JP2000063748A - コーティング組成物及びプラスチック成形物 - Google Patents

コーティング組成物及びプラスチック成形物

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JP2000063748A
JP2000063748A JP10234004A JP23400498A JP2000063748A JP 2000063748 A JP2000063748 A JP 2000063748A JP 10234004 A JP10234004 A JP 10234004A JP 23400498 A JP23400498 A JP 23400498A JP 2000063748 A JP2000063748 A JP 2000063748A
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coating composition
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JP10234004A
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English (en)
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Hisashi Ogasawara
恒 小笠原
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プラスチック成型品の耐久性を向上させる。 【解決手段】下記の成分A),B),C),D)を有す
るコーティング組成物。 A)一般式;R1aR2bSi(OR34-(a+b) (但し、式中R1は官能基又は不飽和二重結合を有する
有機基、R2は炭化水素基又はハロゲン化炭化水素、R3
はアルキル基など、aは0又は1、bは0〜2、且つa
+bは1又は2) B)下記の群から選ばれた1個の化合物 一般式;M1[CH2N(CH2COO)22Nac で表される金属錯体化合物(但し、式中、M1は、Z
n、Mn、Alなどであり、cは1又は2) 一般式;M2・Xn・Y3-n で表される金属キレート化合物(但し、式中M2は、Z
n、Mn、AlなどでありXは低級アルコキシ基、Yは
1COCH2COM2及びM3COCH2COOM4から選
ばれた化合物から生ずる配位子(M1,M2,M3及びM4
は低級アルキル基)、nは0,1または2)、C)無機
塩、D)エポキシ化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック材料に
塗布するコーティング用組成物及びこの組成物の硬化物
からなるコーティング層を有するプラスチック成型物に
関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、光学材料として従来のガラスに代わ
ってプラスチック材料が使用されるようになってきた。
プラスチック材料からなる成形物は、軽量、昜加工性、
耐衝撃性に優れるなどの長所を持っている反面、硬度が
不十分で傷がつき易い、溶媒に侵されやすい、帯電し易
くほこりを吸着する、耐熱性が不十分である等の問題点
があった。
【0003】プラスチック材料の耐擦傷性を改良する手
段として保護コートを施すことが提案された。コートに
使用されるコーティング組成物は多数提案されている
が、特開昭52−11261号公報では「有機ケイ素化
合物又はその加水分解物を主成分(樹脂成分又は塗膜成
分)とするコーティング組成物」が提案されている。ま
た特開昭53−111336号公報では、更にコロイド
状に分散したシリカゾルを添加したコーティング組成物
が提案されている。また、これらの塗膜性能を向上させ
るために特開平5−339541号公報では、一般式; M[CH2N(CH2COO)22Nac で表される金属錯体化合物(但し、式中、Mは、Zn、
Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、Alであ
り、cは1又は2である。)を用いることが提案されて
いる。
【0004】また特開平58−106092号公報に
は、エポキシ含有アルコキシシランとコロイダルシリカ
と過塩素酸マグネシウムと多官能エポキシ樹脂を主成分
とするような熱硬化性樹脂からなるコーティング組成物
を硬化させハードコート層とすることが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、コーテ
ィング組成物として前記のような例えば、エポキシ含有
アルコキシシランとコロイダルシリカ、及び一般式; M[CH2N(CH2COO)22Nac で表される金属錯体化合物(但し、式中、Mは、Zn、
Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、Alであ
り、cは1又は2である。)を主成分とする熱硬化性樹
脂からなる塗料を用い、これを透明プラスチック基材上
に塗布、硬化させ、耐擦傷性を向上させるハードコート
層を形成した。得られたプラスチック光学部品は、耐擦
傷性及びプラスチック基材とハードコート膜との密着性
等の耐久性には優れていたが、満足のいく耐溶剤性を得
ることが出来なかった。
【0006】また本発明者等は、コーティング組成物と
して例えば、エポキシ含有アルコキシシランとコロイダ
ルシリカと過塩素酸マグネシウムと多官能エポキシ樹脂
を主成分とするような熱硬化性樹脂からなる塗料を用
い、これを透明プラスチック基材上に塗布、硬化させハ
ードコート層を形成した。しかし、得られたプラスチッ
ク光学部品は、満足のいく耐擦傷性、耐溶剤性を得るこ
とが出来なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
問題点を解決し、高耐久性を有するプラスチック成形物
を得るために、コーティング組成物の成分について検討
した。そこで、本発明者等は、塗膜の耐擦傷性、表面硬
度、耐磨耗性,可撓性、透明性、帯電防止性、耐熱性、
耐水性、耐薬品性、耐溶剤性等の性能を向上し、かつ使
用可能期間の長いコーティング組成物を見いだした。
【0008】そこで、「少なくとも下記の成分(A),
(B),(C),(D)を有することを特徴とするコー
ティング組成物。 (A)一般式; R1aR2bSi(OR34-(a+b) ・・・式1 (但し、式中、R1は官能基又は不飽和二重結合を有す
る炭素数4〜14の有機基であり、R2は炭素数1〜6
の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素であり、R3は炭
素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又はア
シル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2であ
り、且つa+bは1又は2である。)で表わされる有機
ケイ素化合物またはその加水分解物 (B)下記の群から選ばれた少なくとも1個の化合物 一般式; M1[CH2N(CH2COO)22Nac ・・・式2 で表される金属錯体化合物(但し、式中、M1は、Z
n、Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、Al
であり、cは1又は2である。) 一般式; M2・Xn・Y3-n ・・・(式3) で表される金属キレート化合物(但し、式中、M2は、
Zn、Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、A
lでありXは低級アルコキシ基、YはM1COCH2CO
2及びM3COCH2COOM4からなる群から選ばれた
化合物から生ずる配位子(M1,M2,M3及びM4は低級
アルキル基)、nは0,1または2である。) (C)無機塩 (D)エポキシ化合物(請求項1)」を提供する。第2
に「前記(A),(B),(C),(D)成分に更に下
記成分が含まれていることを有することを特徴とする請
求項1記載のコーティング組成物。
【0009】(E)無機酸化物微粒子(請求項2)」を
提供する。第3に「(B)成分が前記式2の一般式で表
されるアルミニウム錯体化合物であることを特徴とする
請求項1または2記載のコーティング組成物(請求項
3)」を提供する。第4に「プラスチック基材上に請求
項1または2または3または4または5または6記載の
コーティング組成物の硬化層を有することを特徴とする
プラスチック成形物(請求項4)」を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成について説明
する。本発明で使用する(A)成分は、ビニル基、アリ
ル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカ
プト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基などの重合
可能な反応基を有するシラン化合物である。具体的なも
のとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルジメチルエトキシシラン、アリルトリエトキ
シシラン、アリルトリメトキシシラン、 γ−アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、 γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、 γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、 γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリスメトキシエトキシシラン、グリシドキシメチ
ルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキ
シシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラ
ン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−
グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシド
キシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシエトキシシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシ
ブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチ
ルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−
グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリ
シドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシド
キシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシ
エチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキプロピル
メチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、β−グリシドキプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポ
キシシラン、γ−グリシドキプロピルメチルジブトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエ
トキシシラン、γ−グリシドキプロピルメチルジフェノ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキプロピルエチルジエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシ
ラン、γ−グリシドキプロピルビニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキプロピルビニルジエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチル
ジメチルエトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、δ−アミノブチルジメチルメト
キシシラン、δ−アミノブチルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシランなどがある。これら
は、2種以上混合して用いることも可能である。また加
水分解を行ってから用いるか、硬化後に被膜を酸処理し
てもよい。
【0011】(B)成分は、(A)成分を重合させる作
用がある。(B)成分中の式2で表される金属錯体化合
物の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸鉄、エチ
レンジアミン四酢酸アルミニウム、エチレンジアミン四
酢酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸マンガン、エチレン
ジアミン四酢酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸
銅、エチレンジアミン四酢酸コバルト、エチレンジアミ
ン四酢酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸ビスマス
などがある。これらは、単独で使用してもよいし、また
2種類以上を混合して用いることも可能である。(B)
成分は(A)成分100重量部(固形分)当たり、0.
0001〜40重量部(固形分)使用するのが好まし
い。
【0012】(B)成分中の式3で表される金属キレー
ト化合物の具体例としては、アルミニウムアセチルアセ
トナート、アルミニウムエチルアセトアセテートビスア
セチルアセトナート、アルミニウムビスエチルアセトア
セテートアセチルアセトナート、アルミニウムジ−n−
ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテートなど
がある。これらも単独で使用してもよいし、また2種以
上混合して用いることも可能である。使用量は(A)成
分100重量部(固形分)当たり、0.01〜10重量
部(固形分)使用するのが好ましい。
【0013】(C)成分は、耐薬品性、耐溶剤性を向上
させるために用いる。具体例としては、亜塩素酸ナトリ
ウム、塩化銅、アジ化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリ
ウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸銀、亜硝酸ナトリウム、
亜硝酸ナトリウムコバルト、アミド硫酸アンモニウム、
アミド硫酸コバルト、アミド硫酸銅、アミド硫酸ニッケ
ル、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜りん酸水素ナトリウ
ム、一塩化硫黄、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化ア
ンチモン、塩化アンモニウム、塩化インジウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウム、塩化銀、塩化クロム、塩化コ
バルト、塩化酸化ジルコニウム、塩化酸化ビスマス、塩
化ジルコニウム、塩化スカンジウム、塩化第一すず、塩
化第二すず、塩化第一鉄、塩化第一銅、塩化第一白金酸
カリウム、塩化第二金酸ナトリウム、塩化第二鉄、塩化
第二銅、塩化第二銅アンモニウム、塩化第二白金酸ナト
リウム、塩化タングステン、塩化チタン、塩化ナトリウ
ム、塩化ナトリウム白金、塩化第二アンモニウム銅、塩
化ニッケル、塩化白金、塩化白金カリウム、塩化パラジ
ウム、塩化バリウム、塩化ビスマス、塩化マグネシウ
ム、塩化マンガン、塩化モリブデン、塩化ランタン、塩
化リチウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸銀、過塩素酸
コバルト、過塩素酸鉄、過塩素酸銅、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸ニッケル、過塩素酸バリウム、過塩素酸マ
グネシウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸アルミニウ
ム、過塩素酸亜鉛、過塩素酸アンモニウム、過ほう酸ナ
トリウム、過マンガン酸カリウム、過よう素酸カリウ
ム、過よう素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、けい酸アルミニウム、
けい酸カリウム、けい酸カルシウム、けい酸ジルコニウ
ム、けい酸ナトリウム、けい酸マグネシウム、けいふっ
化亜鉛、けいふっ化アンモニウム、けいふっ化カリウ
ム、けいふっ化ナトリウム、けいふっ化マグネシウム、
シアン化亜鉛、シアン化カリウム、シアン化銀、シアン
化銅、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム銀、シア
ン化カリウムコバルト、シアン化カリウム銅、四塩化す
ず、四塩化チタン、四酢酸鉛、次酢酸鉛、四ほう酸カリ
ウム、四ほう酸ナトリウム、四ほう酸リチウム、臭化亜
鉛、臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化銀、臭化コ
バルト、臭化すず、臭化銅、臭化ナトリウム、臭化鉛、
臭化ニッケル、臭化バリウム、臭化リチウム、硝酸亜
鉛、硝酸アンモニウム、硝酸インジウム、硝酸カリウ
ム、硝酸ガリウム、硝酸カルシウム、硝酸コバルト、硝
酸酸化ジルコニウム、硝酸スカンジウム、硝酸ストロン
チウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸ナトリウム、硝酸鉛、硝
酸ニッケル、硝酸バリウム、硝酸ビスマス、硝酸マグネ
シウム、硝酸マンガン、硝酸リチウム、水酸化亜鉛、水
酸化アルミニウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化セリウム、水酸化銅、水酸化鉄、水酸化ニッ
ケル、水酸化マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カ
リウム、炭酸カルシウム、炭酸銀、炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン、炭酸ラ
ンタン、炭酸リチウム、ちっ化クロム、ちっ化鉄、二塩
化ジブチルすず、二亜硫酸ナトリウム、ニクロム酸アン
モニウム、ニクロム酸カリウム、ほう酸亜鉛、ほう酸ア
ンモニウム、ほう酸ナトリウム、よう化亜鉛、よう化ア
ンモニウム、よう化アルミニウム、よう化カリウム、よ
う化カルシウム、よう化銀、よう化コバルト、よう化す
ず、よう化銅、よう化ナトリウム、よう化鉛、よう化バ
リウム、よう化ビスマス、よう化リチウム、硫化アンモ
ニウム、硫化アンチモン、硫化カリウム、硫化銀、硫化
銅、硫化ナトリウム、硫化鉄、硫化鉛、硫化ニッケル、
硫化バリウム、硫化リチウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、硫酸カリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸ガリウム、硫酸銀、硫酸コバ
ルト、硫酸すず、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫
酸鉛、硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸マンガ
ン、硫酸リチウム、りん酸亜鉛、りん酸アンモニウム、
りん酸アルミニウム、りん酸カリウム、りん酸カルシウ
ム、りん酸水素アルミニウム、りん酸水素カルシウム、
りん酸水素ナトリウム、りん酸水素マグネシウム、りん
酸水素マンガン、りん酸鉄、りん酸マグネシウム、りん
酸リチウム等がある。これらは単独で使用できるが、2
種以上混合して用いることも可能である。
【0014】(C)成分の使用量は、(A)成分100
重量部(固形分)当たり、0.01〜15重量部(固形
分)使用するのが好ましい。(C)成分は単独で使用し
てもよいが、耐薬品性、耐溶剤性向上の効果は少なく、
更に(D)成分と共に使用することが好ましい。(D)
成分も(C)成分と同様に耐薬品性、耐溶剤性向上のた
めに用いる。具体例としては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2
−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、O−フタル酸ジグリシジルエーテル、グリセリンポ
リグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエ
ーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソル
ビトールポリグリシジルエーテルなどがある。(D)成
分の使用量は、(A)成分100重量部(固形分)当た
り、1〜25重量部(固形分)が好ましい。25重量部
より多く加えると、十分な耐擦傷性が得られず、また1
重量部よりも少ないと十分な耐薬品性、耐溶剤性が得ら
れない。また、(D)成分は単独で使用してもよいが、
耐薬品性、耐溶剤性向上の効果は少なく(C)成分と共
に使用するのが好ましい。
【0015】また塗膜の硬度の向上と塗膜の屈折率の制
御のために(E)成分として無機微粒子を加えても有効
である。(E)成分は、無機酸化物微粒子であり、1〜
300nmの平均粒子径を有するものが好ましい。
(E)成分の具体例として、Al23、TiO2、Zr
2、Fe22、Sb25、BeO、ZnO、SnO2
CeO2、SiO2、WO3などがあげられる。これらの
微粒子は単独で用いてもよいし、また複数の微粒子を混
合して用いてもよい。更に、複数の微粒子を複合酸化物
として用いることも有効である。ここで用いる複合酸化
物とは、微粒子の製造段階で2種類以上の無機酸化物を
混合させたものである。例えばCeO2とTiO2、Si
2とCeO2とTiO2、ZrO2とTiO2との複合酸
化物微粒子などが挙げられる。また無機微粒子として酸
化金属塩あるいは無機酸化微粒子と酸化金属塩の複合体
または化合物を用いてもよい。酸化金属塩としては、Z
nOSnO2、BaOSnO2、SrOSnO2、CaO
SnO2、MgOSnO2、RaOSnO2、ZnOSb2
55、BaOSb25、SrOSb25、CaOSb2
5、MgOSb25、RaOSb25、ZnOTi
2、BaOTiO2、SrOTiO2、CaOTiO2
MgOTiO2、RaOTiO2、ZnOZrO2、Ba
OZrO2、SrOZrO2、CaOZrO2、MgOZ
rO2、RaOZrO2、CoOFe23、MnOFe2
3、ZnOFe23、NiOFe23などが挙げられ
る。これらの酸化金属塩は、単独または2種類以上を混
合して用いることが可能である。また、これらの酸化金
属塩は、Al23、TiO2、ZrO2、Fe23、Sb
25、BeO、ZnO、SnO2、CeO2、SiO2
WO3等の金属微粒子との複合体として用いることも可
能である。これらは使用目的、屈折率等により適宜選択
して用いる。更に複合酸化物及び微粒子又は微粒子の複
合酸化物を酸化ケイ素および有機ケイ素化合物および有
機金属化合物により処理してなる微粒子も含まれる。酸
化ケイ素による処理とは、微粒子を含む分散媒体中で微
粒子表面に、酸化ケイ素微粒子を公知の方法で成長させ
ることである。
【0016】また無機酸化物微粒子を使用する際には、
微粒子を直接用いてもよいし、また水、アルコール系又
はその他の有機溶媒に予め分散させたコロイド状の状態
で用いてもよい。ここで有機ケイ素化合物、有機金属化
合物による処理とは、微粒子を含む分散媒体中で化合物
を添加し、加熱攪拌することによる方法である。(E)
成分の使用量は(A)成分100重量部(固形分)当た
り、10〜400重量部(固形分)使用するのが好まし
い。
【0017】このようにして得られるコーティング組成
物は、必要に応じて溶媒で希釈して用いることができ
る。溶媒として、水、アルコール類、エステル類、ケト
ン類、エーテル類、ジメチルホルムアミド、芳香族類な
どの溶媒が用いられ、必要に応じて混合溶媒を用いるこ
とも可能である。また、塗膜面の欠陥を改良するため
に、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、非イ
オン系界面活性剤などのレベリング剤あるいは耐候性を
向上させるために紫外線吸収剤や酸化防止剤あるいは液
を安定させるためにpH調整剤を添加することも可能で
ある。本発明における硬化被膜の塗布方法はディップ
法、スプレー法、スピンコート法など公知の方法であれ
ば特に制限はない。また、プラスチック成型物の表面は
必要に応じてアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理
などの前処理を行っておくことも可能である。
【0018】本願発明において使用されるプラスチック
レンズ基材は、従来知られているものをはじめ各種のも
の、例えばポリメチルメタクリレートおよびその共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネートポリマー等からなるプラスチッ
クレンズ成形物が例示される。
【0019】また基材の材料として紫外線硬化型樹脂ま
たは紫外線硬化性と熱硬化性の両者を兼ね備えた樹脂を
用いることも可能である。本願発明に用いる紫外線硬化
型樹脂としては、以下に挙げるような紫外線の照射によ
り重合する紫外線硬化型樹脂が使用される。但し、前記
のごとく紫外線硬化性と熱硬化性の両者を兼ね備えた樹
脂を用いてもよい。この場合、紫外線により重合を開始
する重合開始剤と熱により重合を開始する重合開始剤を
モノマーに添加する。
【0020】紫外線重合反応系としては、紫外線照射に
よってラジカルを発生する光重合ラジカル開始剤と、ラ
ジカル重合するモノマーあるいはオリゴマーやプレポリ
マーが必要である。また、この他に増感剤、貯蔵安定
剤、重合禁止剤や目的に応じたポリマーや色材などを配
合してもよい。また、光カチオン重合系も適宜利用され
る。
【0021】光重合ラジカル開始材としては、特に限定
されるものではなく公知のものが使用できる。代表的な
ものを以下に示すと、ビアセチル、アセトフェノン、ベ
ンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル等が挙げられ
る。また光ラジカル種が効率よく硬化を起こすために、
ラジカル重合性のオリゴマーが用いられ、また粘度を調
整する目的で重合性モノマーが適宜添加される。光重合
オリゴマーの種類は究めて多彩であるが、不飽和ポリエ
ステル/スチレン系、エポキシ/ルイス酸系等がある。
また、不飽和ポリエステル以外には重合性の単位として
はアクリル基が多用されている。アクリル系のオリゴマ
ーとしては、その基本構造によりポリエステルアクリレ
ート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、
アルキッドアクリレート、ポリオールアクリレートに大
別されているが、希釈モノマーも含めたこれらの材料の
選択が可能である。この中で重要なものは、ポリエステ
ル、エポキシ、ウレタン、ポリオール各アクリレートで
ある。主な光重合性モノマーを挙げると、単官能のもの
では、ウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート等が挙げられる。また、2官能のものでは、1,
3ブタンジオールジアクリレート、1,4ブタンジオー
ルジアクリレート等が挙げられる。更に3官能以上のも
のでは、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
【0022】増感剤としては、アミン、尿素、イオウ化
合物等が挙げられる。貯蔵安定剤としては、第4級アン
モニウムクロライド、ジエチルヒドロキシアミン、環状
アミド等が挙げられる。プラスチック基材上には、本願
発明のコーティング組成物よりなるコート層を直接設け
てもよいし、基材とコート層の間にプライマー層を形成
することも可能である。プライマー層を形成することに
より、その上に形成するコート層と基材との密着性を向
上させることが可能であり、また耐衝撃性を向上させる
ことも可能である。
【0023】プライマー層に用いる材料としては、ウレ
タン系材料を主成分とする組成物又はポリビニルアセタ
ールを主成分とする組成物を硬化させたものが使用でき
る。ウレタン系材料を主成分とする組成物は、活性水素
含有化合物とポリイソシアネートとからなる。ここで、
活性水素含有化合物としては、エチレングリコール等の
アルキレングリコール類や、ポリプロピレングリコール
等のポリアルキレングリコール類や、ポリ(ジエチレン
アジペート)等のポリアルキレンアジペート類や、ポリ
−ε−カプロラクトン等のポリブタジエングリコール類
や、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリ(ア
ルキレンカーボネート)類や、シリコンポリオール等が
挙げられるが、その他の公知の活性水素含有化合物の使
用も可能である。
【0024】ポリイソシアネートの例としては,トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の
脂肪族系ジイソシアネートが挙げられる。さらにポリイ
ソシアネートとして、ブロック型ポリイソシアネート等
を用いることもできる。また活性水素含有化合物とポリ
イソシアネートとの混合物でも使用でき、また重合物で
もよい。このようなウレタン系材料は、ウレタン系材料
からなる溶液、またはウレタン系材料からなる粒子を水
等の溶媒中に分散させたものでもよい。
【0025】またウレタン系材料の他、架橋されたポリ
ビニルアセタールを主成分とする材料からプライマー層
を形成することも可能である。ポリビニルアセタールか
らなるプライマー層は、主成分であるポリビニルアセタ
ールと、加水分解性オルガノシラン化合物又はその加水
分解縮合物、アルミニウム又はチタニウムのアルコキシ
ド化合物あるいはアルミニウム又はチタニウムのアルコ
キシドジケトネート化合物及び硬化触媒を溶解したプラ
イマー組成物をプラスチックレンズ表面に塗布し、加熱
処理することにより形成可能である。
【0026】本願発明に適用するポリビニルアセタール
からなるプライマー組成物は、少なくとも、一般式中の
アセタール基を有する構成単位の分率(a)(分率とは
特定の構成単位の重合体中の総構成単位数に対する割合
である)が10〜90、OH基を有する構成単位数の分
率(b)が10〜90であり、またa+b≦100であ
る重合体(F)と、(G)一般式; R5dR6eSiZ1 4-(a+b) ・・・式4 (ただし、式中、R5 、R6 は置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の炭化水素基であり、Z1 は加水分解物基で
あり、d、eは0から3までの整数である)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物もしくはその加水分解
物、又は一般式; Z2 (3-f)8 fSiR7SiR9 g2 (3-g)・・・式5 (ただし、式中、R7は炭素数2〜8の有機基であり、
8、R9は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭化水
素基であり、Z2は加水分解物基であり、f、gは0か
ら2までの整数である)で表される加水分解性オルガノ
シラン 化合物もしくはその加水分解物、又は一般式; CHOR10CHO ・・・式6 (ただし、式中、R10は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基である)で表されるジアルデヒド化合
物若しくはグリオキサール又は一般式; R11CH(OR12 22 ・・・式7 (ただし、式中、R11は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基であり、R12 は炭素数1〜4の飽和
炭化水素基である)で表されるジアルデヒドのアセター
ル化合物の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
と、(H)有機溶媒及び水とからなるプライマー組成物
であって、前記(F)成分の含有率は1〜30重量%で
あり、(G)成分である架橋剤の含有率は0.01〜3
0重量%である。
【0027】プライマー組成物中のオルガノシラン化合
物の添加量としては0.01〜10重量%であり、好ま
しくは0.1〜5重量%である。有機金属アルコキシド
化合物としては、アルミニウムもしくはチタニウムのア
ルコキシド又はアルコキシドジケトネート化合物が用い
られる。これらは1種類の化合物を単独で用いてもよい
し、2種類以上の化合物を混入して用いてもよい。
【0028】有機金属アルコキシド化合物の具体的な例
としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウム
トリエトキシド、チタニウムアルコキシド、チタニウム
ジエトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウ
ムジプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、など
があげられる。この中でも特にチタニウムアルコキシド
が好ましい。
【0029】プライマー組成物中の有機金属アルコキシ
ド化合物の添加量としては、0.01〜10重量%、好
ましく0.1〜3重量%であるが、オルガノシラン化合
物の50モル%以下が好ましい。ライマー層の硬化後の
膜厚は、0.1〜5μmであり好ましくは0.2〜3μ
mである。プライマー層の膜厚が0.1μmより薄いと
耐衝撃性の改善が十分でなく、また5μmより厚いと耐
衝撃性の点では問題がないが、耐熱性と面精度が低下す
る。
【0030】また、プライマー溶液には、前記したよう
なハードコート層に混入させたような微粒子状無機酸化
物を混入させることが可能である。微粒子の混入によ
り、屈折率の調整、硬度の向上などの効果を付与するこ
とができる。これら微粒子としては、市販されている水
又は有機溶媒に分散した微粒子をそのまま用いることが
できる。
【0031】また、本発明のコーティング組成物を硬化
して形成した膜上には、無機酸化物からなる反射防止膜
を形成することも可能である。更に反射防止膜上には、
水ヤケを防止するための膜を形成することが可能であ
る。材料としては、有機ポリシロキサン系重合物または
パーフルオロアルキル基含有化合物を主成分とする材料
からなるものが使用可能である。形成方法としては、浸
漬法、真空蒸着法等が用いられる。
【0032】
【実施例1】以下、本発明の実施例を記載するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (1)プラスチック成型物 屈折率1.498のCR−39眼鏡用プラスチックレン
ズ基材を用いた。 (2)塗液の調整 β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン180重量部に0.1規定のHClを0.4
重量部添加し、これを数時間攪拌させながら加水分解を
行った。これにメタノール分散シリカゾル(日産化学
(株)製、固形分30%)600重量部と、グリセリン
ジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製デナコ
ールEX313)20重量部と、アルミニウムアセチル
アセトネート10重量部と過塩素酸鉄5.0重量部と、
レベリング剤としてL7001(日本ユニカー(株)製
シリコーン系界面活性剤)を2.0重量部を添加し、十
分に攪拌後一昼夜熟成させて塗液とした。 (3)塗膜および硬化 前処理としてアルカリ処理を行った(1)のプラスチッ
クレンズ上に、スピンコート法(1000rpm 20
秒)により(2)で得られた塗液を塗布し、塗布したプ
ラスチックレンズを100℃で180分間加熱処理して
硬化させた。このようにして得られた硬化被膜は透明性
に優れていた。 (4)試験および評価結果 得られたレンズを次のような方法で試験を行い、その結
果を表1に示した。 (a)膜の密着性試験 膜の密着性を評価するために、クロスハッチテープテス
トを次の方法で実施した。コーティング層表面にカッタ
ーナイフで1mm角のゴバンの目を入れ、1mm2の升
目を100個形成した。その後セロハン粘着テープ(商
品名「セロテープ」ニチバン(株)製)を強く張り付け
た後、テープの一端を持ち、表面から90°方向に勢い
よく剥がし、レンズ表面のゴバンの目が何個剥がれるか
を調べた。剥がれたゴバンの目の数Xを分子にしてX/
100で表す。この場合、Xが大きいほど密着性がよい
ことになる。すなわち、クロスハッチテープテストの結
果が「100/100」であれば、膜が全く剥がれなか
ったことを示している。 (b)耐擦傷性試験 膜の耐擦傷性を評価するために、スチールウール#00
00でレンズ表面を摩擦し傷つき難さを調べた。評価は
次のように行った。 ◎・・・かなり強く摩擦しても傷つかない ○・・・かなり強く摩擦すると少し傷がつく ×・・・弱い摩擦でも傷がつく なお、硬化塗料なしのプラスチックレンズの評価は×で
ある。 (c)耐溶剤性1 膜の耐溶剤性を評価するためにコーティング層にエポキ
シ系インキ((株)セイコーアドバンス製1000ブル
ー)をパット印刷で印刷し、2週間室内に放置したのち
面の状態を観察した。面が侵されていないものを良とし
た。 (d)耐溶剤性2 膜の耐溶剤性を評価するためにコーティング層にマジッ
ク(テラニシ製マジックインキNo.700赤)で印を
つけ、4時間放置したのち面の状態を観察した。面が侵
されていないもの、マジックの跡が残っていないものを
良とした。 (e)耐薬品性 膜の耐薬品性を評価するために、pH12の水酸化ナト
リウム水溶液に10時間浸漬した後、面の状態を観察し
た。面が侵されていないものを良とした。 (f)ポットライフ 組成物のポットライフを評価するために、調整した塗液
を1ヶ月保存した後、初期と同様な方法で塗布および硬
化を行い、上記(a)〜(e)の試験結果を初期の結果
と比較した。初期結果と有意差のないものを良とした。
【0033】
【実施例2】(1)プラスチック成型物 屈折率1.56の眼鏡用プラスチックレンズ基材を用い
た。 (2)塗液の調整 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシシラン190
重量部に0.1規定HClを0.4重量部添加し、数時
間攪拌させながら加水分解を行った。
【0034】上記混合物にメタノール分散シリカゾル
(日産化学(株)製、固形分30%)600重量部と、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(共栄
社化学(株)製エポライト1600)10重量部と、エ
チレンジアミン四酢酸アルミニウム10.0重量部と過
硫酸アンモニウム5.0重量部と、レベリング剤として
フロラードFC430(住友スリーエム(株)製フッ素
系界面活性剤)を2.0重量部とメタノール400重量
部を添加し、十分に攪拌後一昼夜熟成させて塗液とし
た。 (3)塗膜および硬化 前処理としてアルカリ処理を行った(1)のプラスチッ
クレンズ上に、浸漬法(3mm/sec)により(2)
で得られた塗液を塗布し、塗布したプラスチックレンズ
を100℃で180分間加熱処理して硬化させて得られ
た硬化被膜は透明性に優れていた。このようにして得ら
れたレンズを実施例1と同様の方法で試験を行い、その
結果を表1に示す。
【0035】
【実施例3】(1)プラスチック成型物 屈折率1.60の眼鏡用プラスチックレンズ基材を用い
た。 (2)塗液の調整 γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン1
60重量部に0.1規定HClを0.4重量部添加し、
数時間攪拌させながら加水分解を行った。
【0036】上記混合物にSnO2/WO2複合微粒子分
散メタノールゾル(日産化学(株)製、固形分30%)
600重量部と、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成工業(株)製デナコールEX91
1)40重量部と、アルミニウムアセチルアセトネート
5.0重量部と、りん酸アンモニウム5.0重量部を、
レベリング剤としてL7001(日本ユニカー(株)製
シリコーン系界面活性剤)を2.0部を添加し、十分に
攪拌後一昼夜熟成させて塗液とした。 (3)塗膜および硬化 前処理としてアルカリ処理を行った(1)のプラスチッ
クレンズ上に、スピンコート法(1000rpm 20
秒)により(2)で得られた塗液を塗布し、塗布したプ
ラスチックレンズを100℃で180分間加熱処理して
硬化させて得られた硬化被膜は透明性に優れていた。こ
のようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法で
試験を行い、その結果を表1に示す。
【0037】
【実施例4】(1)プラスチック成型物 屈折率1.66の眼鏡用プラスチックレンズ基材を用い
た。 (2)塗液の調整 γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン1
80重量部に0.1規定HClを0.4重量部添加し、
数時間攪拌させながら加水分解を行った。
【0038】上記混合物に触媒化成(株)製TiO2
ZrO2複合微粒子分散メタノールゾル(触媒化成
(株)製、固形分20%)を600部と、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学(株)
製エポライト100MF)20重量部と、エチレンジア
ミン四酢酸アルミニウム10重量部と塩化マグネシウム
5.0重量部を、レベリング剤としてL7001(日本
ユニカー(株)製シリコーン系界面活性剤)を2.0重
量部を添加し、十分に攪拌後一昼夜熟成させて塗液とし
た。 (3)塗膜および硬化 前処理としてアルカリ処理を行った(1)のプラスチッ
クレンズ上に、スピンコート法(1000rpm 20
秒)により(2)で得られた塗液を塗布し、塗布したプ
ラスチックレンズを100℃で180分間加熱処理して
硬化させて得られた硬化被膜は透明性に優れていた。こ
のようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法で
試験を行い、その結果を表1に示す。
【0039】[比較例1]実施例1において、過塩素酸
鉄を添加しないこと以外はすべて同様に調合し、塗膜お
よび硬化を行った。このようにして得られたレンズを実
施例1と同様の方法で試験を行い、その結果を表1に示
す。 [比較例2]実施例2において、エチレンジアミン四酢
酸アルミニウムを添加しないこと以外はすべて同様に調
合し、塗膜および硬化を行った。このようにして得られ
たレンズを実施例1と同様の方法で試験を行い、その結
果を表1に示す。
【0040】[比較例3]実施例3において、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテルを添加しないこと以
外はすべて同様に調合し、塗膜および硬化を行った。こ
のようにして得られたレンズを実施例1と同様の方法で
試験を行い、その結果を表1に示す。 [比較例4]実施例4において、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシシランを100重量部に、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルを100重
量部にすること以外はすべて同様に調合し、塗膜および
硬化を行った。このようにして得られたレンズを実施例
1と同様の方法で試験を行い、その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明により、優れた透明性、耐久性を
有し、密着性の優れたプラスチック成形物を得ることが
出来る。また、コーティング組成物の使用期間が1ヶ月
以上と長く、生産性もよく製造コストを削減することが
出来る。すなわち、生産性よくプラスチック材料の特徴
を失うことなく、より優れた特性をもつプラスチック成
形物を作製することが可能になる。このことにより、眼
鏡、カメラ、双眼鏡などの各種レンズまたはディスプレ
ー用カバーなどの光学用途の透明プラスチックなど多種
多様の使用条件にも耐えうるプラスチック成型物を得る
ことが可能となった。また、耐溶剤性、耐薬品性に優れ
ている。これにより、プラスチック成型品に例えばペン
等で印等を付けた場合でもレンズ表面が侵されることが
ないために扱い易いレンズとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA02 AA15 AA17 AA22 AA34 AA35 AA36 AA37 AB34 AB62 AB65 AB67 AB72 AB74 AB75 AB76 AB77 BA02 BA04 BA07 BA16 CA05 DA00 DA04 4F100 AA01A AA17A AH08A AK01B AK12 AK12J AK25 AK27 AK27J AK45 AK52A AK53A AL01 AL05A BA02 CA23A DE01A EH462 EJ082 EJ412 GB90 JB01 JB07 JK06 JN01 4J038 DL051 DL071 DL081 HA116 HA126 HA176 HA186 HA216 HA256 HA276 HA286 HA296 HA316 HA336 HA356 HA376 HA416 HA456 JA47 JA69 JB10 JC38 KA03 KA20 NA01 NA04 NA11 NA12 NA14 NA17 PA19 PB08 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記の成分(A),(B),
    (C),(D)を有することを特徴とするコーティング
    組成物。 (A)一般式; R1aR2bSi(OR34-(a+b) ・・・式1 (但し、式中、R1は官能基又は不飽和二重結合を有す
    る炭素数4〜14の有機基であり、R2は炭素数1〜6
    の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素であり、R3は炭
    素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又はア
    シル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2であ
    り、且つa+bは1又は2である。)で表わされる有機
    ケイ素化合物またはその加水分解物 (B)下記の群から選ばれた少なくとも1個の化合物 一般式; M1[CH2N(CH2COO)22Nac ・・・式2 で表される金属錯体化合物(但し、式中、M1は、Z
    n、Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、Al
    であり、cは1又は2である。) 一般式; M2・Xn・Y3-n ・・・式3 で表される金属キレート化合物(但し、式中、M2は、
    Zn、Mn、Mg、Fe、Cu、Co、Ca、Bi、A
    lでありXは低級アルコキシ基、YはM1COCH2CO
    2及びM3COCH2COOM4からなる群から選ばれた
    化合物から生ずる配位子(M1,M2,M3及びM4は低級
    アルキル基)、nは0,1または2である。) (C)無機塩 (D)エポキシ化合物
  2. 【請求項2】前記(A),(B),(C),(D)成分
    に更に下記成分が含まれていることを有することを特徴
    とする請求項1記載のコーティング組成物。 (E)無機酸化物微粒子
  3. 【請求項3】(B)成分が前記式2の一般式で表される
    アルミニウム錯体化合物であることを特徴とする請求項
    1または2記載のコーティング組成物。
  4. 【請求項4】プラスチック基材上に請求項1または2ま
    たは3または4または5または6記載のコーティング組
    成物の硬化層を有することを特徴とするプラスチック成
    形物。
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