JP2000062666A - 自転車用テールランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】安価で経済的なＬＥＤ発光素子を用いた点滅発
光手段を後方に向けて設けることにより、自転車の後方
からの視認性を向上させる。 【解決手段】自転車の後方に向けて車体に取り付けられ
るランプであって、該ランプは複数のＬＥＤ発光素子
と、該発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とを内蔵
し、しかも上記複数のＬＥＤ発光素子には赤色と緑色と
を含む。 これにより複数のＬＥＤ発光素子に含まれる
赤色と緑色のＬＥＤ発光素子を点滅発光させると緑の発
光波長が長いために遠方まで視認可能となり、その結果
赤色の発光が視覚的に倍化強調され、後方視認性が著し
く向上し、昼・夜間の通常走行に限らず、霧の発生時、
またトンネル内走行時等において自転車の走行安全性を
著しく向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に自転車の後輪
に沿わせる泥よけ等に、照射方向を後方に向けて取り付
けられるテールランプに関し、後方からの視認性をより
一層十分に確保するとともに機能性を向上することを目
的とする。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、自転車の後輪側泥よけ背面や
フレームのバックホークには、追走する車両などの前照
灯を受けて反射するリフレクターが取り付けられてい
る。 また車体後部の適当箇所に後方照射用の豆ランプ
を取り付け、これを前照灯点灯用のダイナモ発電機に接
続して点灯させるようにしたものも一部に見られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したリフ
レクターの取り付けは、後方からの視認性の点で十分で
はなく安全性に欠けるところが多い。 また後方照射用
の豆ランプを取り付ける場合においても光りが単色で、
しかも連続点灯であるために後方視認性が必ずしも十分
ではないばかりか低速走行では殆ど光らず、またダイナ
モへ接続するリード配線を車体に這わせる必要があると
ころから構造が複雑化し、配線の腐食等によって故障し
やすく、また豆ランプ点灯により前照灯が暗くなるこ
と、さらに走行時の踏力エネルギーの増大からダイナモ
の使用自体が嫌われがちであるために、あまり現実的で
はない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記し
た従来の後方からの視認手段を改良し、構造が簡単でし
かも後方視認性が十分であり、かつ大型トラック等自転
車よりもはるかに高さのある車両の運転者に対しても存
在を十分にアピールすることが可能であって、しかも低
消費電力の経済的かつ機能的なテールランプを開発した
ものであって、具体的には請求項１の発明は、自転車の
後方に向けて車体に取り付けられるランプであって、該
ランプは複数のＬＥＤ発光素子と、該発光素子を点滅発
光させる蓄電池装置とを内蔵し、しかも上記複数のＬＥ
Ｄ発光素子には赤色と緑色とを含むものであることを特
徴とする自転車用テールランプに関する。

【０００５】また請求項２の発明は、自転車の後方に向
けて車体に取り付けられるランプであって、該ランプは
複数のＬＥＤ発光素子と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明
なカバーと、上記ＬＥＤ発光素子を点滅発光させる蓄電
池装置とからなり、透明なカバーの内面には断面円弧状
に隆起した隆起部が少なくとも複数箇所形成されている
ことを特徴とした自転車用テールランプに関する。 さ
らに請求項３の発明は、ランプは複数のＬＥＤ発光素子
と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥ
Ｄ発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透
明なカバーの内面には断面円弧状に隆起した隆起部が少
なくとも複数箇所形成されていることを特徴とした請求
項１に記載の自転車用テールランプに関する。

【０００６】さらに請求項４の発明は、自転車の後方に
向けて車体に取り付けられるランプであって、該ランプ
は複数のＬＥＤ発光素子と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透
明なカバーと、上記ＬＥＤ発光素子を点滅発光させる蓄
電池装置とからなり、透明なカバーの上方には取り付け
状態において路面に対して２５度±２度後ろ斜め上方に
向けた傾斜面が形成されていることを特徴とした自転車
用テールランプに関する。

【０００７】さらに請求項５の発明は、ランプは複数の
ＬＥＤ発光素子と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明なカバ
ーと、上記ＬＥＤ発光素子を点滅発光させる蓄電池装置
とからなり、透明なカバーの上方には取り付け状態にお
いて路面に対して２５度±２度後ろ斜め上方に向けた傾
斜面が形成されていることを特徴とした請求項１又は２
又は３に記載の自転車用テールランプに関する。 さら
に請求項６の発明は、ランプは複数のＬＥＤ発光素子
と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥ
Ｄ発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透
明なカバーの上方にはカバー正面に対して６５度±２度
上向きに傾斜させた傾斜面が形成されていることを特徴
とした請求項１又は２又は３に記載の自転車用テールラ
ンプランプに関する。

【０００８】さらに請求項７の発明は、ランプには自転
車の走行に伴ってＬＥＤ発光素子を点滅させるところの
振動センサが組み込まれているところの請求項１〜６に
記載の自転車用テールランプに関する。 上記した構成
において、請求項１の発明においては複数のＬＥＤ発光
素子に含まれる赤色と緑色のＬＥＤ発光素子を点滅させ
ると緑の発光波長が長いために遠方まで視認可能とな
り、その結果赤色の発光が視覚的に倍化強調され、後方
視認性が著しく向上し、昼・夜間の通常走行に限らず、
霧の発生時、またトンネル内走行時等において自転車の
走行安全性を著しく向上させることができる。

【０００９】また請求項２の発明においては透明又は半
透明のカバーの内面には断面円弧状に隆起した隆起部が
少なくとも複数箇所形成されているところから、内部Ｌ
ＥＤ発光素子の比較的弱い発光が隆起部においてレンズ
効果により増幅されて輝度が増し、しかも光りが拡散さ
れて自転車後方における側面方向からの視認性をも向上
させることができる。 また請求項４の発明において
は、透明なカバーの上方には取り付け状態において路面
に対して２５度±２度後ろ斜め上方に向けた傾斜面が形
成されているところから後方斜め上方からの視認性も向
上し、とくに大型トラックやバス等大型車両の運転台か
らの視認性を向上させて安全性を向上させることができ
る。

【００１０】さらにさらに請求項６の発明は、透明なカ
バーの上方にはカバー正面に対して６５度±２度上向き
に傾斜させてあるから、これを自転車の後輪泥よけの通
常のリフレクター取り付け位置等に取り付けた場合にお
いては、取り付け状態において走行時に路面に対して２
５度±２度後ろ斜め上方に向けた傾斜面が形成されるこ
とになる。 さらに請求項７の発明においては、振動セ
ンサが組み込まれているために、自転車の走行時にのみ
ＬＥＤ発光素子を点滅させ、不使用時においては電源を
自動的にＯＦＦにするために機能的かつ経済的である。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下において、本発明のテールラ
ンプの具体的な内容を図の実施例をもとに説明すると、
１は取り付け台、４は該取り付け台の正面側を覆うべく
取り付けられる透明なカバーをあらわす。 取り付け台
１は、後輪泥よけやバックホーク等自転車の車体に取り
付けが可能であって、後輪泥よけに取りつける場合にお
いては、その裏面２を泥よけ１２の背面における湾曲面
に略合致させるべく幾分内側に湾曲させてあり、しかも
泥よけステー１３の折り返し部を跨ぐことができる凹部
３を有し、さらに該凹部３の両側に位置して雌型螺条部
（図示省略）が形成されている。

【００１２】さらに取り付け台１の正面側にはプレート
１１が取り付けられ、しかも該プレート１１には複数の
ＬＥＤ発光素子８と、該ＬＥＤ発光素子８を点滅発光さ
せるための、例えばリチウムボタン電池のような電池
と、ＬＥＤ発光素子８を断続的に点滅させるための既知
の回路とを有する蓄電池装置１０、および自転車の走行
に伴って振動を感知し、振動時に上記蓄電地装置１０か
らＬＥＤ発光素子８に電力を供給してＬＥＤ発光素子８
を点滅させるための振動センサ９とが組み込まれてい
る。

【００１３】なお上記した複数のＬＥＤ発光素子８につ
いては、そのうちに少なくとも赤色のＬＥＤ発光素子と
緑色のＬＥＤ発光素子とを含ませて、例えば図２におい
て赤色のＬＥＤ発光素子を８ａ、緑色のＬＥＤ発光素子
を８ｃとし、中間のＬＥＤ発光素子８ｂについては白色
や黄色等他の発光色にするようにすると、赤色と緑色の
ＬＥＤ発光素子とを点滅させた場合に、緑の発光波長が
長いために遠方まで視認可能となり、その結果赤色の発
光が視覚的に倍化強調され、後方視認性が著しく向上す
る。

【００１４】透明のカバー４は、上記した取り付け台の
正面側を覆うべく箱型に構成され、正面部５および傾斜
面６とを有する。 すなわちテールランプを自転車の泥
よけ１２に取り付けた際に、図１にＡ−Ａ線であらわし
た正面部５の軸線が自転車の後方遠方に向くように、走
行する地面に対して垂直方向（Ａ−Ａ線が地面に対して
垂直となる方向）に向けて平坦に構成されているととも
に、カバー４の上方には平坦なカバー正面部５（Ａ−Ａ
線）に対して傾斜面６をＣ−Ｃ線のように約６５度上向
きに傾斜させることにより、取り付け状態において路面
に対して平行なＢ−Ｂ線に対して後方を追走するトラッ
ク等の運転者の高い目線に止まりやすい好ましい角度
（Ｘ度）後ろ斜め上方に向けて取り付けることができ
る。

【００１５】この場合において、自転車の後方に追走す
る大型車両等の運転者からみて、前方を走行する自転車
を十分に目視しやすい角度（Ｘ）について本発明者らが
研究した結果、目視しやすい角度は走行する地面に対し
て２３度以上であり、また２８度以上になるとかえって
視認が困難となることが明らかとなった。 したがって
前記した傾斜面６の好ましい角度（Ｘ）については、走
行する地面に対して２５度±２度の範囲内に設定する必
要がある。

【００１６】したがって、この傾斜面６の好ましい範囲
内の角度Ｘを得るためには、カバー正面部（Ａ−Ａ線に
よりあらわされた面）５に対して６５度±２度上向きに
傾斜させる（Ｃ−Ｃ線によりあらわされた面）ことによ
り、自転車に対する取り付け走行状態において、路面に
対して２５度±２度後ろ斜め上方に向けた傾斜面６が形
成されることになる。 さらにカバー４の内面には、断
面円弧状に隆起させて肉厚にした隆起部７が、少なくと
も複数箇所形成されている。 この隆起部７はＬＥＤ発
光素子８の比較的弱い発光を拡大して輝度を増すととも
に、光りが拡散して後方に向け、より一層視認性を良好
にするレンズ効果をもたらすものである。

【００１７】上記した構成において、泥よけ１２の背面
に添わせた泥よけステー１３の折り返し部上に取り付け
台１の裏面２を、その裏面中央部に形成したところの、
水平方向に向けて泥よけステー１３の折り返し部を跨ぐ
ことが可能な大きさの凹部３内に折り返し部を遊嵌させ
た状態にて重ね、さらに泥よけ１２の裏面側から補強板
（図示省略）を介してそのビス穴からビス１４を通し、
該ビス１４の先端を泥よけ１２の取り付け穴を貫通させ
て背面側の取り付け台１の雌型螺条部内に螺入させて泥
よけ１２背面に一体的に締め付け固定する。

【００１８】上記した構成のテールランプを取り付けた
自転車を走行させると、振動センサ９が路面の衝撃を感
知して蓄電地装置１０から電流を流し、ＬＥＤ発光素子
８を点滅発光させる。 なおこの場合において複数のＬ
ＥＤ発光素子８ａ〜８ｃは、同時点滅発光でもよいが、
交互に点滅発光させるようにすると、より一層効果的で
ある。

【００１９】さらにＬＥＤ発光素子８の発光点滅は、正
面部５の面を介して自転車後方部の路面と平行な遠くに
まで目視させることができ、また斜め上方に形成したと
ころの、取り付け状態において路面に対して２５度±２
度後ろ斜め上方に向けた傾斜面６の面を介して後方に追
走する大型トラックやバス等、自転車よりもはるかに高
さのある車両の運転者に対しても存在を十分にアピール
することが可能となる。 さらに透明のカバー４の内面
には断面円弧状に隆起した隆起部７が少なくとも複数箇
所形成されているために、ＬＥＤ発光素子８の比較的弱
い点滅発光が隆起部７のレンズ効果により拡散されて自
転車の後方のみならず左右側面方向、および上下方向へ
と広範囲に点滅発光を照射することができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は上記したように、自転車の後方
に向けて車体に取り付けられるランプであって、該ラン
プは複数のＬＥＤ発光素子と、該発光素子を点滅発光さ
せる蓄電池装置とを内蔵し、しかも上記複数のＬＥＤ発
光素子には赤色と緑色とを含むものであるために、省電
力のＬＥＤ発光素子を用いることによる大幅なコストの
削減をはかるのみならず、とくに複数のＬＥＤ発光素子
に含まれる赤色と緑色のＬＥＤ発光素子を点滅発光させ
ると緑の発光波長が長いために遠方まで視認可能とな
り、その結果赤色の発光が視覚的に倍化強調され、後方
視認性が著しく向上し、昼・夜間の通常走行に限らず、
霧の発生時、またトンネル内走行時等において自転車の
走行安全性を著しく向上させることができる。

【００２１】また透明なカバーの内面には断面円弧状に
隆起させた隆起部が少なくとも複数箇所形成されている
ところから、内部ＬＥＤ発光素子の比較的弱い発光が上
記した隆起部によるレンズ効果によって、より一層輝度
を増すばかりでなく光が拡散され、自転車後方における
左右側面方向および上下方向からの視認性をも向上させ
ることができる。

【００２２】さらに透明なカバー４の上方にはカバー正
面５に対して６５度±２度上向きに傾斜させた傾斜面６
が形成されているから、これを自転車の後輪泥よけの通
常のリフレクター取り付け位置に取り付けた場合におい
ては、傾斜面６が取り付け状態において路面に対して２
５度±２度後ろ斜め上方に傾斜させて取り付けられるこ
とになり、その結果後方斜め上方からの視認性も向上
し、とくに大型トラックやバス等大型車両の運転台から
の視認性を向上させて安全性を向上することができる。

【００２３】さらに本願発明のテールランプには自転車
の走行に伴ってＬＥＤ発光素子を点滅させるところの振
動センサが組み込まれているために、自転車の走行時に
のみＬＥＤ発光素子を点滅させ、不使用時においては電
源を自動的にＯＦＦにするために機能的かつ経済的であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例をあらわすところの、テール
ランプを自転車の後輪泥よけ背面に取り付けた状態の側
面図。

【図２】本発明のテールランプを拡大してあらわした正
面図。

【図３】本発明のテールランプにおける透明のカバーの
一部を破砕してあらわした拡大側面図。

【符号の説明】

１ 取り付け台 ２ 取り付け台の裏面 ３ 凹部 ４ 透明なカバー ５ 正面部 ６ 傾斜面 ７ 隆起部 ８ 発光素子 ９ 振動センサ １０ 蓄電地装置 １１ プレート １２ 泥よけ １３ 泥よけステー １４ ビス

フロントページの続き (72)発明者 山崎 祐路 神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目１番１号 宮田工業株式会社内 (72)発明者 相原 浩次 神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目１番１号 宮田工業株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自転車の後方に向けて車体に取り付けられ
   るランプであって、該ランプは複数のＬＥＤ発光素子
   と、該発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とを内蔵
   し、しかも上記複数のＬＥＤ発光素子には赤色と緑色と
   を含むものであることを特徴とする自転車用テールラン
   プ。
2. 【請求項２】自転車の後方に向けて車体に取り付けられ
   るランプであって、該ランプは複数のＬＥＤ発光素子
   と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥ
   Ｄ発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透
   明のカバー内面には断面円弧状に隆起した隆起部が少な
   くとも複数箇所形成されていることを特徴とした自転車
   用テールランプ。
3. 【請求項３】ランプは複数のＬＥＤ発光素子と、該ＬＥ
   Ｄ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥＤ発光素子
   を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透明なカバー
   の内面には断面円弧状に隆起した隆起部が少なくとも複
   数箇所形成されていることを特徴とした請求項１に記載
   の自転車用テールランプ。
4. 【請求項４】自転車の後方に向けて車体に取り付けられ
   るランプであって、該ランプは複数のＬＥＤ発光素子
   と、該ＬＥＤ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥ
   Ｄ発光素子を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透
   明なカバーの上方には取り付け状態において路面に対し
   て２５度±２度後ろ斜め上方に向けた傾斜面が形成され
   ていることを特徴とした自転車用テールランプ。
5. 【請求項５】ランプは複数のＬＥＤ発光素子と、該ＬＥ
   Ｄ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥＤ発光素子
   を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透明なカバー
   の上方には取り付け状態において路面に対して２５度±
   ２度後ろ斜め上方に向けた傾斜面が形成されていること
   を特徴とした請求項１又は２又は３に記載の自転車用テ
   ールランプ。
6. 【請求項６】ランプは複数のＬＥＤ発光素子と、該ＬＥ
   Ｄ発光素子を覆う透明なカバーと、上記ＬＥＤ発光素子
   を点滅発光させる蓄電池装置とからなり、透明なカバー
   の上方にはカバー正面に対して６５度±２度上向きに傾
   斜させた傾斜面が形成されていることを特徴とした請求
   項１又は２又は３に記載の自転車用テールランプ。
7. 【請求項７】ランプには自転車の走行に伴ってＬＥＤ発
   光素子を点滅させるところの振動センサが組み込まれて
   いるところの請求項１〜５に記載の自転車用テールラン
   プ。