JP10231691 A JP 10231691A JP 23169198 A JP23169198 A JP 23169198A JP 2000068744 A JP2000068744 A JP 2000068744A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波形が歪んでいても、正弦波信号から2倍の
周波数を有するデューティ比1の方形波信号を得る。 【解決手段】 入力信号を第1のギルバート形掛け算回
路1で自乗掛け算して、掛け算出力を2分周器2に与
え、2相の2分周出力を得る。該2分周出力を第2のギ
ルバート形掛け算回路3に入力し、2逓倍出力の直流レ
ベルを、負帰還回路4により、検波抽出し、増幅して、
2分周器2のオフセット調整端子31−32間に与え
る。この負帰還回路4の負帰還により、結果として、デ
ューティ比がほぼ1となる2逓倍出力波形が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力信号の2倍の
周波数を有する信号を得るための2逓倍回路に係り、特
に歪を多く含む波形の入力信号からも、デューティ比が
ほぼ“1”となる2逓倍信号出力を得るための2逓倍回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】入力信号からその2倍の周波数を有する
信号を得るための2逓倍回路は、種々の信号処理に用い
られる。2逓倍回路においては、所定のデューティ比の
方形波パルスの形で、2逓倍出力を得ることが要求され
ることが少なくない。多くの場合には、特にデューティ
比1(つまり1対1)のいわゆる50%デューティの2
逓倍出力を必要とする。
【0003】ディジタル信号の方形波パルス等を2逓倍
して、2倍の周波数で且つ所定のデューティ比の方形波
パルスを得る従来の2逓倍回路としては、例えば特開昭
61−134116号公報に開示された2逓倍回路があ
る。
【0004】特開昭61−134116号公報による2
逓倍回路は、MOS(金属酸化物半導体)電界効果トラ
ンジスタの可変抵抗素子及び容量とからなる時定数回路
で構成され、π/mの基準位相量及び前記基準位相量の
2倍の位相量をそれぞれ遅延するように設定された2つ
の可変遅延回路と、入力信号と前記2倍の位相量を有す
る可変遅延回路を介して出力される前記入力信号の遅延
信号との位相差をハイ又はローのレベル信号に変換する
位相差検出手段と、前記レベル信号を積分し前記2つの
可変遅延回路におけるMOS電界効果トランジスタのゲ
ートにそれぞれ遅延位相量制御信号として帰還する積分
回路と、前記入力信号と前記基準位相量を遅延する遅延
回路を介して出力される遅延入力信号の2つを入力とす
る排他的論理和回路からなる出力回路とを含んでいる。
【0005】この特開昭61−134116号公報の2
逓倍回路においては、入力信号周波数が変った際の入力
信号と基準遅延位相との位相差は、可変遅延回路出力と
の間にあらわれる位相差として位相差検出手段を介して
間接的に検知され、遅れ又は進みに応じハイ又はローの
レベル信号に変換される。該レベル信号は積分回路で積
分されそのレベル反転出力は2つのMOS電界効果トラ
ンジスタのゲート電位を同時に制御し、それぞれの遅延
位相量の補正が行なわれる。すなわち、可変遅延回路出
力に遅れが検出されたときは遅延位相量を減少せしめ、
また、逆のときは増大せしめるように作用して、入力信
号と基準位相を遅延する遅延回路の出力信号との位相関
係は入力信号周波数の変化に応答し、所定のデューティ
比を常に保持するように動作する。
【0006】一方、入力信号がアナログ正弦波信号であ
る場合に、従来、ギルバート形掛け算回路(図3参照)
又は全波整流回路(図7参照)を単体又はその出力信号
を適宜波形整形することにより、2逓倍回路として用い
ていた。しかしながら、これらの構成では、出力のデュ
ーティ比は1にはならない(図5の(2)又は図9の波
形参照)。
【0007】また、デューティ比が1となる2逓倍回路
としては、例えば図11に示す回路がある。
【0008】図11の2逓倍回路は、バイアス端子23
0〜232、入力端子229、出力端子21、22、抵
抗107、108、111、112、207〜209、
トランジスタ123〜130、216、コンデンサ13
5、136、219、220、定電流源138、222
及びバッファ225、226で構成されている。
【0009】入力端子229から入力された信号は、抵
抗209、コンデンサー220で分圧される(コンデン
サ219は大容量のカップリング用コンデンサなので無
視することができる)。抵抗209の両端の信号は、ト
ランジスタ125及び128のベースと、トランジスタ
126及び127のベースとの間に印加され、コンデン
サ220の両端の信号は、トランジスタ129のベース
と、トランジスタ130のベースとの間に印加される。
ここで両者の信号位相差は、90°になっているので、
これらの掛け算出力は、デューティ比が1の2逓倍信号
となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示すようにコンデンサと抵抗の組み合わせによって、
所要の位相シフト処理、すなわち移相処理、を施すこと
ができる波形は、正弦波に限られる。歪みの大きな波形
では、高調波成分もそれぞれ90度移相されてしまい、
波形が大きく変形してしまうからである。よって、それ
らの掛け算出力も、意図する2逓倍出力にはなり得な
い。すなわち、この図11に示した2逓倍回路には、歪
みの大きな信号には適さないという問題がある。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、正弦波信号から、波形が歪んでいても、2倍の
周波数を有するデューティ比1の方形波信号を得ること
を可能とする2逓倍回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係る2逓倍回路は、入力信号
を自乗する第1の乗算回路と、前記第1の乗算回路の出
力レベルが基準レベルを第1の方向に横切るときに極性
を反転する第1の分周出力及び該第1の乗算回路の出力
レベルが基準レベルを第1の方向とは逆の第2の方向に
横切るときに極性を反転する第2の分周出力を得て、前
記第1の乗算回路の出力を二分の一の周波数に分周した
2相の分周出力とする2分周器と、前記2分周器の2相
の分周出力を相互に乗算して前記入力信号の2逓倍出力
を得る第2の乗算回路と、前記第2の乗算回路の2逓倍
出力の直流レベルを前記2分周器に負帰還して、該直流
レベルをゼロとするように2分周器の前記基準レベルを
制御する負帰還回路と、を具備する。
【0013】前記第1及び第2の乗算回路の少なくとも
一方は、ギルバート形掛け算回路を含んでいてもよい。
【0014】前記第1の乗算回路の前段に、入力信号を
利得制御して振幅レベルを適正値に制御する自動利得制
御回路をさらに設けていてもよい。
【0015】また、本発明の第2の観点に係る2逓倍回
路は、入力信号を全波整流する全波整流回路と、前記全
波整流回路の出力レベルが基準レベルを第1の方向に横
切るときに極性を反転する第1の分周出力及び該全波整
流回路の出力レベルが基準レベルを第1の方向とは逆の
第2の方向に横切るときに極性を反転する第2の分周出
力を得て、前記全波整流回路の出力を二分の一の周波数
に分周した2相の分周出力とする2分周器と、前記2分
周器の2相の分周出力を相互に乗算して前記入力信号の
2逓倍出力を得る乗算回路と、前記乗算回路の2逓倍出
力の直流レベルを前記2分周器に負帰還して、該直流レ
ベルをゼロとするように2分周器の前記基準レベルを制
御する負帰還回路と、を具備する。
【0016】前記乗算回路は、ギルバート形掛け算回路
を含んでいてもよい。
【0017】前記全波整流回路の前段に、入力信号を利
得制御して振幅レベルを適正値に制御する自動利得制御
回路をさらに設けていてもよい。
【0018】本発明の2逓倍回路においては、乗算回路
又は全波整流回路、該乗算回路又は全波整流回路の出力
レベルが基準レベルを第1の方向に横切るときに極性を
反転する第1の分周出力及び該乗算回路の出力レベルが
基準レベルを第1の方向とは逆の第2の方向に横切ると
きに極性を反転する第2の分周出力を得て、該乗算回路
の出力を二分の一の周波数に分周した2相の分周出力と
する2分周器、及び該2分周器の2相の分周出力を相互
に乗算して前記入力信号の2逓倍出力を得る乗算回路を
有し、該2逓倍出力の直流レベルを負帰還回路により、
前記2分周器に負帰還して、該直流レベルをゼロとする
ように2分周器の前記基準レベルを制御する。したがっ
て、波形が歪んだ正弦波信号からも、2倍の周波数を有
し且つデューティ比1の方形波信号を得ることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0020】図1〜図5を参照して本発明による2逓倍
回路の第1の実施の形態を説明する。
【0021】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
2逓倍回路の全体の構成を示しており、図2は該第1の
実施の形態の2逓倍回路に用いる2分周器、図3は該第
1の実施の形態の2逓倍回路に乗算回路として用いるギ
ルバート形掛け算回路、そして図4は該第1の実施の形
態の2逓倍回路に用いる負帰還回路の回路構成をそれぞ
れ示している。また、図5は、該第1の実施の形態の2
逓倍回路における各部動作波形を示している。
【0022】図1に示す2逓倍回路は、第1のギルバー
ト形掛け算回路1,2分周器2、第2のギルバート形掛
け算回路3及び負帰還回路4を備えている。
【0023】第1のギルバート形掛け算回路1は、乗算
回路であり、上段入力が与えられる端子5及び6と、下
段入力が与えられれる端子7及び8とを有し、これら上
段入力と下段入力との掛け算の結果としての掛け算出力
を、端子9−10間に出力する。ここでいう上段入力及
び下段入力とは、それぞれ図3における端子5−6間及
び端子7−8間に与えられる入力であり、この場合、上
段入力及び下段入力には、共に入力信号が共通に供給さ
れる。したがって、第1のギルバート形掛け算回路1に
よる掛け算は、実質的に入力信号を自乗する掛け算とな
る。
【0024】2分周器2は、第1のギルバート形掛け算
回路1の端子9及び10からの掛け算出力が端子11及
び12に入力され、その入力のデューティ比に応じた位
相差を相互間に有する2相の2分周出力を得て、これら
2種の2分周出力をマスタ段出力として端子13−14
間及びスレーブ段出力として端子15−16間に出力す
る。ここでいうマスタ段出力、及びスレーブ段出力と
は、図2における端子13−14間、及び端子15−1
6間にあらわれる出力であり、これらの出力間位相差
は、端子31−32間に与えられるオフセット調整入力
によって制御される。
【0025】第2のギルバート形掛け算回路3は、やは
り乗算回路であり、上段入力が与えられる端子17及び
18と、下段入力が与えられれる端子19及び20とを
有し、これら上段入力と下段入力との掛け算の結果とし
ての掛け算出力を、端子21−22間に出力する。ここ
でいう端子17−18間の上段入力及び端子19−20
間の下段入力も、それぞれ図3における端子5−6間及
び端子7−8間に与えられる入力に対応する。この場
合、上段入力及び下段入力には、それぞれ2分周器2の
マスタ段出力とスレーブ段出力が供給される。
【0026】負帰還回路4は、第2のギルバート形掛け
算回路3の端子21−22間出力を入力として端子23
−24間で受け、その直流成分を抽出し、増幅して、端
子25−26間に出力する。該端子25−26間の出力
は、2分周器2のオフセット調整端子31−32間に印
加される。
【0027】図2は、2分周器2の具体的な構成例を示
す回路構成図であり、一般的なマスタスレーブ形のD
(ディレイ)−フリップフロップ(DFF)タイプの分
周器である。該2分周器2は、端子11〜16、31、
32、抵抗101〜106、バイポーラトランジスタ1
13〜122、コンデンサ131、132、定電流源1
37及びバッファ139〜142を具備する。
【0028】端子11及び12は入力信号端子であり、
該端子11−12間の入力信号が2分周された2相の分
周出力信号が、マスタ段出力端子13−14間、スレー
ブ段出力端子15−16間に出力される。ここで、両分
周出力間の位相差は、入力信号のデューティ比及びオフ
セット調整端子31−32間に入力される直流電圧値に
よって決定される。
【0029】図3は、第1のギルバート形掛け算回路1
及び第2のギルバート形掛け算回路3の具体的な構成例
を示す回路構成図である。信号端子5〜10、バイアス
端子145〜147、抵抗107〜112、バイポーラ
トランジスタ123〜130、コンデンサー133〜1
36、定電流源138及びバッファ143、144を具
備する。上段入力端子5−6間と、下段入力端子7−8
間にそれぞれ入力された信号を乗算すなわち掛け算した
結果の掛け算出力が、出力端子9−10間に出力され
る。
【0030】図4は、負帰還回路4の具体的な構成例を
示す回路構成図である。端子23〜26、差動増幅器3
01、バッファ302、303及びコンデンサ304を
具備する。入力端子23−24間の交流信号をコンデン
サ304で平滑して、接続点305−306間に直流分
を取り出し、その直流電圧を差動増幅器301で増幅し
て端子25−26間に出力する。
【0031】次に、図1の2逓倍回路の動作について、
図5に示す各部波形を参照して説明する。図5におい
て、(1)は入力信号波形、(2)は端子9−10間の
出力波形(すなわち端子11−12間の入力波形)、
(3)は端子13−14間の出力波形、(4)は端子1
5−16間の出力波形、そして(5)は端子21−22
間の出力波形を示している。
【0032】例えば、図5の(1)に示すような波形の
入力信号が入力された場合、第1のギルバート形掛け算
回路1の端子9−10間の掛け算出力の信号波形は、同
図(2)に示すようになる。ここで2分周器2がオフセ
ット調整端子31−32を備えていなければ(オフセッ
ト制御されなければ)、2分周器2から得られる2種の
2分周出力、すなわち端子13−14間のマスタ段出
力、及び端子15−16間のスレーブ段出力の信号波形
は、それぞれ同図(3)及び(4)に示すようになる。
【0033】ここで、同図(3)の波形の立ち上がり及
び立ち下がりは、同図(2)の信号波形の極性が−から
+に移行するポイント、また(4)の波形の立ち上がり
及び立ち下がりは同図(2)の信号波形の極性が反対に
+から−に移行するポイントに対応している。つまり、
(3)及び(4)の信号間の位相差は、(2)の波形の
デューティ比に依存し、図示の場合、両者の位相差は少
なくとも90°から大きくずれている。
【0034】さらにこのまま、これらの信号を、後段の
第2のギルバート形掛け算回路3に入力すると、出力端
子21−22間には、同図(5)のようにデューティ比
が1からずれた波形が得られることになる。図において
はデューティ比=c/dである。
【0035】ところが、本発明による図1の2逓倍回路
においては、出力端子21−22間の直流レベルを検波
抽出し、増幅して、2分周器2のオフセット調整端子3
1−32間に与える負帰還回路4を備えている。この負
帰還回路4の負帰還により、結果として、出力端子21
−22間には、デューティ比がほぼ1となる波形が得ら
れる。
【0036】次に、この理由について詳細に説明する。
今、出力端子21−22間に図5の(5)のような出力
波形が得られたとする。この出力波形の直流レベルV
DCは、図示のように極性が−(負)であり、この直流
レベルが、負帰還回路4によって、増幅され、2分周器
2のオフセット調整端子31−32間にフィードバック
される。フィードバックされた直流値は、2分周器2の
入力にオフセットVOF を与える。これは、図5の
(2)において、バイアス点を示す横軸を上方向にシフ
トさせることに相当し、それに伴いデューティ比(a/
b)も変化する。そのため、図5の(3)及び(4)に
示す信号の位相差も変化し、結果として、これら図5の
(3)及び(4)の信号の掛け算出力である図5の
(5)の信号におけるデューティ比に変化を与え、直流
レベルを+方向に動かす。このような負帰還ループの作
用により、出力21−22間の直流レベルは最終的にゼ
ロに収束するので、そのデューティ比は、ほぼ1とな
る。
【0037】上述したように、図1の2逓倍回路とする
ことにより次のような効果を得ることができる。
【0038】第1の効果は、入力信号の波形に制約がほ
とんど無いということである。このため、綺麗な正弦波
でなく発振器出力等の比較的大きな歪みを持つ信号に対
しても適用することができる。なぜならば、2分周器2
を移相回路、すなわち位相シフト回路、として使用して
いるためである。2分周器2から得られる、位相の異な
る2信号を第2のギルバート形掛け算回路3により掛け
算して、2逓倍出力を得ている。
【0039】例えば、一般的な移相回路や位相合成回路
は、入力波形が正弦波、もしくは、それに近い波形等の
整った波形であることを想定しており、上述したように
歪みが大きな波形の場合には、所望する移相処理又は位
相合成処理を達成することはできない。
【0040】第2の効果は、常に、デューティ比がほぼ
1の2逓倍出力を得ることができるということである。
なぜならば、負帰還ループによって、最終出力が制御さ
れているためである。回路の途中経路に多少誤差要因を
含んでいても、最終出力の直流レベルが必ずゼロになる
ように制御されている。出力波形は矩形波となっている
ため、直流レベルがゼロということは、その時のデュー
ティ比は1となるはずである(図5の(5)参照)。
【0041】もちろん、負帰還ループ経路内に誤差成分
が含まれることも考慮する必要はあるが、次に述べるよ
うに、デューティ比=1からのずれは、非常に小さいこ
とが、簡単な計算により見積もることができる。
【0042】まず、図5の(1)のような入力波形の
時、同図(2)の波形が得られる。このままでは、その
デューティ比a/bは、図から推定すると約1.5とな
り、デューティ比1に対して50%ずれている。
【0043】次に、本発明において、その2逓倍出力を
得るにあたり、図5の(2)に示すオフセットVOFF
が100mV必要だったとする。これは、図4の差動増
幅器301の出力電圧として100mVが必要であると
いうことを意味し、例えば、同差動増幅器301の直流
電圧利得を100とすると、その入力端子304−30
5間の直流電圧は1mVということになる。この電圧
は、端子23−24間(もしくは端子21−22間)の
信号を、コンデンサ304で平滑したものであり、図5
の(5)の波形における電圧VDCに相当する。また、
出力端子21−22間の最大振幅が、図5の(5)に示
すようにVであったとする。デューティ比kへの影響
は、これら電圧VDC及びVに依存し、次式のように
なる。
【0044】
【数1】デューティ比k=(1−VDC/V)/(1
+VDC/V
【0045】なぜならば、例えば、図5の(5)のよう
に、デューティ比=c/dのとき、その直流電圧値V
DCは、 1周期分の平均値VDC=(−c×V+d×V)/
(c+d) であるからである。k=c/dを用いて変形すると、数
1が得られる。
【0046】仮に、V=1Vであれば、 k=(1−0.001)/(1+0.001)=0.9
98 であり、デューティ比1からデューティ比のずれは、
0.2%となる。
【0047】さらに、負帰還回路4自体が入力オフセッ
ト電圧を例えば2mV持っている場合でも、それを加え
て最大3mVであり、上述と同様な計算よって、k=
0.988となり、デューティ比1からのずれは0.6
%程度に収まる。
【0048】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る
2逓倍回路の全体の構成を示している。図6は、図1の
第1のギルバート形掛け算回路1に代えて全波整流回路
33を用いている。
【0049】図6の2逓倍回路では、入力信号は全波整
流回路33の入力端子27−28間に与えられ、全波整
流回路33は、全波整流した出力を出力端子29−30
間に出力して、2分周器2の入力端子11−12間に供
給する。
【0050】この場合の全波整流回路33の具体的な構
成例を図7に示す。図7に示す全波整流回路33は、バ
イアス端子227、228、信号入力端子27、28、
信号出力端子29、30、抵抗201〜206、トラン
ジスター210〜215、コンデンサ217、218、
定電流源221及びバッファ223、224を具備す
る。このような、全波整流回路33によって図5の
(1)のような入力信号を全波整流することにより、図
5の(2)と同様の波形を得ることができる。
【0051】図8は、本発明の第3の実施の形態に係る
2逓倍回路の全体の構成を示している。図8に示す2逓
倍回路は、図1の構成における第1のギルバート形掛け
算回路1の前段に自動利得制御(AGC)回路(以下、
「AGC回路」と称する)401が設けられている。例
えば、図1の2逓倍回路において、端子5−6間及び7
−8間に入力される入力信号のレベルが、何らかの理由
により、想定していたよりも極端に大きくなってしまっ
た場合、2分周器2の入力端子11−12間に入力され
る波形は、図9のようになる。図9においては、信号波
形が飽和により大きくつぶされてしまっており、これで
は、2分周器2の入力にどんなにオフセットを与えて
も、デューティ比が1にならない。また、逆に極端に入
力レベルが小さくなった場合、2分周器2の入力レベル
も小さくなり、分周自体が不能になる可能性がある。
【0052】したがって、そのようなおそれがある場合
には、図8に示すように初段にAGC回路401を設
け、ギルバート形掛け算回路1に入力される信号のレベ
ルを抑えればよい。AGC回路401が、入力端子40
2及び403に与えられた入力信号の利得を制御して、
出力端子404及び405の間に適正な振幅の信号を得
る。
【0053】この実施の形態においては、入力信号のレ
ベル変動が大きい場合でも、良好な2逓倍動作を行なう
ことができるという新たな効果を奏する。
【0054】図10は、本発明の第4の実施の形態に係
る2逓倍回路の全体の構成を示している。図10に示す
2逓倍回路は、図6の構成における全波整流回路33の
前段にAGC回路406が設けられている。例えば、図
6の2逓倍回路においても、端子5−6間及び7−8間
に入力される入力信号のレベルが、何らかの理由によ
り、想定していたよりも極端に大きくなってしまった場
合、2分周器2の入力端子11−12間に入力される波
形は、図9のようになる。図9においては、信号波形が
飽和により大きくつぶされてしまっており、これでは、
2分周器2の入力にどんなにオフセットを与えても、デ
ューティ比が1にならない。また、逆に極端に入力レベ
ルが小さくなった場合、2分周器2の入力レベルも小さ
くなり、分周自体が不能になる可能性がある。
【0055】したがって、そのようなおそれがある場合
には、図10に示すように初段にAGC回路406を設
け、全波整流回路33に入力される信号のレベルを抑え
ればよい。AGC回路406が、入力端子402及び4
03に与えられた入力信号の利得を制御して、出力端子
404及び405の間に適正な振幅の信号を得る。
【0056】この実施の形態においても、入力信号のレ
ベル変動が大きい場合でも、良好な2逓倍動作を行なう
ことができる。
【0057】なお、図1、図6、図8及び図10の構成
において、図3に示したような構成のギルバート形掛け
算回路1及び3に代えて他の乗算回路を用いる構成とし
てもよく、図6及び図10の構成において、図7に示し
た構成の全波整流回路以外の全波整流回路を用いる構成
としてもよい。
【0058】また、図1におけるギルバート形掛け算回
路1及び3の具体例として、図3に回路構成を示した
が、第1のギルバート形掛け算回路1としては、想定さ
れる入力レベルに応じて、図3に示す回路のトランジス
タ129及び130のエミッタにエミッタ抵抗を追加し
た構成を用いてもよい。さらに、トランジスタ125〜
128のエミッタに、エミッタ抵抗を追加するようにし
てもよい。
【0059】さらに、図6における全波整流回路33の
具体例として、図7に回路構成を示したが、全波整流回
路33としては、想定される入力レベルに応じて、トラ
ンジスタ212〜215のエミッタに、エミッタ抵抗を
追加した構成を用いてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正弦波信号から、波形が歪んでいても、2倍の周波数を
有するデューティ比1の方形波信号を得ることを可能と
する2逓倍回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る2逓倍回路の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1の2逓倍回路に用いる2分周器の一例の構
成を示す回路構成図である。
【図3】図1の2逓倍回路に用いるギルバート形掛け算
回路の一例の構成を示す回路構成図である。
【図4】図1の2逓倍回路に用いる負帰還回路の一例の
構成を示す回路構成図である。
【図5】図1の2逓倍回路における動作を説明するため
の各部波形図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る2逓倍回路の
構成を示すブロック図である。
【図7】図6の2逓倍回路に用いる全波整流回路の一例
の構成を示す回路構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る2逓倍回路の
構成を示すブロック図である。
【図9】図8の2逓倍回路における動作を説明するため
の波形図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る2逓倍回路
の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の2逓倍回路の一例の構成を示す回路構
成図である。
【符号の説明】 1 ギルバート形掛け算回路 2 2分周器 3 ギルバート形掛け算回路 4 負帰還回路 5〜32 端子 33 全波整流回路 101〜112 抵抗 113〜130 トランジスタ 131〜136 コンデンサ 137,138 定電流源 139〜144 バッファ 145,146 端子 201〜206 抵抗 210〜215 トランジスタ 217、218 コンデンサ 221 定電流源 223,224 バッファ 227,228 端子 301 差動増幅器 302,303 バッファ 304 コンデンサ 401 自動利得制御(AGC)回路 402〜405 端子 406 自動利得制御(AGC)回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を自乗する第1の乗算回路と、 前記第1の乗算回路の出力レベルが基準レベルを第1の
    方向に横切るときに極性を反転する第1の分周出力及び
    該第1の乗算回路の出力レベルが基準レベルを第1の方
    向とは逆の第2の方向に横切るときに極性を反転する第
    2の分周出力を得て、前記第1の乗算回路の出力を二分
    の一の周波数に分周した2相の分周出力とする2分周器
    と、 前記2分周器の2相の分周出力を相互に乗算して前記入
    力信号の2逓倍出力を得る第2の乗算回路と、 前記第2の乗算回路の2逓倍出力の直流レベルを前記2
    分周器に負帰還して、該直流レベルをゼロとするように
    2分周器の前記基準レベルを制御する負帰還回路と、を
    具備することを特徴とする2逓倍回路。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の乗算回路の少なくとも
    一方は、ギルバート形掛け算回路を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の2逓倍回路。
  3. 【請求項3】前記第1の乗算回路の前段に、入力信号を
    利得制御して振幅レベルを適正値に制御する自動利得制
    御回路をさらに設けることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の2逓倍回路。
  4. 【請求項4】入力信号を全波整流する全波整流回路と、 前記全波整流回路の出力レベルが基準レベルを第1の方
    向に横切るときに極性を反転する第1の分周出力及び該
    全波整流回路の出力レベルが基準レベルを第1の方向と
    は逆の第2の方向に横切るときに極性を反転する第2の
    分周出力を得て、前記全波整流回路の出力を二分の一の
    周波数に分周した2相の分周出力とする2分周器と、 前記2分周器の2相の分周出力を相互に乗算して前記入
    力信号の2逓倍出力を得る乗算回路と、 前記乗算回路の2逓倍出力の直流レベルを前記2分周器
    に負帰還して、該直流レベルをゼロとするように2分周
    器の前記基準レベルを制御する負帰還回路と、を具備す
    ることを特徴とする2逓倍回路。
  5. 【請求項5】前記乗算回路は、ギルバート形掛け算回路
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の2逓倍回路。
  6. 【請求項6】前記全波整流回路の前段に、入力信号を利
    得制御して振幅レベルを適正値に制御する自動利得制御
    回路をさらに設けることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の2逓倍回路。
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