JP2000064880A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速性能を悪化させることなく機関ねじり振
動を抑制する。 【解決手段】 車両10の搭載ディーゼル機関1の燃料
噴射量を制御する制御装置(ECU)30を設ける。E
CUはクランク角センサ35出力に基づいて機関回転数
の変化率ΔNEを算出し、ΔNEの変動成分を平滑化し
た値をΔNEから差し引くことによりΔNEのねじり振
動成分を抽出するとともに、このねじり振動成分を抑制
するように機関燃料噴射量を補正する。上記により抽出
したねじり振動成分は、加速時等の定常的な回転数変化
を含まないため、燃料噴射量補正により加速による回転
数変化までが抑制されてしまうことがなく、ねじり振動
抑制のために加速性能が悪化することが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射
量制御装置に関し、詳細には内燃機関の出力軸系のねじ
り振動を抑制可能な燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の出力軸系のねじり振動は、特
に車両用機関等では加減速時の車両加速度の変動(加減
速ショック、しゃくり等)や定常走行時のサージ等の原
因となり、車両のドライバビリティを悪化させる要因と
なる。また、特にディーゼル機関では要求燃料噴射量が
機関運転状態(例えば、機関回転数と運転者のアクセル
ペダル踏み込み量(アクセル開度))により設定される
ため、アクセル開度に応じて直ちに要求燃料噴射量が変
化する。このため、要求燃料噴射量の燃料をそのまま機
関に噴射すると、機関発生トルクの急変を生じ出力軸系
のねじり振動の増大を生じる場合がある。これを防止す
るため、通常、ディーゼル機関では加速時等のように要
求燃料噴射量が急増する場合には、実際の燃料噴射量を
緩やかに増大させて要求燃料噴射量に到達させる、いわ
ゆるなまし制御が行なわれている。
【0003】一方、実際に軸系のねじり振動を検出して
ねじり振動を抑制するように内燃機関出力トルクを制御
する制振方法が知られている。この種の制振法を用いた
内燃機関の制御装置としては、例えば特開昭60−26
142号公報に記載されたものがある。同公報の装置
は、ディーゼル機関の回転速度の変動量、機関を搭載し
た車両の前後加速度の変動量、機関出力軸のねじりトル
クの変動量などの状態量のうちの一つを検出し、ねじり
振動を表す振動量として使用するようにしている。上記
公報の装置では、検出したねじり振動量の値に応じて機
関の実燃料噴射量をフィードバック制御することにより
ねじり振動を抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
60−26142号公報の装置では、急加速時等に必要
以上に燃料噴射量の増大が制限されてしまい加速性能が
悪化する場合が生じる問題がある。上述の特開昭60−
26142号公報の装置では、実際のねじり振動に関係
する値として機関回転速度、車両前後加速度、機関出力
軸ねじりトルク等の変動量をねじり振動量として検出
し、このねじり振動量に基づいて燃料噴射量のフィード
バック制御が行なっている。ところが、ねじり振動量を
算出するために用いられる機関回転速度、車両前後加速
度、機関出力軸ねじりトルク等は車両加速時等にはねじ
り振動を生じていない場合であっても比較的急激な変化
を示す。このため、上記公報の装置のように、機関回転
速度、車両前後加速度、機関出力軸ねじりトルク等の変
動量をそのままねじり振動の制御に使用していると、車
両加速に伴う機関回転速度等の変化(上昇)をねじり振
動の増大として検出してしまい、これらの変化を抑制す
る方向に燃料噴射量が補正されてしまう。従って、上記
公報の装置では、本来加速に必要な燃料噴射量の増大ま
で制限されてしまい、機関加速性能が悪化する問題が生
じる。
【0005】本発明は上記問題に鑑み、機関加速性の悪
化を生じることなく充分なねじり振動の制振効果を得る
ことが可能な内燃機関の燃料噴射制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の出力軸系のねじり振動の振幅に関連
するねじり振動パラメータを検出する振動検出手段と、
検出されたねじり振動パラメータの値に基づいて、ねじ
り振動を抑制するように内燃機関の燃料噴射量を補正す
る燃料噴射量補正手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制
御装置において、前記燃料噴射量補正手段は、前記ねじ
り振動パラメータの現在までの履歴を代表する履歴値を
記憶し、検出したねじり振動パラメータから前記履歴値
を用いて出力軸系ねじり振動成分を抽出する振動成分抽
出手段を備え、前記抽出されたねじり振動成分の大きさ
に応じて燃料噴射量を補正することを特徴とする内燃機
関の燃料噴射制御装置が提供される。
【0007】すなわち、請求項1の発明ではねじり振動
の振幅に関連するねじり振動パラメータを検出し、この
ねじり振動パラメータからねじり振動パラメータ履歴値
を用いて軸系のねじり振動を表すねじり振動成分のみを
抽出する。このねじり振動パラメータとしては、例えば
機関回転数の変化率、車両前後加速度の変化率、機関出
力軸のねじりトルクの変化率等が使用でき、ねじり振動
パラメータの履歴値としては、例えば過去一定期間内の
ねじり振動パラメータの値の大きさ等を用いることがで
きる。すなわち、機関加速時等には機関回転数や車両前
後加速度、軸ねじりトルクなどが増大するため、ねじり
振動パラメータの値も大きくなる。また、ねじり振動が
ある場合には加速によるねじり振動パラメータの増大に
ねじり振動によるねじり振動パラメータの値が加わるこ
とになる。一方、加速中は機関回転数や車両前後加速
度、軸ねじりトルク等の増加率は大きくは変化しない。
すなわち、加速により生じるねじり振動パラメータの増
大量は概略一定になる。これに対して、ねじり振動によ
り生じる振動パラメータの値は通常正負に変動する値で
ある。このため、過去一定期間内のねじり振動の大きさ
と現在のねじり振動パラメータとの大きさを比較するこ
とにより、ねじり振動パラメータのねじり振動に関連す
る成分のみを抽出することができる。
【0008】このねじり振動成分の大きさに基づいて燃
料噴射量を補正することにより、加速に必要な燃料噴射
量を制限することなくねじり振動の制振のための燃料噴
射量補正を行うことが可能となり、機関加速に悪影響を
与えることなくねじり振動の制振を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記振動検出手段は、
前記ねじり振動パラメータとして機関回転数の変化率を
検出し、前記振動成分抽出手段は、前記履歴値として現
在までの所定期間の前記回転数変化率の変動を平滑化し
た値を記憶し、現在の機関回転数変化率から前記履歴値
を差し引いた値を現在の出力軸系ねじり振動成分とする
請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供さ
れる。
【0009】すなわち、請求項2の発明では機関回転数
の変化率をねじり振動パラメータとして使用するととも
に、履歴値として所定期間の機関回転数変化率の変動を
平滑化した値を使用する。機関回転数の変化率は加速、
減速等の変動周期の大きい変化とねじり振動等の比較的
周期の短い変動とを合成したものになっている。このた
め、本発明では、まず所定期間内の期間回転数の変動を
平滑化することによりねじり振動による回転数変化率の
変動を排除した値を算出し、これを履歴値として使用す
る。従って、履歴値はねじり振動とは無関係な加速、減
速などの回転数変化率を表すようになる。このため、更
に現在のねじり振動パラメータの値から履歴値を差し引
くことによりねじり振動パラメータの振動成分のみを正
確に抽出することが可能となる。なお、機関回転数変化
率の平滑化の方法としては、例えば所定期間内の回転数
変化率の算術平均値や、後述するなまし処理を行った値
等を使用することができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、前記振動
成分抽出手段は、一定時間毎に前記出力軸系ねじり振動
成分を抽出し、前記燃料噴射量補正手段は更に、前記抽
出されたねじり振動成分に基づいて燃料噴射量の振動補
正量を算出し、機関運転状態に応じて設定される燃料噴
射量に前記振動補正量を加算することにより燃料噴射量
を補正するとともに、前記ねじり振動成分の正負の符号
の時間的変化パターンが予め定めたハンチングパターン
と一致する場合には前記振動補正量絶対値を減量する請
求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が
提供される。
【0011】すなわち、請求項3の発明では抽出したね
じり振動成分の正負の符号の時間的変化パターンが特定
のパターンになった場合には振動補正量の絶対値を減量
することにより制御にハンチングが生じることを防止し
ている。機関回転数や車両加速度、出力軸ねじりトルク
等は機関の気筒毎の出力トルクのばらつきや機関出力軸
系の機械的要素(歯車など)の影響により微小な変動を
生じている。振動成分抽出手段により抽出された振動成
分はこれらの変動を含んでいるため、これらの変動周期
ととねじり振動抑制のための制御周期とが一致すると制
御にハンチングを生じてしまい、振動補正量の正負の変
動が増幅され制御が発散するおそれがある。予め、制御
ゲインを小さく設定しておけばハンチングが生じること
は防止できるが、ゲインを小さく設定したのではねじり
振動抑制のための制御そのものの応答性が低下してしま
い充分な制振効果が得られなくなる問題がある。そこ
で、本発明ではハンチングに至る可能性のあるねじり振
動成分の正負の符号変化の時間的パターンを予め記憶し
ておき、実際のねじり振動成分の正負変動パターンが記
憶した変動パターンと一致したときには振動補正量を減
量(すなわち制御ゲインを減少)する。これにより実際
にハンチングが生じる可能性のある場合のみ制御ゲイン
が低減されハンチングが防止されるが、ハンチングが生
じる可能性の無い場合にはゲイン低減は行われない。こ
のため、本発明によればハンチングを防止しながら充分
な制振効果を達成することが可能となる。
【0012】なお、ハンチングに至る可能性のある場合
の振動補正量の減量とは、振動補正量を一部減量するだ
けでなく、振動補正量を0に設定(燃料噴射補正を停
止)する場合をも含んでいる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明を車両用デ
ィーゼル機関に適用した場合の実施形態の構成概略を示
す図である。図1において、10は車両全体、1は車両
10に搭載されたディーゼル機関(本実施形態では4気
筒4サイクルディーゼル機関)を示す。機関1の出力軸
(図示せず)は、変速機3に接続され、さらにプロペラ
シャフト5、ディファレンシャルギヤ7及びアクスル8
を介して駆動輪9を駆動している。以下の説明では、機
関1のクランク軸から駆動輪9までを含めた軸系を「機
関1の出力軸系」と称する。
【0014】図1に30で示すのは、機関1の制御を行
なう電子制御装置(ECU)である。本実施形態ではE
CU30は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、RO
M(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッ
サ)及び入出力ポートを備えた公知の構成のマイクロコ
ンピュータとして構成される。本実施形態では、ECU
30は機関1の燃料噴射制御等の基本制御を行なう他、
後述するねじり振動制振のための燃料噴射量補正を行な
う。
【0015】これらの制御のため、ECU30の入力ポ
ートには、アクセル開度センサ31が図示しないAD変
換器を介して接続されている他、クランク角センサ35
が接続されている。アクセル開度センサ31は、機関1
のアクセルペダル(図示せず)近傍に配置され、車両1
0運転者のアクセルペダル踏込み量(アクセル開度)A
CCPに応じた電圧信号を発生する。本実施形態では、
アクセル開度ACCPは車両運転者の要求機関出力を代
表するパラメータとして使用される。
【0016】クランク角センサ35は実際には、基準位
置センサとクランク回転角センサとの2つのセンサから
構成される。基準位置センサ(図示せず)は機関1のカ
ム軸近傍に配置され、カム軸が基準位置に到達する毎に
(例えば機関1の第1気筒が吸気行程上死点に到達する
毎に)基準パルス信号を出力する。すなわち、基準パル
ス信号はクランク軸回転角に換算して720°毎に出力
される。また、クランク回転角センサは、クランク軸近
傍に配置されクランク軸一定回転角度毎(例えば15°
毎)にクランク回転角パルス信号を出力する。
【0017】本実施形態では、ECU30は、クランク
回転角センサから入力するクランク回転角パルス信号の
間隔に基づいて機関1の回転数(回転速度)NEを算出
する他、基準位置センサからの基準パルス入力後のクラ
ンク回転角パルス信号の数から現在のクランク軸回転位
相を算出している。更に、本実施形態ではECU30
は、機関回転数の変化率(微分値)を算出し機関出力軸
系のねじり振動の大きさを表すねじり振動パラメータと
して使用する。出力軸系のねじり振動は機関クランク軸
の回転速度の変動となって現れる。このため、機関回転
数の変化率はねじり振動の大きさ(振幅)を代表するパ
ラメータとして使用できる。すなわち、本実施形態では
クランク各センサ35は振動検出手段としても機能して
いる。
【0018】なお、本実施形態ではねじり振動パラメー
タとして回転数の変化率を使用しているが、他の状態量
をねじり振動パラメータとして使用することも可能であ
る。例えば、機関出力軸系のねじり振動は車両進行方向
(前後方向)の加速度の変化となって現れる。そこで、
別途振動検出手段として、車両10の前後方向加速度を
検出する加速度センサを設け、検出した前後方向加速度
の変化をねじり振動を表すパラメータとして使用するよ
うにしても良い。また機関出力軸系のねじり振動は機関
出力軸のねじりトルクの変動となって現れる。そこで、
別途振動検出手段として、機関出力軸のねじりトルクを
検出するトルクセンサを設け、このねじりトルクの変動
をねじり振動を表わすパラメータとして使用しても良
い。
【0019】ECU30は、後述するように機関1の運
転状態(例えば機関回転数NE、アクセル開度ACCP
等)に基づいて機関1への燃料噴射量設定値QBASEを算
出するとともに、上記に基づいて検出されたねじり振動
パラメータの値に基づいて燃料噴射量の補正量QJRKFB
を設定する後述のねじり振動の制振制御を行っている。
【0020】ECU30の出力ポートは、図示しない燃
料噴射回路を介して機関1の各気筒の燃料噴射弁に接続
され、所定の燃料噴射タイミングで上記により演算され
たQ BASE、QJRKFB から定まる量の燃料を各気筒に噴射
する。次に、本実施形態のねじり振動制振操作について
説明する前に、本実施形態における機関1への燃料噴射
量の設定について説明する。
【0021】本実施形態では、ECU30はアクセル開
度センサ31で検出したアクセル開度ACCPと機関回
転数NEとに基づいて要求燃料噴射量QGOV を算出す
る。前述したように、アクセル開度ACCPと機関回転
数NEとは運転者の要求する機関出力を表している。要
求燃料噴射量QGOV は、この要求出力を達成するために
必要な燃料噴射量であり、予めアクセル開度ACCPと
機関回転数NEとを用いた数値マップの形でECU30
のROMに格納されている。QGOV の値は、例えば機関
回転数NEが一定であれば、アクセル開度ACCPが大
きい程大きな値に、また、アクセル開度ACCPが一定
であれば回転数NEが低い程大きな値に設定される。
【0022】次に、ECU30は、機関回転数NEに基
づいて燃料噴射量のガード値QFULLを算出し、ガード値
FULLと要求燃料噴射量QGOV とのうち小さい方の値を
基本燃料噴射QBASEとして設定する。前述したように、
アクセル開度ACCPは運転者のアクセルペダル踏込み
量に応じて時間遅れなく直ちに増大する。このため、加
速時などにACCPが急増すると要求燃料噴射量QGOV
の値もACCPの増大に応じて急増する。ところが、実
際には加速時等では機関回転数NEはACCPの増大よ
りも遅れて比較的緩やかに上昇する。このため、要求燃
料噴射量QGOV をそのまま機関に供給すると燃焼室内で
新気の量が不足してしまい、排気スモークが発生するお
それがある。そこで、本実施形態では加速時等の負荷急
増時のスモーク発生を防止するため、燃料噴射量の上限
を機関回転数NEに応じて定まるガード値QFULLで制限
するようにしている。機関に吸入される新気の量は回転
数に応じて変化する。ガード値Q FULLは現在の機関回転
数において、排気スモークを発生しない最大燃料噴射量
の値であり、実験等により求められ、ECU30のRO
Mに機関回転数NEを用いた数値マップとして格納され
ている。ガード値QFULLの値は機関回転数が高くなるほ
ど大きな値になる。
【0023】すなわち、加速時初期等には要求燃料噴射
量QGOV が急増するが、機関回転数が上昇しない間はガ
ード値QFULLは比較的低い値のままであるため、実際の
燃料噴射量QBASEは、QBASE=QFULLに設定され、機関
回転数NEの上昇とともに、QFULLが増大するため、そ
れに応じてQBASEも増大し、機関回転数NEが更に上昇
する。そして、機関回転数が充分に上昇し、QBASE≦Q
FULLとなった後は、実際の燃料噴射量QBASEは、QBASE
=QGOV に維持されるようになる。
【0024】また、本実施形態では、更にねじり振動抑
制のため、最終的な燃料噴射量QFI NCは、QFINC=MI
N( QFULL,(QBASE+QJRKFB ))として設定され
る。Q JRKFB は、後述するねじり振動抑制のための燃料
噴射量補正量である。すなわち、本実施形態では、加速
時の実際の燃料噴射量は、ガード値QFULLと、燃料噴射
量QBASEと補正量QJRKFB との和のうち小さな値に設定
される。
【0025】次に、本発明におけるねじり振動抑制のた
めの燃料噴射量補正量QJRKFB の設定について説明す
る。図2(A) は、ねじり振動抑制のための燃料噴射補正
を実施しない場合の車両加速時における機関回転数NE
の時間変化を示す図である。図2に示すように、加速時
に要求燃料噴射量QGOV が急激に増大すると、実際の燃
料噴射量QBASEはガード値QFULLで制限されるため、Q
BASE=QFULLとなり回転数NEの増大につれて比較的緩
やかに増大する。この場合回転数NEの増加も比較的緩
かになるが、燃料噴射量増加による出力トルクの急増が
起振力となり機関出力軸系にねじり振動が誘発されるた
め、燃料噴射量QBASE(QFULL)の増大に対応する一様
な回転数上昇(図2の直線I)にねじり振動による回転
変動が加算された形で変動しながら上昇するようになる
(図2のカーブII)。
【0026】このねじり振動による変動成分は、機関出
力軸系のねじり振動共振周波数(一般に車両の軸系では
数Hz程度)の周波数を有し、時間とともに振幅が減衰
して行く。しかし、このようなねじり振動による機関回
転数変動が生じると、それに応じて車両の走行加速度が
変動するため車両のドライバビリティの悪化が生じる。
【0027】このようなねじり振動を抑制するために
は、機関回転数の変動を打ち消すように燃料噴射量を補
正すれば良い。すなわち、機関回転数が上昇方向に変動
しているとき(機関回転数の変化率が正のとき)には燃
料噴射量を減量補正し、機関回転数が減少側に変動して
いるとき(機関回転数の変化率が負のとき)には燃料噴
射量を増量補正するようにすれば良い。ところが、この
場合に機関回転数の変化率のみで燃料噴射量を補正する
と問題が生じる。図2(B) は加速時の機関回転数NEの
変化の一部(図2(A) のB部)を拡大図である。いま、
図2(B) に示すように、加速中の単位時間Δtに回転数
NEがΔNEだけ上昇したとする。この場合、機関回転
数NEのみで燃料噴射量を補正すると、補正量は回転数
NEの変化率ΔNEに応じた負の値となる。ところが、
実際には回転数の変化率ΔNEはねじり振動による変動
成分だけでなく、機関の加速による回転数上昇分をも含
んでいる。すなわち、ねじり振動が全く発生していない
場合であっても、機関回転数NEは図2(A) (B) の直線
Iに示すように一様に上昇して行く。このため、回転数
の変化率ΔNEは実際にはねじり振動による変化率成分
ΔNETVと定常的な加速成分ΔNEBASEとの和になって
いる(ΔNE=ΔNETV+ΔNEBASE)。
【0028】このため、加速中に回転数が上昇側に変動
したときにΔNEの値に応じて燃料噴射量を減量補正し
たのでは、定常的な加速による回転数上昇分まで燃料噴
射量が減量されてしまい、定常的な加速による回転数上
昇まで抑制されてしまうことになる。また、逆に回転数
が減少側に変動した場合には、ΔNETVは負の値になる
が、定常的な加速成分ΔNEBASEの値は正のままである
ため、結果としてΔNEの絶対値はΔNETVより小さく
なってしまう。従って、加速中に回転数が減少側に変動
したときにΔNEの値に応じて燃料噴射量を増量補正し
たのでは、同様に定常的な加速による回転数上昇分だけ
補正量が少なくなってしまい、定常的な加速による回転
数上昇が抑制されてしまうようになる。すなわち、回転
数の変化率ΔNEの値に応じて燃料噴射量を補正してい
ると、車両の加速性能が制限されてしまい、加速性能が
悪化する問題が生じる。
【0029】そこで、本実施形態では上述の場合に、ね
じり振動パラメータΔNEから定常的な加速成分ΔNE
BASEを差し引いて、捩じり振動成分ΔNETVのみを抽出
し、このTV振動成分に基づいて燃料噴射量を補正する。
また、ΔNEBASEの値としては、図2(A) (B) の直線I
の変化率が使用される。直線Iの変化率ΔNEBASEは、
回転数変動カーブから逆にねじり振動成分(変動成分)
を取り除き平滑化することにより求められる。この平滑
化した変化率ΔNEBASEとしては、一定期間内の回転数
変化率ΔNEを算術平均した値を用いるようにしてもよ
いが、本実施形態では、ΔNEをなまし処理して得られ
るなまし値ΔNEAVを使用する。
【0030】ΔNEAV=ΔNEAVi-1 +( ΔNE−
ΔNEAVi-1 )/K ここで、ΔNEは今回検出された回転数変化率、ΔNE
AVi-1 は前回算出されたなまし値、Kはなまし係数で
ある。すなわち、なまし値ΔNEAVは、前回までのな
まし値ΔNEAVi-1 と今回のΔNEとの加重平均値と
して逐次算出される。なまし値K(K>1)は加重平均
の際の重み付け係数に相当し、Kが大きい程回転数変動
の平滑化の度合いが大きくなる。Kの値は実際の機関出
力軸系を用いて実験により最適な値を決定する。
【0031】このように、ねじり振動パラメータの値か
ら捩じり振動成分のみを抽出して、このねじり振動成分
に基づいて燃料噴射量を補正することにより、車両の加
速性能を低下させることなく効果的に機関出力軸系のね
じり振動を抑制することが可能となる。図3は、本実施
形態のねじり振動抑制のための燃料噴射量補正操作を説
明するフローチャートである。本操作は、機関1のクラ
ンク軸一定回転角(本実施形態では180°毎)にEC
U30により実行されるルーチンとして行われる。
【0032】図3において操作がスタートすると、ステ
ップ301では、クランク角センサ35からのパルス信
号に基づいて算出され、ECU30のRAMに記憶され
ている機関回転数NEの最新の値が読み出され、さら
に、アクセル開度センサ31で検出したアクセル開度A
CCPが読み込まれる。次に、ステップ303では、回
転数NEの変化率ΔNEがΔNE=NE−NE i-1 とし
て算出される。ここで、NEi-1 は前回本操作実行時に
読み込んだ機関回転数であり、本操作実行毎にステップ
315で更新される値である。
【0033】そして、ステップ305では、ステップ3
03で算出したΔNEから定常成分ΔNEAVを差し引
くとにより振動成分ΔNETVが、ΔNETV=ΔNE−Δ
NEAVとして算出される。定常成分ΔNEAVは、前
述したようになまし係数Kを用いてΔNEを逐次なまし
処理することにより求められる(ステップ313)。そ
して、ステップ307では上記により算出したねじり振
動成分ΔNETVに基づいて、燃料噴射量補正量QJRKFB
が算出される。本実施形態では、QJRKFB は、ねじり振
動成分ΔNETVに負の定数αを乗じた値として算出され
る。
【0034】すなわち、QJRKFB =α×ΔNETV、(α
<0) これにより、補正量QJRKFB の値は、ねじり振動による
回転数変動(変化率)が大きい程、その変化を打ち消す
符号(回転数が上昇側に変動しているときは負、減少側
に変動すしている場合には正)の大きな値として設定さ
れるようになる。
【0035】上記により、燃料噴射量補正量QJRKFB
算出後、次にステップ309ではハンチング防止操作が
行われる。ステップ309では、現在ハンチングが生じ
る可能性があるか否かを判定し、現在ハンチングが生じ
る可能性があると判定された場合には、本実施形態では
補正量QJRKFB の値は0に設定され、燃料噴射の補正は
行わない。ステップ309のハンチング防止操作につい
ては後に詳述する。
【0036】上記ハンチングの判定終了後、ステップ3
11では、上記補正量QJRKFB を用いて最終燃料噴射量
FINCが設定され、その後ステップ313では今回の回
転数変化率ΔNEの値を用いて前述のなまし値ΔNEA
Vの値が再計算され、ステップ315では次回の操作に
備えてNEi-1 の値が更新され、本操作は終了する。図
4は、ステップ311で実行される最終燃料噴射量Q
FINCの設定操作を示すフローチャートである。
【0037】図4においてステップ401では、図3ス
テップ301で読み込んだ機関回転数NEとアクセル開
度ACCPとを用いて、ECU30のROMに格納した
数値マップから要求燃料噴射量QGOV が読み出され、ス
テップ403では、同様にECU30のROMに格納さ
れた数値マップからNEの値を用いて燃料噴射量のガー
ド値QFULLが読み出される。
【0038】そして、ステップ405では、基本燃料噴
射量QBASEの値が、 QBASE=MIN(QGOV ,QFULL)、 すなわち、QGOV とQFULLのうち小さい方の値に設定さ
れる。そして、ステップ407では、図3ステップ30
7と309で算出したねじり振動抑制のための燃料噴射
量補正量QJRKFB を用いて、燃料噴射量QFIN が、 QFIN =QBASE+QJRKFB として設定される。
【0039】また、本実施形態では、ねじり振動が比較
的大きい場合にはQJRKFB も大きな値に設定されるた
め、上記により算出したQFIN の値を再びステップ30
9でガード値QFULLを用いて制限し、最終燃料噴射量Q
FINCが、QFINC=MIN(QFI N ,QFULL)として算出
される。そして、ステップ411では、最終燃料噴射量
FINCの値が燃料噴射回路にセットされ本操作は終了す
る。
【0040】これにより、機関1への燃料噴射量はねじ
り振動のみによる回転数変動を打ち消すように補正され
るため、車両加速性能を悪化させることなくねじり振動
が抑制されるようになる。次に、図3ステップ309で
行われるハンチング防止操作について説明する。本実施
形態では、機関クランク軸180°回転毎に検出した回
転数変動(本実施形態では4気筒4サイクル機関が使用
されているため、すなわち気筒毎の回転数変動)に基づ
いてねじり振動の抑制制御を行っている。ところが、実
際の機関ではねじり振動が全く無い場合であっても気筒
毎に微妙に燃焼条件が異なるため、各気筒の出力トルク
にはばらつきが生じている。また、この出力トルクのば
らつきのため、実際には定常運転状態であっても各気筒
の爆発行程における機関回転速度は変動している。この
ため、図3の場合のようにねじり振動の抑制のための回
転数速度変化の検出周期と各気筒の回転数ばらつきとの
周期が一致すると、ハンチングが生じる可能性がある。
例えば、ねじり振動が全く生じていない場合であって
も、図3の制御では各気筒毎の回転数ばらつきがΔNE
として検出されてしまうため、このばらつきにより燃料
噴射量が補正されることになり、燃料噴射量の誤補正に
より逆に回転数変動が増幅されてしまう場合が生じるの
である。
【0041】本実施形態では、図3ステップ303で算
出したねじり振動成分ΔNETVの正負の符号の時間的変
化パターンに基づいて、ハンチングが生じる可能性があ
るか否かを判定し、ハンチングが生じるパターンになっ
ている場合には燃料噴射量の補正を停止することにより
(すなわち補正量QJRKFB =0として)燃料噴射量の誤
補正によるハンチングを防止している。
【0042】次に、本実施形態におけるハンチングの判
定について説明する。本実施形態では、クランク軸18
0°毎に変動成分ΔNETVが算出される。また、本実施
形態では4気筒4サイクル機関が使用されるため、燃料
噴射も180°毎に実行される。従って、例えばΔNE
TVの符号が算出毎(180°毎)に正負で変化するよう
な場合には、燃料噴射量の補正が過剰になっておりハン
チングを生じていると判定することができる。例えば、
前回算出時のΔNETVの符号が正であった場合には、燃
料噴射量が減量補正され回転速度は低下する。この場合
今回のΔNETVの値が負になっている場合には前回の燃
料噴射量の減量補正量が過剰であり機関回転速度が低下
し過ぎたことになる。このため、今回は燃料噴射量が増
量補正されるようになる。従って、ΔNETVの符号が算
出毎(180°毎)に変化するような場合には燃料噴射
量は減量補正と増量補正とが交互に繰り返され制御が不
安定になりハンチングが生じる可能性がある。
【0043】また、同様に、ΔNETVの符号が2回算出
毎に変化するような場合(例えば機関1回転(180°
×2=360°)の間正の値、次の1回転の間負の値を
繰り返すような場合)、及びΔNETVの符号が3回算出
毎に変化するような場合(例えば3回連続して正(負)
で次の1回が負(正)を繰り返すような場合)にもハン
チングが生じる可能性がある。
【0044】そこで、本実施形態ではこれらのパターン
にさらにノイズや外乱の影響による検出誤差の影響を加
味して図6のようなハンチングパターンを予め設定して
いる。図6については後に説明する。図5は、図3ステ
ップ309で実行されるハンチング防止操作の詳細を説
明するフローチャートである。
【0045】図5の操作では、ステップ501で図3ス
テップ305で算出したΔNETVの符号の正負が前回操
作実行時から変化したか否か(正負の符号が反転したか
否か)が判断される。そして、符号が反転していない場
合にはステップ505に進みカウンタC1 の値を1カウ
ントアップする。そして、ステップ507、509では
1 の値が最大値CMAX を越えないように制限する。こ
れにより、ΔNETVの符号が正または負に維持された状
態が続くとカウンタC1 の値は増大し、最大値CMAX
なる。
【0046】一方、ステップ501でΔNETVの符号が
反転していた場合には、ステップ503に進み、カウン
タC3 、C2 の値がそれぞれカウンタC2 、C1 の値に
入れ替えられ、カウンタC1 の値は1に設定される。こ
れにより、カウンタC3 、C2 、C1 には過去3回のΔ
NETVの符号変化履歴が保持されることになる。
【0047】例えば、C3 =C2 =1であった場合に
は、毎回ΔNETVの符号が反転していることを意味し、
3 =C2 =2であれば2回毎にΔNETVの符号が反転
していることになる。また、C3 =3かつC2 =1、ま
たはC3 =1かつC2 =3であれば、ΔNETVの値は3
回同じ符号をとった後一回だけ反転する変化を繰り返し
ていることが判る。
【0048】ステップ511は上記カウンタC1
2 、C3 によるハンチングの判定を示す。ステップ5
11では、図6のマップに基づいてハンチングの有無を
判定する。図6は縦軸にカウンタC2 の値を、横軸にカ
ウンタC3 の値をとったマップであり、マップ上のA〜
Dで示した点は、それぞれ、 A:C3 =C2 =1 B:C3 =C2 =2 C:C3 =3,C2 =1 D:C3 =1,C2 =3 の点である。すなわち、Aは毎回ΔNETVの符号が反転
している場合を、Bは2回毎にΔNETVの符号が反転し
ている場合を、CとDとは同じ符号が3回連続した後1
回だけ符号が反転する場合を、それぞれ表しており前述
したようにハンチングが生じる典型的な条件を表してお
り、マップ上の点AからDはハンチング判定の基本条件
といえる。従って、本実施形態ではカウンタC3 とC2
の組合せが上記AからDのいずれかになった場合には当
然、ハンチングが生じていると判断するが、実際の運転
では回転数NEの検出にはノイズ、外乱などにより誤差
が生じるためこれらの基本条件のみでハンチングの有無
を判定するのは危険が伴う。そこで、本実施形態では、
ノイズ等の影響を考慮して、C2 とC3 の値が、図6の
マップ上の斜線領域に入った場合にはハンチングが生じ
ている可能性があると判断するようにしている。図6の
斜線領域は、C2 =C3 +2(図6、線I)、C2 =C
3 −2(図6、線II)、C2 =−C3 +8(図6、線
III)の式で表される線で囲まれた領域となる。すな
わち、本実施形態のハンチングの判定条件は、 C3 −2≦C2 ≦C3 +2、かつC2 +C3 ≦8とな
る。
【0049】しかし、これだけでは一旦ハンチングと判
定されるとその後ΔNETVの符号が反転しなくなっても
ハンチング判定が解除されなくなる(ステップ501か
らステップ505に進んでいる間はC2 とC3 の値は変
化しないため)。このため、本実施形態では、更にカウ
ンタC1 の値がカウンタC2 またはC3 の値より小さい
ことをハンチングの判定条件として加えている。すなわ
ち、C1 の値がC2 またはC3 より小さいことはΔNE
TVが同じ符号にとどまっている回数が以前より少なくな
っていることを意味しており、ハンチングが成長しつつ
あることを意味する。これにより、C1 の値がC2 及び
3 の両方より大きくなった場合にはハンチングは解消
したと判断されるようになる。
【0050】すなわち、図5ステップ511においてハ
ンチングが生じていると判定される条件は、 C3 −2≦C2 ≦C3 +2、かつ C2 +C3 ≦8、かつ C1 ≦C2 またはC1 ≦C3 、となる。
【0051】ステップ511でカウンタC1 、C2 、C
3 が上記の条件を満たしている場合、すなわち現在ハン
チングが生じている可能性がある場合には、ステップ5
13に進み、図3ステップ307で設定した補正量Q
JRKFB の値は0に設定される。これにより、図4ステッ
プ409で設定される最終QFINCの値はQBASEに一致す
るようになる。すなわち、この場合にはねじり振動抑制
のための燃料噴射量補正のためにハンチングが生じ、振
動が増大したり制御が不安定になる可能性があるため、
燃料噴射補正は行わない。また、ステップ511でカウ
ンタの値が上記条件を満たしておらず、ハンチングの可
能性が無い場合には補正量QJRKFB の値は変更せずにそ
のまま操作を終了する。これにより、ねじり振動抑制の
ための燃料噴射量補正が実行されるようになる。
【0052】なお、実際には図6の斜線領域は実際の機
関と出力軸系を用いて実験により設定することが好まし
い。また、図5ステップ513ではハンチングの可能性
がある場合に補正量QJRKF B を0にセットして燃料噴射
量補正を行わなかったが、補正量QJRKFB の値を低減し
て(例えばQJRKFB =0とする代りに、QJRKFB =Q
JRKFB ×β、β<1)制御ゲインを低下させることによ
りハンチングを抑制しながらねじり振動をある程度抑制
するようにすることも可能である。
【0053】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、機関加
速性能の悪化を生じることなくねじり振動を効果的に抑
制することが可能となる共通の効果を奏する。また、請
求項3に記載の発明によれば、上記共通の効果に加えて
ねじり振動抑制制御にハンチングが生じることを防止可
能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両用ディーゼル機関に適用した場合
の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】加速時の機関回転数変化を示す図である。
【図3】ねじり振動抑制操作の一実施形態を説明するフ
ローチャートである。
【図4】燃料噴射量の設定操作の一実施形態を説明する
フローチャートである。
【図5】ハンチング防止操作の一実施形態を説明するフ
ローチャートである。
【図6】ハンチングの判定に使用するマップの一例を示
す図である。
【符号の説明】
1…内燃機関 10…車両 30…電子制御装置(ECU) 31…アクセル開度センサ 35…クランク角センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月27日(1999.4.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】すなわち、請求項2の発明では機関回転数
の変化率をねじり振動パラメータとして使用するととも
に、履歴値として所定期間の機関回転数変化率の変動を
平滑化した値を使用する。機関回転数の変化率は加速、
減速等の変動周期の大きい変化とねじり振動等の比較的
周期の短い変動とを合成したものになっている。このた
め、本発明では、まず所定期間内の機関回転数の変動を
平滑化することによりねじり振動による回転数変化率の
変動を排除した値を算出し、これを履歴値として使用す
る。従って、履歴値はねじり振動とは無関係な加速、減
速などの回転数変化率を表すようになる。このため、更
に現在のねじり振動パラメータの値から履歴値を差し引
くことによりねじり振動パラメータの振動成分のみを正
確に抽出することが可能となる。なお、機関回転数変化
率の平滑化の方法としては、例えば所定期間内の回転数
変化率の算術平均値や、後述するなまし処理を行った値
等を使用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】すなわち、請求項3の発明では抽出したね
じり振動成分の正負の符号の時間的変化パターンが特定
のパターンになった場合には振動補正量の絶対値を減量
することにより制御にハンチングが生じることを防止し
ている。機関回転数や車両加速度、出力軸ねじりトルク
等は機関の気筒毎の出力トルクのばらつきや機関出力軸
系の機械的要素(歯車など)の影響により微小な変動を
生じている。振動成分抽出手段により抽出された振動成
分はこれらの変動を含んでいるため、これらの変動周
ねじり振動抑制のための制御周期とが一致すると制御
にハンチングを生じてしまい、振動補正量の正負の変動
が増幅され制御が発散するおそれがある。予め、制御ゲ
インを小さく設定しておけばハンチングが生じることは
防止できるが、ゲインを小さく設定したのではねじり振
動抑制のための制御そのものの応答性が低下してしまい
充分な制振効果が得られなくなる問題がある。そこで、
本発明ではハンチングに至る可能性のあるねじり振動成
分の正負の符号変化の時間的パターンを予め記憶してお
き、実際のねじり振動成分の正負変動パターンが記憶し
た変動パターンと一致したときには振動補正量を減量
(すなわち制御ゲインを減少)する。これにより実際に
ハンチングが生じる可能性のある場合のみ制御ゲインが
低減されハンチングが防止されるが、ハンチングが生じ
る可能性の無い場合にはゲイン低減は行われない。この
ため、本発明によればハンチングを防止しながら充分な
制振効果を達成することが可能となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】すなわち、加速時初期等には要求燃料噴射
量QGOV が急増するが、機関回転数が上昇しない間はガ
ード値QFULLは比較的低い値のままであるため、実際の
燃料噴射量QBASEは、QBASE=QFULLに設定され、機関
回転数NEの上昇とともに、QFULLが増大するため、そ
れに応じてQBASEも増大し、機関回転数NEが更に上昇
する。そして、機関回転数が充分に上昇し、BASE<Q
FULL となった後は、実際の燃料噴射量QBASEは、QBASE
=QGOV に維持されるようになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】そこで、本実施形態では上述の場合に、ね
じり振動パラメータΔNEから定常的な加速成分ΔNE
BASEを差し引いて、捩じり振動成分ΔNETVのみを抽出
し、このΔNETV 振動成分に基づいて燃料噴射量を補正
する。また、ΔNEBASEの値としては、図2(A) (B) の
直線Iの変化率が使用される。直線Iの変化率ΔNE
BASEは、回転数変動カーブから逆にねじり振動成分(変
動成分)を取り除き平滑化することにより求められる。
この平滑化した変化率ΔNEBASEとしては、一定期間内
の回転数変化率ΔNEを算術平均した値を用いるように
してもよいが、本実施形態では、ΔNEをなまし処理し
て得られるなまし値ΔNEAVを使用する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】すなわち、QJRKFB =α×ΔNETV、(α
<0) これにより、補正量QJRKFB の値は、ねじり振動による
回転数変動(変化率)が大きい程、その変化を打ち消す
符号(回転数が上昇側に変動しているときは負、減少側
に変動している場合には正)の大きな値として設定され
るようになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本実施形態では、図3ステップ30で算
出したねじり振動成分ΔNETVの正負の符号の時間的変
化パターンに基づいて、ハンチングが生じる可能性があ
るか否かを判定し、ハンチングが生じるパターンになっ
ている場合には燃料噴射量の補正を停止することにより
(すなわち補正量QJRKFB =0として)燃料噴射量の誤
補正によるハンチングを防止している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA01 BA02 BA13 DA00 DA15 EB11 EB25 FA00 FA10 FA32 FA34 FA38 3G301 HA02 JA00 JA03 JA06 MA14 NA01 NC01 ND01 NE01 NE06 PE00A PE00Z PE02Z PE03Z PE06Z PF00Z PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力軸系のねじり振動の振幅
    に関連するねじり振動パラメータを検出する振動検出手
    段と、検出されたねじり振動パラメータの値に基づい
    て、ねじり振動を抑制するように内燃機関の燃料噴射量
    を補正する燃料噴射量補正手段とを備えた内燃機関の燃
    料噴射制御装置において、 前記燃料噴射量補正手段は、前記ねじり振動パラメータ
    の現在までの履歴を代表する履歴値を記憶し、検出した
    ねじり振動パラメータから前記履歴値を用いて出力軸系
    ねじり振動成分を抽出する振動成分抽出手段を備え、前
    記抽出されたねじり振動成分の大きさに応じて燃料噴射
    量を補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記振動検出手段は、前記ねじり振動パ
    ラメータとして機関回転数の変化率を検出し、前記振動
    成分抽出手段は、前記履歴値として現在までの所定期間
    の前記回転数変化率の変動を平滑化した値を記憶し、現
    在の機関回転数変化率から前記履歴値を差し引いた値を
    現在の出力軸系ねじり振動成分とする請求項1に記載の
    内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記振動成分抽出手段は、一定時間毎に
    前記出力軸系ねじり振動成分を抽出し、前記燃料噴射量
    補正手段は更に、前記抽出されたねじり振動成分に基づ
    いて燃料噴射量の振動補正量を算出し、機関運転状態に
    応じて設定される燃料噴射量に前記振動補正量を加算す
    ることにより燃料噴射量を補正するとともに、前記ねじ
    り振動成分の正負の符号の時間的変化パターンが予め定
    めたハンチングパターンと一致する場合には前記振動補
    正量絶対値を減量する請求項1または2に記載の内燃機
    関の燃料噴射制御装置。
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