JP2000064950A - 斜板プランジャ式油圧装置 - Google Patents

斜板プランジャ式油圧装置

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JP2000064950A
JP2000064950A JP10235825A JP23582598A JP2000064950A JP 2000064950 A JP2000064950 A JP 2000064950A JP 10235825 A JP10235825 A JP 10235825A JP 23582598 A JP23582598 A JP 23582598A JP 2000064950 A JP2000064950 A JP 2000064950A
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pressure
cylinder
connection port
port
swash plate
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JP10235825A
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English (en)
Inventor
Mikihiro Takano
幹広 高野
Masashi Tanaka
正志 田中
Akihito Okuda
昭仁 奥田
Koji Terayama
公司 寺山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、シリンダ内圧力の急激な変化
を防止してサージ圧や負圧の発生を防ぐことができ、振
動・騒音を低減することのできる構成の斜板プランジャ
式油圧装置を提供する。 【解決手段】 吐出ポート18と繋がる吐出路20から
分岐した連通油路31を分配弁板7上に開口させ、膨張
行程を終了する前のシリンダ孔内に吐出路20内の圧力
を供給する。また、吸入ポート19と繋がる吸入路21
から分岐した連通油路33を分配弁板7上に開口させ、
圧縮行程を終了する前のシリンダ孔内の圧力を吸入路2
1内に放出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板プランジャ式
油圧ポンプ、モータ等の斜板プランジャ式油圧装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような斜板プランジャ式ポン
プ、モータにおいては、分配弁板における吸入ポートの
終了端と吐出ポートの開始端の間に予圧縮(閉じ込み圧
縮)区間を設けるとともに吐出ポートの終了端と吸入ポ
ートの開始端の間に予膨張(閉じ込み膨張)区間を設け
た構成のものが知られている。このような構成では、シ
リンダブロックの回転により、吸入ポートと対向して低
圧となっていたシリンダ内圧力を予圧縮区間において徐
々に増圧させ、また吐出ポートと対向して高圧となって
いたシリンダ内圧力を予膨張区間において徐々に減圧さ
せるものであり、これによりシリンダ内圧力が急激に変
化することが防止され、サージ圧や負圧の発生を防ぐこ
とができる。また、このような構成に加えて吐出ポート
及び吸入ポートの開始点側にV型ノッチを設けたものも
知られている。このような構成では、増圧時には吐出路
内の高圧をシリンダ内に徐々に供給し、また減圧時には
シリンダ内の高圧を吸入路内に徐々に放出させるので、
シリンダ内圧力の変化を滑らかにすることができる。
【0003】各シリンダ内圧力の変化は斜板に傾動軸ま
わりのモーメントを発生させるが、これらモーメントの
合力(以下、斜板モーメントと称する)の変動は、プラ
ンジャ、斜板、ケーシング等に加振力として伝達されて
振動や騒音の原因となる。特開平4−259675号公
報及び特開平4−259678号公報に開示されるよう
に、斜板モーメントの変動を抑制するには、各プランジ
ャにおける増圧時及び減圧時のシリンダ内圧力が所定の
シリンダ回転角度幅で滑らかに(すなわち所定の勾配
で)変化するように調整すればよいが、上記のように予
圧縮・予膨張区間及びV型ノッチのみの構成ではこのよ
うな調整は困難である。このためこのような構成に加え
て、吸入ポートと繋がる吸入路(低圧側)と連通した連
通油路を分配弁板上の予圧縮区間内に開口させるととも
に、吐出ポートと繋がる吐出路(高圧側)と連通した連
通油路を分配弁板上の予膨張区間内に開口させ、プラン
ジャが膨張行程から圧縮行程へ移行するときには吐出路
側のV型ノッチから吐出路内の高圧をシリンダ内へ供給
するとともにこの高圧の一部を連通油路から吸入路内に
放出させ、またプランジャが圧縮行程から膨張行程へ移
行するときにはシリンダ内の高圧を吸入路側のV型ノッ
チから吸入路内へ放出させるとともに吐出路内の高圧を
連通油路からシリンダ内へ供給する構成としたものもあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成では、
増圧時及び減圧時のシリンダ内圧力を所定の勾配で変化
させることができるので、サージ圧や負圧の発生を抑え
ることができるとともに斜板モーメントの変動を小さく
して油圧装置の振動・騒音を低減することができるが、
シリンダ内圧力を調整するためには複雑な作動油の給排
を行わねばならず、構造が複雑になり、また、様々な運
転状態でサージ圧や負圧の発生を抑えることができない
という問題があった。
【0005】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、構造が簡単で、シリンダ内圧力の急激な変
化を防止してサージ圧や負圧の発生を防ぐことができ、
振動・騒音を低減することのできる構成の斜板プランジ
ャ式油圧装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置
(例えば、実施形態における油圧ポンプ1)は、回転軸
(例えば、実施形態における入力軸3)を囲む環状配列
で軸方向に延びるとともに軸方向一端側に開口して形成
された複数のシリンダ孔を有してなるシリンダブロック
と、シリンダ孔内に配設された複数のプランジャと、シ
リンダブロックの上記一端側と対向するとともにプラン
ジャが摺接する斜板と、シリンダブロックの軸方向他端
側に配設された分配弁板とを有して構成される。その上
で、シリンダブロックの軸方向他端側には、各シリンダ
孔に連通する複数個の連結ポートが円周上に並んで形成
され、分配弁板には、シリンダブロックの回転に応じ連
結ポートを介して、圧縮行程にあるプランジャが摺合さ
れたシリンダ孔に連通する吐出ポートと、膨張行程にあ
るプランジャが摺合されたシリンダ孔に連通する吸入ポ
ートとが形成されており、吐出ポートに繋がる吐出路
と、吸入ポートに繋がる吸入路と、吐出路から分岐して
分配弁板上に開口し、膨張行程を終了する前のシリンダ
孔内に吐出路内の圧力を供給する第1の連通油路(例え
ば、実施形態における連通油路31)と、吸入路から分
岐して分配弁板上に開口し、圧縮行程を終了する前のシ
リンダ孔内の圧力を吸入路内に放出する第2の連通油路
(例えば、実施形態における連通油路33)とを有す
る。
【0007】このような構成では、シリンダ内圧力は膨
張行程が終了する前に低圧値から高圧値まで増圧され、
また圧縮行程が終了する前に高圧値から低圧値まで減圧
されるので、膨張行程から圧縮行程に移行して低圧から
高圧へ切換わるときや、圧縮行程から膨張行程に移行し
て高圧から低圧へ切換わるときにサージ圧や負圧が発生
することが防止される。またこれにより油圧装置の振動
・騒音を低減することができる。更に、シリンダ内圧力
の増圧時には吐出路内の高圧をシリンダ内へ供給し、ま
たシリンダ内圧力の減圧時にはシリンダ内の高圧を吸入
路内へ放出させるだけでよいので、シリンダ内圧力の調
整のための作動油の給排が単純化され、従来の予圧縮・
予膨張タイプの分配弁板と比較して構造が簡単になり、
コストダウンが図れる。
【0008】第2の本発明に係る斜板プランジャ式油圧
装置は、上記構成において、第1の連通油路の分配弁板
上の開口(例えば、実施形態における開口32)が、連
結ポートの中心が下死点に対応する第1位置(例えば、
実施形態における位置A1)にあるときの連結ポートの
前方端部(連結ポートが回転により進行するときに前方
となる側の端部)から後方端部(連結ポートが回転によ
り進行するときに後方となる側の端部)の間に位置し、
第2の連通油路の分配弁板上の開口(例えば、実施形態
における開口34)が、連結ポートの中心が上死点に対
応する第2位置(例えば、実施形態における位置A2)
にあるときの連結ポートの前方端部から後方端部の間に
位置し、吐出ポートの開始点(下死点側の端部)が、連
結ポートの中心が第1位置にあるときの連結ポートの前
方端部と接する位置に設けられ、吐出ポートの終了点
(上死点側の端部)が、連結ポートの前方端部が第2の
連通油路の開口に接する第3位置(例えば、実施形態に
おける位置A3)にあるときの連結ポートの後方端部と
接する位置に設けられ、吸入ポートの開始点(上死点側
の端部)が、連結ポートの中心が第2位置にあるときの
連結ポートの前方端部と接する位置に設けられ、吸入ポ
ートの終了点(下死点側の端部)が、連結ポートの前方
端部が第1の連通油路の開口に接する第4位置(例え
ば、実施形態における位置A4)にあるときの連結ポー
トの後方端部と接する位置に設けられる。このような構
成であれば、シリンダ孔内の圧力は、下死点若しくは上
死点に至るまでに確実に増圧若しくは減圧されるので、
吐出時及び吸入時におけるシリンダ内圧力の変化の調整
を確実に行うことができる。
【0009】次に、第3の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置は、上記第2の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置の構成に加えて、連結ポートが第4位置から
第1位置に至るまでの増圧区間に対応するシリンダブロ
ックの回転角度幅及び連結ポートが第3位置から第2位
置に至るまでの減圧区間に対応するシリンダブロックの
回転角度幅を予め定められた角度に設定して第3位置及
び第4位置を定め、このようにして定められた第3位置
及び第4位置にあるときの連結ポートの位置をもとに吐
出ポート、吸入ポート、第1の連通油路の開口及び第2
の連通油路の開口を形成し、第1の連通油路の流量が、
増圧区間に対応する回転角度幅においてシリンダ孔内の
圧力が滑らかに増圧されるように設定され、第2の連通
油路の流量が、減圧区間に対応する回転角度幅において
シリンダ孔内の圧力が滑らかに減圧されるように設定さ
れる。なお、上記予め定められた角度とは、前掲の特開
平4−259675号公報及び特開平4−259678
号公報に開示される、斜板に作用する荷重の変動を小さ
くする角度θ(°)である。具体的には、プランジャの
本数Zが偶数値である場合には、θ=360°/Z×k
(k=1、2、3、・・・;整数)で表され、また、プ
ランジャの本数Zが奇数値である場合には、θ=180
°/Z×k(k=1、2、3、・・・;整数)で表され
る。
【0010】このような構成においては、第1位置〜第
3位置の区間では、連通ポートは吐出ポートと連通して
おり、シリンダ内圧力は吐出路内の圧力に等しい高圧値
に保持される。第3位置〜第2位置の区間では、連通ポ
ートは第2の連通油路を介して低圧の吸入路と連通する
ので、シリンダ内の高圧が吸入路内に放出される。この
ため連通ポートが第2位置に達する前にシリンダ内圧力
は低圧値まで減圧される。しかもそのシリンダ内圧力は
所定のシリンダ回転角度幅で滑らかに(すなわち所定の
勾配で)変化する。第2位置〜第4位置の区間では、連
通ポートは吸入ポートと連通しており、シリンダ内圧力
は吸入路内の圧力に等しい低圧値に保持される。第4位
置〜第1の区間では、連通ポートは第1の連通油路を介
して高圧の吐出路と連通するので、吐出路内の高圧がシ
リンダ内に供給される。このため連通ポートが第1位置
に達する前にシリンダ内圧力は高圧値まで増圧される。
しかもその圧力変化は所定のシリンダ回転角度幅で滑ら
かに(すなわち所定の勾配で)変化する。
【0011】このため、上記第1及び第2の本発明に係
る油圧装置と同様にサージ圧や負圧の発生を防止できる
ほか、増圧時及び減圧時のシリンダ内圧力を所定の勾配
で変化させることができるので、斜板モーメントの変動
を小さくして油圧装置の振動・騒音を著しく低減するこ
とができる。ここで、第1及び第2の連通油路の流量設
定は、連通油路中にオリフィスを設け、これらオリフィ
スの開口面積を調整して行うことが好ましい。なお、シ
リンダブロック回転数や吐出量が可変である油圧装置の
場合には、斜板角、シリンダブロック回転数、高圧値等
の各要素の値を最も頻度の高い運転状態、或いは、実験
やシミュレーション等で求めた振動や騒音が最も厳しく
なる運転状態における値に固定して第1及び第2の連通
油路の流量(オリフィスの流量)を決定することが好ま
しい。このようにすれば回転数・吐出量が可変式の油圧
装置であっても、効果的に振動・騒音を低減することが
できる。
【0012】また、第4の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置は、上記第3の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置の構成に加えて、油圧装置の運転状態を検出
する運転状態検出手段(例えば、実施形態における斜板
角検出器73、シリンダブロック回転数検出器74及び
高圧値検出器75)と、この運転状態検出手段からの検
出結果に対応して第1の連通油路(例えば、実施形態に
おける連通油路31及びバイパス油路37)の流量及び
第2の連通油路(例えば、実施形態における連通油路3
3及びバイパス油路38)の流量を可変設定する流量可
変設定手段(例えば、実施形態におけるコントローラ7
6、制御圧調整油圧回路77及び流量制御弁50、6
0)とを備える。なお油圧装置の運転状態とは、斜板角
(斜板の傾転角)、シリンダブロック回転数、高圧値
(吐出路内の圧力)、等を指している。
【0013】このような構成では、運転状態検出手段に
より上記油圧装置の運転状態を検出し、流量可変手段が
この検出結果を受けて第1の連通油路及び第2の連通油
路の流量を変化させる。これにより、運転状態の如何に
関わらず、増圧時及び減圧時のシリンダ内圧力の変化を
所定の勾配に保つことができる。このため、シリンダブ
ロック回転数や吐出量が可変であるタイプの油圧装置に
対して振動・騒音を効果的に低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
ましい実施形態について説明する。図1は第1及び第2
の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置に対応する油
圧ポンプを示している。油圧ポンプ1は、ケーシング2
内において入力軸3がベアリング4を介して回転自在に
支承されており、この入力軸3にシリンダブロック5が
軸方向摺動自在にスプライン結合されている。また、ケ
ーシング2において、シリンダブロック5の一端側(図
1において右側)には斜板6が、他端側(左側)には分
配弁板7がそれぞれ配設されている。
【0015】斜板6は入力軸3を囲むように円環状をな
し、トラニオン軸(傾転支軸)6aを介してケーシング
2に傾動可能に取り付けられている。従って、斜板6は
トラニオン軸6aを中心として傾動して、シリンダブロ
ック5の回転軸線に対する傾転角を任意に変えることが
できる。分配弁板7はケーシング2に固定されたメイン
プレート8に固着されており、その中心部において、シ
リンダブロック5を貫通する入力軸3の先端をベアリン
グ9を介して支持している。
【0016】入力軸3の外周の一部を囲むように取り付
けられたばね支持部材10は、一端側(図1の右側)を
ベアリング4のケースに当接させており、他端側(図1
の左側)には回転軸まわり一定間隔置きに軸方向に延び
て形成された複数の棒部10a、10a、・・・を有し
ている。これらの棒部10a、10a、・・・はそれぞ
れ、シリンダブロック5に軸方向に穿設された複数の貫
通孔5a、5a、・・・に対応するように挿入貫通され
ており、シリンダブロック5の回転時には、ばね支持部
材10も一緒に回転するようになっている。棒部10
a、10a、・・・の先端部はシリンダブロック5の内
径側空間5b内に突出しており、第1リング部材12が
棒部10a、10a、・・・に当接するように、また第
2リング部材13がシリンダブロック5に取りつけられ
たリング状のストッパ11に当接するように設けられて
いる。更に、第1及び第2リング部材12、13の間に
はばね14が縮設されている。このためシリンダブロッ
ク5は常時図1の左方に付勢されており、シリンダブロ
ック5の摺接面5fが分配弁板7の摺接面7fに押し付
けられた状態となっている。また各プランジャ16の先
端部には、スリッパ22が連結部材23により首振り自
在に連結されており、各スリッパ22は斜板6に摺動自
在に取り付けられている。
【0017】シリンダブロック5は、回転軸まわり等間
隔に、その回転軸線と平行な9本のシリンダ孔15、1
5、・・・を有しており、各シリンダ孔15内にはそれ
ぞれプランジャ16が摺合されている。各プランジャ1
6は、対応するシリンダ孔15に油室17を画成し、各
油室17に繋がる9個の連結ポート17aが、図2に示
すように、シリンダブロック5の上記摺接面5fに開口
してシリンダブロック5内に形成されている。なお、こ
の開口部は同一円周上に等間隔で並んで形成されてい
る。
【0018】分配弁板7を図3に示す。入力軸3を図1
の左側から見て反時計まわりに回転駆動するとリンダブ
ロック5もこれと同方向に回転するが、シリンダブロッ
ク5は図3では破線矢印Sの方向に回転する。分配弁板
7は図3に示すように、上記摺接面7fの片側半面に、
上記連結ポート17aのうちこの半面に対向する連結ポ
ート17aと連通する一個の吐出ポート(流出ポート)
18を有するとともに、反対側の片側半面に、この半面
に対向する連結ポート17aと連通する一個の吸入ポー
ト(流入ポート)19を有しており、これら吐出ポート
18及び吸入ポート19がそれぞれメインプレート8内
に形成された吐出路20及び吸入路21に繋がってい
る。なお、吐出路20及び吸入路21は、図示しない他
のアクチュエータと接続して油圧閉回路を構成している
(図4参照)。
【0019】吐出路20は図3及び図4に示すようにメ
インプレート8内で連通油路31を分岐させており、そ
の開口32は連結ポート17aの中心が下死点B.D.
Cに対応する位置(図3に示す位置A1)にあるときの
連結ポート17aの前方端部(連結ポート17aが回転
進行するときに前方となる側の端部)から後方端部(連
結ポート17aが回転進行するときに後方となる側の端
部)の間に位置している。また吸入路21はメインプレ
ート内で連通油路33を分岐させており、その開口34
は連結ポート17aの中心が上死点T.D.Cに対応す
る位置(図3に示す位置A2)にあるときの連結ポート
17aの前方端部から後方端部の間に位置している。な
お、特許請求の範囲における第1の連通油路とは吐出路
20内の圧力をシリンダ内(油室17内)に供給する油
路を指しており、また第2の連通油路とはシリンダ内の
圧力を吸入路21内に放出させる油路を指している。従
ってこの実施例においては、連通油路31が特許請求の
範囲における第1の連通油路に相当し、連通油路33が
特許請求の範囲における第2の連通油路に相当する。
【0020】図3に示すように、吐出ポート18の開始
点(下死点B.D.C側の端部)18aは、連結ポート
17aの中心が位置A1にあるときの連結ポート17a
の前方端部と接する位置に設けられており、吐出ポート
18の終了点(上死点T.D.C側の端部)18bは、
連結ポート17aの前方端部が開口34に接する位置
(図3に示す位置A3)にあるときの連結ポート17a
の後方端部と接する位置に設けられている。また、吸入
ポート19の開始点(上死点T.D.C側の端部)19
aは、連結ポート17aの中心が位置A2にあるときの
連結ポート17aの前方端部と接する位置に設けられて
おり、吸入ポート19の終了点(下死点B.D.C側の
端部)19bは、連結ポート17aの前方端部が開口3
2に接する位置(図3に示す位置A4)にあるときの連
結ポート17aの後方端部と接する位置に設けられてい
る。
【0021】以上の構成の油圧ポンプ1において、入力
軸3を駆動してシリンダブロック5を回転させると、図
3における下死点B.D.Cに位置して最も膨張した状
態にプランジャ16の先端に連結されたスリッパ22
は、傾動した斜板6上を摺動したまま移動し、スリッパ
22及びプランジャ16は斜板6に押し付けられて収縮
方向に移動する。これにより、このプランジャ16によ
り画成された油室17は縮小され、油室17内の作動油
は加圧されて分配弁板7の吐出ポート20に吐出され
る。このプランジャ16が上死点T.D.Cまで回転さ
れると最も縮小した状態となり圧縮行程が完了し、今度
は、スリッパ22が斜板6に沿って移動してプランジャ
16はシリンダ孔15内で膨張方向に移動する。これに
より、吸入ポート21から油室17内に作動油が吸入さ
れる。
【0022】このようにブロックシリンダ5の回転に伴
ってシリンダ内(油室17内)に作動油が出入りし、シ
リンダ内圧力が変化する。図5はプランジャ位置(連結
ポート17aの中心の位置)に対するシリンダ内圧力の
変化及びシリンダ内への作動油の供給流量の変化を示し
たものである。以下、四つの区間A1〜A3(吐出区
間)、A3〜A2(減圧区間)、A2〜A4(吸入区
間)、A4〜A1(増圧区間)に分けて説明する。
【0023】区間A1〜A3では、連通ポート17aは
吐出ポート18と連通しており、シリンダ内圧力は吐出
路20内の圧力に等しい高圧値PHに保持される。区間
A3〜A2では、連通ポート17aは連通油路33を介
して低圧の吸入路21と連通するので、シリンダ内の高
圧が吸入路21内に放出される。このため連通ポート1
7aが位置A2に達する前にシリンダ内圧力は低圧値P
Lまで減圧される。区間A2〜A4では、連通ポート1
7aは吸入ポート19と連通しており、シリンダ内圧力
は吸入路21内の圧力に等しい低圧値PLに保持され
る。区間A4〜A1では、連通ポート17aは連通油路
31を介して高圧の吐出路20と連通するので、吐出路
20内の高圧がシリンダ内に供給される。このため連通
ポート17aが位置A1に達する前にシリンダ内圧力は
高圧値PHまで増圧される。
【0024】このように上述の油圧ポンプ1では、吐出
路20から分岐して分配弁板7上に開口し、膨張行程を
終了する前のシリンダ孔内に吐出路20内の圧力を供給
する連通油路31と、吸入路21から分岐して分配弁板
7上に開口し、圧縮行程を終了する前のシリンダ孔内に
圧力を吸入路21内に放出する連通油路33とを備えて
いることにより、シリンダ内圧力が膨張行程が終了する
前に低圧値PLから高圧値PHまで増圧され、また圧縮
行程が終了する前に高圧値PHから低圧値PLまで減圧
されるので、膨張行程から圧縮行程に移行して低圧から
高圧へ切換わるときにサージ圧が発生したり、圧縮行程
から膨張行程に移行して高圧から低圧へ切換わるときに
負圧が発生したりすることがない。このように従来のよ
うな予圧縮及び予膨張の構成をとることなくサージ圧や
負圧の発生を防止することができ、振動・騒音を低減で
きる。更に、シリンダ内圧力の増圧時には吐出路20内
の高圧をシリンダ内へ供給し、またシリンダ内圧力の減
圧時にはシリンダ内の高圧を吸入路21内へ放出させる
だけでよいのでシリンダ内圧力の調整のための作動油の
給排が単純化され、従来の予圧縮・予膨張タイプの分配
弁板と比較して構造が簡単になり、コストダウンが図れ
る(第1の本発明による効果)。
【0025】また、両開口32、34、吐出ポート18
の開始点18a及び終了点18b、吸入ポート19の開
始点19a及び終了点19bが上述の位置に設けられる
ことにより、シリンダ孔内の圧力は下死点B.D.C若し
くは上死点T.D.Cに至るまでに確実に増圧若しくは減
圧され、吐出時及び吸入時におけるシリンダ内圧力の変
化を確実に調整することができる(第2の本発明による
効果)。
【0026】図6は第3の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置に対応する油圧ポンプにおける分配弁板7a
を示しており、上記構成において連結ポート17aが位
置A4から位置A1に至るまでの増圧区間に対応するシ
リンダブロック5の回転角度幅と、連結ポート17aが
位置A3から位置A2に至るまでの減圧区間に対応する
シリンダブロック5の回転角度幅をともに20度として
いる。すなわち、吐出ポート18の開始点(下死点B.
D.C側の端部)18aは、連結ポート17aの中心が
下死点B.D.Cに位置したとき(図6に示す位置A
1)の連結ポート17aの前方端部と接する位置に設け
られ、吐出ポート18の終了点(上死点T.D.C側の
端部)18bは、連結ポート17aの中心が上死点T.
D.Cの手前20度の位置(図6に示す位置A3)にあ
るときの連結ポート17aの後方端部と接する位置に設
けられる。また、吸入ポート19の開始点(上死点T.
D.C側の端部)19aは、連結ポート17aの中心が
上死点T.D.Cに位置したとき(図6に示す位置A
2)の連結ポート17aの前方端部と接する位置に設け
られ、吸入ポート19の終了点(下死点B.D.C側の
端部)19bは、連結ポート17aの中心が下死点B.
D.Cの手前20度の位置(図6に示す位置A4)にあ
るときの連結ポート17aの後方端部と接する位置に設
けられる。
【0027】開口32は、連結ポート17aの中心が位
置A4にあるときの連結ポート17aの前方端部と接す
る位置に設けられ、開口34は、連結ポート17aの中
心が位置A2にあるときの連結ポート17aの前方端部
と接する位置に設けられる。なお、増圧区間及び減圧区
間のシリンダ回転角度幅αを20度に設定したのは、プ
ランジャ数が9本のときの斜板モーメント(各プランジ
ャ16のストローク方向荷重によるトラニオン軸6aま
わりのモーメントの合力)の変動を小さくするのに最適
な角度であるからである(前述の特開平4−25967
8号公報参照)。
【0028】また、連通油路31中にはオリフィス35
が、連通油路33中にはオリフィス36が設けられる。
オリフィス35は、図7に示すように、先ず分配弁板7
の板厚方向(図7では左右方向)にオリフィス35の開
口面積相当の貫通孔を穿設し、次いで分配弁板7の左右
両側から分配弁板7内の連通油路31の内径相当の穴を
設けることにより形成することができる。オリフィス3
6についても同様である。
【0029】上記のように分配弁板7a等を構成し、油
圧装置を駆動してシリンダブロック5を回転させると、
シリンダ内圧力の増圧は連結ポート17aが位置A4に
位置したときから開始され、またシリンダ内圧力の減圧
は連結ポート17aが位置A3に位置したときに開始さ
れる。しかし、増圧を開始してから終了するまで及び減
圧を開始してから終了するまでのシリンダ回転角度幅
は、斜板角(斜板6の傾転角)、シリンダブロック
回転数、高圧値(吐出路20内の圧力)で代表される
油圧装置1の運転状態に関する要素のほか、オリフィ
ス35、36の流量Q1、Q2(すなわち開口面積S
1、S2)の各要素の値に依存し、シリンダ内圧力の変
化の勾配は上記〜の要素の値により異なる。ここ
で、油圧装置が定回転・定吐出量タイプであれば、上記
〜の要素の各値をもとに、連結ポート17aが位置
A1に位置したときにシリンダ内圧力が増圧を終了する
ようにオリフィス35の流量Q1を設定し、また、連結
ポート17aが位置A2に位置したときにシリンダ内圧
力が減圧を終了するように流量Q2を設定する。なお、
オリフィスの流量Qとその開口面積Sとの関係は、式
(1)のようになる。
【0030】
【数1】Q=CS√(2ΔP/ρ)・・・(1) 但し、C:オリフィス部の流量係数 Δp:オリフィス前後の圧力差 ρ:作動油の密度
【0031】このようにオリフィス35、36の流量Q
1、Q2を設定し、シリンダブロック5を回転させたと
きのシリンダ内圧力の変化及びシリンダ孔内への作動油
の供給流量の変化を図8に示す。区間A1〜A3では、
連通ポート17aは吐出ポート18と連通しており、シ
リンダ内圧力は吐出路20内の圧力に等しい高圧値PH
に保持される。区間A3〜A2では、連通ポート17a
は連通油路33を介して低圧の吸入路21と連通するの
で、シリンダ内の高圧が吸入路21内に放出される(流
量変動B2)。このため連通ポート17aが位置A2に
達する前にシリンダ内圧力は低圧値PLまで減圧され
る。しかもその圧力変化は所定のシリンダ移転角度幅α
(=20度)で滑らかに(すなわち所定の勾配で)変化
する。区間A2〜A4では、連通ポート17aは吸入ポ
ート19と連通しており、シリンダ内圧力は吸入路21
内の圧力に等しい低圧値PLに保持される。区間A4〜
A1では、連通ポート17aは連通油路31を介して高
圧の吐出路20と連通するので、吐出路20内の高圧が
シリンダ内に供給される(流量変動B1)。このため連
通ポート17aが位置A1に達する前にシリンダ内圧力
は高圧値PHまで増圧される。しかもその圧力変化は所
定のシリンダ回転角度幅α(=20度)で滑らかに(す
なわち所定の勾配で)変化する。
【0032】このように、第3の本発明に係る斜板プラ
ンジャ式油圧装置に対応する油圧ポンプでは、上記第1
及び第2の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置(油
圧ポンプ1)と同様にサージ圧や負圧の発生を防止でき
るほか、増圧時及び減圧時のシリンダ内圧力を所定の勾
配で変化させることにができるので、斜板モーメントの
変動を小さくして油圧装置の振動・騒音を著しく低減す
ることができる。
【0033】なお、回転数や吐出量が可変である油圧装
置の場合には、上記〜の各要素の値を最も頻度の高
い運転状態、或いは、実験やシミュレーション等で求め
た振動や騒音が最も厳しくなる運転状態における値に固
定してオリフィス35、36の流量Q1、Q2を決定す
ることが好ましい。このようにすれば回転数・吐出量が
可変式の油圧装置であっても、効果的に振動・騒音を低
減することができる。
【0034】図9は第4の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置に対応する油圧ポンプにおける分配弁板7b
を示している。これは、上述した第3の本発明に係る斜
板プランジャ式油圧装置における分配弁板7aの構成に
加え、吐出路20から分岐するとともに開口32におい
て分配弁板7b上に開口するバイパス油路37と、吸入
路21から分岐するとともに開口34において分配弁板
7b上に開口するバイパス油路38とが設けられてい
る。また、バイパス油路37の途中には流量制御弁50
及びオリフィス39が設けられ、バイパス油路38の途
中には流量制御弁60及びオリフィス40が設けられて
いる。なお、上記したように特許請求の範囲における第
1の連通油路とは吐出路20内の圧力をシリンダ内に供
給する油路を指しており、また第2の連通油路とはシリ
ンダ内の圧力を吸入路21内に放出する油路を指してい
る。従ってこの実施例においては、連通油路31とバイ
パス油路37とが特許請求の範囲における第1の連通油
路に相当し、連通油路33とバイパス油路38とが特許
請求の範囲における第2の連通油路に相当する。よっ
て、以下、連通油路31とバイパス油路37とを合わせ
て第1の連通油路と称し、連通油路33とバイパス油路
38を合わせて第2に連通油路と称する。
【0035】流量制御弁50、60は同一構成であり、
以下、図10に示す流量制御弁50を例にその構成を説
明する。流量制御弁50は、ハウジング内に左右に摺動
自在に配設されたスプール51と、このスプール51を
左方に付勢するばね52と、スプール51の右端部に摺
動自在に嵌合する支持スプール53とから構成される。
ハウジングには、バイパス油路37の上流側油路37a
と連通する第1ポート50aと、バイパス油路37の下
流側油路37bと連通する第2ポート50bと、制御圧
油路71(流量制御弁60では制御圧油路72が対応)
から制御圧Pc1(流量制御弁60では制御圧Pc2が
対応)が供給される第3ポート50cとが設けられてい
る。スプール51がばね52に付勢されて図示のように
作動した状態では、スプール51の左端により第1及び
第2ポート50a、50b間が遮断され、スプール51
が右動されると両ポート50a、50bが連通して上流
側油路37aの作動油が下流側油路37bに流れるよう
になる。なお、第2ポート50bに作用する油圧はスプ
ール51内の小孔51aを介して支持スプール53との
間の空間54にも作用するため、スプール51がこの油
圧によりスラスト力を受けることがない。
【0036】また、図11に示すように、斜板角、シリ
ンダブロック回転数、高圧値をそれぞれ電気的に検出す
るための斜板角検出器73、シリンダブロック回転数検
出器74及び高圧値検出器75が設けられており、これ
らにより検出された斜板角、シリンダブロック回転
数、高圧値の情報はコントローラ76に出力される。
コントローラ76では、検出された〜の各要素の値
の組み合わせに対し、シリンダ孔内の圧力が所定のシリ
ンダブロック回転角度幅α=20度で(増圧区間:A4
〜A1で)滑らかに(すなわち所定の勾配で)低圧値P
Lから高圧値PHまで増圧されるための第1の連通油路
の流量(連通油路31及びバイパス油路37の流量の
和)M1と、シリンダ孔内の圧力が所定のシリンダブロ
ック回転角度幅α=20度で(減圧区間:A3〜A2
で)滑らかに(すなわち所定の勾配で)高圧値PHから
低圧値PLまで減圧されるための第2の連通油路の流量
(連通油路33及びバイパス油路38の流量の和)M2
とが算出される。更にコントローラ76は、第1及び第
2の連通油路の流量がM1、M2となるように流量制御
弁50、60を駆動する制御圧Pc1、Pc2を算出
し、このような制御圧Pc1、Pc2を出力させるため
の信号を制御圧調整油圧回路77に出力する。制御圧調
整油圧回路77から制御圧Pc1、Pc2が出力される
と、流量制御弁50、60のスプールが駆動されて第1
及び第2の連通油路の流量がM1、M2に調整される。
【0037】このように、第4の本発明に係る斜板プラ
ンジャ式油圧装置に対応する油圧ポンプでは、油圧装置
の運転状態(斜板角、シリンダブロック回転数、高圧
値)を検出して第1及び第2の連通油路の流量を変化さ
せることができるので、運転状態の如何に関わらず、増
圧時及び減圧時のシリンダ内圧力を所定の勾配に保って
変化させることができる。このため、回転数や吐出量が
可変であるタイプの油圧装置であっても振動・騒音を効
果的に低減することができる。なお、油圧閉回路内にお
けるリリーフ圧制御の状態や、作動油の物性(例えば圧
縮率)に温度依存性がある場合などには作動油の温度を
も含めて上記制御圧Pc1、Pc2を調整するのが好ま
しい。また、第1及び第2の連通油路の流量、すなわち
吐出路20内の圧力をシリンダ孔内に供給する流量及び
シリンダ孔内の圧力を吸入路21内に放出する流量を変
化させるための手段は上記したものに限られず、種々の
変更が可能である。
【0038】また、これまで斜板プランジャ式の油圧ポ
ンプを例に説明したが、本発明を他の斜板プランジャ式
の油圧装置、例えば斜板プランジャ式の油圧モータ等に
も適用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、第1の本発明に係
る斜板プランジャ式油圧装置によれば、シリンダ内圧力
は膨張行程が終了する前に低圧値から高圧値まで増圧さ
れ、また圧縮行程が終了する前に高圧値から低圧値まで
減圧されるので、膨張行程から圧縮工程に移行して低圧
から高圧へ切換わるときや、圧縮行程から膨張行程に移
行して高圧から低圧へ切換わるときにサージ圧や負圧が
発生することが防止される。またこれにより油圧装置の
振動・騒音を低減することができる。更に、シリンダ内
の増圧時には吐出路内の高圧をシリンダ内へ供給し、ま
たシリンダ内の減圧時にはシリンダ内の高圧を吸入路内
へ放出させるだけでよいので、シリンダ内圧力の調整の
ための作動油の給排が単純化され、従来の予圧縮・予膨
張タイプの分配弁板と比較して構造が簡単になり、コス
トダウンが図れる。
【0040】また、第2の本発明に係る斜板プランジャ
式油圧装置によれば、シリンダ孔内の圧力は下死点若し
くは上死点に至るまでに確実に増圧若しくは減圧される
ので、吐出時及び吸入時におけるシリンダ内圧力の変化
の調整を確実に行うことができる。
【0041】第3の本発明に係る斜板プランジャ式油圧
装置によれば、上記第の本発明に係る油圧装置と同様に
サージ圧や負圧の発生を防止できるほか、増圧時及び減
圧時のシリンダ内圧力を所定の勾配で変化させることが
できるので、斜板モーメントの変動を小さくして油圧装
置の振動・騒音を著しく低減することができる。
【0042】第4の本発明に係る斜板プランジャ式油圧
装置によれば、油圧装置の運転状態を検出して第1及び
第2の連通油路の流量を変化させることができるので、
運転状態の如何に関わらず、増圧時及び減圧時のシリン
ダ内圧力の変化を所定の勾配に保つことができる。この
ため、シリンダブロック回転数や吐出量が可変であるタ
イプの油圧装置に対しても振動・騒音を効果的に低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2の本発明に係る斜板プランジャ式
油圧装置に対応する油圧ポンプを示す側断面図である。
【図2】図1の矢印A−Aから見たブロックシリンダの
正面図である。
【図3】図1の矢印B−Bから見た分配弁板の正面図で
ある。
【図4】上記油圧ポンプにおける分配弁板及びメインプ
レートの側断面図である。
【図5】上記油圧ポンプにおいて、プランジャ位置に対
するシリンダ内圧力の変化を示すグラフである。
【図6】第3の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置
に対応する油圧ポンプにおける分配弁板の正面図であ
る。
【図7】第3の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置
に対応する油圧ポンプにおける分配弁板及びメインプレ
ートの部分的な側断面図である。
【図8】第3の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置
に対応する油圧ポンプにおいて、プランジャ位置に対す
るシリンダ内圧力の変化及びシリンダ内供給流量の変化
を示すグラフである。
【図9】第4の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装置
に対応する油圧ポンプにおける分配弁板の正面図であ
る。
【図10】第4の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装
置に対応する油圧ポンプに用いられる流量制御弁の構造
を示す側断面図である。
【図11】第4の本発明に係る斜板プランジャ式油圧装
置に対応する油圧ポンプにおいて、流量制御弁の制御圧
を得る流れを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ(斜板プランジャ式油圧装置) 3 入力軸(回転軸) 5 シリンダブロック 6 斜板 7 分配弁板 8 メインプレート 15 シリンダ孔 16 プランジャ 17a 連結ポート 18 吐出ポート 19 吸入ポート 20 吐出路 21 吸入路 31 連通油路(第1の連通油路) 33 連通油路(第2の連通油路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 昭仁 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 寺山 公司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC01 CC19 CC35 DD08 DD68

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を囲む環状配列で軸方向に延びる
    とともに軸方向一端側に開口して形成された複数のシリ
    ンダ孔を有してなるシリンダブロックと、 前記シリンダ孔内に配設された複数のプランジャと、前
    記シリンダブロックの前記一端側と対向するとともに前
    記プランジャが摺接する斜板と、前記シリンダブロック
    の軸方向他端側に配設された分配弁板とを有して構成さ
    れる斜板プランジャ式油圧装置において、 前記シリンダブロックの軸方向他端側には、前記各シリ
    ンダ孔に連通する複数個の連結ポートが円周上に並んで
    形成され、 前記分配弁板には、前記シリンダブロックの回転に応じ
    前記連結ポートを介して、圧縮行程にある前記プランジ
    ャが摺合された前記シリンダ孔に連通する吐出ポート
    と、膨張行程にある前記プランジャが摺合された前記シ
    リンダ孔に連通する吸入ポートとが形成されており、 前記吐出ポートに繋がる吐出路と、 前記吸入ポートに繋がる吸入路と、 前記吐出路から分岐して前記分配弁板上に開口し、膨張
    行程を終了する前の前記シリンダ孔内に前記吐出路内の
    圧力を供給する第1の連通油路と、 前記吸入路から分岐して前記分配弁板上に開口し、圧縮
    行程を終了する前の前記シリンダ孔内の圧力を前記吸入
    路内に放出する第2の連通油路とを有することを特徴と
    する斜板プランジャ式油圧装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の連通油路の前記分配弁板上の
    開口が、前記連結ポートの中心が下死点に対応する第1
    位置にあるときの前記連結ポートの前方端部から後方端
    部の間に位置し、 前記第2の連通油路の前記分配弁板上の開口が、前記連
    結ポートの中心が上死点に対応する第2位置にあるとき
    の前記連結ポートの前方端部から後方端部の間に位置
    し、 前記吐出ポートの開始点が、前記連結ポートの中心が前
    記第1位置にあるときの前記連結ポートの前方端部と接
    する位置に設けられ、 前記吐出ポートの終了点が、前記連結ポートの前方端部
    が前記第2の連通油路の前記開口に接する第3位置にあ
    るときの前記連結ポートの後方端部と接する位置に設け
    られ、 前記吸入ポートの開始点が、前記連結ポートの中心が前
    記第2位置にあるときの前記連結ポートの前方端部と接
    する位置に設けられ、 前記吸入ポートの終了点が、前記連結ポートの前方端部
    が前記第1の連通油路の前記開口に接する第4位置にあ
    るときの前記連結ポートの後方端部と接する位置に設け
    られたことを特徴とする請求項1記載の斜板プランジャ
    式油圧装置。
  3. 【請求項3】 前記連結ポートが前記第4位置から前記
    第1位置に至るまでの増圧区間に対応する前記シリンダ
    ブロックの回転角度幅及び前記連結ポートが前記第3位
    置から前記第2位置に至るまでの減圧区間に対応する前
    記シリンダブロックの回転角度幅を予め定められた角度
    に設定して前記第3位置及び前記第4位置を定め、この
    ようにして定められた前記第3位置及び前記第4位置に
    あるときの前記連結ポートの位置をもとに前記吐出ポー
    ト、前記吸入ポート、前記第1の連通油路の前記開口及
    び前記第2の連通油路の前記開口を形成し、 前記第1の連通油路の流量が、前記増圧区間に対応する
    前記回転角度幅において前記シリンダ孔内の圧力が滑ら
    かに増圧されるように設定され、前記第2の連通油路の
    流量が、前記減圧区間に対応する前記回転角度幅におい
    て前記シリンダ孔内の圧力が滑らかに減圧されるように
    設定されたことを特徴とする請求項2記載の斜板プラン
    ジャ式油圧装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧装置の運転状態を検出する運転
    状態検出手段と、 この運転状態検出手段からの検出結果に対応して前記第
    1の連通油路の流量及び前記第2の連通油路の流量を可
    変設定する流量可変設定手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項3記載の斜板プランジャ式油圧装置。
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